目次
すなに ぎゅー
古賀充 作
■内容のご紹介
砂に手をぎゅーっと押しつけると……砂にくっきりと手の跡がついた。貝殻をぎゅーっとしたら、砂の上で松ぼっくりを転がしてみたら、どんな跡が残る? 砂さえあれば楽しめる遊びが、造形作家の古賀充さんの手によって、美しい写真絵本となりました。絵本を読んだ後は、ぜひ実際に「すなに ぎゅー」をしてみてください。どんな跡に出会えるでしょうか。
■編集部より
造形作家の古賀充さんによる、初めての「ちいさなかがくのとも」作品です。海に近い場所にお住まいの古賀さんは、砂につく「跡」をテーマに絵本を作ってくださいました。
撮影は自然との闘い、そして共演だったと、古賀さんはおっしゃいます。まず光。写真は自然光で撮られていますが、光が「跡」の凸凹を美しく照らし出すのはほんの一瞬。貝殻の跡の精緻な模様や、枝の跡の素朴な柔らかさなどの質感を伝えるために、古賀さんは毎日どころか、1日に2度3度と砂浜に足を運んで撮影を繰り返し、絵本には、作者会心の写真が揃いました。
担当編集者が最も胸を打たれたのは、砂につけた美しい跡が波に洗われる場面(p22~24)の写真です。もちろん合成写真ではありません。「いい湿り具合の平らな砂面を探す」→「丁寧に跡をつける」→「波を待つ」→「連写する」という工程を、ちょうどいい角度からちょうどいい強さの波が来るまで繰り返す、という方法で撮影してくださったものです。砂、光、風、波、そして作者が織りなす一瞬の奇跡を、絵本でたっぷりお楽しみください。
砂さえあれば、どこでもできる遊び。さあ、あなたは砂にどんな跡をつけますか?
●作者のことば
砂と波と光と風と
古賀充
砂浜を歩いて、波打ち際まで行きます。波で水分をふくんだ砂には、くっきりとしたきれいな足あとが残ります。そこに太陽があたり、光と影が生まれ、形が浮かび上がってきます。美しいあとは、砂と波と光がつくり出していると気がつきました。
絵本づくりは見えない自然との共同作業の日々になりました。太陽は空に弧を描きながら移動して、光と影は刻々と変化していきます。撮影しようという時に影が変わってしまうことや、雲で隠れてしまうこともありました。せっかくつくったあとが、波に消されてしまうこともありました。消されてはつくってを繰り返していると、まるで一人で波と遊んでいるようでした。葉っぱが風で飛ばされてしまい波の上まで追いかけたこともありました。全てが動いている! 自然のいたずらに振り回されることもあれば、全ての要素がぴたっと重なって美しい景色を見せてくれることもあります。そんな時、そこにある自然と気持ちが合わさったようなうれしさを感じます。いつ現れるかわからない良いタイミングを見逃さないようにしっかりと準備をして、毎日毎日、海岸に向かいました。
大きな顕微鏡のように三脚を立てて、カメラを覗き込んで見る砂の表面は、どこか遠い星の地表にも見えてくることもありました。砂から始まった想像を自然はどこまでも広げてくれます。
波は全てのあとを洗い流して、今日も砂浜は、生まれたての美しいキャンバスとなって現れます。子どもの足あと、大人の足あと、犬や鳥の足あと、波の模様や風がつくりだす美しい風紋。砂浜は、私たちの暮らしや目に見えないものを写し出してくれます。足元に広がる
宇宙を、ぜひ砂浜で感じてください。
■著者情報
古賀充
1980年生まれ。造形作家。海が近くにある町に住みながら、生活の中で出会う物を観察し、その物に触れる中での発見や感じたことを、素材と手仕事を通して作品にしている。国内外での展覧会を中心に作品を発表。絵本に『いしころ とことこ』『ピーン』『ゴトガタ トラック』(いずれも「こどものとも年少版」/福音館書店)などがある。神奈川県在住。は本作が初めて。
古賀充 作
■内容のご紹介
砂に手をぎゅーっと押しつけると……砂にくっきりと手の跡がついた。貝殻をぎゅーっとしたら、砂の上で松ぼっくりを転がしてみたら、どんな跡が残る? 砂さえあれば楽しめる遊びが、造形作家の古賀充さんの手によって、美しい写真絵本となりました。絵本を読んだ後は、ぜひ実際に「すなに ぎゅー」をしてみてください。どんな跡に出会えるでしょうか。
■編集部より
造形作家の古賀充さんによる、初めての「ちいさなかがくのとも」作品です。海に近い場所にお住まいの古賀さんは、砂につく「跡」をテーマに絵本を作ってくださいました。
撮影は自然との闘い、そして共演だったと、古賀さんはおっしゃいます。まず光。写真は自然光で撮られていますが、光が「跡」の凸凹を美しく照らし出すのはほんの一瞬。貝殻の跡の精緻な模様や、枝の跡の素朴な柔らかさなどの質感を伝えるために、古賀さんは毎日どころか、1日に2度3度と砂浜に足を運んで撮影を繰り返し、絵本には、作者会心の写真が揃いました。
担当編集者が最も胸を打たれたのは、砂につけた美しい跡が波に洗われる場面(p22~24)の写真です。もちろん合成写真ではありません。「いい湿り具合の平らな砂面を探す」→「丁寧に跡をつける」→「波を待つ」→「連写する」という工程を、ちょうどいい角度からちょうどいい強さの波が来るまで繰り返す、という方法で撮影してくださったものです。砂、光、風、波、そして作者が織りなす一瞬の奇跡を、絵本でたっぷりお楽しみください。
砂さえあれば、どこでもできる遊び。さあ、あなたは砂にどんな跡をつけますか?
●作者のことば
砂と波と光と風と
古賀充
砂浜を歩いて、波打ち際まで行きます。波で水分をふくんだ砂には、くっきりとしたきれいな足あとが残ります。そこに太陽があたり、光と影が生まれ、形が浮かび上がってきます。美しいあとは、砂と波と光がつくり出していると気がつきました。
絵本づくりは見えない自然との共同作業の日々になりました。太陽は空に弧を描きながら移動して、光と影は刻々と変化していきます。撮影しようという時に影が変わってしまうことや、雲で隠れてしまうこともありました。せっかくつくったあとが、波に消されてしまうこともありました。消されてはつくってを繰り返していると、まるで一人で波と遊んでいるようでした。葉っぱが風で飛ばされてしまい波の上まで追いかけたこともありました。全てが動いている! 自然のいたずらに振り回されることもあれば、全ての要素がぴたっと重なって美しい景色を見せてくれることもあります。そんな時、そこにある自然と気持ちが合わさったようなうれしさを感じます。いつ現れるかわからない良いタイミングを見逃さないようにしっかりと準備をして、毎日毎日、海岸に向かいました。
大きな顕微鏡のように三脚を立てて、カメラを覗き込んで見る砂の表面は、どこか遠い星の地表にも見えてくることもありました。砂から始まった想像を自然はどこまでも広げてくれます。
波は全てのあとを洗い流して、今日も砂浜は、生まれたての美しいキャンバスとなって現れます。子どもの足あと、大人の足あと、犬や鳥の足あと、波の模様や風がつくりだす美しい風紋。砂浜は、私たちの暮らしや目に見えないものを写し出してくれます。足元に広がる
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1980年生まれ。造形作家。海が近くにある町に住みながら、生活の中で出会う物を観察し、その物に触れる中での発見や感じたことを、素材と手仕事を通して作品にしている。国内外での展覧会を中心に作品を発表。絵本に『いしころ とことこ』『ピーン』『ゴトガタ トラック』(いずれも「こどものとも年少版」/福音館書店)などがある。神奈川県在住。は本作が初めて。
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