開山千三百年。
神秘に包まれた聖なる山がある。
鳳来寺山の伝説と自然を余すことなく紹介。
監修・林正雄
文・古田菜穂子 + 春夏秋冬叢書編集部
写真・宮田明里、山本宏務、加藤貞亨 協力・鳳来町
B6判(186×128mm)/ハードカバー/ 本文256頁(内カラー115頁)豪華版!
今から約千五百万年前、辺り一面は海という設楽一帯の海底で、激しい火山活動が始まった。隆起した地表面の岩石を吹き飛ばし、火山灰をまき散らしながら流紋岩質の溶岩が押し上げられ、鳳来寺山が形作られていった。山肌に隆起する巨巌怪石があちらこちらにごろごろと座し、山深く大木が生い茂る鬱蒼とした山中の気に一度触れると、あながち創造力だけとは言い切れない、常には隠されている特別な感受性が、遠い時の在処を嗅ぎ出して、自然に物語が紡ぎ出されていった。
その物語の主役が金翠で紅紫色をした鳳凰を自由に乗りこなす利修仙人である。
かつて鳳来寺山が桐生山と呼ばれていた頃、都では第42代文武天皇が重い病気にかかられ、散々手を尽くしても快方に向かわなかった。当時、利修仙人は、鳳凰に乗って大空を自由に飛行し、さらに赤鬼、青鬼、黒鬼という三鬼を自在に使役したという祈祷の力で天皇の治癒を願い、仙人は、鳳凰に乗り、都へ向かった。やがて天皇は全快され、天皇は深くその力に喜び、感銘し、仙人のいる桐生山に、薬師如来を本尊とする寺を建て、その名を鳳凰に乗って現れた仙人にちなんで鳳来寺と命名し、仙人の労に報いられた。これが鳳来寺の始まりである。時に大宝三年(703)のことである。
時は流れ、平安時代の末、西三河きっての富豪で、兼高長者と呼ばれる長者が矢作宿にいた。兼高長者夫妻は子どもに恵まれず、鳳来寺の薬師如来へ参拝した。そして満願の日の前夜、2人の夢枕に白髪の老翁が現れ「子供を授ける、女の子の場合は浄瑠璃と名付けるように。」と伝えられた。その言葉の通り、二人は一女を得た。その子は寵愛されて15歳の美しい娘に成長した。
その頃、源氏の御曹司義経は、15歳で鞍馬での修行を終え、奥州に旅立っていた。その旅の途中で二人は運命の出会いをする。
若い二人は互いの愛を確信したが、名残を惜しみつつも二人は別れなくてはならない。義経は出発にあたり、姫に「半年以内に必ず会いに来る。もし半年経っても来なかったら、鳳来寺の千寿ヶ峯の山麓で待て。」と言い残して行ったという。ここから物語はさまざまに展開する。
商品情報・内容
- 出版社:春夏秋冬叢書(はるなつあきふゆそうしょ)
- 発行間隔:不定期
■ 十年後には三遠南信の全てを知る。
春夏秋冬叢書(はるなつあきふゆそうしょ)は、東三河を中心とした三遠南信(愛知県東三河・静岡県遠州・長野県南信州地域)に関する地域発の文化情報を収集し発行。花の紹介、紀行文、民話集、環境、伝統芸能等々、毎号様々な内容に視点をあて、250頁ほどのハードカバーの書籍に仕上げられている。 3ヶ月に1冊、どんな内容の書籍が届くかはお楽しみに。
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