Lightning(ライトニング)の編集長インタビュー

編集長プロフィール

エイ出版社
「Lightning」編集長 小池彰吾さん

こいけしょうご 1998年、大学生時代に『Lightning』増刊号の編集アシスタントとして参加。その後『Lightning』の編集、副編集長を経て2007年4月から編集長に就任。現在Lightning本誌と別冊Lightningの編集長を務める

編集長写真

第51回 Lightning 編集長 小池彰吾さん

僕たちの趣味、趣向でそのままモノを集めてくるとこの雑誌になります

―ファンにはたまらない、独特の匂いを持った雑誌ですよね。

アメリカン・カルチャー好きなオタク度の高い雑誌ですから、ホント、濃いですよ(笑)。読者だけじゃなく広告主であるメーカーの人もそんな人ばっかりで、知識もハンパないから、そんな人たちの要望に応えていると、おのずとマニアックになっていきます。
デニム特集などは特に人気がありますが、だいたいうちでは1本2万くらいのものを扱っています。ふつうのものと作りが全然違うんですよ。
5、60年前のジーンズがやはりかっこよくって、そのころの手作業に近い雰囲気を再現して作るオリジナルものが人気なんですが、そのころのアナログ的で未成熟な作りをいま再現するのってすごく大変なんですよ。でも味があって、人気があるんですね。
日本にはまだそんなアナログ的なジーンズを作れる職人さんが残っていて、世界中から注文が入るようですよ。

―小池さんもいっぱい持ってそうですね。

ええ、2~30本はあると思います。ってか、一部屋まるごと僕のグッズでいっぱいになっていますから、家族は迷惑ですよね(笑)。でも、それは止められない。趣味でもあるし、仕事でも必要だし。
男の人ってコレクターになりやすいですよね。好きになったらとことん調べるし、買ったら大切にして少しずつコレクションを増やしていく傾向があります。僕もそんなタイプで、昔の映画とか、年上のかっこいい人たちのスタイルを真似するうち、なんか洗脳されていったって感じなんです。

―私は「三丁目の夕日」世代なんで、電化製品で圧倒的に豊かだったアメリカに打ちのめされた時期がありましたが、小池さん世代はどんな影響を受けているのでしょう。

70年代にアメリカン・カルチャーが大衆に入ってきて、それが「ポパイ」世代だとすると、僕らはその下の渋カジ世代ですね。いま36歳ですが、古着なんかに結構魅せられた世代なんです。
古着ってその物の雰囲気というか、もう手に入らない希少性というか、1点もの的な価値というか、自分にピッタリくると本当にはまっちゃうんですよ。

―編集部の皆さんも同じような感じの人が多いのですか。

だいたい僕世代か、もう少し若いかですね。男ばっかりですが、1人女性がいます。アメカジ雑誌って言われることもあるのですが、僕らはそこまで意識してませんね。ファッション誌でもないですし。
一番大切にしているのはスタッフひとりひとりの趣味、嗜好です。クルマ、バイク、みんなの好きなものを集めてくるとこの雑誌になっちゃう(笑)。

―趣味、嗜好の部分がそのまま形になるなんて理想的ですね。

そうですね。自分たちの等身大の世界がそのまま形になっている感じがします。それがリアルだからいいんでしょうね。雑誌のモデルにも、ショップの人とか好きで着てる普通の人に出てもらっていて、決して八等身のイケメンモデルが登場するわけではない(笑)。
やっぱり読者との距離というか、親近感のある人、ものというのが大事なんです。そのなかで少し尖がっててカッコイイものを取り上げています。

―バックナンバーも人気があるそうですね。

別冊も好評だ
別冊も好評だ

ええ、もう昔の本を見てくれてショップに「これないか」って電話が入ったり(笑)。クライアントも昔の商品の問い合わせには応えられないけど、またいまのニーズが分かったりもするんですね。僕たちは基本的に流行はあまり考えてないせいもあって、バックナンバーもいまの号も、同じ感じで捉えられている気はします。

―女性読者はいるのですか。

多少は(笑)。いや、彼女たちは、ここに出てるデニムを彼氏にプレゼントしたいからって、そんな理由で買って読んでくれる人が多いみたいです。メインの読者は30代男性です。この手の雑誌ってあまり競合誌がないわりには好きな人が多くって、お陰さまで多くの読者に支えられています。
多少はお金が自由に使えないと趣味も充実しないので、そこそこ余裕のある人が多いのも確かです。

―小池さんは、最初からこの雑誌に関わっていらっしゃるんですか。

創刊4年目くらいからです。最初この雑誌はタレントの所ジョージさんの事務所で出していたんですよ。僕は学生のときそこで働かせてもらっていて、99年に編集部ごとこちらに移籍してきました。趣味性の強いテイストはそのころから変わっていませんね。

―読者の声はよく聞きますか。

はい。僕たちはよくイベントとかやるんですよ。だからそこで目の前で読者に直に接しますしね。それにスタッフもみな雑誌に顔出ししてますから、街でもよく声をかけられます。ニーズとしてはやはりジーンズ、皮製品、ミリタリーもの、クルマなどは高いですね。男臭いアイテムに人気があります。
でも僕たちってもてないですよ(笑)。やっぱりオタク度も高いですし、だいたいもてようと思ってつくってないし(笑)。だからファッション誌になれないんですよ、このスタイルでいくしかない。でもそれを分かってくれる人も多い。自分スタイルですからね。
よく、何雑誌ですかって訊かれるんです。特に書店さんや広告主の方から。でも、はっきりジャンルがあるわけじゃないんですよ。だから「ライトニング」ってジャンルでいくしかない。そう開き直ってこの路線を貫いているわけですが。
でも読者の人がいろんな読み方をしてくれて、20代はこの雑誌に出てくるアイテムに憧れ、30代は買えるような親近感を抱き、40代は実際に買って使いこなせる、みたいな、意外と幅広い年齢層に読んでもらえてるんです。
もちろん時代にあった新しいものも取り入れていってますが、ベースの部分はやはりブレないでやっていくんだろうと思っています。

―Lightning Webってサイトも充実しています。

これも編集部オリジナルの記念アイテムだ
これも編集部オリジナルの記念アイテムだ

これはWebチームがつくっているんですが、よく商品が動くんです。ですから、メーカーさんとコラボしてオリジナル・アイテム売ったりするのに使ったりもします。この前創刊200号記念でオリジナルのデニムを売ったら注文殺到でサーバーがパンク。大ヒンシュクでした(笑)。でも、そのくらい注目されてるのはありがたいことです。
メーカーさんも、こんなのあったら面白いと思いつつも、なかなか普段は商品化しにくいじゃないですか。そんな人たちと僕たちが手を組んで、お互いの「あったらいいな」を実現していく。実際は自分たちが欲しいものをつくっているってことなんですけどね。

―趣味と仕事が直結していますね。

浮いてます、と編集長が言う編集部
浮いてます、と編集長が言う編集部
編集長の上司のデスクはもっとユニーク
編集長の上司のデスクはもっとユニーク

そうですね。ですから休みがない。オンとオフが一緒になっちゃてる感じ。いいのか悪いのか分かりませんが、社内では完璧に浮いてますよ(笑)。やっぱ変だもん僕たちって。

―家庭では浮いてませんか(笑)

いやぁ、さっきも言いましたが、一部屋全部が僕のグッズ部屋になっていますから(笑)。それにでかいアメリカ車に乗ってるんですよ。古臭いし音はでかいしで、たぶんうちの子供は嫌がってんじゃないかな(笑)。
でもね、古いものを長く使い続けることも「エコ」じゃないですか。僕は本当にそう思っているんです。古着なんかもそうですよね。どんどん捨てていくのではなく、昔からあるものを大事に長く使っていく。やっぱ、これもエコのひとつだと思います。分かってもらえないかもしれませんが(笑)。

編集長の愛読誌

  • 1.CLUB HARLEY(エイ出版社)

    ペーパーライダーですが、ハーレー大好きなんです。

  • 2.BRUTUS(マガジンハウス)

    切り口が面白い。アメリカ好きですし。

  • 3.Fly Wheels(ブレイン)

    知り合いがやってる自動車雑誌なんですが、コア中のコア。好きでやってんだな~って感じが伝わってきます。

  • 4.SENSE(センス)

    最近アメカジがきてるって感じしますよ。

  • 5.Begin(世界文化社)

    情報量がすごい。見習わなきゃって思います。

(2010年11月)

取材後記
エイ出版は趣味性の高い雑誌をたくさん出している出版社で、皆さん一芸に秀でているというか、「普通の編集者+α」を感じさせる人が多いところなのですが、なかでも「ライトニング」は特にユニークな集団のようです。編集部に入ったとたん、なんとも言えない「大人の遊び場」といったいい雰囲気が伝わってきて、この濃さが雑誌に直結しているんだなと実感しました。
オンもオフもない生活、と編集長の小池さんはやや自虐的に笑って言われましたが、好きなことをやって、それも寝食忘れるほどのレベルになれば、これは本望です。私の友人にもいろんなコレクターは多いし、実は私も2部屋は優に埋まるくらいのレコードや本やがらくたコレクションがありましたが、それらは子供の成長とともに消えてしまいました。
なんだか自分の一部がごっそり無くなってしまった気にもなりましたが、それが子供たちに置き変わったんだと思うことで、いまではそれでよかったと思うようにしていますが・・・。

インタビュアー:小西克博

大学卒業後に渡欧し編集と広告を学ぶ。共同通信社を経て中央公論社で「GQ」日本版の創刊に参画。 「リクウ」、「カイラス」創刊編集長などを歴任し、富士山マガジンサービス顧問・編集長。著書に「遊覧の極地」など。

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