目次
とこ とこ いくよ
こさかまさみ 文/アヤ井アキコ 絵
■内容のご紹介
もうすぐ冬。家を作って木の実を集めて……。寒さをしのぐため、しまりすが冬支度をしています。一段落して家に入ると、一生懸命集めた木の実がありません。木の実は、壁にあいた穴から転がり落ちてしまったようです。しまりすが穴をたどっていくと、くまの巣穴とつながっていて……? 冬を迎えるしまりすとくまに訪れた、あたたかな出会いの物語です。
■編集部より
保育園の子どもたちと昼寝の準備をしていると、ある子がそばに来て「ねえ、トントンして」と言いました。トントン、としずかに背に触れていると、「起きたら、また遊ぼうね」と笑って眠りにつきました。眠っている間、すこしだけ自分の意識を離れることを子どもたちは知っていて、小さなからだでまっすぐ向き合っているのですね。眠りの世界へ向かう時、これからはしまりすとくまも心強い味方になってくれそうです。子どもたちが安心して、ぐっすり眠れますように。
●作者のことば
「おやすみなさい、またあした」
こさかまさみ
「おやすみなさい、またあした」
息子が小さい時の寝る前の挨拶の言葉です。誰が教えたわけでもなく、気付いたら言っていました。当時、私は「またあした」の意味を「あしたも元気に遊ぼうね」だと思っていました。
彼が大きくなったある日、「『おやすみなさい、またあした』って、どうして言っていたの?」と聞いてみました。すると、「寝てる間に死んじゃうんじゃないかなって心配だったんだよ」という返事が返ってきて、彼が毎晩、そんなことを思っていたのかと、正直驚きました。
確かに、「眠る」という行為は、心身を休める幸せな時間である一方、自分自身の体をコントロールできない、危険な時間でもあるには間違いありません。
一部の動物たちは、寒さをしのぐため、冬眠や冬ごもりという長時間の眠りを選びます。けれども、寝ている間、外敵に襲われたり自然災害に見舞われたりすることもあるかもしれません。大昔から受け継がれた本能に従っているとはいえ、彼らは、自分が眠っている長い間に何が起こるのか不安にならないのでしょうか? それとも、それを承知で、並々ならぬ覚悟を持って臨むのでしょうか? いずれにせよ、それは寒さを乗り越え生き抜くための勇気ある決意の末の行動だと思え、同時に、その勇気に尊敬の念を抱いてしまいます。そして、眠りに入る彼らは、目を閉じた時、一体何を想うのでしょうか?
そう考えると、毎晩息子が言っていた「おやすみなさい、またあした」は、彼が「眠り」という世界へ、ひと晩旅に出る際の勇気ある「行ってきます」の決意表明だったような気がします。
■著者情報
こさかまさみ
兵庫県生まれ。絵本に『どうぞ どうぞ』『ねぼすけくまさん』(「こどものとも年少版」2026年4月号)『どろんこ どろっちょ』(「こどものとも年中向き」2025年5月号)など多数。童話に『オニタロウ』(すべて福音館書店)などがある。東京都在住。
アヤ井アキコ
北海道生まれ。印刷会社勤務を経て、美学校シルクスクリーン工房で学び、絵本の創作を始める。『もぐらはすごい』(アリス館)で日本絵本賞大賞受賞。絵本に『こうもり』(偕成社)『とことこ くまさん』(「こどものとも0.1.2.」2025年11月号/福音館書店)など多数。東京都在住。
こさかまさみ 文/アヤ井アキコ 絵
■内容のご紹介
もうすぐ冬。家を作って木の実を集めて……。寒さをしのぐため、しまりすが冬支度をしています。一段落して家に入ると、一生懸命集めた木の実がありません。木の実は、壁にあいた穴から転がり落ちてしまったようです。しまりすが穴をたどっていくと、くまの巣穴とつながっていて……? 冬を迎えるしまりすとくまに訪れた、あたたかな出会いの物語です。
■編集部より
保育園の子どもたちと昼寝の準備をしていると、ある子がそばに来て「ねえ、トントンして」と言いました。トントン、としずかに背に触れていると、「起きたら、また遊ぼうね」と笑って眠りにつきました。眠っている間、すこしだけ自分の意識を離れることを子どもたちは知っていて、小さなからだでまっすぐ向き合っているのですね。眠りの世界へ向かう時、これからはしまりすとくまも心強い味方になってくれそうです。子どもたちが安心して、ぐっすり眠れますように。
●作者のことば
「おやすみなさい、またあした」
こさかまさみ
「おやすみなさい、またあした」
息子が小さい時の寝る前の挨拶の言葉です。誰が教えたわけでもなく、気付いたら言っていました。当時、私は「またあした」の意味を「あしたも元気に遊ぼうね」だと思っていました。
彼が大きくなったある日、「『おやすみなさい、またあした』って、どうして言っていたの?」と聞いてみました。すると、「寝てる間に死んじゃうんじゃないかなって心配だったんだよ」という返事が返ってきて、彼が毎晩、そんなことを思っていたのかと、正直驚きました。
確かに、「眠る」という行為は、心身を休める幸せな時間である一方、自分自身の体をコントロールできない、危険な時間でもあるには間違いありません。
一部の動物たちは、寒さをしのぐため、冬眠や冬ごもりという長時間の眠りを選びます。けれども、寝ている間、外敵に襲われたり自然災害に見舞われたりすることもあるかもしれません。大昔から受け継がれた本能に従っているとはいえ、彼らは、自分が眠っている長い間に何が起こるのか不安にならないのでしょうか? それとも、それを承知で、並々ならぬ覚悟を持って臨むのでしょうか? いずれにせよ、それは寒さを乗り越え生き抜くための勇気ある決意の末の行動だと思え、同時に、その勇気に尊敬の念を抱いてしまいます。そして、眠りに入る彼らは、目を閉じた時、一体何を想うのでしょうか?
そう考えると、毎晩息子が言っていた「おやすみなさい、またあした」は、彼が「眠り」という世界へ、ひと晩旅に出る際の勇気ある「行ってきます」の決意表明だったような気がします。
■著者情報
こさかまさみ
兵庫県生まれ。絵本に『どうぞ どうぞ』『ねぼすけくまさん』(「こどものとも年少版」2026年4月号)『どろんこ どろっちょ』(「こどものとも年中向き」2025年5月号)など多数。童話に『オニタロウ』(すべて福音館書店)などがある。東京都在住。
アヤ井アキコ
北海道生まれ。印刷会社勤務を経て、美学校シルクスクリーン工房で学び、絵本の創作を始める。『もぐらはすごい』(アリス館)で日本絵本賞大賞受賞。絵本に『こうもり』(偕成社)『とことこ くまさん』(「こどものとも0.1.2.」2025年11月号/福音館書店)など多数。東京都在住。
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