【司法】「開かれた司法」が閉じ始めた ③
「こんな価格、うちには無理だ」
格安の落札額に官製ワープア疑惑
札幌・裁判所の手荷物検査3報
本稿記者は“出禁”延長決定
裁判所庁舎の手荷物検査について、3度めのレポートをお届けする。札幌高等裁判所(庁舎管理者)は、前号発売からほどなくして本誌の文書開示請求に一部対応、警備業者の選定方法がわかる書類などを開示した。時期を同じくして得られた複数の業界関係者の証言からは、本年度の警備受註業者が極端な安値で業務を請け負っていることがわかった。人権侵害や差別が疑われる手荷物検査は、そもそも「来庁者の安全を守る」という建前上の目的を果たしているといえるのか――。(小笠原 淳)
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【特集・2013参院選】
“熱”は冷めたか──
今夏の第23回参議院議員通常選挙は7月4日公示、21日投開票の日程になりそうだ。本号発売から1カ月あまりで、昨年末に続いて国政選挙が行なわれることになる。周知のようにいわゆるネット選挙がはじめて解禁になるトピックもある。
だが今回の選挙に“熱”はあまり感じられない。民主党が政権の座から滑り落ち、自民党の安倍内閣が発足して半年あまり。TPP参加や原発再稼働、消費増税といったナーバスなテーマはあるにせよ、アベノミクスによる景気回復への期待などから内閣支持率は高止まりし、早くから“自民圧勝”が囁かれているからだ。
【インタビュー】
*衆参のねじれ、解消へ ベテランとして北海道の声を国政に
(自民党・参議院議員 伊達 忠一 氏)
*地方や弱者が切り捨てられる時代に戻してはいけない
(民主党・参議院議員 小川 勝也 氏)
*新党大地として議席を得なければ北海道の未来が危うい
(新党大地・前衆議院議員 浅野 貴博 氏)
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【連載】元道新記者・黒田伸の「原発洗脳日記」(第10回)
それでも原発容認の読売新聞
自民と二人三脚の大メディア
「平和利用」にすり替えられた原子力の危険
フクシマの原発事故は、原発の危険性を指摘できなかった新聞やテレビなど大手マスコミにも大きな責任があったことが、この2年間で明らかになった。科学担当の専門記者でさえ、原子力発電所の燃料棒や使用済み核燃料を冷やす電源が津波によってすべて失われるという事態を予想できなかったのは、なぜなのか。そもそも津波被害を想定していない米国型の原子炉をどうして政府・自民党が積極的に導入して海岸沿いに並べたのか。そこには、敗戦国日本とアメリカの占領政策が深く関係している。そして世界一の発行部数を持つ読売新聞社が、自民党とともにわが国の原子力政策と密接に関わってきた事実も見逃すことはできない。 (ジャーナリスト・黒田伸)
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【連載】「倶楽部は踊る──記者クラブはどこへ」(第45回)
2年かけ、じわじわ開扉?
東京電力・福島第1構内取材の事情
一昨年3月の東日本大震災・福島第1原発事故以来、小欄では何度か地元・北海道電力の報道対応を批判・検証してきた。当初北海道経済記者クラブのみに認められていた権利(記者会見での質疑応答、各施設の現地取材など)はこの2年間で少しずつ拡大、現在ではフリーランスなども記者クラブとほぼ同じ条件で取材機会を得ることができている。一方、福島第1を抱える東京電力は現在どこまでその扉を開放しているのか。本年2度めになる原発内部公開の前夜、在京フリー記者たちの声に耳を傾けてみた。(小笠原 淳)
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【教育】 シリーズ 発達障害を考える(18)
──母親たちによる覆面座談会
「母親って何だろう」
過干渉、過保護。自身に
向き合ってきた親たちの軌跡
ある講演会で精神科医が「母親の過干渉は一種の優しい虐待」と指摘した。発達障害の専門家でもあるその医師は、日々の診療を振り返りながら「発達障害なのか、母と子の愛着の問題なのか、ボーダーラインが難しい」と続けた。胸に刺さる重たい言葉だった。親子の関係、そして絆は子供の人生に一体どのような影響を与えるのだろうか。取材を続けるなかで、大きなテーマの一つとして捉えたいと思った。発達障害からややそれるが、今回のシリーズでは不登校・ひきこもりの「親の会」の母親たちによる覆面座談会を企画し、「どういう育ちをしたか」「自身の親子関係が及ぼした子育てへの影響」などについて、忌憚なく話し合ってもらった。なお、進行役は会を主宰する奥井恵美さん(仮名)にお願いした。座談会の内容は前篇と後篇の2回に分けてお伝えする。(武智敦子、5月29日収録)
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【ニュース】
◆「第三者の土地に勝手に入れていない」
“篠路福移湿原”訴訟で被告社長が証言
──残土受け入れ業でのコンプライアンス重視を強調するが…。
◆「エムケイ参入訴訟」で敗れた
札幌ハイヤー協会が高裁に控訴
──「タクシー運転手のためにも後には引けない」と協会側
◆当事者目線で避難者に寄り添った支援を
「北海道広域避難アシスト協議会」が始動
──一時避難者の受け入れ支援プロジェクトも進行中
◆今年も市民に「公開」された
札幌市議の政務活動費3億円
──「黒塗り領収書1千枚」が示す市民感覚とのズレ
◆もの言わぬ受刑者600人の“新居”
札幌刑務所が来秋にも納骨堂移設へ
──「移設後も供養続ける」と、慰霊祭主催の女性団体
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【金融】就任1年、北洋銀行・石井純二頭取の新たな決意
愚直に北海道の底上げを図る
将来見据えた真の企業支援を
顧客ニーズに応えてこそのバンク
就任1年、石井頭取の新たな決意
北洋銀行の石井純二氏が昨年4月に頭取に就任してから1年が経過した。その間、政権交代があり経済を取り巻く環境も大きく変わったが、石井頭取の動きもスピード感のあるものだった。産業構造の変革を後押しするイノベーションファンドを創設し、ホールディングスを解消、先般は公的資金返済に向け第一歩を踏み出したほか、将来への布石も着々と打ち始めている。北海道新幹線の函館開業を睨んだ青森銀行との提携やASEANを見据えた海外戦略が、それだ。「ひたすら愚直に地域と企業を支援する」を信条とする石井頭取に現在の胸の内と経営戦略を訊いた。(聞き手・工藤年泰 5月17日収録)
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【経済】道内経済トレンドを追う
今こそ、中国マーケット!
「ヒューマンリソース事業」で
SATOグループが本格進出
札幌に本拠地を置くキャリアバンク、エコミック、SATO社会保険労務士法人、SATO行政書士法人──。佐藤良雄氏が率いる“SATOグループ”の中国ビジネスが本格化している。中国企業への日本人技術者の紹介、現地に進出している日系企業の労務管理サービスなど、いわゆる「ヒューマンリソース(人的資源)事業」をワンストップで行なえるメリットをアピール。現地での事業拡大を目指しているところだ。東南アジアも視野に入れグローバルな動きを加速するSATOグループの戦略をレポートする。
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【再考】新渡戸稲造が札幌に残した“ボランティアの心”
“新渡戸の精神文化”発信拠点
「遠友夜学校跡地」の再活用を
「遠友夜学校」の名をご存知だろうか。今からおよそ120年前の1894年(明治27年)、札幌農学校(現北大農学部)の教授として母校に戻った新渡戸稲造(1862─1933年)が、貧困のため学校に通えない子弟のために市内につくった夜学である。1944年(昭和19年)に解散するまで旧北大の学生らが無償で教え、半世紀の間に数千人が学んだといわれる。今、札幌市民有志の間で新渡戸の残したこのボランティア精神を後世に伝えようとする動きが始まっている。関係者の話を交えながら札幌における新渡戸の足跡、そして遠友夜学校が伝える価値をあらためて探ってみたい。(武智敦子)
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【夏のボーナス特集】資産運用のポイント
アベノミクスに浮き足立つな!
貴方を待つ金融商品の落とし穴
気がつけばアベノミクスで世の中が浮き足立っている昨今、折しもボーナス時期が迫りお金をめぐる話題が多くなる季節でもある。退職金を受け取った団塊世代はもちろん、退職間近な世代も老後の生活のために資産運用、あるいは投資の準備を始める人も多いことだろう。長らく続く低金利政策で定期預金だけではなかなかお金が増えない中、安全で安心な運用を心掛けるには何が大切なのか。マネープランセミナーや講演を数多くこなしているファイナンシャルプランナーの須藤臣さんに、投資運用の留意点などを分かりやすく解説してもらった。
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【話題の人】
札幌大学インターコミュニケーションセンターを
手掛けた空間デザイナー・ 守 健志氏に訊く
「『モノ』が『コト』に変わる瞬間。
理想は化学変化がイメージできる空間です」
商業施設や個人住宅を問わず、魅力的な「空間」には共通点がありそうだ。それは何だろう──。今回訪問したのは、商業施設や住宅、マンションの企画・設計・施工を手掛ける株式会社「エルム」(札幌市南区)の取締役で、空間デザイナーとして活躍する守健志さん(39)だ。最近は医療や福祉、教育関係の空間デザインも手掛けるなど、着実に守備範囲を広げる気鋭のデザイナーの持論は「デザインのための空間ではなく人とともに育つ空間デザイン」だという。守さんがデザインし今年4月にオープンした札幌大学インターコミュニケーションセンター「SUICC」(豊平区)で、“デザイナーのお仕事”についてうかがった。(武智敦子、6月3日収録)
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【長期連載】白井暢明の“未来を拓くドサンコロジー”
ホンネで語る北海道独立論 対談篇(40)
“オルタナティブ”の裾野を広げ
新たな教育システムの確立を
本来、地域のものであるべき教育が、国の管理のもとで画一化されている。地域に根差した教育とは、詰め込みによる偏差値教育から子どもたちを解放し、感性を育みながら人間らしく生きる自立への学びを手助けすることでもある──。長年に亘り「北海道独立」を提唱する白井暢明氏とNPO法人フリースクール「札幌自由が丘学園」(札幌市東区)の理事長で、多様な教育の在り方を模索する亀貝一義氏の「特別対談」後編では、新しい国づくりを踏まえた教育ビジョンばかりでなく、農業大国・北海道ならではの自給自足経済の可能性なども提起された。(4月11日収録)
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【フォトレポート・トピックス】
*岩内の温排水観測続ける斉藤さんが原発紙芝居をまとめた絵本出版
*おいしさとぬくもりの時間をつむぎだす石屋製菓「白いバウム」
*「豊水総合メディカルクリニック」が札幌のススキノにオープン
*北洋銀行が「ほっくー基金」で生物多様性保護活動を支援
*サッポロビールとホッカイドウ競馬がコラボ
*大乗院薬王寺で震災復興チャリティーコンサート
*占冠村ニニウキャンプ場がオープン! 管理棟内にクライミングウォールも
*首里最古の蔵元・新里酒造が登場! 第13回 「泡盛 de ナイト」inキタホテル
*「さっぽろライラックまつり」でジミー東原オールスターズが熱演!
*道内5都市の葬祭業者が連携 終活サポート mec21 発足
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【連載コラムなど】
*ビール・インフォメーション
*はるばるヒーロー
*新連載:狩野美香子の“一撮入魂”
*夏井功の「夜を駈ける車イス」
*連載小説「時は誰も待たない」
*風俗嬢の休日(「シレナ2 みさ」)
*人物株価
*シネマ『やさいのようせい クイズげきじょう』
*BOOK『札幌古書組合八十年史』
*視点 公共交通をどうする?
*須賀章雅のよいどれブンガク夜話
*新設企業ファイル
*異聞見聞稚内
*財界さっぽろ酒井雅広の“スーダラ記者日記”
*名画の小部屋
*スポーツ筆刀両断
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【今月の表紙】鈴木翁二画
『初列風切羽』
北方ジャーナルの内容
- 出版社:リ スタジオ
- 発行間隔:月刊
- 発売日:毎月15日
時代を撃つ北の報道・論評誌。大マスコミにはない独自の視点で世相を斬る!!
「北方ジャーナル」は昭和47年(1972年)に札幌で誕生した月刊雑誌です。いわゆる地元政経誌のジャンルに分類される媒体ですが、生活者の視点と取材を重視する編集方針を創刊以来のポリシーとし、05年11月からは有限会社Re Studioが発行元になっています。政治・宗教・医療情報に強い総合誌で、「北海道独立論」などユニークな長期連載も。日々の道内ニュース、掲載記事の続報・予告は「北方ジャーナルブログ」でも公開!
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