北方ジャーナル 発売日・バックナンバー

全219件中 1 〜 15 件を表示
【報道】21世紀の人質司法③

「逃げてねえか」

黙秘権侵害映像、法廷で上映
国賠訴訟で異例の「文書提出」

「供述拒否権は『嘘ついていい権利』じゃない」「それは間違った選択肢だと思う」「逃げてるつもりはねえか」――。無言で俯く女性に、執拗に迫り続ける警察官たち。延べ約25時間に及んだという密室の取り調べの様子が、警察自身の手で撮影・録音されていた。その一部が裁判所で上映されたことで、長時間の権利侵害の実態が白日の下に。被害女性の代理人らは、改めて訴える。「この取り調べが合法というなら、黙秘権は何のためにあるのか」。(小笠原 淳)

----------------------------------------------------------------------
【報道】告発・陸の蟹工船〈4〉

市、事業所に合流迫る

恵庭牧場・障碍者虐待疑い訴訟
事業所報告「事実と異なる」と市

本誌などが報告を続けている恵庭市の牧場での障碍者虐待疑い問題で、当事者から訴えを起こされた自治体が地元の相談支援事業所へ「訴訟告知」を行なっていたことがわかった。早期に虐待の存在を疑っていた事業所を、市が自分たちの側につける形で裁判に合流させようというのだ。これに驚いた原告側は近く、同様の訴訟告知を行なって事業所に協力を求める考え。長期の虐待隠蔽が問われる事件の行方は、なお予断を許さない状況だ。(小笠原 淳)

----------------------------------------------------------------------

【経済】タクシー不足解消をどうする

誰が地域の足を守るのか

日本版ライドシェアの行方と
ハイタク業界の「新潮流」とは

二種免許を持たない一般の人がタクシー会社の管理下で自家用車を使って客を運ぶ「日本版ライドシェア」の試験導入が4月から東京で始まる。タクシーを拾えなかったり、配車を依頼してもなかなか来ない「地域」「時期」「時間帯」を限定した導入だが、安全管理やサービス面の課題もあり全面解禁の行方は不透明。人口減少の流れを受け鉄道やバスといった公共交通が縮小する中、地域の足をいかにして守っていくのか──。タクシー難民の解消に向け「ニセコモデル」など独自の取り組みも進めている北海道ハイヤー協会の今井一彦会長(71)に訊いた。   (12月17日取材 聞き手=工藤年泰)

----------------------------------------------------------------------

【被災地支援】つしま医療福祉グループが能登半島地震で介護支援

被災者の苦難に寄り添って
不自由な高齢者をサポート

厚生労働省からの要請を受け、つしま医療福祉グループ(本部札幌市豊平区・対馬徳昭代表)が1月中旬から能登半島地震の被災地に職員を派遣し、避難所で介護が必要なお年寄りを支えている。1月15日に出発した第1班を皮切りに、22日からは第2班、28日からは第3班、2月4日からは第4班が向かい、それぞれ1週間現地で活動に従事。同グループでは第4班以降も継続派遣を決めている。今回の支援の概要をはじめ現地の様子や介護に当たった職員の声を紹介する。      (工藤年泰)

----------------------------------------------------------------------

【報道】道警不祥事から考える〈68〉

暴行「注意」留まりか

懲戒6、監督上の措置91
道警処分2023年速報

地元警察が不祥事の全件公表に踏み切らない中、本誌が飽かず続けている定期的な公文書開示請求。北海道警察への本年最初の請求で昨年第4四半期(10―12月)の職員処分の記録が開示され、もって通年の記録が出揃った。直近では歳末に「不相応な借財」なる事案が頻発するなど、これまであまりみられなかった傾向が読み取れる。職員の逮捕事案が懲戒に到っていない可能性も含め、2023年の速報値を報告したい。(小笠原 淳)

----------------------------------------------------------------------

【報道】「桐島聡」死亡で囁かれる共犯・大道寺あや子に国内潜伏説

釧路に生まれた日本赤軍の
残党はいま何処にいるのか

1974年から75年にかけて連続企業爆破事件を起こした東アジア反日武装戦線のメンバーとして指名手配されていた桐島聡容疑者(70)を名乗る男が1月29日、入院先の病院で死亡した。警視庁公安部は2月2日までに男のDNA型を桐島容疑者の親族と照合し「親族関係に矛盾なし」との結果が出たとし、容疑者本人かどうかの特定を進めている。半世紀に亘る逃走劇が明らかになる中で、注視されるのが共犯者として今なお国際手配中の釧路出身、大道寺あや子容疑者(75)の動向だ。(ジャーナリスト 黒田 伸)

----------------------------------------------------------------------

【シリーズ・住宅不動産情報】⑯──札幌市内で解体されずに残る空き病院

利活用が進まない空き病院
閉院から10年経過の建物も

札幌市内では、1972年の札幌冬季五輪で街並みが大きく変わったが、当時建設された多くのビルが更新の時期を迎え、再び街並みが変わり始めている。その頃に建った病院も同様に建て替え時期に入っており、移転新築された新病院が市内随所で目に付くようになった。その一方で、解体されることなく当時の姿を留めたままの旧病院もある。今回は、そんな旧病院の動向を探ってみた。(佐久間康介)

----------------------------------------------------------------------

【環境】後志で風力発電に反対する住民団体の活動が活発化

余市でも高まる風車への懸念
初の住民学習会で深めた学び

現在、後志管内では仁木町、赤井川村、小樽市、余市町の4市町村の住民団体が風力発電の建設に反対する活動を続けている。そうした中、1月28日には「余市町の風力発電を考える会」(安田嵐嶄共同代表)が、関西電力が余市町と古平町で計画しているウインドファーム事業の建設予定地に近い余市町豊丘で初の学習会を開き、町内外から76人が参加した。一方、「仁木町の風車問題を考える会」(穂積豊仁代表)は、昨年12月に関電が開いた住民説明会をめぐり「住民を無視したもの」として、事業を認可しないよう求める上申書を1月17日付けで国に提出。脱炭素社会への切り札とされる風力発電に「NO」を突き付ける動きが後志で本格化している。   (武智敦子)

----------------------------------------------------------------------

【ニュース】

■道主催の「ひきこもり支援セミナー」で
 山田ルイ53世さんと斎藤環さんが講演
 ──テーマは「僕たちにはキラキラする義務などない」

■能登半島地震被災地の悪臭対策に
 寄贈された次亜塩素酸水が大活躍
 ──避難所の要請に応じて業界団体が搬送支援

----------------------------------------------------------------------

【流通】アークス・横山清社長が2024年の食品スーパー業界を展望

私も会社も発展途上

オーバーストアの調整局面
今年がその端緒の年になる

食品スーパーマーケットで全国5番手の売上高を持つアークス(本社・札幌市中央区)。同社を率いる横山清社長は、大学卒業後に就職した商社から子会社の食品スーパーに出向を命じられてこの道に入り、以来62年に亘り激動の業界を生き抜いてきた。横山氏の半生は、道内のみならず全国の食品スーパーが歩んできた歴史そのもの。同氏は今年5月に89歳を迎えるが、今もトップとして全国を飛び歩く。業界の“生老病死”を目の当たりにしてきた横山氏の眼に、2024年の食品スーパー業界はどう映っているのか──。現役経営者による縦横無尽の語りを読者にお届けしたい。   (佐久間康介)

----------------------------------------------------------------------

【観光】創業60周年を迎える野口観光の野口和秀 社長に訊く

祖父が生んで、父が育てた
野口ブランドを新たに磨く

目指す「ビッグとグッドの両立」

道内外で21カ所のリゾートホテル・旅館を展開し、今年創業60周年を迎える「野口観光グループ」(本社登別市)。2022年6月に社長に就任した3代目トップ、野口和秀氏(46)は、グループを率いる新リーダーとしてコロナ禍で打撃を受けた業績の建て直しに手腕を発揮した。「今後は会長(故・野口秀夫氏)が残してくれた課題に着手する」とする野口社長に、これまでの歩みを振り返ってもらいながら自身が描く「野口観光の明日」を訊いた。目指すのは「ビッグとグッドの両立」だ。(1月17日取材 聞き手=工藤年泰)

----------------------------------------------------------------------

【震災】正月を襲った未曾有の大災害 (㈱あかりみらい代表取締役社長 越智文雄氏)

いま能登半島地震から学ぶこと

元旦に起きた大地震から1カ月を過ぎ、能登半島ではいまだに多くの被災者が不便で不衛生な生活を余儀なくされている。いち早く現地で支援活動を行なっている日本除菌連合会長/(一社)次亜塩素酸水溶液普及促進会議の代表理事越智氏に取材した。

----------------------------------------------------------------------

【連載】〝農と食〟北の大地から
家畜福祉(アニマルウェルフェア)の普及をめざした歩みを振り返る

人と動物とのより良い関係を目指す
啓発は道半ば。今後は「学びの場」を

筆者がアニマルウェルフェア(家畜福祉・AWと略)の問題を勉強し始めてから、すでに20年ほどの歳月が流れた。「家畜に福祉? 何それ…」と首を傾げる人が多かった時代は終わり、一定数の人がこの言葉を認知するようにはなった。普及に向けた“そよ風”は吹いているが、本気でAWの問題に関わろうとする人材はまだまだ少ない。店頭に並ぶパック詰めされた畜産食品の価格や味には敏感でも、それを生みだす動物たちの劣悪な飼育環境にまで関心を向ける消費者も多くはない。AWの基本は、それぞれの動物の習性や生態、生理によく学ぶこと。その原点に立ち返り、「学びの場」を創ることも必要ではないか──。自身の歩みを振り返りながら、今後に向けた課題などを考えた。(ルポライター滝川 康治)

----------------------------------------------------------------------

【文化】「まち文化研究所」を主宰する塚田敏信さんに訊く(前篇)

足元の生活文化こそ宝

縮小する銭湯や市場は小樽の
魅力を伝える貴重な地域資源

2020年1月に国内で新型コロナの感染者が確認されてから3年余り。世界をパニックに落とし入れた感染症は昨年5月に収束し、観光都市小樽にも外国人観光客が押し寄せている。しかし、まちを歩くと新型コロナによる不況の影響はそこかしこに。客足が途絶えたり経営者の高齢化で閉店を余儀なくされたまち並みには空き地が増え、昔ながらの店舗は姿を消しつつある。「まち文化研究所」を主宰し、小樽をはじめ道内各地の市場や銭湯など「まち文化」を研究する塚田敏信さん(73)を訪ね、まちの記憶をどうとどめ伝えていくかを訊いた。  (武智敦子)

----------------------------------------------------------------------

【連載】ルポ「ひきこもり」102──レタポスの居場所事業を田中理事長が総括

当事者の参加で活況の江別と
横のつながりを欠いた北広島

札幌市のNPO法人「レター・ポスト・フレンド相談ネットワーク」(レタポス・田中敦理事長)が2023年度に江別市と北広島市で開催してきたサテライト型の居場所事業は、江別が昨年12月、北広島は11月に事業を終了した。これにより札幌圏の居場所事業は一区切りついたが、両市の結果を見ると、当事者や家族の参加が順調に推移した江別に比べ北広島はいずれもゼロだった。「江別市では後援団体間に横のつながりがあり、当事者がいたら積極的に声がけをしていたが、北広島市にはそれが欠けていたのではないか」と話す田中理事長に、これまでの居場所事業の総括と今後の予定などを聞いた。(武智敦子)

----------------------------------------------------------------------

【連載】戦争遺産をめぐる旅 【99】

英米の兵士24人が命を落とした
広島県尾道の旧向島捕虜収容所

プレートに刻まれた戦争の苦難

広島県尾道市向島(むかいしま)町にある大型スーパーとドラッグストアの敷地隅に赤レンガのモニュメント、そして英文と日本語で書かれた2枚のメモリアルプレートが置かれている。かつて赤レンガの壁とノコギリ屋根が特徴的だった旧向島捕虜収容所の名残りを伝える慰霊碑だ。太平洋戦争中にフィリピンなどで捕虜となって移送されたイギリス兵やアメリカ兵が収容されていたもので、収容中に亡くなったイギリス兵23人とアメリカ兵1人の名前が刻まれている。収容所が解体されてもプレートには戦時中の悲しい事実が刻まれている。 
  (ジャーナリスト 黒田 伸)

----------------------------------------------------------------------

【フォトレポート・トピックス】
●飲食店大充実の第2弾オープンでココノススキノが待望の本格始動
●サッポロビールとポッカサッポロ北海道が2024年事業方針を発表
●聖地、昭和新山に精鋭チームが集結 国際雪合戦 待望の通常開催へ
●札幌モビリティショー2024 模索される未来
●ISHIYAとTOPPANが環境に配慮した事業構築で協業開始
●流氷の到来と同時期という好機にチカホでオホーツクフェアが開催
●SUSUKINO PICKUP GIRL「みずき」(セクシーホスピタル ER。)
●北海道で生まれた全国注目の「呼吸する換気口」

----------------------------------------------------------------------

【連載コラムなど】
*北海道フォトエッセイ
*シネマ
*スポーツ筆刀両断
*古本屋女房の“古本的日常”
*デンタルエッセイ
*北海道妄想紀行
*連載小説 特別授業
*よいどれブンガク夜話
*ソレでもナマがすき?
*人物株価
*視点 公共交通をどうする?
*夏井功の夜を駈ける車イス

----------------------------------------------------------------------
【今月の表紙】鈴木翁二画
『春の踊り』
【報道】全国中堅ゼネコンTSUCHIYAの架空発注疑惑を追う

「それは会社のためだった」

ツチヤ北海道支店が裏金を
作った本当の理由とは──

年間売上高約630億円の中堅ゼネコンとして知られるTSUCHIYA(ツチヤ)株式会社(本社岐阜・土屋智義会長兼社長)。同社の北海道支店(札幌市中央区)に勤めていた建築部副部長のM氏(68)が昨年6月、懲戒解雇され同社を後にした。だがこの懲戒解雇の裏には「架空発注」による裏金作りという大きな不祥事が潜んでいた。いったい同社の北海道支店で何が起きていたのか──。  (本誌編集長・工藤年泰)

----------------------------------------------------------------------
【報道】告発・絶望の学府㉚

パワハラ死問題 越年

江差看護・保護者らが知事要請
議会では各会派からの追及続く

「ご遺族の意向を伺いながら、丁寧かつ誠意をもって対応して参ります」――。どこで誰から問いを受けても、北海道トップの答えに“ブレ”はない。およそ具体性を欠いた言葉は、2024年も変わらず唱えられ続けることになるのか。少なくともその「誠意」はまだ、肝心の遺族には伝わっていないようだ。道立高等看護学院のハラスメント問題、最悪の被害は未解決のまま、またしても1つ年を越すこととなった。(小笠原 淳)

----------------------------------------------------------------------

【報道】苫小牧・老舗ガス業者で“独裁”か

「ぶん殴ってやりたい」

公益企業でパワハラ疑い
被害男性が社長など提訴

「ぶん殴ってやりたい」「ふざけんな」「本当に馬鹿」――。聴くに堪えない罵詈雑言の発信元とされるのは、苫小牧市のガス会社。被害を訴える男性は3年前に起きた事故を機に社長から理不尽なハラスメントを受け続け、心を病んで休職せざるを得なくなったという。労働災害の認定を経て損害賠償請求裁判に踏み切ったのは、理不尽な被害の再発防止を願うため。地域のライフラインを担う公益企業には一日も早く正常な職場に戻って欲しいという。(小笠原 淳)

----------------------------------------------------------------------

【シリーズ・住宅不動産情報】⑮──札幌圏で不動産開発進める日本エスコン

「キングムー」解体後にホテル
地場オフィスビル2棟も取得

プロ野球日本ハムファイターズの新球場、「エスコンフィールド北海道」の命名権を得るなど、北海道での知名度が急速に高まっている日本エスコン(東京本社・東京都港区)。新球場の玄関口である北広島市内では、駅西口で複合ビル開発を進める一方、札幌市内では新たにオフィスビル開発事業にも乗り出す。さらに、札幌のディスコ・クラブシーンを彩ってきた「キングムー」の土地建物を取得、解体後にはホテル建設を計画するなど、札幌圏の不動産市場で存在感が高まりつつある。(佐久間康介)

----------------------------------------------------------------------

【連載】“核のゴミ”レポートPART37 処分地選び「第3の自治体」が現れない中で…

節目を迎える「文献調査」

大型交付金による後遺症を
元高知県知事が寿都で力説

後志管内の寿都町と神恵内村を対象に行なわれてきた“核のゴミ”最終処分場の候補地選定に向けた「文献調査」の問題は今年、大きな節目を迎える。近く調査報告書の原案が公表され、一定期間の縦覧や道内各地での説明会などが予定されるからだ。次の「概要調査」に移るためには知事や両町村長の意向聴取が必要で、寿都町では条例に基づく住民投票を実施しなければならない。「第3の文献調査地域」が現れない中、経済産業省やNUMO(原子力発電環境整備機構)は時間稼ぎをするのか、地元住民や道民の意識の変化を踏まえ一気呵成に事を進めるのか──これまでの経緯や今後の見通しを概観し、元高知県知事の講演録と併せて紹介する。 (ルポライター・滝川 康治)

----------------------------------------------------------------------

【環境】仁木町の佐藤町長が関電の風力発電計画に反対表明

首長の背中を押した住民の
反対運動と風発への不信感

関西電力が仁木町の銀山地区を含む同町南部エリアで別の風力発電事業を検討している問題をめぐり、これまで中立の立場とされていた同町の佐藤聖一郎町長が12月21日、仁木町議会の一般質問で「好ましくない」と事実上の反対表明を出した。先立つ16日に行なわれた関電主催の説明会では、住民から銀山地区での事業中止を求める声が上がったが、具体的な回答はなく大荒れの展開に。佐藤町長が反対の意向を示した背景には、「仁木町の風力発電を考える会」(穂積豊仁代表)が1年半にわたり続けてきた反対運動と地元住人の風力発電への根深い不信がある。(武智敦子)

----------------------------------------------------------------------

【ニュース】

■寿都町丸抱えの「特養建て替え」で
 社福に取り沙汰される補助金疑惑
 ──未取得の事業用地を「自己所有」と虚偽申請?

■北海道新幹線の要対策土搬入に
 手稲山口の反対住民が抗議行動
 ──有害物質を含む粉塵の飛散に大きな危機感

■余市宇宙記念館の名誉館長に日本人
 初の宇宙飛行士・毛利衛さんが就任
 ──オープンから25年越しで実った町のラブコール

■教授地位確認訴訟・二審で終結
 大月隆寛氏と札幌国際大が和解
 ──結審後に札幌高裁が勧告、合意内容は非公表

■児童わいせつの元警察官、起訴
 検審「不当」議決で検察が再捜査
 ──同居養女に性的虐待、不起訴後に親族の申立てで逆転決定

----------------------------------------------------------------------

【2024 道東・根室特集】石垣雅敏市長に訊く

困難な時にこそ創意工夫と
熱意で“地域みがき”に邁進

成し遂げる水産都市・根室の再興

ロシアとの関係悪化で北方領土返還交渉が暗礁に乗り上げ、人口減や看護師不足に悩まされても石垣雅敏市長は前を向くことを忘れない。故郷の根室をこよなく愛し、一介の職員から市のトップとなった72歳は「水産都市・根室の再興」を掲げて2期目をひた走っている最中だ。2022年度実績で寄付額全国3位と9年連続最高を更新したふるさと納税、新型コロナの5類への移行に伴い各種の祭りが復活するなど明るい話題もあるが、ウクライナ戦争や中国の禁輸措置といった国際情勢を受けて一次産業が危機に陥るなど新たな課題も生まれている。このような中で市政をどう舵取りしていくのか──。「困難な時にこそ職員と力を合わせ、地域にみがきをかける」と語る石垣市長に胸の内を訊いた。(12月19日取材 工藤年泰・佐久間康介)

----------------------------------------------------------------------

【2024 道東・根室特集】千島歯舞諸島居住者連盟理事・根室支部長 角鹿泰司さんに訊く

置き去りにされる四島問題
何より望む北方墓参の再開

ロシアによるウクライナ侵攻に端を発して日ロ関係が悪化、北方領土問題は戦後最も厳しい局面に置かれている。元島民たちの平均年齢は88歳になり、もはや生きているうちに島は戻らないという酷薄な現実を突きつけられたも同然の状況だ。これまで元島民らが積み上げてきた返還運動の思いを、後継者や三世、四世にどう引き継いでもらうかは、今後の運動の在り方を左右する大きな課題。歯舞群島勇留島出身で公益社団法人千島歯舞諸島居住者連盟理事・根室支部長を務める角鹿泰司(つのか・やすじ)さん(86)に返還運動の〝いまとこれから〟を訊いた。(佐久間康介)

----------------------------------------------------------------------

【医療】
さっぽろ麻生乳腺甲状腺クリニックの
亀田院長に「がんゲノム医療」を訊く

解明された遺伝子変異と
乳がん発症の「因果関係」

遺伝子を調べてがんを治療する「がんゲノム医療」が注目されている。ゲノムとは全遺伝情報を指し、乳がんの分野でもがんの原因となる遺伝子を一括して調べる「がん遺伝子パネル検査」や乳がんの再発リスクを数値化し抗がん剤の投与を判断する「オンコタイプDX乳がんスコアプログラム」が保険収載されている。昨年7月には京都大学の研究チームが、乳がんの芽となる遺伝子の変異から発症までのプロセスを最先端のゲノム解析で明らかにしたというニュースも飛び込んできた。医療法人北つむぎ会「さっぽろ麻生乳腺甲状腺クリニック」の亀田博理事長・院長を訪ね、京都大学のゲノム解析やゲノム医療の現状について訊いた。(工藤年泰・武智敦子)

----------------------------------------------------------------------

【医療】
北海道BPにメディカルモールを開く
ミライシアHD・神山武士社長に訊く

連携と共有をキーワードに
クリニックと薬局を新展開

この夏、北海道ボールパークFビレッジ(北広島市)に開業予定のメディカルモールを手掛け、外来診療の停止に追い込まれた釧路の精神科病院の建て直しにも取り組む──。調剤薬局などを手掛けるミライシアホールディング(本社札幌)の神山武士社長(42)にとって23年は激動の年だった。そんな若き経営者が24年に掲げるキーワードは「連携」と「共有」。2019年の創業以来、地域のニーズに応える調剤薬局事業を展開しながら道内の医療格差を肌で感じてきた神山社長は、医療機関などと連携を図り地域に手厚い医療を届けることを目標に掲げる──。  (12月12日取材 工藤年泰・武智敦子)

----------------------------------------------------------------------

【企業】2024年の進路を訊く──サッポロビール 森本光俊北海道本社代表

上富良野でのホップ試験栽培
百年目は学びや体験に力注ぐ

ここだけのビール求め行列の賑わいも

「上富良野町でのホップ試験栽培100周年」をキーワードに、原料生産地・上富良野町とのつながりやビールに欠かせない原材料の歴史、物語などを積極的に打ち出してきた2023年のサッポロビール。この象徴的事業といえる上富良野町日帰りツアーは、ホップなど原材料にまつわる特別な体験や学びを提供し大好評。また伝説のホップと呼ばれる上富良野発祥のソラチエースを使ったSORACHI 1984に関しては、JR札幌駅改札内にオープンしたBEER STAND SORACHIが連日行列の大人気だという。そんな同社の今後などについて森本代表に話を訊いた。    (12月21日収録)

----------------------------------------------------------------------

【ビジネス】
新千歳空港に待望のビジネス
ジェット専用ターミナル開業

利用者をもてなす独自のサービスも

北海道の良質な雪を求めてやってくる海外客の繁忙期を間近に控えた12月8日、新千歳空港に新施設が開業した。それはビジネスジェット専用ターミナル。これまでは羽田・成田空港など限られた空港のみで整備されていた施設だ。同ターミナルは主に海外富裕層のニーズに応える上でかねてより北海道エアポートが構想し、準備を進めていたもので、いわば念願の施設ともいえる。開業式典では、北海道エアポートの蒲生猛社長が「当施設を北海道での高付加価値な観光体験につながる玄関口として、北海道と世界をつなぐ交流拠点に育てていきたい」と意気込みを述べた。

----------------------------------------------------------------------

【追悼特集】

経済界の巨星、伊藤義郎氏が
遺した故郷・北海道への直言

 伊藤組土建(本社札幌)の取締役会長で、北海道商工会議所会頭、札幌商工会議所会頭、北海道建設業協会会長などを歴任した経済界の重鎮・伊藤義郎氏が2023年12月5日、老衰のため死去した。96歳だった。明治時代の半ばに新潟県出雲崎出身の伊藤亀太郎氏が渡道して伊藤組土建を設立。1926年12月生まれの義郎氏は56年に29歳の若さで同社3代目当主となり、以後半世紀以上にわたって建設業のみならず、北海道経済をリードしてきた。
 札幌証券取引所理事長も21年間務め、アンビシャス市場創設に尽力したほか、札証廃止論が強まる道内経済界の中で経済インフラの重要性を説き、存続に導いた立役者だった。
 このほか北海道スキー連盟会長としてウインタースポーツ振興に努めるなど、その功績は多岐にわたる。
 その伊藤義郎氏への追悼を込めて本人が91歳の時に収録、2018年4月号に掲載したロングインタビューを再録する。数多の苦労を乗り越えて年輪を重ね、卒寿を超えた伊藤氏が考えていた北海道の将来像とはいかなるものか──。その直言に耳を傾けてもらえれば幸いだ。

----------------------------------------------------------------------

【連載】ルポ「ひきこもり」101──レタポスの小樽での居場所事業を引き継いだ「塩谷福祉会」

長い時間をかけ取り組んできた
ひきこもり支援に新たな担い手

小樽市の社会福祉法人「塩谷福祉会」が運営する地域活動支援センター「やすらぎ」が、昨年10月からひきこもり支援に乗り出した。同市においては札幌市のNPO法人「レター・ポスト・フレンド相談ネットワーク」(田中敦理事長・以下レタポス)が2017年10月から22年12月までサテライト事業を行なっていたが、行政の支援が手薄なことに加え社会資源が乏しいことが課題であった。そうした中、地域活動支援センターの主導で始まった新たな動きは親達に歓迎されている。(武智敦子)

----------------------------------------------------------------------

【連載】戦争遺産をめぐる旅 【98】

平和のために何ができるかを問う
立命館大学国際平和ミュージアム

誠実に歴史に向き合う

京都府京都市北区の「立命館大学国際平和ミュージアム」が開館から30年余りを経て、初めて全面的な大改装を行ない、昨年9月23日に新装オープンしている。見学者自らが「平和とは何か」を考えることができるよう、日中戦争から太平洋戦争、そして世界各地で起きている現代の紛争まで、さまざまな視点から問いかけながら展示が進む。立命館大学がなぜこうしたミュージアムを作ったのかにも興味があり、冬の京都を訪れた。(ジャーナリスト 黒田 伸)

----------------------------------------------------------------------

【フォトレポート・トピックス】
●愛知県の企業が札証に上場! 陶器瓦、高機能屋根材の新東
●地域一番店を堅持するスーパー 根室の「マルシェ デ キッチン」
●伝統の餅まきで事業完了を祝ったマールク新さっぽろのまちびらき
●厳冬期の自然美、滝上渓谷「錦仙峡」の氷瀑
●札幌証券取引所の大発会で取引開始を祝った清宮選手
●例年好評のオホーツクフェア、今年は1月24・25日に開催

----------------------------------------------------------------------

【連載コラムなど】
*北海道フォトエッセイ
*シネマ
*スポーツ筆刀両断
*古本屋女房の“古本的日常”
*デンタルエッセイ
*北海道妄想紀行
*連載小説 特別授業
*よいどれブンガク夜話
*ソレでもナマがすき?
----------------------------------------------------------------------
【今月の表紙】鈴木翁二画
『ふるえる やわらかい力にも 光気よ やどれ!!』
【報道】告発・絶望の学府㉙

「息子は戻らない」

江差パワハラ自殺・遺族の慟哭
因果関係否定で「頭が真っ白に」

本誌前号で報告した“手のひら返し”が波紋を呼んでいる、北海道立江差高等看護学院の在学生自殺問題。教員によるパワーハラスメントと学生の死との「相当因果関係」をめぐって道の主張が二転三転する中、渦中の遺族が改めて取材に応じ、当局への不信感をあらわにした。「被害を認めた第三者調査は何だったのか」――。当事者の疑問に応える真っ当な説明は、寝耳に水の連絡から1カ月以上が過ぎた今も聴こえてこない。(小笠原 淳)

----------------------------------------------------------------------

【報道】告発・陸の蟹工船〈3〉

牧場主「いわば里親」

障碍者虐待問う裁判、弁輪始まる
恵庭市は当事者間の雇用関係否定

長期間にわたる不当労働行為や年金詐取などが指摘される障碍者虐待疑惑で11月下旬、被害を訴える当事者らが起こした裁判が初弁論を迎えた。原告代理人は意見陳述で、地元自治体による問題の放置や隠蔽の疑いを強く批判したが、自治体側は虐待の事実を否定、隠蔽もなかったなどとして争う姿勢を見せることに。3人の知的障碍者を無給で働かせていた雇用主は、被告の認識では「里親」だったのだという。(小笠原 淳)

----------------------------------------------------------------------

【報道】違法捜査 被害者は警察官

現職警官 道警提訴

合法古式銃所持で不当捜査か
「精神異常」扱いで降下評定も

趣味のモデルガンを入手しただけで銃刀法違反の疑いをかけられ、違法捜査の被害に遭った上に職場で不利益な扱いを受けた――。そう訴える声の主は、現職の警察官。「おかしいものはおかしい」の思いに従って11月下旬、職場である北海道警察に損害賠償を求める裁判を起こした。問われた“事件”は不起訴処分に終わったものの、理不尽な被害はその後も回復できていない。「組織を訴えるとは精神異常に違いない」と、今なお不当な扱いが続いているという。(小笠原 淳)

----------------------------------------------------------------------

【経済】

BiVi新さっぽろとCOCONO SUSUKINO
札幌市の「2大再開発」が同時期に完了

人口減にコロナ疲弊、地域課題解決の糸口に

札幌市内で進んでいた2つの大規模再開発が、このほど完了を迎えた。ひとつはBiVi(ビビ)新さっぽろの開業に伴う教育機関、医療機関、商業施設などが集積した新さっぽろ再開発。もうひとつはかつての商業ビル・ラフィラにかわるススキノの新たな複合商業施設COCONO SUSUKINO(ココノススキノ)の完成だ。開業日は奇しくも同じ11月30日。新さっぽろ含む厚別区は人口減少、少子高齢化の進行、ススキノはコロナ禍による疲弊と、いずれも大きな地域課題を抱えた中での再開発だったが、どうやらいずれもこれらの地域課題解決を目指す上で大きな役割を担っていきそうだ。                        (髙橋貴充)

----------------------------------------------------------------------

【報道】医療現場で散った命⑰

「まだ納得できない」

新人看護師パワハラ死から10年
労災退けられた遺族が病院提訴

2度の“不当判決”に、遺族は屈しなかった。医師によるハラスメントを苦にした新人看護師の自殺はついに労働災害と認められなかったが、残された両親はその結論に納得できていない。23年7月の上告不受理に終わった労災訴訟を経て、判決確定翌月に新たな闘いを開始。勤務先だった病院に賠償を求めるその民事裁判が最初の口頭弁論を迎えた。取り返しのつかない悲劇が起きてから、早10年。声を上げ続けるのは、再発防止を願うためにほかならない。(小笠原 淳)

----------------------------------------------------------------------

【報道】道警不祥事から考える〈67〉

盗撮 少なくとも9回

未発表事案、詳細あきらかに
監督上の措置も3件が事件化

前号で報告した地元警察の未発表不祥事で、追加の公文書開示請求により各事案の概要や報道発表の有無があきらかになった。未発表が疑われていた盗撮・ストーカー行為と現金盗はやはりいずれも公表を免がれており、また懲戒処分に到らなかった事案の中にも事件化されたケースが複数あったことがわかった。改めて確認するまでもなく、これらは報道関係者に限定して提供される情報ではない。条例に基づく手続きで誰でも知ることができる事実だ。(小笠原 淳)

----------------------------------------------------------------------

【シリーズ・住宅不動産情報】⑭──道内各地の工場・社宅跡地に相次ぎ商業施設

DCMの牙城、釧路にジョ
イフルエーケーが殴り込み

釧路市や千歳市、苫小牧市で商業施設が相次ぎオープンする。中でも釧路の店舗面積の合計は2万7780㎡に及び、三井アウトレットパーク札幌北広島を超え、インターヴィレッジ大曲(北広島市)の3万1300㎡に迫る広さ。千歳の店舗面積合計は1万9828㎡で、イオンモール旭川駅前と同様の規模になる見通し。苫小牧は店舗面積合計4000㎡弱と小ぶりだが、市内に複数店舗が集積する商業施設の誕生は苫小牧弥生ショッピングセンター以来9年ぶりだ。各地の規模やオープン予定を追った。 (佐久間康介)

----------------------------------------------------------------------

【国際】北大のスラブ研に流れた「ウクライナの詩」

有名詩人・ナタルカさんが朗読
明日をも知れぬ恋人たちの運命

11月14日、北海道大学のスラブ・ユーラシア研究センターで「ウクライナ文化の夕べ」と題したシンポジウムが開かれ、同国の女性詩人、ナタルカ・ビロツェルキヴェツさんが戦争の悲しみを思わせる詩を披露した。参加者の心を打ったこの日の模様を先月号で「戦時下のウクライナ」を報告した元朝日新聞記者でジャーナリストの岡野直氏(63)がレポートする。

----------------------------------------------------------------------

【環境】安平町の住民が目の当たりにした産廃処分場の建設予定地

付近は胆振東部地震の地滑り地帯
学びを深めた産廃と処分場の実態

安平町(及川秀一郎町長)の早来守田・北進地区で計画されている産業廃棄物最終処分場。この建設予定地の見学会が11月23日、地元で開かれ、記者は同行取材を行なった。見学会は住民団体「あびらの自然を守る会」(山下美樹代表)が主催し、町の職員や地元住民ら約50人が参加。上智大学大学院教授で環境法が専門の織朱實(おり・あけみ)さんの解説を受けながら、5年前の胆振東部地震の地滑りで山肌が露出した現地を踏査し学びを深めた。 (武智敦子)

----------------------------------------------------------------------

【ニュース】

■野次排除訴訟に支出375万円
 道警が二審までの裁判費用開示
 ──ヒグマ駆除の猟銃許可取り消し訴訟には82万円

■取り調べ映像、裁判所で上映へ
 違法捜査国賠で黙秘権侵害立証
 ──「被疑者ノート」無断検閲では警官尋問の方向

■関西電力の「風発計画縮小」を受けて
 仁木町の住民団体が銀山地区で集会
 ──新たな風発候補地として検討する動きに警戒感

----------------------------------------------------------------------

【新春インタビュー】鈴木直道北海道知事に訊く

新型コロナの5類移行で節目
これから北海道を次の飛躍へ

ロシアのウクライナ侵略に加え中東でも戦火が広がるなど世界情勢が混迷を深める中、新型コロナの5類移行で観光など人の行き来が回復し始めたことで、安堵感が広がりつつある北海道。2023年には、望まれていた次世代半導体製造工場の建設が千歳市で始まるという明るい話題もあったが、人口減少、少子高齢化といった構造的課題や、エネルギーや食料品の高騰など道民の暮らしに関しては不安材料がいまだ山積みだ。その北海道の舵取り役である鈴木知事に、この1年の振り返りや道立看護学院のパワハラ問題の扱い、北海道活性化に向けたこれからの道筋などを訊いた。   (11月30日収録・聞き手=工藤年泰)

----------------------------------------------------------------------

【新春インタビュー】秋元 克広札幌市長に訊く

抗い難かった「五輪断念」の流れ
札幌をGX投資の金融センターに

3期目に入った秋元克広市長は、札幌冬季五輪の招致断念という重い決断を迫られた。これまで9年間にわたり取り組んできた招致活動は、先の東京五輪の贈収賄事件や談合事件によって市民理解が広がらず最悪の結末を迎えた。一方で明るい動きとして注目されるのが、世界中からGX(グリーントランスフォーメーション)に関する資金・人材・情報が集積するアジアと世界の「金融センター」実現を目指す取り組みだ。千歳市で建設が始まっているラピダスの半導体工場との相乗効果が出ることも期待され、札幌の新たな価値創出に繋がりそうだ。冬季五輪招致断念という決断の背景や今後の市政課題について秋元市長に訊いた。(11月24日取材 工藤年泰・佐久間康介)

----------------------------------------------------------------------

【新春インタビュー】2024年の進路を訊く──北海道信用保証協会・阿部啓二会長

コロナ後の経済は回復途上
目指す「頼られる保証協会」

北海道の最大のポテンシャルは人材

さる9月、北海道信用保証協会の新会長に阿部啓二氏が就任した。道庁時代は主に経済畑を歩み、副知事退任後は北海道中小企業総合支援センター理事長として地元企業の実態とつぶさに向き合ってきた阿部氏。同協会の歴代会長で同センタートップを経験したケースは初めてだけに、企業の経営実態に即したきめ細かな取り組みが期待される。北の大地に憧れ、若き日に住むことを決意した阿部氏の北海道愛は、今も色褪せていない。「北海道の発展に貢献できることが嬉しい」という阿部氏に、新会長就任の抱負と信用保証協会の今後を訊いた。(11月27日取材 佐久間康介・工藤年泰)

----------------------------------------------------------------------

【新春インタビュー】2024年の進路を訊く──AOAO SAPPORO・山内將生館長

鳴物入りの狸小路・新水族館は
地域密着で北海道を元気にする

水族館は三歳から百歳まで楽しめる

札幌駅前通にススキノ、新さっぽろと再開発というまちの新陳代謝が終え、新たな巨大施設が次々と姿を現した2023年の札幌市。そうした動きの中で、ひと際話題をさらったのは狸小路商店街にできた都市型水族館、複合商業施設moyuk SAPPORO(モユクサッポロ)内のAOAO SAPPORO(アオアオサッポロ)だろう。札幌都心部で水辺の生き物が間近に見られるだけでも稀な体験だが、水族館でカフェのようなおしゃべりを楽しんだり、仕事や勉強をしたりと新たな水族館の活用も広がっているようだ。これからの舵取りを山内將生館長に訊いた。
  (11月20日取材 髙橋貴充)

----------------------------------------------------------------------

【漫画】

回顧2023『コロナは去ったが…』(石川寿彦)

----------------------------------------------------------------------

【医療】
札幌ハートセンター・藤田勉理事長に訊く

5月に豊平にもサテライトを開設
分院を網羅して札幌全域をカバー

全国有数の循環器専門病院、札幌心臓血管クリニック(東区・104床)を運営する医療法人札幌ハートセンター(藤田勉理事長)が24年5月、2つ目のサテライト診療所を豊平区内に開設する。22年7月には、JR新札幌駅近くの医療モールに初の分院「新札幌心臓血管クリニック」(厚別区)を開設。循環器分野が手薄だった同地域で手厚い医療を展開しており、豊平区への新たな分院配置で市内全域をカバーすることに期待がかかる。藤田理事長に抱負と札幌ハートセンターの今後の展開を訊いた。(11月28日取材 工藤年泰・武智敦子)

----------------------------------------------------------------------

【アート】新千歳空港国際アニメーション映画祭

海外からアニメ関係者が大勢参集
コロナ禍影響薄れ賑わい取り戻す

大きな節目の10回目を越え次の10年へ

今回、10回目という大きな節目を迎えた「新千歳空港国際アニメーション映画祭」(11月2日~6日開催)。空港自体の利用者が著しく減少するというコロナ禍の影響が大きく薄れ、いわゆる〝コロナ禍前〟の平常開催となった今回の映画祭には、海外のクリエイター、アニメ関係者が大勢参集し、盛り上がりもコロナ禍前に戻ったようだった。目玉の世界各国のクリエイターの作品が集うコンペティションは元より、スタッフやキャストのトークイベントも併催の招待作品上映も充実。アニメーションが持つさまざまな魅力を広く、深く伝える場にもなったようだ。そして同映画祭は節目の10年を越え、新たな10年へと進んでいく。

----------------------------------------------------------------------

【緊急提言】㈱あかりみらい代表取締役 越智文雄氏

蛍光管製造禁止!

北海道が日本の最後尾にならないために

2023年11月スイス・ジュネーブから水銀規制のために世界の蛍光管を製造禁止にするという驚きの発表が届いた。後先を考えない官僚の暴走からどう身を守れば良いか。危機管理の視点から警鐘を鳴らす。

----------------------------------------------------------------------

【医療】北海道がんセンター名誉院長
西尾正道 医師に訊く「がんと放射線」(後篇)

早期発見の仕組みを作り
放射線治療で治す体制を

手術や抗がん剤に頼らないがん治療

西尾正道医師へのインタビュー後篇は手術をせず、なおかつ抗がん剤の副作用に苦しまずにすむ治療法がテーマだ。内部被曝を利用した小線源治療をライフワークとしてきた西尾医師は、50年間のがん治療の推移を「切る必要のない患者を手術する外科医と抗がん剤に固執する内科医と闘ってきた」と振り返る。その上で、がん検診を2、3年に一度健康保険で行ないステージ1の段階で見つけだす仕組みづくりを提案。初期にがんが分かれば、高額な抗がん剤治療をしなくても手術や放射線をピンポイントで照射すれば治せるからだ。がんの時代を生き抜くための知恵に耳を傾けてもらいたい。(武智敦子)


----------------------------------------------------------------------

【連載】〝農と食〟北の大地から

代替肉や培養肉の登場で畜産はどう変わるか

「工場畜産」に邁進してきた中で
問われる食用タンパクのあり方

少子高齢化が進む日本とは対照的に人口増が続く世界、気候変動や戦争の影響から不安定さを増す食料需給、アニマルウェルフェア(AW)をめぐる国内外の情勢……。これまで畜産物に依存してきた食用のタンパク質のあり方が問われる時代を迎えた。欧米を中心に大豆ミートに代表される「代替肉」の需要が増える一方で、動物の細胞を組織培養して人工的に合成した「培養肉」の技術開発も進む。こうした状況の中で、飼料の原料にする穀物を輸入に頼り、放牧を蔑ろにして“工場畜産”の道をひた走ってきた日本は変われるのか──。筆者が関わってきたAWについての市民講座(主催はNPO法人さっぽろ自由学校「遊」)の内容などを紹介しながら、現状と今後の行方を考えてみる。(ルポライター 滝川 康治)

----------------------------------------------------------------------

【連載】ルポ「ひきこもり」100──ひとり暮らしを始めた大橋伸和さんのケースから

不安を乗り越え積年の夢を実現
ピアスタッフの活動に増す深み

場面緘黙症に苦しみ、不登校やひきこもりを経験してきた大橋伸和さん(39)が、9月に親元から独立し、ひとり暮らしを始めた。両親を残していくことへの葛藤や将来への不安もあったが、経済的不安や自身の障害から夢を諦めてきた大橋さんにとって、ひとり暮らしは「最後に残された夢」であったという。実現までストレスから体調を崩したこともあるが、諦めなかった。独り立ちへの貴重な経験は、ひきこもりを支えるピアスタッフとしての活動に深みを増すに違いない。    (武智敦子)

----------------------------------------------------------------------

【連載】戦争遺産をめぐる旅 【97】

樺太と結んだ海底ケーブル
知られざる猿払電話中継所

戦争で引き裂かれたもの

1905年以降、北緯50度以南が日本領だった樺太は1945年8月11日から25日にかけての旧ソ連軍の侵攻によって混乱に陥り、多くの犠牲者を出した。なかでも戦後明らかになった真岡(現サハリン・ホルムスク)郵便局で9人の交換手たちが自決した事件は悲劇として語り継がれる。交換手の最後の言葉は、樺太と北海道を結ぶ海底ケーブルで送られたが、その北海道側の中継地点が猿払村にあったことはあまり知られていない。当時、実際に使われた海底ケーブルを保存展示し、記念碑がある同村の浜猿払を訪れた。 (ジャーナリスト 黒田 伸)

----------------------------------------------------------------------

【フォトレポート・トピックス】
●ナルク札幌のピンコロ劇団が文化祭で見せたシニアの底力
●少年矯正、地域とともに――札幌の鑑別所が施設内部を報道公開
●“鮭、日本一のまち”斜里町を地元の漁業者らがチカホでPR
●JA共済の全道小・中学生交通安全ポスターコンクールが50回の節目
●日体大高等支援校の生徒が育てた葡萄を地元の網走ビールが商品化
●すすきのピックアップガール「めぐ」(セクシーカフェ モエッタ)

----------------------------------------------------------------------

【連載コラムなど】
*北海道フォトエッセイ
*シネマ
*スポーツ筆刀両断
*新設企業情報
*古本屋女房の“古本的日常”
*デンタルエッセイ
*北海道妄想紀行
*連載小説 特別授業
*夏井功の夜を駈ける車イス
*よいどれブンガク夜話
*ソレでもナマがすき?
*人物株価
----------------------------------------------------------------------
【今月の表紙】鈴木翁二画
『正月のさがしもの』
【報道】告発・絶望の学府㉘

道「因果関係」否定

遺族らの不信招く手のひら返し
江差パワハラ死、示談交渉暗礁

一昨年から本誌面で報告を続けている北海道立江差高等看護学院のパワーハラスメント問題で、在学生の自殺事案をめぐり北海道が第三者調査の結果を否定する認識を示し始めた。本年5月には知事や担当部局が学生の死とハラスメントとの「相当因果関係」を認めて頭を下げているが、ここに来て一転、「そうとは言い切れない」との主張。謝罪から僅か半年後の豹変に、亡くなった学生の遺族は強い失望感に苛まれている。

----------------------------------------------------------------------

【報道】道警不祥事から考える〈66〉

現金盗、未発表か

道警不祥事“第3四半期”速報
盗撮報道の巡査には“余罪”も

2023年もまた、懲戒処分などの全件公表を免れる“特権”は揺るがなかった――。地元警察の直近の不祥事記録を紐解くと、相も変わらず未発表が疑われる事案が複数あったことが見てとれる。うち1件は地元紙の独自取材であかるみに出ることとなったものの、ほかの報道大手が後追いするには到らず、別の1件は報道された形跡がない。定期的な公文書開示請求であきらかになった事実、取り急ぎまとめて報告を。(小笠原 淳)

----------------------------------------------------------------------

【報道】性的少数者に法の下の平等を⑥

司法の英断を――

LGBT当事者が最後の意見陳述
「結婚の自由」札幌訴訟、二審終結

地元裁判所への提訴から4年半あまり、一審で全国初の違憲判決を得てからは2年半が過ぎる「結婚の自由をすべての人に」札幌訴訟。婚姻の要件を異性間に限定せず、差別的取り扱いを解消するよう求めるその闘いは、来年3月にも2度めの判決言い渡しを迎えることになる。事実審として最後の口頭弁論となった10月末の法廷では、当事者らが改めて意見陳述に臨んだ。足かけ6年、文字通りの春は訪れるのか――。 (小笠原 淳)

----------------------------------------------------------------------

【国際】戦時下のウクライナを歩いた元朝日新聞記者が札幌で報告会

「ロシアとの戦争」で国民が
ひとつになったウクライナ

プーチンの犯罪とロシアの帝国主義

昨年2月24日に突如始まったロシアのウクライナ進攻。戦況に関するニュースは日々報じられても、戦火の下で生きる人々の声はほとんど伝わってこない。ロシア軍による砲撃やミサイルによる街の破壊、地下壕での避難生活や拉致監禁、性暴力、そして虐殺──。そんな人々の生の声に耳を傾けようと昨年11月から1カ月半、現地を取材したのが元朝日新聞記者でジャーナリストの岡野直(おかの・ただし)氏だ。その岡野氏が10月13日、「札幌なにかができる経済人ネットワーク」(呼びかけ人・越智文雄氏)の招きで来札し、市内で講演を行なった。今回の戦争の背景、そして市民たちの現在は──。ウクライナとロシアに精通している岡野氏のリアルな報告に耳を傾けてもらいたい。(工藤年泰・武智敦子)

----------------------------------------------------------------------

【環境】仁木町の風力発電学習会で日本熊森協会代表の室谷悠子弁護士が講演

再エネの犠牲になる豊かな森
いま行政を動かす住民パワー

「仁木町の風力発電を考える会」(穂積豊仁代表)主催の「STOP風車学習会」が10月28日、仁木町内で開かれ、弁護士で一般財団法人日本熊森協会(本部・兵庫県西宮市)の代表を務める室谷悠子さんらが自然保護運動の立場から風力発電の問題点を報告した。「風力発電による森林破壊にどう対応するか」をテーマに登壇した室谷さんは、再エネ課税や建設禁止区域の設定で開発抑制を狙う青森県などの各地の動きを紹介し、「地域の人の声が行政を動かす。輪を広げていくとまちが変わる」と訴えた。(武智敦子)

----------------------------------------------------------------------

【シリーズ・住宅不動産情報】⑬──札幌圏で進む5千坪級宅地造成

高騰の調整が進む宅地価格
平常時相場に近づき底脱出

物価高につれて金利も上がり始めているが、不透明なのが賃金上昇。そうした中で住宅需要、とりわけ戸建て需要がどう影響を受けるのか見通せない状況が続いている。そんな不安要素を抱えながらも、札幌市や北広島市、恵庭市では5千坪級の宅地造成が相次いでいる。一昨年から昨年にかけてのウッドショックの建築費高騰にスライドして宅地価格も高騰したが、今年に入ってからは価格調整が進み、戸建て需要も持ち直し傾向になってきた。5千坪級大型造成物件の今を追ってみた。   (佐久間康介)

----------------------------------------------------------------------

【環境】札幌市・山口処分場の新幹線残土搬入問題を追う

住民団体が工事の中止と原状
回復を求めて市議会に陳情へ

札幌市手稲山口地区の一般産業廃棄物処分場(山口処理場)で進む北海道新幹線・札樽トンネル(小樽・札幌=26・2キロ)の要対策土の搬入をめぐり「有害掘削土に反対する住民の会・連絡会」などの住民らが札幌市議会に残土受け入れの中止と原状回復を求める陳情を11月中に行なう。要対策土はヒ素など自然由来の重金属が基準を超えた土壌で、JRTT鉄道・運輸機構が有害物質を遮水シートで封じ込める対策を行なっている。だが、同会の堀井克幸代表は、遮水シートは破断の恐れがあることや、粉塵に含まれるヒ素濃度の測定が行なわれていないなどと問題点を指摘。「住民の健康に被害を及ぼす危険性を知りながらの強硬搬入は未必の故意に当たる。場合によっては法的措置も視野に入れている」と話している。     (武智敦子)

----------------------------------------------------------------------

【企業】コープさっぽろ、地産地消の再エネ電力を100店舗に供給

全道2百カ所に太陽光発電所
電力使用量の14%を自己託送

コープさっぽろ(本部・札幌市西区)は、グループ会社のトドック電力(本社・札幌市中央区)を通じ、太陽光発電所で発電した電力を「自己託送」によって全108店舗のうち100店舗に供給する。このためコープさっぽろは、全道200カ所に太陽光発電所を建設し、2024年度中に全店舗で消費する電力のうち約14%(約19キガワットアワー/年)を自前化する計画だ。電力料金削減効果として年間2億円も見込む。再エネ電力を使う側から「作る側」へ踏み込む生活協同組合の取り組みを紹介する。

----------------------------------------------------------------------

【ニュース】

■尋問で名和氏がパワハラを否定し
 北大総長解任損害賠償訴訟が結審
 ──異例の早期結審で判決を急ぐ札幌地裁

■HBCドキュメンタリー映画化
 野次排除「劇場拡大版」全国公開
 ──今月20日には札幌・シアターキノで先行上映

■千歳・ラピダス進出に「待った」
 市民有志が市と議会へ公開質問
 ──子育て中の女性など、土壌や水質への影響懸念

----------------------------------------------------------------------

【オホーツク特集】網走市長 水谷 洋一氏に訊く

看板の“交流”が復活した網走
食と観光、子育てを一層支援

網走市は今年、能取湖のホタテ稚貝の大量死や酷暑による農作物へのダメージに加え、昨春に知床沖で起きた観光船事故の影響で観光面でも苦戦を強いられた。それらの課題と向き合っているのが、昨年11月から4期目に乗り出した水谷洋一市長(60)だ。公約の「子育て世代に寄り添う」政策では幼稚園や認定こども園、保育園、小中学校の給食無償化に踏み切り、若い世代の負担軽減を実現。来年10周年を迎える「オホーツク網走マラソン」では道外参加者のリピーター率が約4割を占め、エントリーが増加するなど好材料も少なくない。アフターコロナの中で未来を見据え采配をふるう水谷市長に、まちの現状と展望を訊いた。
(10月25日収録)

----------------------------------------------------------------------

【オホーツク特集】北見市長 辻 直孝氏に訊く

辻󠄀市政3期目で課題山積の北見
地域DX化とカーリングに活路

北京冬季五輪におけるロコ・ソラーレの銀メダル獲得という快挙、書かないワンストップ窓口がデジタルオフィスのモデルケースとして全国的に注目されるなど、コロナ渦中でも明るい話題が多かった昨年の北見市。だが今年は市役所でパワハラもみ消し疑惑が浮上し、社会問題として大きく報じられるなど逆風にも晒された。現職として9月の市長選で勝利した辻󠄀直孝氏(70)だが、アフターコロナのまちづくりを含め課題は山積している。3期目に乗り出した辻󠄀市長にパワハラ問題への対応や今後の施策展開を訊いた。 (10月26日収録)

----------------------------------------------------------------------

【オホーツク特集】紋別市長 宮川 良一氏に訊く

痛手受けた汚職事件を乗り越え
市政の信頼回復と活性化に全力

目玉政策のひとつだった本州からの移住を推進する「避暑地化構想」を巡る汚職事件で大きなダメージを受けた紋別市。幹部職員の逮捕・起訴もさることながら、関連事業の停滞や職員の萎縮という二次的な影響も見過ごせない。全国2位と好調なふるさと納税、ビジネス・観光で入り込みが回復するなど明るい材料も増えてきたが、医師不足による地域医療の危機は解消されず、中国による日本産水産物の輸入禁止の影響も懸念される。汚職事件の検証も道半ばで、待ったなしの状況が続いている宮川良一市長(69)に今後の市政の舵取りを訊いた。 (10月27日収録)

----------------------------------------------------------------------

【特集 オホーツク観光2023】

白い大地からの誘い

----------------------------------------------------------------------

【医療】
札幌東徳洲会病院の新院長に
就任した山崎誠治医師に訊く

ソフトとハードを再構築して
「断らない救急医療」を目指す

24時間救急対応の急性期総合病院として知られる、医療法人徳洲会 札幌東徳洲会病院(札幌市東区・336床)の新院長に、10月1日付けで副院長・循環器内科部長だった山崎誠治医師が就任した。前院長の太田智之医師は総長という役職に就き、運営法人の常務理事として本部とのパイプ役を担う。新型コロナの対応で受け入れが落ち込んでいた救急救命医療を山崎院長と太田総長が力を合わせて立て直すのが今回の人事の狙い。山崎院長に「断らない医療」にかける意気込みを訊いた。(10月23日取材 工藤年泰・武智敦子)

----------------------------------------------------------------------

【医療】北海道がんセンター名誉院長
西尾正道 医師に訊く「がんと放射線」(前篇)

似非科学と強欲資本主義で
隠蔽された内部被曝の真実

いまトリチウムの危険性の直視を

日本では1950年代から小児白血病や乳がん、すい臓がんなどが増えている。この事実には、核保有国が大気中で行なった核実験で飛散した放射性微粒子を体内に取り込んだことによる内部被曝が関係していると、北海道がんセンター名誉院長の西尾正道医師は指摘する。おりしも福島第一原発でたまり続ける放射性物質トリチウムなどを含む処理水の海洋放出が8月から始まり、漁業や健康への被害の懸念も出ている。そもそもトリチウムとはどんな物質でどのような危険を孕んでいるのか。内部被曝を利用したがんの放射線治療に携わってきた西尾医師に訊いた。(武智敦子)

----------------------------------------------------------------------

【連載】〝農と食〟北の大地から

国内で最大規模の放牧養豚を続ける「エルパソ牧場」の営みから

最後に家畜として命を頂戴しても
生きている間は動物の幸せを保証

今から23年前、帯広市内でレストラン「ランチョ・エルパソ」を経営する平林英明さんは、“こだわりの豚肉”を生産するために10頭ほどの豚を購入し、放牧養豚を始めた。のちに同じ十勝の幕別町忠類地区に牧場を移転し、30ヘクタールの広大な敷地で生産を続ける。現在は繁殖豚と肥育豚を多数飼育し、複数の豚の親子による共同生活や放牧地での土の掘り返し、泥浴び、配合飼料の不断給餌や自由な飲水…と、豚たちの行動の自由を保証し、アニマルウェルフェア(家畜福祉)の達成度は高い。近年はドイツから放牧に適した希少種の豚を導入し、特色のある牧場づくりもめざす。10月末、久しぶりに「エルパソ牧場」を訪ね、創業者の平林さんから現在までの歩みや今後の課題などを訊いた。(ルポライター 滝川 康治)

----------------------------------------------------------------------

【連載】ルポ「ひきこもり」99──それぞれの道を歩み始めた母と娘

葛藤と対峙しつつ娘を送り出し
分かった自身の課題と得た希望

ひとり娘が独立し、最近アパートで暮らしを始めたばかりだという家族会の母親Мさん。幼い時から過保護、過干渉で育てたので、内心では子どもを手放したくなかったという。今回のレポートは、そんな葛藤と対峙しながら娘を笑顔で送り出すまでの母親の姿だ。残された夫婦2人の暮らしは静かに流れていくが、そんな中でも過去に患った拒食症の影響を痛感したり、他者と自分を比べてしまう性癖に気づくなど、小さな波風も経験している。「人の評価を気にせずに生きていきたい」。そう語る母親に子離れの苦労や今後どう生きるかを訊いた。    (武智敦子)

----------------------------------------------------------------------

【連載】戦争遺産をめぐる旅 【96】

使われなかった猿払村の
「旧陸軍浅芽野飛行場」跡

ソ連に備えた突貫工事の犠牲者

道北の猿払村に戦時中、旧陸軍の専用飛行場として浅芽野(あさじの)飛行場が建設されたことを知る人はほとんどいないだろう。当時、対ソビエト、千島・カムチャッカ方面の防衛を目的に建設された軍用飛行場で1944年冬までにほとんど完成したが実際に使われることはなかった。工事では地元の人々や学生、朝鮮半島出身らが過酷な労働を強いられ、犠牲者も相次いだとされる。10月末に現地を訪れると、かつて天北線にあった「飛行場前」駅のホーム跡と引き込み線の橋脚跡だけがわずかに残っていた。 (ジャーナリスト 黒田 伸)

----------------------------------------------------------------------

【フォトレポート・トピックス】
●「命より大切な仕事ない」――パワハラ死遺族らが高校生に啓発授業
●4年ぶり「矯正展」、敷地外初開催 野菜直売など不動の人気
●コープさっぽろが10月に組合員数200万人を達成
●地元網走産の海の幸が充実 マリン北海道の「魚屋本店」
●花咲や北海しまえびがお買得「まるごと根室直送市」大盛況
●「北海道どさんこプラザ」が果たす道産品事業者支援や地域の魅力発信
●ISHIYAとロッテが夢のコラボ「雪見だいふく×白い恋人」発売
●ススキノ探訪「クラブルーム東湖」お客様ファーストの名店
●日中平和友好条約締結45周年記念チャイナフェスティバル2023札幌
●現役50周年の佐藤のりゆきがファンとの集いでトークショー

----------------------------------------------------------------------

【連載コラムなど】
*北海道フォトエッセイ
*シネマ
*スポーツ筆刀両断
*新設企業情報
*古本屋女房の“古本的日常”
*デンタルエッセイ
*北海道妄想紀行
*連載小説 特別授業
*夏井功の夜を駈ける車イス
*よいどれブンガク夜話
*ソレでもナマがすき?
*視点 公共交通をどうする?
*人物株価
----------------------------------------------------------------------
【今月の表紙】鈴木翁二画
『池袋』
【報道】鵡川漁協で起きた役員改選妨害事件を追う

怪文書を組合員にばら撒いた
“暴露系ユーチューバー”の正体

胆振総合振興局管内で太平洋に面する「むかわ町」。ししゃもで知られるこのまちを支える鵡川漁業協同組合(小谷地好輝代表理事組合長)で起きた事件を報告したい。昨年6月の役員改選の最中、多くの組合員の自宅に「暴露系ユーチューバー」を名乗る人物から特定の候補者を誹謗中傷する怪文書が投函され、その影響から役員の選任が見送られる出来事があった。当事者は悪質な名誉毀損として刑事告訴に踏み切ったが、いまだに事件は解決していない。怪文書をばら撒いた差出人の目的とは何か、そして事件の背景にあるものは──。    (本誌編集長・工藤年泰)

----------------------------------------------------------------------

【報道】告発・陸の蟹工船〈2〉

「お答えを控える」

隠蔽疑いに恵庭市“無答弁”
障碍者虐待疑惑で議会追及

道央・恵庭市の牧場で長期間の障碍者虐待が疑われている問題で、地元市議会の野党系議員らが市の隠蔽疑惑を相継いで追及した。本会議と委員会で事案の事実関係などを質された理事者側は「お答えを控える」との答弁を連発、その理由を問われては曰く「裁判になっているため」。指摘される不適切な対応があったか否かは、飽くまで法廷であきらかにしていくという。市民が傍聴する開かれた議会でのやり取りは、市にとっては「場外戦」だった――。(小笠原 淳)

----------------------------------------------------------------------

【報道】問われる自治体の人権感覚②

「力尽くしたが…」

同性事実婚の扶養関係認めず
SOGIハラ訴訟で地裁判決

「同性パートナーを持つ北海道職員は、今回の判決にがっかりし過ぎないで」――。当事者の1人としてその訴えを起こした人は、かつての職場で自身と同じ差別に遭っている人たちにそう呼びかける。自らの闘いは不本意な結果に終わったが、この5年あまりを「とことんやりきった」と振り返り、問題提起としての訴訟の意義を再確認した。長い闘いから自分を解放し、今後は眼の前のパートナーとの時間を大切に過ごしていきたいという。 (小笠原 淳)

----------------------------------------------------------------------

【連載】“核のゴミ”レポートPART36 “原子力マネー”に頼らない地域づくりをめざす試み

地域を磨くか核に頼るか

アンケート調査で分かった
寿都町民の本音と憤りとは

後志管内の寿都町と神恵内村を対象に始まった“核のゴミ”最終処分場の候補地選定に向けた動きの中で問われているのは「原子力マネーに依存する道か」、それとも「地場資源を生かし、自立する町づくりをめざすのか」の選択でもある。この夏、泊原発周辺の住民団体が札幌のNPO法人に委託し、寿都町民を対象にしたアンケート調査を実施したが、その結果から町の将来に対する世代間の捉え方や、NUMO(原子力発電環境整備機構)が進めてきた「文献調査」によって住民が分断されたことへの憤りも伝わってくる。アンケートで見えてきたことをはじめ町づくりシンポジウムの様子や、地場資源を生かした事業を展開中の吉野寿彦さんの講演内容を紹介しよう。  (ルポライター・滝川 康治)

----------------------------------------------------------------------

【地域】羽幌町発・閉鎖直前の「焼尻めん羊牧場」に救世主

あべ養鶏場・東郷社長の決断で
焼尻サフォークブランド存続へ

赤字が続き最後の飼育員も退職が決まったことで8月末で閉鎖・廃業する方針だった苫前郡羽幌町(森淳町長)の町営「焼尻めん羊牧場」が、一転して存続する運びとなった。名乗りを挙げた民間事業者、あべ養鶏場(下川町)の東郷啓祐社長と町が合意に達し、東郷社長が設立する新会社で同牧場を承継し「焼尻ブランド」を継続するという。町議会の議決などを経てこの10月中にも新事業者による運営に切り替わる。「焼尻めん羊牧場」の歴史を振り返りながら、地域にとって朗報となった今回の土壇場の継承劇に注目してみた。   (佐久間康介・工藤年泰)

----------------------------------------------------------------------

【環境】仁木町商工会会長が関西電力の風車に反対し住民にチラシを配布

自然豊かな故郷を守るため
町民のみんなで声をあげる

自然に恵まれ、果樹栽培の盛んな仁木町を後世に残したい──。そんな思いから、仁木町商工会会長・津司康雄さん(83)が関西電力による風力発電「古平・仁木・余市ウインドファーム事業(仮称)」に反対するチラシの発行・配布を続けている。チラシでは「風力発電は、なぜ要らないのか!」と題して風力発電の危険性を簡潔に分かりやすく解説。津司さんは「中止になるまで町民と一緒に声をあげていきたい」と意気込んでいる。(武智敦子)

----------------------------------------------------------------------

【シリーズ・住宅不動産情報】⑫──住宅支援策による転入増の成功例

全国町村で人口増加率1位
スーパーも呼び込む南幌町

空知郡南幌町の人口が増加している。総務省が2023年7月に公表した人口動態調査で、増加数(22年1月と23年1月との対比)が153人と、北海道の市町村で最高となったほか、増加率では2・09%と全国の町村で最高に。人口増をもたらしているのは、町が進める住宅支援策による転入増だ。町は、こうした人口増に対応してスーパー誘致に動き町有地を事業者に貸し付け、道央圏連絡道路の南幌ランプ開設を見越して、新たな工業団地の造成にも取り組む。南幌町の住宅・不動産施策にスポットを当てる。 (佐久間康介)

----------------------------------------------------------------------

【ニュース】

■元作業員男性、東電などと和解
 原発復旧作業めぐる訴訟が終結
 ──一審被告側が原発作業に「感謝の意」など表明

■誰もが驚いた根回しなしの移転劇
 北海道医療大、当別から北広島へ
 ──ワンマン鈴木英二理事長の早わざと功罪

■「行政をぶん取る」発言で失脚した
 島田氏に振り回された仁木町事業
 ──今も議会に追及される町と同氏の関係

----------------------------------------------------------------------

【観光】自然体験観光の在り方とは──ウエネウサルみどり・菅野又代表に訊く

観光客の心を満たしているのは
大自然と触れ合う非日常の空間

ATの根底にあるのは新鮮な驚きや感動

アドベンチャートラベル・ワールドサミット(略称、ATWS)を盛大に盛り上げる(34頁)など、コロナパンデミック後の観光起爆剤として道庁などが普及に力を注いでいる体験型観光・アドベンチャートラベル(略称、AT)。確かに北海道は自然体験観光において計り知れないポテンシャルを有するが、それを盛り上げていくには自然と観光客、そして地元住民の上手な付き合い方を考えることが重要だ。そこで広く道東圏をフィールドに自然体験観光の事業を展開し、かつてない厳しさに見舞われた知床の実情も知るウエネウサルみどりの菅野又康彦代表に、自然体験観光の在り方などを訊ねた。  (9月29日収録、髙橋貴充)

----------------------------------------------------------------------

【農業】稚内グリーンファクトリーの挑戦

最北の地で支える酪農と再エネ
「地域の未来」を託された男の夢

農業支援と珪藻土販売、風力発電の複合事業

地域の未来を託された男──。小説のタイトルのような生き方をしてきた人物が稚内市大字宗谷村字増幌にいる。有限会社稚内グリーンファクトリーの渡辺義範代表取締役(65)、その人だ。酪農支援のコントラクター事業や風力発電事業、珪藻土事業のほか、酪農業の有限会社ビックグリーン増幌の代表取締役も務め、今やグループが宗谷地区で所有する土地は6千haを超える。不動産事業では稚内市内に「ローソン」の店舗用地を提供、新たなコンビニ進出のお膳立てもした。渡辺氏が手掛ける数々の事業の原動力は、祖父が百十数年前に入植したこの地を疲弊させたくないという強い想いだ。限界集落という言葉に押し流されてしまう地域が多い中、渡辺氏は「最北端のまちから食糧とエネルギーを全国へ届ける」と揺るがぬ決意で生まれ故郷と向きあっている。 (9月19日取材 工藤年泰・佐久間康介)

----------------------------------------------------------------------

【アート】新千歳空港国際アニメーション映画祭は今年10周年

記念すべき大きな節目に取り戻した
空港ならではの国際色豊かな賑わい

国内外を見渡しても珍しい空の玄関口が会場という映画祭、「新千歳空港国際アニメーション映画祭」が今回10周年という大きな節目を迎える。今年の開催期間は11月2日から同6日までの5日間。メインイベントとなっているコンペティション短編部門、同長編部門のノミネート作品もすでに発表されるなど、準備は着々と進んでいる。そして何より、新型コロナパンデミックに伴う行動規制が取り払われたため、コロナ禍前のような大勢の海外クリエイターたちによる賑わいも期待できそうだ。北海道のショールームを標榜する新千歳空港。ここで催されるグローバルな映画祭の今年の見どころは?

----------------------------------------------------------------------

【企業】

サッポロビールが迎えた記念の年
上富良野ホップ試験栽培100周年

ビールをより美味しくする素材の物語

ビールに欠かせない原料のホップ。サッポロビールが道北のまち・上富良野町で、この原料作物の試験栽培を始めてから、今年は100年というまたとない節目の年となった。この記念の年、同社は年初から「上富良野ホップ試験栽培100周年」を大きく打ち出した、国産・道産ホップの幅広い魅力発信に注力。希少な品種に焦点を当てた商品の発売や、産地・上富良野町の地域の魅力も知り楽しむ日帰りバスツアーが実施されるなど、さまざまな取り組みが行なわれた。そして10月24日には試験栽培100周年の上富良野産摘み立て生ホップを使用した、2023年版の「サッポロ クラシック 富良野VINTAGE」が満を持して売り出される。そこで本稿でも、知ればビールがより美味しくなるであろうホップについて学んでいきたい。(髙橋貴充)

----------------------------------------------------------------------

【医療】ミライシアHDの神山武士社長が釧路の精神科医療に救いの手

清水桜が丘病院の危機を受け
医師を確保し外来診療を再開

地方で急がれる精神科医療の立て直し

病棟閉鎖や医局の医師引き上げなどで釧路管内の精神科医療が急速に縮小する中、今年5月には管内最大162床を有する精神科病院、医療法人清水桜が丘病院の清水輝彦院長(当時)が病で倒れ、外来診療の停止に追い込まれた。こうした危機を打開しようと動いたのが、調剤薬局などを展開するミライシアホールディング(本社札幌)の神山武士社長(42)だ。同病院のSOSを受け神山氏は7月28日付で医療法人理事に就任。経営にも関わりながら8月末には新たな医師を確保し、外来の再開に漕ぎ着けた。精神疾患を抱えながら生きていくには医療機関のケアと地域の支え合いが欠かせない。救いの手を差し伸べた神山氏に今回の取り組みの真意と目的を訊いた。(9月14日取材 工藤年泰・武智敦子)

----------------------------------------------------------------------

【農業】JA北海道中央会の新たな舵取り役、樽井功新会長

複合危機の渦中だからこそ多くの
人々に発信する“農業とは何か‼”

教育現場でも伝えて欲しい農業の大切さ

組合員・JAの共通の意志の結集、実現をはかり地域・事業の枠を超えてJAグループ北海道の総合力を発揮する役割などを果たすJA北海道中央会(=北海道農業協同組合中央会)。この6月、新会長に上川管内・JAひがしかわの代表理事組合長だった樽井功氏が就任した。地元では、主食用米の需要が低迷する中、米の活用の幅を広げる発想で水田を減らすどころか拡大させる取り組みに尽力。現在はプラスチックの原料になる資源米の試験栽培も始まり、広大な水田は今や東川を象徴する風景になっている。水田のまちおこしに寄与した樽井氏が目下挑むのが、消費減退、物価高騰など北海道農業全般を襲う複合危機。これを乗り越えるためにも、沢山の人々に農業とは何か、を知って貰いたいという。(8月28日収録、髙橋貴充)

----------------------------------------------------------------------

【農業】

玉ねぎ「さらさらゴールド」が
生鮮野菜で機能性表示食品に

この野菜を使った料理をぱっと思い浮かべても、実に沢山のレシピが出てくる、万能食材といっても過言では無い玉ねぎ。その1品種「さらさらゴールド」がこのほど、健常な高齢者の加齢によって低下しがちな積極的な気分を維持するのに役立つケルセチンを豊富に含むということから、機能性表示食品として消費者庁に受理された。これを受けホクレン農業協同組合連合会(以下、ホクレン)は、10月初めから売り出した本年産の同品より機能性表示食品を前面に打ち出している。同品はさまざまな加熱調理でも栄養成分がほぼ減らないとあって、活用の幅は広がりそうだ。

----------------------------------------------------------------------

【連載】ルポ「ひきこもり」98──「道ひ老連協」の発足記念シンポから「ひきこもりの老後」を考える

多くの不安を抱え踏み出す一歩
全員が生きやすい社会の実現を

既報のように、8月27日に札幌市内で開かれた「北海道ひきこもりの老後を支え合う連絡協議会」(道ひ老連協)の発足記念イベントでは、基調講演をする予定だった大田原守穂さん(58)が8月下旬に膵臓がんで死去したため、友人のとりさん(50代後半)が講演し故人の思いを伝えた。その後、第一部後半のミニシンポジウムではNPO法人「レター・ポスト・フレンド相談ネットワーク」の田中敦理事長(57)が司会を務め、とりさん、大橋伸和さん(39)、オンラインで参加した吉川修司さん(55)の3人が「ひきこもりの老後」について忌憚のない意見を交わした。 (武智敦子)

----------------------------------------------------------------------

【連載】戦争遺産をめぐる旅 【95】

幌加内町の朱鞠内湖畔に残る
戦時下における強制労働の跡

「神秘の湖」の陰にある殉難

道北の上川管内幌加内町にある朱鞠内湖は国内最大の人造湖で、大小13の島々が浮かび、独特な雰囲気を持つ神秘の湖と言われる。だが戦時中に完成した雨竜第一、第二ダムでは建設工事で「タコ」と蔑まれた日本人や朝鮮半島出身者たちが強制労働に従事し、200人以上の犠牲者を出した。8月下旬、朱鞠内湖を訪れると、ひっそりとした湖岸には慰霊碑や史料展示館の跡などが点在し、往時の出来事の一端を窺い知ることができた。
(ジャーナリスト 黒田 伸)

----------------------------------------------------------------------

【フォトレポート・トピックス】
●アークスがアマゾンとタッグ 「二刀流」でネット路線を追求
●ヤジ排除に「公安の過剰な忖度」指摘 青木理さん迎えたトークに200人が関心
●「一への会」が4年ぶりに「ニューフロンティア経営セミナー」を開催
●コロナ禍後の観光起爆剤か? ATの国際イベントが盛大に
●キャンパーズアンドアングラーズ北広島市に待望の1号店オープン
●日中平和友好条約締結45周年で在札幌中国総領事館が記念行事
●秋の行楽は「有珠山ロープウェイ」を拠点に紅葉の名所「洞爺湖有珠山エリア」へ!
●すすきのピックアップガール「セクシーカフェ モエッタ」みゆ
●厚沢部の規格外農作物を有効に 函商生とカドウフーズ共同事業
●「共に北海道の明日を切り拓こう」北洋銀が「2023年度内定式」開催
●双方向の一体感で包まれた多様性溢れるアイヌ音楽祭

----------------------------------------------------------------------

【連載コラムなど】
*北海道フォトエッセイ
*シネマ
*スポーツ筆刀両断
*新設企業情報
*古本屋女房の“古本的日常”
*デンタルエッセイ
*北海道妄想紀行
*連載小説 特別授業
*夏井功の夜を駈ける車イス
*よいどれブンガク夜話
*ソレでもナマがすき?
*視点 公共交通をどうする?
*人物株価
----------------------------------------------------------------------
【今月の表紙】鈴木翁二画
『J』
【報道】告発・陸の蟹工船

長期虐待 隠蔽か

障碍者から年金詐取の疑い
恵庭の牧場などに賠償請求

知的障碍のある人たちが劣悪な環境で休みなく働かされ、計5000万円以上の年金を詐取されていた。当地の自治体は5年以上前にその疑いを把握していたが、障碍者たちの雇用主が元議員であると知り、見て見ぬふりを決め込んだ――。そんな告発の声が上がったのは、8月下旬のこと。語られる被害が事実なら、およそ信じ難い人権侵害が、否、あきらかな犯罪行為が長期間見過ごされてきたことになる。舞台は札幌近郊の恵庭市。言うまでもなく、この21世紀の出来事だ。

----------------------------------------------------------------------

【報道】“核のゴミ”レポートPART35 最終処分地の選定に影響を与える寿都町議選の行方

小さな町の大きな選択

いま、地元振興と片岡町政の
チェック機能を果たす議会へ

10月3日、“核のゴミ”最終処分場の候補地選定に向けた「文献調査」が終わった後志管内寿都町で、町議会議員選挙が執り行なわれる(告示は9月28日)。有権者数は2330人。9月初めまでに定数9に対し11人の立候補が確実視されており、少数激戦の様相に──。基幹産業である漁業と水産加工業の活性化をはじめ、少子高齢化や子育ての対策、観光振興など課題は山積しているが、「概要調査」の是非を問う住民投票が焦点になる中、議会側が片岡町政をどうチェックしていくのか、その試金石になる選挙といえる。立候補予定者の顔ぶれや核ゴミ問題をめぐる町議会の経緯、さらに事前調査の行方など寿都町議選の周辺を取材した。  (ルポライター・滝川 康治)

----------------------------------------------------------------------

【報道】寿都町議選のもうひとつの争点──「地元の社福と町長の危うい関係」

町議選に出馬する新人候補が
追及する片岡町政の死角とは

9月28日に告示され10月3日に投票を迎える寿都町(片岡春雄町長)の町議会議員選挙(定数9)で、立候補を予定している異色の新人が田原誠氏(74)だ。寿都に生まれ近年故郷にUターンしてきた田原氏は核のゴミ持ち込みに反対するひとりだが、「そもそも問題の本質は片岡町長が長期独裁を敷いてきた弊害にある」として独自に調査・追及を続けている人物。核のゴミ問題の影に隠れた、地元の社会福祉法人徳美会がらみの片岡町政の死角とは──。    (本誌編集長・工藤年泰)

----------------------------------------------------------------------

【環境】双日の風車計画中止を勝ち取った住民団体が報告会

「最高の結果」を得た一方で
風力開発が各地で進む現実

東京の大手総合商社双日が小樽市と余市町にまたがる毛無山周辺の国有林に計画していた風力発電施設の建設は、既報のように小樽市長の反対表明で6月中旬、中止に追い込まれた。この結果を受けて、住民団体「小樽余市の巨大風力発電から自然と生活を守る会」が9月2日午後、小樽市内で市民報告会を開いた。集会では「最高の結果」と評価する一方で、仁木や余市町、石狩湾など周辺地域で進む風車の建設計画に反対していくため、同月23日に新たな住民団体を立ち上げることを明らかにした。           (武智敦子)

----------------------------------------------------------------------

【シリーズ・住宅不動産情報】⑪──病院、パチンコ店、物販店の跡地はどうなった?

禎心会病院跡にスシロー、かつや
パーラー太陽跡地にはキャロット

街には病院やオフィスビル、パチンコ店、商業施設など多くの建物が建っている。それらのひとつひとつが街角の景色を作っているが、いつの間にかこれまでの建物が消え、新たな施設が姿を見せていることがある。不動産は生き物のように姿を変え、街の新たな景色を作っていく。私たちが抱く街の印象は建物によって影響され、これまでの印象と全く違うものになることもある。今月の住宅・不動産情報は、姿を変える街の現場を追ってみた。    (佐久間康介)

----------------------------------------------------------------------

【ニュース】

■国内初、郵便局で乗車券販売始めた
 網走の足。デマンドバス「どこバス」
 ──糸口見えない路線バス赤字対策の一助に

■道新労組が会社に説明など要望
 局次長急逝問題で組合員に動揺
 ──本誌の「遺族と接触」報道は否定、内容証明で訂正要求

■独自に掘り下げたゲームの世界観
 同人誌発行の荒木聡さんの追悼展
 ──市立小樽文学館で10月1日まで開催中

■道立看護学院初の試み、江差で
「プチインターンシップ」募集中
 ──看護教員募集の一環、来年1月まで

----------------------------------------------------------------------

【企業】新たな産直に取り組む根室・歯舞漁協の乱橋一平さんに訊く

いま魚の本当の美味さを
ひとりでも多く伝えたい

浜から直接届けるネット産直に活路

道東・根室の歯舞漁協に所属し、漁師の3代目として活躍する乱橋一平さん(40)。獲った魚をいかにストレスなく締めて、美味しい状態で届けることに日々心を砕く、人一倍「お魚愛」の強い漁師だ。その乱橋さんは最近、札幌の企画会社とタッグを組み、付加価値の高い魚を居酒屋や料亭に直販する仕組みづくりにも挑戦している。将来を見据えた漁師としての取り組みをはじめ浜と顧客をダイレクトつなぐ新たな直販システムの可能性を乱橋さんに訊いた。
    (8月23日取材・工藤年泰)

----------------------------------------------------------------------

【医療】
地域に根ざして7周年を迎えたカレス
サッポロ「よつば家庭医療クリニック」

訪問と外来で患者に寄り添う
「診療科の垣根」を超えた医療

社会医療法人社団カレスサッポロ(大城辰美理事長)が全国初の取り組みとして2016年9月、札幌市東区に開設した地域包括ケア拠点施設「カレスプレミアムガーデン」。この複合施設で外来や訪問診療に取り組み、地域住民に頼りにされているのが「よつば家庭医療クリニック」だ。同クリニックの所長・小西徹夫医師(42)は、医大生時代に親族を看取ったことを契機に診療科目にとらわれず患者を診る「家庭医」の道へ進んだ経歴の持ち主。超高齢化時代を迎え、社会的に在宅医療や看取りの重要性が増す中、開院7周年を迎えた同クリニックの現在地と今後の目標を小西医師に訊いた。         (8月17日取材 工藤年泰・武智敦子)

----------------------------------------------------------------------

【企業】

陸上養殖の普及を目指す一大拠点
「杜のサーモンプラント・東神楽」

エア・ウォーターが技術と知見を結集

旭川のベッドタウンで「花のまち」として知られる上川管内の東神楽町。この道北の地方都市で今年5月末から稼働を始めたのがエア・ウォーター(本社大阪)が手がける初の陸上養殖施設「杜(もり)のサーモンプラント・東神楽」だ。ここで展開されているのは完全屋内によるニジマスの養殖事業。ほかの魚介も一緒に育てる複合養殖や、魚を育てる際に出る排水で水耕栽培し、排水低減と農作物生産の一挙両得を目指すアクアポニックスなどさまざまな独自の試みも目を引く。これまでにない事業が動き出したことに、地元・東神楽町も歓迎ムードだ。エア・ウォーターが目指すのはこの施設をショールームとして、自社の陸上養殖プラントを普及させていくことにあるという。                   (8月9日取材)

----------------------------------------------------------------------

【企業】北一ミートの田村健一社長が語る「成長の理由と軌跡」

ミスを怒らずノルマを撤廃
「仕事を楽しく」で成長軌道

タナベコンサルティンググループ(東京本社・東京都千代田区)のタナベコンサルティング食品価値創造研究会が8月29日、食肉の加工卸販売や食品加工、飲食店運営などを展開している北一ミート(本社・札幌市東区)を視察した際、同社の田村健一社長が「北海道から発信するグローカル戦略」と題して自社の取り組みについて講演した。これまでの采配で社員たちのやる気を引き出し、会社を成長させてきた北一ミートの「成長の理由と軌跡」を紹介する。             (佐久間康介)

----------------------------------------------------------------------

【寄稿】ゼロカーボン実現への課題(㈱あかりみらい代表取締役 越智文雄氏)

カーボンニュートラルが間に合わない

いち早く取り組む以外に解決策はない

カーボンニュートラルの実現と電気料金対策としてLED化はすでに常識。しかし公共分野では遅々として進んでいない。それどころか、全国的に安定器の寿命が来て供給が間に合わないと局所的ブラックアウトもあり得る。立ちふさがる諸課題にはいち早く取り組むしかない。

----------------------------------------------------------------------

【連載】ルポ「ひきこもり」97──末期がんで亡くなった当事者の半生から

できることを出し合い力にする
それが価値ある組織ではないか

末期がんで闘病していた札幌市内の当事者の男性(58)が8月下旬、亡くなった。この男性は、26歳で双極性障害、いわゆるそううつ病を発症。3、4年ごとにうつでひきこもりを繰り返したが、家族の支えや仲間との出会いで乗り越えてきた。同月27日には「北海道ひきこもりの老後を支え合う連絡協議会」(道ひ老連協)発足記念イベントで講演する予定だったが、その願いは叶わず。この日は本人の友人で当事者のとりさんが代わって壇上に立ち、「がんになったことで自分は生かされているという気づきを得た」という男性の思いと生き方を参加者に伝えた。 (武智敦子)

----------------------------------------------------------------------

【連載】戦争遺産をめぐる旅 【94】

開戦を指示した歴史的電文を
中継した稚内赤れんが通信所

貴重な戦争遺産を崩壊から守れ

ハワイ真珠湾攻撃への暗号電文「ニイタカヤマノボレ一二〇八(ヒトフタマルハチ)」を太平洋上の艦船機動部隊に中継送信したことで知られる旧海軍大湊通信隊稚内分遣隊幕別送信所(通称・赤れんが通信所)。稚内市恵北にある、この送信所跡を保存しようとする動きが加速している。通常は立ち入ることができない旧送信所を8月下旬、稚内市と市民団体の協力で取材し、重要棟の崩壊が進んでいる現状などを確認できた。太平洋戦争の口火となった電文を送った旧送信所の保存と観光資源としての再生への議論が必要ではないのか。
  (ジャーナリスト 黒田 伸)

----------------------------------------------------------------------

【フォトレポート・トピックス】
●銃所持訴訟で札幌高裁が現場を「検証」 ヒグマ駆除状況など確認
●賛成? それとも反対? 「札幌オリパラ公開討論会」で談論風発
●経営未来塾でラピダス起工式直後の西村経済産業大臣講演
●大和ハウスが洗練のアーバンライフを実現! プレミスト札幌環状通東ステーションサイド
●約9千人が地元の食を満喫! 「アンデルセングルメ祭り」が4年ぶりに復活
●菊地絵理香が地元で栄冠‼ 北海道出身者がニトリレディスで初優勝
●数多くの道民に長く親しまれた駅ビル・エスタの一番長い一日
●「SORACHI 1984」の樽生が味わえるスタンドバーがJR札幌駅改札内に誕生
●4年ぶりのTHE EAGLE GOLF CUP ドライバー巧者の石塚プロが初優勝
●SATO助成金センターがドローン国家資格取得を積極的にサポート

----------------------------------------------------------------------

【連載コラムなど】
*北海道フォトエッセイ
*シネマ
*スポーツ筆刀両断
*新設企業情報
*古本屋女房の“古本的日常”
*デンタルエッセイ
*北海道妄想紀行
*連載小説 特別授業
*夏井功の夜を駈ける車イス
*よいどれブンガク夜話
*ソレでもナマがすき?
*視点 公共交通をどうする?
*人物株価
----------------------------------------------------------------------
【今月の表紙】鈴木翁二画
『うみのきらきら“ぼくのハネムーン”』
【報道】障害者グループホームの闇を追う【1】

札幌のベンチャー企業に
急浮上した不正請求疑惑

グループホーム事業を手掛ける札幌市内の会社が障害者を喰い物にしている疑惑が浮上した。疑いの目を向けられているのは、3年前に市の指定を受け福祉事業に参入したベンチャー企業、株式会社i&F(アイ・アンド・エフ)だ。同社が運営するグループホーム「リピア」のカビだらけの部屋から寄せられたSOSをきっかけに、見えてきた不正の実態とは──。  (本誌編集長・工藤年泰)

----------------------------------------------------------------------

【報道】地元紙・80年めの迷走〈13〉

編集幹部 また自殺か

北海道新聞で現場に動揺
半年間に2人急逝の衝撃

年明けに常務取締役が急逝した北海道新聞(札幌市中央区、宮口宏夫社長)で編集幹部がまた1人、自殺とみられる状況で亡くなったことがわかった。直後から社内では過労やパワーハラスメントを疑う声が湧き起こり、背景の詳しい説明が求められ始めたが、充分に社員たちの腑に落ちるような報告は未だない。僅か半年の間に幹部の訃報が相継ぐ事態に、編集現場では社への不信感が頂点に達しつつあるようだ。(小笠原 淳)

----------------------------------------------------------------------

【報道】告発・絶望の学府㉗

信頼回復 どこまで

江差看護、初の「まつり」上首尾
議会ではパワハラ“その後”追及


在学生自殺事案の被害認定で一段落した趣きの、北海道立高等看護学院のハラスメント問題。出直しをはかる現場では新たな試みが重ねられ、この夏には初めて地域に開かれたイベントが企画された。一方、過去の被害の清算はなお道半ばで、地元議会では改めて真の正常化を求める声が上がることに。真っ当な看護教育機関としての再生が待たれる中、現時点で伝わる“その後”を記録しておく。(小笠原 淳)

----------------------------------------------------------------------

【報道】道警不祥事から考える〈65〉

職場の無理解、引き金に

侵入盗の元巡査部長に求刑3年
婚約者の翻弄でパニック障碍に

本誌5月号から断続的に報告してきた、元警察官による連続住居侵入事件。7月中旬に結審した裁判では、私生活で大きな悩みを抱えることになった当事者に職場の無理解が追い討ちをかけた背景があきらかになった。責任の一端は、職員のストレスを適切にケアすることができない就労環境にもあったといえる。だがこれまでの例に漏れず、組織の責任が問われることはついにない。職を失った1人のみが断罪され、一連の事件には幕が下りようとしている。(小笠原 淳)

----------------------------------------------------------------------

【環境】巨大風発めぐり対応が問われる仁木町議会

風発反対派の新人2人が落選
「移住組」が投じた一石の行方

関西電力が後志管内で建設を検討している「(仮称)古平・仁木・余市ウインドファーム事業」。この事業をめぐり仁木町議会の動向が注目されている。任期満了に伴い7月30日に投開票された町議選では風力発電に反対する移住組の2人が無所属の新人として立候補したが、共に落選。推進あるいは容認派が多数を占める町議会(定数9)の壁に挑戦を阻まれた形となった。そんな中、敗北したひとりは「手応えはあった。風車の建設計画をストップさせるため、あきらめず運動を続けていきます」と話している。(武智敦子)

----------------------------------------------------------------------

【シリーズ・住宅不動産情報】⑩──札幌市内で続く分譲マンション建設ラッシュ

5千万円超えでも「需要は堅調」
強気の構え崩さぬデベロッパー

札幌市内の分譲マンション市場は、“平均価格5千万円超え時代”を迎え需要層の変化が目立ち始めた。これまでは、年収5百万円台のファミリー層が何とか手の届く3千万円~4千万円が売れ筋だったが、平均価格の上昇を受け、こうした需要層の購買に急ブレーキがかかっている。このような中でデベロッパーは、タワーマンションや円山地区の“億ション”には手の出ない、言わば“プチ富裕層”向けに焦点を絞り始めた。未だ衰えないマンション建設計画を探ってみた。 (佐久間康介)

----------------------------------------------------------------------

【地域】月形町が皆楽公園エリアを大規模改修

目指すのは開業時の道の駅登録
通過のまちから寄り道のまちへ

札幌から車で1時間ほどの場所にある、国道275号線沿いのまち。空知管内・月形町。このまちで、温泉宿泊施設やキャンプ場といったレジャースポットが集まっている皆楽公園エリアのリニューアル、「月形町民保養センター等改修事業」がこの8月から始まっている。工事期間は来年8月までを予定しており、事業費は10億円以上だ。まちの観光拠点リニューアルに連動して新規特産品開発に向けた取り組みも始動。そして同エリアの道の駅化も目指している。この登録が実現すれば、国道275号線ルートで札幌から最も近い道の駅の誕生となる。 (髙橋貴充)

----------------------------------------------------------------------

【地域】新さっぽろサンピアザ水族館の現在

今なおリピーターに親しまれる
地元密着水族館のポテンシャル

期待される狸小路AOAOとの相乗効果

札幌市内都市型水族館のパイオニア、新さっぽろサンピアザ水族館。開業から40年余り。かつて新札幌副都心開発の目玉施設だった同水族館はバブル崩壊、そして近年のコロナ禍というさまざまな困難に見舞われながらも、主に地元リピーターの支持を得て今なお沢山の子ども達に親しまれている。そうした中、今年7月に札幌で2番目の都市型水族館、AOAO SAPPOROがオープン。目下大注目を集めているが、今回の取材で新さっぽろサンピアザ水族館には、まだ相当なポテンシャルを秘めていることは伺い知れた。(髙橋貴充、●頁に関連記事)

----------------------------------------------------------------------

【ニュース】

■警官の虚偽公文書作成など追及
 違法逮捕で弁護士らが刑事告発
 ──「将来の違法捜査を抑止」と告発人ら

■札幌地検に木下雅博・新検事正
 5年前まで次席として報道対応
 ──「知力を尽くし真相解明」と抱負

■「国は争いをやめ、早く謝って」
 優生法・札幌訴訟3件め初弁論
 ──原告の80代男性が陳述「身体は戻らない、せめて補償を」

■猫との共生を目指す保護団体が
 小樽で講演会とイベントを開催
 ──地域住民と取り組む“不幸な猫を減らすまちづくり”

■札幌市の東区と白石区を結ぶ動脈
 11年かけて北24条桜大橋が開通
 ──豊平川に架かる36本目。渋滞緩和と地域経済発展に期待

■「核ゴミで地域おこし」を拒否し
 条例の制定や“自給圏”づくりを
 ──道北の住民団体が「ほろのべ核のゴミを考える全国交流会」

■当麻町内で瀬川守さんを「偲ぶ会」
 有機農業界のリーダーとして活躍
 ──6次産業化も推進した「でんすけすいか」生みの親を追悼

----------------------------------------------------------------------

【介護】つしま医療福祉グループの対馬徳昭代表が「ケアテックス札幌23」で講演

介護事業者が生き残るため
訴えた「経営8箇条」の直言

7月26日、介護関係の一大イベント「ケアテックス札幌23」の初日に行なわれた各種講演で経営者向けセミナーの講師を務めたのが、つしま医療福祉グループの対馬徳昭代表(69)だ。近年、日本医療大学月寒本キャンパスの開校や、共生社会を実践するココルク江別のオープンなど、事業の広がりが著しい同グループだが、今回の講演のテーマは「今こそ介護事業の収益を高め、生き残る方法とは」。自ら身を置く介護業界は厳しさの中にあると警鐘を鳴らし、強調したのが「生き残るための8箇条」。我が国における高齢者介護の枠組みを創出したと言われる対馬代表の示唆に富む直言を紹介したい。(7月26日収録)

----------------------------------------------------------------------

【企業】人気パン屋「どんぐり」の野尻雅之社長に訊く

最大の宝は従業員の頑張り
いま、パンを通じた感動を

地域と一緒に歩む関係を築く

出来たてパンを製造販売している「どんぐり」(札幌市白石区)は、札幌市や江別市に10店舗を展開し地域に欠かせないパン専門店として根を張っている。2代目として会社を率いる野尻雅之社長(45)は、従業員の自由な発想を引き出し、パンを通じてワクワクする気持ちを客に届けることを大切にする経営を行なってきた。地元企業とコラボしたパン開発にも力を入れ、今秋には札幌でオープンする複合商業施設内にも出店、新しい顔づくりにも挑戦する。「最大の宝は従業員の頑張り」と語る野尻社長に「どんぐり」の現在地を訊いた。

----------------------------------------------------------------------

【特集】2023 道内観光情報

いま、秋色を探しに

----------------------------------------------------------------------

【医療】
旭川の森山病院で本格稼働を始めた
「予防医学・スポーツ医学センター」

病気にならず生き生きと
人生を送るための拠点へ

旭川の社会医療法人元生会(森山領理事長)が運営する森山病院(232床)の「予防医学・スポーツ医学センター」が本格的に動き出している。旭川医科大学病院長や学長職務代理を務め昨年3月末に退官した元整形外科学講座教授の松野丈夫医師(76)が森山理事長の招聘に応じ、同医学センターのトップに就任。「病気にならない、病気にさせない」拠点を目指して成果を上げつつある。大学在籍当時から森山病院が目指す「健康・医療・福祉」三位一体の医療構想に共鳴していたという松野センター長を訪ね、「予防医学・スポーツ医学センター」の役割と今後について訊いた。(7月19日取材 工藤年泰・武智敦子)
----------------------------------------------------------------------

【連載】〝農と食〟北の大地から

アニマルウェルフェアをめぐる市民講座の歩み
~さっぽろ自由学校「遊」の取り組みから~

家畜福祉の認知度がまだ低い中
届き始めた若い世代からの反響

この連載でも何度か紹介したアニマルウェルフェア(家畜福祉・AW)について、筆者が学習や取材を始めて20年ほどになる。市民の認知度はまだ低いが、最近ようやく“そよ風”が吹き始めた。「消費者が変われば社会も変えられる。都市住民を中心にAWについて学ぶ場を創れないか」と考え、NPO法人さっぽろ自由学校「遊」の事業の一環としてアニマルウェルフェアの連続講座を4年前にスタート。講座や見学会などを続け、今春にはAWの入門ガイドとなるブックレットも刊行した。コロナ禍の下でのオンライン開催が長かったこともあって道内外に受講者が広がる中で、今後も地道な取り組みが続く。講座などのコーディネーター役を担当してきた経験も踏まえ、その歩みの一端を紹介する。(ルポライター滝川 康治)

----------------------------------------------------------------------

【連載】ルポ「ひきこもり」96──ひきこもり当事者の老後をどうする

50代のピアスタッフが寄せる
発足した道ひ老連協への期待

親亡き後のひきこもり当事者の老後を支え合う「北海道ひきこもりの老後を支え合う連絡協議会」(道ひ老連協)。札幌市のNPO法人「レター・ポスト・フレンド相談ネットワーク」(田中敦理事長・レタポス)の呼びかけで道内の家族会など関連6団体と個人が参加し今年5月に発足し、8月27日には札幌市内で記念イベントが行なわれる。レタポスにはすでに多くの親や当事者から問い合わせが相次いでおり、高齢の親が中高年の子どもを支える「8050問題」「6090問題」の根深さがうかがえる。レタポスのピアスタッフで道ひ老連協の活動に期待を寄せる男性を取材し、道ひ老連協のセーフティネットづくりの可能性を探った。   (武智敦子)

----------------------------------------------------------------------

【連載】戦争遺産をめぐる旅 【93】

戦争に翻弄された美男力士
旧厚田村出身の横綱吉葉山

道産子横綱の数奇な運命

1945年8月15日の終戦の日から今年で78年。先の大戦は大相撲にも暗い影を落とし、力士をはじめ多くの相撲関係者が戦地に赴いたり、勤労奉仕に従事した。石狩湾に面した厚田村(現石狩市厚田区厚田)に生まれ、美男力士として人気を博した横綱吉葉山は中国戦線で大けがをしながら土俵に戻り全勝優勝の快挙を成し遂げた人物。今回は「番外編」としてこの吉葉山の生涯をたどりながら戦争に翻弄された大相撲の歴史を振り返る。
  (ジャーナリスト 黒田 伸)

----------------------------------------------------------------------

【漫画】鈴木翁二特選漫画館 《透明通信》

本誌表紙絵でお馴染みの漫画家・鈴木翁二さんの初期傑作を披露したい。収録した『透明通信』は、伝説の漫画雑誌「ガロ」1971年10月号で初めて世に出た作品である。漫画家デビューを果たし、水木しげるプロダクションからスカウトされた青年はしかし、どうしようもない寂寥を抱えていた。水木プロ退職後、「心の通じる《現実》の誰かと話がしたくって」描いた本作は、時代を超え読者の胸に響く──。

----------------------------------------------------------------------

【フォトレポート・トピックス】
●労災訴訟を終えた看護師遺族 病院に賠償求める新たな闘いへ
●司法教育団体が札幌でセミナー 中高生35人、関心高く
●酪農学園、新理事長にサッポロビール前社長の髙島英也氏就任
●石屋製菓が全施設の電力使用におけるCO2排出実質ゼロ実現
●介護業界の今を映す展示会・ケアテックス札幌23が開催
●縄文時代の国宝・文化財ずらり「北の縄文世界と国宝」展開催中
●ローソンが最北の稚内に進出 足場を固め宗谷全域に拡大へ
●都市型水族館のパイオニア、サンピアザの魅力を再発見
●ススキノピックアップガール「セクシーカフェ モエッタ」ここあ
●サッポロビールとイオン北海道 キャンペーンで子ども食堂支援

----------------------------------------------------------------------

【連載コラムなど】
*北海道フォトエッセイ
*シネマ
*スポーツ筆刀両断
*新設企業情報
*古本屋女房の“古本的日常”
*デンタルエッセイ
*北海道妄想紀行
*連載小説 特別授業
*夏井功の夜を駈ける車イス
*よいどれブンガク夜話
*ソレでもナマがすき?
*視点 公共交通をどうする?
----------------------------------------------------------------------
【今月の表紙】鈴木翁二画
『一等兵と三等兵と零等兵の魔羅』
【報道】カブトデコムの“億ション”「パームヒル藻岩」の出火疑惑を追う

誰もいない、火の気もない
部屋から出た不審火の正体

札幌市南区川沿地区にある藻岩山。そのふもとにひときわ目立つピンク色の建物がそびえている。かつてのバブルに踊った建設会社カブトデコムが建てた超高級マンション「パームヒル藻岩」だ。さる4月初め、このマンション最上階の一室で不審火騒ぎが起き、消防や警察が大挙して出動する出来事があった。誰もおらず、火の気もないはずの部屋で、なぜ火の手はあがったのか──。  (本誌編集長・工藤年泰)

----------------------------------------------------------------------

【報道】首相批判封殺の波紋㉘

「これでは終われない」

一部逆転判決に双方上告
野次排除国賠、最高裁へ

「社会通念に照らして客観的合理性を有する」。1年あまり前にほぼ全否定された警察官たちの行為が一転、司法のお墨つきを得た。首相演説野次排除事件をめぐる争いで、6月下旬に札幌高等裁判所が示した結論だ。一審が認めた表現の自由に関する判断こそ変わらなかったものの、当事者2人のうち1人への排除行為を軒並み適法とする一部逆転判決。警察・市民の双方が上告に踏み切ったことで、舞台は地元を離れて最高裁へと移ることになる――。(小笠原 淳)

----------------------------------------------------------------------

【報道】地元紙・80年めの迷走〈12〉

夕刊廃止、手当削減…

道新、若手の7割が転職検討
内勤の収入減はようやく救済


6月初旬、複数の地元媒体が北海道新聞(札幌市中央区、宮口宏夫社長)の夕刊廃止方針を報じた。関係者間で周知の事実に外部への箝口令が敷かれる中、社内では同月下旬に時間外手当の削減が決まり、今後の離職加速が懸念される事態に。昨年問題となった内勤記者の手取り激減ではようやく救済措置が講じられたものの、これは本年暮れまでの限定対応に留まるという。組合の調査で若手の7割が転職検討との実態も伝わり、道内最大メディアの迷走はなお止まりそうにない。(小笠原 淳)

----------------------------------------------------------------------

【報道】道警・問われる強制捜査の要件②

違法捜査、常態化か

「緊急逮捕」被害者ら国賠提訴
虚偽公文書で刑事告訴も視野

本誌前々号で報告した違法逮捕事件で6月中旬、不当捜査の被害を受けた札幌の男女が地元警察に賠償を求める訴えを起こした。「今後の再発を抑止したい」という代理人らは裁判を通じて警察の虚偽報告を追及していく考えで、追って告訴・告発に臨む用意もあるという。無令状で被害者宅のドアを解錠、さらにベランダの窓を破って室内に突入し、任意同行を拒否した住人を緊急逮捕した警察。弁護人の猛抗議で明るみに出たその違法捜査は、氷山の一角なのか――。 (小笠原 淳)

----------------------------------------------------------------------

【環境】小樽市長の決断で中止に追い込まれた双日の風車計画

再エネ推進でも計画にノー

仁木町では風発反対派の
移住組が町議選に出馬か

6月中旬にメディアが報じたように、東京の大手総合商社双日が小樽市と余市町にまたがる毛無山周辺の国有林に計画していた風力発電施設の建設は、景観悪化や森林伐採による土砂災害を懸念した迫俊哉市長の反対表明で中止に追い込まれた。一方、同じ後志管内の仁木町では、関西電力が建設を検討している「(仮称)古平・仁木・余市ウィンドファーム事業」に反対する住民有志が、あくまで様子見の町議会に反発。7月下旬の町議選に道内外から移住してきた3人が出馬を検討するなど新たな局面を迎えている。  (武智敦子)

----------------------------------------------------------------------

【シリーズ・住宅不動産情報】⑨──高止まりする札幌の宅地価格

「戸建て5千万円超え」が冷や水
宅地価格の再形成を促す80区画

一昨年から昨年にかけて上昇した札幌市内の宅地価格は、現在バブルに近い高止まり状態。場所にもよるが、坪50万円から80万円という価格では、住宅を建設すれば戸建ての値段は優に5千万円を超える。一般的な会社員で手が届くのは3500万円以下とされており、札幌市内の宅地は売れ残っている状態が続いているという。そんな中、郊外では坪単価10万円台の宅地が登場し、宅地価格の再形成を促すトピックとして脚光を浴びている。(佐久間康介)

----------------------------------------------------------------------

【経済】「道内20信金3月期決算」分析レポート

利回り改善と貸出金増加の兆し
有価証券運用で明暗がくっきり

道内20信用金庫の2023年3月期決算が6月23日に出揃った。貸出金利息収入も上向き始めたことや有価証券配当金の増加、一般貸倒引当金繰入額や経費の減少などから、業務純益ベースでは14金庫が増益、6金庫が減益となった。ゼロゼロ融資の反動で減少していた貸出金全体も底入れし増加トレンドに入ったこともプラス材料に。24年3月期は、次世代半導体ラビダスの工場建設など明るい材料があるが、地方では人手不足が響いて取引先が廃業するリスクも増えている。20金庫の決算振り返りと今期の見通しをレポートする。    (佐久間康介)

----------------------------------------------------------------------

【ニュース】

■強制不妊・中絶被害、控訴棄却
 旧優生保護法訴訟で札高裁判決
 ──「経済的理由」と裁判所、敗訴の道央夫婦は上告

■市民科学者、斉藤武一さんを偲ぶ会
 「故郷を守りたい」と環境問題に尽力
 ──親しまれた「紙芝居おじさん」の急逝に150人が参集

■原発作業員の労災、高裁も棄却
 癌発症と被曝の因果関係認めず
 ──代理人ら「働く者は使い捨てか」と批判、上告申し立て

■札幌訴訟、年度内に高裁判決か
 「結婚の自由」控訴審で弁論続く
 ──代理人ら陳述で改めて差別解消訴え

----------------------------------------------------------------------

【行政】新たなまちづくりに挑む函館・大泉潤市長に訊く

函館再生を掲げスタート
市民に寄り添う市役所に

新幹線乗り入れは道南全体の起爆剤

4月23日投開票の函館市長選で現職の工藤寿樹氏に挑み初当選した大泉潤氏(57)。人気俳優の兄という知名度もさることながら、待ったなしの人口減少や地域衰退への強い危機意識が市民の共感を呼び、9万8174票と工藤氏に4倍もの票差をつけて圧勝した。就任後は喫緊の物価高対策や人口減対策はもとより、目玉政策でもある「北海道新幹線の函館駅乗り入れ」の調査に向けた補正予算を組むなど、早くも大泉カラーを打ち出している。保健福祉部時代に培った「市民に寄り添う」感覚を今後の市政にどう生かし、函館の再生をどのように進めていくのか、胸の内を大泉市長に訊いた。     (6月16日取材 工藤年泰・佐久間康介)

----------------------------------------------------------------------

【行政】24年ぶりの伊達新市政──堀井敬太市長に訊く

当選に導いたアットホームな
地元支援者の一生懸命な活動

これからは若者も住み良いまちに

6期24年務めた菊谷秀吉市長の任期満了に伴う引退を受け、新人2名による24年ぶりの選挙戦となった4月23日投開票の胆振管内・伊達市長選挙。前年12月の時点で出馬表明していた伊達市選出の中山智康道議(当時)は、地元の主要経済団体の支援を取り付け、事実上の菊谷氏の後継として有力視されていた。だが勝利したのは堀井敬太氏。伊達市出身で著名な監査法人トーマツで長く自治体のコンサルに携わるも、政治経験はなく生活拠点は市外。地元ではほぼ無名の存在だった。とはいえ、この選挙の投票率は道知事選挙を10%も上回る61%。多くの民意が堀井氏を選んだ格好だ。はたしてこれはジャイアントキリングだったのか。ただ堀井市長の誕生で、新しい伊達市が船出したのは紛れもない事実だ。(6月12日取材 髙橋貴充)

----------------------------------------------------------------------

【行政】現職の急逝を受けた首長選で選ばれた羽幌・森淳町長に訊く

小さな成功を積み重ねて
はぼろの潜在力を顕在化

安全運転から攻めへと町政を転換

豪放磊落、よく喋り、よく笑う。古希を超えてなお身体中から元気を発散する苫前郡羽幌町長、森淳氏(70)。町議会議員や議長を長く務めてきたが、駒井久晃町長が3期目途中の今年4月に急逝、5月後半に行なわれた町長選に出馬し、無投票で当選した。2018年11月には、再選を目指す駒井氏と一騎打ちで町長選を戦い、惜敗したこともある森氏。年齢的などを考慮し、その時が町長への最後の挑戦と考えていたが、今回、緊急事態の中で白羽の矢が立った。行政のチェック機能を果たしてきた側から行政のリーダーに立場が変わり、今度は羽幌の未来を切り拓く推進役を担う。年齢を感じさせない言動は、役場に新風を吹き込む可能性を予感させる。新町長としてどう町政に向き合うのか、心の内を訊いた。       (6月12日取材 工藤年泰・佐久間康介)

----------------------------------------------------------------------

【医療】
北海道整形外科記念病院のJRタワー
クリニック院長に安保裕之医師が着任

経験と実績に裏打ちされた
外来対応で深まる病診連携

国内有数の整形外科専門病院、医療法人 北海道整形外科記念病院(札幌市豊平区・199床、加藤貞利理事長)のサテライト診療所である「JRタワークリニック」(JRタワーオフィスプラザさっぽろ8F)の院長に4月1日付で安保裕之医師(60)が就任した。本院の診療部長だった安保医師は脊柱の専門医として数多くの手術を手掛けてきたエキスパート。同クリニックは札幌都心部に中継基地となるサテライトを設けることで患者の利便性を図ろうとしたもので、院長として外来を診ることになった安保院長は「患者さんと日々接し、保存療法で治していく治療にも新鮮さを感じています」と意欲的だ。   (6月14日取材 工藤年泰・武智敦子)

----------------------------------------------------------------------

【イベント】2023福祉協賛さっぽろ大通ビアガーデン

帰ってきた、コロナ前の夏

2020年、21年は開催中止。昨年22年は開催はできたものの感染対策のため、前回(19年)より座席数半減以下、入場制限などを余儀なくされるなどコロナ禍に大変振り回されてきた札幌の夏の風物詩・福祉協賛さっぽろ大通ビアガーデン。だがこの夏、制限のない、いわばコロナ禍前のビアガーデンが帰ってくる。期間は7月21日から8月16日までの27日間。そもそも同イベントは、さっぽろ夏まつりの一環として実施しているが、そのお祭りは今回で70回目。この大きな節目にビアガーデンを通常開催できるのは、多くの関係者がホッと安堵だろう。なお今回はさまざまな制限解除のほかに、ハイボールやサワーをジョッキで販売できるようになるという新たな変化も。はたして、今夏の大通公園はどんな賑わいを見せるのだろう。

----------------------------------------------------------------------

【企業】Agri Report──【新ひだか発】地元建設会社の挑戦

コロナ禍も影響を受けなかった
「ファームホロ」のこだわり営農

全国から求めれれるアスパラガスと花卉

新ひだか町三石蓬栄に拠点を置く幌村建設(幌村司社長)傘下の農業生産法人ファームホロ(新ひだか町三石蓬栄、代表者同)。先行きが懸念された建設業の生き残りをかけ、畑違いの農業新規参入に活路を求めてから18年。現在、看板作物のアスパラガスは、国内のさまざまな名店が品質を認め、買い求めるブランド野菜に成長するに至った。もうひとつの看板の花卉は、社会問題にもなったコロナ禍による国内花卉全般の深刻な消費減退の折でも、その影響を受けることなく市場のニーズに応え良品を供給し続けたという。建設土木事業者の異業種参入としては大成功を収めたと言えるファームホロの、こだわりや工夫とは──。        (髙橋貴充)

----------------------------------------------------------------------

【経済】北海道観光振興機構の小金澤健司 会長に訊く【PART2】

観光は大いなる「総合産業」
北海道の大地は可能性の塊

全員が汗をかく体制で再出発

先月号でお伝えした通り、公益社団法人北海道観光振興機構(本部札幌)でかつてない大改革が始まった。定款変更という組織の基本に切り込み、無為に膨れ上がっていた役員を大幅に削減。組織を筋肉質の実働部隊に変えることが6月下旬の総会で了承された。だが今回大ナタをふるった小金澤健司会長(63)の目標は、重厚長大の古い殻を破ることに留まらない。その目線は、観光という総合産業が持つインパクトを最大化させ、「可能性の塊」である北海道を世界有数の〝観光大国〟に押し上げることに注がれている。そのために解決すべき課題とはいったい何か──。「北海道観光の明日」を考える連続インタビュー第2弾をお届けする。
(6月30日取材 工藤年泰・佐久間康介)

----------------------------------------------------------------------

【出版】草莽の僧侶・小西征夫さんが刊行する小冊子

『おゝ他力よ!! 他力!』

他力シリーズ7冊目は「生活が歓ぶ御文章」

札幌在住で僧籍を持つ小西征夫さん(法名=丞西・83)が、80歳を過ぎてから執筆・刊行を重ねている仏教の教えをまとめた小冊子「おゝ他力よ!! 他力!」シリーズ。この6月には7冊目となる「おゝ他力よ!! 他力! 生活が歓ぶ御文章」を刊行した。これまでの冊子では、知人・友人から「自分を見つめなおす良いきっかけになった」など感謝の声が寄せられており、小西さんは、「このシリーズは、生きるうえでの本当の楽しみ、本当の歓びとは何かを自分自身に問いかけるもの。少しでも皆さんのお役にたてれば嬉しい」と話している。

----------------------------------------------------------------------

【お盆特集】コロナで変わった葬儀と不変の弔い

過ぎた簡素化で失う心

大事なのは、縁ある皆で
故人に思いを寄せること

亡くなった家族や先祖の霊を迎え供養するお盆。しかし近年は、新型コロナの感染拡大で出かけられない人のために墓参りを代行するサービスが出現。葬儀についても一般葬より参列者の少ない家族葬が主流になり、火葬場へほぼ直行する直葬も増えている。5月8日以降、5類に移行したコロナだが、この3年で葬儀をとりまく事情は大きく変わった。そんな弔いの変遷を長年見つめてきたのが、札幌市における家族葬の草分け業者「セレモニーきょうどう」を経営する鈴木全明さん(75)だ。「心を許せる人がそばにいるのがいい葬式」と語る鈴木さんにコロナ禍で変化した葬儀と、変わらない弔いの心について訊いた。     (6月23日取材)

----------------------------------------------------------------------

【連載】〝農と食〟北の大地から

アニマルウェルフェアの現在
採卵鶏などの「脱ケージ」をめぐって

消費者の「安ければいい」意識で
世界から取り残される家畜福祉

卵の値段や品質に関心はあっても、どんな過酷な環境で鶏たちが生活しているのか知ろうともしない多くの日本人。9割前後の市民がアニマルウェルフェア(家畜福祉・AW)に対する関心を示し、新たな法律の制定を求めて署名運動などのキャンペーン活動を展開する欧州の市民たち──。今、採卵鶏のケージ飼育を廃止して「ケージフリー卵」の生産・流通に転換する国が増える中で、日本は世界の潮流から取り残されようとしている。そうした状況を少しでも読者に知ってもらうために、農林水産省の外郭団体が実施した飼育実態のアンケート結果や研究者による調査、民間のAW団体が企画したセミナーなどの内容を紹介し、今後の日本のアニマルウェルフェアのあり方について考える。(ルポライター滝川 康治)

----------------------------------------------------------------------

【連載】ルポ「ひきこもり」95──病いを得て気づいた吉川修司さんのケースから

見守ってくれる人がいれば
「生きていける」ことを実感

ひきこもりを支援する札幌のNPO法人「レター・ポスト・フレンド相談ネットワーク」の理事を務め、訪問支援にも取り組んでいた吉川修司さん(55)。今は「ひきこもりながら生きる」ことを選び、外に出ることは滅多にない。そんな吉川さんは昨年、腰を痛め一時は床から起き上がれないほどの体調不良に悩んだ。老いを痛感し、心身とも落ち込んでいた時に支えてくれたのは、長く交流を続けてきた家族会の母親だった。苦境にあってこそ知り得た人との縁の大切さ。1年ぶりに吉川さんを訪ね、当事者の老いや心境の変化について話を聞いた。      (武智敦子)

----------------------------------------------------------------------

【連載】戦争遺産をめぐる旅 【92】

投下された焼夷弾の跡を今に
伝える東京八王子の大和田橋

戦争の痕跡を保存する市民力

東京の都心から西へ約35キロ離れた八王子市は、終戦直前の1945年8月2日未明、アメリカ軍による激しい空襲で400人以上が死亡し、市街地の約8割が焼失するという大被害を受けたまちだ。市内を貫く旧甲州街道、国道20号線に架かる大和田橋。そこには「戦争の痕跡を子供たちにも伝えたい」という市民の願いから、投下された焼夷弾の跡がいまも保存されている。戦後、東京のベッドタウンとして発展した八王子市に残されている空襲の記憶をたどってみた。                         (ジャーナリスト 黒田 伸)

----------------------------------------------------------------------

【フォトレポート・トピックス】
●「受刑者のアイドル」登場 再犯防止フォーラムに120人
●北海道土木・建築未来技術展から見える「加速するICT化」
●今日に至るホクノースーパーの基盤固めた野地武相談役が逝去
●思わず二度見!? 浦河町ワーケーションテレワーク推進サイトのシュール写真
●ウイニングチケット亡き後の優駿ビレッジAERUの現在
●家族の絆が育んだご当地スイーツ 白老町の「まいこのマドレーヌ」

----------------------------------------------------------------------

【連載コラムなど】
*北海道フォトエッセイ
*シネマ
*スポーツ筆刀両断
*新設企業情報
*古本屋女房の“古本的日常”
*デンタルエッセイ
*北海道妄想紀行
*連載小説 特別授業
*夏井功の夜を駈ける車イス
*よいどれブンガク夜話
*ソレでもナマがすき?
*視点 公共交通をどうする?
----------------------------------------------------------------------
【今月の表紙】鈴木翁二画
『夏休み臨時増刊号』
【報道】キリスト教系社会福祉法人 神愛園を揺るがす醜聞②

本誌報道で“火だるま”

トップとパワハラ幹部を外部
理事、職員が糾弾し改革へ舵

札幌市内の手稲区と清田区に事業拠点を構える社会福祉法人 神愛園(本部手稲区・後藤学理事長)。キリスト教の精神に基づき設立され、半世紀以上の歴史を歩んできた神愛園で噴き出したのが幹部によるパワハラ疑惑と“コロナ不倫”問題だ。詳細を報じた5月号(4月15日発売)以降、事態は急展開し、後藤理事長をはじめ問題の事務局長と女性施設長が責任を追及され、火だるまとなる事態へと発展。札幌の老舗社福で起きたスキャンダルの行方を追う──。 (本誌編集長・工藤年泰)

----------------------------------------------------------------------

【報道】告発・絶望の学府㉖

「もう握り潰さないで」

江差看護・パワハラ死で道が謝罪
悲劇から3年余、遺族「一区切り」

「今後は被害を握り潰さないで」「同じ思いをする子が出ないように」――。本誌前号発売直後の5月中旬、北海道立高等看護学院のハラスメント問題で最悪の被害といえる在学生の自殺問題が、ようやく一つの節目を迎えた。道の担当課から謝罪を受けた遺族は涙ながらに再発防止を訴えたが、事実調査にあたった第三者委からはハラスメントの芽が完全に摘み切れていないことへの懸念の声も。大きな節目が再生への一歩となるかどうかは、なお予断を許さないようだ。(小笠原 淳)

----------------------------------------------------------------------

【報道】道警不祥事から考える〈64〉

侵入警官、余罪次々

自宅アパートで重ねた犯行
元巡査部長、狙いは「下着」

本誌前々号で報告した元警察官の住居侵入事件はその後、当事者の懲戒免職処分を経て5月半ばに初公判を迎えた。この間に余罪の再逮捕・追起訴が続き、同下旬までに3つの事件が罪に問われる結果に。地元報道が「金に困り」「アイドルの“推し活”で」などと報じていた犯行動機は、実際には「女性の下着を盗むため」だったようだ。一連の現場は、元警察官自身が住むアパート。常習と言ってよい侵入行為は、4年前に始まっていた――。(小笠原 淳)

----------------------------------------------------------------------

【報道】問われる自治体の人権感覚

扶養認定「差別やめて」

道職員SOGIハラ訴訟結審
3年越しの訴え、今秋判決へ

出会って5年になるパートナーへの思いを問われたその人は、裁判所の証言台で左手の薬指を示し「死ぬまで一緒にいたい」と即答した。衣食住をともにするパートナーは、互いに家族ぐるみでその関係を認め合う文字通りの伴侶。ところが職場の地方自治体はこれを否定し、2人が戸籍上同性であるという理由だけで事実婚の関係を認めなかった。あからさまな差別に異を唱えて起こした闘いは、3年めの秋に一つの区切りを迎えることになる。 (小笠原 淳)

----------------------------------------------------------------------

【“核のゴミ”レポートPART34】最終処分地の選定に向けた「事前調査」をめぐる状況

地層処分は壮大な虚構

国が前のめりになる中、寿都と
神恵内は概要調査に向かうのか

2020年11月に後志管内の寿都町と神恵内村を対象に始まった“核のゴミ”最終処分場の候補地選定に向けた「文献調査」が終わり、新たな局面を迎えた。政府は今年4月に地層処分に関する基本方針を改定し、これまで以上に権力と札束をちらつかせて立地調査を推進する方策を示し、長崎県の対馬では文献調査への応募が取り沙汰されている。ふたつの町村が今後、次の「概要調査」に向かうのかどうか──住民投票の行方とも絡んで目を離せない。「トイレなきマンション」を放置し、原発の負の遺産を増やした歴史を追認するのではなく、北海道の宝である一次産業や観光を軸にした地域振興を進めることがあらためて問われている。    (ルポライター・滝川 康治)

----------------------------------------------------------------------

【追悼】脱原発に生涯を捧げた市民科学者・斉藤武一さんを悼む

「故郷の海が呼んでいる」

執念で44年間測り続けた海水温

後志管内岩内町の市民科学者として知られ、泊原発から出る温排水の影響を調査するため岩内港で44年間に亘り海水温を測り続けた斉藤武一さんが4月29日に亡くなった。70歳だった。手製の紙芝居で原発と放射能の問題を伝える活動に取り組み、泊原発の廃炉と運転差し止めを求める集団訴訟の原告団長も務めた。昨年は道内で進む巨大風力発電の研究も進め、環境や健康被害について警鐘を鳴らすなど生涯、市民科学者であり続けた。   (武智敦子)

----------------------------------------------------------------------

【シリーズ・住宅不動産情報】⑧──ラピダス進出に沸く千歳市の宅地開発

百区画超えの宅地開発が目白押し
市街化区域編入に前向きな千歳市

「ラピダス」の次世代半導体製造工場の建設が本決まりとなり、さまざまな方面から注目される千歳市。試作工場や量産工場の稼働で働く人は関連企業を含めると数千人規模に膨らむ見込みだ。当然、住宅も必要になることから、千歳市周辺では今後を睨み宅地開発が熱を帯び始めている。ラピダス進出が決まる前から造成が予定されていた場所を含め付近の宅地造成事情をレポートする。(佐久間康介)

----------------------------------------------------------------------

【報道】児童デイの不適切な支援計画を道が容認?②

つねり返しを療育とした児童デイ
岩見沢市は「不適切な対応」と指導

児童デイサービスの職員による子どもへの「つねり返し」は療育か虐待か──。本誌5月号で報じた岩見沢市内の児童デイの療育計画について調査していた岩見沢市が取材に応じた。市福祉課の管理職は「虐待の事実はなかった」とする一方で、「身体的虐待に当たるつねり返すという行為を(計画書に)記載したことは不適切」と結論づけ、事業者に任意で指導を行なったことを明らかにした。問題となった児童デイは、職員をつねるようになった4歳の自閉症の子どもへの療育として、つねり返すことを家族に提案したが、家族は「つねり返しは虐待」と強く反発。空知総合振興局に問題を提起していたが納得のいく回答は得られず、市に対応を求めていた。(武智敦子)

----------------------------------------------------------------------

【ニュース】

■中島公園に札幌初の5つ星ホテル
 「インターコンチネンタル」開業へ
 ──アクサ生命が数百億円投じて新本社複合ビルを建設

■北海道経営未来塾8期生の入塾式
 世界に羽ばたく若手経営者を育成
 ──塾生代表・小鍛冶組の小鍛冶洋介社長が決意表明

■パワハラ自殺遺族が和解を報告
 「過労死家族会」設立10周年総会
 ──吃音への不適切指導問う闘い、2年経て終結

■対東電訴訟の控訴審で和解勧告
 原発作業員の訴え、陳述で結審
 ──「被曝の真相究明し、適切な判断を」と一審原告

■寿都町漁協と元役員2人が慰謝料と
 謝罪広告掲載などを求め本誌を提訴
 ──前執行部による批判封じ込めを狙ったスラップ訴訟か

----------------------------------------------------------------------

【経済】

海外のバイヤーも戻ってきた
最大規模の道産品取引商談会

衰え知らずの北海道人気を示す盛況

北海道と札幌市、(一社)北海道貿易物産振興会が主催する「北海道産品取引商談会」が6月6日・7日の2日間、ロイトン札幌を会場に催された。道内最大規模と言われる同商談会の、今回の出展事業者は道内27市46町4村から282の企業・団体。うち42事業者が初出展だった。これら北海道のものづくり事業者とマッチングをはかろうというバイヤーは、530社以上1600人を超え開場早々に黒山の人だかりとなった。そしてコロナ禍から人々の動きが元に戻りつつある中、前回は乏しかった海外バイヤーの声もそこかしこに。北海道ブランドの人気は衰え知らず、を改めて実感させられた。(髙橋貴充)

----------------------------------------------------------------------

【医療】

膝関節・股関節両分野に貢献
正確で安全な人工関節置換術

我汝会えにわ病院が2台目を導入
手術支援ロボット「Mako」の実力

医療法人社団我汝会(木村正一理事長)が運営し、人工関節置換術で全国屈指の実績を誇る「えにわ病院」(恵庭市・150床)がこの春、アメリカで開発された手術支援ロボット「Mako」(メイコー)の2台目を導入した。これにより人工膝関節置換術と人工股関節置換術を手掛けるチームがそれぞれ独自に使える体制が整った。このМakoを同病院は3年前に道内で初導入。術前のCT画像のデータから組み立てた治療計画に基づきロボットアーム(機械の腕)が医師の執刀をサポートすることで正確かつ安全な手術を可能にしている。人工関節置換術の治療体制を強化した木村理事長に今回の導入の狙いや我汝会グループの今後について訊いた。(5月24日取材 工藤年泰・武智敦子)

----------------------------------------------------------------------

【企業】エコミック「企業の給与引上げに貢献する」

人手不足、物価高の時代に有用な
生産性を高めるアウトソーシング

企業活動に不可欠ながらも、その業務自体は生産性や収益向上とは結び付かない給与計算、年末調整などの業務を受託し、取引先の業績アップに寄与しているアウトソーサーのエコミック(本社札幌・熊谷浩二社長)。その2023年3月期(22年4月~23年3月)決算は、売上高が前期を4億6000万円上回る20億円超えで着地。営業利益、経常利益、純利益のいずれも前期超えを果たし増収増益の好決算となった。これに対し、「売上に関してはまだまだ頑張れる余地があった」と振り返る熊谷社長。今後は人手不足といった社会経済問題対策の一助としてのアウトソーシングの役割も発信していきたい考えだ。(5月16日収録、髙橋貴充)

----------------------------------------------------------------------

【企業】サッポロビールが期待するぶどう栽培地

道南産の上質ワインが初リリース
グランポレール北斗ヴィンヤード

サッポロビールが良質なぶどうの確保や、同社における日本ワインのフラグシップである「グランポレール」のブランド力向上などを目指して、2018年6月に道南・渡島管内の北斗市で開園した「グランポレール北海道北斗ヴィンヤード(所在地・北斗市三ツ石)」。そのファーストヴィンテージたる「グランポレール 北斗シャルドネ〈初収穫〉2022」がこのほど完成。6月6日より500本の数量限定で初リリースとなった。これに先立つ5月25日には、北斗ヴィンヤードでお披露目会も実施。渡島総合振興局の田中仁局長や地元北斗市の池田達雄市長なども出席して、同ヴィンヤードにおける初の商品の船出を祝した。

----------------------------------------------------------------------

【観光】北海道観光振興機構の小金澤健司 会長に訊く【PART1】

組織改革に振るった大ナタ
自主財源確保で機能強化へ

「頼れる、稼げる機構」がキーワード

公益社団法人北海道観光振興機構の大改革がスタートする。北海道観光連盟の発足から77年、今の機構になってから10年。北海道観光が大きく変化する中で時代に即した組織への脱皮を目指す。そのリーダーは、国内初のウェブコールセンター、アイティ・コミュニケーションズ(本社札幌)の創業者で昨年6月に機構のトップに就いた小金澤健司会長(63)だ。就任早々大ナタをふるうことを宣言し、それから1年。いよいよ今期からかつてなかった改革が本格的に始まる見込みだ。重厚長大という古い殻を破り、新しい組織に生まれ変わることができるのか。「北海道観光の明日」を考える連続インタビュー第一弾をお届けする。   (5月29日取材 佐久間康介・工藤年泰)

----------------------------------------------------------------------

【夏のボーナス特集】「資産形成」に向き合うコツとは

大事な「何のために、いつまでに」
将来像を具体的に描くことが基本

苦難の3年間を経てポストコロナ時代が到来しているが、気がつけば物価高が押し寄せ節約志向は一段と高まっている。4年前に叫ばれた「老後2千万円不足問題」は、より深刻になってきていると言えそうだ。少子化という形で端的に表れている将来不安もさることながら資金面の不安は生活に直結する。今や「資産形成」は待ったなしの状況と言っていい。ボーナスや退職金などある程度まとまったお金が入る機会は、まさに運用を始めるベストなタイミング。国際的な生命保険会社を経て今年4月、札幌市議に初当選したファイナンシャルプランナーの山田洋聡さんに、資産形成に向き合うコツを訊いた。

----------------------------------------------------------------------

【エネルギー】電気料金値上げ対策緊急インタビュー 「あかりみらい」の越智文雄社長に訊く

規制料金23%増 自由料金は80%増!
問われる「自衛意識と対応」

これまでじわじわ値上がりし、消費者から悲鳴があがっていた電気料金だが、電力調達コストの高騰などを理由に6月1日から全国大手電力会社7社による大幅値上げが始まった。北海道電力の値上げ幅は、国から認可を得た規制料金で約23%増、自由料金では80〜90%もの値上げもあるという衝撃的な事態に。この影響と対策についてエネルギーの専門家である株式会社あかりみらいの越智文雄社長に緊急インタビューした。(聞き手・工藤年泰)

----------------------------------------------------------------------

【追悼】急逝した元ゲーム同人誌編集発行人・荒木聡さんを悼む

独自に掘り下げたゲームの世界観
市立小樽文学館が追悼展を開催へ

1980年代、札幌を拠点にゲーム同人誌『おーるらうんど』の編集発行に携わり、昨年12月4日に57歳で急逝した荒木聡さん。これまで一連のゲーム展の中で荒木さんの同人誌を紹介してきた市立小樽文学館は、今回の逝去を受けて企画展「荒木聡 追悼展 ゲームとアニメの間に―JOSCA THE CREATOR―」を8月下旬から開催する。追悼展の準備に奔走するライターの藤井昌樹さん(54)は「自分の好きなことを楽しみ、その後もオリジナル小説の執筆やボーカロイドによる音楽制作を手掛けるなど非凡な人でした」と高く評価する。(武智敦子)

----------------------------------------------------------------------

【連載】ルポ「ひきこもり」94──当事者・大橋伸和さんの活動から

過去の体験を詳細に言語化
伝えることで救われる自分

子どもの頃から特定の場で話せなくなる場面緘黙症に苦しみ、不登校やひきこもりを経験。今ではそれらを克服した大橋伸和さん(39)。ひきこもり支援に携わるピアスタッフとして本連載にも度々登場しているが、昨年夏から札幌市内の精神・発達障害者を支援する社会福祉施設で月に一度「生きにくさを考える講演・対話会~ウィス(WIS)」を担当し、語り部としての活動に力を入れている。「これまで自分が感じてきた生きにくさや人との関わり方の難しさ。それらを伝え皆で考えることで苦しんでいる人の役に立ちたい」と力を込める大橋さんにフォーカスした。    (武智敦子)

----------------------------------------------------------------------

【連載】戦争遺産をめぐる旅 【91】

南東北を守る拠点として建設
山形県東根の若木山防空壕跡

完成待たずに迎えた終戦

山形県東部の内陸部に東根市というサクランボの産地として有名なまちがある。人口約4万7000人のこのまちには、かつて海軍の航空隊があったことから空襲を避けるための防空壕がいくつも掘られていた。数年前にこの防空壕が一般公開されたことを知っていたので、サクランボの季節の前に山形を訪れ、取材することにした。東根市にある若木山公園の雑木林に足を踏み入れると、頑丈な姿を今に留める「若木山防空壕跡」が姿を現した──。(ジャーナリスト 黒田 伸)

----------------------------------------------------------------------

【フォトレポート・トピックス】
●廃棄米利用のバイオマスレジ袋をコープさっぽろが全国初導入
●第10回新千歳アニメ映画祭会期拡大で日程は11月2~6日に
●80代男性が決意の提訴。旧優生法国賠、道内原告3組に
●対象商品を買いCO2削減に寄与 「北海道の森に海に乾杯」始まる
●道内アドバイザーらが依存症家族会新設。元刑事の稲葉さん、代表に
●万雷の拍手を受けて見送られた故・横路孝弘さん「お別れの会」
●タカハシグループが創出した新たな集いの場「ネイバー ロースト&ブリュー」
●札幌心臓血管クリニックが東区内で移転新築へ

----------------------------------------------------------------------

【連載コラムなど】
*北海道フォトエッセイ
*シネマ
*スポーツ筆刀両断
*新設企業情報
*古本屋女房の“古本的日常”
*デンタルエッセイ
*北海道妄想紀行
*連載小説 特別授業
*夏井功の夜を駈ける車イス
*よいどれブンガク夜話
*ソレでもナマがすき?
*視点 公共交通をどうする?
----------------------------------------------------------------------
【今月の表紙】鈴木翁二画
『夏への招待状』
【報道】道警・問われる強制捜査の要件

違法逮捕、国賠へ

無令状で窓破り突入“緊急逮捕”
裁判所「再度の考案」で勾留却下

札幌中心部の住宅地で3月下旬、面妖な捕り物があった。被害が否定された傷害事件で警察が当事者を騙して同居人に容疑をかけ、任意同行を拒否したその人を「立てこもり」扱いしたのだ。そこから4時間もの間、警察はなぜか逮捕状を裁判所に請求しようとせず、挙げ句は銃で武装した捜査員による強行突入・緊急逮捕に踏み切った。のちに違法捜査の被害が認められて釈放された元容疑者は近く、捜査機関に賠償を求める訴えを起こす考えだ。(小笠原 淳)

----------------------------------------------------------------------

【報道】函館市長選で大泉潤氏が現職に4倍差で圧勝

市民が求めた“変化”

共感呼んだ未来への危機感

時に選挙は残酷な現実を突きつける。過去に何度か繰り返されてきた多選を目指す現職首長の惨敗。4月23日に投開票が行なわれた函館市長選は、そんなリアリズムを見せつけた。4選を目指した現職・工藤寿樹氏(73、自民党・公明党函館支部推薦)と新人で同市元保健福祉部長、大泉潤氏(57、立憲民主党支持)の一騎打ち。結果は4倍以上の大差で大泉氏の圧勝というものだった──。  (佐久間康介・工藤年泰)

----------------------------------------------------------------------

【報道】告発・絶望の学府㉕

明暗分けた「紋別」

退学強要、パワハラ不認定
鬱発症事案では賠償で和解

4年前の在学生自殺事案がハラスメント認定されたばかりの北海道立高等看護学院をめぐる問題で、同認定と時期を同じくして別の被害申告がことごとく認められない結果に終わっていたことがわかった。さらにまた別の被害の示談交渉では被害者がようやく納得できる額の賠償が認められるなど、事案によって首尾が大きく異なる事態に。舞台はいずれも道東・紋別の看護学院。長い闘いを強いられた当事者の声とともに、各件の顛末を報告したい。(小笠原 淳)

----------------------------------------------------------------------

【報道】道警不祥事から考える〈63〉

未成年「同伴」4時間

異性関係事案、本年も最多か
道警・懲戒など1―3月速報

地元警察の不祥事、本年第1四半期(1―3月)の処分記録が出揃った。北海道職員の中で唯一懲戒処分の全件発表を免がれる“警察特権”は2023年も磐石。同時期に1件だけ記録された懲戒事案は複数の未成年が関わる「不適切」な不祥事だったが、処分が公表された形跡はない。もとより発表の対象とならない監督上の措置(懲戒に到らない軽微な制裁)も含め、文書開示請求で得られた事実を報告する。 (小笠原 淳)

----------------------------------------------------------------------

【シリーズ・住宅不動産情報】⑦──札幌の市街地に出現した3千坪超の更地3選

工場や住宅展示場跡の巨大更地
広さはエスコンフィールド並み

札幌市の市街地で大きな空き地を見かけることが少なくなってきた。建て替えなどで1千坪(約3300㎡)以下の土地はたまに出るが、3千坪(約9900㎡)以上となるとほとんどない。そんな中、偶然にも3千坪を超える更地がいま3カ所出現している。3千坪と言ってもピンとこないかもしれないが、今春開業した「エスコンフィールド北海道」のグランド面積(約3600坪)に近いと言えば広さが実感できるだろう。これら3カ所の現状と行方を追いかけてみた。(佐久間康介)

----------------------------------------------------------------------

【追悼】永田吉則・元北海道経済部次長(前コープさっぽろ顧問)を偲ぶ

食と観光の二枚看板に精通
生涯を賭け道の基幹産業に

北海道経済部次長を最後に道庁を退職し、生活協同組合コープさっぽろ役員室部長職として北海道はまなす食品(北広島市)の社長などを務めた永田吉則さんが、4月13日に死去した。69歳だった。細身で長身、鋭い眼光を宿した理論家タイプだが、実行力を兼ね備えた実務家でもあった。食と観光という北海道経済の二枚看板に精通し、知識と人脈は一頭地を抜いていた。そんな永田さんの来歴と人となりを辿ってみた。          (佐久間康介)

----------------------------------------------------------------------

【ニュース】

■新体制スタートの寿都町漁協で
 まだあった“不透明なカネの流れ”
 ──法廷闘争の前に優先すべき組織体制の改善

■躍進する化粧品メーカーのシロが
 創業地の砂川に新工場をオープン
 ──モノづくりを体感する開放施設「みんなの工場」

■神恵内村長選で破れた瀬尾氏が
 新たに挑戦した泊村議選で落選
 ──泊原発廃炉に向け選挙戦で投じた一石

----------------------------------------------------------------------

【岩見沢市発】スマートシティ実現に向けて──

スマート農業だけに留まらない
岩見沢市の住民に優しい地域DX

デジタル社会基盤は行政サービスにも寄与

北海道におけるデジタル社会基盤整備の先進自治体と言える岩見沢市(松野哲市長)。ロボットトラクターやロボットコンバインが活躍する「スマート農業」は今や、同市を端的に示すキーワードのひとつとなった。そんな先進技術は農業にとどまらず、当然ながらまちづくり全般に活用されている。すでに混雑緩和や待ち時間短縮、職員の作業負担軽減などの成果を上げている「書かない窓口」の導入。医療や福祉、子育て支援の分野でもデジタル技術は大活躍だ。同市の取り組みから見えてきたのは、スマートシティ構想や地域DX確立というのは決して遠い未来の夢物語ではなく、地域住民のすぐ身近にあって一緒に発展していくものということだ。

----------------------------------------------------------------------

【人】佐藤のりゆきさんがキャスター生活50周年

「現場の声」を伝え続けて半世紀
道民と共有した喜怒哀楽に誇り

フリーキャスターの佐藤のりゆきさん(73)が、キャスター・アナウンサーとして道内初となる現役生活50年を迎えた。旭川生まれの佐藤さんは札幌北高を経て北海学園大学法学部法律学科を卒業後、1972年に北海道放送(HBC)入社。94年にフリーに転身し、以降、北海道文化放送(UHB)の「トークDE北海道」で看板キャスターを18年間務めるなど「のりさん」の愛称で視聴者に親しまれてきた。そんなのりさんが4月中旬、馴染みの記者たちと懇親会を開き、自身の半世紀を振り返った。自身にとって一番の財産は「道民と共有した喜怒哀楽」だという。   (佐久間康介・工藤年泰)

----------------------------------------------------------------------

【医療】
藤井美穂院長がチーム医療で取り組む
時計台記念病院「女性骨盤底センター」

骨盤臓器脱患者に大きな朗報
新体制で臨む治療と再発予防

骨盤の中に収まっている子宮などの臓器が腟から外に出る「骨盤臓器脱」。尿失禁を伴うことがある中高年の女性に多い病気で、羞恥心から受診をためらう患者も少なくない。社会医療法人社団カレスサッポロ(大城辰美理事長)が運営する時計台記念病院(札幌市中央区・225床)では、この病気で悩む女性のため、5月の大型連休明けから女性診療科に新たに「女性骨盤底センター」を開設。チーム力を高め、婦人科領域の中でも骨盤臓器脱の治療に力を注ぐ体制を整えた。同病院院長でセンター長を兼ねる藤井美穂医師は、「再発予防を含めてこの病気を正しくかつトータルに治療し、苦しむ女性をひとりでも多く救いたい」と熱意を込める。(4月26日取材 工藤年泰・武智敦子)

----------------------------------------------------------------------

【介護】地域包括ケアを支える細やかな介護力

「元気な介護グループ」が札幌市内で
サ高住「リーフィール」2施設を開業

グループ全体で約1400人の従業員を擁し、全国7都道府県(北海道、東京、大阪、岩手、宮城、広島、千葉)でおよそ150の事業所を展開している「元気な介護グループ」(本社札幌・池田元気代表)。「介護の力で、日本を元気に!」を合言葉に、利用者一人ひとりの自分らしさを大切にその人らしい「ふつうの暮らし」を支える介護に力を注いでいる。その同社が5月1日、「リーフィール」ブランドの新たなサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)2棟を札幌市内(南区・北区)でオープンさせた。これらのサ高住の特長をはじめ、近年成長が目覚ましい同社の概要を紹介する。

----------------------------------------------------------------------

【企業】

社会課題を受け止めながら地元を
元気にするホクノーの地域おこし

健康寿命延伸や就労支援でもみじ台に活気

札幌市内で最も高い高齢化率や、少子化など地元・厚別区もみじ台の社会課題に真正面から向き合い、同地域におけるライフラインの担い手の役割を果たしながら、多面的な問題打開の取り組みを進めてきた食品スーパー・ホクノー(野地秀一社長)。旗艦店(ホクノースーパー中央店)を擁し本社事務所も構える地域の生活拠点・もみじ台ショッピングセンターでは、地元高齢者の健康を支え、暮らしに楽しさややりがいを感じるようなさまざまな活動を実施している。また近年は障がい者の就労支援にも注力。同社スーパーにおいても頼りになる戦力になっているという。避けられない社会課題を受け入れた上で、地域をどう活性化できるか。その術のひとつを、同社の取り組みから探りたい。

----------------------------------------------------------------------

【介護】
北海道ボールパークに誕生する
ハイクラスなシニアレジデンス

多世代が集う新しいまちのランドマーク
光ハイツのサ高住「マスターズヴェラス」

北広島市にある日本ハムファイターズの本拠地「北海道ボールパークFビレッジ」に来年の初夏、アクティブシニア向け賃貸住宅「マスターズヴェラス 北海道ボールパーク」がオープンする。立地環境や290室という大きさはもとより、レストランやフィットネス、大浴場など豪華な共用空間をしつらえるなど、60歳からのハイクラスなレジデンスとして注目を集め、6月の説明会を前に全国から数多くの問い合わせが寄せられている。道内における介護付有料老人ホームの草分けで、運営を担う光ハイツ・ヴェラス(本社札幌)の森千恵香社長に「マスターズヴェラス 北海道ボールパーク」の概要と魅力を訊いた。(4月25日取材・工藤年泰)

----------------------------------------------------------------------

【企業】
北海道BPのメディカルモールを
担うミライシアホールディング

「未来と地域」を見据えた
クリニックと薬局を展開

調剤薬局事業などを手掛ける「ミライシアホールディング」(本社札幌)がいま話題の「北海道ボールパークFビレッジ」でメディカルモール事業に乗り出す。来年6月に開業するハイグレードなサ高住「マスターズヴェラス 北海道ボールパーク」に併設される「Fビレッジ メディカル スクエア」がそれで、先進的かつ地域密着型の取り組みが注目を集めそうだ。2019年の創業以来、在宅患者訪問薬剤管理指導など地域のニーズに応える調剤薬局を展開し、成功の足がかりをつかんだ同社の神山武士社長(41)に、これまでの取り組みと今回のプロジェクトの概要を訊いた。    (4月21日取材・工藤年泰)

----------------------------------------------------------------------

【社会】NPO法人「楽しいモグラクラブ」が動画編集サービスを開始

ひきこもり支援にDXを活用
引き出すやり甲斐と創作意欲

札幌市のNPO法人「楽しいモグラクラブ」(平田眞弓理事長)が運営する就労継続支援B型事業所「工房mole」が動画編集サービスに乗り出した。動画編集に必要な技術を学んだ利用者がサービスを担当し、すでに引き合いもきている。平田理事長は「動画編集は在宅でもできるので、障がい者やひきこもりの仕事づくりにつながる」と期待している。ひきこもり支援とDXはかなり相性がいいようだ。(武智敦子)

----------------------------------------------------------------------

【連載】〝農と食〟北の大地から
「ヘンプ」から「ローズマリー」へ
~松家源一さん(東川町)の挑戦~

挫折を乗り越え見つけたハーブ
地域と共に起死回生の道を模索

20年余りにわたる本欄「農と食」シリーズの取材の中でとりわけ印象に残ることのひとつに、北海道知事から免許交付を受け2014年から産業用大麻(ヘンプ)の試験栽培に取り組んだ上川管内東川町の農家・松家源一さんが規制当局の狙い撃ちに遭い、17年夏に大麻取締法の違反容疑で書類送検(のちに不起訴処分)された事件があった。試験栽培は挫折を余儀なくされ、起死回生の道を模索する中で出会ったのがハーブの一種・ローズマリー。積雪寒冷地での栽培技術を確立し、地元の仲間たちと普及グループを創り、さまざまな加工品の開発も手がけてきた。まだまだ課題は多く、70代半ばのベテラン農家にとって正念場を迎えている。そんな松家さんの歩みとローズマリーに懸ける思いを紹介する。

----------------------------------------------------------------------

【連載】ルポ「ひきこもり」93──ある母親の告白

子どもの回復過程で知った
執着という名の呪縛の重さ

成長した子どもとの境界線をどう引くかで葛藤する母親がいる。娘は小学校の頃に不登校になり、家族会のサポートで元気を取り戻した。今は働きながら親元からの独立を模索している。だが、そんな姿を見ている母親の胸中は複雑だ。親は笑顔で送り出すべき。頭では分かっているが、疲れて帰ってくる娘に余計な声をかけてしまう。心配事は尽きないし夫との生活に不安もある。だからこそ余計な口は出さないでおこう。子離れしようとする母親が自分自身の育ちと子育てを振り返った。     (武智敦子)

----------------------------------------------------------------------

【連載】戦争遺産をめぐる旅 【90】

海軍のレーダー基地だった
青森八戸の「葦毛崎展望台」

北東北に残る戦争の傷跡

青森県八戸市の太平洋岸、大須賀海岸エリアに「葦毛崎(あしげざき)展望台」という観光スポットがある。上空から撮影した写真では、まるで中世ヨーロッパの城跡のように見える。だがこの施設は、先の太平洋戦争末期に海軍がレーダー施設を置き、アメリカ軍の空からの攻撃を探知していた通信部隊の基地だった。同じく戦争末期に、東北の重要な軍事拠点だった八戸は凄惨な空襲被害も受けている。今なお北東北に残る戦争の傷跡を取材した。
(ジャーナリスト 黒田 伸)

----------------------------------------------------------------------

【フォトレポート・トピックス】
●解体工事現場のふもとで北海道百年記念塔のGW
●野次排除ドキュメンタリーが映画化。国賠原告ら迎え札幌で初公開
●北海道を再エネ、GXの先進地に。G7札幌関連行事で“北海道・札幌宣言”
●「サッポロ NIPPON HOP」第2弾は上富良野産のホップ使用
●SATO社労士法人が東川町とパートナーシップ協定を締結
●滝上町が誇る日本一の「芝ざくら」の季節到来
●メイドイン札幌の看板商品「スーパードライ 北海道工場限定醸造」発売

----------------------------------------------------------------------

【連載コラムなど】
*北海道フォトエッセイ
*シネマ
*スポーツ筆刀両断
*新設企業情報
*古本屋女房の“古本的日常”
*デンタルエッセイ
*北海道妄想紀行
*連載小説 特別授業
*夏井功の夜を駈ける車イス
*よいどれブンガク夜話
*ソレでもナマがすき?
*視点 公共交通をどうする?
----------------------------------------------------------------------
【今月の表紙】鈴木翁二画
『雨あがりのふる里』
【報道】社会福祉法人 神愛園を検証する

“神の園”から離れる人心

パワハラ疑いの幹部2人が
コロナ渦中にラブホで密会

札幌市内の手稲区と清田区に特別養護老人ホームを中心とする事業拠点を構える社会福祉法人 神愛園(本部手稲区・後藤学理事長)。キリスト教の精神に基づいて設立され、半世紀以上の歴史を歩んできた社福で噴き出したのが幹部によるパワハラ疑惑と“コロナ不倫”問題だ。札幌では老舗の社福である神愛園でいったい何が起きているのか──。     (本誌編集長・工藤年泰)

----------------------------------------------------------------------

【報道】寿都町漁協の“黒い霧”を追う②

小西組合長ら幹部4人が
本誌報道直後に一斉辞任

“核のゴミ”の最終処分地選定問題で物議を醸し、全国的に耳目を集めた後志管内の寿都町。このまちを支える大黒柱、寿都町漁業協同組合に関する続報だ。先の4月号が地元を中心に大きな反響を呼ぶ中、本誌報道直後の3月下旬に小西正之代表理事組合長ら幹部4人が一斉に辞任したことが明らかになった。同漁協で、いま何が起きているのか──。(本誌編集長・工藤年泰)

----------------------------------------------------------------------

【報道】告発・絶望の学府㉔

在学生自殺、パワハラ認定

江差看護・第三者委が結論
道、5月にも遺族に謝罪へ

事態の表面化から丸2年が過ぎた公立看護学校のパワーハラスメント問題で、最大の被害といえる在学生の自殺事案を調査していた第三者機関の結論がまとまり、自殺とハラスメントとの因果関係が認定された。複数の元教員・元学生らへの聴取であきらかになったのは、学内で横行していた不適切な教育の実態。志半ばで力尽きた男子学生は、長く学校に根づいた理不尽な指導に追い詰められていた。謝罪を口にした加害者は、今のところ1人もいないという。(小笠原 淳)

----------------------------------------------------------------------

【報道】首相批判封殺の波紋㉗

安倍政権こそ「大迷惑」

一審全面勝訴の原告ら陳述
野次排除国賠・控訴審終結

「野次を『迷惑』というなら、安倍政権こそ『大迷惑』でした」――。時の総理大臣の演説に批判的な野次を飛ばし、あるいはプラカードなどで疑義を示した市民らが警察官にその言論を封じられた事件で、当事者らが地元警察に賠償を求めた裁判の控訴審が終結した。昨春の地裁判決で実質全面勝訴した一審原告らは、4年前の夏に侵害された言論の自由の重要さを改めて訴え、控訴棄却を強く求めた。長引く闘いの次の結論は、6月下旬にあきらかになる。 (小笠原 淳)

----------------------------------------------------------------------

【報道】優生思想の罪、法廷へ⑩

「今は一番幸せ」

札幌高裁、小島さんの訴え認める
優生法国賠・逆転勝訴も国は上告

「私は不幸な人間だと思ってましたけど、今は一番幸せです」。旧優生保護法下の強制不妊問題で、全国で初めて実名を明かして国に賠償を求めた男性の裁判が3月中旬、控訴審判決に到った。争点だった「除斥期間」の適用を地元裁判所はよしとせず、満席の法廷で言い渡されたのは国に賠償を命じる逆転判決。ようやく「幸せ」を掴んだ被害者はしかし、年度末に伝わった国の上告でさらなる闘いを強いられることとなる。真の救済は、いつ訪れるのか――。(小笠原 淳)

----------------------------------------------------------------------

【報道】道警不祥事から考える〈62〉

住居侵入、常習か――

起訴の巡査部長、余罪で再逮捕
警部補の迷惑行為などは未発表

地元警察の不祥事、3号続けての報告だ。前号締め切り後に一部開示された公文書により、同号で伝えた昨年第4四半期(10―12月)の未発表事案の中に事件捜査の対象となったケースが複数あることが確認できた。年度が替わる間際にはまた別の事件が発生し、当事者の警察官が起訴後に再逮捕される事態に。表面化を免がれ人知れず処理されている事件もあれば、隠し切れずに報道発表される事件もある。ともに、現時点でわかっていることを報告しておきたい。(小笠原 淳)

----------------------------------------------------------------------

【報道】本誌が“暴走経営”を報じたネクステップの現在

新居会長と来生社長の両輪で
失われた信頼関係回復に尽力

本誌が昨年報じた北洋銀行の親密企業、不動産業のネクステップ(本社・札幌市中央区)の水口千秋社長(当時・67)の暴走経営は、関係者の大きな反響を呼んだ。報道後、ほどなく水口氏が退任、後任の濱岸春尋新社長(当時・61)の下で第三者によるガバナンス委員会が問題の検証を行なったが、その濱岸氏も昨年8月に退任する経緯を辿った。そんな中、ネクステップ元社長の新居隆氏が会長に復帰。新社長の来生淳二氏と共に会社の正常化に向けて取り組んでいるという。会社の再生に取り組む2人に“事件”の総括と現状を訊いた。 (3月13日取材 佐久間康介・工藤年泰)

----------------------------------------------------------------------

【報道】児童デイの不適切な支援計画を道が容認?

職員による「つねり返し」を
療育とした岩見沢の事業所

児童デイサービス(障害のある子どもを支援する通所事業所・児童デイ)の支援計画をめぐる道の対応が波紋を広げている。昨年の夏、4歳の自閉症の子どもが岩見沢市内のA児童デイの職員を突然つねり始めたため、事業所は「つねり返す」ことで適切なコミュニケーションを促すという個別支援計画書を提出。「つねり返しは体罰や虐待ではないか」との家族(M夫妻)の抗議で計画は撤回されたが、事業所への不信感はぬぐえない。今年になって父親が空知総合振興局に問題提起すると、担当者はつねり返しを「嫌悪刺激」という対応方法であると説明し、家族への説明があれば問題ないなどと容認とも受け取れる発言をしたという。これに振興局の担当者は「道は支援の良し悪しを判断する立場ではなく、嫌悪刺激を良いとも悪いとも言っていない」と否定している。児童デイにおける支援のあり方を追った。(武智敦子)

----------------------------------------------------------------------

【ニュース】

■大成建設で前代未聞の不良工事
 精度不良で組んだ鉄骨を全撤去
 ──札幌の旧HBC本社跡地。「ハイアット」誘致に不透明感

■取り調べ映像の開示命じる決定
 黙秘権侵害・私物“検閲”訴訟で
 ──「提出拒否は裁量権の濫用」と札幌地裁、全国初か

■神恵内村長選で敗れた瀬尾氏が
 在住する泊村の村議選挙に挑戦
 ──公約のテーマは「村おこしへのチャレンジ」

----------------------------------------------------------------------

【介護】地域包括ケアの拠点として在宅をサポート

つしま医療福祉グループが豊平に
特養「ノテ中の島」を新規オープン

つしま医療福祉グループ(札幌市・対馬徳昭代表)傘下の社会福祉法人「ノテ福祉会」は、法人発祥地の地である札幌市豊平区内で4か所目となる特別養護老人ホーム(特養)「ノテ中の島」を3月30日にオープンした。特養は同グループが展開している地域包括ケアシステムの「核」に位置づけられており、「ノテ中の島」では短期入所のショートステイや居宅介護事業も合わせて行ない、住み慣れた地域での暮らしをサポートする。ノテ中の島の皆川真施設長(40)に、新施設の概要をはじめ特養を活用した地域包括ケアシステムの意義について訊いた。
(3月20日取材・工藤年泰)

----------------------------------------------------------------------

【経済】北海道信用保証協会の山谷吉宏 会長に訊く

肩代わりだけではない役割
企業の支援と再生こそ使命

新伴走で「ゼロゼロ」借換を促進

コロナ禍が沈静化し経済が平時になりつつある中、ゼロゼロ保証(実質無利子・無担保融資)が返済時期に入ってきた。道内ではゼロゼロ保証を受けた半数以上が返済を始めているが、これから返済が始まる事業者のうちおよそ3割が返済に不安を抱えているという。このような中で北海道信用保証協会(本店・札幌市中央区)は、事業者に借り換え保証でソフトランディングを促す一方、創業支援など前向き資金の保証にも力を入れている。コロナ後を見据えた同協会の舵取りと企業支援について山谷吉宏会長に訊いた。キーワードは「攻めの信用保証協会」だ。
(3月30日取材 工藤年泰・佐久間康介)

----------------------------------------------------------------------

【企業】コープさっぽろの新ポイント・ステージ制度がスタート

北海道の暮らしはまるごとお任せ
ポイント利用先拡充で利便性向上

生活協同組合コープさっぽろ(本部・札幌市西区)は、新ポイント・ステージ制度を3月21日から開始した。これまでも店舗、宅配システム「トドック」をはじめ、関連グループの灯油、電力、旅行、文化教室などのサービスで330円(税抜き)の買い上げごとに1ポイントを付与するサービスを行なってきたが、ポイントを使える先が店舗や宅配などに限られていた。今回の制度改変によりトドック電力やエネコープの灯油、夕食宅配サービス、移動販売、旅行、文化教室、家族葬での利用も可能になった。年間利用金額で設定していたステージも月単位のカウントに変更し、利便性をより一層高めている。いいことづくめの新ポイント・ステージ制度を紹介する。

----------------------------------------------------------------------

【連載】〝農と食〟北の大地から
「食料安全保障」で地域を守る
~行動する農業経済学者・鈴木宣弘さんの講演から~

食料危機前夜という有事に突入
今こそ国内で安全な食料確保を

「日本の食料自給率は38%どころか10%あるかないか。海外からの物流が停まったら、世界で最も死者が出る国」と警鐘を鳴らすのは、農業経済学者の鈴木宣弘さん(〔一財〕食料安全保障推進財団理事長)である。「立て板に水」の弁舌に人気があり、全国各地の農業・食料関係者などから引っ張りだこ、北海道にもたびたび足を運ぶ。3月18日には北海道農業ジャーナリストの会(坂下明彦会長)の創立50周年企画に招かれ、札幌市内で講演。「地域の種を守り、生産から消費まで“運命共同体”として地域循環的に農と食を支えるローカル自給圏を創ろう」「学校給食の地場産公共調達や農家と住民一体化で、耕作放棄地は皆で分担して耕そう」などと力説した。そんな講演内容の一端を紹介する。

----------------------------------------------------------------------

【社会】レタポスの田中敦理事長が全国組織KHJの理事に就任

「ひきこもり経験者」を初選出
セーフティネット整備に意欲

NPO法人「レター・ポスト・フレンド相談ネットワーク」(レタポス)の理事長、田中敦さん(57)が、4月1日付でNPO法人「KHJ全国ひきこもり家族会連合会」(本部・東京都豊島区)の理事に就任した。田中さんは同会の支部、北海道「はまなす」の事務局長も兼務しており、2019年10月には「第14回KHJ全国大会in北海道」を成功させている。北海道から、そしてひきこもり経験者の立場から今回初めて理事に選出された田中さんに就任への意気込みを聞いた。(武智敦子)

----------------------------------------------------------------------

【連載】ルポ「ひきこもり」92──道内各地の居場所事業が明暗を分けた理由(後編)

成功の鍵は支援者の熱意

多くの当事者が参加した江別と苫小牧

札幌市のNPO法人「レター・ポスト・フレンド相談ネットワーク」(田中敦理事長・レタポス)が小樽などの3市で続けてきた居場所事業を振り返る後編は、江別市と苫小牧市での結果を取り上げる。前号で報告した通り小樽市は参加者の低迷という残念な結果で終わった。一方で、江別市と苫小牧市は当事者の参加が多く、田中理事長は「着実に実績を積み上げていった成果」評価している。それを支えてきたのは支援者の熱意であることは間違いない。両市の支援者を訪ね居場所事業への思いを訊いた。(武智敦子)

----------------------------------------------------------------------

【連載】戦争遺産をめぐる旅 【89】

かつての巨大要塞が人気の
観光地に。和歌山県友ヶ島

“ラピュタの島”から見える戦争

和歌山市の沖合約4キロの瀬戸内海に友ヶ島という小さな島がある。明治時代、旧日本軍が大阪湾への敵艦船の侵入を阻止するため淡路島と紀州の間の紀淡(きたん)海峡に砲台を設置し、終戦まで使っていた場所だ。豊かな自然と赤茶色のレンガ造りの砲台跡などの遺構が、宮崎駿監督のアニメ「天空の城ラピュタ」の世界に似ていると人気を集め、最近では若者や家族連れなど多くの観光客が訪れている。その無人島を探索するとまさに「要塞」と呼ぶにふさわしい本土防衛の跡があった。(ジャーナリスト 黒田 伸)

----------------------------------------------------------------------

【フォトレポート・トピックス】
●百年記念塔解体差し止め訴訟「原告適格なし」と訴えを却下
●北海道初のふるさと納税自販機が野口観光の登別石水亭にお目見え
●札幌矯正管区×札幌市立大 全国初コラボでポスター制作
●4年ぶり約千人の新入社員が一堂に会したアインの入社式
●留萌本線廃線で横山茂沼田町長が「惜別の涙」
●地域づくりを応援する太陽財団が助成対象事業贈呈式を今年も開催
●SATO社会保険労務士法人が士業初の「審査委員会特別賞」
●2023春の観光情報 歩き出そう光の大地に
●G7札幌で遠軽の魅力発信 白滝ジオパークの地域資源
●道東の自然体験観光はお任せ 清里町のウエネウサルみどり
●待ち望んでいた「ススキノ再起動」 APRグループの人気店をハシゴ取材
●キックボクササイズ、9ROUND札幌狸小路5丁目店がオープン!
●道産もち米の消費喚起をホクレン「#OMOCHI革命」

----------------------------------------------------------------------

【連載コラムなど】
*北海道フォトエッセイ
*シネマ
*スポーツ筆刀両断
*新設企業情報
*古本屋女房の“古本的日常”
*デンタルエッセイ
*北海道妄想紀行
*連載小説 特別授業
*夏井功の夜を駈ける車イス
*よいどれブンガク夜話
*新連載: ソレでもナマがすき?
----------------------------------------------------------------------
【今月の表紙】鈴木翁二画
『春の家出』
【報道】寿都町漁協の“黒い霧”を追う

基幹産業、危うし─

経営の悪化で弱体化する統治
ナマコで囁かれる反社の関与

いわゆる“核のゴミ”の最終処分地選定に向けたNUMO(原子力発電環境整備機構)の調査受け入れを表明して物議を醸し、全国的に耳目を集めた後志管内の寿都町。今回はそんなまちの別の側面、基幹産業が抱える危うさを報告したい。水産のまちを支える寿都町漁業協同組合(小西正之代表理事組合長)では近年経営が悪化し、2年あまりの間で組合長の交代が繰り返されるなどガバナンスが漂流。そのような中で“海の黒いダイヤ”と言われるナマコをめぐり、浜ではきな臭い話も流れている。寿都湾の豊かな恵みを受ける漁協で、いま何が起きているのか──。   (本誌編集長・工藤年泰)

----------------------------------------------------------------------

【報道】道警不祥事から考える〈61〉

逮捕の2警官「訓戒」

死亡事故と暴行で懲戒ならず
道警不祥事・2022年概観

地元警察への定期的な公文書開示請求で、昨年第4四半期(10―12月)に記録された警察官の不詳事の概要があきらかになった。これにより通年の記録がまとまり、2022年の不祥事が前年比で1割ほど増えた結果が判明。さらには、現職警察官が逮捕された事案2件がいずれも懲戒に到らない監督上の措置に留まっていたことがわかった。現時点で公文書から確認できる事実を、急ぎ報告したい。
(小笠原 淳)

----------------------------------------------------------------------

【報道】地元紙・80年めの迷走〈11〉

あわや「SNS闘争」

道新、今世紀初のスト回避
団交「ベア100円」で収束

北海道新聞(札幌市中央区、宮口宏夫社長)で2月下旬、30年ぶりのストライキ入りが現実味を帯びる事態が起きた。労使間の春闘・夏期末手当交渉で、給与額のベースアップをめぐり組合側が「ゼロ回答なら闘争入り」を通告したのだ。結果としてストは回避されたが、仮に実現していた場合、それは同社初の“デジタルスト”となる筈だったという。収束の決め手は、「100円」のベアだった――。(小笠原 淳)

----------------------------------------------------------------------

【報道】留学生受け入れめぐる対立

懲戒解雇「不法」

国際大訴訟で大月氏が全面勝訴
「合理的な理由欠く」と札幌地裁

懲戒解雇処分を受けた大学教授が地位確認を求めて起こした裁判で2月中旬、教授側の主張が全面的に認められる判決が言い渡された。裁判所は当時の処分を「合理的な理由を欠く」と指摘、ひいては「不法行為にあたる」と断じたが、被告の札幌国際大学(札幌市清田区、蔵満保幸学長)はこれを不服として控訴した。提訴から2年半あまり、留学生受け入れ問題をきっかけに始まった争いは、なお収拾のつく兆しがない。 (小笠原 淳)

----------------------------------------------------------------------

【報道】告発・絶望の学府㉓

江差 定員割れ続く

パワハラ発覚から丸2年
道立看護学院、再生半ば

被害告発から3年めの春を迎える、北海道立高等看護学院のパワーハラスメント問題。現場では負の遺産を払拭すべく改革の成果を伝える声が聴こえ始めたが、一方で被害学生らへの謝罪・賠償は未だ完遂せず、未認定被害の調査も終わりが見えていない。地元議会では学生確保について報告があり、次年度の新入学者数が昨春に続いて大幅な定員割れとなることが確実となった。現場のハラスメントが解消されてなお、真の春はまだ遠い。(小笠原 淳)

----------------------------------------------------------------------

【統一地方選】函館市長選候補予定者・工藤 壽樹 氏(現職)に訊く

改革挑戦の最終ステージ
全力をあげ函館を元気に

財政を立て直し実績を積み上げた12年

4月23日投開票の統一地方選の中で大きな注目を集めているのが函館市長選だ。今回は現職で4期目を目指す工藤壽樹氏(73)と新人で市の元保健福祉部長・大泉潤氏(56)が争う事実上、一騎打ちの構図となっている。青森県・大間原発の建設差止訴訟を主導する工藤氏は財政再建を成し遂げ、3期12年の実績を強調。元部下の対抗馬については「彼には函館を任せられない」と突き放す。コロナ禍で打撃を受けた経済の活性化を掲げる工藤氏に「改革と挑戦の最終ステージ」と名付けた4期目を目指す理由、今後のまちづくり政策を訊いた。
(2月20日取材 工藤年泰)

----------------------------------------------------------------------

【統一地方選】函館市長選候補予定者・大泉 潤 氏(新人)に訊く

子どもと教育への投資こそ
地域の未来を拓く大きな鍵

市民を「置き去り」にしない函館に

注目を集める函館市長選で現職に挑むのが新人で元市役所幹部の大泉潤氏(56)だ。人気俳優・大泉洋氏の兄としても知られる大泉氏は、昨年7月に保健福祉部長の肩書を返上。市役所を退職し「市民が誇りを取り戻せるまちにしたい」と名乗りをあげた。地元の人口減少問題を強く憂慮する大泉氏は、何より未来のために子どもと教育への投資が必要だと訴える。長年、行政マンとして同市に務めてきた大泉氏に、今回の出馬の理由と自身が描く「これからの函館」を訊いた。(2月21日取材・工藤年泰)

----------------------------------------------------------------------

【報道】小樽余市の大型風車で双日が住民説明会

懸念の声、止まず─

計画撤回を求め参加者の
怒号が飛ぶ大荒れの展開

大手総合商社の双日(東京)は2月13日、小樽市と余市町にまたがる毛無山周辺の国有林で建設を予定している「(仮称)北海道小樽余市風力発電所」に関する住民説明会を小樽市民センターで開いた。この巨大風力発電計画をめぐっては、森林の大量伐採による土砂災害や低周波・超低周波音による健康被害を懸念する住民が反対運動を続けている。約150人が参加した今回の説明会でも多くの住民が双日側の話に納得せず、時に怒号が飛び交う展開となり、説明会の再開催を求める声があがった。            (武智敦子)

----------------------------------------------------------------------

【観光】これからの北海道観光を探る【美瑛町編②】

観光公害防止条例が4月施行
だがこの冬新たな迷惑行為も

観光客が地域資源を傷付ける現実

「観光公害」という強い言葉が用いられるほど、農地や立ち入りが禁止されている景勝地への無断侵入など、観光客の迷惑行為が深刻な問題になっている上川管内の美瑛町。その対策として町は2月27日、観光公害を防止する内容の「持続可能な観光目的地実現条例」を制定。4月1日より施行する。春からの本格的な観光シーズン突入後、この条例が観光公害を防ぐどれほどの効力を発揮していくのか気になるところだ。だが美瑛町では本来オフシーズンであるこの冬に、観光客が超過となる事態に直面。それに伴い新たなケースの迷惑行為も見受けられるようになったという。         (髙橋貴充)

----------------------------------------------------------------------

【シリーズ・住宅不動産情報】⑥──日ハム新球場で地価上昇率全国一の北広島市

ボールパークで激変の東部地区
賃貸マンション、戸建てが増加

日ハムの新球場、エスコンフィールドHOKKAIDOの開業に湧く北広島市東部地区。2022年の地価調査(基準地価)では、付近の地価上昇率が住宅地と商業地で共に日本一となり、住宅地では新球場に近い共栄町4丁目の上昇率が29・2%にもなった。土地価格の上昇の理由は開業効果もあるが、札幌の地価が高くなりすぎ、持ち家需要の中心である30代や40代が北広島市や恵庭市などに視線を注いでいる事情も背景にある。北広島市の住宅・不動産の動きを追ってみた。    (佐久間康介)

----------------------------------------------------------------------

【ニュース】

■現職菊谷氏引退の伊達市長選に
 与野党の柵ない中山道議が立起
 ──大手監査法人職員の堀井敬太氏も3月7日に立起表明

■がんの早期発見で産学医連携始動
 微量の尿による検査キット発売へ
 ──全国初の取り組みに北斗病院や森山病院、サツドラなどが参加

■記念塔解体を止める唯一の手段
 存続派「仮の差止めの申し立て」
 ──「維持費は年間1千万円で済む」と道の試算に異議

■孤立対策で官民連携を目指す道が
 シンポ「複合的な困り事に対応を」
 ──内閣官房参与の大西連さんが基調講演

----------------------------------------------------------------------

【釧路特集】伊東良孝衆議に訊く

飼料価格の暴騰で危機の酪農
食料安全保障の確立が急務に

1985年の釧路市議当選を皮切りに、道議、釧路市長を経て国政で活躍する伊東良孝衆議(道7区)は、安倍政権下で2度にわたり農林水産副大臣を務めるなど、一貫して我が国の一次産業の底上げに尽力してきた。昨年、その伊東衆議のお膝元を襲ったのが、ロシアのウクライナ侵攻による深刻な影響だ。国際的な穀物相場の上昇による配合飼料価格の暴騰で酪農と畜産がかつてない危機にさらされ、日本の制裁に態度を硬化させたロシアによる“海からの締め出し”により漁業も苦境に陥っている。「今や国防、経済、食料、エネルギーの各野で我が国の安全保障を確立していくことが急務」とする伊東衆議に釧路・道東の現状と課題を訊いた。     (2月23日取材)

----------------------------------------------------------------------

【釧路特集】蝦名大也釧路市長に訊く

実感する最大の経済対策は
将来展望できるまちづくり

2022年度はじめからの行動規制緩和の動きに伴い、コロナ禍で遠ざかっていた観光の客足が着実に戻りつつある釧路。市が制作した観光PR動画は第一弾が約940万回再生。直近のものは公開1週間で100万回再生を突破するという好評振りだ。そして9月に行なわれる体験観光の世界会議。その開催地が北海道に決まったのも、主催団体のトップが釧路の魅力に惚れ込んだのが大きな後押しになったという。かつての基幹産業の衰退を印象付けた日本製紙釧路工場の撤退も、その跡地はシロザケ陸上養殖という新たな漁業の実証実験の場となった。新たな動きが少しずつ進む中、蝦名市長は“将来展望できるまちづくり”に力を注ぐ。
(1月31日、釧路市役所で収録)

----------------------------------------------------------------------

【医療】中村記念病院の佐光一也副院長に「慢性頭痛」の原因と治療法を訊く

QOLが低下するケースにも
専門外来の最新治療で対応

「たかが頭痛」と言うなかれ。ただちに命に関わることはないにしても、重篤な疾患が隠れていたり、痛みで体が動かなくなるなど日常生活がスムーズにいかなくなるケースもあるので注意が必要だ。そんな中、難治性の慢性頭痛患者を救おうと、国内屈指の脳神経外科専門病院、社会医療医仁会 中村記念病院(札幌市中央区/中村博彦理事長・院長/499床)が「慢性頭痛専門外来」を開設し、治療効果を上げている。同病院の副院長で脳神経内科を専門とする佐光一也医師を訪ね、慢性頭痛の症状や最新の治療法について訊いた。
(2月27日取材・工藤年泰)

----------------------------------------------------------------------

【企業】コロナ対策の次亜塩素酸水溶液に新たな動き

ESIの次亜塩素酸水パウダー
クリアランスαが製法特許取得

コロナ禍から3年余りが経過し、脱マスクの動きや5月には新型コロナ感染症の5類移行と、いわゆるウィズコロナ、アフターコロナへの機運醸成が政府の旗振りで加速している。しかし、こうした動きはコロナから身を守る〝盾〟を手放すこととはイコールではないはず。罹患しても治療が受けられる医療の充実と、罹らないための防疫環境の充実がウィズコロナ=コロナと一緒に暮らす社会には不可欠だ。そうした中、次亜塩素酸水溶液を活用した空間除菌の先駆的企業・ESI(本社札幌市、菊地匡彦社長)に朗報がもたらされた。このほど高純度の同水溶液を簡単に生成できる同社のパウダー「クリアランスα」が国内外初となる製法特許を取得した。次亜塩素酸水溶液の復権と普及に向け期待される「クリアランスα」の実力とは──。

----------------------------------------------------------------------

【春の全国交通安全運動】

安全啓発、事故抑止に力を
入れる企業・団体の取組み

活動に込めた事業者それぞれの思い

新入学(園)期の交通安全期間(4月6日~同14日)を皮切りに、2023年の交通安全運動がスタートする。春の全国交通安全運動は5月11日から同20日まで。夏の交通安全運動は7月13日から同22日までというスケジュールだ。一口に交通事故といっても、車両の暴走や逆走、あおり運転トラブル、自転車事故など昨今ではその種類も多様化、複雑化している。その一方で、交通安全啓発や事故抑止に力を入れている事業者は相当数存在することも事実。今回はあくまで一部ではあるが企業・団体の交通安全に関するトピックスに触れ、そういった取り組みの重要性を再認識したい。

----------------------------------------------------------------------

【企業】再び高まる融雪需要

脚光浴びるトップブランド
家庭用融雪機「ゆうらく号」

1985年の発売以来、シャワー方式の融雪機として延べ1万台以上を売り上げた「ゆうらく号」。今回紹介するNSP‐35DXは、メーカーだった大仁(だいと)の多彩なラインナップの中で最もユーザーに支持された1台。その同社の事業を引き継ぎ、「ゆうらく号」を現在扱っているのが大仁サービス(札幌市白石区・福士賢一社長)だ。工学博士の肩書きを持つ福士社長は、かつて大仁の技術開発を支えた人物で、トップブランドのDNAを現在に引き継いでいる形だ。

----------------------------------------------------------------------

【企業】北海道と中国を繋ぐ「青木ビジネス企画センター」

中国の食糧大手と業務提携
ホクレン通じて道産米輸出

人間尊重を社是に日中の架け橋役を担う

ホーム企画センター(本社札幌市北区)を創業し、社長、会長を歴任した青木雅典氏(87)が現在、軸足を置いているのが青木ビジネス企画センター(同)だ。北海道日中友好協会会長として築き上げてきた青木氏の人脈と信用力を生かし、本道と中国を繋ぐビジネスの架け橋役を担う企業として知られる同社は最近、中国の食糧大手と業務提携するなど存在感を高めつつある。北海道大学大学院を卒業し文学博士号を持つ中国籍の劉暁娟氏も専務として同社を支える欠かせない存在。日中関係は良好とは言えないが、経済面で互いに補完し合う切っても切れない仲であることは間違いない。「人間尊重」を社是に、北海道と中国の経済交流と両国の信頼関係醸成を目指す青木ビジネス企画センターを取材した。

----------------------------------------------------------------------

【出版】不動産業界紙創業者で僧籍を持つ小西征夫さんが刊行する小冊子

『おゝ他力よ!! 他力!』

他力シリーズ最終刊「絶対他力の浄土門」

不動産業界紙(現・北海道住宅産業新聞)創業者の小西征夫さん(83、法名=丞西)が刊行を重ねているのが自身の来歴と親しんできた仏教の教えをまとめた小冊子(非売品、B6判)。この3月には既刊5冊の要約版「おゝ他力よ‼ 他力! 絶対他力の浄土門」が完成した。これまで知人・友人からは「生きるうえでの参考になった」との声が寄せられており、小西さんは「少しでも皆さまのお役に立てればと」と話している。

----------------------------------------------------------------------

【特別寄稿】ゼロカーボン北海道への道 ㈱あかりみらい代表取締役 越智文雄氏

まだまだ上がる電気料金

この非常事態を乗り切るには

プーチンのウクライナ侵略による世界的なエネルギー価格の高騰はいままで経験したことのない非常事態の様相を呈している。電気料金はすでに燃料費調整制度の上限を超えて、電力各社が大幅な本格値上げを申請した。この1年間で諸物価が高騰しガソリンも食品も値上げを繰り返しているが、電気料金はすべての製品、サービスに転嫁される。本格的な物価上昇はこれからであり、どうやってこの非常事態を乗り切るか。いまやれる方法を実行して自衛していかなくてはならない。

----------------------------------------------------------------------

【連載】ルポ「ひきこもり」91──道内各地の居場所事業が明暗を分けた理由(前編)

当事者の参加が低迷した小樽
日頃の接触が希薄な行政姿勢

札幌市のNPO法人「レター・ポスト・フレンド相談ネットワーク」(田中敦理事長・レタポス)が小樽市、江別市、苫小牧市の3市で開催してきた当事者と家族のためのサテライト型式の居場所事業。小樽と苫小牧で5年、江別で4年間行なわれ、江別以外は今年度で事業を終えた。これを踏まえ、1月下旬から2月上旬にかけて各市で今年度の居場所事業を振り返る総括会議が開かれた。田中理事長によると苫小牧、江別は事業の成果が「当事者の参加」という形ではっきり表れたが、小樽は参加率が低迷したまま推移したという。明暗を分けた背景には何があるのか。2回に分けて3市の居場所事業を振り返る。 (武智敦子)

---------------------------------------------------------------------

【フォトレポート・トピックス】

●最新商品からロングセラーまで「北のハイグレード食品」発表
●絵画や書、詩など43作 刑務所・少年院作品展 札幌で2年ぶりに開催
●追悼/故野口秀夫会長「お別れ会」 ホテル旅館業の牽引役を偲ぶ
●市街地と阿寒湖の中間に位置する釧路観光の拠点「道の駅 阿寒丹頂の里」
●セコマ、道産子チームを積極支援 日ハム・コンサとパートナー契約
●引退後も馬産地日高を盛り上げた優駿・ウイニングチケットが天へ

----------------------------------------------------------------------

【連載コラムなど】
*北海道フォトエッセイ
*シネマ
*スポーツ筆刀両断
*新設企業情報
*古本屋女房の“古本的日常”
*デンタルエッセイ
*北海道妄想紀行
*連載小説 特別授業
*夏井功の夜を駈ける車イス
*よいどれブンガク夜話
*新連載: ソレでもナマがすき?
----------------------------------------------------------------------
【今月の表紙】鈴木翁二画
『雪仕まい天気雨賛歌』
【報道】地元紙・80年めの迷走〈10〉

どこへ行く、道新

常務急逝、若手の離職加速
創刊81年め、昏迷の幕明け

「80周年」に極まったかに見えた迷走は、年明け以降も収拾のつく兆しがない。1月中旬に伝わった役員の訃報をめぐっては早くから自殺説が囁かれ、内外に複数の怪文書が出回った。現場では若手社員の退職が相継ぎ、4月人事の“内々示”が延期される事態に。裁判になった情報漏洩事件や主催文学賞の盗作疑惑などの問題も残る今、北海道新聞(札幌市中央区、宮口宏夫社長)はどこへ向かおうとしているのか――。(小笠原 淳)

----------------------------------------------------------------------

【報道】道警不祥事から考える〈60〉

被害者“身内”か

警部補の強制わいせつ、未発表
処分記録では「不適切言動」扱い

昨年処分があった地元警察の不祥事で、深刻な性犯罪が疑われる事案が報道発表を免がれていたことがわかった。警察は未発表の理由をあきらかにしておらず、事件の経緯も公表していないが、取材によればその犯罪で被害を受けたのは加害者と職場を同じくする警察官の親族だったという。時期を同じくして伝わった別のわいせつ事件の動きと併せ、組織的な隠蔽が疑われる警察不祥事の実態を報告する。
(小笠原 淳)

----------------------------------------------------------------------

【報道】道 VS 市民団体 北海道百年記念塔の行方

記念塔存続派の一番長い日

解体中止を求める抗議活動の最中に
塔の鋼板を剥がした重機のショベル

札幌市厚別区の野幌森林公園にある巨大なモニュメント・北海道百年記念塔。老朽化による部材落下の危険性や維持管理費が多額に及ぶなどの理由から、所管する北海道は2019年の段階で解体を決定。一方で維持存続を求める市民団体などは、それを覆そうとこれまでさまざまな抗議活動を展開してきた。22年10月には道や鈴木直道知事を相手取り解体差し止めを求める住民訴訟を札幌地裁に提起。この動きと連動して訴訟費用の支援を求めるクラウドファンディングでは、23年1月までの募集期間で目標額の3倍強となる1045万円(支援者数1400人)が全国から集まった。その第2回口頭弁論の前日、1月23日には塔存続を訴える大規模な活動を展開したが、奇しくもその日、記念塔を解体する重機が唸りをあげて動き始めた──。(髙橋貴充)


----------------------------------------------------------------------

【政治】道知事選で自公は現職・鈴木、立憲は元衆議・池田の対決に

与野党とも旗頭出揃うも
早くも漂うしらけムード

懸念される無党派無関心の選挙

2021年の衆院選でれいわ新選組から比例北海道ブロックで出馬した過去を持つ岩見沢市の建設設備業経営・門別芳夫(新人・無所属)の、22年11月立候補表明からほぼ2カ月。与党が推す現職の鈴木直道(無所属)が1月15日に再選立起を表明。2月4日には立憲民主党の元衆議・池田真紀(新人)が無所属での立候補を決め、3月23日告示、4月9日投開票の北海道知事選の候補予定者が、ほぼ出揃った。今後新たな立候補予定者が出てくる可能性もあるが、ここでは組織同士の大きな闘いを展開していくだろう鈴木、池田両氏について触れていきたい。             (髙橋貴充、文中敬称略)

----------------------------------------------------------------------

【報道】告発・絶望の学府㉒

第三者委、調査続く

江差看護・パワハラ死調査
聴取対象者さらに8人特定

学生たちの被害告発が表面化してから、まもなく丸2年。北海道立高等看護学院のパワーハラスメント問題は、今もまだ完全な解決をみていない。昨秋から新たな調査が始まった在学生の自殺事案では、年明けまでにおもな関係者への聴き取りを終えた第三者委員会が引き続き調査を重ねることになり、新たな聴取対象者が特定された。学校周辺から再発防止の取り組みに肯定的な声が発信され始めた傍ら、過去の深刻な被害の解明はなお道半ばだ。(小笠原 淳)

----------------------------------------------------------------------

【報道】医療現場で散った命⑯

労災訴訟、上告へ

札高裁、看護師遺族の控訴棄却
医師のパワハラ発言は否定せず

医師によるハラスメントを訴えて亡くなった新人看護師の遺族に、2度めの“不当判決”が言い渡された。職場の労働災害を認めない当局の決定を追認した釧路地裁の判決に続き、これを不服とした両親の控訴を棄却した札幌高裁。無情の司法に絶望することなく、遺族はただちに上告を決意する。さらには当時の職場を相手どる損害賠償請求訴訟も視野に、立ち止まることなく「安心して働ける医療現場に」の訴えを続けていく覚悟だ。(小笠原 淳)

----------------------------------------------------------------------

【環境】「STOP!風車」に向け対抗策を探る小樽と仁木の住民

鍵を握る保安林の指定解除
問われる立地自治体の同意

東京の大手総合商社双日と関西電力が後志管内で計画している巨大風力発電をめぐり、小樽市と仁木町の住民団体が学習会を開き計画撤回への道を探っている。双日が小樽市と余市町にまたがる国有保安林に計画している風車については、予定地が水源涵養林に指定されていることから水質への影響を懸念する声が強く、2月4日には「保安林解除を進めるのは誰?」と題した学習会が小樽市内で開かれた。小樽と仁木の学習会を取材し、反対運動の現状を追った。                          (武智敦子)

----------------------------------------------------------------------

【シリーズ・住宅不動産情報】⑤──住宅環境激変の北海道

63年ぶり持ち家着工1万戸割れ
電気代高騰、金利先高感で失速

国土交通省が2023年1月末に公表した22年1月~12月の全国住宅着工統計によると、持ち家が前年比11・3%減少したものの貸家が同7・4%増、分譲住宅が同4・7%増となり、全体では0・4%増、2年連続の増加となった。しかし北海道では様相が異なり、持ち家、貸家がともに前年を割り込み、住宅着工戸数は2010年以来、12年ぶりに3万戸を割り込んだ。さらに持ち家に関しては1959年以来、実に63年ぶりの1万戸割れ──。住宅をめぐる購買環境が一変した北海道。業界の声を集め背景と理由を探ってみた。  (佐久間康介)

----------------------------------------------------------------------

【ニュース】

■「野良猫問題」にどう向き合うか
 動物愛護の集いをニセコで開催
 ──地元町議で捨て猫の保護に取り組む斉藤うめ子さんが企画

■札幌高検・神村新検事長が着任
 会同発言の真偽はノーコメント
 ──「不偏不党、厳正公平を堅持」と抱負

----------------------------------------------------------------------

【行政】北海道ボールパークが開業する北広島市の上野正三市長に訊く

全世代が楽しめる新空間を
地域と北海道の「起爆剤」に

開業後も進化するボールパーク

北海道日本ハムファイターズ(以下ファイターズ)の新本拠地・エスコンフィールドHOKKAIDOを中核とする、全国注目、道民待望の北海道ボールパークFビレッジがいよいよこの3月に開業する。同施設を擁する北広島市は、これを契機に訪れる大勢の人々の活気、熱気でまちの雰囲気が大きく変わっていくことだろう。その開業目前の時期に、同市の上野正三市長へのインタビューが実現。上野市長は現在の喜びやこれからの期待感を隠さなかったが、開業は決してゴールではなく、これから十数年をかけて真の完成を目指す長い道のりの事業であることも明かした。
(1月24日収録・聞き手=工藤年泰)

----------------------------------------------------------------------

【企業】
北海道ボールパーク近くに誕生する体験型アウトドア施設

アイビックとスノーピーク、
ティムコで国内初整備の挑戦

今年3月に開業する北海道ボールパークFビレッジ近くに、キャンプやフィッシングの体験空間とアウトドアショップ、飲食棟が集積した複合施設が誕生する。道内外のアウトドア関連企業がタッグを組み、ボールパーク近くの美沢地区に整備するもので、今秋にプレオープンを予定している。こうした体験型アウトドア施設は国内初という。1月31日に開かれた記者会見で明らかにされた概要をお伝えしよう。(佐久間康介)

----------------------------------------------------------------------

【企業】
この3月、さらに便利になる北の玄関口・新千歳空港

空港駐車場がサービスを拡充
収容台数が約1350台増へ

HAPの一括運営がもたらす利便性向上

北海道の空の玄関口として広く知られる新千歳空港。その駐車場の一般車両収容台数がこの3月から大幅に増加する。A、B、Cの3駐車場でその数は実に約1350台。これは同空港の駐車場が北海道エアポート(略称HAP)に一括運営されるようになったことによる、利便性向上や事業効率化の典型例と言えるだろう。このほかにも、同空港駐車場内でレンタカーを借り受け、返却する実証実験も秋から年末まで行なうなど、利用者目線に立った便利な駐車場づくりに余念がない。

----------------------------------------------------------------------

【医療】
恵佑会札幌病院・渡邉昭仁副院長に
がん細胞を叩く「光免疫療法」を訊く

咽頭がんなどの患者に朗報
今後の標準治療として期待

がん細胞を狙って治療する「光免疫療法」が注目されている。抗がん剤や放射線治療は正常な細胞にもダメージを与えるネックがあったが、光免疫療法は上手に使用することで副作用もコントロール可能で、患者のQOLの向上が期待される。現在は口腔がんや咽頭がんなど頭頸部領域で手術、抗がん剤、放射線で効果がない患者向けに公的保険が適用されている。札幌市白石区のがん拠点病院、社会医療法人 恵佑会札幌病院(229床)では21年5月からこの光免疫療法を導入。「まだ対象がんは限定的だが、将来的には他の部位にも使える可能性がある」と話す副院長兼頭頸部外科部長の渡邉昭仁医師(62)に期待される新治療の概要を訊いた。
(1月31日取材・工藤年泰)

----------------------------------------------------------------------

【経済】日本銀行・松野知之札幌支店長が「2023年の北海道経済」をテーマに講演

北海道と沖縄の景況感に
大差がある理由とは何か

自治体向けLED事業を中心に新型コロナ対策や防災対策関係の事業を全国展開しているあかりみらい(本社札幌市北区)。同社の越智文雄社長が呼びかけ人として組織している「札幌なにかができる経済人ネットワーク」の例会が1月19日、日本銀行の松野知之札幌支店長を招いて札幌市内で開催された。約30人が参加した例会で松野支店長は「2023年の北海道経済」をテーマに約1時間講演。本稿では、観光面で北海道と沖縄県を比較した興味深い指摘を抜粋して紹介したい。                  (佐久間康介)

----------------------------------------------------------------------

【追悼】吉見宏・北大大学院経済学科教授を偲ぶ

偉ぶらない等身大の好漢
早すぎる死を悼む声続々

北海道大学大学院経済学研究科の吉見宏教授が1月2日、病気で亡くなった。61歳というあまりにも早い別れ。その現実を関係者は今も受け止められない状況が続いている。偉ぶらず、等身大で接する吉見さんは、大学教授というよりも頼りがいのある兄貴というイメージが強かった。九州出身だが、九州男児の武骨さはなく、北海道の風土と社会に良く馴染んだ人だった。学問的な功績はもちろんだが、本稿では吉見さんの人となりを付き合いのあった人たちの語りから紹介したい。(佐久間康介)

----------------------------------------------------------------------

【特別寄稿】コロナ対策を斬る ㈱あかりみらい代表取締役 越智文雄氏

コロナで失われたもの

元の日本に戻るために3年間を振り返る

岸田内閣が新型コロナウイルスを2類から5類へ変更することをやっと方針決定した。世界中がマスクを外しウイズウイルスに戻っていた中でやっと日本も当たり前の形になる。現在の統計ではオミクロン株の感染による死亡者数は新型インフルエンザの死亡者数よりはるかに小さい。皆が感じているとおりこの新型コロナウイルスの3年間にわたる騒動がどれほど日本の経済と生活と文化社会を変質させてしまったか。さすがにこれで元の日本に戻れると見極めて振り返ってみたい。

----------------------------------------------------------------------

【連載】〝農と食〟北の大地から

厚真発・平飼い養鶏の第一線で奮闘する「小林農園」の営み

胆振東部地震を乗り越え目指す
「自由で人間も鶏も楽しい農業」

今から10年前、胆振管内厚真町の山間部に新規就農した青年が2百羽の平飼い養鶏を始めた。順調に飼育数を増やし、なじみの顧客もできた矢先の2018年、胆振東部地震が直撃して住宅を失い、養鶏の前途に暗雲が立ち込める。しかし、持ち前の行動力と周囲の協力で太平洋にほど近い現在地に移転し、農場を再建。今では、道内では最大規模の平飼い養鶏場になり、加工や直売、飲食などの事業も手がける。鶏の習性や生理をよく理解し、広いスペースを確保してストレスの少ない飼育環境を提供するなど、アニマルウェルフェア養鶏の第一線に立つ──。そうした歩みを振り返りながら、「自由で人間も鶏も楽しい農業」を追求する農園主・小林廉さんの実践を紹介しよう。(ルポライター滝川 康治)

---------------------------------------------------------------------

【連載】ルポ「ひきこもり」90──レタポス・田中理事長の主導で“当事者の老後を支える組織”発足へ

自身の親の介護と看取りで
痛感した支え合いの必要性

札幌のNPO法人「レター・ポスト・フレンド相談ネットワーク」(以下レタポス)の田中敦理事長(57)がこの4月を目途に「北海道ひきこもりの老後を考える連絡協議会(道ひ老連)」を組織すべく準備を進めている。中高年になった当事者の中には親の介護を続ける人やすでに両親を亡くした人も少なくない。昨年、相次ぎ両親を亡くした田中理事長は自身の体験から、親の介護や死後の手続きの難しさを痛感した。「8050問題の先にある当事者の老いを考えることは待ったなしの課題」とし、「道ひ老連を設立し、当事者が病気などで動けなくなった時に支え合えるシステムを構築していきたい」と熱意を込める。 (武智敦子)

----------------------------------------------------------------------

【連載】戦争遺産をめぐる旅 【88】

琵琶湖湖畔に1年間だけ存在
した「滋賀海軍航空隊」の痕跡

旧琵琶湖ホテルの数奇な運命

国内最大の湖である琵琶湖。この西岸の滋賀県大津市には、終戦の1945年8月まで極秘裏に1年間だけ存在した海軍の航空隊がある。「滋賀海軍航空隊」といい、付近には陸軍少年飛行兵学校もあったが、現在は記念碑などが残るだけで当時の資料は少ない。戦後、進駐軍の指令によって航空機は破壊され飛行場の跡形もない。だがかつては皇族などが利用し、戦後はアメリカを中心とした連合国軍が駐留した旧琵琶湖ホテルは市民が利用できる施設として生まれ変わり、この地が戦争に翻弄された歴史を偲ぶことができる。(ジャーナリスト 黒田 伸)

---------------------------------------------------------------------

【フォトレポート・トピックス】

●「上富良野ホップ試験栽培100周年」サッポログループ2社が事業方針説明会
●北海道で生まれた全国注目の「呼吸する換気口」
●壮瞥の昭和新山に精鋭チームが集結 国際雪合戦 4年ぶりに開催へ
●実質CO2排出ゼロ電力で「白い恋人」の製造が実現
●“竹鶴イズム”を今に伝える「ニッカミュージアム」
●流氷シーズン間近に観光機運醸成 チカホでオホーツクフェアが開催
●セコマが道開発局釧路開発建設部と大規模災害時に連携する新協定締結
●日本社会保険労務士法人が江別に業務センターを開設
●スーパードライを通じた震災復興寄付が2022年度累計350万円に
●イーグル・ゴルフにプロが参集 真冬の札幌でトーナメント開催

----------------------------------------------------------------------

【連載コラムなど】
*北海道フォトエッセイ
*シネマ
*スポーツ筆刀両断
*探訪! 脳内北海道
*新設企業情報
*古本屋女房の“古本的日常”
*デンタルエッセイ
*北海道妄想紀行
*連載小説 特別授業
*夏井功の夜を駈ける車イス
*よいどれブンガク夜話
----------------------------------------------------------------------
【今月の表紙】鈴木翁二画
『AKEBOSHI』
【報道】白鳳寺・御霊堂元町の“遺骨難民事件”を追う②

転売の果てに起きた巨額詐欺
札幌市に問われる納骨堂許可

永代供養を信じて故人の遺骨を預けていた利用者を不安の底に突き落とし、大きな波紋を呼んだ宗教法人白鳳寺(札幌市東区・太田司代表役員)の経営破綻問題。御霊堂元町に残されていた遺骨は12月中旬から希望する檀家へ引き渡されたが、今なお納骨堂には多くの遺骨が残されたままだ。宗教法人を盾にした“納骨堂ビジネス”はいかにスタートし、頓挫したのか。浮かび上がってきたのは、転売の果てに詐欺事件を起こした宗教法人の“黒歴史”だった──。        (本誌編集長・工藤年泰)

----------------------------------------------------------------------

【報道】首相批判封殺の波紋㉖

再現映像「高度なセンス」

道警提出の動画に関係者ら爆笑
野次排除・国賠控訴審で初弁論

証言台に着いた警察官は“自爆”し、証拠映像が爆笑を呼ぶ――。師走の札幌で幕を開けた、首相演説野次排除事件をめぐる国家賠償請求訴訟の控訴審。昨年3月の地裁判決で完敗を喫した地元警察は、匿名の「ヤフーコメント」を証拠提出するなどで法廷を笑いに包んだ一審に続き、またしても独特の立証活動で関係者らを抱腹させることになる。3年超の闘いを続ける当事者の1人は、感慨深げに呟いた。「本当にギャグセンスが高い…」(小笠原 淳)

----------------------------------------------------------------------

【報道】性的少数者に法の下の平等を⑤

「遠回り」いつまで

当事者が実名明かし陳述
「結婚の自由」訴訟控訴審

4年前のバレンタインデーに幕を開けた裁判は、一昨年春に意義深い判決を得た後、舞台を上級審に移して現在も続いている。この年末には訴訟当事者の1人が初めて顔と名前を晒し、地元の法廷で思いの丈を述べた。「結婚したい気持ちに、異性愛者か同性愛者かの違いはありません」。地裁判決に「勇気を貰った」という6人の一審原告は、さらに踏み込んだ司法判断を求め続ける。誰にも不都合が生じない筈の法改正が実現する日は、いつ訪れるのか。(小笠原 淳)

----------------------------------------------------------------------

【環境】双日が毛無山で計画している巨大風力発電の行方

準備書縦覧を前に小樽市議
会が守る会の要望書を採択

市長と議会が事業者にプレッシャー?

大手総合商社双日(本社東京)が小樽市と余市町にまたがる毛無山付近に建設を予定している風力発電をめぐり新たな動きが出てきた。1月末から始まる準備書の縦覧を前に、住民団体「小樽余市の巨大風力発電から自然と生活を守る会」(平山秀朋代表)が小樽市議会に提出して継続審議となっていた要望書が12月26日に採択されたのだ。これに先立つ同21日には平山代表らが迫俊哉市長とも面談し、双日側の準備書に厳しい意見を示すよう求めた。平山代表は「準備書が出る前に議会が要望書を採択したことで、事業者に一定のプレッシャーを与えることになるのではないか」と話している。(武智敦子)

----------------------------------------------------------------------

【シリーズ・住宅不動産情報】④──札幌市内で活況の分譲マンション建設

遊休地に建築計画が続々と出現
インフレ傾向も強気な開発業者

札幌市内の建築確認件数は2022年度の4月から11月までで3962件で、前年同期間比90%だった。総戸数は1万1528戸で同99%。内訳を見ると一般個人住宅は件数、戸数とも同89%だが、マンションなど(延べ床面積500㎡以上、3階以上の建築物)は、件数が317件で同101%、戸数は7170戸で、同107%と前年を超えている。例年12月、1月は建築確認件数が減少するが、2月、3月からは再び増加傾向になる。資材高やインフレ傾向の中でもマンションなどは堅調に推移している。  (佐久間康介)

----------------------------------------------------------------------

【企業】野口観光3代目トップ 野口和秀 社長に訊く

祖父と父が築いた土台に
加えたい自分の新カラー

地域に支持される宿泊業者に

北海道の観光ホテル・旅館業を牽引する野口観光グループ(本社登別市)の野口秀夫社長(当時)が長男の和秀副社長(同)に次代の舵取りを託したのは昨年6月。だが、その和秀新社長へのインタビューが実現する直前に伝えられたのが、ほかならぬ秀夫氏の逝去(12月15日没。享年75)の報せだった。まだ喪が明けきらぬ中で気丈に取材に応じた和秀社長は、父・秀夫会長への率直な思いや、これからの展望などを真っ直ぐな言葉で本誌に語った。行動制限の緩和や全国旅行支援が始まっているいま、道内業界最大手は新リーダーのもとでどう動くのか──。(12月27日取材 聞き手=工藤年泰)

----------------------------------------------------------------------

【再録インタビュー】追悼・野口秀夫会長
北方ジャーナルが叩いた野口観光の二代目に訊く

書かれて変われることもある
喧嘩って、してみるもんだね

----------------------------------------------------------------------

【ニュース】

■北斗市「1社随契LED事業」で
 業者に新たな水増し疑惑が浮上
 ──実際は4灯を見積もり図面で211灯にカウント?

■新幹線の要対策土搬入から1年で
 手稲山口の住民団体らが抗議行動
 ──「安全」をめぐり平行線のまま続く対立

■同性事実婚の元道職員、尋問へ
 札幌・SOGIハラ訴訟が佳境
 ──自治体の扶養認定めぐる争い、当事者が改めて証言

■旭川・衆議vs市議の裁判初弁論
 統一教会問題で「名誉毀損」問う
 ──被告の市議は会派離党、以後も引き続き争う姿勢

■密室の取り調べ、可視化へ一歩
 札弁「立ち会い推進」で一定成果
 ──現状“準立ち会い”に留まるも「意義はあった」と関係者

----------------------------------------------------------------------

【道東・根室特集】石垣雅敏市長に訊く

数々の青天の霹靂を乗り越え
水産都市・根室の復興に尽力

領土返還に向け取り組みを再構築

ロシアによるウクライナ侵攻の影響で日ロ関係が急速に冷え込み、これまで積み上げてきた領土返還交渉が“ゼロリセット”になったうえ、歴代政権の中で最もこの問題に取り組んできた安倍元総理が凶弾に斃れるなど、石垣雅敏市長(71)にとって2022年は青天の霹靂の連続、落胆と驚きの出来事が交差した1年だったと言っていい。ふるさと納税で全国屈指の人気を集める明るい話題もあるが、サンマのかつてない不漁など地元の基幹産業である水産業が不振にあえぎ、人口減少の歯止めも待ったなし──。このような中で「水産都市・根室の復興」に向け、どう市政を舵取りしていくのか。さる9月上旬に無投票再選で市民から負託を受け2期目に乗り出した石垣市長に胸の内を訊いた。       (12月20日取材 工藤年泰・佐久間康介)

----------------------------------------------------------------------

【道東・根室特集】
千島歯舞諸島居住者連盟根室支部・角鹿泰司さんに訊く

30年前に戻った北方領土問題
国を動かす「返還世論」の醸成を

ロシアによるウクライナ侵攻によって北方領土を取り巻く環境は激変した。返還運動はビザなし交流が始まった30年前に逆戻り、元島民を中心に落胆の声が溢れている。元島民の平均年齢は86歳になり、彼ら1世に残された時間は少ない。そんな中、千島歯舞居住者連盟根室支部長、宮谷内亮一さんの急逝で支部長職務代行者に就任したのが副支部長の角鹿泰司(つのか・やすじ)さん(85)。ソ連侵攻当時の島の様子とともに、今後必要な返還運動の要諦を角鹿さんに訊いた。(佐久間康介)

----------------------------------------------------------------------

【道東・根室特集】
北海道信用金庫協会・遠藤修一会長に訊く

地域とともに生きることが
信用金庫の真髄であり使命

未来のため北洋、道銀とも連携強化

地域に根差した信用金庫の役割が高まっている。その信用金庫と全道展開している地方銀行、第二地方銀行との連携は、広域分散型の北海道では避けて通れない課題だ。そんな中、一般社団法人北海道信用金庫協会(事務局札幌市、北信協)の新会長に就任したのが大地みらい信用金庫の遠藤修一理事長。3期6年務めた増田雅俊会長(稚内信用金庫理事長)に代わり、道内信用金庫の取りまとめ役を担うことになった。会長就任から半年を経た遠藤氏に、地域と向き合う姿勢や令和時代に求められる信用金庫像について訊いた。    (12月19日取材・佐久間康介)

----------------------------------------------------------------------

【道東・根室特集】
栽培漁業の拠点「根室市水産研究所」

地域密着で資源増大を推進

根室半島の先端、納沙布岬に近い温根元。オホーツク海を望む場所に根室市水産研究所がある。1996年9月、総事業費6億8700万円を投じて建設されたこの施設は、水産都市・根室の栽培漁業の拠点だ。研究所の大きな成果が、ハナサキガニの増養殖。開設当初から、研究を続け2005年にハナサキガニを卵から放流サイズ(甲羅の直径2ミリ)まで育てる技術に目処をつけた。

----------------------------------------------------------------------

【医療】さっぽろ麻生乳腺甲状腺クリニックの
亀田院長に乳がん検診の重要性を訊く

検診控えが招く怖いリスク
いま「乳がんは治る時代」に

日本女性の9人に1人が発症するとされる乳がんだが、2020年から始まった新型コロナの3年間で「がん検診控え」が進み、これと反比例するように進行がんが増えていることが問題になっている。医療法人社団北つむぎ会「さっぽろ麻生乳腺甲状腺クリニック(札幌市北区)」の亀田博院長・理事長は、「いま乳がんは治る時代になりつつある。いたずらに新型コロナを恐れることなく大事な自分の命を守るために必要な検診を受けてほしい」と早期発見、早期治療を呼び掛ける。その亀田院長に、乳がん検診の重要性と日進月歩で進歩している治療法について訊いた。
(12月16日取材・工藤年泰)

----------------------------------------------------------------------

【企業】

冬の北海道でも本格練習が可能
「ジ・イーグル・ゴルフ」開業へ

正栄プロジェクトがゴルフ業界に本格参入

札幌市中心部の石山通沿いに革新的な次世代型屋内ゴルフ練習場「ジ・イーグル・ゴルフ(THE EAGLE GOLF)」が誕生した。運営するのはパチンコ・パチスロのイーグルグループを展開する正栄プロジェクト(本社札幌・美山正広社長)で、同社はこれを契機にゴルフ事業に新規参入。〝世界がまだ見ぬDX GOLF空間〟と銘打った「ジ・イーグル・ゴルフ」は最先端技術が盛り沢山。あらゆるショットの軌跡を追跡、表示して着地位置を特定する世界最高峰の弾道計測機「トラックマン4(TRACKMAN4)」を1施設当たりの台数として世界最多の19台設置したほか、先進的なパットのトレーニングシステム「パットビュー(PUTT VIEW)」「キャプト(CAPTO)」の導入は北海道初だ。同施設の始動は北海道のゴルフ業界及びユーザーに、これから大きなインパクトを与えそうだ。

----------------------------------------------------------------------

【経済】

新千歳空港で行列が絶えない
「美瑛選果」パン人気の背景

大ヒットのきっかけは〝餅は餅屋〟

この年末年始。長引いた行動制限の緩和で大勢の人々が、レジャーに帰省にと利用した新千歳空港。そのターミナルビル2階ショッピング・ワールドに、行列の絶えない店がある。そのお目当ては「びえいのコーンぱん」と「びえいのまめぱん」。店の名は商品名にもあるように、道北・上川管内の美瑛町に本店を置く「美瑛選果」だ。北海道中から逸品の食が集まる同空港で、素朴な印象も感じてしまうこの2つのパンがあつい支持を得ている理由は何なのか。そして今や地域ブランドのひとつとしても定着した、「美瑛選果」開業の経緯などを同本店や新千歳空港店で訊ねた。                     (髙橋貴充)

---------------------------------------------------------------------

【連載】〝農と食〟北の大地から
中標津発・三友盛行さんに訊く「酪農危機」への処方箋(後編)

適正規模の深い意味を見つめ
「土・草・牛の好循環酪農」へ

飼料代の高騰や個体販売価格の低下、牛乳・乳製品の需要低迷という“三重苦”の中で、持続可能な酪農に転換していくには、どう考え行動していけばいいのか──。「マイペース酪農」を提唱してきた三友盛行さんは、「土・草・牛の好循環が実現できる“適正規模の酪農”の基本に立ち返る道」を説き、牛の頭数も機械類も負担にならない規模で暮らすシステムや、「家畜とともに耐えて待つ精神」の大切さを強調する。後編では、先人の教えに学びつつ、農村志向の人たちと創る明日への希望について、じっくり話を訊いた。

----------------------------------------------------------------------

【特別寄稿】㈱あかりみらい代表取締役 越智文雄氏

ゼロカーボン北海道への道

今、電気料金非常事態に

SDGs に代わる環境問題の救世主としてカーボンニュートラルが唱えられて久しいが、
その掲げる目標は気が遠くなるほど遠く、笑ってしまうほど現実性がない。もはや地球
温暖化対策ではなく経済対策であり世界利権の巨大市場創出の場になっている。全国で
もいち早く「ゼロカーボン北海道」を掲げた北海道にとって現実にどのような経済効果が
あり、その実現性はあるのか。北電の大幅値上げを控えて非常事態を迎える北海道経済
のためにもいますぐ実行しなくてはいけない方策を論じる。

----------------------------------------------------------------------

【ペット】「キャッツライフサポート小樽」代表の石川歩佳音さんに訊く

人間の身勝手で不幸になる
猫たちをこの手で救いたい

不妊・去勢手術をしなかったために増え過ぎたり、飼い主が何らかの事情で飼えなくなった猫…。こうした猫たちを救おうと、北海道動物愛護推進員で小樽市在住の石川歩佳音さん(32)が、昨年8月にボランティアグループ「キャッツライフサポート小樽」を発足させ保護活動に取り組んでいる。「不幸な猫が生まれる背景には飼い主である人間の問題がある。だから猫だけでなく人もサポートもしたい」。そう語る石川さんの夢は、猫のシェルターをつくることだという。まだまだ資金面では苦しいが「同年代の若い人たちの馬力を借りたい」と張り切っている。               (武智敦子)

----------------------------------------------------------------------

【連載】ルポ「ひきこもり」89──レタポス「小樽の居場所事業」で見えたもの

成果と課題を残し5年間で幕
希望は各ピアスタッフの成長

札幌市のNPO法人「レター・ポスト・フレンド相談ネットワーク」(田中敦理事長・以下レタポス)が2017年秋から小樽市で続けてきた当事者や家族のための居場所事業が22年12月で5年間の幕を閉じた。最終年度となった今年度は「サテライトSANGOの会inおたる」から「ヒュッゲ」と名称を改め、ピアスタッフの当事者性を生かした支援拠点づくりに取り組んできた。小樽の家族会の母親は「毎回、年代の違うピアスタッフの話を聞くことができ、考えさせられることが多かった。今後は居場所で学んできたことを家族会の運営に反映させていきたい」と話している。 (武智敦子)

---------------------------------------------------------------------

【連載】戦争遺産をめぐる旅 87

当時世界屈指の傑作航空機が
特攻機になってしまった悲運

大和ミュージアムの零戦

前号でレポートした、広島県呉市の呉港に面して建つ大和ミュージアム(正式名・呉市海事歴史科学館)の続編だ。ここには、戦艦大和のリアルな10分の1の模型のほかに人気の展示がある。太平洋戦争当時、世界でその高性能が評価されていた「ゼロ戦」の本物の機体が復元されており、ここでも見学者の多くが長い時間を費やしていた。また「人間魚雷」と呼ばれた「回天」も展示され、これらが人の命を盾にした特攻に使われたかと思うと、かつての大戦の悲惨さが間近に伝わってくるようだった。(ジャーナリスト 黒田 伸)

---------------------------------------------------------------------


【フォトレポート・トピックス】

●日本ハムのエース・上沢投手がこども食堂支援で食事会に参加
●厳冬期の自然美、滝上渓谷「錦仙峡」の氷瀑
●TVアニメ『ゴールデンカムイ』の主要3声優が久々に新千歳映画祭に
●公式が協力して自治体が作成したレアアイテム「日高ウマ娘カード」

----------------------------------------------------------------------

【連載コラムなど】
*北海道フォトエッセイ
*シネマ
*スポーツ筆刀両断
*探訪! 脳内北海道
*新設企業情報
*古本屋女房の“古本的日常”
*デンタルエッセイ
*北海道妄想紀行
*連載小説 特別授業
*囚活通信
*夏井功の夜を駈ける車イス
*よいどれブンガク夜話
----------------------------------------------------------------------
【今月の表紙】鈴木翁二画
『雪の向こう』
【報道】白鳳寺・御霊堂元町の“遺骨難民事件”を追う

「家賃は不払い借金は踏み倒す」
太田代表は債務不履行常習犯か

永代供養を信じて遺骨を預けていた利用者を不安の底に突き落とし、全国にも波紋を呼んだ宗教法人白鳳寺(札幌市東区・太田司代表役員)の経営破綻問題。多額の利用料や管理料を集めていたはずの御霊堂元町の納骨堂事業はなぜ頓挫したのか。取材を進めると、そこに浮かび上がってきたのは太田代表の公私にわたる債務不履行の実態だった──。(本誌編集長・工藤年泰)

----------------------------------------------------------------------

【報道】地元紙・80年めの迷走〈9〉

「辞めることにします」

道新・若手アンケートの衝撃
「ここで頑張れる」1割届かず

地元ブロック紙・北海道新聞(札幌市中央区、宮口宏夫社長)で、同社労働組合によるアンケート調査の結果が衝撃をもって受け止められている。選択式の問いに「この会社で頑張っていける」と答えた若手社員が、全体の1割にも満たなかったのだ。調査は冬期末手当をめぐる団体交渉をきっかけに行なわれたものだが、寄せられた回答からはこれまでの不祥事対応や幹部人事などへの不満も垣間見える。来たる2023年は道新にとって、さしずめ“会社離れ元年”といえる年になりそうだ。(小笠原 淳)

----------------------------------------------------------------------

【報道】告発・絶望の学府㉑

聴取対象6人特定

江差看護パワハラ第三者調査
自殺事案で関係者聴取始まる

未だ公式に認められていない被害が、少しずつ解明に近づいている。北海道立高等看護学院のパワーハラスメント問題で、新たな調査が始まった在学生の自殺事案。遺族への聴取を終えた第三者委員らはその後、事件の背景を知る元学生や教員ら6人の関係者を特定、具体的な証言を集め始めた。調査は年を跨いで続き、場合によっては追加聴取の可能性もあるという。最悪の被害とハラスメントとの因果関係は、どこまで認められることになるのか――。(小笠原 淳)

----------------------------------------------------------------------

【報道】首相批判封殺の波紋㉕

「控訴、もってのほか」

野次判決で道警に「意見」相継ぐ
当事者らは各地で講演、関連本も

本誌面で折に触れ報告を続けている首相演説野次排除事件で、直近の1年間に一般市民などから地元警察に寄せられた意見が100件あまりに上ることがわかった。同様の意見は事件発生後の1年間で900件以上寄せられていたのに対し、次の1年間では30件以下にまで急減したが、3年めを迎えてこれが再び増加に転じた形。この秋には当事者らが道内各地で講演に招かれ、また地元メディアが関連書籍を出版するなど、事件は改めて多くの関心を集め始めているようだ。(小笠原 淳)

----------------------------------------------------------------------

【観光】これからの北海道観光を探る【美瑛町編】

入込み復調の美瑛町が抱える
観光客のモラル・マナー問題

「知らない」では済まない観光公害

“丘のまち”の代名詞が示すように、この地域ならではの丘陵が生み出すさまざまな美しい景観が、長年にわたり訪れる人々を魅了させている美瑛町。今年度の春ごろから新型コロナ対策に伴う行動規制が緩和の方向へ舵を切られ、このまちにも徐々に観光の賑わいが戻り始めているという。コロナ禍からの客足回復は喜ばしいことに感じたが、一方で積年の課題である「観光客のモラル、マナー問題」の増加も危惧しているようだ。「観光立国」と声高に叫ばれる中、観光客の増加が地域にもたらす弊害があることも、美瑛町のケースから考えたい。(髙橋貴充)

----------------------------------------------------------------------

【シリーズ・住宅不動産情報】③──大手企業の参入続く賃貸住宅事業

北ガス、土屋ホーム、JR北海道
脱炭素で賃貸住宅の差別化を推進

大手企業の賃貸住宅事業への参入が札幌市内で増えている。土屋ホーム(本社・札幌市北区)のような住宅建築会社が事業として展開するケースのほかに、北海道ガス(同市東区)や北海道電力(同市中央区)、JR北海道(同)など異業種からの参入も目立つようになってきた。賃貸住宅事業を通じて得られる知見をコア事業にフィードバックさせ、同業他社とコア事業の差別化を進める狙いや遊休地を活用して本業を収益面でサポートする目的など、各社各様の思惑があるようだ。(佐久間康介)

----------------------------------------------------------------------

【ニュース】

■本誌が報じた賭けゴルフ問題で
 鶴雅側が「説明とお詫び」を公表
 ──地元紙のみにリリースを流しホームページでは知らん顔

■北海道を再エネ植民地にするな
 住民団体と専門家が集まり議論
 ──道内の風力発電問題を考える初のシンポジウムを開催

■「女子野球タウン」の喜茂別町で
 起きた指導者と町の雇用トラブル
 ──元阪急投手が起こした損害賠償請求訴訟が結審

■博物館網走監獄が令和の大改修へ
 明治以来の建物群を耐震化で保全
 ──歴史遺産の維持・保存に求められる道民の支援

■コーチャンフォーのイメージガールに
「元モーニング娘。」の佐藤優樹さん
 ──オープンしたての「つくば店」で新CMを撮影

----------------------------------------------------------------------

【新春インタビュー】

■北海道知事 鈴木 直道 氏
「道民の安心安全確保」に全力
困難な時にこそ光る北海道に


■札幌市長 秋元 克広 氏
五輪は第三者機関で透明性確保
課題を乗り越え次の百年に布石

■ホクレン会長 篠原末治 氏
資材高騰対策としても急務な
外に依存しない国消国産経済

■サッポロビール北海道本社代表 森本光俊 氏
厳しい商況でも支持を拡大する
サッポロ クラシックの潜在力

----------------------------------------------------------------------

【マンガ】

回顧2022 プーチンが世界を掻きまわす (石川寿彦)

----------------------------------------------------------------------

【医療】
札幌ハートセンター・藤田勉理事長に訊く

豊平にもサテライトの開設を計画
分院配置で札幌市内全域をカバー

全国屈指の循環器専門病院、札幌心臓血管クリニック(東区・104床)を運営する医療法人札幌ハートセンター(藤田勉理事長)が豊平区にもサテライト診療所を開設する準備を進めている。2024年のオープンを目指している分院は、7月にJR新さっぽろ駅近くにオープンした「新札幌心臓血管クリニック」(厚別区・大川洋平院長)に続く2カ所目で、本院への交通アクセスが難しかった豊平エリアの患者にとって朗報となりそうだ。「市内各地に分院をつくることで札幌全体の患者をカバーしたい」と意気込む藤田理事長に、札幌ハートセンターの今後の戦略を訊いた。   (11月28日取材・聞き手=工藤年泰)

----------------------------------------------------------------------

【アート】第9回目「新千歳空港国際アニメーション映画祭」

過去最多の国と地域が参加した短編コンペ

作品の価値探求に飛び立っていく
同映画祭をアニメのエアポートに

11月3日から6日まで新千歳空港ターミナルビル内で開催された、第9回目の「新千歳空港国際アニメーション映画祭」。今回は新型コロナ対策による行動制限が緩和されたこともあり、観客を前にしたトークショーなどのライブイベントが充実。観客はもとより、ゲスト出演者、スタッフなど参加した誰もが大いに盛り上がった。新たな取り組みとして関心度が高かったのは、GIFアニメの表現力やクオリティを競い合い広く紹介した「NEW CHITOSE AIRPORT GIF AWARD 2022」の実施。「チーム NEWCHITOSE」を結成して運営体制も刷新し、〝より新しいこと〟に果敢に挑んだ。

---------------------------------------------------------------------

【連載】〝農と食〟北の大地から
中標津発・三友盛行さんに訊く「酪農危機」への処方箋(前編)

外部資材に依存し“重装備”で
目指した生産増で苦境に直面

牛乳・乳製品の需要が低迷し、穀物やエネルギーの高騰、個体販売価格の暴落などが常態化してきた北海道の酪農業界。国の「畜産クラスター事業」などを使って施設や設備に多額の投資をした“重装備型”の農場ほど厳しい状況に直面している。そんな中で、社会や消費生活の変化を直視できず、一過性の現象と捉えがちな業界のままでいいのか──根室管内中標津町で「土・草・牛の循環」を重視した適正規模のマイペース酪農を続け、今は「酪農適塾」を主宰する三友盛行さんの意見を訊いた。(11月18日収録)

----------------------------------------------------------------------

【経済】ポストコロナの舵取りを
北洋銀行の安田光春 頭取に訊く

スリム化を推進し体力を温存
伴走型支援で顧客に柔軟対応

激動の時代に地域を支える覚悟

北洋銀行(本店・札幌市中央区)は2022年度の中間決算で業績の上方修正を行なったが、安田光春頭取は「努力した結果の内容ではなかった」とあくまで慎重な構え。23年春からコロナ禍のゼロゼロ融資の返済が本格化し、業績の先行きに不透明感が漂う中で北洋銀はどのように体力をつけ地域経済を支えようとしているのか。折しも安田頭取は札幌商工会議所副会頭にも就任し重責を担うことにもなった。パンデミックに加えウクライナ戦争、そしてかつてない円安と諸物価高騰──。激動の時代における北海道のリーディングバンクの舵取りと役割を安田頭取に訊いた。
(11月15日取材 工藤年泰・佐久間康介)

--------------------------------------------------------------------

【市政】選挙戦で4選を決めた網走・水谷洋一市長に訊く

網走の未来のために子育て
世代に寄り添う市政を展開

「こども家庭庁」の一歩先を行く政策を

任期満了に伴う網走市長選が11月6日、投開票され現職の水谷洋一氏(59)が、無所属の新人を抑え4回目の当選を果たした。水谷氏は12年ぶりの選挙となった今回の市長選を「直前まで無投票という観測が影響して盛り上がりに欠けたが、改めて市民の負託を受けることができた」と振り返る。今後の市政については「網走の子どもたちの未来のために、給食の無償化など子育て世代に寄り添った政策に取り組んでいきたい」とし、コロナ禍で打撃を受けた“交流都市”復活にも意欲を示す。4期目を走り出した水谷市長に決意と抱負を訊いた。
(11月21日取材・聞き手=工藤年泰)

--------------------------------------------------------------------

【特別寄稿】コロナ対策を斬る ㈱あかりみらい代表取締役 越智文雄氏

空気感染対策を取らない行政の不作為

防げたはずの感染拡大

先の参議院厚労委員会での川田龍平議員の質問に対して厚労省は次亜塩素酸水の安全性にはエビデンスがない、海外では使われていない、WHOが空間噴霧を禁止しているという事実と全く異なる答弁を行なった。日本で発明された最も効果があると期待される資材に対して研究もせず、海外調査もせず、WHOの通達を捏造する、このような姿勢がいまも空気感染を拡大し犠牲者を増やしている。

----------------------------------------------------------------------
【環境】仁木町発・巨大風力発電計画に対峙する移住者たち

第二の故郷に風力発電は不要
仁木での反対運動を全国へ

積丹半島の付け根にある後志管内仁木町はサクランボなどの果樹栽培や稲作が盛んな土地として知られる。道内では温暖な気候の土地でもあり、新規就農や子育てのために移り住む若い世代が増えている。その仁木町が今、関西電力の巨大風力発電計画で揺れている。クリーンエネルギーが謳い文句の風力発電だが、開発による自然破壊や低周波・超低周波音による健康被害なども指摘されており、それらを理由に新規就農を断念した人もいるという。それでも諦めずに第2の故郷を守りたい──。風車問題と対峙する移住者たちの声を訊いた。(武智敦子)

----------------------------------------------------------------------

【連載】ルポ「ひきこもり」88──ひきこもりの子どもを持つ父親の葛藤

夫婦不和から子供を置き去り
「気づき」を得て当事者を支援

ひと頃に比べてひきこもり家族会に参加する父親は増えてきたが、それでもまだ少数派。今回、取材に応じてくれた元教諭の男性は30代後半の子ども2人が不登校からひきこもりになった。今は札幌の家族会の副代表を務め、ピアスタッフとして親や当事者のサポートを続けている。そんな父親が気づきを得たのは「なぜ自分が不登校になったのか」という長男の「言い分」。それを聞き、子どもを無理に学校へ行かせようとした自分の間違いを知り、以後、子どもを回復させようと不断の努力を続けている。(武智敦子)

---------------------------------------------------------------------

【連載】戦争遺産をめぐる旅 86

戦艦大和の悲劇と造船技術を
伝える「呉市海事歴史科学館」

今なお人を惹きつける大和

広島県呉市の呉港に面して建つ「呉市海事歴史科学館」(愛称・大和ミュージアム)は、修学旅行生や観光客など年間100万人近くが訪れる国内有数の博物館だ。沖縄特攻作戦に向かう途中で総攻撃を受け、約3千人の乗員とともに海の藻屑となった「戦艦大和」。ここでは、その波乱の運命と世界最大の戦艦を建造した日本の造船技術の歴史をたどることができる。帝国海軍で信奉されてきた大艦巨砲主義の象徴と言える戦艦大和とは、どのような存在だったのか──。大和ミュージアムを2回にわたって紹介する。(ジャーナリスト 黒田 伸)

---------------------------------------------------------------------


【フォトレポート・トピックス】

●規格外農産物の有効活用は強み カドウフーズの食品ロス打開策
●イオン桑園に新しい和スイーツ店「ぽちどら」が看板のいしや茶寮

----------------------------------------------------------------------

【連載コラムなど】
*北海道フォトエッセイ
*シネマ
*スポーツ筆刀両断
*探訪! 脳内北海道
*新設企業情報
*古本屋女房の“古本的日常”
*デンタルエッセイ
*北海道妄想紀行
*連載小説 特別授業
*囚活通信
*夏井功の夜を駈ける車イス
*よいどれブンガク夜話
----------------------------------------------------------------------
【今月の表紙】鈴木翁二画
『きぼうのあけぼの』
おすすめの購読プラン

北方ジャーナルの内容

時代を撃つ北の報道・論評誌。大マスコミにはない独自の視点で世相を斬る!!
「北方ジャーナル」は昭和47年(1972年)に札幌で誕生した月刊雑誌です。いわゆる地元政経誌のジャンルに分類される媒体ですが、生活者の視点と取材を重視する編集方針を創刊以来のポリシーとし、05年11月からは有限会社Re Studioが発行元になっています。政治・宗教・医療情報に強い総合誌で、「北海道独立論」などユニークな長期連載も。日々の道内ニュース、掲載記事の続報・予告は「北方ジャーナルブログ」でも公開!

北方ジャーナルの目次配信サービス

北方ジャーナル最新号の情報がメルマガで届く♪ メールアドレスを入力して登録(解除)ボタンを押してください。

※登録は無料です
※登録・解除は、各雑誌の商品ページからお願いします。/~\Fujisan.co.jpで既に定期購読をなさっているお客様は、マイページからも登録・解除及び宛先メールアドレスの変更手続きが可能です。
以下のプライバシーポリシーに同意の上、登録して下さい。

この雑誌の読者はこちらの雑誌も買っています!

北方ジャーナルの所属カテゴリ一覧

Fujisanとは?

日本最大級雑誌の定期購読サービスを提供

デジタル雑誌をご利用なら

最新号〜バックナンバーまで7000冊以上の雑誌
(電子書籍)が無料で読み放題!
タダ読みサービスを楽しもう!

総合案内
マイページ
マイライブラリ
アフィリエイト
採用情報
プレスリリース
お問い合わせ
©︎2002 FUJISAN MAGAZINE SERVICE CO., Ltd.