理学療法magazine 発売日・バックナンバー

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2,200円
【特集】
褥瘡の予防と治療に関わるポイント

〈特集にあたって〉
 以前では,「褥瘡ができたので,しばらく理学療法は中止します」と,褥瘡があることで理学療法を中止するという場面も見受けられましたが,近年では,理学療法士も院内の褥瘡対策チームの一員として,褥瘡治療に関わることが増えてきました。褥瘡ケアに関わり理学療法士が増えてきたことを反映して,学術大会などのシンポジウムでは,「褥瘡対策チームに入ったが,自分たちに何ができるのか?」「褥瘡治療として物理療法をどのように使うのか?」を求めて,会場に集まってこられる若い理学療法士の増加を感じているところです。理学療法士は,褥瘡の予防と治療の両面に関わることができる専門職です。 しかしながら,そのための基礎知識について,十分な理解ができているとはいえず,中には,「理学療法士が関わることで褥瘡が悪化する」と言われる場面もございます。「2時間毎の体位変換」ということについても新しい考え方が出されてきており,褥瘡ケアで用いられる用具の開発も進歩してきています。
 本特集は,「褥瘡の予防と治療に関わるポイント」とし,理学療法士が理解しておくべきポイントを理解していただくことをねらいとして構成させて頂きました。
 理学療法の基本的な流れとして,理学療法評価があります。褥瘡と対峙する場合,皮膚および褥瘡部を的確に評価できることが必要です。そのため,褥瘡の基本,褥瘡の発生予測評価,褥瘡の創面評価について,皮膚排泄ケア認定看護師の方に解説して頂きました。また,現在の褥瘡ケアは『褥瘡予防・管理ガイドライン(第3版)』に基づき実施されています。理学療法士が褥瘡の予防と治療に関わる中で専門性の発揮が求められるスキルをとりあげ,褥瘡ケアに日ごろ関わっている理学療法士の先生方に解説をお願いいたしました。褥瘡の予防の観点からはポジショニングとシーティングについて,褥瘡の治療の観点からは超音波療法と直流微弱電流刺激について実践を踏まえて具体的なアドバイスを交えて解説をお願いしています。最後に,褥瘡ケアは理学療法士だけで取り組めるものではなく,チームとして多職種連携実践が求められる領域です。
 そこで,院内の褥瘡対策チーム,地域での訪問理学療法の場面において,理学療法士の果たす役割について解説をお願いしています。
 本特集を通して,より多くの理学療法士の皆さんが褥瘡について理解を深め,臨床場面において,褥瘡を捉え,褥瘡を予防し,褥瘡の治療に取り組んでいくための一助になればと考えています。また,(一社)日本褥瘡学会が認定する褥瘡認定理学療法士,(公社)日本理学療法士協会が認定する認定理学療法士(褥瘡・創傷ケア)の認定を受けられる理学療法士が増えることを願っています。

〈目次〉
1. 褥瘡の疫学
2. 褥瘡発生のメカニズム
3. 褥瘡予防・管理ガイドラインについて
4. 褥瘡の評価①:発生を予測するためのポイント
5. 褥瘡の評価②:創面評価のポイント
6. 褥瘡の予防・悪化防止を目指したポジショニング技術
7. 褥瘡を予防するためのシーティング技術
8. 褥瘡に対する物理療法の実践①:超音波療法
9. 褥瘡に対する物理療法の実践②:直流微弱電流刺激療法
10. 褥瘡対策チームにおける理学療法士の役割
11. 訪問理学療法による褥瘡ケア

【連載】
症例から学ぶ理学療法士の人体解剖図実習
第4回 虚血性心疾患
2,200円
【特集】
腰痛のリハビリテーションとケア

1. 「たかが腰痛,されど腰痛」
2. 腰椎疾患に対する急性期の理学療法
3. 腰痛予防に関する事業所としての取り組み
4. 腰仙部神経根障害に対する術後理学療法
5. コルセットの功罪
6. 慢性腰痛に対する理学療法
7. 食生活,嗜好品と腰痛の関連性
8. 在宅介護における介護者の腰痛予防
9. 理学療法士,作業療法士の腰痛予防
10. 産前・産後の腰痛ケア
11. 腰痛予防に関する日常生活指導

【連載】
症例から学ぶ理学療法士の人体解剖図実習
第3回 大腿骨頚部骨折
2,200円
【特集】
超高齢社会における運動器医療とケア“ロコモティブシンドローム”
企画編集/大江隆史

 超高齢社会となった日本では,運動器障害を有する高齢者の数もまた激増しています。高齢者が運動器障害のために自立できなくなり,介護を要することになる危険が高まったことを指し示し,そのような事態を避けるための合言葉として世界に先駆けて考案された言葉・考え方がロコモティブシンドローム(ロコモ)です。
 運動器障害のために治療を受ける人の多くが高齢者となった現在,ロコモを知ってそれに対処できることは運動器医療やケアに関わる人にとって必須の要件になるでしょう。また高齢者の移動能力障害の大部分を理解し、対処できる力にもなります。
 本特集では,まず現在の日本の運動器医療の現状や大規模調査の結果から,ロコモの疫学について説明し,次にロコモを予見できる方法について,自己チェック法,その予見性,重症度の指数,移動能力の総合的検査法などについて解説しています。その後ロコモの要因となる病態と疾患の予防,危険因子,基本的知識,さらにはロコモから要介護状態を招かないための手段,ロコモの対処法としてのトレーニング法について実践的な解説をします。

大江隆史
名戸ヶ谷病院 院長,整形外科 部長,日本ロコモティブシンドローム研究会 委員長,
ロコモ チャレンジ!推進協議会 委員長

〈目次〉
Ⅰ.ロコモの概念とその意義
Ⅱ.ロコモの疫学
1.大規模住民調査ROADスタディから見たロコモの疫学
2.大規模整形外科手術調査(DPCデータベース)からみたロコモの疫学~
Ⅲ.ロコモの診断
1.ロコモに気づくための“ロコチェック”
2.ロコモ早期発見ツール:ロコモ25(足腰指数25)
3.簡便な筋力と歩行能力のセルフチェック法
Ⅳ.ロコモの要因となる病態,疾患とその対策
1.バランス能力低下と片脚起立時間
2.変形性膝関節症
3.脆弱性骨折に対する骨粗鬆症治療
4.まずはこれから!簡便なロコモ対策“ロコトレ”~今日からできる!ロコトレ~

【連載】
症例から学ぶ理学療法士の人体解剖図実習
第2回 変形性膝関節症
【特集】
腰痛の不思議を理解する
企画編集 菊地臣一
(福島県立医科大学 理事長 兼 学長)

特集にあたって 菊地臣一
I.腰痛,その不思議なるもの 菊地臣一
II.最新の知見から
1.腰痛は単なる痛みの問題ではない~寿命,癌などとの関係~ 紺野愼一
2.明らかになりつつある椎間板からの痛み 大鳥精司,折田純久,高橋和久
3.現代社会と腰痛~ストレスと非特異的腰痛の関係~ 松平 浩
4.リエゾン診療が教えてくれたこと 大谷晃司
5.高齢者の腰痛 豊根知明
6.女性の腰痛 佐藤勝彦
7.前屈および後屈で誘発される慢性腰痛患者に対しての運動療法の効果
~腰背筋の酸素動態も含めて~ 松山幸弘
8.スポーツと腰痛 金岡恒治
9.腰痛と生活習慣病 小野 玲
III.治療の進歩と課題
1.薬物療法の進歩 川口善治
2.治療としての「動くこと」重要性 川上 守
3.手術の可能性と限界 松本守雄

理学療法magazineの内容

根拠から実践まで!理学療法に携わるすべての方へ贈る専門誌
本誌では,理学療法の根拠,リハビリテーションの最新の手技,患者さんとの接し方など,現場の理学療法士が知りたい・知っておきたい情報を毎号変わる特集形式で紹介します。全頁フルカラー印刷という本誌の特徴を生かし,豊富なイラストや写真を多用してビジュアルに理解できるよう工夫し,今日からすぐに現場で役立つ情報をお届けします。

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