【報道】通信大手元幹部の不動産投資詐欺疑惑を追う
元同僚らを騙して資金を集め
自己破産で踏み倒した9億円
札幌在住の高齢男性が9億円近い負債を抱えて自己破産した。かつて通信大手の取締役だった男性は在職時から借金を繰り返し、手がける不動産投資事業で配当を出すとして元同僚や知人から多額の金銭を集めていた。だが、事業は全くのでっちあげ。昨秋から詐欺容疑で刑事告訴に動いていた債権者たちは、今回の自己破産を「責任逃れ」と怒りを隠さない──。 (本誌編集長・工藤年泰)
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【報道】首相批判封殺の波紋㉙
「半分勝訴」確定
野次排除事件から丸5年
国賠上告を最高裁が棄却
結論は、唐突だった。発生5年を過ぎた直後に伝わった「上告棄却・不受理」の報。1年2カ月前の控訴審判決を追認するその決定は、当事者らが使う言い回しの通り「半分」意義のあるものには違いない。2019年夏に札幌で起きた首相演説野次排除事件は、司法判断が確定することで一つの節目を迎えた。無論、即ち「終わったこと」になるわけではない。本稿もまた、飽くまで現時点での報告という位置づけだ。(小笠原 淳)
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【報道】告発・陸の蟹工船〈7〉
「原告主張は誹謗・中傷」
恵庭牧場、市が虐待認識を否定
裁判所は手話通訳に公費認めず
恵庭市の牧場で持ち上がった、長期間に及ぶ障碍者虐待疑惑。被害当事者たちが起こした損害賠償請求裁判は、提訴から丸1年を経て5回めの口頭弁論を迎えた。早期に被害を把握していたことが疑われる被告の自治体は今回、改めてこれを否定し、原告側の批判を「誹謗・中傷」とまで言い募ることに。元市議への忖度も含め、飽くまで行政に責任はないとの主張は、2年めを迎えても変わらないようだ。(小笠原 淳)
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【ジャーナルズアイ】深海工学会の調査チームが慰霊祭で初公開
留萌沖の「三船遭難事件」で
明らかになった沈没船の姿
終戦直後の1945年8月22日未明に樺太の大泊(コルサコフ)港から引き揚げ者を乗せ小樽に向かっていた引き揚げ船3隻が旧ソ連軍の攻撃を受けて2船が沈没、1船が大破し、1700人以上の犠牲者を出した留萌沖の悲劇「三船遭難事件」。
この事件から79年目の8月22日、留萌市の了善寺で執り行なわれた慰霊祭で、今も日本海の海底に眠る2船の船影が鮮明に映った立体図が関係者に公開された。沈没船の実際の様相が明らかになったのは初めてで、将来の引き揚げや遺骨収集につながる可能性もある。(ジャーナリスト 黒田 伸)
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【ジャーナルズアイ】
立ち直り 支え続けて
少年矯正考えるシンポジウム
北海少年院で初の試み
非行に手を染めた少年たちと関わる専門家らが一堂に会する討論会が8月30日午後、北海道内唯一の男子少年院となった千歳市の北海少年院(眞部岳英院長、定員150人)で開かれ、教育者やカウンセラー、保護観察官などが今後の少年矯正について現場の職員らと討論した。話題は少年院などの施設内での取り組みに留まらず、いわゆる社会内処遇や福祉的対応など多岐にわたるテーマで議論が進み、学生を含めた約30人の参加者の多くが改めて問題意識を強くした様子だった。(小笠原 淳)
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【シリーズ・住宅不動産情報】㉓──札幌中心部に竣工・開業するオフィスビル
ススキノ地区にもオフィスエリア
創成イーストにワーカー交流拠点
札幌中心部ではオフィスビルや商業ビルの建て替えが活発だ。街全体のリニューアルが進む中で、建設途上の物件や解体を待っている物件、間もなく竣工・開業を迎える物件がある。古いビルが取り壊されて新しいビルが建つと、街の印象は大きく変わる。今回は、オフィスビルに絞って竣工・開業する物件を紹介する。 (佐久間康介)
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【ニュース】
■労災被害者ら支え続けて半世紀
NPO「いの健」が記念冊子作成
──過労死対応など深刻化 11月には一般向けセミナー開催
■安平川のPFAS汚染を契機に
「ラピダス」操業の課題浮き彫り
──市民グループと専門家が千歳川などで採水調査に着手
■賃料の高さでテナント募集に苦戦?
北広島駅西口の複合ビル「トナリエ」
──球場直結の新駅開業を見越して入居を尻込みか
■公開質問状に「無回答」で応じた
議員に住民から高まる非難の声
──仁木町の住民監査請求で問われる議会対応
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【経済】キャリアバンク・佐藤良雄社長が札証で個人投資家向けに講演
外国人特定技能労働者の紹介を拡大
官の運営施設の受託業務が次の市場
札幌証券取引所本則市場上場のキャリアバンク(本社札幌)が9月3日、札証で個人投資家向け会社説明会を開催した。会場には関心を寄せる約50人が集まり、同社の佐藤良雄社長の説明に耳を傾けた。自らの生い立ちをはじめ若くして起業した経緯、事業を取り巻く時代と環境の変化、今後の展開などを語った佐藤社長の講演の概要を紹介する。 (佐久間康介)
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【経済】各トップが期待する札幌のポテンシャル
ビジホ大手も世界最高級クラスも
進出を加速させる札幌ホテル市場
8月8日にはアパホテルなどを傘下に持つアパグループ(本社東京)の元谷一志社長兼CEO、同20日には世界屈指の高級ホテルブランドを展開するハイアット ホテルズ コーポレーション(本社アメリカ イリノイ州シカゴ、以下ハイアット社)のアジアパシフィックグループプレジデント、デービッド・ユデル氏とこの8月、著名なホテルのトップが相次ぎ来札した。目的は同市での新しいホテルの建設発表。ビジネスホテルとラグジュアリーホテルとで客層は異なるものの、札幌というまちのポテンシャルにこれから大きく期待しているのは確か。両社に限らず目下、ホテル進出が顕著な同市。奇しくもコロナ禍が落ち着いたタイミングでのこうしたホテルラッシュは〝満を持して〟なのか、それとも〝ようやく〟なのか。 (髙橋貴充)
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【連載】ルポ「ひきこもり」109──北見市の新たな支援から【前編】
「実態調査」で浮き彫りになった
深刻な現実から動き出した行政
ひきこもりの声なき声に耳を傾け、適切な支援につなげようと「支え合いの地域づくりフォーラム(ひきこもり支援フォーラム)」が8月24日、北見市の日本赤十字北海道看護大学で開催され、福祉職や自治会関係者ら約150人が参加した。北見市が2022年度に行なった実態調査で、18歳から65歳までのひきこもりの割合が国の調査より高い傾向を示したことから今後の対策を探るために開かれた。フォーラムでは調査結果の報告や厚労省の支援専門官による講演、ひきこもり経験者によるトークセッションなどが行なわれ、この問題への理解を深めた。2回に分けて北見市のひきこもり支援の動きをレポートする。 (武智敦子)
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【文化】劇団うみねこ元代表・吉川勝彦さんに訊く(前篇)
演劇一筋60年の反骨漢が
説く芝居の大きな可能性
過去にも本誌で紹介した、小樽の「劇団うみねこ」元代表、演劇一筋60年の吉川勝彦さん(80)の快進撃が止まらない。昨年12月には倉本聰が主宰していた「富良野塾」の元女優と朗読劇『父と暮せば』を小樽市内で上演。さらに今年8月には相手役を変え、同じ演目を岩内町で演じるなどパワー全開だ。そんな吉川さんがいま、憂慮しているのは、コロナ禍を経て若者の演劇離れが進んでいることだ。吉川さんを訪ね、最近の活動や若者たちにどのように芝居の楽しさを伝えるかを訊いた。 (武智敦子)
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【医療】
道内初導入。診断と治療を一体化した
札幌東徳洲会病院の「ハイブリッドER」
3次救急に遜色ない体制で
重症患者の救命率をアップ
24時間対応の急性期総合病院として知られる、医療法人徳洲会 札幌東徳洲会病院(札幌市東区・山崎誠治院長/336床)で本年4月から「ハイブリッドER」が稼働し、大きな成果を挙げている。ハイブリッドERとは同じ部屋にCT(コンピュータ断層撮影装置)やアンギオ(血管造影装置)などの検査機器を導入し、患者を移動させることなく、スピーディーに検査・診断・治療を行なえる救急救命室。道内の医療機関では初となるハイブリッドERの導入を手掛けた救急科部長の松田律史医師(36)は、「診断と治療を並行して行なえる救急救命体制をさらに充実させ、ひとりでも多くの患者さんを救いたい」と話している。 (8月22日取材 工藤年泰・武智敦子)
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【医療】地域の小児科不足を解決する一助に
北広島の小児科医が地元に恩返し
Fビレッジこどもクリニック開業
野球観戦などで賑わう北広島の「北海道ボールパークFビレッジ」。8月1日、このボールパーク内のサ高住「マスターズヴェラス」に併設された医療モール「Fビレッジ メディカルスクエア」でオープンした小児科が医療法人社団UHN「Fビレッジこどもクリニック」だ。院長は北広島をホームタウンとして長年過ごしてきた鎌﨑穂高医師(59)。その北広島は小児科の不足が地域課題となっており、今回の開院はその解決の一助として期待される。開業に至った経緯や意気込みを鎌﨑院長に訊いた。 (8月23日取材 工藤年泰・髙橋貴充)
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【介護】家族で一緒に看取りを
札幌佐藤病院グループの老人ホーム
「スリール しあわせ館」がオープン
家族が一緒に入居者の看取りをできる広い居室を備えた住宅型有料老人ホーム「スリール しあわせ館」(能代谷智枝子施設長)が9月1日、札幌市東区伏古にオープンした。施設には家族葬ができる部屋も用意され、看取りから出棺までを施設内で行なえるユニークさが特徴だ。運営は、医療法人社団大蔵会 札幌佐藤病院(佐藤亮藏理事長)のグループ企業、株式会社大蔵商事(藤田昌人社長)。これまで大蔵商事は、札幌市内で「スリール 大学村館」(※スリールは仏語のスマイル)や「絆・三角点通り館」など10数カ所の高齢者対応住宅を展開。そうした中、病院ではなく施設で最期を迎えたいと希望するケースが増えているという。
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【文化】市立小樽文学館など3館が合同で伊藤整の「幽鬼の街」展
地元を舞台にした作品世界が
いまの小樽になだれ込む体験
小樽ゆかりの小説家、伊藤整(1905~1969)の小説をテーマにした企画展「ストーリーマップでめぐる伊藤整の『幽鬼の街』展」が市立小樽文学館、小樽市総合博物館の本館と運河館の3館で10月20日まで開かれている。『幽鬼の街』は、伊藤がモデルの主人公が故郷の小樽を彷徨い、かつてかかわりのあった女性らの亡霊と遭遇する物語。市立小樽文学館では、原作の草稿や初版本、作品の描写をストーリーマップ、古写真などで紹介。同文学館の亀井志乃館長は「ストーリーマップを使うことで、今までとは違った作品世界の中に入っていくことができる。3館の特色を生かした展示を楽しんでほしい」と話している。 (武智敦子)
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【連載】戦争遺産をめぐる旅 【106】
空襲の被災者を助けた「おポンプ様」
特攻隊の悲劇をいまに伝える福岡市
発展を遂げた街に残る爪痕
九州・福岡市のJR博多駅から繁華街に向かう大博通りのバス停「呉服町」近くの歩道に、「おポンプ様」と呼ばれる珍しい手押し二連式の井戸が保存されている。1000人以上の死傷者を出した1945年6月の福岡大空襲の時に、被災した市民へ大切な水を供給したことで知られ、渇水時の福岡市民の生活用水になったこともある。ここを起点に福岡市内を探索し、戦没者の慰霊碑や特攻隊員の像などを見つけた。戦後、大きく発展を遂げた福岡の街に残る戦争の負の物語とは。(ジャーナリスト 黒田 伸)
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【マンガ】
鈴木翁二特選漫画館
《ちきゅうのよかぜ 他》
本誌表紙絵でお馴染みの漫画家・鈴木翁二さんの傑作2編を紹介したい。収録した『ちきゅうのよかぜ』は、伝説の漫画雑誌「ガロ」1991年11月号に、『一億年』は93年5月号に掲載された作品だ。漫画家デビューを果たし水木しげるプロダクションにスカウトされた青年は、どうしようもない寂寥を抱えてやがて独り立ちし、唯一無二の“翁二ワールド”を築いていくことになる。その歩みは今も止まることがなく、近年は欧米など海外からの評価も高まる一方だ。40年来の熱血読者で、翁二漫画を愛してやまない美術教師で画家でもある伊藤潤さんのラブレターを添えてお届けする。
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【フォトレポート・トピックス】
●クラフトビールに注力するキリン千歳工場で品質官能評価会を開催
●旭川の森山病院と北海道オールオリンピアンズが包括連携協定
●全室個室のインテリジェントホスピタル「カレス記念病院」
●ソン外務大臣らベトナム要人がコープフーズの江別工場を訪問
●コープさっぽろとリラィアブルが読書の推進で包括連携協定を締結
●11年ぶりの桂ゴルフ倶楽部でニトリレディス 桑木志帆プロが栄冠に輝く
●三笠高レモンレシピコンテストのお菓子が商品化され期間限定販売
●EAGLE CUP シニアオープンで宮本勝昌プロが大逆転で初優勝
●北海道発の遺品整理士認定協会が「会員6万人」を達成
●アカプラに飲食と物販22店が出店 チャイナフェスティバル2024札幌
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【連載コラムなど】
*北海道フォトエッセイ
*シネマ
*スポーツ筆刀両断
*古本屋女房の“古本的日常”
*デンタルエッセイ
*北海道妄想紀行
*連載小説 仮面の恋
*よいどれブンガク夜話
*ソレでもナマがすき?
*夏井功の夜を駈ける車イス
*人物株価
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【今月の表紙】鈴木翁二画
『青春は汚い雨の街だった、てか』
北方ジャーナルの内容
- 出版社:リ スタジオ
- 発行間隔:月刊
- 発売日:毎月15日
時代を撃つ北の報道・論評誌。大マスコミにはない独自の視点で世相を斬る!!
「北方ジャーナル」は昭和47年(1972年)に札幌で誕生した月刊雑誌です。いわゆる地元政経誌のジャンルに分類される媒体ですが、生活者の視点と取材を重視する編集方針を創刊以来のポリシーとし、05年11月からは有限会社Re Studioが発行元になっています。政治・宗教・医療情報に強い総合誌で、「北海道独立論」などユニークな長期連載も。日々の道内ニュース、掲載記事の続報・予告は「北方ジャーナルブログ」でも公開!
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