特集 最近の租税回避行為事例と包括的否認規定
本年3月のヤフー事件判決,5月の日本IBM 事件判決が相次いで下され,大きな話題となっている。両事件とも,巨大企業グループ内の取引による損失計上が当局に否認された事例だが,結果はヤフー事件が国側の勝訴,日本IBM 事件が納税者側の勝訴と明暗を分けた。
法令の適用に問題がなくても,明らかに税を免れる目的で行われた行為は,「包括的否認規定」により否認される。だが,租税回避目的とはどのように構成され,どのように立証されるのだろうか。いわれなき否認を甘受することなく,関与先を守っていくためには,税理士としても慎重な対応が求められよう。
そこで本特集では,最近の租税回避行為をめぐる事例を紐解きながら,税務当局による否認の態様を探り,税理士として行うべき対応策を検討していく。
租税回避行為と包括的否認規定の関係
/近畿大学法学部教授 八ツ尾順一
同族会社の行為計算否認(1)~所得税
/税理士 木島裕子
同族会社の行為計算否認(2)~法人税
/税理士 小林磨寿美
同族会社の行為計算否認(3)~相続税・贈与税
/税理士・公認会計士 林隆一
ヤフー事件判決の検証
~組織再編税制における包括的否認規定
/税理士 村木慎吾
日本IBM 事件判決の検証
~連結納税に関する事案と包括的否認規定
/税理士 竹内陽一
課税ベース浸食・利益移転(BEPS)に対する国際的取組み
/中央大学商学部教授 矢内一好
【フロントページ】成長志向の法人税への転換を目指す
――”広く薄く”の負担構造へ――
佐藤主光・一橋大学政策大学院・経済学研究科教授
法人税改革の方向性が固まった。本来なら,政府の”骨太の方針”が閣議決定(平成26年6月24日)される前に,精力的に課税ベース拡大等を議論してきた政府税制調査会(中里実会長)が報告書を公表するところだったが,そこは”総論賛成・各論反対”のよくある議論をまとめる難しさか,3日後の6月27日に成案を公表するに至った。
国際競争力の観点からの法人実効税率の引下げは歓迎すべきで,反対する人は少ないだろうが,骨太の方針では「数年で法人実効税率を20%台まで引き下げることを目指す」,「来年度から開始する」ことが明記された。一方で,財源については,「課税ベースの拡大等による恒久財源の確保」との縛りが設けられている。この恒久財源のメニューを政府税調で検討してきたわけだが,その報告書『法人税の改革について』をみると,これまで恩恵を受けてきた中小企業には厳しい方向性が,軽減税率の見直しなどで示されている。
今回の法人税改革は,”広く薄く”負担する税制への転換が打ち出された点で興味深いが,その背景や今後の方向性をどのように理解すればよいのか,政府税調委員でもある佐藤主光(さとう・もとひろ)教授にインタビューした。(聞き手/本誌 米奥典仁)
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【セミナー】
●民法改正最前線
[第17回]債権法の焦点(17)
~贈与契約
/慶應義塾大学教授 松尾弘
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【理 論】
●税務論文
雑所得・一時所得の区分とその経費性
/松陰大学大学院教授・弁護士 岸田貞夫
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●通則法実務
新たな「納税の猶予」「換価の猶予」制度と活用判断等のポイント(下)
/税理士 長井仁
●法人税実務
「社内飲食費」の該当判断と帳簿等の記載ポイント
/税理士 矢頭正浩
合併等に伴う繰越欠損金の処理をめぐる税務トラブル
/税理士 山元俊一
●資産税実務
公益法人等への財産寄附と非課税特例の活用ポイント(下)
/税理士・公認会計士 平松慎矢
●評価実務
「評価通達の定めにより難い場合」の判断と鑑定評価の留意点(上)
/税理士・不動産鑑定士 下﨑寛
●利益計画
産業廃棄物処理業のモデル利益計画
/中小企業診断士 宮田貞夫
●難問事例
自己株式の取得に伴う複雑な課税関係
/税理士 山田俊一
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●国税通則法の実務研究
[第11回]
Ⅴ 税務官庁の是正手続(通則法第7章の2を除く)(3)
Ⅵ 税務官庁の是正手続(通則法第7章の2・3)(1)
/筑波大学名誉教授・弁護士 品川芳宣
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【コラム・連載】
●深層を斬る
正面から憲法改正議論を
/青山学院大学教授 榊原英資
●役員給与実務の分岐点
比準使用人なき場合の使用人分賞与
/税理士 小林俊道
●税理士業務のヒヤリハット
その取引,課税? 免税? 対象外?
/税理士 佐藤直子
●新税務調査手続
青色申告と白色申告~記帳と制度の違い
/税理士 林幸一
●クマオーの消費税トラブル・バスターリターンズ!
ほんまかいな軽減税率!
/税理士 熊王征秀
●判決から読む憲法解釈
課税単位
/弁護士 木山泰嗣
●租税法令雑学塾
題名のない法律~「題名」のはなし
/税理士 青木丈
●税金クイズどっちが正解?
/税理士 岩下忠吾/税理士 岡﨑和雄
●政界舞台裏
維新分裂の余波
/政治ジャーナリスト 芙蓉峰人
●判決インフォメーション
/税理士 依田孝子
●国際税務基礎用語集
外国税額控除限度額の計算
/前明治大学大学院教授 川田剛
●財産評価のキーポイント
評価通達に定める私道の用に供されている宅地に該当するか否かが争点とされた事例(歩道状空地の取扱い)
/税理士 笹岡宏保
●事業承継M&A・虎の巻
売れる企業の企業価値の高め方
/中小企業診断士 長谷川勇
●歴史に学ぶ人心収攬術
私財を投げうち領民を北海道へ導いた伊達邦成
/作家・歴史家 加来耕三
●税務キャッチ・アップ
・個人事業税における農業課税
/税理士 森田純弘
・交際費の損金不算入制度の改正
/税理士 辻口順子
Q&A タックス質問箱
・法人税関係
接待飲食費の50%損金算入特例
/税理士 米山英一
・資産税関係
債務処理計画に基づく資産の贈与
/税理士 伊藤正彦
・地方税関係
二以上の都道府県で複数事業を行う場合の個人事業税
/税理士 古郡寛
・会計関係
連結納税制度を利用する際の会計上の留意点
/公認会計士 西田俊之
著者は語る
評価規定で補いきれいないグレーゾーンの力点がどこかを知ってほしい
税理士 風岡範哉氏
●ブックレビュー
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別冊付録
税務情報◎財産評価基本通達の一部改正について・ほか
目次
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