北方ジャーナル 発売日・バックナンバー

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【報道】倶知安町・羊蹄山麓の違法開発を追う【3】──騒動に火をつけた参院選候補

政治利用か正義の告発か
自身の顧客を主犯格扱い

倶知安町巽地区の違法開発事件を紐解くにあたり、欠かせない人物が先の参院選で「北海道を外国資本から守る」と声高に訴えた参政党の候補、田中義人氏(53)だ。選挙前に巽地区の問題をいち早くSNSで告発し、これにテレビなどが呼応して大きな騒動になったことはまだ記憶に新しい。だが田中氏が主犯格扱いした中国系の企業は自身の取引相手で、そこから同氏は大きな利益を上げていた──。       (本誌編集長・工藤年泰)

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【報道】医療現場で散った命⑱

看護師遺族 和解へ

パワハラ死追及に一区切り
再発防止願い続けた10余年

新人看護師が職場のハラスメント被害を訴えて命を絶った事件で、両親が勤務先を訴えた裁判が年内にも和解終結する見込みだ。労働災害の不支給決定を機に始まった遺族の闘いは、10年あまりを経てひとつの節目を迎えることになる。賠償命令という成果こそ得られないものの、投じた一石は小さからず。医療現場の過重労働やハラスメントの再発防止を訴える声は、今後もなお絶えることはない。(小笠原 淳)

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【報道】道警不祥事から考える〈81〉

警官わいせつに「減給」

道警不祥事“第3四半期”速報
今夏には誤開示で記者に謝罪

3カ月ごとに速報値を伝えている地元警察の不祥事、直近の処分などの記録が開示された。本年7月からの“第3四半期”に作成された公文書を紐解くと、警察庁が定める「指針」に沿わない処分で報道発表を免がれたとみられる事案があったことがわかる。先立つ“第2四半期”の公文書開示では、道警が記者の開示請求に誤った対応をしていたことが判明、開示のやり直しが決まる椿事があった。その顛末を含め、最新の情報をお伝えしたい。(小笠原 淳)

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【連載】“核のゴミ”レポートPART47 寿都町長選の結果と今後の「概要調査」の行方

持ち越された「課題」

組織票手堅くまとめた片岡氏
運動の広がりを欠いた大串氏

“核のゴミ”最終処分地の選定に向けた「概要調査」への移行などを争点にした、後志管内の寿都町長選挙が10月28日に行なわれた。結果は、調査に賛成する現職の片岡春雄氏(76)が1087票を獲得して7選を果たし、調査に反対する新人で元町議の大串伸吾氏(42)は600票と健闘したが及ばなかった(投票総数1709票〔うち無効22票〕、投票率78・47%)。選挙戦は、これまでの実績を踏まえ岩盤支持層をまとめた片岡陣営と、正式出馬表明が投票日の1カ月半前と出遅れ盛り上がりを欠いた大串陣営──その力量には落差があった。今後の焦点は「住民投票条例」に基づく直接投票の行方や鈴木直道知事の判断などに移る。(ルポライター・滝川 康治)

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【環境】遠軽町の住民団体代表が「地学から見た風力発電・太陽光発電」を講演 

地学上のリスクを考慮しない
「再エネ開発」の危険性とは─

「再エネは自然に優しいですか」をテーマにした学習会が10月5日、後志管内余市町の中央公民館であった。「遠軽風力発電を考える会」の代表で地学に詳しい元高校教諭の角館正勝さんが、「地学から見た風力発電・太陽光発電」と題して講演。日本列島の成り立ちや地学的特徴などについて解説を交えながら、「日本の地盤は脆弱なのに、環境アセスでは風力発電など再エネに関する地質調査はほとんど行なわれていない」と警鐘を鳴らした。   (武智敦子)

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【国際】パレスチナ・ガザ支援で民間の外交団が大使館めぐり

「ガザの人々の命を救って」と
75カ国の駐日外国公館を訪問

後志管内泊村在住で反原発活動に取り組む瀬尾英幸さん(83)が、イスラエルとの戦争で6万7千人以上の人が殺されたというパレスチナ自治区ガザの支援につなげようと、この春「平和のための日本民衆外交団」を組織し、8月までに75カ国の駐日外国公館を訪問。この内10カ国の大使らと面談しガザ支援への協力を訴えてきた。イスラエルとイスラム組織ハマスの停戦合意後の10月10日以降もイスラエルの攻撃は実質的に続いており、平和への道は不透明だ。この11月にも上京する予定の瀬尾さんは、「日本には約150カ国の大使館や領事館がある。その全てを訪問し平和を呼び掛けていきたい」と話している。  (武智敦子)

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【シリーズ・住宅不動産情報】㉟──創立50周年の北海道セキスイハイムが「ELVIA北海道モデル」

親会社の積水化学工業と連携し
新商品で高価格帯市場を開拓へ

今年10月に創立50周年を迎えた北海道セキスイハイム(本社札幌・村松正臣社長)は、ハイエンド層に向けた高価格帯商品として鉄骨戸建て注文住宅「ELVIA(エルビア)北海道モデル」を10月30日から市場に投入した。世帯年収1500万円以上のパワーカップルや経営者、医師、弁護士などの高所得層を対象に札幌圏を中心に年30棟の販売を計画している。発表会見から同社の狙いと新商品の概要を紹介する。    (佐久間康介)

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【経済】札商の新会頭に就任した安田光春・北洋銀行会長の手腕を探る

石屋製菓への出向で磨かれた胆力
組織力強化に現場主義どう生かす

札幌商工会議所の新会頭に前副会頭で北洋銀行会長の安田光春氏(66)が就任し、3期9年を務めた岩田圭剛氏の後を受けて札幌経済の牽引役を担うことになった。北洋銀行の会長が会頭に就くのは、高向巌氏(2004年6月~16年11月)以来。北海道新幹線札幌駅開業の延期や冬季オリパラの招致断念など札幌経済には不透明感が漂うが、次世代半導体ラピダスやGXなど追い風も吹く。新会頭として安田カラーをいかに発揮し、札幌の中小企業や小規模事業者の底上げをどう図っていくか。安田氏の来歴と人となりからその手腕を探ってみた。   (佐久間康介)

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【ニュース】

■恵庭牧場“奴隷労働”あかるみに
 障碍者らの損賠請求裁判が佳境
──原告側は障碍に配慮した尋問を裁判所に要望

■現職自衛官のパワハラ告発訴訟
 原告側が“海苔弁当”証拠提出へ
──札幌の動き受け、栃木でも佐官ら3人が国賠提訴

■「幌延町の風力発電」で多発する
 天然記念物のバードストライク
──住民団体の事業中止要請にも通常運転続行

■依存症当事者・家族の会を支援
 キャラクターも好評「稲葉珈琲」
──ススキノの飲食店で提供、売り上げの一部を活動費に

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【オホーツク特集】水谷洋一網走市長に訊く

花開いたスポーツと観光の融合
新庁舎を交流と活性化の拠点に

今年2月に「人と環境に優しいスマート庁舎」を基本理念とした市の新庁舎が中心市街地にオープンし、11回目を迎えた「オホーツク網走マラソン」では初めて47都道府県全てからランナーが集い、スポーツ交流と観光資源を結び付ける独自のスタイルを印象付けた。こうした明るい話題に沸いた網走市だが、一方で秋サケ定置網漁の不振や雨不足による小麦などの不作といった一次産業の懸念も取り沙汰される。市民が集う新たな交流拠点として期待される市役所に水谷洋一市長(62)を訪ね、4期目も残すところ1年となった同氏にまちの現状と展望を訊いた。(10月16日取材)

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【オホーツク特集】辻直孝北見市長に訊く

健全で信頼される市政の復活を
地域資源カーリングで交流拡大

財政難に直面し、市の幹部の不適切接待問題に揺れた北見市。辻󠄀直孝市長(72)は身を切る改革で歳出を削減するとともに、ふるさと納税の拡大やネーミングライツの導入などで新たな歳入確保に躍起だ。中心市街地再開発事業では「北見経済センタービル」が完成し、引き続き分譲マンションや福祉施設などの整備が予定され、26年度末には中心市街地の新しい顔が揃う予定だ。地元チームの「ロコ・ソラーレ」は惜しくも3大会連続の冬季五輪出場を逃したものの、市では「カーリングのまち北見」のさらなる魅力向上に取り組んでいる。市の現状と課題への対応を辻󠄀市長に訊いた。   (10月14日取材)

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【オホーツク特集】山﨑彰則紋別市長に訊く

市民らの声を行政に反映させて
「紋別市総合計画」で市を再起動

12年ぶりの選挙戦となった6月15日投開票の紋別市長選で新人の山﨑彰則氏(57)が6選を目指した現職を破ってから約5カ月。市の避暑地化構想がらみの贈収賄事件で百条委員会の委員長として宮川良一前市長(71)を追及する急先鋒だった元市議が紋別市の舵取りを任されることになった形だ。本誌恒例のオホーツク特集に初登場した山﨑新市長は「これまで以上に市民の声に耳を傾けていく」と意欲を語り、さる10月1日には公約で掲げた「紋別市総合計画」策定に向けての体制を整えるなど、早くもトップとしてのカラーを打ち出している。(10月15日取材)

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【オホーツク特集】

特集 オホーツク観光 2025

魅惑する白い大地

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【追悼】佐藤良雄社長を悼む──創業者の心意気を貫いた生涯

友人のため汗と涙を流す人情家
3人で苦難乗り越え互いに成長

アインホールディングス社長 大谷喜一氏

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【追悼】佐藤良雄社長を悼む──面倒見のいいフロンティア

道内の人材派遣業を開拓した
トップセールスの力量に感服

つしま医療福祉グループ代表 対馬徳昭氏

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【再録・特別談話】 内部牽制や内部告発に不可欠な見識

「雑誌に言う」と凄まれたら
北方ジャーナルを紹介する

キャリアバンク社長 佐藤良雄

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【連載】北の大地を拓く新・農業人【7】

有機農業の基盤が出来た安平町に
新規就農したふたつの農場の軌跡

「こころ自然農園」と「白樺オーガニックファーム」

11月号に引き続き、胆振管内安平町で新規就農の夢を実現したふたつの農場の営みを紹介する。2015年に入植した「こころ自然農園」は当初、2ヘクタールの耕作放棄地を重機などを使い自力で開墾。のちに離農跡地を取得して農地を増やし、平飼い養鶏と畑作を軸にした経営を続けてきた。地元や苫小牧市などに顧客がおり、地元の「道の駅」やコープさっぽろの店舗などで平飼い卵を販売中だ。今年春に独立した「白樺オーガニックファーム」では、大豆の有機栽培に取り組むかたわら、サツマイモの試験栽培や40種類ほどの有機野菜の生産も手がける。オーナーは元自衛官で2年間の研修期間を経て就農した。そんな両農場のこれまでの軌跡をたどる──。 
  (ルポライター・滝川 康治)

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【連載】ルポ「ひきこもり」123──道南ひきこもり家族交流会「あさがお」の取り組み

函館を拠点に近隣と連携を図り
広げていく身近な「当事者支援」

函館市の道南ひきこもり家族交流会「あさがお」など、道南エリアにはひきこもりや不登校、発達障害関連の自助会や相談機関などが17もある。この数は道内の他地域と比べてもダントツに多く、進取の気性に富んだ土地柄ならではのものだろう。今回は、函館の「あさがお」の共同代表、安藤とし子さん(70)と事務局を務める野村俊幸さん(75)を訪ね、家族交流会の歴史や果たしてきた役割、函館市のひきこもり実態調査、さらには2022年度から全世代対応の「福祉拠点」として整備された地域包括支援センターの現状と課題などを取材した。本号と次号の2回にわたり紹介する。      (武智敦子)

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【連載】戦争遺産をめぐる旅 【119】

先人たちが夢を託した着陸場

戦争に翻弄された「開港百年」
新千歳空港の知られざる軌跡

1988年に開港し、年間約2500万人が利用する北海道の空の玄関口である新千歳空港。同空港の前身は現在の航空自衛隊千歳基地の場所にあった「千歳空港」だった。空港としての源流は1926年に村民の力で滑走路が整備された「着陸場」で、同年に初めて飛行機が着陸したことから来年2026年は「千歳市空港開港100年」として祝賀行事が予定されている。1939年以後は軍事空港になったにもかかわわらず戦時中に空襲を受けなかったが、戦後はGHQの管理下に置かれるなど軍用空港としての歴史も長い。戦争になると標的にされる空港がなぜ空襲を免れたのか。戦争ともかかわりが深い歴史を紐解いた。       (ジャーナリスト 黒田 伸)


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【フォトレポート・トピックス】
●サンマの炭火焼きが復活! まるごと根室直送市を開催
●札幌佐藤病院創設者の米寿を祝う「スペシャルコンサート」
●網走で40余年ぶりに地酒復活へ 天都山の山腹で12月に酒蔵着工
●「蛇口からオニオンスープ」の試飲スタンドが冬場に再登場
●U-12・8人制サッカーの大舞台が今年も札幌で開幕
●札幌中国友好協会の青木会長が中国との架け橋で大きな存在感

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【連載コラムなど】
*つれづれフォトエッセイ
*シネマ
*スポーツ筆刀両断
*古本屋女房の“古本的日常”
*デンタルエッセイ
*北海道妄想紀行
*連載小説 仮面の恋
*よいどれブンガク夜話
*ソレでもナマがすき?
*夏井功の夜を駈ける車イス
*連載小説 メンタルエース
*堀川裕己の不動産鑑定士から見た北海道の行方
*ただしいうそのつくりかた
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【今月の表紙】
木翁二画『ほしのさばく』
【報道】倶知安町・羊蹄山麓の違法開発を追う【2】

建設会社の社長が語った
「停止勧告」までの全真相

テレビなどのマスコミが大きく取り上げた倶知安町巽地区の違法開発事件の続報だ。都市計画法の違反などを理由に道が6月下旬、事業者に工事の停止を勧告し、仕切り直しを余儀なくされたのは既報の通り。この事件を紐解くため先月号では付近一帯の土地を所有する会社の中国籍社長を取材したところだが、このほど現地で工事を手掛ける建設会社のトップが取材に応じ、初めてメディアに口を開いた。今回の事業で法令や条例への対応が後手に回った理由は何なのか。そしてその理由と深い関係がある“元幹部の看過できない問題”とは──。       (本誌編集長・工藤年泰)

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【報道】自衛隊vs自衛官

組織は変われるか

自殺、パワハラ、健康被害
現職自衛官らの裁判が佳境

北海道内の自衛官やその親族らが職場を訴えた複数の裁判が札幌の法廷で続いている。9月下旬には退職を阻止されて自ら命を絶った若手職員の遺族の訴訟が結審、前後してハラスメント告発で不利益を蒙った現職自衛官の事件の審理があり、10月初旬には騒音業務で難聴を発症した隊員が直近の弁論に臨んだ。問われているのは、国を守る職場の安全・安心。声を上げ続ける当事者たちの闘いは、組織の体質を変えることができるのか――。(小笠原 淳)

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【報道】道東・新興メディアの舞台裏で ② 

“後継紙”に負の遺産

廃刊のネムロニュースで不当労働
経営者らは労働委審問に出頭せず

地域に根付いた地方新聞の後継紙が創刊3年足らずで廃刊したのは、本年1月のこと。発足当初から指摘されていた労働問題は裁判に発展し、廃刊と前後して経営側に損害賠償を命じる判決が確定した。その命令が未だ履行されない中、今秋には元記者らが申し立てた不当労働行為事件の審問(関係者への質疑応答)が設けられたが、経営側は出頭を拒否。清算されない負の遺産がどれほどのものになるのかは、今なお定かでない。(小笠原 淳)

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【報道】第三者機関の情報公開を問う

隠される議決

海苔弁開示、郵送交付不可
検察審査会の情報公開とは

検察の不起訴処分への異議申し立てを審査する第三者機関・検察審査会。その議決は時として当局の判断を覆すほどの力を持つが、結論に到るまでの議論は公開されず、国民に伝わるのはその結果のみだ。議決の不特定多数への公表は期間限定で、事後の確認には困難を伴う。公文書開示請求による記録の入手には、さらに高いハードルが。北海道内の各審査会へその請求を試みることでわかった事実を、急ぎ記録しておきたい。(小笠原 淳)

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【報道】映画『でっちあげ』の原作者が「旭川事件」の金子元校長と公開対談 

いじめ事件で新たな冤罪を
生むメディアと行政の誤謬

6月下旬に全国公開され大きな反響を呼んだ映画『でっちあげ~殺人教師と呼ばれた男』(三池崇史監督・綾野剛主演)。この作品の原作者でジャーナリストの福田ますみ氏(69)と旭川市立北星中学校元校長の金子圭一氏(65)による公開対談会が8月24日(日)午後、旭川市内で開かれた(報道被害者支援・札幌旭川市民の会主催)。今回の映画の題材となった22年前の福岡で起きた事件は、これまで本誌などが検証を手掛けてきた「旭川少女いじめ凍死事件」と多くの共通項がある。「“でっちあげ” 旭川女子中学生凍死事件」と題された公開対談で語られた福田・金子両氏が経験した「でっちあげ」とは、そしていじめ事件の利権化を助長するメディアと行政の誤謬とは──。当日の対談の司会進行は本誌・工藤が務めた。
  (本誌編集長・工藤年泰)

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【シリーズ・住宅不動産情報】㉞──中島公園の隣に誕生した新たなランドマーク

国内最強BCP機能の複合ビル
「ライラックスクエア」を大解剖

都心のオアシスと形容される中島公園。菖蒲池を取り囲む豊かな緑は都市と自然が近い札幌を代表するスポットでもある。そこに隣接して誕生したのがオフィス・ホテル・商業の複合ビル「ライラックスクエア」。かつてのヤマハビル跡地を活用したこのビルは環境性能とBCP(事業継続計画)を兼ね備え、札幌初の国際的ラグジュアリーホテル「インターコンチネンタル札幌」も入居するとあって中島公園のランドマークになると期待されている。そんな「ライラックスクエア」の影の主役がBCPを支える最新の施設。表からは見えない裏方役を覗いてみた。  (佐久間康介)

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【連載】“核のゴミ”レポートPART46 寿都町長選挙の論点と「概要調査」の行方

試される両陣営の熱意

町民へのアンケートで示された
NUMOや片岡町政への不信感

任期満了にともなう寿都町長選挙が10月28日(同23日告示)に投開票される。9月1日現在の選挙人名簿登録者(有権者)数は2205人。前回は、現職の片岡春雄氏と前町議で核ゴミ反対や脱原発を掲げる越前谷由樹氏との一騎討ちになり、200票余りの僅差で現職が勝利した(投票率84・27%)が、今回は7選をめざす現職に「概要調査」への移行反対を訴える新人の大串伸吾氏が挑む。主要な論点は、同調査の是非や住民投票の時期、地域振興のあり方などになる見込みだ。9月に行なわれた社会科学系の研究者グループによる核ゴミ問題に関する町民アンケート調査の報告会や、NUMO主催の地層処分技術シンポジウムを取材しながら選挙戦の行方を追った。    (ルポライター・滝川 康治)

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【環境】釧路湿原のメガソーラーの現状を視察した佐々木邦夫さんに訊く

「法令と条例が追いつかない」
歯止めが効かない再エネ開発

釧路湿原周辺で相次ぐ大規模太陽光発電施設(メガソーラー)の設置に歯止めをかける釧路市の規制条例が10月1日に施行された。対象となるのは出力10キロワット以上の太陽光発電施設で市長への事前申請と許可が必要となる。北海道自然保護協会の常務理事でさる8月、現地を視察した佐々木邦夫さん(57)は「規制条例は厳しい内容ですが、適用されるのは来年以降に着手する事業が対象なので駆け込み工事が行なわれることも考えられる。この条例で不都合があれば将来的には改正へ向けた動きも必要です」と話す。                  (武智敦子)

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【国際】北海道パレスチナ医療奉仕団の猫塚義夫団長がガザ地区の現状を報告

殺戮と飢餓の舞台になったガザ
いま、パレスチナに救いの手を

パレスチナ自治区で医療支援を続ける「北海道パレスチナ医療奉仕団」の団長で医師の猫塚義夫さん(77)が9月27日、「ガザ・パレスチナ医療支援の現場から」と題する講演を札幌市内で行なった。パレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマスとイスラエルによる戦争が始まって間もなく2年。猫塚団長はパレスチナの医療関係者が拘束され拷問死するなど悲惨な状況を報告し、「戦闘の前からガザ地区は16年間も封鎖されてきた。医師免許があっても雇ってくれる病院がないなどガザでの暮らしは以前から深刻だ。2年前のイスラム組織ハマスによるイスラエル攻撃は、そのような状況下で起きたことを理解してほしい」と呼びかけた。  (武智敦子)

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【ニュース】

■元警官の裁判で原告の請求棄却
 模造銃所持で捜査「違法性ない」
──原告男性は裁判中に退職、一審判決には控訴せず

■ラピダスなど半導体工場も使用
 PFAS汚染に情報公開が急務
──札幌の学習会で環境衛生学者の原田浩二さんが内外の状況を解説

■殺処分ゼロを続ける動物愛護団体の
 小樽市犬管理所が「ペット慰霊の日」
──小樽市保健所とともに供養の「灰塚」を新たに整備

■「泊・核ゴミNO!道連」代表の市川
 弁護士が泊原発再稼働阻止で講演会
──訴えた自治体の避難防災計画に対する住民検証

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【医療】ウェルビークリニックが札幌市内で再出発

在宅患者を支える訪問診療で
家庭で過ごす喜びを届けたい

複数の疾患を抱えながら医療機関に通うことが困難な患者を総合的に診る在宅訪問診療の必要性が高まっている。このようなニーズに応えるべく一昨年、札幌市内で開業し、このほど移転・再出発を果たしたのが「ウェルビークリニック」だ。循環器内科の専門医で総合診療も手掛けてきた粟田政樹院長(51)は、「高齢や病気などで通院できない患者さんを助け、尊厳ある最期を迎えられるようサポートしたい」と話す。アットホームなチームワークが光る同クリニックを紹介する。
  (9月22日取材 工藤年泰・武智敦子)

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【文化】12年目の新千歳空港国際アニメーション映画祭、さらなる高みへ

国内外から気鋭の才能が集う
世界と地域を繋ぐ国際映画祭

空港をまるごと会場にするという唯一無二の祭典「新千歳空港国際アニメーション映画祭」。エンターテイメント空港を標榜する同空港の環境資源を生かし切った数々のプログラムに、観客だけでなく参加したクリエイターからの評価も高い本映画祭、今年は例年よりも3週間遅く11月21日(金)から25日(火)までの5日間開催される。空港がクリスマス一色に染まる時期、北海道のハイシーズンである冬の訪れに寄り添う形だ。次の10年を見据えて一昨年から新たに動き始めた映画祭は12年目を迎え、新たな試みを大胆に取り入れ、さらなるステップアップを図る。さらに今年は、驚くような目玉がいくつか仕込まれているという。

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【企業】

豊富温泉の天然ガスを水素に変える
最北の温泉郷が発信する未来の技術

エア・ウォーターと戸田工業が目指す社会実装

エア・ウォーター(本社大阪)と戸田工業(本社広島)が、天塩郡豊富町の豊富温泉地区で建設を進めていた天然ガスを利用した国内初の「DMR法」による水素製造実証プラントの竣工式が9月18日、現地で開かれた。温泉に付随して噴出する未利用資源を原料に二酸化炭素(CO2)を発生させずに水素製造を可能にする最先端技術で、副生成物のカーボンナノチューブ(CNT)は、高い導電性を持つことから小型二次電池などの新たな用途が期待できる。エネルギーの地産地消サプライチェーンの構築に繋がるプロジェクトとして注目される。最北の温泉郷から世界に向けて発信する未来の技術をレポートする。             (9月18日取材 佐久間康介・工藤年泰)

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【地域】閉山55年記念事業「羽幌炭砿三山大集会」開催

ヤマの記憶を〝いま〟に刻む


閉山55年を記念した「羽幌炭砿三山大集会」(羽幌炭砿ファンクラブ主催)が9月27日夕、留萌管内羽幌町の「はぼろ温泉サンセットプラザ」大ホールで開催され、旧羽幌炭砿ゆかりの関係者約130人が参加し、かつてあったヤマの記憶を辿りながら交流を深めた。


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【経済】創立80周年を迎えた稚内信用金庫の増田雅俊理事長に訊く

地域に感謝し地域に奉仕する
不変の理念で歩む「次の80年」

稚内信用金庫(本店稚内市)が、本年10月15日に創立80周年を迎えた。同信金は戦後間もない1945年、地元商店街有志によって稚内信用組合として設立され、51年に信用金庫に改組。以後、今日まで宗谷管内の地域経済を支えてきた。その間、地域に激震をもたらした2百海里問題をはじめプラザ合意、バブル崩壊、そして近年のデフレ不況──。そんな時代の荒波を乗り越え、常に地元に寄り添ってきたのが稚内信金だ。創立80周年という大きな節目に当たり、増田雅俊理事長(71)にこれまでの歩みを振り返ってもらい、これからの「ポスト80年」に向けた、あるべき信金像を訊いた。       (9月19日取材、佐久間康介・工藤年泰)

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【追悼特集 上田文雄弁護士】

民主主義の守護神として

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【連載】北の大地を拓く新・農業人【6】

〝新農業人〟が次々に育つ安平町で
有機農業で自立していく道を追求

「またたびFarm」と「ハラハチファーム」の歩み

2年前に「オーガニックビレッジ」を宣言した胆振管内安平町には、野菜づくりや畑作、平飼い養鶏などに携わる新規就農者が多い。2017年に6戸の農家で設立した「安平町有機農業推進協議会」のメンバーは現在、10戸に増えた。うち7戸はリーダー格の小路健男さん(北海道有機農協代表理事組合長)が創った研修農場(本誌9月号を参照)を経由して〝新農業人〟になった人たち。既存農家からの参入や他地域から移転してきた人もおり、それぞれの略歴や経験などを活かし、有機農業で自立していく道を追求している。第6回の新・農業人シリーズでは、15年前に道北の愛別町から移り住んだ「またたびFarm」と、大豆や小麦の自然栽培に挑戦している「ハラハチファーム」の歩みを紹介する。                  (ルポライター・滝川 康治)

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【連載】ルポ「ひきこもり」122──小樽の地域共生コーディネーター・角谷康次さんに訊く

可能性を信じ支援していけば
やがて明るい光が見えてくる

社会福祉法人恩賜財団済生会支部 北海道済生会(小樽市)が運営する重症心身障害児(者)施設「みどりの里」の医療ソーシャルワーカー、なおかつ小樽市の重層的支援体制整備事業の委託を受け市の福祉総合相談室「たるさぽ」で地域共生コーディネーターとしても活動する角谷康次さん(54)。地元の家族会にも顔を見せるなど、ひきこもり支援にも意欲を見せ「可能性を信じて支援していけば明るい光が見えてくる」と話す。そんな角谷さんが取り組むひきこもり支援をテーマに、同市における対策の現状や課題を訊いた。                 (武智敦子)

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【連載】戦争遺産をめぐる旅 【118】

後世に語り継ぐ価値ある遺構

函館山要塞の指揮命令を担った
千畳敷砲台の「戦闘司令所跡」

北海道の代表的な観光地として知られる函館山に残る旧日本軍の函館要塞跡。その中で最も規模が大きく、ほぼ当時のままの姿を見ることができるのが千畳敷砲台跡だ。そこには大砲を撃つ方向や角度、発射のタイミングをコントールする函館要塞の中枢と言える戦闘司令所の遺構が良好な状態で残されており、誰でも立ち入ることができる。前回の連載で訪れることができなかった千畳敷砲台跡を中心に改めて函館山に残る戦争遺産を取材した。
  (ジャーナリスト 黒田 伸)


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【フォトレポート・トピックス】
●北海道の課題解決に若い力を道内地銀2行が内定式を挙行
●施設敷地を一般開放 毎秋恒例・北海道矯正展 札幌で開催
●秋の行楽は「有珠山ロープウェイ」を拠点に紅葉の名所「洞爺湖有珠山エリア」へ!
●すすきのピックアップガール 「すず」(セクシーカジノ バニーハント)
●住まいと暮らしの未来を探った「ほっかいどう住宅フェア」開催

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【連載コラムなど】
*つれづれフォトエッセイ
*シネマ
*スポーツ筆刀両断
*古本屋女房の“古本的日常”
*デンタルエッセイ
*北海道妄想紀行
*連載小説 仮面の恋
*よいどれブンガク夜話
*ソレでもナマがすき?
*夏井功の夜を駈ける車イス
*連載小説 メンタルエース
*堀川裕己の不動産鑑定士から見た北海道の行方
*ただしいうそのつくりかた
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【今月の表紙】
木翁二画『むかしの今朝』
【報道】倶知安町・羊蹄山麓の違法開発を追う

巽地区の知られざる過去
中国籍社長の真意とは─

テレビなどのマスコミが大きく取り上げた倶知安町巽地区の違法開発事案は、都市計画法の違反などを理由に道が6月下旬、事業者に工事の停止を勧告し、仕切り直しを余儀なくされた。そんな中、記者は報道機関として初めて開発エリアに入り、つぶさに現地を確認する機会を得た。さらに渦中の中国籍社長を直撃し取材を進めると、この地区は過去における原野商法の草刈場だったことも判明した。名峰、羊蹄山の麓でいったい何が起きているのか──。        (本誌編集長・工藤年泰)

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【報道】北の門番に不祥事隠蔽疑い

函館税関で不正告発

千歳支署の当直で勤務懈怠か
書類紛失・偽造の目撃情報も

北海道と東北北部の通関業務を担う函館税関(田中透税関長)で、不適切な当直勤務や文書偽造を告発する公益通報があったことがわかった。遅くとも3年前から寄せられていた通報により、内部では今春までに告発事案の事実関係が確認されたが、税関はいずれの事実も公表していない。疑われるのは、組織的な不祥事隠蔽。前身の箱館運上所から数えて160年あまりの歴史を持つその官庁で、何が起きていたのか。(小笠原 淳)

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【報道】道警不祥事から考える〈80〉 

「極めて根深い盗撮癖が」

常習盗撮の元警察官に有罪判決
同時期の道警処分では新事実も

在職中に盗撮行為を繰り返していた元警察官に、執行猶予つき有罪判決が言い渡された。裁かれた行為は9件に上るが、地元警察が開示した公文書には起訴に到らなかった別の容疑の記録も残る。当事者の元巡査は保釈中の再犯で罪を重ね、しかしながらその後再び釈放されて自由の身となった。その人と同じ時期に処分されたほかの警察官たちの不祥事と併せ、現時点であきらかになっている事案の概要を報告しておきたい。(小笠原 淳)

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【報道】

冤罪救済「善は急げ」

再審法改正呼びかけに320人
弁護士会が市民向けイベント

無実の罪で捜査機関などから深刻な被害を受けた人たちが一堂に会する催しが8月下旬、札幌市内で開かれ、刑事訴訟法の再審関連条文の早期改正などが呼びかけられた。当事者の貴重な語りには多くの関心が集まり、足を運んだ約320人が講演や公開討論に耳を傾けた。(小笠原 淳)

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【連載】“核のゴミ”レポートPART45 
「概要調査」の申請の前に立ちはだかる寿都町内の地質問題

“新知見無視”のNUMO

「磯谷溶岩」は喉に刺さったトゲか
概要調査前にどうなる寿都町長選

“核のゴミ”最終処分地の選定に向けた「概要調査」に着手したい事業主体のNUMO(原子力発電環境整備機構)にとって、喉に刺さったトゲのような存在が後志管内寿都町内を広く覆う火山噴出物「磯谷溶岩」だ。国が定めた処分地候補の選定要件では、地質年代が第四紀の火山の中心から15キロ圏は不適地とされている。昨年来、地質学者の岡村聡さん(道教育大名誉教授)らは磯谷溶岩が第四紀火山とする新知見を論文にまとめて関係する学会などで発表し、概要調査への移行に固執するNUMOの動きに一石を投じてきた。それらの経緯をふり返りながら、地層処分政策の矛盾点や寿都町長選の動向などを紹介する。                  (ルポライター・滝川 康治)

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【シリーズ・住宅不動産情報】㉝──札幌中心部で続くホテル建設ラッシュ

コロナ前から途切れず続く開業
ススキノ、大通、駅北口に集中

大規模な市街地再開発が進む札幌の中心部。札幌駅前や大通ではランドマークになっていたビルが解体され、新たな胎動が始まっている。それに劣らぬ活況を見せているのがホテル建設だ。本年中にオープンするホテルや26年、27年に開業するホテルの建設風景が街角に溢れている。手堅い需要を背景にコロナ禍でも途切れなかったホテル建設は、踊り場を迎えることなく続いている。ラッシュの様相を呈する現場から報告する。
   (佐久間康介)

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【地域】勇退する浦河・池田拓町長に「私の4期16年」を訊く

進めた外国人や障害者との共生
競走馬の里に不可欠なインド人

日本を代表するサラブレッドの生産地で「優駿のふるさと」として名高い日高管内浦河町は、精神障害者のコミュニティ「べてるの家」でも知られ、近年は夏イチゴの産地としても注目されている。この浦河で4期16年にわたり町政を担ってきた池田拓町長(73)が任期満了に伴う町長選(11月25日告示、30日投開票)への不出馬をこのほど表明した。勇退の節目に当たり本誌のインタビューに応じた池田町長は、「競走馬の育成においても外国人労働者の活用が進んでいる。次の町政でも外国人やハンディを持つ人との共生に力を入れてほしい」と願いを込めた。
  (8月20日取材 工藤年泰・武智敦子)

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【社会】北海学園大学の宮入隆教授に「外国人材の現状と課題」を訊く

社会の維持に不可欠として
受け入れ体制の整備が急務

外国人材の支援は自治体の大きな責務

北海道は日本の農業基地──。道内のそんな役割は全国的な米不足などの影響でさらに強まりそうだ。米の増産や農業の付加価値化が叫ばれる一方、懸念されるのが労働力の確保だ。牧場や畑などの現場では高齢化などにより働き手が不足し、代わって外国人労働者が急増している。その数は道内で現在約6千人。水産加工や介護分野などを含めた全業種では4万人にものぼる。だが、彼らの受け入れ態勢の整備は、まだ道半ばだ。農業をはじめとする北海道における外国人材の現状と課題とは何なのか。道内各地の事例を交え、農業経済論が専門である北海学園大学経済学部教授の宮入隆氏(53)に訊いた。
   (8月6日取材 ジャーナリスト・岡野 直)

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【地域】堂守が亡くなったオタモイ地蔵尊の行方

断崖に残された“小樽の原点”
「オタモイ地蔵」の歴史と価値

小樽市オタモイ海岸の断崖にある「オタモイ地蔵尊」の堂守、村上洋一さんが亡くなっていたことが2023年4月に分かり、地元の関係者が地蔵尊の今後の存続について協議を続けている。地蔵尊まで続く海側の約700mの遊歩道は2006年3月の土砂崩落で通行禁止。地蔵尊の裏側の山道周辺も土砂災害警戒区域に指定されており、地蔵堂への参拝は難しくなっている。小樽の文化遺産に詳しい、小樽商科大学客員研究員の高野宏康さん(51)は「子宝地蔵として知られているオタモイ地蔵尊は、元は北前船で海難事故にあった人たちの供養のために祀られたものです。小樽の原点ともいえる地蔵なので、移転を含め現在地での存続が可能かどうか検討していきたい」と話している。         (武智敦子)

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【ニュース】

■公開映画『でっちあげ』の原作者と
 「旭川事件」の元校長が地元で対談
──浮き彫りになったメディアと行政の問題点

■北海道新聞が本誌編集部に抗議
 前号記事に「二次被害招く」指摘
──記者盗撮問題では乙部町職員送検の報

■オール北海道の反対で撤回に追い
 込まれた勇払原野の風力発電事業
──事業者は資材の高騰を理由に「事業性の確保が困難」

■不動産のLAホールディングスが
 満を持して札証の本則市場に上場
──北海道へのコミットを強め地元企業などと連携強化

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【連載】〝農と食〟北の大地から

当別町に行き先を失った牛たちの
居場所を創った関口晴実さん

道内初の小さなサンクチュアリは
動物福祉にとっての「大きな一歩」

アニマルウェルフェア(動物福祉・AW)後進国の日本には、ごくわずかな数しか存在しない「ファームアニマル・サンクチュアリ」──そこは、行き場のない家畜たちに自分らしく生きてもらう場である。心ある個人や企業・団体からの寄付金などによって運営され、奇形や障害のある動物や怪我を負ったり、虐待を受けている動物などを受け入れるもので、欧米には数多くのサンクチュアリが存在する。昨年、北海道では初めて牧場従業員の関口晴実さんが、石狩管内の当別町内に「牛たちのかくれ家」を開設した。現在は3頭を飼育し、牛たちが伸び伸びと暮らす一方で、「かくれ家」のサポーターはすでに百人を超え、静かな広がりを見せる。関口さんを訪ね、活動に対する思いなどを訊いた。
(ルポライター滝川 康治)

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【農業】京都の作庭家・甲田貴也さんが仁木町で農家に転身

耕作放棄地を開墾した無農薬、
無化学肥料の「むすひ自然農園」

日本の風土が育んできた文化と暮らしを未来につないでいきたい──。3年前に京都から仁木町に移り住んだ作庭家の甲田貴也さん(40)と妻の和恵さん(37)が同町東町に新規就農し、「むすひ自然農園」を開いたのは2023年。耕作放棄地を開墾しながらの畑作は気が遠くなるような手間と時間がかかるが、農薬と化学肥料を使わない土壌で育てた農作物は野菜が本来持つ味がすると好評だ。甲田さんは、「食は全ての基本です。風土と共に生きながら農作物をつくることは、日本の文化を守ることにつながります」と将来を見据えている。   (8月21日取材 武智敦子)

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【連載】ルポ「ひきこもり」121──小樽市福祉保険部・中村哲也部長に訊く「ひきこもり対策」

重層的支援体制整備事業で
こぼれ落ちる人を助けたい

高齢の親と共に子どもが孤立する「8050問題」が深刻化する中、道内の自治体では札幌をはじめ、函館や江別、苫小牧、北見などがひきこもり支援に力を入れている。一方、小樽では「小樽不登校・ひきこもり家族交流会」が5月28日に同市に対し、ひきこもりについて正しい理解を求める要望書を提出するなど行政に期待する動きが活発化している。ひきこもりは特別なものではなく、誰もがなりうるもの。小樽市はこの問題にどう向き合っていくのか。8月下旬、同市福祉保険部の中村哲也部長(58)を訪ね、行政としての「ひきこもり対策」について訊いた。 (武智敦子)

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【医療】新時代へ再整備される南空知医療圏

岩見沢市立総合病院と北海道中央
労災病院が来年4月、経営統合へ

岩見沢市立総合病院(484床)と独立行政法人労働者健康安全機構が運営する北海道中央労災病院(199床)が来年4月に経営統合する。統合後は現在の「岩見沢市立総合病院」での運営となるが、28年秋の新病院の開院を目指し、造成工事が開始されている。統合の背景にあるのは、施設の老朽化に加え新型コロナ後の患者受療動向の変化による厳しい病院経営だ。自治体病院として地域住民の健康を支えてきた市立総合病院、労災や職業病に積極的に対応してきた労災病院が統合される意義や今後をレポートする。(8月18日取材 工藤年泰・武智敦子)

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【イベント】「ほっかいどう住宅フェア 2025」開催へ

「住まいとくらしのミライ博」で
豊かで安全安心な未来を探そう

「住まいとくらしのミライ博」と銘打った「ほっかいどう住宅フェア2025」が、9月27日と28日の2日間、札幌市中央区南3条西5丁目の北海道庁赤れんがガーデン(赤れんが庁舎前庭)で開催される。2021年度から始まり今年で5回目。国土交通省の定める「住生活月間(10月)」に向けた啓発イベントで、新たに住まいづくりを考える人にはうってつけの催しになっている。食やエンタメのお楽しみも盛り沢山。「住まいと暮らしの未来」を探しに足をのばしてみては。

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【連載】ススキノ探訪14 

酒肴酒菜 掌(てのひら)

至福の日本酒との出会い

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【連載】戦争遺産をめぐる旅 【117】

地図から消された軍事基地

津軽海峡の防衛強化のために
要塞化された函館山と砲台跡

毎日、多くの観光客が訪れる函館山は日本を代表する夜景スポットとしても有名だが津軽海峡という国際海峡を望んでいるため、明治中期ごろから軍事要塞化されていた。第二次世界大戦でも重要な軍事拠点だったにもかかわらず敵の攻撃を受けていないこともあって砲台跡などの遺構は、ほぼ当時のままの姿を残し、北海道遺産に指定されている現在は訪れる人も増えている。そんな函館山の山中を8月中旬に歩いてみると、貴重な戦争遺産の一部が崩落の危機にさらされていた。                       (ジャーナリスト 黒田 伸)

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【漫画】鈴木翁二特選漫画館

《歌の町》

本誌表紙絵でお馴染みの漫画家・鈴木翁二さんの名作のひとつを紹介したい。収録した『歌の町』は1980年代前半に描かれたもので、浮遊する魂をわしづかみにして紙面に焼き付けるような独特のタッチから孤独を抱える少女の哀感が伝わってくる。読者からの評価も高く、本作は単行本『かたわれワルツ』(而立書房・2017年刊)にも収録されている。作家性を重んじる伝説の漫画雑誌「ガロ」で漫画家デビューを果たし、水木しげるプロダクションにスカウトされた青年は、どうしようもない寂寥を抱えて独り立ちし、唯一無二の“翁二ワールド”を築いていくことになる。その歩みは今も止まることがなく、近年は欧米など海外からの評価も高まっている。翁二漫画を愛してやまない赤澤帆希さんのラブレターを添えてお届けする。

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【フォトレポート・トピックス】
●地元の食を通して地域に貢献 アンデルセングルメ祭り開催
●「SORACHI 1984」のビアバー2号店が新千歳空港にオープン
●北海道カントリークラブでニトリレディス 鈴木愛プロが栄冠に輝く
●草莽の僧侶 小西丞西さんの『おゝ他力よ!! 他力!』完結
●「チャイナフェスティバル2025札幌」開催 アカプラに飲食と物販関係の26店が出展

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【連載コラムなど】
*つれづれフォトエッセイ
*シネマ
*スポーツ筆刀両断
*古本屋女房の“古本的日常”
*デンタルエッセイ
*北海道妄想紀行
*連載小説 仮面の恋
*よいどれブンガク夜話
*ソレでもナマがすき?
*夏井功の夜を駈ける車イス
*視点 公共交通をどうする?
*連載小説 メンタルエース
*堀川裕己の不動産鑑定士から見た北海道の行方
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【今月の表紙】
木翁二画『ヤドカリ岩』
【報道】自治体と報道――問われるガバナンス

記者は2人いた

乙部町職員が盗撮で懲戒処分
発生半年、対応遅れた事情は

7月中旬に地元紙が伝えた、ある盗撮事件。追って共同通信やNHKも報じたその出来事は、自治体職員が女性新聞社員の下着を撮影して処分されたという側面のみが伝わるところだが、関係者らが把握する事実はそれだけに留まらない。事案の発生から当事者の処分までに半年以上の時間が費やされた背景には、何があったのか。被害者の勤務先・北海道新聞が自社の紙面に書き残さなかった情報を、ここに記録しておく。(小笠原 淳)

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【報道】

問われる職場の安全配慮義務
看護師パワハラ自殺、遺族の裁判続く

「病院には『新人に対して配慮が足りなかったのでは』と問い質したいです」。
 室蘭市の村山豊作さん(72)・百合子さん(69)夫妻は、10年以上に及ぶ闘いのさなかにある。釧路市で続く裁判は、就職半年で自殺した長男・譲さん(当時36)の勤務先の安全配慮義務違反を問うものだ。
「今日も、遺影に『頑張ってくるから』と声をかけてきたところです」
 看護師として地元の釧路赤十字病院に就職した長男は2013年9月、医師からのハラスメント被害を訴える遺書を残し、実家の車庫で自ら命を絶った。(小笠原 淳)

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【報道】告発・絶望の学府㊴

「学校には言わないで」

江差パワハラ裁判・弁論再開
七回忌前に遺族が法廷で陳述

本誌面で報告を始めてから4年あまりが過ぎた、公立看護学校のパワーハラスメント問題。既報の通り、教員のハラスメントを苦に学生が自殺した事案では、学校設置者の北海道が第三者調査で認定されたパワハラと自殺との因果関係を否定し続けている。苦渋の決断で道を訴える裁判を起こした遺族は今夏、2度めになる口頭弁論の法廷で改めて意見陳述に臨んだ。語られたのは、亡き長男が残した言葉の数々。同じ空間に、深く頷く傍聴人の姿があった。(小笠原 淳)

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【報道】道東の小さなまち中標津町の大きな挑戦

酪農に見えてきた曙光

乳業大手2社が工場を新設・増設
若者と外国人が支えるまちづくり

コロナ禍での生産抑制やウクライナ戦争による飼料高騰などで地盤沈下した酪農が、根室管内の中標津町(西村穣町長)で再生の時を迎えている。乳業大手2社が工場を新設・増設を決め、20代の若者や外国人材が復興の一端を支える。人口減少の波に洗われる道内の自治体の中で気を吐き、識者から「中標津モデル」として注目される同町の活気を帯びた現在をレポートする。(岡野 直)

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【連載】道警不祥事から考える〈79〉

児童買春など未発表か

道警不祥事・本年上半期速報
賭博など軒並み「減給」留まり

2025年の半分が過ぎ、小欄で報告を続けている地元警察の不祥事問題も上半期6カ月ぶんの記録が出揃った。懲戒処分ではわいせつ事案が急増する結果となり、その一部で報道発表が控えられたことが疑われる。懲戒に到らない監督上の措置にも法令違反と思しい事案がいくつか見られるが、これらが適正に捜査されていたかどうかは未確認だ。まずは速報値を報告し、それ以上の事実関係については以後の情報開示請求の結果を待つこととしたい。(小笠原 淳)

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【経済】ラピダスが2ナノ半導体試作品でトランジスタ動作を確認

世界にないイノベーションに向け
会社一丸で超えた大きな中間目標

次世代半導体の量産を目指しているラピダス(本社東京)は7月18日に開いた記者会見で、千歳市美々の新工場「IIM-1」(イーム・ワン)で試作した回路線幅2nm(2ナノメートル※1ナノは10億分の1単位)の半導体で、トランジスタ動作を確認したことを明らかにした。同社は昨年12月25日に2nmの回路を形成できるASML社(オランダ)のEUV(極端紫外線)露光装置をイーム・ワンに搬入。本年4月1日にはパターンの露光・現像に成功し、その3カ月後の7月10日、試作ウエハーにおいて2nmのGAA(ゲートオールアラウンド)トランジスタの動作を日本で初めて確認したという。(佐久間康介)

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【連載】
“核のゴミ”レポートPART44 「ほろのべ核のゴミを考える交流会」と寿都町長選の今

地層処分は壮大な虚構

人々を翻弄する原子力関係者と
「事前調査」の舞台、寿都の行方

日本原子力研究開発機構の「幌延深地層研究センター」で続く“核のゴミ”最終処分に向けた試験研究も、NUMO(原子力発電環境整備機構)が後志管内の寿都町と神恵内村で進めようとする処分地選定に向けた「概要調査」も、「いずれ日本でも地層処分ができるだろう」という壮大な虚構にもとづく動きである。現実を直視せず「いずれ科学技術が解決してくれる」と思い込んだ原子力関係者には、その虚構が人々を翻弄することに思いが及ばない。一方で計画の矛盾に気づいた人たちは2009年から地層処分政策のあり方を問う交流会を続けてきた──。今回は、その交流会の模様と“核のゴミ”事前調査の舞台になっている寿都町の町長選をめぐる動きをお届けする。(ルポライター・滝川 康治)

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【シリーズ・住宅不動産情報】㉜──消えゆく札幌市街地のミニランドマーク

市内各地で解体・建て替えの動き
「地域の歳月」を刻んだ半世紀に幕

札幌市では1972年の冬季五輪を契機にまちづくりが進み、都心部から離れた市街地でもビルが相次いで建設された。それから半世紀を経て、更新時期を迎えた建物のスクラップ&ビルドが進んでいる。ここで取り上げるのは、市街地で目印になる場所に建っていたビルの解体現場。地域住民の街の記憶を形作ってきた、言わばミニランドマークとも言える建物だ。地域住民の見慣れた風景がスクラップ&ビルドによってアップデートされ、新たな記憶が積み重ねられていく。新陳代謝が進んでいる市内各地の現場から報告する。  (佐久間康介)

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【環境】「苫東厚真風力発電を考える会」が「健康への影響」をテーマに学習会

国が計画見直しを求めた事業の
健康被害に厚真町住民が危機感

大阪ガスの関連会社が胆振管内苫小牧市と厚真町にまたがる勇払原野で計画している「(仮称)苫東厚真風力発電事業」。この計画の撤回を求める厚真町の住民団体「苫東厚真風力発電を考える会」(家倉博代表)が7月12日、町内で「健康への影響」をテーマに学習会を開いた。この事業をめぐっては、希少鳥類への重大な影響が懸念されるとして環境相が抜本的な見直しを求めていた。事業者はこれを受けて、風車を当初の予定の10基から半減する方針を決定。同会は「健康への影響が出ている風車を20年の長期にわたり稼働させていいのか考えていきたい」としている。 (武智敦子)

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【環境】札幌市・山口処分場への新幹線残土搬入問題を追う

「粉塵中のヒ素」の測定を求める
住民陳情を札幌市議会が不採択

北海道新幹線の札幌延伸に伴う札樽トンネル(札幌・小樽=26・2キロ)工事で発生する要対策土の札幌市手稲山口地区への搬入をめぐり、付近の粉塵に含まれるヒ素の測定と開示を求める住民団体の陳情を6月6日の札幌市議会総務委員会は不採択とした。陳情を提出していた「有害掘削土に反対する住民の会・連絡会」の堀井克幸代表は後日、本誌の取材に応じ、「周辺住人の人生や健康を考えずに多数決で決めてしまうのは残念の一言に尽きるが、これからも諦めずに運動を続けたい」と話した。   (武智敦子)

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【ニュース】

■公開映画『でっちあげ』の原作者
 福田氏の講演会を旭川で開催へ
──注目される「旭川少女凍死事件」の金子元校長との対談

■ラピダスがもたらす環境問題で
 懸念されるPFAS以外の影響
──石狩での学習会で東京都環境局OBが「水も大気も」と警鐘

■札幌高検トップに山田氏が着任
 国民の信頼「公正な法の適用」で
──袴田判決・検事総長コメントへの質問には回答せず

■初出展した小樽ほほえみフェスタで
 家族交流会がひきこもり問題を啓発
──社会福祉法人「塩谷福祉会」との連携で広がる活動

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【地域】1期目を折り返した函館・大泉潤市長に訊く

函館に注がれる熱い視線を
「次のまちづくり」に生かす

小さな声を聞き大きな夢を語るのが使命

2023年4月の函館市長選で圧倒的な民意を受けて初当選した大泉潤市長(59)。まったなしの人口減少問題に全庁的な「人口減少対策本部」を立ち上げ子育てや教育支援に乗り出したが、足元では合計特殊出生率が初めて「1」を割り込むなど厳しい状況が続く。公約で注目された北海道新幹線のJR函館駅乗り入れは、札幌延伸の延期で不透明さが増した印象だが、「目標に変わりはない」と決意は揺るがない。その一方で就任後、さまざまな形で函館にスポットライトがあたり、地元の注目度と存在感がいや増しているのも事実。それぞれの課題に向き合いながら「まちの小さな声を聞くことは私の原点」と語る大泉市長にまちづくりの現状と展望を訊いた。
(7月23日取材 工藤年泰・佐久間康介・武智敦子)

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【観光】2025 道内観光情報

いま秋色を探す旅へ

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【医療】
脳神経外科の急性期治療と在宅医療の
進化を森山病院の安栄良悟医師に訊く

脳神経線維を傷めない手術を確立
訪問看護とのコラボで延びる余命

社会医療法人元生会(旭川市・森山領理事長)が運営する森山病院(232床)の脳神経外科が脳腫瘍や血腫などの治療で大きな成果を上げている。2年前、放射線部に導入された解析ソフトで脳神経線維を描出するシステムが確立し、脳神経繊維を温存しながら病変部に的確にアクセスできるようになった。さらに、訪問看護チームとの連携により在宅治療で患者の延命とQOLの向上が図られるなど、診療部門を超えたコラボレーションにも注目が集まっている。これらのプロジェクトをリードしているのが脳神経外科部長の安栄良悟医師だ。元旭川医大脳神経外科准教授で道内における悪性脳腫瘍治療の第一人者である安栄医師に急性期治療と在宅医療の進化を訊いた。    (7月17日取材 工藤年泰・武智敦子)

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【企業】体制固めが奏功、エコミックが反転攻勢へ

バックオフィス業務を引き受けて
日本企業の生産性向上をサポート

給与計算などバックオフィス業務の代行事業を展開しているエコミック(本社札幌・熊谷浩二社長、札幌証券取引所アンビシャス上場、東京証券取引所スタンダード上場)が、企業を取り巻く人手不足やコスト削減を求める環境変化で追い風を受けている。2025年3月期連結決算は内部体制の再構築から減収減益を余儀なくされたが、中国の上海市に新たな子会社を設立するなど26年3月期からは反転攻勢を狙う。将来的に企業の管理部門のルーティンワーク全般を担う事業体を目指す熊谷社長は、「日本企業の生産性向上をサポートしながら成長を加速させたい」と意気込む。
  (7月16日取材 工藤年泰・佐久間康介)

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【連載】北の大地を拓く新・農業人【5】

まちをオーガニックビレッジに
導いた有機農業のフロンティア

旧追分町に入植した小路健男さん「35年の軌跡」

1990年代初め、茨城県出身のひとりの青年が胆振管内の追分町(現安平町)に新規就農した。農場主の小路健男さんは、有畜複合経営の農場で研修に励んだ経験をもとに、米づくりと畑作、平飼い養鶏を軸にした経営を続けながら、有機農業の仲間を増やすための活動に奔走。自分の農園の一部を就農希望者の研修場所として提供する一方、「有機」に特化した道内初の専門農協の設立メンバーにもなった。還暦を過ぎた今、農園では後継者が育ち、新たに有機農業を始める人も増えた。そうした取り組みが周囲を動かし、安平町は一昨年、「オーガニックビレッジ」を宣言するに至る──。有機農業の普及と後進の育成に尽力してきた、その歩みをたどった。
     (ルポライター・滝川 康治)

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【連載】ルポ「ひきこもり」120──北見市社会福祉協議会の取り組みから

レタポスとの連携で寄り添う
形に進化したひきこもり支援

オホーツク管内の北見市社会福祉協議会がひきこもり支援に力を入れている。昨年4月に「北見市自立支援センター」内にひきこもり支援に特化した、北見市ひきこもり相談センター「ふらっと」を開設。これに協力し、札幌市のNPO法人「レター・ポスト・フレンド相談ネットワーク」(レタポス・田中敦理事長)は昨年に続きピアスタッフを派遣。7月26日から現地で居場所事業を主催するなど連携の輪が広がっている。北見市のひきこもり支援の現場を取材した。            (武智敦子)

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【連載】戦争遺産をめぐる旅 【116】

歴史を語り継ぐ舞鶴市民

シベリア抑留の苦難を伝える
京都府の「舞鶴引揚記念館」

1945年8月15日に終戦を迎えた後も旧満州や中国大陸、朝鮮半島や樺太、さらにグアム、サイパンなどの南洋諸島には軍人や民間人など約660万人もの日本人が残されていた。これらの人々の「引き揚げ」に全国10港が指定され、その中でも京都府舞鶴市の舞鶴港は、シベリア抑留から帰国した人たちの第一歩を記した港として知られる。引揚者の苦難と再会の感動を記録と記憶に残す舞鶴引揚記念館を訪れると、地元で歴史を語り継ぐ多くの人々に出会うことができた。                          (ジャーナリスト 黒田 伸)

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【フォトレポート・トピックス】
●「プレミスト旭川ザ・タワー」の商業施設「ONE SEVEN」が開業
●THE EAGLE GOLF シニアオープンで宮本勝昌プロが連続優勝
●函館に全国系外食チェーンの5ブランド7店が一気に進出
●セコマとハセストが初コラボ 函館の大手町で合体店誕生へ
●似鳥財団運営の小樽芸術村で「浮世絵美術館」がオープン
●ススキノピックアップガール「かほ」(セクシー学園キャンガク)

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【連載コラムなど】
*つれづれフォトエッセイ
*シネマ
*スポーツ筆刀両断
*古本屋女房の“古本的日常”
*デンタルエッセイ
*北海道妄想紀行
*連載小説 仮面の恋
*よいどれブンガク夜話
*ソレでもナマがすき?
*夏井功の夜を駈ける車イス
*視点 公共交通をどうする?
*連載小説 メンタルエース
*堀川裕己の不動産鑑定士から見た北海道の行方
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【今月の表紙】
木翁二画『ヤドカリ岩』
【報道】自衛隊・退職阻止の果てに

「国は非を認めて」

19歳自衛官自殺、母の慟哭
6年越し裁判が今秋結審へ

部隊内でハラスメントを受けていたという未成年の自衛官が退職の意向を受け入れて貰えず、退路を失って自ら命を絶った。自衛隊は自殺の理由を「実家への仕送りの辛さによる」と主張。失意の遺族は2020年に問題を法廷へ持ち込んだ。5年が過ぎた本年6月、裁判はようやく原告らの尋問に到り、この秋にも審理を終える見通しだ。長い闘いを強いられた遺族は、改めて訴える。「国はもう噓をつかず、非を認めて欲しい」――。(小笠原 淳)

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【報道】「令和の米騒動」から食の自給を考える──北大名誉教授の農業経済学者・三島徳三さんに訊く(後編)

高騰の災いを福となす

消費者の理解と生産者らの
努力から生まれる適正価格

5月後半から始まった随意契約による備蓄米の放出で浮き彫りになったことは、“小泉米”がもたらす国民の間の不公平感である──。こう看破するのは、農業経済学の研究者として半世紀にわたり農産物の流通問題を追究してきた三島徳三さんだ。日を改めて行なった2回目のインタビューでは、主食用米の複雑な流通構造について解説するとともに、農林水産省が進めようとする作況指数の廃止や玄米の篩い目幅の変更などの問題点についても指摘。生産農家に対する直接支払い(所得補償)や食料自給率アップの必要性などについても示唆に富んだ提案が続いた。(6月21日収録 ルポライター・滝川 康治)

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【報道】不協和音に軋む伝統国大

道教大 見えざる亀裂

函館校で2年越しパワハラ告発
10年前のセクハラは公表されず

重大な人権侵害を疑われた問題が、不透明な審議で不問に付された――。そう訴える声の主は、北海道内で80年ほどの歴史を持つ国立大学の職員。昨春まで常勤の教授だったその人は、同僚教員の1人からいわれのない脅迫を受けることになったという。時期を同じくし、周辺では10年前に起きていた別のハラスメント事案をめぐる疑問の声が改めて沸き起こり始めた。教員養成校として伝統浅からぬその学府で今、何が起きているのか。(小笠原 淳)

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【報道】脱ロシアで注目される「中央アジアシフト」

いま北海道から中央アジアへ
関係強化で生まれる大きな夢

ウクライナ戦争でロシアとの関係が断絶されている中、注目されているのが日本、とりわけ北海道と中央アジア諸国(カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン)との関係だ。企業・自治体、開発コンサルタント、北大教授といった「プレーヤー」が中央アジアを訪ね、関係を深めながら実際に新規事業を始めつつある。この「中央アジアシフト」の背景には、互いのニーズが噛み合っていることがある。道内企業の進出、自治体による交流や人材受け入れ、学術研究の深化など近年の動きを追った。

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【連載】“核のゴミ”レポートPART43 新人の出馬表明で寿都町長選はどうなる?

問われる“変える覚悟”

「現職VS新人」の構図でも
足並み揃わぬ核ゴミ反対派

任期満了にともなう寿都町長選(10月23日告示、同28日当開票)。3月の定例町議会で現職の片岡春雄氏(76歳)が7選を目指し出馬表明したのに続き、新人の町議・大串伸吾氏(41歳)が6月26日、北海道新聞の取材に対し出馬の意思を表明した。他にも出馬を模索する町民もいる。反対派の住民団体メンバーでもある大串氏は、「自分が描く町づくりと概要調査の実施は相容れない」との主張を掲げ、7月中旬の正式発表を計画するなど「現職VS新人」の選挙戦の構図は固まってきた。しかし、肝心の同氏を支える町民の足並みは揃っておらず、「文献調査」をめぐる動きに翻弄された関係者には疲れも見える──そんな投票まで3カ月余りの状況をレポートする。   (ルポライター・滝川 康治)

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【報道】北大名誉教授・地質学者の小野有五さんが泊村の集会で警鐘

いま泊原発の適合性審査を
やり直すべき理由とは何か

「泊原発再稼働は本当に安全か!!」をテーマにした勉強会が6月7日、後志管内泊村の泊村公民館であった。泊原発立地4町村住民連絡協議会が主催し、北大名誉教授で「市民科学者の会・北海道」事務局長の小野有五さん(77)が講師を務めた。地質学者の立場から泊原発の危険性に警鐘を鳴らしてきた小野さんは、再稼働を目指す泊原発3号機をめぐり原子力規制委員会が国の新規制基準に適合しているとして審査書案を了承したことを批判。「北電は科学を否定するようなことを平気でやっている。活断層の存在を否定できない以上、規制委員会は審査をやり直すべきだ」と訴えた。(武智敦子)

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【報道】逮捕者が出た遠軽町での風力事業で住民団体が行政へ質問状

役場の答えは実質「無回答」
問われる地元の当事者意識

オホーツク管内遠軽町(佐々木修一町長)の国有林に建設が計画されている「(仮称)遠軽ウインドファーム事業」をめぐり、住民団体「北海道風力発電問題ネットワーク」(佐々木邦夫代表)が同町に提出していた質問状の回答結果を6月6日に公表した。本誌5月号で既報の通り、この計画の事業者である「青天ウインドファーム合同会社」(青森市)の代表社員らは、今年2月に破産法違反(詐欺破産)で逮捕、その後起訴されているが、遠軽町からは具体的な対応や見解は示されなかったという。 (武智敦子)

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【シリーズ・住宅不動産情報】㉛──北海道ハウスメーカー協議会・鳥山達己会長に訊く

客への貢献目指して7社がタッグ
共同で土地仕入れや展示場活性化

今年4月、全国大手ハウスメーカー7社で組織する「北海道ハウスメーカー協議会」が発足した。これまでの業界事情から一堂に集まることができなかったが、昨今の住宅価格高騰や住宅展示場の来場者減少を受けた危機感が7社の背中を押した形となった。共同で土地の仕入れや販売促進に取り組み、発注や物流の共同化も模索する。初代会長に就任したミサワホーム北海道(本社札幌)の鳥山達己常務(60)に協議会の目的や活動方針を訊いた。             (佐久間康介・工藤年泰)

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【経済】「道内20信金3月期決算」を徹底分析

コア業務純益、16金庫で増益
貸出金利上昇の恩恵は限定的

道内20信用金庫の2025年3月期決算は、日銀の利上げに伴う預金利上げ、貸出金利上げ、余資運用環境の変化など、さまざま変数要因が顕在化した。そうした中で金融機関の収益力を表すコア業務純益は16金庫で増益、4金庫で減益となった。ただ金利上昇に伴い国債の評価損を計上した道南うみ街信用金庫(本店檜山郡江差町)の影響で、金庫全体の業務純益(一般企業の営業利益に相当)は、24年3月期比37・7%減、当期純利益も同63・6%減となった。道南うみ街の一次要因を除けば「まずまずの決算」(金融関係者)に落ち着いた。   (佐久間康介)

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【ニュース】

■旭川少女いじめ凍死事件の真実と
 問題を考える講演会を地元で開催
──遺族側が市に損害賠償を求めた訴訟では口頭弁論始まる

■医療資源が乏しい離島でがんの
 早期発見目指す官民一体の挑戦
──尿でがん検査のクライフが検診推進で利尻町と連携協定

■北海道猟友会、新入約600人
 女性・若手増で平均年齢下げる
──改正鳥獣法めぐっては「不利益なき取り扱い」訴え

■記念イベントが2枚組DVDに
 被団協・田中さん講演など収録
──札幌で会場定員350人超過──「参加できなかった人たちにも」

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【観光】北海道観光機構・唐神昌子氏が新会長デビュー

強固で夢をもてる業界目指す
誘客分散で経済効果を全道へ

公益社団法人北海道観光機構の新会長に就任した唐神昌子氏(トーホウリゾート代表取締役)が、6月23日の通常総会後に記者会見を行なった。唐神氏は小金澤健司会長(当時)の下で副会長を務めていたが、本年1月に小金澤氏が急逝したことを受け5月23日の理事会で会長就任が了承されていた。その約1カ月後に開催された通常総会は、新会長としての本格デビューの場となった。総会後、副会長4人とともに記者会見に臨んだ唐神新会長の第一声をお届けしたい。         (佐久間康介)

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【ビール】2025 福祉協賛さっぽろ大通ビアガーデン

今年の夏もやってくる!
大通ビアガーデン

さっぽろ夏まつりのひとつとして7月18日から8月13日まで開催される「福祉協賛さっぽろ大通ビアガーデン」が間近に迫っている。大通公園6区画(全6会場)で用意される席数は1万以上というビッグスケール。その〝日本最大のビアガーデン(※)〟が今年、さらにアップデートした。昨年よりも各会場で屋根付きのエリアが広がったほか、5丁目と7丁目会場では全席でモバイルオーダーを導入。自分のスマホからビールやフードを注文でき、席まで運んでくれるので手間入らずの快適さだ。各会場の魅力は次頁以降でチェック!
※2024年全会場席数合計(さっぽろ夏まつり実行委員会調べ)

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【医療】
がん拠点病院「恵佑会札幌病院」の
肝胆膵外科部長に森本守医師が着任

ロボット手術で国内屈指の実績
膵臓癌でも諦めない医療を提供

がん拠点病院、社会医療法人恵佑会札幌病院(高橋宏明理事長、229床)の消化器外科・肝胆膵外科部長に4月1日付けで、名古屋市立大学大学院医学研究科消化器外科講師の森本守医師(51)が着任した。森本医師は、手術支援ロボット「ダヴィンチ」を使った肝臓、胆道、膵臓分野(肝胆膵分野)の低侵襲治療で国内有数の技術を持つエキスパートとして知られており、食道がんの治療で全国的な知名度を持つ恵佑会札幌病院が肝胆膵分野の治療でも飛躍することが期待されている。その森本医師に膵臓がんの最新治療をはじめ、今後の方針や展望などを訊いた。   
(6月18日取材 工藤年泰・武智敦子)

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【企業】東京・銀座発祥の彌生グループが札幌に新拠点

北海道の潜在力と将来性を確信
グループの総力をあげ事業展開

 東京・銀座(中央区)を拠点に不動産業などを展開する老舗企業、彌生興業(長谷川尚功代表)のグループ会社が札幌市内で竣工まもないビルを取得し、このほど「彌生大通りビル」として北海道での事業展開を本格的に開始した。

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【お盆】いま、お盆の意味をあらためて考えたい

問い直す供養のこころ

故人のおかげで生かされて
いることに感謝の気持ちを

札幌市北区の高野山真言宗「惠弘寺」の足立隆厳住職(61)はサラリーマンなどを経て48歳で仏門に入った異色の経歴の持ち主。お寺の子供でもなく、ゼロから新寺を建立してからは宗教者として人に寄り添い対話を重ね、臨床宗教師や保護司としても活動の場を広げている社会派の住職でもある。今年のお盆特集は、コロナ禍を経て家族葬や直葬が増え、かつての宗教儀礼を大切にする葬儀が姿を消しつつある現状を踏まえ、足立住職に本来の葬儀の在り方や供養の意味を訊いた。(6月13日取材 工藤年泰・武智敦子)

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【社会】小樽市議会で議論された「ひきこもり問題」

引き出した迫市長の前向き答弁
家族交流会との軋轢も雪解けへ

小樽市の迫俊哉市長は6月17日の市議会本会議で、昨年度に小樽市に寄せられた、ひきこもりに関すると思われる相談が46件あったことを明らかにした。代表質問に立った松井真美子議員(共産党)への答弁。ひきこもりの実態を把握する必要性については、「(問題の性質上)市が実態をつかむのは難しい」としながら「個々の状況に応じた適切な支援を届けるためには実態を把握し、相談につなげることが必要だ。支援機関と意見交換をしながら効果的な方法を研究している」とした。 (武智敦子)

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【連載】ルポ「ひきこもり」119──KHJ北海道支部「はまなす」の新会長・岩﨑澄夫さんに訊く

子どもの話を黙って聞ける
親をひとりでも増やしたい

NPO法人「KHJ全国ひきこもり家族連合会」(本部東京)の北海道支部「はまなす」がこのほど開いた定期総会で、14年間会長を務めた北郷恵美子さん(79)が退き、副会長だった岩﨑澄夫さん(74)が新会長に就任した。子どもの不登校、ひきこもりを機に10年前に同会に入会。現在は札幌市の集団型支援拠点「よりどころ」の家族会でピアスタッフとしても活動し、参加家族らを支えている。「私もそうでしたが、時代の変化をつかめず意識は昭和のままという父親が多い。子どもに説教するのをやめ、黙って話を聞ける親に変身しましょう」と語る岩﨑新会長に今後の活動や意気込みを訊いた。 (武智敦子)

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【連載】戦争遺産をめぐる旅 【115】

戦争遺産を守り語る人々

まちを焼き尽くした「堺大空襲」
大阪府堺市に残された防空壕跡

終戦の年である1945年、アメリカ軍による苛烈な空襲で全国各地に大きな被害がもたらされたが、大阪府堺市の商店街にあるギャラリーには、戦時中に造られた防空壕が当時のまま残り、希望者は見学できるようになっている。1945年7月、一夜にして1860人もの人々が犠牲になった「堺大空襲」から丸80年を迎える中、このギャラリーを訪れて防空壕跡に入ると、打ちっ放しの分厚いコンクリートの壁が市民を巻き込む戦争の恐ろしさを実感させてくれた。(ジャーナリスト 黒田 伸)

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【フォトレポート・トピックス】
●「リスクはあらゆる人に」過労・パワハラ死「家族の会」が札幌で総会
●北洋銀行の生物多様性を守る「ほっくー基金」で贈呈式開催
●根室の水産加工会社「兼由」がレトルト煮付け商品を新発売
●日本のビール発祥の地で乾杯 恒例のサッポロビアホリデー

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【連載コラムなど】
*つれづれフォトエッセイ
*シネマ
*スポーツ筆刀両断
*古本屋女房の“古本的日常”
*デンタルエッセイ
*北海道妄想紀行
*連載小説 仮面の恋
*よいどれブンガク夜話
*ソレでもナマがすき?
*夏井功の夜を駈ける車イス
*視点 公共交通をどうする?
*連載小説 メンタルエース
*堀川裕己の不動産鑑定士から見た北海道の行方
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【今月の表紙】
木翁二画『ヤドカリ岩』
【報道】「令和の米騒動」から食の自給を考える──北大名誉教授の農業経済学者・三島徳三さんに訊く(前編)

地産地消を取り戻せ

高騰の背景にある流通完全
自由化と米農家のJA離れ

大凶作が続いたわけでもないのに政府が保有する備蓄米が放出され、消費者は“2千円の米”を求めては列をなす……。主食用米の需給の逼迫は、コロナ明けにともなう消費の回復や猛暑による高温障害と精米歩留りの低下など複合的な要因によるもの。そんな中で「食糧法」の主旨を拡大解釈し、虎の子の備蓄米に手をつけるようでは、本格的な食料危機の時にはお手上げになるのではないか──。そこで、50年以上にわたり農産物の流通問題を追究してきた農業経済学者の三島徳三さん(北大名誉教授)を訪ね、「平成の米騒動」が起きた背景や矛盾点、今後の課題などを訊いた。(5月27日収録 ルポライター・滝川康治)

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【報道】道警不祥事から考える〈78〉

警官窃盗「訓戒」非公表

不祥事記録に「窃盗」明記なく
発表事案では保釈後に再犯も

本誌前号で報告した地元警察の直近の不祥事記録について、報道発表されなかった事案の中に深刻な法令違反として捜査されていたケースがあることがわかった。その事実は、公文書開示請求で入手した記録をもとにした“第2弾”の開示請求を経ない限り確認できなかったと言ってよい。処分関係の文書に「勤務規律違反等」の言い回しで記されていた不祥事は、警察官による現金窃盗事件だった――。(小笠原 淳)

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【報道】告発・絶望の学府㊳

加害否定、差別的言辞…

関与教員らの発言、生々しく
江差パワハラ・未公表聴取録

「学生を奮起させようとしたことをハラスメントにされた」――。公立看護学校で長期間にわたって続いていたパワーハラスメント問題で、当事者の元教員らが加害者としての自覚を欠いたまま現場を去っていたことがわかった。パワハラを苦に自殺した学生の遺族が起こした裁判で、それらの証言が残る記録が証拠提出されていたのだ。審理が非公開で進む中、裁判記録の閲覧を通じて確認できた事実のいくつかをここに記録しておきたい。(小笠原 淳)

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【シリーズ・住宅不動産情報】㉚──不動産鑑定士の堀川裕巳氏に訊く

いま北海道があぶない

廃墟になるまち、活況のまち
進む住宅不動産価値の二極化

人口減少が全国よりも早いペースで進む北海道。地域の過疎化にも拍車がかかっているが、そうした中で地方はもとより都市部でも廃墟のような建物や家屋が目に付くようになった。これらは倒壊の危険性だけでなく景観も損ない、閉塞感を一層高める要因にもなっている。その一方で海外投資が盛んなニセコエリアやラピダスで沸く千歳市は、全国トップクラスの土地価格上昇率を弾き出している。二極化が進む北海道の住宅不動産を取り巻く現況とは、そして廃墟化の一因になっている自治体の固定資産評価の問題とは何か。不動産鑑定士で関連著書を多く上梓している、北央鑑定サービス(札幌)の堀川裕巳代表(78)の答えは「いま、北海道があぶない」だった──。 (5月19日取材 佐久間康介・工藤年泰)

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【報道】国に断罪された苫小牧信金の窪田護元理事長

法令違反を生んだ独裁経営で
醸成された風通しの悪い組織

苫小牧信用金庫(本店苫小牧市・小林一夫理事長)が5月9日、法令遵守や経営管理に問題があったとして北海道財務局から業務改善命令を受けた。同信金は、信用金庫法で禁止されている不動産関連業務を営む子会社を有し、以前から同金庫と人事・業務面で関係性が深かったにもかかわらず、理事長、会長を歴任した元理事、窪田護氏(86)の指示と関与により事実関係を当局に隠蔽していたという。道財務局は「独裁的な経営に過度に依存し、風通しの悪い組織文化が醸成されてきた」と同金庫を厳しく非難している。                 (佐久間康介)

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【ニュース】

■対ロ関係の悪化を受けて強まる
 中央アジアへのビジネスシフト
──道経産局などが音頭を取り現地進出を後押し

■大手メディアは“負の側面”伝えず
 電力需要めぐる情報公開も落第点
──札幌の脱原発団体がラピダスと泊3号機の再稼働で学習会

■家族交流会と塩谷福祉会が小樽市に
 ひきこもりへの理解を求める要望書
──求めた「当事者がまた一歩を踏み出せる」支援

■小樽まち文化博物館で「回転レスト
 ランと宿文化」を題材に講演会開催
──最後に残ったセンチュリーロイヤルホテルの「ロンド」

■違法逮捕国賠、今秋証人尋問へ
 問われる警察の無令状強制捜査
──刑事告発の法令違反は2年経てなお処分未定

■陸自パワハラ裁判で「訴訟告知」
 元幹部職員らの賠償責任明確に
──難聴訴訟では道外から関心、傍聴支援拡がる

■元役員の損賠請求が和解で終結
 苫ガス燃料・社長暴言など告発
──和解内容は非公表――「口外禁止」付帯か

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【夏のボーナス特集】ゼロから考える資産形成

トランプショックに重なるインフレ
投資と節税を賢く選択して一歩前に

昨年来、活況だった株式市況がトランブ関税によるショックで冷や水を浴びせられた。資産形成の環境は激震に見舞われ、先行きに不透明感が漂っている。そんな中、「トランプショックは、良いショック」と話すのは、ファイナンシャルプランナーの須藤臣(すどう・とみ)さん。須藤さんは1996年からファイナンシャルプランナーとして活動を開始し、これまで30年近くにわたって金融環境の変化を体感してきた。それだけに経験から導き出される言葉には説得力がある。その須藤さんに、トランプショックにインフレが重なる現在の経済環境で資産形成のポイントとは何かを訊いた。

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【医療】注目の〝インテリジェントホスピタル〟カレス記念病院の浅香正博院長に訊く

新時代に向け北光記念病院と
時計台記念病院を「発展統合」

社会医療法人社団 カレスサッポロ(本部札幌市・大城辰美理事長)の新病院「カレス記念病院」(320床)が4月1日、札幌市東区の旧札幌卸センター跡地にオープンした。これまで同法人が運営していた北光記念病院と時計台記念病院を統合。差額ベッドがかからない全室個室とし災害時にも対応できるようにするなど、利用者目線を追求しながら最先端の医療を提供するインテリジェントホスピタルを完成させた。北大病院院長や北海道医療大学学長などを歴任し、このほど同病院の院長に就任したピロリ菌研究の権威・浅香正博医師にカレス記念病院の概要や目指す医療について訊いた。 (5月16日取材 工藤年泰・武智敦子)

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【農業】Agri Report──北の大地を拓く新・農業人【4】

荒れた土地を整え次の世代に
農業というバトンを渡したい

新天地で平飼い養鶏を営む石狩市の「飛ぶ鳥農場」

新規就農を目指す人たちが参入しやすい分野に、当初の投入資金が比較的少なくて済む平飼い方式の養鶏がある。養鶏場にほど近い都市部に新たな顧客をつくることができると、安定した収入が得られるからだ。石狩市厚田区にある「飛ぶ鳥農場」では今、簡易なハウス2棟で1,500羽ほどの鶏を飼い、卵の販売や加工品づくりを軌道に乗せつつある。しかし、ここに至るにまでは7年間にわたる研修生活や、農場用地の取得をめぐる就農計画の変更…といった苦労も重ねてきた。そうした数々の試練も乗り越え、今では多様な顧客を獲得した経営主の角野亮太さん・飛鳥さん夫妻のこれまでの生き方や、今後の展望などを紹介する。     (ルポライター・滝川 康治)

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【環境】風力発電反対運動の男性が仁木町銀山地区で取り組むコメづくり

紆余曲折を経て叶えた新規就農
夢は命と地域を支える稲作農家

後志管内仁木町で風力発電の反対運動を続けていた穂積豊仁さん(48)が、同町銀山地区で新規就農しコメづくりを始めた。3年前、銀山地区に風車の建設計画が持ち上がってからは、「仁木の自然を守ろう」と新規就農への道を一旦ストップ。仲間と共に反対運動を展開し町議選にも出馬するなど、穏やかだった日常は一変した。紆余曲折を経て夢を叶え、農家になった穂積さんが目指すのは安全・安心なコメづくりだ。「新規就農したことでようやく仁木の人間になれたと思います。取得したのは慣行農法(※化学肥料や農薬を使い高い収量を目指す農業)が行なわれてきた土地ですが、やがては無農薬栽培に切り替えていきたい」と意欲を見せている。 (武智敦子)

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【連載】ルポ「ひきこもり」118──コミュニティスペース「小樽に暮らすみんなの部屋 オタルブ」の取り組み

作業療法士たちが立ち上げた
誰でも集える居場所に存在感

昨年夏、小樽市中心部の花園銀座商店街にオープンしたコミュニティスペース「小樽に暮らすみんなの部屋 オタルブ」が住民らの「私設公民館」のような場所として存在感を増している。同スペースは作業療法士らが設立した合同会社「Porto Parco(ポルト・パルコ)」が運営。高齢者から子ども、障害のある人からない人まで多くの人が気軽に集える居場所として定着し、イベント開催や困りごとなどの相談にも応じている。多彩な魅力を持つ「オタルブ」を訪ねた。(武智敦子)

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【フォトレポート・トピックス】
●道内初の大規模充填施設「エア・ウォーター水素ステーション札幌大通東」が稼働
●9事業者による共同キャンペーン「北海道の森に海に乾杯」がスタート
●陶氏診療院の陶恵栄院長が札幌大学で講演
●魅力増大! 北空知の観光資源「妹背牛温泉ペペル」
●札幌心臓血管クリニックで進化を遂げる「低侵襲治療」
●草莽の僧侶 小西征夫さんが市の福祉事業に寄付で貢献
●ススキノピックアップガール「みか」(セクシーホスピタルER。)

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【連載コラムなど】
*つれづれフォトエッセイ
*シネマ
*スポーツ筆刀両断
*古本屋女房の“古本的日常”
*デンタルエッセイ
*北海道妄想紀行
*連載小説 仮面の恋
*よいどれブンガク夜話
*ソレでもナマがすき?
*夏井功の夜を駈ける車イス
*視点 公共交通をどうする?
*新・連載小説 メンタルエース
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【今月の表紙】
木翁二画『きんのうお』
【報道】森町国保病院の診療報酬不正請求事案を追う

機能しなかった「万全の体制」
のしかかる3億円の返還義務

道南の渡島半島にある名峰、駒ヶ岳の麓に広がる自治体、森町(岡嶋康輔町長・人口約1万3千人)。ここで明らかになったのが、森町国民健康保険病院(60床・開設者森町長・以下森町国保病院)の診療報酬不正請求事案だ。昨年暮れに国から指摘を受け、返還を求められることになった金額は実に3億円超え。事務方に加え経営企画統括監まで配置し運営体制に万全を期していたはずの森町国保病院でいったい何が起きていたのか──。                 (本誌編集長・工藤年泰)

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【報道】告発・陸の蟹工船〈10〉

牧場 労災不正受給か

当事者不在の休業補償申請
恵庭・障碍者虐待で新事実

本誌など地元報道が伝え続ける障碍者虐待問題で、新たな疑惑が持ち上がった。恵庭市の牧場で起きた事故で、怪我をした従業員に無断で労働災害が申請され、牧場主らが不正に休業補償などを受給していたという。札幌で続く裁判では牧場側が元従業員らを「労働者でない」と主張しているが、労災申請の書類では「労務者」扱いに。事実を掘り起こした訴訟代理人らは、憤りとともに訴える。「障碍者を不正の道具にする行為は、到底許されない」(小笠原 淳)

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【報道】苫小牧・老舗ガス業者で“独裁”か②

実弟告発「社長は退任を」

ガス会社パワハラで新証言
子会社元役員の裁判も佳境

昨年2月号の本誌面で報告した、公益企業のパワーハラスメント疑い。暴言などの被害を労災認定された元子会社役員の裁判が続く中、本社内からも新たな告発の声が上がっていたことがわかった。証言の主は本来ならば現在もその職場に籍を置いている筈だったが、社内で目の当たりにした社長のハラスメントを諌め続けた結果、退職に追い込まれることになったという。社を離れた今も声を上げ続けるその人は、渦中の社長がよく知る人物――実の弟だ。(小笠原 淳)

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【報道】道警不祥事から考える〈77〉

「不適切言動」相継ぐ

傷害の警察官は「訓戒」留まり
道警処分等“第1四半期”速報

2025年もすでに3分の1が終了。年度が改まってから1カ月あまりが過ぎたところで、新たな情報が出揃った。本誌面で飽かず続けている地元警察の不祥事報告、本年最初の3カ月間に記録された処分・措置の概要をお伝えしたい。法令違反や深刻なハラスメントが疑われる事案は年が変わっても絶えることがなく、その多くは公文書開示請求という手段で確認することができる。定期的な請求でわかった直近の事実とは――。(小笠原 淳)

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【人】百合が原公園のパークPFIを進めるコモンズファン代表取締役の林匡宏さん

「対話と連携」で公と民の橋渡し
パブリックスペースの活用探る

自らの職業を「絵師」と名乗る人がいる。コモンズファン(本社札幌)代表取締役の林匡宏さん(42)だ。まちづくりに欠かせないエリアマネジメントやプレイスメイキングを専門とし、ワークショップなどで議論した内容をその場でイラスト化して参加者の想いを共有、方向を見出す水先案内人のような役割。それらの想いを共有するコミュニティを形成し、社会実装をプロデュースする役割も担う。札幌の若手経済人たちと取り組んでいる百合が原公園のパークPFI(都市公園に民間事業者の収益施設を導入し魅力と利便性を高める制度)は、新たな公園の在り方を模索するチャレンジでもある。       (佐久間康介)

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【環境】「ラピダスの本格操業で暮らしはどうなるの?」めぐって公開学習会

道民の懸念 浮き彫りに

いま、シリコンバレーでの
汚染の歴史を教訓にすべき

「マスメディアがラピダス立地の問題点を取り上げないのならば、自分たちで学ぼう」と、NPO法人さっぽろ自由学校「遊」では日本の半導体産業の問題点を学ぶ市民講座を開く一方、講座運営チームのメンバーらが千歳川の採水調査や議会の傍聴、ラピダス周辺の視察などの活動を続けてきた。工場排水を外部に出さない「クローズドシステム」という処理方法があるのにしない、使用される化学物質などに被曝したりPFAS(有機フッ素化合物の総称)による環境汚染の恐れがある、太平洋に注ぐ安平川の水を使い、排水は石狩川水系の千歳川に流す、多額の税金が投じられる…。さまざまな疑問や懸念があるが、マスコミや国、関係自治体は半導体産業の負の側面を伝えようとしない──。
 そうした現状に一石を投じようと4月20日、ラピダスの本格操業による環境汚染やエネルギー問題の行方などをテーマにした同法人主催の公開学習会が札幌市内で開かれた。約150人(うちオンラインは50人ほど)が参加し、道民の懸念や関心の深さを浮き彫りにする企画になった。(ルポライター・滝川 康治)

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【シリーズ・住宅不動産情報】㉚──不足する札幌市内の戸建て分譲用地

大規模な宅地分譲は「今や昔」か
記者が歩いて見つけた適地とは

「市内の市街化区域には宅地に適したまとまった広い土地がない」とは、札幌の住宅不動産業界でよく聞く言葉だ。業界では毎年、翌年や翌々年の戸建て住宅用地として広い土地を仕入れるが、最近はなかなか仕込む用地がないという。札幌市内の土地価格は高止まりしており、個人や企業などの大地主も急いで売る状況にはないからだ。そこで、本シリーズ担当記者が市内でまとまった土地を探してみた。宅地になるかどうかはともかく、目立つ広い土地が数カ所見つかった。(佐久間康介)

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【追悼】拓銀出身で日本清酒の社長と会長を歴任した白髪良一さん逝く

老舗酒造会社の事業改革に道筋
経営巡りメイン銀行を外す気骨

北海道拓殖銀行から「千歳鶴」で知られる日本清酒の社長、会長を歴任し、同社顧問を昨年末に退任していた白髪良一さんが4月26日、86歳で逝去した。葬儀は、故人や家族の思いなどから死亡広告を出さずに一般葬として執り行なわれたが、会場には大勢の参列者が最後の別れに足を運んだ。経済界の役職には就かなかった白髪さんだが、幅広い人脈を持ち情に厚い人柄から多くの関係者に慕われた生涯だった。   (佐久間康介)

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【ニュース】

■「旭川少女いじめ凍死事件」の当事者で
 ある北星中元校長が札幌で反論会見
──「メディアや市教委、今津市長が事実を捻じ曲げた」

■フットサルスタジアムの従業員が
 未払いの給与を求めて労組を結成
──乗っ取り騒動に揺れるセブンスギアに抗議の会見

■陸自不祥事、開示は1年がかり
 道内自衛官処分記録、一部揃う
──空自も8月まで部分延長、海自は無断欠勤に訓戒など

■どうなる江差町の新しい「道の駅」
 議会や町民らから相次ぐ疑問の声
──巨額投資の「北の江の島構想」に厳しい眼差し

■仁木町で24年ぶりの選挙戦に出馬
 現職相手に善戦した新人の宮下氏
──町の官製談合疑惑を追及してきた本人が開けた風穴

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【企業】人口減・少子高齢化社会での地域活性化策とは

健康寿命延伸でもみじ台を元気に
ホクノーに学ぶ地域課題の処方箋

2024年冬の大型食品スーパー北海道上陸など、情勢が大きく変わり始めた道内スーパーマーケット業界。これに伴いスーパー各社の、他との差別化や新たな付加価値の付与といった動きもこれまで以上に消費者や流通業界関係者の関心事になっている。そうした中、少子高齢化など拠点地域の社会課題に真正面から向き合い、地元住民の健康寿命延伸を目指す取り組みなどに長年力を入れている札幌市厚別区が地盤の食品スーパー・㈱ホクノー(野地秀一社長)に、道内外のメディアや大学、自治体行政関係者らが熱い視線を向けている。同社の取り組みは、現在はもとより未来にも通じる地域における食品スーパーの在り方を考える、ひとつの大きな指標になっているようだ。     (髙橋貴充)

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【医療】がん拠点病院「恵佑会札幌病院」の泌尿器科部長に久末伸一医師が着任

ダヴィンチ手術、待望の再開
メンズヘルスにも外来で対応

社会医療法人恵佑会(高橋宏明理事長)が運営する札幌市白石区のがん拠点病院「恵佑会札幌病院」(229床)の泌尿器科トップに、ロボット支援手術の第一人者で北海道出身の久末伸一医師(55)が4月1日付で着任した。同病院の泌尿器科は専門医の不在で3年前から外来対応にとどまっていたが、久末医師の着任により前立腺がんなどの治療で「ダヴィンチ手術」が再開されることになり、今後が期待されている。関東の大学病院を中心に泌尿器外科手術の実績を積み、男性の更年期障害の治療にも取り組んできた久末医師は、「これまで培ってきた技術と知識を故郷のために役立てたい」と意欲を口にしている。(4月25日取材 工藤年泰・武智敦子)

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【文化】小樽まち文化博物館で企画展「回転レストランと宿文化」が5月3日からスタート

消えていった回転レストランを
通して「北の宿文化」を振り返る

昨年5月末に閉館した札幌市中央区の「センチュリーロイヤルホテル」の最上階で営業していた回転レストラン「ロンド」。ここで使用されていた食器などの資料を紹介する特別企画展「回転レストランと宿文化」が、5月3日から10月19日までを会期に「小樽まち文化博物館」(小樽市東雲町)で始まった。ホテルから資料を寄贈された「まち文化研究所」が主催。同研究所主宰の塚田敏信さんは「座っているだけで360度の眺望が楽しめる回転レストランは旅の思い出をつくってもらうための工夫のひとつでした。展示を通して北の宿文化の歩みを紹介できれば」と話している。 (武智敦子)

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【連載】〝農と食〟北の大地から

農的な暮らしや芸術文化を考える「余市農芸学舎」の取り組みから

「農民こそが芸術をやるべきだ」
憧れ目指した宮沢賢治の生き方

「自然の恵みを生かす労働の技とともに、人間らしく幸福に生きるためになくてはならない、芸術や文化について学んでいきたい」と昨年6月、後志管内余市町にひとつのNPO法人が誕生した。今から30年余り前に同町に新規就農して有機農園「えこふぁーむ」を営む牧野時夫さんが構想を温めてきた、宮沢賢治が主宰した農民芸術学校やデンマークの農学校をモデルにして、余市の地に学舎を創る活動を本格化させていく。5年ほど前から続けてきた「農的な暮らしと芸術文化を学ぶ場」をベースにしながら、「将来的には農産物を加工・販売したり、農場レストランなども作って生の音楽を聴いてもらえるようにしたい」と夢を広げる。4月上旬、余市を訪れ、これまでの経緯や今後の活動について訊いた。(ルポライター 滝川 康治)

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【社会】就労継続支援B型事業所が取り組む古着のネット販売

NPO法人 楽しいモグラクラブが
「やりがい」と「賃金アップ」を両立

札幌市のNPO法人「楽しいモグラクラブ」(平田眞弓理事長)が運営する就労継続支援B型事業所「工房mole」が、昨年秋に賃金アップを狙いフリマアプリ「メルカリ」で始めた古着のネット販売が好調だ。古着の仕入れから検品や採寸、商品の梱包、発送などの業務を利用者3人が行なっている。同工房の生活支援員でファイナンシャルプランナーの松島良子さんは「利用者は仕事を通して張り合いが出てきたようで、通所の日数も増えています」と手応えを感じている。 (武智敦子)

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【連載】ルポ「ひきこもり」117──「小樽不登校・ひきこもり家族交流会」の現在【3】

ひきこもり問題の正しい理解を
求めて要望書を小樽市に提出へ

ひきこもりについて正しい理解をしてもらおうと、小樽市の社会福祉法人塩谷福祉会・地域活動支援センター「やすらぎ」と「小樽不登校・ひきこもり家族交流会」が共同で要望書を5月下旬に小樽市に提出する。両団体はひきこもりの現状を市民に把握してもらい、当事者や家族が安心して暮らせる地域づくりを求めており、社会が直面する深刻なひきこもり問題に今後、小樽市がどう対応していくのかが注目される。他都市の支援の状況を交えながら小樽市のひきこもり支援の行方を見ていこう。   (武智敦子)

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【連載】戦争遺産をめぐる旅 【114】

いまなお戦争当時の威容をとどめる
大阪城近くの旧陸軍第四師団司令部

万博の地にある戦争遺産

前回の連載で訪れた真田山旧陸軍墓地の最寄駅である大阪メトロ長堀鶴見緑地線の玉造駅から玉造筋を北に約1キロ歩いたところにある大阪城公園。この公園内に建つのが旧陸軍第四師団司令部庁舎だ。大阪城周辺も太平洋戦争末期にアメリカ軍の激しい空襲を受け、焼け野原となった。旧司令部庁舎は終戦後、連合国軍によって接収され、その後は警察関係の庁舎として使われたが、現在は観光施設「ミライザ大阪城」として利用されている。多くの観光客で賑わう大阪城周辺の戦争関連史跡を歩いた。      (ジャーナリスト 黒田 伸)

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【フォトレポート・トピックス】
●全国系住宅メーカー7社が設立「北海道ハウスメーカー協議会」
●アイビックと北洋銀がタッグ
●火災から復活した石炭博物館模擬坑道が7年振り見学再開
●アオアオサッポロが世界的に人気のスポンジ・ボブとコラボ企画展開催
●下國シェフがSORACHI1984のためのオリジナル道産ホタテ料理を新開発
●観光卸HPI創業者で札学院大前理事長の井上俊彌氏が逝去
●新千歳空港国際アニメーション映画祭、次の第12回開催が決定
●滝上町が誇る日本一の「芝ざくら」の季節到来

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【連載コラムなど】
*つれづれフォトエッセイ
*シネマ
*スポーツ筆刀両断
*古本屋女房の“古本的日常”
*デンタルエッセイ
*北海道妄想紀行
*連載小説 仮面の恋
*よいどれブンガク夜話
*ソレでもナマがすき?
*夏井功の夜を駈ける車イス
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【今月の表紙】
木翁二画『きんのうお』
【報道】札幌の人気フットサルスタジアムに異変【2】

突如、奪われた職場

乗っ取り騒動後に追い出された
アルバイトの若者が本誌に告発

先月号で報じた札幌市東区にある「フットサルスタジアム蹴」の乗っ取り騒動の続報だ。昨年9月、ここを運営する株式会社セブンスギアの業務を取り仕切っていた常務取締役が突如解任され、代表取締役が交代する中で、蹴や関連施設で働いていたアルバイトや正社員の大半が説明がないまま出勤停止となり、当時からこれまでの給料が払われていないことが取材で分かった。新たに代表取締役となった人物が差押債権取立請求訴訟で一昨年に札幌地裁から支払い命令を受けていた不祥事も明らかに。市内で屈指の人気を誇るフットサル場でいったい何が起きているのか──。   (本誌編集長・工藤年泰)

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【報道】告発・絶望の学府㊲

「気づくとロープを…」

看護学生自殺で元職員が重要証言
江差パワハラ、教員ら虚偽報告か

一連の疑惑の表面化から丸4年が過ぎた、北海道立江差高等看護学院のパワーハラスメント問題。第三者調査で事実認定された事案の多くが被害回復に到った一方、最も深刻な被害である在学生の自殺事案は未だ解決をみていない。遺族が道を訴えた裁判が非公開で進む中、ここで改めて事件当時をよく知る元職員の証言に耳を傾けてみたい。犠牲となった学生とのやり取りを振り返りつつ、その人は断言する。「亡くなった原因はパワハラ以外にあり得ない」――。(小笠原 淳)

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【報道】堀の中に静かな動揺

どうなる、「自弁」

刑務所など差し入れ運用変更
敷地内購買窓口が相継ぎ休止

逮捕・起訴されて裁判を待つ人たちや有罪が決まって懲役刑などを受ける人たちが過ごす刑事施設で、静かな変化が起きている。外部の人たちが施設内へ日用品や食料品を差し入れる窓口が、この春までに順次休止されることになったのだ。受刑者などの権利が充分に尊重されなくなるおそれがある事態だが、なくなった窓口の復活は簡単ではなさそうだ。不意の運用変更には、どういう事情があったのか――。(小笠原 淳)

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【報道】報告・「旭川少女いじめ凍死事件」を検証する公開シンポジウム

到底容認できない「捏造報道」
隠蔽しているのは旭川市教委

3月23日夕、札幌市内で「これからのいじめ対応と週刊文春が作り上げた『旭川14歳いじめ凍死事件』」と題した公開シンポジウムが開かれた。この事件は2021年3月下旬、旭川市内の公園で凍死した状態で発見された中学2年の廣瀬爽彩さん(当時14歳)が凄惨ないじめを受け自殺したとされるもの。今回のシンポには、廣瀬さんが入学した旭川市立北星中学校で当時校長を務めていた金子圭一氏(65)など6人が登壇。マスコミやネットで「隠蔽校長」の烙印を押され、バッシングを受けてきた金子氏が初めて公の席で語った内容とは──。   (佐久間康介)

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【報道】今そこにある“隠れ冤罪”

無罪の春

前年度末に相継ぎ言い渡し
不同意性交などで判決確定

年度が改まる直前の3月中旬から下旬にかけ、地元・札幌の裁判所で刑事事件の無罪判決が相継いだ。大きく報じられた事件にからむ事実上の一部無罪判決は確定が持ち越されたものの、過失運転や不同意性交等に問われた被告人らの潔白は捜査側も認めざるを得ず、年度明けと前後して無罪が確定した。いずれのケースでも、問われているのは捜査のあり方。長期間の身柄拘束や結果としての公判請求は、本当に必要だったのか――。

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【シリーズ・住宅不動産情報】㉙──国土交通省が「公示地価」を公表

「観光、ラピダス、エスコン」が牽引
千歳市商業地が上昇率で上位を独占

国土交通省は3月18日、今年1月1日時点の公示地価を発表した。地価公示法に基づき毎年、同省の土地鑑定委員会(不動産鑑定士などで構成)が調査するもので、北海道は対象区域になっている99市町、1345地点の公示地価が示された。全体的に道内は「観光」「ラピダス」「エスコン」という昨年と同じキーワードが土地価格の動向を左右した。住宅地、商業地、工業地の全用途平均は前年比2%の上昇率で9年連続で上昇したものの、昨年の4・6%、一昨年の6・8%から鈍化した。札幌市郊外では住宅価格の上昇で需要が冷え込んでおり、来年の公示地価は全用途平均でマイナスになる可能性もある。   (佐久間康介)

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【環境】ラピダス稼働で北海道の電力事情はどうなるのか?

原発再稼働の呼び水か

電力の大量消費が生み出す
道内経済の負のスパイラル

千歳市内で次世代半導体の量産をめざすラピダスが4月1日、2ナノ半導体の量産に向けた試作を始めた。政府から巨額の支援を受け“国策企業”としての稼働だが、量産化にともなう環境への負荷や道民生活への影響などは示されないままだ。ラピダスの稼働にともなう北海道の電力事情の変化もそのひとつで、企業側から今後の電力需要をめぐる詳細な情報提供はなされていない。こうした状況に対し、環境工学などの研究のかたわら、自然エネルギーの普及促進活動に奔走してきた山形定さんは、「半導体デバイスの製造プロセスは複雑・微細化し、電力消費量が増えていく。情報開示が不十分で確度の高い推定はできないが、ラピダスの消費電力は道内需要の10%を超える可能性もある」と指摘。「需要の増加を泊原発3号機の再稼働で賄えば、バックアップ用の火力発電所も増え、自然エネルギーによる電力の強制停止が行なわれて、北海道経済や道民生活に大きな影響を及ぼす」と警鐘を鳴らす。今回は、NPO法人さっぽろ自由学校「遊」の半導体講座での山形さんの講演要旨を紹介する。    (ルポライター・滝川 康治)

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【環境】北海道風力発電問題ネットワークが中止を求める風発事業

詐欺破産で起訴の人物が手掛ける
遠軽町での風力発電に「待った!」

住民団体「北海道風力発電問題ネットワーク」(佐々木邦夫代表)は3月3日、今年2月に「破産法違反(詐欺破産)」容疑で逮捕、起訴された青森市の「NC電源開発」社長、大山顕徳氏らが別会社「青天ウインドファーム合同会社」を通じ遠軽町の国有林で風力発電事業を計画していることを受け、この事業の中止と撤回を求める要望書を同社に提出した。遠軽の事業をめぐっては、郵送した「意見書」が受取人に届かず返送されたり、建設予定地周辺に使用中止となった危険な農薬が埋設されているなどの問題も浮上していた。佐々木代表は「公共性の高い事業を行なうべき事業者から複数の逮捕者が出た。住民の不信感を払拭するのは困難」としている。    (武智敦子)

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【ニュース】

■札幌地検の事務官に「減給」処分
 即日報道発表も会見は撮影制限
──24年は高検と札地検で「注意」各1件──旭・函・釧は処分なし

■新幹線残土の粉塵に含まれるヒ素の
 測定を求め住民団体が札幌市に陳情
──「要対策土」搬入から3年、払拭されない住民の危機感

■ゲーム同人誌で活躍し急逝した荒木
 聡さんを偲ぶトークイベントを開催
──故人と交流があった2人が小樽で「春の大収穫祭トーク」

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【地域】大通公園のシンボルが文化財に

さっぽろテレビ塔が3月
国の登録有形文化財認定

札幌大通公園のシンボルであるさっぽろテレビ塔が3月13日、国の登録有形文化財に認定された。これを受け3月17日から22日までの6日間を登録有形文化財記念WEEKとして、17日・18日には展望台の入場を無料(※通常は大人1000円、小中学生500円)にしたほか、19日から22日にかけては各日先着200名に非売品の記念切手プレゼント。記念WEEK全日は各日先着2000名にQRコードを読み込むとスマホ画面にマスコットの「テレビ父さん」が飛び出すARしおりをプレゼントするなど、感謝を伝えるサービスイベントを実施した。今回の認定に至った経緯や、さっぽろテレビ塔のこれからについて管理運営会社の長堀昭人管理部長に訊ねた。                          (髙橋貴充)

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【観光】2025春の観光情報

“ひかり”が満ちる
   北の大地へ

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【企業】10万点超えの豊富な品揃え 「道北の全魚種」に対応可能

「つり具センター旭川店」が地元の
熱い支持でリニューアルオープン

旭川の釣り愛好家の間で、「9条さん」として知られる「つり具センター旭川店」(旭川市9条通16丁目)が4月6日、リニューアルオープンした。内外装や店内の什器類を一新し、10万アイテム以上の品揃えで道北の全魚種に対応するサービスを充実させた。

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【医療】災害に強く利用者目線を追求したインテリジェントホスピタル誕生

「カレス記念病院」がオープン

社会医療法人社団 カレスサッポロ(本部札幌・大城辰美理事長)が2022年6月から札幌市東区北6条東3丁目の旧札幌卸センター跡地に建設していた「カレス記念病院」(320床)がこのほど完成し、4月1日にオープンを迎えた。これに先立ち3月29日に同病院で催された落成式の模様をはじめ全室個室で差額ベッドが不要という、これまでにないインテリジェントホスピタルの概要をいち早く報告する。
(佐久間康介・工藤年泰)

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【追悼】急逝した“地域金融機関のご意見番” 小樽商大の齋藤一朗教授を悼む

アカデミズムと社会が交わる
領域で本領を発揮した研究者

小樽商科大学副学長で同大学院商学研究科教授だった齋藤一朗さんが3月18日、肝内胆管がんのため62歳で死去した。齋藤さんは金融論が専門で、地域金融機関の研究を行ない、道内地域金融機関のご意見番として地方銀行や信用金庫、信用組合でも一目置かれる存在だった。長身、細身でありながら、時に鋭く地域金融機関のあるべき姿を説く齋藤さんは、学者の世界と実社会が交わる領域で本領を発揮した。早すぎる突然の訃報に関係者に悲しみが広がる中、本人と親交が深かった濱田康行北大名誉教授に思い出を訊いた。      (佐久間康介)

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【企業】規格外じゃがいもをクラフトビールに

コープさっぽろ・網走ビール
キリン3者がベジビール開発

芽室町産の規格外じゃがいもを原材料に活用したクラフトビールが、このほどコープさっぽろ(本部札幌)から売り出された。その名は「ベジビール」。開発製造を担ったのは看板商品の「流氷ドラフト」をはじめ北海道を代表するクラフトビールメーカーとして著名な網走ビール(本社網走)で、美味しいビール造りを進める味覚監修として国内ビール大手のキリンビール(本社東京)も参画している。食料品などの価格高騰が消費者を苦しめている一方で、味や品質には何ら問題ないのに形の悪さなどから、規格外野菜は市場からはじかれ処分されている現状も続いている。規格外野菜をビール原料に活用するという今回の取り組みは、フードロス問題の解消に向けた新しい動きと言える。         (髙橋貴充)

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【イベント】前例無きコンパクト菓子博にも挑む

水上実行委員長に訊いた
あさひかわ菓子博の魅力

4月13日から国の一大イベントである2025年大阪・関西万博が、10月までの半年間催されるが、そのおよそ1カ月後にもうひとつの博覧会が北海道・旭川市で開催される。それはあさひかわ菓子博(正式名、第28回全国菓子大博覧会・北海道)だ。お菓子のオリンピック、とも呼ばれているこの催しは、国内菓子業界の最大規模のイベントで始まりは明治後期まで遡る。北海道では1968年に札幌で行なわれて以来、57年振りとなる。そのあさひかわ菓子博の実行委員長を務めるのが、北かりブランドのかりんとうが著名な三葉製菓の水上崇社長。水上実行委員長にあさひかわ菓子博の概要や見どころなどを訊ねた。(2月27日取材)

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【連載】北の大地を拓く新・農業人【3】

牛乳販売店の息子が北海道で
開眼した家畜福祉と有機栽培

中川町で放牧酪農を営む東京出身の川和秀仁さん

酪農の新規参入の受け入れに積極的な道北の中川町には、先月号に登場した丸藤牧場の他にも、さまざまなタイプの新規就農者が暮らす。東京の牛乳販売店の家庭で育った川和秀仁さん(38)は、新しい牧場を創るゲームに熱中する少年時代を送り、網走市内の大学に進んでからは牛乳・乳製品の製造・販売の仕事に就こうと考えた時期もあった。十勝管内にあるふたつの牧場の従業員として働いた後、5年前に同町で放牧酪農家に──。十勝時代にアニマルウェルフェア(家畜福祉・AW)の大切さに開眼し、今は「長く牛を飼っていける牧場にしていきたい」と力を込める。そんな川和さんの歩みをふり返りながら、放牧酪農やAW、有機栽培に懸ける生き方を紹介する。(ルポライター・滝川 康治)

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【連載】ルポ「ひきこもり」116──「小樽不登校・ひきこもり家族交流会」の現在【2】

市の「断らない相談事業」に向け
ひきこもり問題の周知へ意見書

小樽市が昨年度から取り組んでいる「重層的支援体制整備事業」。高齢や子ども、障害、ひきこもりなどの問題で課題だった縦割りの福祉行政を排し、分野を問わずワンストップで応じ「断らない相談支援」を目指す。同事業を契機に市民にもっと不登校やひきこもりのことを知ってもらうことはできないか──。ある支援者の発案で、「小樽不登校・ひきこもり家族交流会」のメンバーが家族や当事者の声を行政に届けようと意見を出し合っている。この支援者は「目的は市民にもっと不登校、ひきこもりに関心を持ってもらうこと。これらのテーマを前向きにとらえことができる大会を小樽で開催できれば、理解に向けた機運も高まってくると思います」と意欲を見せる。               (武智敦子)

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【連載】戦争遺産をめぐる旅 【113】

崩壊危機の墓石群が訴える平和
大阪城近くの「真田山旧陸軍墓地」

刻まれた戦争の記憶と記録

大阪城に近いJR大阪環状線玉造駅から徒歩5分の場所に、日本で最初かつ最大の陸軍墓地「真田山旧陸軍墓地」がある。明治維新後の西南戦争に始まり日清・日露戦争から第1次世界大戦、第2次世界大戦までの戦没者約5100柱と墓碑があるほか、8200人を超える先の大戦の戦没者が眠る納骨堂がある。ただ墓碑は7割近くに傷みが見受けられ、崩壊の危機にある墓も少なくない。そこには、戦争で命を落とした人たちの記憶と記録をとどめるため地元の有志たちが補修を続ける姿があった。                  (ジャーナリスト 黒田 伸)

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【フォトレポート・トピックス】
●4/1の閉館までコンセプトを貫いた星野リゾートのOMO3札幌すすきの
●北洋入行式で津山頭取が語った新入行員に向けた3つのお願い
●酪農学園大と世界的酪農機器製造デラバル社が包括連携協定を締結
●地域づくりを応援する太陽財団 対象事業の助成金贈呈式を開催
●春のススキノを愉しむ APRグループの人気店をハシゴ取材
●ススキノピックアップガール「ゆき」(セクシーカフェ モエッタ)
●『夢のお菓子』を考案した5名が白い恋人パークの一日工場長就任

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【連載コラムなど】
*つれづれフォトエッセイ
*シネマ
*スポーツ筆刀両断
*古本屋女房の“古本的日常”
*デンタルエッセイ
*北海道妄想紀行
*連載小説 仮面の恋
*よいどれブンガク夜話
*ソレでもナマがすき?
*夏井功の夜を駈ける車イス
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【今月の表紙】鈴木翁二画
『惜シムキモチ』
【報道】札幌の人気フットサルスタジアムに異変

乗っ取りか、内紛か

運営会社セブンスギアのトップ
交代と取締役解任はなぜ起きた

昨年9月、札幌市東区の「フットサルスタジアム蹴」を運営する株式会社セブンスギアの業務全般を取り仕切っていた常務取締役が突如解任され、同時に代表取締役が交代する“異変”があった。会社乗っ取りが疑われる中で、前常務が刑事告訴をはじめ地位の回復を求めて民事提訴に踏み切ったが、半年が過ぎても決着がつかず、いまなお係争が続いている。市内で屈指の人気を誇るフットサル場でいった何が起きているのか──。 (本誌編集長・工藤年泰)

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【報道】道警不祥事から考える〈76〉

警官わいせつ 懲戒未満

不祥事処分で「指針」に則せず
性犯罪を「信用失墜事案」扱い

北海道警察が報道発表を控えた職員の不祥事の中に、深刻な法令違反で事件捜査の対象となった事案が複数あったことがわかった。警察庁が定める指針に反して懲戒処分を免れていたケースもあり、組織ぐるみの隠蔽が疑われてもやむを得ない状況。定期的な公文書開示請求で判明した事実を、開示された捜査の記録をもとに再現してみたい。懲戒に到らない軽い制裁で済まされた「信用失墜事案」の実態とは――。(小笠原 淳)

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【報道】告発・陸の蟹工船〈9〉

年金詐取で車購入か

恵庭牧場・障碍者虐待裁判
被告の市は牧場主ら聴取へ

早くも3年越しの報告となる、恵庭市の牧場での障碍者虐待疑惑。長期間にわたる“奴隷労働”の被害者たちが牧場関係者と地元自治体とを訴えた裁判で新たに、短期間に百万円単位の年金詐取があった疑いなどが浮上した。物理的な虐待の詳細も次第にあきらかとなり、歯科疾患や靭帯断裂などの深刻な被害が長く放置されていた実態が発覚。元市議会議長への忖度が疑われる自治体の対応も含め、直近の弁論で指摘された事実を急ぎ報告したい。(小笠原 淳)

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【報道】小樽で深刻化するオーバーツーリズム

地元住民の生活を脅かす
インバウンドの観光弊害

映える名所で迷惑行為、駅では人身事故も

全国各地でオーバーツーリズムが問題になっているが、道内有数の観光地、小樽市内でも事態が深刻化。映画のロケ地となった場所などにインバウンドが押し寄せ、1月23日にはJR朝里駅近くで写真撮影のため線路内に立ち入った中国籍の女性が列車に轢かれる死亡事故が起き、JR小樽駅に近い船見坂、札幌寄りの銭函などでは路上で撮影したり私有地に無断で立ち入るなどの迷惑行為が問題になっている。こうした事態を重く見た小樽市は2月10日、道や警察、交通事業者などと「小樽市オーバーツーリズム対策連絡協議会」を立ち上げ対策に乗り出した。  (武智敦子)

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【報道】“核のゴミ”レポートPART42 寿都町での「住民投票」に向けた動きと「概要調査」をめぐる今

「地層処分拒否」は道是

「北方領土に処分場」暴言問題に
透けて見える国の本音と不見識

後志管内の寿都町と神恵内村で行なわれた“核のゴミ”最終処分地選定に向けた「文献調査」の報告書について、実施主体のNUMOによるセレモニー的な説明会が2月19日の稚内会場でいったん終了した。期間中に東京都内で開いた参加型説明会の席上、参加者からの「北方領土に処分場を」提案に対し、経済産業省やNUMOの幹部が賛意を示す問題発言をしたことに批判が噴出。石破茂首相が陳謝する事態になった。そうした一方で、近く寿都町内で実施される見込みの「概要調査の是非を問う住民投票」に向け、地元住民の新たな取り組みが始まっている。年明け以降の“核のゴミ”問題の経緯などを紹介し、無謀な地層処分政策を変えていく道を考える。 (ルポライター・滝川 康治)

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【シリーズ・住宅不動産情報】㉘──北海道リートが資産を追加取得

2年間で資産規模148億円
北海道LOVEで全開モード

北海道の不動産に特化した私募不動産投資信託(私募リート)の「北海道リート投資法人」(本社札幌)が今年2月、資産運用会社の北海道アセットマネジメント(同)を通じて賃貸マンションやビジネスホテルなど3物件、64億円分を追加取得した。これにより運用資産は148億円に。リートの運用環境は金利高もあって厳しい面があるものの、「ラピダス」の工場建設やGXといった北海道の成長性をアピールして資産規模を拡大させる考え。「北海道LOVE」を掲げ、将来的には個人投資家も売買できるJリート入りを目指す。      (佐久間康介)

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【生活】広がるギャンブル依存症──「水原一平事件」は特別ではない

「依存症は病気です」

若者が違法賭博に手を染める
現状に支援団体トップが警鐘

アメリカ・メジャーリーグ、ドジャースの大谷翔平選手の預金口座から約1700万ドル(約26億円)をだまし取った銀行詐欺などの罪で禁錮4年9月の判決が言い渡された元通訳の水原一平被告。事件が発覚した直後からネット上で人格まで否定するような批判の嵐が吹き荒れる中、「個人の問題として矮小化すべきではない」と声高に発信を続ける女性がいる。プロ野球選手がオンラインカジノに手を出すなど、違法賭博にスポーツ選手や若者が巻き込まれる現状に強い危機意識を持ち、道民に対しても警鐘を鳴らしている。   (ジャーナリスト 黒田 伸)

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【追悼特集】急逝した小金澤健司 北海道観光機構会長を悼む 【続編】

誰もが語る「持って生まれた
人を引き付ける魅力と感性」

WEBコールセンター、アイティ・コミュニケーションズ(本社札幌)創業者で、22年から公益社団法人北海道観光振興機構(後に北海道観光機構に名称変更)会長に就いていた小金澤健司氏。その小金澤氏が1月11日、64歳で客死したことを受け、先月号に続けて追悼記事をお届けしたい。「ひとりでの創業」から従業員1500人を超える企業に成長させた起業家が、北海道観光機構の第2創業というべき大改革に取り組んでいた最中に起きた突然の不幸──。その“余震”はまだ続いている。今月号では小金澤氏とゆかりの深かった友人2人に思い出を語ってもらった。         (佐久間康介)

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【ニュース】

■旭川少女いじめ凍死事件を検証する
「公開シンポジウム」を札幌で開催へ
──本誌で当時を証言した金子元校長などが講演予定

■「みどり戦略」や需要増で追い風
 ロット確保や市場拡大に課題も
──札幌で開催された有機農業全道交流会で活発議論

■廃刊のネムロニュース全面敗訴
 地位確認訴訟で二審も賠償命令
──元記者らの訴え認め控訴棄却、双方上告せず判決確定か

■鳥獣法改正案、ハンターは歓迎
「大きな前進」と銃所持裁判原告
──上告中の裁判の行方にも期待大きく

■「ボールパーク人気」に沸く北広島
 6期目狙う上野市長に死角なし?
──交流人口は増えたが市の人口は減少、地元活性化に課題も

■自衛官難聴訴訟に助っ人合流へ
 ALS公表の西村弁護士が意欲
──障碍者問題に精通、自衛官の公務災害認定の実績も

■異例の再調査で“犯人捜し”認定
 陸自パワハラ、アンケは「廃棄」
──告発の自衛官は防相へ「真摯な対応」呼びかけ

■ゲーム同人誌などで活躍し急逝した
 異才の図録刊行を記念したミニ展示
──小樽文学館で「荒木聡 ゲームとアニメの間に ミニ」開催中

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【医療】
脳神経外科の中村記念病院が展開する
「脊椎脊髄・末梢神経・脊損センター」

腰痛・しびれ外来で幅広い
疾患に最適解の治療を提供

札幌の都心部に立地し、国内屈指の脳神経外科専門病院として有名な社会医療法人医仁会 中村記念病院(中村博彦理事長・院長/499床)。同病院の「脊椎脊髄・末梢神経センター」がこの3月から名称を「脊椎脊髄・末梢神経・脊損センター」(大竹安史センター長)に変更し、より幅広い診療に乗り出した。「腰痛・しびれ外来」で手足のしびれや腰、背中の痛みに悩む患者に対応するほか、若手の福田衛医師を副センター長に迎え体制を強化。大竹センター長(46)は、「当センターでは院内の脊椎・脊髄、末梢神経に精通した脳神経外科や脳神経内科、放射線科、整形外科の医師が連携し、症状に合った最適解を提供したい。しびれや腰痛などで悩む人はぜひ受診してほしい」と話している。 (2月27日取材 工藤年泰・武智敦子)

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【企業】鶴雅観光開発が支笏湖温泉で「湖白の抄」を建設

支笏湖鶴雅ビレッジ構想で
3館が連携、100室体制へ

道内観光ホテル大手、鶴雅ホールディングス(本社釧路・大西雅之社長)の事業会社、鶴雅観光開発が支笏湖温泉で「しこつ湖鶴雅別荘 湖白の抄(こはくのしょう)」の建設に着手する。すでに同社は同温泉に「しこつ湖鶴雅別荘 碧の座(あおのざ)」「しこつ湖鶴雅リゾートスパ 水の謌(みずのうた)」を展開しており湖白の抄で3館目。この3月末に着工し2026年6月末に完成、オープンは7月中旬を予定している。

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【2025春の全国交通安全運動】

事故防止に徹底して取組む
自治体・団体の活動に学ぶ

西興部村は輪禍死ゼロ30年を達成

今年は4月初旬より行なわれる、春の全国交通安全運動。北海道によると2025年は、例年と比べて多くの地域で積雪の少ない時期が多かったことを背景に、高速走行や路面状況に対する注意不足などにより交通死亡事故が急増。2月27日までに前年同時期と比べ亡くなった方が16人も増えており(総数は25人)、翌28日に「交通死亡事故多発警報」を発表する状況にまで至った。交通事故に遭わない、起こさないは日々誰もが意識付けしていかなければならない。今回の本稿では30年間交通事故死ゼロを達成した自治体や、組織をあげて交通安全活動に力を入れている団体などからの見習うべき取り組みを紹介していく。

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【連載】北の大地を拓く新・農業人【2】

横浜っ子が築いた持続可能な農業
着実な経営管理で得た大きな成果

放牧酪農のモデル事例を創った中川町の丸藤牧場

新規就農者の受け入れに積極的な上川管内中川町で、横浜市内のサラリーマン家庭で育った夫婦が16年ほど前から放牧酪農に取り組み、自給飼料の給与や放牧に適した牛づくりなどを通して「持続可能な農業」を実現している。北海道酪農の厳しさばかり強調される時代にあって、多額の負債も償還できる目途も立った。10年先を見すえた事業計画書の作成など着実な経営管理が成果を上げた大きな要因のようだ。毎日の仕事のかたわら、放牧志向の酪農家らによる交流会の開催や情報交換、就農希望者からの相談…と、活動のすそ野は広い。地域農業を牽引する存在になった同町の丸藤牧場の歩みと放牧酪農の取り組み、今後の展望などについて話を訊いた。   (ルポライター・滝川 康治)

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【連載】ルポ「ひきこもり」115──「小樽不登校・ひきこもり家族交流会」の現在【前篇】

動き出した市社協との関係改善
先達や周囲の支えで新たな一歩

家族や当事者に、ある限りの情報を伝えていきたい──。ひきこもり支援の先駆けで知られる鈴木祐子さん(77)の活動をルーツとする「小樽不登校・ひきこもり家族交流会」がそんな思いを新たにしている。背中を押すのは、当事者や家族の居場所づくりに取り組む札幌のNPO法人や小樽市内の社会福祉法人などだ。これまで円滑ではなかった小樽市社会福祉協議会との関係も改善に向けて動き出した。家族交流会の代表Mさん(62)は「ここまで歩いてくることができたのは、皆さんの支えがあったから。悩んでいる親や当事者のために活動を続けていきたい」と話している。    (武智敦子)

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【連載】戦争遺産をめぐる旅 【112】

「陸軍最後の特攻基地」を伝える
鹿児島県の万世特攻平和祈念館

飛行兵の笑顔が問い続けるもの

アメリカ軍が沖縄への上陸作戦を開始した1945年3月下旬以降、旧陸軍は航空機を使ったアメリカ艦船への特攻作戦を頻繁に行なうため鹿児島県の知覧基地のほかにもう1カ所、県内の飛行場を特攻基地として使用した。同年3月から7月までの約4カ月間だけ使われた万世(ばんせい)飛行場だ。ここからは201人の隊員が沖縄に向けて出撃し、戦死した。その飛行場跡に開館したのが「万世特攻平和祈念館」。昨年の晩秋に訪れると、出撃前の特攻隊員たちを写した有名な1枚の写真に目が留まった。             (ジャーナリスト 黒田 伸)

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【フォトレポート・トピックス】
●サツエキ近くに605室のホテル 札幌ホテルbyグランベルが開業
●大和ハウスが旭川初のタワマン プレミスト旭川ザ・タワー竣工
●せたな・今金両町が共同で開発「半島食堂 十八番」特産品4品
●北海道では57年振り。5月末から旭川で開催する全国菓子大博覧会
●「北のハイグレード食品」など道産食品を評する3式典開催

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【連載コラムなど】
*つれづれフォトエッセイ
*シネマ
*スポーツ筆刀両断
*古本屋女房の“古本的日常”
*デンタルエッセイ
*北海道妄想紀行
*連載小説 仮面の恋
*よいどれブンガク夜話
*ソレでもナマがすき?
*夏井功の夜を駈ける車イス
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【今月の表紙】鈴木翁二画
『三回目の開店│佐藤寝具』
【報道】旭川 少女凍死事件の深層【4】──再調査委を批判する金子圭一元校長が当時を証言(後篇)

吹き荒れた誤報道の嵐で
引き裂かれた尊厳と教育

時計の針は戻せないが、間違いを正すことで痛みは癒すことができる──。2021年3月23日、旭川市内の公園で凍死体で見つかった廣瀬爽彩さん(当時中学2年生・14歳)が通っていた中学校の元校長・金子圭一氏(65)の証言を聞いて思うことのひとつだ。彼女が入学して最初の夏休みを前に起きた入水騒動、そして入院、転校までの経緯を語ってもらった先月号に続き、後篇で金子氏は「旭川少女凍死事件」に関する報道の問題について多く触れた。「誤りに満ちた一連の記事は、まるで嵐のようでした。あれで当事者たちの尊厳と教育現場が引き裂かれたことは間違いありません」(金子氏)  (本誌編集長・工藤年泰)

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【報道】告発・絶望の学府36

「彼を二度殺すのか」

江差看護・学生自殺訴訟
同窓生が第三者委へ証言

当事者遺族と北海道との裁判に発展した、道立高等看護学院の在学生自殺問題。被告の道がパワハラ全否定の主張を展開する中、地元報道の独自取材で新たな情報が伝わった。亡くなった学生の同級生が第三者調査に応じ、学校による口封じの事実を証言していたという。本誌は2年あまり前、その声の主とみられる人物との接触を果たしていた。無念の記憶を抱え続けることになったその人は、当時の取材に何を語ったか――。(小笠原 淳)

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【報道】隠蔽される公務災害

「真実 知らせたい」

現職自衛官が実名・顔出し提訴
射撃などで難聴、国に賠償請求

1月下旬、現職自衛官が名前と顔を隠さずに国を訴えた裁判の口頭弁論が札幌で始まった。長年にわたる射撃訓練などで難聴を発症した原告の男性は、同じような被害が表面化せず多くの同僚たちが今なお苦しんでいる実情を訴える。声なき声を代弁する目的は、到って明快。国民に真実を知らせたい――。「何もしないのは責任の不履行」との信念の下、組織の安全配慮義務違反を問う闘いが幕を開けた。(小笠原 淳)

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【報道】道警不祥事から考える〈75〉

相継ぎわいせつ、盗撮

警官ら処分、前年比大幅増
道警不祥事2024年速報

公文書開示請求で掘り起こした地元警察の不祥事を本誌面で初めて報告したのが、2016年1月号の小欄。それから9年以上が過ぎてなお、懲戒処分の全件公表を免れる“警察特権”は揺らいでいない。近年は地元紙も本誌と同旨の開示請求の成果を報じ始め、未発表事案がニュースになる機会こそ増えたが、当局が特権を手放す動きは見えないままだ。文字通りの“十年一日”を確認した上で、去る2024年の処分等記録の速報値を報告したい。(小笠原 淳)

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【報道】半導体産業の世界的再編と「ラピダス」との関係を探る

抜け出せない成功体験

識者が警鐘「米国による間違った
経済軍事戦略に組み込まれるな」

「日本の半導体産業は過去の成功体験から抜け出せず、周回遅れになっている。半導体の受託製造に特化した台湾企業のTSMCが独走状態の中で、政府は『今からスタートする』と言うが、無理筋な話ではないか」「グローバル化した供給体制は再編成を余儀なくされているが、このままでは中国を封じ込め、半導体を囲い込むための米国の間違った戦略に巻き込まれるだろう」──先端半導体企業「ラピダス」の建設に前のめりになる経済産業省や北海道に対し、札幌学院大学教授で経済学者の浅川雅己さんが警鐘を鳴らす。
 一昨年に突然表面化した「ラピダス」の立地話に対し、半導体技術や国内外の経済事情に疎い多くの道民はこれまで傍観するしかなかった。道や建設地の千歳市などは立地に伴う“負の影響”を深く検証せず、大手マスコミも問題点を伝える姿勢に乏しいが、NPO法人さっぽろ自由学校「遊」の市民講座では、半導体事業の問題点を学ぶ作業が続く。今回は、世界的な半導体産業の再編と「ラピダス」との関係について、浅川さんの話を紹介する。
(ルポライター・滝川 康治)

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【シリーズ・住宅不動産情報】㉗──札幌市が市街化調整区域で工場建設誘導へ

業種規制の緩和と面積拡大で
市内工業用地の不足解消狙う

札幌市内には19カ所の工業団地と区画整理事業による工業系用地1カ所、工場適地が5カ所ほどある。しかし、市が新規に造成予定の工業団地はなく、工業系用地や工場適地はほぼ満杯で、工業用地が絶対的に不足しているのが実情だ。千歳市や恵庭市、北広島市などでは、ラピダスの波及効果で工場や物流施設の建設が活発だが、札幌市はこうした誘致が事実上難しく受け皿が十分ではない。そうした中、市では来年度から市街化調整区域に建設可能な工場や物流施設について規制緩和を進める考えだ。(佐久間康介)

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【追悼特集】急逝した小金澤健司 北海道観光機構会長の足跡と直言

単身で渡道し北の大地で
花を開かせた芸大中退生

残した観光機構大改革のレガシー

WEBコールセンター、アイティ・コミュニケーションズ(本社札幌)創業者で、2022年6月から公益社団法人北海道観光振興機構(のちに北海道観光機構に名称変更)会長に就いていた小金澤健司氏が1月11日、64歳で客死した。大阪で金融系の会社に勤めた後、40歳で単身渡道してアイティ・コミュニケーションズを起業し、札幌を中心に全国6カ所とベトナムに拠点を持つ従業員約1500人の会社に成長させた経歴。そんな小金澤氏が観光機構の大改革に取り組んでいる最中に飛び込んできたのが今回の訃報だった。本特集では、生前に交流のあった人たちに同氏の人となりを尋ね、後半で本年1月号に掲載した直近のインタビューを再録した。胸に熱い情熱を抱いていた類稀な起業家を偲び、その軌跡を辿りたい。  (佐久間康介)

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【ワクチン】「北海道有志僧侶の会」を立ち上げた惠弘寺・足立隆厳住職に訊く

私が「僧侶」として新型コロナ
ワクチン接種に反対する理由

新型コロナワクチンをめぐっては、道内でも複数の基幹病院が4回目の接種を中止するなど、その有効性と安全性にかねてから疑問が呈されていた。そうした中、昨年10月からは65歳以上の高齢者らを対象とした新型コロナワクチンの定期接種が始まった。新たに登場した「レプリコンワクチン」は一度の接種で長期間効果があると期待される一方、体内にmRNAを入れることへの安全性が危惧されている。そんな新型コロナワクチンに「NO」を突き付けているのが、「北海道有志僧侶の会」だ。同会代表で札幌市北区新琴似にある真言宗惠弘寺の足立隆厳住職を訪ね、これまでの活動と胸にある思いを訊いた。(武智敦子)

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【ニュース】

■突然の廃刊宣言、サイトも閉鎖
 ネムロニュース創刊3年で終了
──元記者らの地位確認訴訟は本号発売直前に二審判決

■最優先事項は「ハンターの安全」
 猟友会がヒグマ問題で支部通知
──駆除協力者への不利益な取り扱い「あってはならない」

■イオンやロピアの“巨人”に囲まれた
 小兵スーパーの「北海市場」が存在感
──顧客ニーズを取り込み運営会社は6期連続で増収増益

■仁木町の宮下氏がワンテーブル問題で
 佐藤町長を相手に2月中旬にも提訴へ
──法廷に持ち込まれる「町と事業者との癒着疑惑」

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【2025 釧路特集】──内閣府特命大臣・衆議院議員 伊東 良孝氏に訊く

道内初の北方対策大臣に就任
若者や女性に選ばれる地方を

釧路市議を皮切りに道議、釧路市長を経て国政で活躍してきた伊東良孝衆議。その伊東衆議が昨年秋に発足した石破茂内閣で初入閣を果たし、地方創生と沖縄北方対策を担当する内閣府特命大臣として存在感を高めている。長年に亘り築いてきた石破氏との絆、同氏と共有してきた地方創生に対する熱い思いが今回の就任につながった形だが、膠着状態となっている北方領土返還交渉や墓参再開に向けても地元から多くの期待が寄せられているところだ。就任3カ月を経た伊東衆議に、内閣府特命大臣としての抱負をはじめ地元釧路の現状、北方領土問題に取り組む考えを訊いた。
  (1月29日取材 工藤年泰)

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【2025 釧路特集】──衆議院議員 鈴木 貴子氏に訊く

目指す道東道のさらなる延伸
地域の魅力を財産に変えよう

自民党が大敗した昨年10月27日の総選挙で北海道7区から出馬し、逆風の中で初めて小選挙区当選を果たした鈴木貴子衆議院議員(39)。同党を揺るがせた「政治とカネ」の問題では「政治資金規正法で透明性と公開性を担保し、罰則をしっかり設けることが必要」と訴え、選挙の結果に悔しさを隠さない。昨年3月に自民党青年局長に就任し「全国に同世代の仲間ができた」と今後に大きな手応えを感じている若きエースに、釧根地域で進む交通インフラ整備の意義や今後の展望、釧路の現状と課題などを訊いた。キーワードは「地域の魅力を財産に変える」だ。 (1月11日取材 工藤年泰・武智敦子)

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【2025 釧路特集】──釧路市長 鶴間 秀典氏に訊く

釧路湿原はじめ地域の自然を
ソーラー乱立から絶対に守る

2020年に釧路市長選に初出馬。4年後の2024年に再び挑み初当選した鶴間秀典市長。2度の市長選ともまちの衰退を憂いての立起だったが、昨年の選挙では有権者が危機感を覚える程その度合いがより深刻になっていたという。地域衰退の大きな原因である人口減少対策には、教育機関とその関連企業誘致による若者の呼び込みで対応する考え。目下全国でも懸念されている釧路湿原などでの太陽光発電施設乱立に対しては条例制定などで、是が非でもこれ以上の開発に歯止めをかけていく姿勢だ。このほか市政全般をどう舵取りしていくのか、鶴間市長に訊ねた。 (1月14日取材)

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【2025 釧路特集】──五明 社長 五明 龍哉氏に訊く

コロナ禍危機を経て痛感した
新規事業に挑むことの重要性

飲食店向け酒販業と鮮魚店を事業の主な柱に地域と共に歩み、その経済の盛衰も見つめてきた釧路の100年企業・五明(ごめい)。現在同社の舵取りをしているのが創業から4代目の五明龍哉社長だ。2021年、先代である父の急逝に伴い代表を受け継いだが、その時期は飲食業界に激しい嵐が吹き荒れたコロナ禍中。会社存続も危ぶまれた状況を経験し、新たな柱事業創出の重要性を痛感したという。そのひとつである宿泊施設「霧ノ音」の開業は全道規模で大きな関心を集め、またご当地酒「海霧(ジリ)レモンサワー」の普及にも尽力した。そんな五明社長に地元釧路への思いなどを訊いた。 
 (1月14日取材)

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【2025 釧路特集】雄別炭礦鉄道の歴史も伝えるSL8722号

多角化で宇宙ビジネスにも挑む
釧路製作所が目指す地域の未来

雄別炭礦鉄道全額出資の関連会社として1956年に創業し、その後は「日本最東端の橋梁メーカー」として著名になっていった橋梁事業や、コンビナートの石油タンクといった製缶製造など鋼構造物の製作・施工で大きな存在感を放つ釧路製作所。だが著しく進む公共事業縮小の動きの中、持ち前の技術力を活かして事業の多角化を進めている。それはひとえに持続可能な企業として生き残っていくため。現在取り組んでいる新規事業の中には、まさにこれからさまざまな可能性が期待されている宇宙関連産業もある。かつて地域を大いに盛り上げた石炭産業を支え、現在では最先端産業にも乗り出している同社のこれまでとこれからを訊ねた。                           (1月15日取材)

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【企業】サッポロビール・森本光俊 北海道本部長に訊く

「サッポロ クラシック」が40周年
より北海道のビールとして定着を

「“情質価値”の創造」でコト消費も刺激

2024年は全国でビールカテゴリーのうちビールが売上前年比107%、RTDも同107%と好調だったサッポビール。そうした商況を追風に今年迎えるのが、ふるさとへの恩返しのために開発された北海道を代表するビール、「サッポロ クラシック」の40周年だ。昨年12月よりそれを記念したリニューアル商品が販売しているが、さらなる品質向上へ原料、製法とも徹底的にこだわり、同時により北海道のビールとして根付くようタグラインには「The HOKKAIDO BEER」と記した。また今年はRTDでも大型商品が登場。さまざまな新たな動きについて、森本本部長に訊いた。 (1月23日収録)

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【ビジネスリポート】

ラピダス機材の搬入基地へ
飛躍する国際貨物「SIACT」

北海道エアポートの新たな輸入事業

いま全国や世界から熱い眼差しを向けられている建設中のラピダス社・次世代半導体工場(千歳市)。その半導体製造に欠かせない精密機械の受け入れで、最近大きな存在感を見せているのが北海道エアポート(HAP)の国際貨物部、通称SIACT(シアクト)だ。そもそも新千歳空港における海産物の輸出に関連する業務が主だったが、コロナ禍や中国禁輸などの影響で近年大幅に輸出需要が減少。それに代わるラピダスがらみの輸入業務が生まれたことは、HAPにとって朗報であると同時に新しい挑戦への始まりでもあった。SIACTの取り組みを通じて、新千歳空港における国際貨物の動きをレポートする。          (1月8日取材)

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【Agri Report】──北の大地を拓く新・農業人【1】

手が届く規模で実現させた〝楽農〟
牛を自然の摂理の中で飼い活路

豊富町で〝ミニマル〟牧場を創った田中真生さん

北海道には「四季の変化を感じながら伸び伸びと働きたい」という思いを抱き、農業の現場を目指す人たちが大勢いる。しかし、技術の習得や資金調達、就農先選びなどの課題も多く、夢を諦めるケースも──。そうした状況の中でも酪農や野菜づくりなどで新規就農を実現した人たちが各地に存在する。そこで20~40代の若手参入者を訪ね、就農までの経緯やハードル、仲間や地域の人たちとのつながりなどに耳を傾けてみることにした。「北の大地を拓く新・農業人」の第1回は、新規就農の両親のもとで育ち、21歳の時に青年海外協力隊員としてフィリピンに渡り、帰国後に自前のミニマル(必要最小限な)牧場「たなか家」を立ち上げた、宗谷管内豊富町の田中真生さん(36)の歩みと農業に対する考え方、現在の暮らしぶりなどをレポートする。
 (ルポライター・滝川 康治)

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【連載】ルポ「ひきこもり」114──KHJ道支部「はまなす」の北郷恵美子会長が勇退へ

持ち前の行動力と包容力で親と
当事者を励まし続けてきた14年

ひきこもりの子どもを持つ親の全国組織、NPO法人「KHJ全国ひきこもり家族連合会」の北海道支部「はまなす」で長年会長を務めてきた北郷恵美子さん(79)がこの4月で会長を退く。2002年の会発足後、2011年に会長に就任し、持ち前の行動力と包み込むような優しさで、地域から孤立しがちな家族の悩みに耳を傾けてきただけに今回の勇退が惜しまれる。「4月以降は相談役として自分のできる範囲で活動を続けていきたい」と話す北郷さんに、家族会の歴史や活動を振り返ってもらった。  (武智敦子)

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【連載】戦争遺産をめぐる旅 【111】

空襲を受けても奇跡的に残った
東大和市の日立航空機変電所跡

西の原爆ドーム、東の変電所跡

東京・多摩地区の北部に位置する東大和市に、1938(昭和13)年に建設された軍用機エンジン製造工場、日立航空機立川工場があった。その敷地内の「旧日立航空機株式会社変電所」が戦災建造物として同市の文化財に指定され、週に2日だけ内部が一般公開されている。奇跡的に残った変電所建物の南外壁面には夥しい数の弾痕が残り、当時、アメリカ軍から激しい攻撃を受けたことを伝えている。人口約8万3千人の静かなベッドタウンの都立公園に佇む旧軍需工場の変電所は、どうやって戦火をかいくぐり今なお保存されているのか。「奇跡の物語」とも言われる、その経緯を取材した。                (ジャーナリスト 黒田 伸)

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【フォトレポート・トピックス】
●北海道生まれの通年ゼロエネ「呼吸する換気口」 流行のトリプルデミックも換気で予防
●ジョイフルタウン建設の陰で商業立地は明暗の差が鮮明に
●むすめやホール大麻がさまざまな葬儀に対応する多機能斎場に一新
●書評『女三代の「遺言」 あるファミリーにつらなる物語』(武田尚子著)
●昭和新山に集まる精鋭チーム 国際雪合戦 まもなく開催へ!
●ISHIYA Gの春スイーツが続々
●市街地と阿寒湖の中間に位置する釧路観光の拠点「道の駅 阿寒丹頂の里」
●ススキノピックアップガール「ゆりか」(セクシーホスピタル イーアール。)
●草莽の僧侶 小西征夫さんが『他力』を説く11冊目を刊行
●函商とカドウフーズが七飯町の規格外人参でドレッシング開発

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【連載コラムなど】
*つれづれフォトエッセイ
*シネマ
*スポーツ筆刀両断
*古本屋女房の“古本的日常”
*デンタルエッセイ
*北海道妄想紀行
*連載小説 仮面の恋
*よいどれブンガク夜話
*ソレでもナマがすき?
*夏井功の夜を駈ける車イス
*人物株価
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【今月の表紙】鈴木翁二画
『リンゴの木とヒヤシンス』
【報道】旭川 少女凍死事件の深層【3】──再調査委を批判する金子圭一元校長が当時を証言(前篇)

爽彩さんが居場所を求め
さまよい続けた「3カ月」

2021年3月下旬、旭川市内の公園で凍死体で見つかった広瀬爽彩さん(当時中学2年生・14歳)。その亡くなり方の凄惨さも相まってこの事件は全国的に注目され、旭川市による2回にわたる調査の結果、「いじめが自殺の主因」とされたことは周知の通りだ。だが広瀬さんが入学した中学校の当時の校長・金子圭一氏(65)は、「事実に反する」として再調査の結果に憤りを隠さない。1年生の夏休みを前に起きた入水騒動、入院、そして転校──。わずか3カ月の間に彼女の身にいったい何があったのか。教育現場のトップだった金子元校長が取材に応じ、当時の様子を赤裸々に語った。 (本誌編集長・工藤年泰)

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【報道】告発・絶望の学府㉟

道「パワハラなかった」

江差・自殺訴訟で仰天主張
第三者調査報告を全面否定

事態の表面化からまもなく丸4年が過ぎる、公立看護学院のパワーハラスメント問題。第三者調査の対象となった事案の多くでハラスメント被害が認められた中、最悪の被害といえる在学生の自殺事案が驚きの展開を迎えた。自殺とパワハラとの因果関係を認めようとしない北海道が、この期に及びパワハラの事実そのものを否定し始めたのだ。一昨年春に公表された調査報告や担当課・知事の謝罪は、いったい何だったのか――。(小笠原 淳)

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【報道】狩人、銃を奪われる⑪

「高裁判決は違憲」

ヒグマ駆除めぐる裁判、最高裁へ
地元ではハンターらが意見交換会

2018年の夏に起きた出来事が、ついに8年越しの問題となった。自治体の要請でヒグマを駆除して罪に問われたハンターは、今も銃を差し押さえられたまま。地元公安委を相手どった訴えで、昨年の逆転敗訴判決を不服として最高裁に同判決の破棄を求めたところだ。駆除の現場への波紋は大きく、北海道が音頭を取った意見交換会では「ハンターだけの問題ではない」と訴える声が。問題解決までに今後どのぐらいの時間が費やされることになるのか、関係者たちには知る由もない。(小笠原 淳)

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【報道】“核のゴミ”レポートPART41 「文献調査報告書」の説明会と地層処分政策への疑問

綻び始めた壮大な虚構

概要調査に向けNUMOが道内
各地で続ける不毛なセレモニー

後志管内の寿都町と神恵内村で2020年から行なわれてきた“核のゴミ”最終処分地選定に向けた「文献調査」の報告書について、NUMO(原子力発電環境整備機構)による説明会が各振興局の所在地を中心に開かれている。道民の疑問に対し、文書の質問は受け付けるが口頭でのやり取りはせず、「詳細は概要調査でチェックする」と繰り返す。経済産業省の担当課長は法律を盾に「地層処分が唯一の方法」と豪語する……。そこには道民の懸念について丁寧に対応する姿勢は窺えなかった。「概要調査」に向けたセレモニーの色彩が濃い説明会の実態や破綻した核燃料サイクル政策の現状、立地調査の手法を疑問視する地質研究者の声、住民投票の行方などを探った。  (ルポライター・滝川 康治)

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【報道】再エネ事業問題に揺れる仁木町で佐藤町長が出馬表明

“4月決戦”に向け対立候補
擁立を模索する住民団体

受託事業者を変えても晴れぬ疑惑

再生可能エネルギービジョン策定業務事業を宮城県内の備蓄食品製造会社「ワンテーブル」に委託した問題がくすぶる仁木町で佐藤聖一郎町長(49)が、12月19日の町議会定例会本会議で任期満了に伴う今年の町長選(4月22日告示、同27日投開票)への出馬を正式に表明した。一方、仁木町が同社に業務を委託したのは官製談合の疑いがあるなどとして、住民監査請求を行なっていた同町の農業、宮下周平氏(74)は「佐藤町長では仁木町の未来は見えない」として候補者擁立に動いていることを明らかにした 。(武智敦子)

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【シリーズ・住宅不動産情報】㉖──変わりゆく札幌の電車通(南1条通)の街並み

大和ハウスのマンション計画続々
興和地所は旧「中殿ホテル」解体へ

札幌市中央区の南1条通の西4丁目から西15丁目付近までは、札幌市電が走っているため通称「電車通」とも呼ばれる。片側1車線の中央を走る市電が街並みに溶け込み、都心部の情緒を醸し出している。そんな電車通の街並みが変化の渦中にある。既存のオフィスビルが相次いで解体工事に入っており、跡地にはマンションやホテルの建設が計画されている。電車通の変わりゆく現場をレポートする。 (佐久間康介)

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【環境】北海道風力発電問題ネットワーク代表・佐々木邦夫さんに訊く(後篇)

いま北海道に押し寄せている
風力発電の現状とリスクとは

凄まじい勢いで北海道に押し寄せている風力発電の波。山林を破壊し巨大な風車を建設しようとする事業者から見えてくるのは、環境や健康への影響を度外視して利益のみを追い求めようとする姿だ。「北海道風力発電問題ネットワーク」の代表などを務める佐々木邦夫さんは、「事業者は環境や人、生き物など多岐にわたってモニタリングを続け5年後、10年後にどのような影響があるかを調査する。そして何か問題があるならできるだけ解消し、次の事業につなげるべきです。しかし、現状ではそれが行なわれていないのが大きな問題です」と警鐘を鳴らす。  (武智敦子)

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【ニュース】

■札地検・新トップに安藤検事正
 国民からの信頼「失うのは一瞬」
──着任会見で定番の「趣味」「座右の銘」質問消える

■全可視化・弁護人同席「早急に」
 黙秘権侵害訴訟で賠償命令確定
──被告の道警が控訴断念「合理的理由みつからず」

■雪像だけではない。雪まつり
 期間の札幌おすすめまち歩き
──楽しみ方いろいろ。市内近郊で多くの協賛行事も

■新幹線の要対策土搬入丸3年で
 手稲星置地区の住民が抗議行動
──住民が懸念する粉塵中のヒソ濃度

■余市の学習会で語られた風車被害
 寿都へ移住した女性が覚えた不調
──専門医は「風車による低周波障がい」と診断

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【2025 道東・根室特集】──石垣雅敏市長に訊く

市民を守り市民が集う新庁
舎は防災と交流の一大拠点

若い担い手が育つ北方領土返還運動

ロシアの侵攻によるウクライナ戦争の長期化に加え、元島民の高齢化も進み、待ったなしの北方領土問題。ただ最前線のまち根室市では、返還運動で若い世代の尽力も目立ってきており、希望が次世代に託されつつあるようだ。その根室市では令和6年5月に市役所新庁舎が供用開始。大規模災害への強固な備えをはじめ、市民や観光客の交流拠点として話題を呼んでいる。最上階のサロンは知床半島や北方領土の島を望める新たなビューポイントになり、自治体庁舎としては珍しく土日祝もこの展望フロアと1階を開放している。新庁舎の始動でまちの雰囲気もリフレッシュした印象がある中で、「水産都市の再興」を掲げて2期目を走る石垣雅敏市長(73)に、根室の“いまとこれから”を訊いた。 (12月23日取材 工藤年泰)

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【2025 道東・根室特集】千島歯舞諸島居住者連盟理事・根室支部長 角鹿泰司さんに訊く

消えていない日露交渉の種
若い世代らに託す返還運動

ロシアによるうウクライナ侵攻から丸3年が近づいている。この間に起きた日ロ関係の悪化は北方領土問題に暗い影を投げかけ、島はますます遠い存在になりつつある。しかし、戦後79年間にわたって返還運動を続けてきた元島民や後継者たちは、必ず光が差してくるという希望を失わず今も脈々と活動を続けている。歯舞群島勇留島に生まれ、実父から返還運動を引き継いで半世紀になる、公益社団法人千島歯舞諸島居住者連盟理事・根室支部長の角鹿泰司(つのか・やすじ)さん(87)に、返還に向けた活動を若い世代に託す思いを訊いた。    (佐久間康介)

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【2025 道東・根室特集】大地みらい信用金庫・伊藤哲也理事長に訊く

根釧の企業が持つ底力を信じ
事業を強くし、地域を元気に

金融機関の枠を超える支援を展開

大地みらい信用金庫(本店根室市)の新理事長に伊藤哲也常務理事が昇格して半年。就任時は48歳と、その若さが道内信金の中で注目されたが、常勤理事、常務理事時代に経営の中枢ポストを歴任するなど順当な人事だったことがうかがわれる。根釧の企業が有する底力を信じ、「地方の企業を強くすることが何よりの地域づくり」と話す伊藤理事長には同信金のかねてからの進取の気性が息づいているようだ。その伊藤理事長に、大地みらい信金が地域経済に果たすべき役割を訊いた。 
 (2024年11月8日、同信金札幌支店で収録・佐久間康介)

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【医療】「さっぽろ麻生乳腺甲状腺クリニック」に乳がん検診の必要性と治療トレンドを訊く

早期発見なら怖くない乳がん
トリプルネガティブにも朗報

乳がんは日本女性が最も多く罹患するがんで、生涯罹患率は50年前の50人に1人から近年は9人に1人と増加の一途をたどっている。一方、検診率はOECD(経済協力開発機構)加盟国の中でも日本は低く、乳がん検診をどう普及させるかが社会課題となっている。この状況を変えていくにはどうしたらいいのか──。乳がん治療のエキスパートで医療法人北つむぎ会「さっぽろ麻生乳腺甲状腺クリニック」(札幌市北区・19床)の亀田博理事長・院長に乳がん検診の必要性と喚起策、乳がん治療の実際、ADC(抗体薬物複合体)といった最新の治療法を訊いた。乳がん治療に現れた新たなゲームチェンジャーの光と影にも注目だ。   
 (12月20日取材 工藤年泰・武智敦子)

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【ビジネスリポート】

網走ビール、生産能力3倍に
この12月に大増産体制確立

全国からの受注増による品薄解消へ

看板の「流氷ドラフト」をはじめとするクラフトビール商品が全国で人気を博している網走ビール(本社網走)だが、この12月に大規模増産体制を確立した。これに伴う生産能力の向上はこれまでの実に3倍。2024年1月からこの設備投資の取り組みを進め、ほぼ1年をかけて整備した。大型設備投資に踏み切ったのは、国内外からの需要増に伴う品薄状況の解消。同社商品は、ふるさと納税返礼品の人気商品ということもあり、この設備投資には網走市も支援。また国も補助金を交付している。大幅な生産能力向上を果たした同社だが、この取り組み自体が網走ビールの人気の証と言えるだろう。                               (髙橋貴充)

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【ビジネスリポート】

百年の大計で社会課題を解決する
事業創造拠点が札幌の桑園に誕生

オープンイノベーション「エア・ウォーターの森」

開業を前にした12月5日の会見でエア・ウォーター(本社大阪)の豊田喜久夫会長・CEOが口火を切った。「カーボンニュートラルや食料危機を考えたら、北海道はそれらの課題を解決できる一番ポテンシャルが高いところ。ラピダスが進出して成長余地も大きい。そんな場所で北海道に出自がある当社は新しいエア・ウォーターを創ろうと、この施設を完成させた」。その施設こそが、このほどJR桑園駅に近くに誕生したオープンイノベーション拠点「エア・ウォーターの森」だ。同社の母体企業のひとつ、ほくさんの誕生から間もなく百年。国内外の課題を見据え次の百年の大計を生み出そうと、道内の〝産官学金〟を巻き込みながら産業界側が仕掛けるかつてない挑戦をレポートする。             (12月19日取材 佐久間康介・工藤年泰)

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【文化】ゲーム同人誌などで活躍し急逝した荒木聡さんを偲ぶ

ゲームとアニメの仲を取り持った
異才の図録集を小樽文學舎が発行

2022年末に57歳で急逝したゲーム同人誌の元編集発行人、荒木聡さんの図録『市立小樽文学館企画展 荒木聡 追悼展 ゲームとアニメの間に』が12月4日、小樽文學舎から発行された。1980年代から札幌を拠点にアニメやゲームをテーマにした同人活動や音楽制作などで活躍した荒木さんの多彩な才能を振り返ろうと、交流のあったフリーライターらが企画・構成を手掛けた。     (武智敦子)

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【連載】〝農と食〟北の大地から

追悼 足寄町の放牧酪農家
吉川友二さんの人生を辿る

種を蒔き道筋をつけた放牧酪農
牛の偉大さを尊ぶ牧夫精神とは

北海道の放牧酪農のリーダー的存在だった十勝管内足寄町の吉川友二さん(1964年、長野県生まれ)が昨年11月25日、59歳の若さで逝去した。23年秋に膵臓癌と診断されて闘病生活を送っていたが、旅立つ直前まで多くの人たちと語り、放牧酪農やアニマルウェルフェア(家畜福祉・AW)のあり方などについて発信し続けた。「家畜との良い関係を築き上げるためには、ストックマンシップ(牧夫精神)が必要」、「日本のAW問題を解決するには、*畜産の現状をしっかり伝えること *食品表示義務の徹底 *義務教育の段階で食育を取り入れる」……。青春時代に抱いた「自然保護のような仕事をしたい」との夢を放牧酪農を通じて実現させた人生から、わたしたちが学ぶことは多い。
(ルポライター・滝川 康治)

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【連載】ルポ「ひきこもり」113──道内各地で進む支援拠点づくり

「親亡き後」を見据え当事者や
家族らが地域で繋がる場所を

ひきこもり当事者や家族が安心して過ごせる居場所や支援ネットワークをつくるための事業が道内で本格化している。札幌市のNPO法人「レター・ポスト・フレンド相談ネットワーク」(田中敦理事長)が昨年8月から12月にかけて北見市と函館市など3地域で実施したもので、かつて同じ経験をしたピアスタッフの話題提供を軸に交流の場づくりなどを展開した。田中敦理事長は、「日本のひきこもり支援は家族頼みの部分が強く、両親が亡くなったらどうするかが喫緊の課題。まずは、困っている当事者や家族が地域でつながる場を広げていきたい」と話している。      (武智敦子)

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【連載】戦争遺産をめぐる旅 【110】

大型掩体壕など屈指の遺構が
今なお残る宇佐海軍航空隊跡

平和の尊さを語り継ぐまち

太平洋戦争末期に特別攻撃隊(特攻隊)の中継基地となった大分県宇佐市の宇佐海軍航空隊(宇佐空)。その跡地をめぐるレポートを続けたい。ここには、戦争関連遺跡として全国で2番目に文化財に指定された城井(じょうい)1号掩体壕などがあり、周辺の公園内では2025年度中にも着工する予定になっている市営の「平和ミュージアム」(仮称)の建設準備が進んでいる。現地を訪れると、麦畑の中に残る掩体壕や激しい空襲の爪痕などがある落下傘整備所など多くの戦争遺産を目にすることができ、子どもたちへの平和学習も盛んに行なわれていた。
  (ジャーナリスト 黒田 伸)

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【フォトレポート・トピックス】
●女性施設・札幌刑務支所が内部公開 「支援センター」発足5年
●侍ジャパンを世界一に導いた栗山氏が札幌でトークショー
●高校生の足を支えた歴史に幕 「東根室駅廃止」も地元は冷静
●二次加工メインに成長軌道へ 兼由の名品「ほたてのバジル」
●厳冬期の自然美、滝上渓谷「錦仙峡」の氷瀑
●酪農学園大とISHIYAが北海道スイーツカレッジプロジェクト
●「サッポロ SORACHI1984」と道産ほたてがペアリング認定

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【連載コラムなど】
*つれづれフォトエッセイ
*シネマ
*スポーツ筆刀両断
*古本屋女房の“古本的日常”
*デンタルエッセイ
*北海道妄想紀行
*連載小説 仮面の恋
*よいどれブンガク夜話
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*人物株価
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【今月の表紙】鈴木翁二画
『帽子と手袋』
【報道】道警不祥事から考える〈74〉

道警 文書不開示で謝罪

前年の公開請求で対応漏れ
不祥事2件、あわや藪の中

警察不祥事に関連する本稿記者の定期的な公文書開示請求をめぐって11月中旬、情報公開を扱う地元警察の担当課が前年の手続きに不備があったとして記者に謝罪した。なんらかの原因で文書の探索漏れがあり、一部の事件・事故の記録が開示されていなかったという。1年以上を経て改めて開示されたのは、警察官による強制性交事件と公用車の人身事故、計2件を記録した公文書。今回開示漏れが発覚していなければ、いずれも永久に陽の目を見なかった可能性が高い。(小笠原 淳)

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【報道】21世紀の人質司法⑤

ノート持ち去り「違法」

札幌地裁が道警に賠償命令
黙秘権侵害・私物検閲訴訟

黙秘権行使を申し出る容疑者に供述を強要し、また弁護人とのやり取りを記録した「被疑者ノート」を無断で持ち去るなどした警察官の行為の違法性が問われていた裁判で12月初旬、問題の捜査を一部違法と認める判決が言い渡された。法廷で公開された取り調べ映像には適切とは言い難い捜査員の言動が記録されていたが、それらの人権侵害は認定されず、弁護側は控訴を検討することに。判決は、不適切な取り調べにお墨つきを与えてしまうおそれがあるという。(小笠原 淳)

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【報道】「値上げの年」に創成イーストへ移転した北海道新聞社

部数減少の逆風が吹く中で
内実問われる「第二の創業」

北海道新聞社(宮口宏夫社長)が11月1日、本社を札幌市中央区大通西3丁目から創成イースト地区の同区大通東4丁目に移転し、再スタートを切った。2023年9月末に夕刊を廃止、24年6月1日に朝刊の月ぎめ購読料を税込3800円から税込4300円に値上げする中で、新社屋への移転を「第二の創業」と位置付ける同社。だが今回の価格改定で購読部数が一気に落ち込み、道民の道新離れが進んでいる印象も否めない。旧社屋の活用問題など課題が山積している同社の現状を探った。       (本誌取材班)

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【報道】“核のゴミ”レポートPART40 「文献調査報告書」公表で節目を迎えた処分地選定の動き

賛成も反対も住民投票へ

寿都では初のシンポを開催
問われる町民と知事の判断

11月22日、“核のゴミ”処分事業者のNUMO(原子力発電環境整備機構)が後志管内の寿都町と神恵内村で行なった「文献調査」の報告書が公表され、大きな節目を迎えた。今後は、住民投票条例を制定した寿都町が「概要調査」の是非を町民にいつ問うのか、また調査に反対する意思を示してきた鈴木直道知事がどう最終判断するのか──が大きな焦点になる。本シリーズで繰り返し述べてきたが、「日本列島でも地層処分はできる」との政策は核燃料サイクルを延命させるための壮大な虚構であり、候補地にされた自治体の住民は長きにわたり不安感を抱えながらの生活を余儀なくされる。そんな未来を選択してもいいのか、いまあらためて問われている。 (ルポライター・滝川 康治)

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【報道】狩人、銃を奪われる⑩

高裁判決 現場に波紋

道猟友会が三役会経て支部通知
上告中の一審原告側には弁護団

本誌前号で報告した、ヒグマ駆除をめぐる猟銃所持許可取り消し訴訟の顛末。駆除を担ったハンターが全面勝訴した一審判決を百八十度覆す控訴審逆転敗訴の結果は、有害鳥獣対策に協力する猟友会に動揺を走らせた。11月の緊急三役会で、会は警察や自治体との慎重な協議を促す通知の発出を決定。ハンターが不利益を蒙ることのない体制の整備が急がれるのは、ひいては道民の安心・安全を担保するためだという。(小笠原 淳)

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【報道】告発・陸の蟹工船〈8〉

「被害 知って欲しくて」

原告男性が初めて顔を隠さず証言
恵庭・障碍者虐待裁判で弁論続く

それまで傍聴席から審理を見守ってきた当事者が、初めて代理人らとともに原告席に着いた。本誌2023年10月号から報告を続けている、恵庭市の牧場での障碍者虐待疑惑。長期間にわたった被害の賠償を求めて裁判を起こした男性3人のうち1人が、支援者らの前に顔を晒して声を上げ始めた。いわゆる奴隷労働や年金詐取の実態を広く知って貰いたいとの強い思いが、自らの背中を押すことになったのだという。(小笠原 淳)

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【報道】検証・北海道庁の半導体政策は道民のニーズに応えているか?

誰の為の半導体立国か

「綺麗事」で語られるラピダスの
負の側面に警鐘を鳴らす有識者

「日本の半導体産業の現状とリスク、ラピダスの将来性、道内の社会・経済的な影響などの調査は行なったのか?」「立地に際してのアセスメント(評価)はやっているか。行なわないとすれば、なぜなのか?」──先端半導体企業「ラピダス」の立地に前のめりになる北海道庁に対し、長年にわたり東京都の環境行政に携わり、全国の廃棄物問題の市民運動にも関わってきた藤原寿和さん(本誌24年6月号を参照)が次々に疑問を投げかける。
 これまで30年間、半導体技術が衰退してきた日本にあって、すぐれた人材の確保ができるのか。道民が関心をもつ工場排水の安全性や環境に与える影響などについての情報提供は、企業や行政側からのものに偏っているのではないか──筆者もまた、そんな疑問をいだく。失速した苫小牧東部開発の二の舞になるのではないか…と。道内のマスメディアからは立地に対する批判の声をあまり聞かないが、警鐘を鳴らす有識者はいる。NPO法人さっぽろ自由学校「遊」の講座で最近、道の半導体政策を検証した藤原さんの話を紹介する。   (ルポライター・滝川 康治)

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【社会】日本学術会議講演会「北海道から多文化共生を考える」報告レポート

待ったなしの多文化共生

労働力不足を補っている外国人と
どう生きていくか問われる北海道

急速な人口減少を受け道内179市町村の3分の2が将来的に「消滅の可能性」があるとされる。その北海道の経済や自治インフラなどをめぐり持続可能性のカギとなりうるのが「来道する外国人との共生」だ。日本を代表する研究者で構成され、地元への寄与も掲げる日本学術会議北海道地区会議が11月17日、北大キャンパスで学術講演会「北海道から多文化共生を考える」を開いた。「多文化共生」とは、多様な文化・言語・出自を持つ人々が人権を守られながら共に生きる社会のあり方を指す。この日、5人の専門家が登壇し、それぞれの専門分野の知見に基づき講演した。そこで浮かび上がった課題とは──。

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【環境】北海道風力発電問題ネットワーク代表・佐々木邦夫さんに訊く(前篇)

風力発電問題を訴えるのは
ここに暮らす私たちの責務

風況のよい北海道は全国でも有数の風力発電の適地とされ、発電施設の建設計画が目白押しだ。一方で建設予定地では風車建設による景観問題や健康被害、生態系への影響を懸念する住民による反対運動も起きている。環境影響評価手続きの不備から、住民が郵送した「意見書」が「あて所にない」として届かず再縦覧を余儀なくされた事業者もあり、何かと地元との軋轢を生んでいる。このような道内における風力発電の現状と課題を、元稚内市議で「北海道風力発電問題ネットワーク」代表などを務める佐々木邦夫さんに訊いた。前篇と後篇の2回に分けて報告する。      (武智敦子)

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【ニュース】

■旭川いじめ凍死事件の元校長が
 再調査委の報告書を真っ向否定
──「クラス内でのいじめはなかった」と反論

■パワハラ調査アンケート改竄か
 現職自衛官の裁判で国に求釈明
──「逃げずに説明責任果たして」と原告男性

■北海道初出店の「ロピア」で来店客
 1万5千人、売上げ1億円の衝撃
──屯田店が大混雑。注目される「道内スーパー3強」の出方

■多様化する家族のケアのあり方
 いま「支える人」を支える体制を
──ケアラー支援推進シンポでパネリストが事例を紹介

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【新春インタビュー】北海道知事 鈴木 直道 氏

可能性秘めたラピダスと観光
北海道創生を目指し道庁一丸

2024年の北海道で、ことあるごとに話題にあがったのは、千歳市で建設中のラピダス社による次世代半導体工場だろう。生成AIの加速度的な普及でますます必要性、存在感が増している次世代半導体だが、同工場では春にもパイロットラインが動き出す見通しで、量産化への本格稼働に向けカウントダウンが始まった印象だ。コロナ禍を経た観光の状況については順調な入込客数回復の一方で、人手不足に苦悩するなど悲喜こもごも。宿泊税の導入などを含めて観光立国の在り方をどうするかを改めて問い直す時期を迎えているようだ。このほかにも課題が山積みの中で行政の長として北海道をどのように舵取りしていくのか、今後の「北海道創生」に向けた思いを鈴木直道知事に訊いた。    (11月28日収録・聞き手=工藤年泰)

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【新春インタビュー】札幌市長 秋元 克広 氏

保育行政の信頼回復は急務の課題
観光復活、GX投資で集まる注目

2024年の札幌市政は光と影が交錯した1年だった。コロナ禍明けに伴い観光需要が復活し、飲食店や各地の賑わいが戻ってきたことに加え、GX(グリーン・トランスフォーメーション)や半導体の生産拠点開設の動きに伴い道都・札幌市が国際的な注目を集めることが実感できる年になった。一方で、保育事業者による補助金不正受給、突然の休園といった市の保育行政を揺るがす事件が発生し、信頼回復に向けて今後の対応が問われることにもなっている。北海道新幹線札幌延伸の2030年度末開業が不透明な状況となり、まちづくりの目標が定まらない状況に置かれていることも気がかりだ。現在3期目の秋元克広市長に24年を振り返ってもらい、25年に向けた展望を訊いた。    (11月21日収録 聞き手=工藤年泰)

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【ビジネス】来場1100万人超に達した複合要因

開業から1年。総支配人が
語ったココノススキノの今

当時のすすきの住民の念願だった地元のデパート、札幌松坂屋の開業から始まり、最後はススキノラフィラとして幕を閉じ解体されるまでの47年間、このまちのシンボルだったススキノ十字街ビル。この建物があった場所に新たに出現したのが2023年11月開業の複合商業施設COCONO SUSUKINO(ココノススキノ)だ。その1周年を迎えるにあたり運営する東急不動産SCマネジメント(本社東京)は11月21日、同施設で会見を実施。登壇した志村敦史総支配人は初年度の来場者数について、見通しを約300万人も上回る1100万人超と明かした。順調な船出となったすすきのの新シンボル。その好調要因や、これからの取り組みなどを会見での志村支配人の発言から綴る。                       (構成・髙橋貴充)

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【医療】変形性膝関節症にラジオ波治療を導入した北海道整形外科記念病院

合併症などで手術ができない
患者の疼痛を緩和する新治療

国内有数の整形外科専門病院、医療法人 北海道整形外科記念病院(札幌市豊平区・199床、加藤貞利理事長)がこのほど変形性膝関節症の治療に「末梢神経ラジオ波焼灼療法(ラジオ波治療)」を導入した。昨年6月に保険収載されたばかりの新しい治療法で、高齢や糖尿病などの合併症のため人工関節置換術ができない患者の選択肢となりそうだ。同病院副理事長で変形性膝関節症のエキスパートである鈴木孝治医師(65)は、「手術を受けられない患者さんの中にはヒアルロン酸注射を長く続けているケースも多い。そのような方にとってもラジオ波治療は朗報となるでしょう。国内で始まったばかりこの治療を普及させるべく取り組んでいきたい」と意欲を口にしている。     (11月25日取材 工藤年泰・武智敦子)

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【文化】短編グランプリは審査員満場一致の「ZIMA」

次の10年に向けて飛び立った第11回
新千歳空港国際アニメーション映画祭

大きな節目となった昨年の第10回開催から次の10年に向け飛び立った、空港を会場とする全国的にも珍しい新千歳空港国際アニメーション映画祭。11回目の今回は11月1日から同5日まで催された。観光地として世界的にも人気の北海道の空の玄関口たる、会場の新千歳空港はコロナ禍前の賑わいを取り戻し、この映画祭に携わった海外のクリエイターたちも同イベントはもとより、〝北海道〟で過ごす時間そのものを存分に満喫しているようだった。そんな今回だが、今夏大きな注目を集めた劇場アニメ「ルックバック」がコンペ長編部門にノミネートされたほか、看板のコンペ短編部門では審査員満場一致という作品が最高位のグランプリに輝いた。

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【Agri Report】羽幌発「株式会社焼尻めん羊牧場」の挑戦

還暦を過ぎて羊飼いになった男
小さな島は「地方創生の最前線」

民間の力で羽幌の地域資源を再生へ

還暦を過ぎてから離島の羊飼いになった男がいる。留萌管内の羽幌町が長年運営してきた「焼尻めん羊牧場」を昨年に引き継いだ東郷啓祐さん(62)、その人だ。今では1カ月に1、2度のペースで札幌を離れて焼尻島に渡り、1週間ほど羊たちに囲まれた生活を送る。これまで中小企業のM&Aなどを手掛けてきた東郷さんが羊飼いになったのは偶然の産物。東郷さんの仲介で焼尻めん羊牧場の承継を検討していた人物が突然手を引き、選択を迫られる中で出した答えが自分で牧場を引き受けることだった。当時、東郷さんの背中を押したのは肌で感じた「焼尻めん羊まつり」の活気。「この賑わいは残す価値がある」──直感的にそう思った東郷さんの新たな挑戦が、そこから始まった。小さな島における地方創生の大きな取り組みをレポートする。(11月14日取材 工藤年泰・佐久間康介)

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【政治】先の総選挙、立憲を大勝に導いたのは? 逢坂誠二道連代表に訊く

最優先で取組む物価高対策
持続可能な一次産業支援も

教育費軽減通じ手取り増を目指す

総裁選の注目度の高まりや、野党の選挙準備不足の隙を狙って決行したとされる、石破茂自公政権の戦後最短の解散総選挙。だが自民党本部のもくろみは、自らが引き起こしたいわゆる政治とカネの問題に最後まで足を引っ張られ、結果自公で過半数に届かない大敗。一方で新規少数政党の議席獲得が目立ったほか、野党第一党の立憲民主党は選挙前と比べ50議席増の148議席と大勝。こと北海道においては12ある選挙区全てで同政党の代議士が立った。こうした情勢の大きな変化で北海道の政治経済はどう変わるのか。自らも選挙戦を戦った逢坂誠二道連代表に訊いた。   (11月16日取材、髙橋貴充)

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【観光】北海道観光機構の小金澤健司 会長に訊く

アドベンチャーと美食旅で
観光総消費額3兆円目指す

北海道観光の柱はあくまで道民

小金澤健司会長(64)率いる公益社団法人 北海道観光振興機構は「北海道観光機構」に名称を変更し、小金澤体制が2期目に入った。重厚長大だった組織の改革に大ナタをふるい、「世界をリードする観光地に北海道を導く」を目標に掲げる小金澤会長は、2030年に観光総消費額を19年比の約2倍となる3兆円とするグランドデザインを示す。昨年9月にアジア圏で初開催したアドベンチャートラベル・ワールドサミットでは過去最高の評価を関係者から受けた北海道観光。その可能性に大きな手応えを感じている小金澤会長に、これまでの成果と課題を訊いた。 
   (11月11日取材 工藤年泰・佐久間康介)

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【マンガ回顧2024】

それは大地震から始まった!! (石川寿彦)

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【教育】不登校を経験した母親が実践するホームスクール

頑張り過ぎた子を休養させて
自分で学びの場を選ぶ自由を

ホームスクールって何? 不登校になった子どもの気持ちは?──。自身も不登校を経験し、3人の子どもをホームスクールで育てる鈴村結さんが11月23日、帯広市内で開かれた「不登校について学ぶセミナー」で講演し、「不登校は頑張り過ぎてエネルギーがゼロになった状態。安心した環境で休養すれば必ずやりたいことを始めるので、動けるようになるまでの休養が必要」と呼びかけた。結さんの語りから学び場の多様性について考えてみたい。 (武智敦子)

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【連載】ルポ「ひきこもり」111──親側と当事者による本音対談から【後篇】

ぶざまで惨めな自分を受け入れ
開き直れば「明日」が見えてくる

長年にわたり、ひきこもりの子どもを持つ親や当事者のサポートを続ける鈴木祐子さん(77)と札幌のNPO法人「レター・ポスト・フレンド相談ネットワーク」理事で、親亡き後をひとりで暮らす吉川修司さん(57)の対談後篇をお届けする。今回の後篇では、鈴木さんのこれまでの活動の経緯や若い頃の苦悩と気づき、そして昏迷の時代を当事者が生きていく極意について「したたかに生きたい」とする吉川さんが迫った。それぞれの語りからひきこもりの「いま」を伝えたい──。     (武智敦子)

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【連載】戦争遺産をめぐる旅 【109】

新ミュージアムの着工を待つ
大分県の「宇佐市平和資料館」

特攻とゼロ戦のリアル

大分県北部の国東半島の付け根にある宇佐市。ここに戦時中置かれていた宇佐海軍航空隊は、太平洋戦争末期に特別攻撃隊の基地となり、出撃した多くの若者が命を落とした。市内には戦争関連の遺跡として全国で2番目に文化財指定された城井(じょうい)1号掩体壕などが残り、平和教育のための施設整備が続いている。その中心施設となる「平和ミュージアム」(仮称)の建設計画は中断しているが、2025年度の着工を目指す。今回、関連資料を仮展示している「宇佐市平和資料館」を訪れ、同市が目指す平和への取り組みを取材した。(ジャーナリスト 黒田 伸)

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【フォトレポート・トピックス】
●オープンイノベーションの拠点「エア・ウォーターの森」が開業
●2025年は「美冬」の年。20周年記念して「おとなショコラ」発売
●野次排除「最終報告」 意義確認する討論に150人が関心
●浦河発、即日完売で話題を集めた名馬モチーフのスイーツ企画秘話
●道内各地の魅力を伝え、ものづくりも支援する「北海道どさんこプラザ」
●草莽の僧侶 小西征夫さんが『他力』を説く10冊目を刊行
●小中学生が交通安全の思い描いたJA共済の全道ポスターコンクール

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【連載コラムなど】
*つれづれフォトエッセイ
*シネマ
*スポーツ筆刀両断
*古本屋女房の“古本的日常”
*デンタルエッセイ
*北海道妄想紀行
*連載小説 仮面の恋
*よいどれブンガク夜話
*ソレでもナマがすき?
*夏井功の夜を駈ける車イス
*人物株価
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【今月の表紙】鈴木翁二画
『ニューイヤーペイデイ』
【報道】中和興産と中和welfareが迎えた末路

「杉澤正通劇場」開幕─

事業破綻の責任をスタッフと
親族に押し付ける「杉澤親子」

保育事業の中和興産(本社札幌)、障害者福祉事業の中和welfare(同)。ガソリン販売道内大手で知られる中和石油の元社長、杉澤達史氏(故人)の未亡人である杉澤廣子氏(78)と三男である杉澤正通氏(42)が共同経営(登記上の代表者は廣子氏)してきた両社が8月から9月にかけて札幌市の認可および指定を取り消され、事実上破綻した。行政側から不正受給を指摘され総額2億円もの返還を求められる中で、どうやら正通氏はメディアを使って反撃を始めたもようだ──。               (本誌編集長・工藤年泰)

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【報道】狩人、銃を奪われる⑨

そして誰も撃てなくなった

ヒグマ駆除裁判で逆転判決
全面敗訴にハンターら動揺

言い渡しの瞬間、傍聴席を重苦しい空気が覆った。「被控訴人の請求を棄却する」。自治体の要請でヒグマを駆除して銃を取り上げられたハンターが処分の撤回を求めて起こした裁判は、原告側が全面勝訴判決を得た筈だった。地元公安委員会の控訴で争いが上級審に持ち込まれた結果、改めて示された結論はハンター全面敗訴の逆転判決。駆除の現場に走った動揺は小さからず。即ち「誰も撃てなくなった」――。(小笠原 淳)

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【報道】告発・絶望の学府㉞

「息子の無念晴らして」

自殺学生遺族が慟哭の陳述
江差パワハラ裁判で初弁論

「道の対応に誠意を感じることはできません」――。本誌前号で伝えた損害賠償請求裁判が10月下旬、函館の裁判所で最初の口頭弁論を迎えた。法廷で意見陳述に立った原告女性は改めて訴訟に込めた思いを語り、裁判所に「適切な判断」を求めた。公立の看護学校で在学生が自ら命を絶つ事件が起きてから、5年あまり。その死と教員のハラスメントとの因果関係をめぐる争いを法廷に持ち込むことは、遺族にとっては決して本意ではなかったという。(小笠原 淳)

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【報道】道警不祥事から考える〈73〉

警察職員 パチンコ店で窃盗

道警不祥事“第3四半期”速報
19歳との飲酒は懲戒に到らず

本稿記者が飽かず続けている地元警察への定期的な情報開示請求で、本年第3四半期(7―9月)に処分などがあった不祥事の記録が出揃った。地元報道が一斉に報じた旭川中央署の不適切飲酒問題への対応を含め、例の如く多数の事案が公式には未発表だったと思われる。報道された形跡のない窃盗事件など、やはり例に漏れず深刻なケースもいくつか。10月下旬に開示された文書から読み取れる事実を、急ぎ報告したい。

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【報道】自民・和田VS立憲・池田 渦中の道5区から今回の衆院選を考える

裏金“戒告”議員の闘い

自公の大敗を招いたのは本当に
“政治とカネ”だけだったのか⁉

体制刷新を好機と捉え、発足から8日後という戦後最短のスピードで解散を強行。10月27日投開票の衆院総選挙に打って出た石破茂自公連立政権。準備不足や疑惑隠しなどと野党から猛烈に批判されたが、結果作戦は大失敗。自公で過半数を18議席も下回る大敗北を喫し現在、少数与党による政権運営を余儀なくされる事態に陥った。この選挙で終始話題にあがっていたのが、いわゆる政治とカネ。だが果たして勝敗を左右したのは、この問題だけだったのか。道内で唯一、いわゆる裏金議員が立候補した道5区の闘いなどを振り返りながら、この選挙が何だったのかを考えたい。 (髙橋貴充)

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【報道】安平川PFAS汚染の深層を探る

問われる道の環境行政

「汚染源の特定」を放置して
どう道民の生活を守るのか

今年7月、先端半導体工場「ラピダス」に供給する工業用水をめぐって北海道が実施した水質調査で、安平川に架かる源武橋から採取した河川水から国の暫定目標値を大きく上回るPFAS(有機フッ素化合物の総称)が検出された。それまで低かった数値は、この橋で大きく上がる。汚染源はどこか探ってみると、ひとつの産業廃棄物処分場の存在に突き当たる──。「ラピダス」でも半導体の製造工程で規制対象外のPFASは使われる予定だ。浮上したこの問題の深層を探ってみた。           (ルポライター・滝川 康治)

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【シリーズ・住宅不動産情報】㉕──札幌圏で開始された前評判高い宅地造成

札幌の上篠路、江別の野幌に注目
平均土地価格900万円台が脚光

戸建て需要が低迷する中、札幌市北区篠路町上篠路と江別市野幌で、それぞれ51区画と162区画の宅地造成が始まった。札幌市と近郊都市で規模の大きい宅地造成が進行しているのは、この2カ所だけ。双方とも1区画の平均土地価格が900万円台からで、建物を含めた戸建て価格は2000~3000万円台と比較的購入しやすい価格帯になりそうだ。金利高や建設費高騰で買い控えが広がっている戸建て需要が回復する契機になるかもしれない。   (佐久間康介)

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【報道】仁木町商工会前会長が町長と議員らに苦言

根底にある再エネへの無理解
いま、まちの将来を考える時

太陽光発電などの実証実験を宮城県内の事業者に発注した件で官製談合疑惑に揺れる仁木町(佐藤聖一郎町長)。この中で仁木町商工会の津司康雄前会長(84)が佐藤町長や町議会に「再生可能エネルギーという言葉に騙されないでほしい。すでに国内では環境負荷の少ない合成燃料導入の動きもあり、町長や議員はこうした新しいエネルギーについて勉強すべき」と苦言を呈している。津司さんは、風力発電には自然破壊や健康被害など負の側面があるとして関西電力の建設計画に反対。自ら収集した情報をチラシにまとめ地域に配布する活動を続けており、10月の最新版では北海道新幹線の札幌延伸に伴う鉄道廃止が地元に及ぼす影響についても言及している。   (武智敦子)

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【ニュース】

■野次判決確定で公安委「無回答」
 知事部局は「無反応」の要請対応
──違法・違憲認定後も謝罪や検証の求めに明答せず

■新球場に近いJR千歳線新駅建設で
 4年後の開業目指し安全祈願式開催
──総工費は約90億円、完成は2028年夏を予定

■ひきこもりに在宅ワークを提供し
 支援ではなく共創を目指す取組み
──メタ・アンカー社の山田社長が札幌の学習会で講演

■2年目に入った小樽の塩谷福祉会
 「やすらぎ」による家族相談会活動
──さまざまな講師を呼んで「ひきこもり支援」

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【オホーツク特集 2024】網走市長 水谷 洋一氏に訊く

オホーツク網走マラソン10周年
交流都市の拠点、新庁舎完成へ

地域の看板である観光がコロナ禍前の水準に戻り、10周年を迎えた「オホーツク網走マラソン」がランナーによる満足度評価で2年連続全国1位という国内有数の大会に成長した網走市。水谷洋一市長(61)の公約「子育て世代に寄り添う」政策では、子どもの医療費無償化に加え昨年4月から幼稚園や小中学校などの給食無償化に踏み切り、若い世代の負担軽減にも汗をかいた。観光ではホテル不足の解消、水産ではホタテ稚貝の安定供給といった課題があるが、賑わいの創出と行政DXの拠点となる市役所新庁舎の竣工を間近に控えるなど好材料も少なくない。4期目の折り返しを迎えた水谷市長に、まちの現状と展望を訊いた。
  (10月22日収録)

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【オホーツク特集 2024】北見市長 辻 直孝氏に訊く

直面した「財政難」を乗り越えて
オホーツクの拠点として発展を

自治体として道内最大の面積を有す北見市。海、森、畑の幸に恵まれ、中でもたまねぎ、ホタテガイは全国的に知られる地場産品になっている。その一方で、広大な面積ゆえに公共インフラの維持が近年の諸経費高騰もあって大きな負担となることが予想され、将来に向けた財政難が表面化。市役所内部のパワハラ問題の決着が長引くといった課題もある中で、全国に先駆け注目された「書かないワンストップ窓口」に象徴される行政DXの進展や、カーリングのまちとしての盛り上がりなど明るい話題も少なくない。オホーツクの拠点都市、北見市の現状と課題について3期目途上の辻 直孝市長(71)に訊いた。        (10月23日収録)

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【オホーツク特集 2024】紋別市長 宮川 良一氏に訊く

名人戦誘致で市制施行70周年に華
紋別高看新築で地域医療を後押し

今年、市制施行70周年を迎えた紋別市。記念事業のひとつとして誘致した藤井聡太九段が対局する「第82期名人戦七番勝負」は、地域に多くの波及効果をもたらすと同時に、紋別の魅力を全国にあらためて発信する機会になった。観光入り込み数はコロナ禍前の水準に戻りつつあり、スポーツ合宿も活況で、宿泊施設が足りなくなる状況も出ている。老朽化していた道立紋別高等看護学院が移転新築され、今後は地域医療の拠点である広域紋別病院との連携にも期待がかかる。コロナ禍と避暑地化構想をめぐる汚職事件という困難を経た紋別市の今とこれからを、宮川良一市長(70)に訊いた。 (10月21日収録)

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【オホーツク特集 2024】紋別市長 宮川 良一氏に訊く

名人戦誘致で市制施行70周年に華
紋別高看新築で地域医療を後押し

今年、市制施行70周年を迎えた紋別市。記念事業のひとつとして誘致した藤井聡太九段が対局する「第82期名人戦七番勝負」は、地域に多くの波及効果をもたらすと同時に、紋別の魅力を全国にあらためて発信する機会になった。観光入り込み数はコロナ禍前の水準に戻りつつあり、スポーツ合宿も活況で、宿泊施設が足りなくなる状況も出ている。老朽化していた道立紋別高等看護学院が移転新築され、今後は地域医療の拠点である広域紋別病院との連携にも期待がかかる。コロナ禍と避暑地化構想をめぐる汚職事件という困難を経た紋別市の今とこれからを、宮川良一市長(70)に訊いた。 (10月21日収録)

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【オホーツク特集 2024】小清水町長 久保 弘志氏に訊く

強く生き残るまちづくりへ
将来に向けた制度の整備を

新庁舎はまちの魅力発信拠点にも

オホーツク管内・小清水町で、近年さまざまなまちのブラッシュアップが続いている。町役場機能だけではなく賑わいも生み、町民の命も守る防災拠点型複合庁舎として2023年5月に供用開始したワタシノ。今年3月にリニューアルオープンした道の駅・はなやか(葉菜野花)小清水では約50席の広々としたフードコートを設けたことなどが奏功して客数が大幅に増加した。9月からは同町の新たな公共交通の在り方を探る、「こしタク」の実証実験も始まった。相次ぐ新しい取り組みについてまちの舵取り役、久保弘志町長(63)に、その経緯などを訊ねた。   
(10月9日取材、髙橋貴充)

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【特集 オホーツク観光2024】

白い大地が呼んでいる

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【連載】ルポ「ひきこもり」111──親側と当事者による本音対談から【前篇】

「何とかせねば」という親のエゴ
家や学校で傷つき戸惑う子ども

長年にわたり家族や当事者のサポートを続け、現在は札幌の「よりどころ」のピアスタッフとして活動する鈴木祐子さん(77)。そして札幌市のNPO法人「レター・ポスト・フレンド相談ネットワーク」理事で、親なき後をひとりで暮らす吉川修司さん(57)。かねてから親側と当事者の対談企画を考えていたところ、吉川さんの提案を受けて両者による語り合いが実現した。本号から2回にわけてこの時の模様を紹介したい。それぞれの本音から見えてきたものとは──。        (武智敦子)

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【連載】戦争遺産をめぐる旅 【108】

大分県日出町大神地区に残る
人間魚雷「回天」の訓練基地跡

“海の特攻兵器”のリアル

旧日本軍の戦況が悪化した1944年から終戦の45年にかけてゼロ戦を中心とする航空機による特攻作戦のほか、旧海軍は兵士が操縦しながら敵艦に体当たりする人間魚雷「回天」で戦局の打開を図ろうとした。全国に4カ所設置された訓練基地のひとつである別府湾に面した大分県速見郡日出町大神地区には魚雷の「調整プール」が今も残り、回天を格納した壕など、かつての基地跡を見学できる。終戦まで4カ月に迫った時期に多くの人員を割いて完成させた大神訓練基地跡を訪れ、非人間的な海の特攻兵器、回天の実態を目の当たりにした。
  (ジャーナリスト 黒田 伸)

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【フォトレポート・トピックス】
●札幌市とココノススキノ運営の東急不動産SCが連携協定締結
●11月にリブランディングしたおはぎ、おむすびのサザエ食品
●ナルク札幌の第18回文化祭でピンコロ劇団が〝笑劇〟を熱演
●3信金の女性職員が事例発表した「信用金庫と共に地域を語る集い」
●北見で始まった市街地再開発 40数年ぶりに変わる「市の顔」
●マスターズヴェラス入居者を対象に日本エスコンが家賃3カ月分を負担
●網走で40数年ぶりに酒蔵復活へ 上川大雪酒造とタッグ組み建設
●赤れんが前庭の秋の人気催事「まるごと根室直送市」開催

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【連載コラムなど】
*つれづれフォトエッセイ
*シネマ
*スポーツ筆刀両断
*古本屋女房の“古本的日常”
*デンタルエッセイ
*北海道妄想紀行
*連載小説 仮面の恋
*よいどれブンガク夜話
*ソレでもナマがすき?
*夏井功の夜を駈ける車イス
*人物株価
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【今月の表紙】鈴木翁二画
『ジゴクの門の出来事』
【報道】「旭川・女子中学生いじめ凍死事件」の深層

隠され続ける「誤報道」

“盛られた事実”の拡散と隠蔽で
起きた事件関係者の「二次被害」

雪解けが始まったばかりの公園で見つかった女の子の遺体──。3年前に起きた「旭川・女子中学生いじめ凍死事件」は、大手メディアのオンライン報道や旭川市が再調査を手がけたことで全国的に注目を浴びた。だが、この事件をめぐる報道に多くの誤りがあったことをほかならぬ同市自身が認定していた事実はあまり知られていない。これらは最初の調査報告書で詳細に指摘されたが、公表にあたり全て黒塗り処理されたからだ。メディアの誤報と行政の隠蔽がもたらした深刻な二次被害とは──。   (本誌編集長・工藤年泰)

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【報道】札幌トロイカ病院に浮上した不正請求疑惑を追う

「不正の舞台はデイケア」
算定基準を満たさず請求か

昨年、開院40周年を迎えた精神科専門病院、社会医療法人共栄会 札幌トロイカ病院(札幌市白石区・有田矩明理事長)で長年にわたり診療報酬の不正請求が続けられてきた疑いが浮上した。複数の関係者が「デイ・ナイトケアの実施時間が算定基準を満たしていないにもかかわらず、時間を偽り請求している」と証言し、入手した関係書類からも不正が日常的に行なわれていることが強く疑われる。419病床という精神科領域における道内有数規模の同病院で、いったい何が起きているのか──。    (工藤年泰)

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【報道】告発・絶望の学府㉝

パワハラ死問題 法廷へ

江差看護・最悪の被害で国賠提訴
遺族「道に裁判を強制された思い」

「ここで諦めては息子が報われない」と、その母親は訴える。3年前の春に北海道立江差高等看護学院で表面化した、教員による日常的なパワーハラスメント問題。一連の事案の中でも最悪の被害といえる在学生の自殺問題が、紆余曲折の挙句に法廷へ持ち込まれることとなった。第三者調査を受けて謝罪した道のその後の「手のひら返し」は、遺族にとっては提訴を促す挑発に等しかったという。即ち「道が裁判を望んだ」――。(小笠原 淳)

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【報道】もの言う自衛官 法廷へ

公益通報 テロ扱い

現職自衛官が陸自に損賠請求
パワハラ告発、上官に筒抜け

所属部隊のパワーハラスメント問題を告発したら、通報内容が部隊に筒抜けになった――。理不尽な被害を受けた現職自衛官の男性が、組織に籍を置いたまま自衛隊を訴える裁判を起こした。匿名の告発人は職場の“犯人捜し”の標的となり、当時の上官から「通報はテロ行為」などの暴言を受けたという。法廷では、被告の国がそれらの暴言や不利益な取り扱いの多くを認める異例の展開に。この秋に幕を開けた裁判で、組織の不正隠蔽疑いはどこまで断罪されることになるのか。(小笠原 淳)

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【報道】首相批判封殺の波紋㉚

謝罪、処分、検証は…

「排除は違法」で問われる責任
野次国賠敗訴の道が要請黙殺

8月中旬に判決が確定した、首相演説野次排除事件国家賠償請求裁判。排除被害者への損害賠償を命じられた北海道はその後、謝罪や関係者の処分、問題の検証などを求められることとなったが、現時点でいずれにも明答を返していない。一審被告として控訴・上告にまで踏み切った筈の自治体は、5年間続いた争いに突如関心を失ってしまったのか。「慰藉料払って終わり、では済まされない」――。疑問の声が上がり始めるまでに、さほどの時間は要しなかった。(小笠原 淳)

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【報道】道警不祥事から考える〈72〉

パワハラ 5年で倍増

道警・処分は相談数の1割余
相継ぐ不祥事受け本部長通達

本年に入ってから地元警察で相継いでいる職員の不適切行為。小欄では8年あまり前から独自に未発表不祥事を掘り起こしてきたところだが、この9月には地元議会で複数の会派が追及の声を上げ、改めて再発防止の徹底を求めた。そこでは本誌などが伝えた旭川中央署の不適切飲酒問題が俎上に載ったほか、これまでのハラスメント相談の実績などが明かされることに。語られた「絶無をはかる」との目標が実現するのは、果たしていつのことになるのか――。(小笠原 淳)

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【報道】次世代半導体工場「ラピダス」と厄介な化学物質・PFASとの関係

いま、水があぶない

経済発展と環境保全の
両立を目指した対策を

全国各地で今、PFAS(ピーファス)と総称される化学物質がもたらす水道水や食品などへの汚染が問題視されている。体内に取り込まれると血液に溶けやすく、排出されにくい特徴があり、脂質異常症や発癌などの健康被害をもたらすことも。千歳市に進出する次世代半導体工場「ラピダス」をめぐり、住民らの間から工場用水や製造過程で生じる排水などに含まれるPFASの影響を危惧する声を聞く。将来に禍根を残さぬために、この問題をどう考えていけばいいのか──。(ルポライター・滝川 康治)

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【シリーズ・住宅不動産情報】㉔──2024年度道内基準地価から見える3極化

住宅地、商業地とも上昇の千歳市
札幌市は建築費の高騰で伸び鈍化

道は9月17日、2024年度の基準地価を発表した。道内の住宅地725地点、商業地255地点、工業地15地点、林地18地点、計1013地点で7月1日現在の価格を調査したもので、林地を除く全用途の平均変動率は昨年より0・4%高い4万8200円(1㎡当たり)となった。22年度は1・6%、23年度は2・3%だったので上昇率は鈍った。また22年度、23年度は全国平均を上回る上昇率だったが、24年度は全国平均の1・4%から1ポイント低い数字にとどまった。(佐久間康介)

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【報道】仁木町の再生可能エネルギー事業をめぐる官製談合疑惑に新展開

実名を出して憤る地元住民
議会では追及の新たな動き

「仁木町がソーラーパネルやバイオマスの実証実験に使った国の補助金は私たち国民の税金から出たもの。町民は問題の真相を知る権利があるのに議会はなぜ口をつぐむのか」。こう指摘するのは同町在住の今村晃子氏(88)だ。町が再生可能エネルギービジョン策定業務を特定の業者に発注した件に官製談合の疑いがあるとして、住民の宮下周平氏(74)が町に何度も起こし棄却された住民監査請求。今村氏は、町議会がこの問題を取り上げず議員らが宮下氏の「公開質問状」にも無回答だったことに憤慨する。そんな中、9月下旬になって議会では町側を追及する新たな動きがあった──。(武智敦子)

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【介護】つしま医療福祉グループの対馬徳昭代表が「ケアテックス札幌24」で講演

地方の介護施設が生き残る
ため必要な選択と集中とは

介護業界における北海道最大級の商談型展示会「ケアテックス札幌24」が9月18日と19日、アクセスサッポロ(札幌市白石区)で開催された。その経営者向け専門セミナーで「少子高齢化、人口減少が加速する日本のこれからの介護」をテーマに講師を務めたのが、我が国における高齢者介護のキーマンと言える、つしま医療福祉グループ(本部・札幌市豊平区)の対馬徳昭代表だ。人口減少が進む奈井江町での事業経験などをもとに、地方の特別養護老人ホームや介護老人保健施設が生き残る方法について説いた対馬代表の示唆に富む直言を紹介したい。
(9月19日取材 工藤年泰・佐久間康介)

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【文化】新千歳空港国際アニメーション映画祭は今年11回目

地元北海道ゆかりの作品紹介に
力を入れ、地域密着の映画祭に

映画祭としては世界的にも珍しい、空港が会場という「新千歳空港国際アニメーション映画祭」。第11回となる今回は11月1日から同5日まで開催される。大きな節目となった昨年の第10回から次の10年へと向かっていくこととなる今回は、地元・北海道により親しまれる映画祭にしていこうと、これまで以上に北海道ゆかりの作品や作家にクローズアップ。地域に根差した催しとして定着させていきたい方針だ。看板の催しであるコンペティションは全ての入選作品が既に決定。多くのクリエイターにとっては今回のアワードの行方も気になるところだろう。

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【企業】ふるさとに感謝を伝える取り組みに注力

道民・地域に支えられて育った
〝サッポロ クラシック〟ブランド

道民にとってはすっかりお馴染みのビールとして定着。また北海道限定商品でありながら広く全国にも沢山のファンを持つ、サッポロビールのサッポロ クラシック。来年6月には大きな節目となる発売40周年を迎えるという。そのメモリアルイヤーを前に同社が力を入れているのが、今日に至るまでサッポロ クラシックを愛し育んでくれた人々や、ふるさとである北海道という地域に対して感謝を伝える取り組みだ。折しも間もなく、秋にお目見えする限定品「サッポロ クラシック 富良野VINTAGE」の発売や、同品を通じた新キャンペーンが始まる時期ということもあり、ここで改めてサッポロ クラシックのブランド力などについて触れていきたい。(髙橋貴充)

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【行政】4期目の当選を決めた松野哲・岩見沢市長に訊く

統合による新病院開業で
市民の生命と健康を守る

人口減少下で活きるスマートシティ

8月25日投開票の市長選で4選を果たした現職の松野哲市長。だがその内容は、一騎打ちだった新人の若林宗洋候補に1296票差まで迫られる、現市政に対する市民の厳しい評価を浮き彫りにした辛勝だった。そうした民意への受け止めをはじめ選挙の争点となった岩見沢市立総合病院と北海道中央労災病院の統合による新病院建設の意義、全国的にも注目されているスマートシティ化の今後など、4期目に向けた舵取りと胸の内を松野市長に訊いた。(9月20日取材 工藤年泰)

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【経済】北海道信用金庫協会の新会長・原田直彦氏に訊く

行動する「北信協」として
道内金庫の底力を高める

一般社団法人北海道信用金庫協会(北信協)の新会長に旭川信用金庫(本店・旭川市)の原田直彦会長(65)が就任した。旭川信金の理事長、会長が北信協会長に就任するケースはこれまでも多く、原田氏は2012年6月から16年4月まで2期4年務めた杉山信次氏(当時理事長・会長)に次ぐ就任。広域分散型の北海道にとって信用金庫は地域経済の要であり、地域の隅々までカバーする金融インフラとしてなくてはならない存在。北信協の新会長として道内の信用金庫業界をどう舵取りするのか、就任の抱負と今後のビジョンを訊いた。(佐久間康介)

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【緊急提言】㈱あかりみらい代表取締役 越智文雄氏

レプリコンワクチン接種の一時中止を
―製薬会社社員が売りたくないと内部告発―

総裁選で世の中が沸いているタイミングで、報道されないままに薬害事件の芽となるワクチン接種が開始されようとしている。製薬会社は社員が「家族にも打たせたくない!」と言っている新薬について全国新聞に一面広告を出したが、多くの団体が不安視しているその安全性については語ろうとしていない。自治体首長や医療関係者は、地域と住民が深刻な風評被害を被らないよう接種の一時中止を検討すべきである。

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【企業】自然由来化粧品のサボン・デ・シエスタが「シエスタのテラコヤ」スタート

ビジネスの核は自然との共生
創業20年を前に「大人の学校」

石油化学原料を一切使わず、良質の天然素材で手間暇を掛けて石鹸やスキンケア商品などを製造販売しているサボン・デ・シエスタ(本社札幌)。ものづくりだけでなく植樹活動やフィリピンとのフェアトレードも実践するなど、地球環境を保全する企業活動を地道に展開している同社が、来年の創業20周年に向けて「シエスタのテラコヤ」と名付けた大人の学校を始める。そのプレスタートとしてこの10月から約20人を集めて定期的にワークショップを開催するという。大人の学校「シエスタのテラコヤ」の意義と目的とは──。(佐久間康介)

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【衆院選】社民党公認候補として衆院選の出馬を決めた鳴海一芳氏に訊く

「自公政治」と訣別するために
今回の選挙で風穴を開けたい

社民党北海道連合副代表を務める鳴海一芳氏(70)が10月27日投開票の衆院選に比例代表道ブロックで出馬する。元最高裁事務官で在職中は労働組合の役員を歴任。親の介護のために小樽に転居後、カジノ反対や護憲、脱原発運動に取り組み、6年前には小樽市長選にも挑戦した。そんな鳴海氏にとって今回の出馬は市民運動の延長線上にあるようだ。「新自由主義を掲げる自公政治は自己責任や格差という言葉で労働者の生活を破壊している。その政治がいかなるものかを選挙戦で周知していきたい」と意欲を語っている。(武智敦子)

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【連載】ルポ「ひきこもり」110──北見市の新たな支援から【後編】

ピアスタッフの「リアルな声」に
寄せられた共感、生まれた希望

8月下旬に北見市内で開催された「支え合いの地域づくりフォーラム(ひきこもり支援フォーラム)」(北見市地域福祉活動合同推進本部主催)に関する後編だ。フォーラムの後半は「“その人らしく暮らし続ける”を考える~ひきこもり経験者の『声』をとおして~」と題して札幌市のNPO法人「レター・ポスト・フレンド相談ネットワーク」(レタポス・田中敦理事長)のピアスタッフ3人が自らのひきこもり経験や親との関係、当事者活動についてトークセッションを行なった。午後からはレタポスが主催する居場所「ふらっと」が北見市芸術文化ホールで開かれるなど、実態調査でひきこもり問題が深刻なことが判明した北見市のひきこもり支援が本格化している。 (武智敦子)

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【文化】劇団うみねこ元代表・吉川勝彦さんに訊く(後篇)

時代や環境が変わっても
変わらない芝居への情熱

小樽を活動拠点とする「劇団うみねこ」の元代表、吉川勝彦さん(80)のインタビュー後篇は、仕事との両立に苦労しながら芝居を続ける劇団員の奮闘をはじめ、長く公演を続けてきた「運河プラザ」(市内色内2)の民間貸し出しに伴い利用ができなくなった経緯についても話が及んだ。来年8月3日には、吉川さんのオリジナルで小樽空襲を題材にした『失われしもの』の上演が小樽市民センター・マリンホールで予定されている。60年にわたり打ち込んできた芝居への情熱は、今も衰えることがない。(武智敦子)

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【連載】戦争遺産をめぐる旅 【107】

10万人が犠牲になった惨禍を伝える
「東京大空襲・戦災資料センター」

民間による「歴史の真実の継承」

1945年3月10日未明から始まった惨禍、侵入したB29約300機が雨あられと投下した焼夷弾でおよそ10万人もの犠牲者を出した東京大空襲。この出来事を未来に語り継ぎ、平和の研究と学習を目的として今から22年前の2002年3月9日、東京都江東区に民間が運営する「東京大空襲・戦災資料センター」が開館した。4年前に展示リニューアルしたという同センターを訪れると、今も世界各地で市民を巻き込んでいる戦争の本質を改めて知ることができた。
  (ジャーナリスト 黒田 伸)

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【フォトレポート・トピックス】
●帰ってきた矯正展 作業品や野菜の販売に長蛇の列
●「食の学校祭」にあふれた農業を学ぶ学生らの笑顔
●地元の食を通して地域に貢献 アンデルセングルメ祭り開催
●秋の行楽は「有珠山ロープウェイ」を拠点に紅葉の名所「洞爺湖有珠山エリア」へ!
●フィッシングとアウトドア「コルソ旭川」がオープン!
●ココノススキノに注目ラーメン5店舗集まったミングルが開業
●ススキノピックアップガール「らむ」(OLクラブ アフターファイブ)
●北洋銀と道銀が内定式を開催 来春入行予定の新人にエール
●OMO7旭川が12月から提供する厳冬の街のさまざまな楽しみ方

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【連載コラムなど】
*つれづれフォトエッセイ
*シネマ
*スポーツ筆刀両断
*古本屋女房の“古本的日常”
*デンタルエッセイ
*北海道妄想紀行
*連載小説 仮面の恋
*よいどれブンガク夜話
*ソレでもナマがすき?
*夏井功の夜を駈ける車イス
*人物株価
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【今月の表紙】鈴木翁二画
『たそがれのちから』
【報道】通信大手元幹部の不動産投資詐欺疑惑を追う

元同僚らを騙して資金を集め
自己破産で踏み倒した9億円

札幌在住の高齢男性が9億円近い負債を抱えて自己破産した。かつて通信大手の取締役だった男性は在職時から借金を繰り返し、手がける不動産投資事業で配当を出すとして元同僚や知人から多額の金銭を集めていた。だが、事業は全くのでっちあげ。昨秋から詐欺容疑で刑事告訴に動いていた債権者たちは、今回の自己破産を「責任逃れ」と怒りを隠さない──。 (本誌編集長・工藤年泰)

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【報道】首相批判封殺の波紋㉙

「半分勝訴」確定

野次排除事件から丸5年
国賠上告を最高裁が棄却

結論は、唐突だった。発生5年を過ぎた直後に伝わった「上告棄却・不受理」の報。1年2カ月前の控訴審判決を追認するその決定は、当事者らが使う言い回しの通り「半分」意義のあるものには違いない。2019年夏に札幌で起きた首相演説野次排除事件は、司法判断が確定することで一つの節目を迎えた。無論、即ち「終わったこと」になるわけではない。本稿もまた、飽くまで現時点での報告という位置づけだ。(小笠原 淳)

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【報道】告発・陸の蟹工船〈7〉

「原告主張は誹謗・中傷」

恵庭牧場、市が虐待認識を否定
裁判所は手話通訳に公費認めず

恵庭市の牧場で持ち上がった、長期間に及ぶ障碍者虐待疑惑。被害当事者たちが起こした損害賠償請求裁判は、提訴から丸1年を経て5回めの口頭弁論を迎えた。早期に被害を把握していたことが疑われる被告の自治体は今回、改めてこれを否定し、原告側の批判を「誹謗・中傷」とまで言い募ることに。元市議への忖度も含め、飽くまで行政に責任はないとの主張は、2年めを迎えても変わらないようだ。(小笠原 淳)

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【ジャーナルズアイ】深海工学会の調査チームが慰霊祭で初公開

留萌沖の「三船遭難事件」で
明らかになった沈没船の姿

 終戦直後の1945年8月22日未明に樺太の大泊(コルサコフ)港から引き揚げ者を乗せ小樽に向かっていた引き揚げ船3隻が旧ソ連軍の攻撃を受けて2船が沈没、1船が大破し、1700人以上の犠牲者を出した留萌沖の悲劇「三船遭難事件」。
 この事件から79年目の8月22日、留萌市の了善寺で執り行なわれた慰霊祭で、今も日本海の海底に眠る2船の船影が鮮明に映った立体図が関係者に公開された。沈没船の実際の様相が明らかになったのは初めてで、将来の引き揚げや遺骨収集につながる可能性もある。(ジャーナリスト 黒田 伸)

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【ジャーナルズアイ】

立ち直り 支え続けて

少年矯正考えるシンポジウム
北海少年院で初の試み

非行に手を染めた少年たちと関わる専門家らが一堂に会する討論会が8月30日午後、北海道内唯一の男子少年院となった千歳市の北海少年院(眞部岳英院長、定員150人)で開かれ、教育者やカウンセラー、保護観察官などが今後の少年矯正について現場の職員らと討論した。話題は少年院などの施設内での取り組みに留まらず、いわゆる社会内処遇や福祉的対応など多岐にわたるテーマで議論が進み、学生を含めた約30人の参加者の多くが改めて問題意識を強くした様子だった。(小笠原 淳)

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【シリーズ・住宅不動産情報】㉓──札幌中心部に竣工・開業するオフィスビル

ススキノ地区にもオフィスエリア
創成イーストにワーカー交流拠点

札幌中心部ではオフィスビルや商業ビルの建て替えが活発だ。街全体のリニューアルが進む中で、建設途上の物件や解体を待っている物件、間もなく竣工・開業を迎える物件がある。古いビルが取り壊されて新しいビルが建つと、街の印象は大きく変わる。今回は、オフィスビルに絞って竣工・開業する物件を紹介する。 (佐久間康介)

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【ニュース】

■労災被害者ら支え続けて半世紀
 NPO「いの健」が記念冊子作成
 ──過労死対応など深刻化 11月には一般向けセミナー開催

■安平川のPFAS汚染を契機に
 「ラピダス」操業の課題浮き彫り
 ──市民グループと専門家が千歳川などで採水調査に着手

■賃料の高さでテナント募集に苦戦?
 北広島駅西口の複合ビル「トナリエ」
 ──球場直結の新駅開業を見越して入居を尻込みか


■公開質問状に「無回答」で応じた
 議員に住民から高まる非難の声
 ──仁木町の住民監査請求で問われる議会対応

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【経済】キャリアバンク・佐藤良雄社長が札証で個人投資家向けに講演

外国人特定技能労働者の紹介を拡大
官の運営施設の受託業務が次の市場

札幌証券取引所本則市場上場のキャリアバンク(本社札幌)が9月3日、札証で個人投資家向け会社説明会を開催した。会場には関心を寄せる約50人が集まり、同社の佐藤良雄社長の説明に耳を傾けた。自らの生い立ちをはじめ若くして起業した経緯、事業を取り巻く時代と環境の変化、今後の展開などを語った佐藤社長の講演の概要を紹介する。     (佐久間康介)

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【経済】各トップが期待する札幌のポテンシャル

ビジホ大手も世界最高級クラスも
進出を加速させる札幌ホテル市場

8月8日にはアパホテルなどを傘下に持つアパグループ(本社東京)の元谷一志社長兼CEO、同20日には世界屈指の高級ホテルブランドを展開するハイアット ホテルズ コーポレーション(本社アメリカ イリノイ州シカゴ、以下ハイアット社)のアジアパシフィックグループプレジデント、デービッド・ユデル氏とこの8月、著名なホテルのトップが相次ぎ来札した。目的は同市での新しいホテルの建設発表。ビジネスホテルとラグジュアリーホテルとで客層は異なるものの、札幌というまちのポテンシャルにこれから大きく期待しているのは確か。両社に限らず目下、ホテル進出が顕著な同市。奇しくもコロナ禍が落ち着いたタイミングでのこうしたホテルラッシュは〝満を持して〟なのか、それとも〝ようやく〟なのか。         (髙橋貴充)

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【連載】ルポ「ひきこもり」109──北見市の新たな支援から【前編】

「実態調査」で浮き彫りになった
深刻な現実から動き出した行政

ひきこもりの声なき声に耳を傾け、適切な支援につなげようと「支え合いの地域づくりフォーラム(ひきこもり支援フォーラム)」が8月24日、北見市の日本赤十字北海道看護大学で開催され、福祉職や自治会関係者ら約150人が参加した。北見市が2022年度に行なった実態調査で、18歳から65歳までのひきこもりの割合が国の調査より高い傾向を示したことから今後の対策を探るために開かれた。フォーラムでは調査結果の報告や厚労省の支援専門官による講演、ひきこもり経験者によるトークセッションなどが行なわれ、この問題への理解を深めた。2回に分けて北見市のひきこもり支援の動きをレポートする。      (武智敦子)

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【文化】劇団うみねこ元代表・吉川勝彦さんに訊く(前篇)

演劇一筋60年の反骨漢が
説く芝居の大きな可能性

過去にも本誌で紹介した、小樽の「劇団うみねこ」元代表、演劇一筋60年の吉川勝彦さん(80)の快進撃が止まらない。昨年12月には倉本聰が主宰していた「富良野塾」の元女優と朗読劇『父と暮せば』を小樽市内で上演。さらに今年8月には相手役を変え、同じ演目を岩内町で演じるなどパワー全開だ。そんな吉川さんがいま、憂慮しているのは、コロナ禍を経て若者の演劇離れが進んでいることだ。吉川さんを訪ね、最近の活動や若者たちにどのように芝居の楽しさを伝えるかを訊いた。                   (武智敦子)

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【医療】
道内初導入。診断と治療を一体化した
札幌東徳洲会病院の「ハイブリッドER」

3次救急に遜色ない体制で
重症患者の救命率をアップ

24時間対応の急性期総合病院として知られる、医療法人徳洲会 札幌東徳洲会病院(札幌市東区・山崎誠治院長/336床)で本年4月から「ハイブリッドER」が稼働し、大きな成果を挙げている。ハイブリッドERとは同じ部屋にCT(コンピュータ断層撮影装置)やアンギオ(血管造影装置)などの検査機器を導入し、患者を移動させることなく、スピーディーに検査・診断・治療を行なえる救急救命室。道内の医療機関では初となるハイブリッドERの導入を手掛けた救急科部長の松田律史医師(36)は、「診断と治療を並行して行なえる救急救命体制をさらに充実させ、ひとりでも多くの患者さんを救いたい」と話している。          (8月22日取材 工藤年泰・武智敦子)

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【医療】地域の小児科不足を解決する一助に

北広島の小児科医が地元に恩返し
Fビレッジこどもクリニック開業

野球観戦などで賑わう北広島の「北海道ボールパークFビレッジ」。8月1日、このボールパーク内のサ高住「マスターズヴェラス」に併設された医療モール「Fビレッジ メディカルスクエア」でオープンした小児科が医療法人社団UHN「Fビレッジこどもクリニック」だ。院長は北広島をホームタウンとして長年過ごしてきた鎌﨑穂高医師(59)。その北広島は小児科の不足が地域課題となっており、今回の開院はその解決の一助として期待される。開業に至った経緯や意気込みを鎌﨑院長に訊いた。    (8月23日取材 工藤年泰・髙橋貴充)

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【介護】家族で一緒に看取りを

札幌佐藤病院グループの老人ホーム
「スリール しあわせ館」がオープン

家族が一緒に入居者の看取りをできる広い居室を備えた住宅型有料老人ホーム「スリール しあわせ館」(能代谷智枝子施設長)が9月1日、札幌市東区伏古にオープンした。施設には家族葬ができる部屋も用意され、看取りから出棺までを施設内で行なえるユニークさが特徴だ。運営は、医療法人社団大蔵会 札幌佐藤病院(佐藤亮藏理事長)のグループ企業、株式会社大蔵商事(藤田昌人社長)。これまで大蔵商事は、札幌市内で「スリール 大学村館」(※スリールは仏語のスマイル)や「絆・三角点通り館」など10数カ所の高齢者対応住宅を展開。そうした中、病院ではなく施設で最期を迎えたいと希望するケースが増えているという。

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【文化】市立小樽文学館など3館が合同で伊藤整の「幽鬼の街」展

地元を舞台にした作品世界が
いまの小樽になだれ込む体験

小樽ゆかりの小説家、伊藤整(1905~1969)の小説をテーマにした企画展「ストーリーマップでめぐる伊藤整の『幽鬼の街』展」が市立小樽文学館、小樽市総合博物館の本館と運河館の3館で10月20日まで開かれている。『幽鬼の街』は、伊藤がモデルの主人公が故郷の小樽を彷徨い、かつてかかわりのあった女性らの亡霊と遭遇する物語。市立小樽文学館では、原作の草稿や初版本、作品の描写をストーリーマップ、古写真などで紹介。同文学館の亀井志乃館長は「ストーリーマップを使うことで、今までとは違った作品世界の中に入っていくことができる。3館の特色を生かした展示を楽しんでほしい」と話している。     (武智敦子)

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【連載】戦争遺産をめぐる旅 【106】

空襲の被災者を助けた「おポンプ様」
特攻隊の悲劇をいまに伝える福岡市

発展を遂げた街に残る爪痕

九州・福岡市のJR博多駅から繁華街に向かう大博通りのバス停「呉服町」近くの歩道に、「おポンプ様」と呼ばれる珍しい手押し二連式の井戸が保存されている。1000人以上の死傷者を出した1945年6月の福岡大空襲の時に、被災した市民へ大切な水を供給したことで知られ、渇水時の福岡市民の生活用水になったこともある。ここを起点に福岡市内を探索し、戦没者の慰霊碑や特攻隊員の像などを見つけた。戦後、大きく発展を遂げた福岡の街に残る戦争の負の物語とは。(ジャーナリスト 黒田 伸)

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【マンガ】

鈴木翁二特選漫画館
《ちきゅうのよかぜ 他》

本誌表紙絵でお馴染みの漫画家・鈴木翁二さんの傑作2編を紹介したい。収録した『ちきゅうのよかぜ』は、伝説の漫画雑誌「ガロ」1991年11月号に、『一億年』は93年5月号に掲載された作品だ。漫画家デビューを果たし水木しげるプロダクションにスカウトされた青年は、どうしようもない寂寥を抱えてやがて独り立ちし、唯一無二の“翁二ワールド”を築いていくことになる。その歩みは今も止まることがなく、近年は欧米など海外からの評価も高まる一方だ。40年来の熱血読者で、翁二漫画を愛してやまない美術教師で画家でもある伊藤潤さんのラブレターを添えてお届けする。

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【フォトレポート・トピックス】
●クラフトビールに注力するキリン千歳工場で品質官能評価会を開催
●旭川の森山病院と北海道オールオリンピアンズが包括連携協定
●全室個室のインテリジェントホスピタル「カレス記念病院」
●ソン外務大臣らベトナム要人がコープフーズの江別工場を訪問
●コープさっぽろとリラィアブルが読書の推進で包括連携協定を締結
●11年ぶりの桂ゴルフ倶楽部でニトリレディス 桑木志帆プロが栄冠に輝く
●三笠高レモンレシピコンテストのお菓子が商品化され期間限定販売
●EAGLE CUP シニアオープンで宮本勝昌プロが大逆転で初優勝
●北海道発の遺品整理士認定協会が「会員6万人」を達成
●アカプラに飲食と物販22店が出店 チャイナフェスティバル2024札幌

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【連載コラムなど】
*北海道フォトエッセイ
*シネマ
*スポーツ筆刀両断
*古本屋女房の“古本的日常”
*デンタルエッセイ
*北海道妄想紀行
*連載小説 仮面の恋
*よいどれブンガク夜話
*ソレでもナマがすき?
*夏井功の夜を駈ける車イス
*人物株価
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【今月の表紙】鈴木翁二画
『青春は汚い雨の街だった、てか』
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