目次
オオバンたちが パクパクパク
とうごうなりさ 作
■内容のご紹介
黒い水鳥、オオバン。一羽、また一羽と、池から陸に上がってきたよ。いっぽ進んでは、草をパクパク。犬が吠えたら、それ、逃げろー! 群れで動くオオバンの姿が、切り絵でユーモラスに描かれた絵本です。体は真っ黒、その中に真っ白な額とくちばしが目立つオオバンは、ほかの鳥とすぐ見分けられます。近くで草をパクパクする鳥を探してみてくださいね。
■編集部より
冬のある日、作者のとうごうなりささんから連絡がありました。「水鳥なのに、群れで陸に上がってのんびり草を食べる鳥がいるんです。見に来ませんか」。カメラを持って訪問したのは新横浜。群れで川を泳いでいた黒い水鳥が、一羽ずつ土手に上がり、一歩進んではパクパクと草をついばみます。水上では機敏に動く水鳥も、陸上歩行は少し苦手と見えて、幼い子でも近づいて観察することができます。
作者のとうごうさんは版画・絵・切り絵など様々な手法で作画をされますが、今回はオオバンたちを一つの「群れ」として描くために、細部を描き込みすぎない「切り絵」の手法を選ばれました。また陸の部分は、自然な濃淡で地面を表現できたらと、紅茶で染めた白い紙が使われています。
体はほぼ真っ黒、その中に真っ白な額とくちばしが目立つオオバンは、ほかの鳥とすぐ見分けられます。近年その数が増加し日本全国で見られますので、近くで草をパクパクしていないか探してみてくださいね。
●作者のことば
オオバンずんずん!
年に数回、『かいつぶり もぐった!』(ちいさなかがくのとも2025年3月号)の作者の神戸宇孝さんと一緒にフィールドスケッチ会を開催している。瞬間を切り取り二次元にした写真を見て描くのではなく、野外で動いている鳥をスケッチしようという会だ。描こうと思うと色形や動き、足の位置などをよく見る。あとで写真を参考に描くときにも、フィールドでの観察時間がその鳥らしい動きを描くのに役立つ気がする。
冬は開催地として神奈川県の新横浜公園をよく選ぶ。理由のひとつがオオバンだ。バードウォッチングであれば多くの種が見られるに限るが、スケッチとなると何かひとつが近くでじっくり見られるほうが良い。ここのオオバンは遊水地から岸へとあがってきて、こちらがじっとしていれば、目の前で草を食べ続けてくれる。格好のスケッチ対象だ。
そんなスケッチ会の折に6歳の娘がオオバンを描いていて、「オオバンずんずん! オオバンずんずん!」と言い出した。群れが少しずつ近づいてきて楽しかったという。「絵本になりそうだ」と夫が言い出して家族で盛り上がった。
まずは取材しようと、もう一度公園へ出かけて丸一日観察し、家に帰ってから3人で別々にお話を考え発表し合った。
今作、『オオバンたちが パクパクパク』は、その時にわたしが作ったお話を軸に、夫が描いたどアップの構図を取り入れ、娘が作った切り絵にヒントを得て、再度の取材や調べ物を経て制作した。
「オオバンずんずん」として始まったけれど、よくよく観察してみると、群れは「ずんずん」とは進まず、一歩歩いては立ち止まって地面をつついていた。科学的に間違っていては仕方ないので、「ずんずん」は諦めて「パクパクパク」となった。
■著者情報
とうごうなりさ
東京農工大学地域生態システム学科を卒業後、イギリスのケンブリッジ・スクール・オブ・アートで絵本や児童書の挿絵を学ぶ。絵本に『はばたけ! バンのおにいちゃん』(出版ワークス)、『あかちゃんの おさんぽえほん みぢかないきもの全3冊』『さくらがさくと』(いずれも、福音館書店)など、「ちいさなかがくのとも」に『ハクセキレイの よる』『きょうは たびびより』『アオサギの さかなとり』がある。
とうごうなりさ 作
■内容のご紹介
黒い水鳥、オオバン。一羽、また一羽と、池から陸に上がってきたよ。いっぽ進んでは、草をパクパク。犬が吠えたら、それ、逃げろー! 群れで動くオオバンの姿が、切り絵でユーモラスに描かれた絵本です。体は真っ黒、その中に真っ白な額とくちばしが目立つオオバンは、ほかの鳥とすぐ見分けられます。近くで草をパクパクする鳥を探してみてくださいね。
■編集部より
冬のある日、作者のとうごうなりささんから連絡がありました。「水鳥なのに、群れで陸に上がってのんびり草を食べる鳥がいるんです。見に来ませんか」。カメラを持って訪問したのは新横浜。群れで川を泳いでいた黒い水鳥が、一羽ずつ土手に上がり、一歩進んではパクパクと草をついばみます。水上では機敏に動く水鳥も、陸上歩行は少し苦手と見えて、幼い子でも近づいて観察することができます。
作者のとうごうさんは版画・絵・切り絵など様々な手法で作画をされますが、今回はオオバンたちを一つの「群れ」として描くために、細部を描き込みすぎない「切り絵」の手法を選ばれました。また陸の部分は、自然な濃淡で地面を表現できたらと、紅茶で染めた白い紙が使われています。
体はほぼ真っ黒、その中に真っ白な額とくちばしが目立つオオバンは、ほかの鳥とすぐ見分けられます。近年その数が増加し日本全国で見られますので、近くで草をパクパクしていないか探してみてくださいね。
●作者のことば
オオバンずんずん!
年に数回、『かいつぶり もぐった!』(ちいさなかがくのとも2025年3月号)の作者の神戸宇孝さんと一緒にフィールドスケッチ会を開催している。瞬間を切り取り二次元にした写真を見て描くのではなく、野外で動いている鳥をスケッチしようという会だ。描こうと思うと色形や動き、足の位置などをよく見る。あとで写真を参考に描くときにも、フィールドでの観察時間がその鳥らしい動きを描くのに役立つ気がする。
冬は開催地として神奈川県の新横浜公園をよく選ぶ。理由のひとつがオオバンだ。バードウォッチングであれば多くの種が見られるに限るが、スケッチとなると何かひとつが近くでじっくり見られるほうが良い。ここのオオバンは遊水地から岸へとあがってきて、こちらがじっとしていれば、目の前で草を食べ続けてくれる。格好のスケッチ対象だ。
そんなスケッチ会の折に6歳の娘がオオバンを描いていて、「オオバンずんずん! オオバンずんずん!」と言い出した。群れが少しずつ近づいてきて楽しかったという。「絵本になりそうだ」と夫が言い出して家族で盛り上がった。
まずは取材しようと、もう一度公園へ出かけて丸一日観察し、家に帰ってから3人で別々にお話を考え発表し合った。
今作、『オオバンたちが パクパクパク』は、その時にわたしが作ったお話を軸に、夫が描いたどアップの構図を取り入れ、娘が作った切り絵にヒントを得て、再度の取材や調べ物を経て制作した。
「オオバンずんずん」として始まったけれど、よくよく観察してみると、群れは「ずんずん」とは進まず、一歩歩いては立ち止まって地面をつついていた。科学的に間違っていては仕方ないので、「ずんずん」は諦めて「パクパクパク」となった。
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とうごうなりさ
東京農工大学地域生態システム学科を卒業後、イギリスのケンブリッジ・スクール・オブ・アートで絵本や児童書の挿絵を学ぶ。絵本に『はばたけ! バンのおにいちゃん』(出版ワークス)、『あかちゃんの おさんぽえほん みぢかないきもの全3冊』『さくらがさくと』(いずれも、福音館書店)など、「ちいさなかがくのとも」に『ハクセキレイの よる』『きょうは たびびより』『アオサギの さかなとり』がある。
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