漂泊の俳人井月を訪ねて山頭火が旅した
知多、渥美、三河、遠州、 伊那を辿る。
美術家と写真家の二人旅。
ここには新しい山頭火がいる。
昭和14年4月から5月、山頭火はこの地を歩いた。
そして心にしみる句を残した。
撮影と取材は同じ季節に行われた。
文/味岡伸太郎
写真/山本昌男
B6判(186×128mm)/ハードカバー/本文264頁
山頭火は、昭和9年に清内路峠から鳩打峠を越える道で雪に苦渋して倒れ、果たせなかった井上井月の墓参りの旅に再び旅立つことになる。
死の前年となる昭和14年3月31日、山口の風来居を立ち、広島、大阪、京都をへて、4月19日には知多半島の師崎から船で渥美半島の福江へ。その後伊良湖岬、三河、遠州、伊那へと旅を続け、5月3日に念願の井月の墓参りを成し遂げる。井月全集を見て「よい本だった、井月の墓は好きだ」と日記に記して、すでに7年が過ぎていた。
〈駒ヶ根をまへにいつもひとりでしたね〉
漂泊の俳人井上井月は、18歳の時に故郷長岡を捨て、江戸に出、京都、大阪、明石と放浪し、30代半ば頃から約30年間伊那谷を放浪。66歳で寂しく死んでいった。
墓参りを終え、山頭火は木曽福島から名古屋に出て、大阪、奈良、神戸を回って5月14日に風来居に帰り着く。
山頭火が歩いたと同じ季節に山頭火が歩いたと思われる道を辿り、師崎から船で伊良湖へ。そこで新緑を見る。なるほど「春の山からころころ石ころ」だ。山の緑の中に、柔らかい新緑がころころと芽吹いている。山頭火の感受性と直感と音感の良さに、理屈抜きに納得させられてしまう。
商品情報・内容
- 出版社:春夏秋冬叢書(はるなつあきふゆそうしょ)
- 発行間隔:不定期
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春夏秋冬叢書(はるなつあきふゆそうしょ)は、東三河を中心とした三遠南信(愛知県東三河・静岡県遠州・長野県南信州地域)に関する地域発の文化情報を収集し発行。花の紹介、紀行文、民話集、環境、伝統芸能等々、毎号様々な内容に視点をあて、250頁ほどのハードカバーの書籍に仕上げられている。 3ヶ月に1冊、どんな内容の書籍が届くかはお楽しみに。
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