月刊 税理 2004年8月号 (発売日2004年07月20日) 表紙
  • 雑誌:月刊 税理
  • 出版社:ぎょうせい
  • 発行間隔:月刊
  • 発売日:毎月20日
  • サイズ:B5
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月刊 税理 2004年8月号 (発売日2004年07月20日)

ぎょうせい
巻頭論文
中小会社における計算の適正確保と法整備
早稲田大学大学院法務研究科教授・弁護士  稲葉 威雄
平成17年通常国会に提出が予定されている新しい会社法に、中小会社の計算書類の信頼性を高めること...

月刊 税理 2004年8月号 (発売日2004年07月20日)

ぎょうせい
巻頭論文
中小会社における計算の適正確保と法整備
早稲田大学大学院法務研究科教授・弁護士  稲葉 威雄
平成17年通常国会に提出が予定されている新しい会社法に、中小会社の計算書類の信頼性を高めること...

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目次

巻頭論文
中小会社における計算の適正確保と法整備
早稲田大学大学院法務研究科教授・弁護士  稲葉 威雄
平成17年通常国会に提出が予定されている新しい会社法に、中小会社の計算書類の信頼性を高めることを目的とした「会計参与(仮称)」制度が創設される方向である。中小会社においても、計算書類の適正確保の必要性が高まっていることの証左といえよう。本稿では、その適正確保に向けた過去の取組み、現状の問題点を踏まえた上で、求められる法整備の方向を提示するとともに、日税連提言の「適正担保証明」及び法務省提示の「会計参与」制度について考察する。


事例研究
同族会社への業務委託手数料の支払いと行為計算否認の可否
税理士松井  宏
各税法では、同族会社とその関係者との取引を通常の取引に引き直して課税する、いわゆる「行為・計算の否認規定」が置かれている。今回、この行為・計算否認の適否が争われていた事案で、納税者の主張を認める判決が下された(広島高裁平16.1.22)。本判決は、司法書士業を営む原告が、自らが代表者を務める同族会社に業務報酬の60%を「業務委託手数料」として支払っていたケースだが、ここでは本判決の概要を解説、評釈するとともに、税理士事務所でも行われがちな隣接法人への手数料支払いと行為計算否認のポイントについて探っていく。


特集
見直された文書回答手続の資産税実務への活かし方
国税庁の文書回答手続が拡大され、これまで受け付けられなかった個別取引等や同業者団体等の取引等に係る照会に対しても回答が行われることとなった。7月号の特集では、改められた文書回答手続の方法や効果を確認するとともに法人税・消費税の項目の具体的事例で事前照会の仕方・見解のノウハウを示したが、本特集では、資産税実務に関する文書回答手続の活用を具体的事例を基に検討する。

〈相続税・贈与税関係〉
相続財産の範囲 税理士・公認会計士 八ツ尾 順一
1.相続財産の非課税範囲については、相続税、租税特別措置法以外の他の法律でも規定がある。
2.相続財産の範囲については、その具体的な規定がない場合、
  法の趣旨、又は当該資産の担税力の有無から判断すべきである。

債務控除 税理士 山田 俊一
1.自然人の行う経済的取引、財産や身体に係る行為は多種多様であり、 一連の行為が完結する前に相続が開始すると、  相続税や所得税の負担について大きな影響を及ぼすことがある。
2.為された取引や契約の権利と義務の主体を、被相続人あるいは相続人のいずれにするかにより、所得や効果の帰属が異なることになる。
3.相続開始の時点を捉えて行われた事実を確認し、これに租税法の規定を適用するについては、 権利や義務及び財産に関する本来の法律効果を先に検討する必要がある。
4.相続税においては、財産と債務の評価や債務控除の可否、所得税においてはその所得が被相続人か相続人のいずれに帰属するかの判断が、申告の内容を決定する。
5.債務控除の対象となる確実な債務、及び所得である債務免除益の帰属に関して判断が困難な場合、文書回答手続により課税庁の見解を照会することも有効なことである。

相続人の範囲・税額の負担 税理士山本 和義
1.相続事案は個人のプライバシーに深く関わる部分が多く、事前照会に当たっては、事案が公表されることについては、共同相続人に対し「十分な説明と同意」が欠かせない。
2.代償債務の評価については、相続時から分割協議が整うまでの間に相当の時間が経過し、代償分割の対象財産の価額が大きく下落したときは、通達によらず相続税法22条の規定により相続時の価額により代償債務を計算することになると思われる。

税額控除 水戸短期大学講師・税理士橋本 守次
1.相続税の納税義務者が、配偶者に係る相続税の課税価格の計算の基礎となる事実の全部又は一部を仮装・隠ぺいし、  その仮装・隠ぺいしたところにより相続税の申告書を提出し、又は提出していなかった場合で、  その相続税について調査があったことにより更正又は決定があるべきことを予知して  期限後申告書又は修正申告書を提出するときは、配偶者の軽減税額の計算に当たって、  その仮装・隠ぺいされた財産については、相続税の課税価格の合計額又は配偶者の課税価格の合計額に含めないこととされている。
2.仮装・隠ぺいをして相続の申告を行った「相続税の納税義務者」とは、その相続に係る被相続人から相続等により財産を取得した者で相続税法1条の3各号に掲げる者に該当するすべてのものをいい、被相続人の配偶者には限られない。
3.仮装・隠ぺいを行った者が、民法891条の規定による相続欠格者であった場合には、配偶者の税額軽減の適用はどのようになるのか。

小規模宅地等特例 税理士 植田  卓
1.ある事案に関して、法令解釈についての疑問が生じ、かつ、法の趣旨や判例、裁決事例等を検討しても、その判断がつきかねる場合など、申告納税制度のもとで、申告の安全性や安定性を図るために、文書回答手続の利用を検討すべきである。
2.小規模宅地等の特例に関して、税法の解釈や適用をめぐって疑義が生じたものは、他の納税者にとっても有用な情報となるものであり、文書回答手続の対象になるが、個々の宅地等が具体的に小規模宅地等に該当するかどうかについての照会は、事実確認によるところが大きく、文書回答手続の対象にはならない。
3.文書回答手続を利用するに当たっては、申告納税制度の理念を踏まえ、あらかじめ納税者・税理士としての見解を十分に検討し整理してから臨むべきであり、安易に税務行政庁の見解を得ることを主目的として利用することは慎むべきである。

贈与財産 税理士 奥田 周年 税理士 渡邉 正則
1.贈与については事実認定の領域が広いため、提出資料のみで正確な事実判断ができるようにすることが重要である。
2.照会者の見解を根拠付けるための情報収集と正確な分析がカギとなる。
3.照会者名、照会内容及び回答が公表されるため関係者の事前調整(同意)を図る必要がある。公表を望まない場合は、従来からの個別相談で対応することになる。

相続時精算課税制度 税理士 坪多 晶子
1.平成15年度の税制改正で創設された相続時精算課税制度は、
  今までの贈与に関する税制とは大きく異なり過去の事例もないため、税法上の解釈が困難なことも予想される。
2.民法上の規定は法定相続を制定していると同時に、相続人間の任意の分割も認めているため、
  法定相続どおりの納税義務の承継は税負担の面から問題が生じることも考えられる。
3.事前照会を行う際には趣旨や事実関係を明確に記載するとともに、憲法、民法、税法の整合性を図ったうえで、手続をする必要があろう。
4.相続時精算課税適用者の相続税額は過大となることも予想されるため、否認された場合の加算税等の負担を考慮すると、事前照会を行ったうえで、納税手段とともに申告についての決断材料を早期に納税者に示すことも重要なことである。

〈譲渡所得税関係〉
取得費 税理士 田中 宏志
1.事前照会手続は、平成14年に設けられた書面添付制度とともに税理士の課税当局に対しての意見表明の手段として有効である。
2.資産税関係の取引等は複雑なケースが多いため、事前照会に当たり、その事実関係は正確に、かつ分かりやすく(場合によっては図表などを用いて)作成する。
3.事前照会を行うに当たり、事前照会者の代理人としての税理士の役割は、照会事例が本手続に適合するものであるかどうかの判断をすることから始まる。

保証債務履行のための資産の譲渡 税理士 高宮  徹
1.今回の見直しによって「特定の納税者の個別事情に係る取引」が文書回答手続の対象となり、対象の範囲が大幅に拡大された。
2.しかし、回答対象となる事例は照会者の氏名の公表等一定の要件があり、また事実認定を必要とする保証債務の履行のための資産の譲渡に係る事例については回答対象から外れる。
3.確定申告期限前に文書回答を得るためには、事例の発生と照会の時期について一定の判断が必要である。


特別解説 外形標準課Q&A総務省自治税務局企画課主査 君塚 明宏
 平成16年4月1日以後開始事業年度より、法人事業税に外形標準課税が導入された。政省令の手当てや取扱通知等は既に明らかにされているものの、従来の課税の仕組みとは大きく異なるものであり理解が難しいところである。本稿では、総務省に寄せられた多く寄せられた質問をもとに、Q&A形式で外形標準課税制度を基礎から解説するものである。制度の理解のためには必読である。



連結グループに賦課された加算税の処理と実務ポイント
税理士・公認会計士 緑川 正博
税理士浦部 千恵
今年度税制改正により、連結納税の付加税が予定通り廃しされたことで、新たに制度選択を視野に入れる企業も増えることが予想される。そんな中で、このほど国税庁より、連結法人税に係る過少申告・無申告・重加算税の取扱いに関する事務運営指針が公表された。連結法人は単体法人と異なり、特殊な所得計算・税額計算が求められるだけに、加算税の賦課においても単体法人とは異なる取扱いが規定されている。そこで本稿では、連結グループにおける加算税賦課基準のポイントと加算税がかかった場合の負担額の計算方法について解説する。


いわゆる義務的修正申告をする意義とその実務留意点 税理士 長野 匡司
買換え特例における措置法37条の2第2項の、取得価額が過大になったときや実行できなくなったときの義務的修正申告、収用交換等に伴い代替資産を取得した場合に取得価額に満たないこととなった場合等の措置法33条の5の修正申告など、修正申告をすることが義務付けられ、それによって加算税の賦課がされなくなる規定が設けられていることがある。こうした義務的修正申告は、どのようなときに、どのような手続でするか、義務的修正申告をする意味と、その効果効用、それに争いがありがちな点を留意事項として記述する。


「指導料」等の支出に伴うトラブルと妥当性の立証 税理士 稲澤 和光
企業が「指導料」名目の金員を支出することがある。これに対して、税務ではその支出の妥当性が求められる。例えば、親会社に対する経営指導料や、大学の教授に対する技術指導料、メーカーが下請けをする場合の発注先への品質保持指導料など多岐にわたるが、その妥当性が認められなければ、交際費や寄附金認定がなされてしまう。このようなトラブルを防止するために、指導料の支出に関して、いかにその妥当性を疎明するか――形式要件・実質要件をいかに担保するか――について、検討を行う。


資産の用途を変更する場合の税務留意点 公認会計士 井上  司
展示のモデルハウスを販売したり、販売用のパソコンを自社使用したり――と、固定資産としていたものを販売したり、販売用のものを自社で使用したりすることは、企業活動のなかでままあることだ。そうした場合、販売の仕入価額、販売額をどうするか、あるいは固定資産として償却する場合の償却額はどうするか、さらに販売用や自社使用の用途を変えるために、改良を加える場合などの支出はどのようにするか税務処理に困ることがある。こうした税務処理と社内での事務処理の留意点・チェックポイントを示す。


同族会社・役員間の金銭消費貸借で生じる問題点 税理士・日本大学非常勤講師 山元 俊一
役員が同族会社に運転資金を貸し付けたり、逆に同族会社が役員に生活費を貸し付けるといった行為は日常茶飯といえよう。だが、会社が行う貸付けに関して利息を付さなかったり、また貸付期間が長期に滞留した場合など、税務では賞与認定や相続財産認定など、予期せぬトラブルに波及していく。そこで、トラブル事例を多く取り入れながら、税務で起こり得る問題点を探る。

貸倒れが生じた場合の消費税処理をめぐる実務の疑問点 税理士 中田 研二
貸倒れが発生した場合の処理については、法人税法上(貸倒損失の計上)も消費税法上(貸倒金額に係る消費税額の控除)も、その要件、取扱いはほぼ同様のものとなっている。しかしながら、法人税、消費税それぞれの独自の規定によって、処理が異なる点もいくつかある。例えば、消費税の免税事業者であった期間の貸倒れ、他社から譲り受けた売掛債権の貸倒れ、輸出売掛金の貸倒れ……などである。本稿では、こうした法人税・消費税間の貸倒処理の異同を解説するとともに、実務上の疑問点を検証する。

これだけは注意したい! 限定承認の活用と留意点 税理士 鈴木  新
近年の景気の低迷は、相続財産にも暗い影をおろしている。相続人による保証債務などによる、いわゆる負の財産で、その評価額も明確ではない相続財産が増加していることから、単純承認が困難となっているのだ。そうした状況で適用が増加傾向にあるといわれているのが限定承認である。そこで本稿では、ほとんど適用がなかったという限定承認が増加に伴う法務・税務両面でのメリット・デメリットとは何かを明確にし、適用上の留意点を詳解する。

携帯電話ショップの税務と経営改善指導 税理士 矢野馬 通永
携帯電話の普及により、街には携帯電話ショップが溢れている。携帯電話のモデルチェンジの速さに加えて、ショップ自体が過当競争となっているという特徴がある。そこで、携帯電話ショップの業界現状を分析したうえで、販売手数料が収益の大半を占め、機種の陳腐化も多いなど、特徴的な経営形態に対する税務の留意点と、その経営改善指導について検討していく。

広告代理業のモデル利益計画 中小企業診断士 齋藤 恭明
広告費は、不況下においては、まっさきに削減されてしまうものであるため、多くの広告会社は現在苦しい経営を強いられている。さらに、今までになかったネット広告など新しい広告手段も開発されつつあり、時代環境にあわせた変化が必須となっている。本稿では、こうした環境を踏まえたうえで、生き残りのための経営改善のポイントを提示する。



連載
ポイント・オブ・ビュー
政策研究大学院大学教授 福井秀夫氏に聞く

税理士事務所みてある記
森谷 修一 税理士事務所(東京税理士会中野支部)

好調関与先にはワケがある!
株式会社ギャレット(愛知県名古屋市)/津田 明人 税理士(名古屋税理士会中支部)

検証! 非公開裁決
「公益法人等の収益事業」 千田 喜造

クマオーの消費税トラブル・バスター
「相続の特例と簡易課税の関係は、どうなる?」 熊王征秀

法律問題ワンポイント・レクチャー
「買収対象会社に株券がなかったら…」菅原万里子

金融機関との上手な付合い方
「財務諸表など計算書類の質の向上に向けた取組み」について-その2-/甲賀伸彦

医療法人制度の最新事情
「病院会計準則改正の影響と問題点」 東日本税理士法人

改正税理士法ステップアップ
近藤新太郎

税理士事務所のIT戦略
塩見哲/神田祐二

租税訴訟裁判への扉
蔵重有紀

私のKeyword/小谷文子

税理士の休日/宮森俊樹

税務・会計相談コーナー


別冊付録 税務情報
・平成16年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)
・財産評価基本通達の一部改正について(法令解釈通達)
・付加価値割及び資本割の課税標準の算定について
  ――「地方税法の施行に関する取扱いについて(都道府県税関係)」(事業税分)の抜粋
・持分の定めのある医療法人が出資額限度法人に移行した場合等の課税関係について〔文書回答事例〕
・金融所得課税の一体化についての基本的考え方(税制調査会金融小委員会)
・わが国経済社会の構造変化の「実像」について(税制調査会基礎問題小委員会) 

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