目次
うえと したと ヒューストン
森川智喜 文/杉山真依子 絵
■内容のご紹介
マナブくんは、写真の向きが分からなくて困っているロボット、ヒューストンを助けてあげることになりました。ヒューストンが次から次へと持ってくる写真は、さて、どっちが上でどっちが下でしょうか? 当たり前過ぎてふだん意識しない上下の向きや重力について、絵本を回して、絵の角度を変えて考える驚きの一作。上下の固定観念をもひっくり返す絵本です。
■編集部より
今月号の文の著者は、ミステリー作家の森川智喜さん。森川さんは『アチャチャを つかまえろ!』(2022年7月号/品切)でSFミステリー×絵探しという絵本を考案してくださりましたが、今回の絵本も、読者が絵本それ自体を回転させて上下について考えるという画期的なものとなりました。
絵の著者は、豊かな色彩的センスを持ち、輪郭線を極力省いて面で描く人気イラストレーター、杉山真依子さん。絵本は初挑戦ですが、甘いもの好き(私もそうです)なかたは、スイーツブランド Now on Cheese♪ のイラストでご存知かもしれません。
そんな二人の著者による今月号、当たり前過ぎてふだん意識しない上下の向きや重力について、ひいては、地球と宇宙について、考えるきっかけになれば幸いです。
●作者のことば
くるくると回す絵本の刊行に際して 森川智喜
本書『うえと したと ヒューストン』には、絵本ごとくるくると回そうという旨のページがいくつもあります。そうやって、主人公らといっしょに鉛直方向を見抜こうという絵本です。同様に以前自分が携わった絵本『アチャチャを つかまえろ! ‐ねつの はたらき‐』がそうであったように、読むだけではなく〈取り組む〉ことのできる一冊。といっても算数も鉛筆も要りません。〈物理現象に対する定性的なイメージ〉で充分です。つまり数式をこねこねして何がどうなると考えるのではなく、頭の中でイメージした世界が勝手に動くことで何がどうなると考える、そんなアプローチです。
物理学にはさまざまな方程式が登場しますが、それらをあれやこれやと学んだあとでも、数式に頼らない定性的なイメージが役立ちます。数式をこねこねしていてうっかり計算ミスをしてしまったときなど、〈妙だな。イメージした世界ではこんなことにならないんだけど……〉と、定性的なイメージとのズレによってそれに気づける場合があるからです。そもそも、方程式の理解そのものも定性的なイメージと無縁ではありません。たしかに逆にイメージのほうを修正しなければならない場合もありますが、しっかりと修正すれば、やはりのちのち式計算の場面でも役立つはずです。
また、定性的なイメージを洗練しようという姿勢には、学校の勉強という枠にとどまらず、もっと野生的な、何かを想像する能力の源としての役割も期待できないでしょうか。
物体にはたらく力の向きを捉えることは力学の基本であり、鉛直方向は重力の向きです。だから、鉛直方向を見抜こうという本書主人公らの作業は力学の基本に通じます。児童読者のみならず大人読者にとっても、身近な物理についてあらためて考えるきっかけになればと思います。
■著者情報
森川智喜
作家。京都大学大学院理学研究科修士課程修了。専攻は物理学。京都大学推理小説研究会出身。『スノーホワイト 名探偵三途川理と少女の鏡は千の目を持つ』で本格ミステリ大賞受賞。絵本は『アチャチャを つかまえろ!‐ねつの はたらき‐』(「かがくのとも」2022年7月号)に続き2作目。
杉山真依子
イラストレーター。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒。パレットクラブイラストコース卒。代表的な仕事に菓子ブランドNow on Cheese♪のビジュアルなど。主に百貨店のイベントビジュアル、商品パッケージ、書籍、雑誌などの媒体で活動。絵本は本作が初めて。
森川智喜 文/杉山真依子 絵
■内容のご紹介
マナブくんは、写真の向きが分からなくて困っているロボット、ヒューストンを助けてあげることになりました。ヒューストンが次から次へと持ってくる写真は、さて、どっちが上でどっちが下でしょうか? 当たり前過ぎてふだん意識しない上下の向きや重力について、絵本を回して、絵の角度を変えて考える驚きの一作。上下の固定観念をもひっくり返す絵本です。
■編集部より
今月号の文の著者は、ミステリー作家の森川智喜さん。森川さんは『アチャチャを つかまえろ!』(2022年7月号/品切)でSFミステリー×絵探しという絵本を考案してくださりましたが、今回の絵本も、読者が絵本それ自体を回転させて上下について考えるという画期的なものとなりました。
絵の著者は、豊かな色彩的センスを持ち、輪郭線を極力省いて面で描く人気イラストレーター、杉山真依子さん。絵本は初挑戦ですが、甘いもの好き(私もそうです)なかたは、スイーツブランド Now on Cheese♪ のイラストでご存知かもしれません。
そんな二人の著者による今月号、当たり前過ぎてふだん意識しない上下の向きや重力について、ひいては、地球と宇宙について、考えるきっかけになれば幸いです。
●作者のことば
くるくると回す絵本の刊行に際して 森川智喜
本書『うえと したと ヒューストン』には、絵本ごとくるくると回そうという旨のページがいくつもあります。そうやって、主人公らといっしょに鉛直方向を見抜こうという絵本です。同様に以前自分が携わった絵本『アチャチャを つかまえろ! ‐ねつの はたらき‐』がそうであったように、読むだけではなく〈取り組む〉ことのできる一冊。といっても算数も鉛筆も要りません。〈物理現象に対する定性的なイメージ〉で充分です。つまり数式をこねこねして何がどうなると考えるのではなく、頭の中でイメージした世界が勝手に動くことで何がどうなると考える、そんなアプローチです。
物理学にはさまざまな方程式が登場しますが、それらをあれやこれやと学んだあとでも、数式に頼らない定性的なイメージが役立ちます。数式をこねこねしていてうっかり計算ミスをしてしまったときなど、〈妙だな。イメージした世界ではこんなことにならないんだけど……〉と、定性的なイメージとのズレによってそれに気づける場合があるからです。そもそも、方程式の理解そのものも定性的なイメージと無縁ではありません。たしかに逆にイメージのほうを修正しなければならない場合もありますが、しっかりと修正すれば、やはりのちのち式計算の場面でも役立つはずです。
また、定性的なイメージを洗練しようという姿勢には、学校の勉強という枠にとどまらず、もっと野生的な、何かを想像する能力の源としての役割も期待できないでしょうか。
物体にはたらく力の向きを捉えることは力学の基本であり、鉛直方向は重力の向きです。だから、鉛直方向を見抜こうという本書主人公らの作業は力学の基本に通じます。児童読者のみならず大人読者にとっても、身近な物理についてあらためて考えるきっかけになればと思います。
■著者情報
森川智喜
作家。京都大学大学院理学研究科修士課程修了。専攻は物理学。京都大学推理小説研究会出身。『スノーホワイト 名探偵三途川理と少女の鏡は千の目を持つ』で本格ミステリ大賞受賞。絵本は『アチャチャを つかまえろ!‐ねつの はたらき‐』(「かがくのとも」2022年7月号)に続き2作目。
杉山真依子
イラストレーター。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒。パレットクラブイラストコース卒。代表的な仕事に菓子ブランドNow on Cheese♪のビジュアルなど。主に百貨店のイベントビジュアル、商品パッケージ、書籍、雑誌などの媒体で活動。絵本は本作が初めて。
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