特集「こどもの日と母の日」
こどもの日。天気もよく、ノアちゃんたちは外で遊んでいました。
「かぶと、カッコイイなあ。女の子だけど一度かぶってみたかったのよね。それにしても仮面ライダーが戦国武将っていう時代。どうなんだろう?」
『平和を守るとか、地球を守るとか…“守る”とは“戦う”ことなのか? それでいいのか?』
と、あんまりこどもらしくない会話が続いていたそのとき!
“ピ~ヒャララ~”
「その笛の音は…だれ?」
“ヒーローはいつの時代も苦悩するものだ”
『あっ、アナタはもしや?』
“そう、我こそは、牛若丸。のちの源義経である。江戸のヒーローとも呼ばれているのだ”
「知ってる知ってる、♪京の五条の~♪」
“おお、弁慶をご存知か。あのとき私はけっして応戦せずにこらしめた。キミたちの疑問の答えも、そこにあるのではないかな”
『う~ん…とりあえずは、よく遊ぼうっと』
①かわいいこいのぼり・石橋美奈子
25年ほど前のこどもの日のイベント『大きいこいのぼりをつくろう』に合わせて全判や新聞紙で折るように創作。最近はミニが好まれるので15cm角や20cm角の正方形での折り方に変化させた作品です。
②あやめ飾り・木村松代
花と葉を組んだ形でつないでいくと、意外な造形美があり面白く思っています。色合わせを楽しみながら折ってください。
③兜BOX・山梨明子
兜の部分のフタと身が異なる基本形から始まるのに、なぜかぴったりフィットします。兜の内側の角を箱が押さえることで開かなくなる構造です。開けるときは兜の鍬形のあたりを左右からつまむようにすると中箱がストンと落ちてきます。
④兜の楊枝入れ・藤本祐子
⑩の白い部分は⑫の色の部分をくるりとひっくり返した形です。「豚折り」を基本にした作品ですが、最終的には桃の節句の「お雛様の楊枝入れ」(『415 号』掲載。写真右)とペアになる形に仕上がりました。色々な色の紙で折って楽しんでくださいね。
⑤牛若丸・笠原邦彦
これは大いに自慢の作品ですが、しかし相当難しいものです。千代紙などをよく選んで、人形作りのつもりで、じっくり折ってみてください。時間がかかっただけ、うまくできたときの喜びはひとしおでしょう。
⑥五角包みと八角プレート・川手章子
五角形の包みができあがったところで組み合わせたら、楽しそうと思い仕上げてみました。包みの方には切手やお便り、小さな折り紙作品が入りそうです。シンプルな作品なのでお子さんにも折ってもらえそうに思いました。
⑦兜・松野幸彦
『453号』の青木 良さんの作品を見て、四角い吹き返しを折り出してみたくなりました。 工程が短く、置いたときの安定もよいです。また 「つぶし折り」のような面倒な作業もなく、厚みによる折りにくさも解消できました。吹き返しに丸い鉛筆などをあててカールさせてもよいと思います。
⑧オカメインコ・土戸英二
2012 年の「折紙シンポジウム」創作・折り図部会のコーディネーターのマイケル・ラフォッス氏の宿題として、考えた作品です。上手にバランスをとれば指にのせることもできるので、チャレンジしてください。
⑨カツオの箸袋・山田勝久
「ぐらい折り」を、多用した作品です。1つ先の形を頭に入れて、よく見比べて折り進めて下さい。
⑩リボンの付いた籠・青柳祥子
竹籠の内側に花柄の布を敷いて使用したらとても素敵になりました。これは折り紙ですが、竹籠に布を敷き、両側をリボンで結んだイメージで作ってみました。大きなサイズでもつくってみてくださいね。
⑪いちご・青柳祥子
ポケット付きのいちごができました。お弁当や、ちょっとしたパーティに使うプラスプーンのカバーとして使ってもお子様が喜びそうです。
【ミニ知識】
◇端午の節供…5月5日。端午とは月の初めの午の日ということなので本来は5月とは限りませんが、今の6月にあたる旧暦の5月はじめじめとして病気がはやり、害虫の被害も多い時期なので古代中国では物忌みの月とされました。数字が重なり重要視された5月5日を端午の節供とし、薬効のある菖蒲や蓬を使って邪気(病気をひき起こすもととなるといわれる毒気)を払う行事が行われ、それが日本に伝わりました。一方、田植え前の女性たちが菖蒲と蓬でふいた屋根の下で、身をきよめるという風習もあり、端午の節供は女性の祭となります。鎌倉時代になると、菖蒲が「尚武(武事を尊ぶこと)」と音が同じであることから結びつき、武士が勇壮な行事を行うようになります。さらに江戸時代に入って、男児のたくましい成長を願う祭へと変わっていきました。端午の節供は、第二次世界大戦後の1948(昭和23)年、「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」ことを趣旨とする「こどもの日」となりました。
◇鯉幟…もともとは疫病除けの鍾馗などの武者絵が描かれた幟の脇に付けられた「まねき」という装飾品でしたが、江戸時代の半ばごろから吹き流しの大きなものが作られるようになりました。都市に住む庶民の間で、中国の黄河上流にある龍門の急流を登った鯉が龍になるという登龍門の伝説から子どもの成長と出世を願って飾られるようになりました。
◇牛若丸…鎌倉幕府を開いた源頼朝の異母弟の源義経(1159 ~1189 年)の幼名です。運命にもてあそばれた悲劇的な義経の生涯は、人々に同情され、多くの伝説が残っています。京都の五条大橋での武蔵坊弁慶との出会いと対決の「橋弁慶伝説」は特に有名で、武者人形のモチーフにもなっています。弁慶は太刀1000本を奪う悲願を、1000 本目で牛若丸に破られて家来になりますが、1000本の太刀を奪うのは牛若丸となっている話もあります。
◇八十八夜…雑節とは中国から輸入した暦を日本の風土に合わせる工夫の中で、季節をより的確に知るために生まれたもので、生活体験や農作業に基づいたものです。八十八夜は雑節のひとつで、立春から数えて88日目にあたる日のことです。立夏を3日後に控え、この日を過ぎれば霜の害がなくなると考えられ、農作業が本格的に始まる日とされ、茶摘みも最盛期を迎えます。古くから八十八夜に摘み取られたお茶は柔らかくて質がよいとされ、飲むと長生きできるという言い伝えもあります。
◇オカメインコ…オウム科の鳥。全長32cm。羽色は全身が灰色で、翼の一部が白く、オスは頭と顔が黄色で、オカメインコの名前のとおりにオスとメスともに「おかめ」のお面のように、頬にだいだい色の丸い斑が特徴です。オーストラリアの開けた林にすみ、日本にも古くから輸入されていました。
◇鰹…鰹の旬は夏と秋に年に2回ありますが、初夏に黒潮とともに北上する威勢のよい鰹を江戸の人々は好みました。初物を食べると寿命が75日延びるという迷信が信じられ、初鰹は高値でも買い求めることが江戸っ子の誇りとされました。旧暦の4月は今の5月下旬にあたり、「鰹の初市」は4月8日に立ち、刺し身に辛子味噌を付けて食べることが多かったそうです。「目には青葉 山郭公 初鰹」は江戸時代の俳人山口素堂(1642 ~ 1716年)の句です。初夏の景物を「目には青葉」「耳には郭公」「舌には初鰹」と3 つ並べた句です。この季節の黒潮を青葉潮ともいい、新緑の色をめざして鰹をはじめ多くの魚が寄ってくると漁師は言い伝えてきたそうです。また、昔の人たちは初夏に現れる時ほととぎす鳥が山から来ると思っていて、その初音も季節の風物として大切にしていました。
◇イチゴ…バラ科の多年草。漢字の「苺」は「大きく豊かな草の実」という意味です。英語のストロベリーの由来は、その実を保護するために麦わらを敷く風習とする説や、匍匐茎(新緑の付け根にできたわき芽が水平方向に長く伸びる茎のこと)が麦わらに似ているためという説があります。イチゴは、ビタミンC がたっぷりの果物です。実として食べている部分は「花托」が大きくなったもので、本当の実は表面に付いているゴマ粒状のタネです。タネがたくさんできるほど花托が発達するために、大きな実になります。キリスト教ではイチゴは聖母マリアを象徴していますが、これはヨーロッパのゲルマン人の母神フリッグ(英語で金曜日の意味のフライデーの由来になった女神)が、死んだ子どもたちにイチゴを食べさせて天国へ送ったという神話がもとになっているそうです。
●ミニ知識参考図書:『春夏秋冬えごよみ事典』(平凡社)、『年中行事を体験する』(中央公論新社)、『和ごよみと四季の暮らし』(日本文芸社)、『和のしきたり』(日本文芸社)、『年中行事事典』(三省堂)、『年中行事辞典』(吉川弘文館)、『江戸暦江戸暮らし』(亜紀書房)、『雛まつり親から子に伝える思い』(近代映画社)、『イチゴ』(日本放送出版協会)、『源義経』(吉川弘文館)、『鑑賞俳句歳時記 夏』(文藝春秋)、『大字源』(角川書店)、『英語語源辞典』(研究社)、『世界大百科事典』(平凡社)
【読者の広場】『462号』宛てのお便りをご紹介します
「おりがみカーニバル」のレポートがよかったです! 実物はパワーが絶対にちがう! でもすばらしい作品展を見た感動がよみがえりますね! 「折り図のミカタ」と「新オリガミツリー」はとても勉強になります。日々勉強ですね。「肉球」、こんなに楽しい気持ちにさせてくれるとは…!少し難しかったですが…。このごろは月刊『おりがみ』の作品を1 冊折ろうと心がけています。
折り方や創作などの勉強のつもりで、心を入れかえがんばります。少し考えていること! 「35cm 角の単色の折り紙について」…よく使う色だけでも協会で販売してくれたらよいのに…なんて思うのは私だけですか?用紙がないとき、みなさんどうしているのかな?と思っています。「折り紙の片付け(整理)方法について」…年々たまる紙です。みなさんはどのようにしているのか知りたいです。教えてください。
埼玉県 原 嘉子さん
ロシアの方の創作作品の「マトリョーシカ」と「バラライカ」を折ってみました。「マトリョーシカ」は大、中、小の3 体を組み合わせる楽しさがあります。「バラライカ」はロシアの弦楽器とのことですが、どんな音色なのでしょうか?これからも外国の方の作品をのせてほしいです。
青森県 原子睦子さん
今月号は「ロシアの冬のオリンピック」の特集とのことで、どんなふうに「ツルのワルツ」が使っていただけるのかな?と思っていましたが、表紙を1枚めくり、ハッ! ドキッ!となりました。五輪の輪として使ってくださるなんてすごい…です。「折り図のミカタ」、「新オリガミツリー」などは月刊『おりがみ』にふさわしい、勉強させていただけるページです。寒さがきびしく、かじかんでしまいそうなとき、フッと心をやわらかくしてもらいました。
長野県 川手章子さん
【支部だより】
2013おりがみ講習会 琉球支部「月桃の会」支部長 古堅幸江/沖縄県
南洋桜(トックリキワタ)が満開の2013年11月30日(土)、県社会福祉センターの研修室にて支部会員の兼島榮子さん(元支部長)と島袋保子さん(元副支部長)による「おりがみ講習会」を行いました。
今回で10回目の講習会です。ほとんど顔ぶれはお馴染みですが初めての参加者も10数人いて会場を埋め尽くす盛況でした。
午前の部では、川井淑子氏創作の干支の「午」色紙仕立てを兼島さんが指導なさいました。200%に拡大した「午」の見本をていねいに説明しながら進みました。
「素敵な干支の色紙ができて、お正月が楽しく迎えられそう」「午の色紙を飾って来年は、ウマくいく年になりそうだわ」などと感想が寄せられました。ミニ色紙にしたりブローチにしたりする方法なども紹介されました。
午後の部では、「フレーベルの模様折りの工夫としてワンポイントとクリスマスリース」を島袋保子さんが指導なさいました。
グラウンドフォルムと呼ばれる基本の形を学んで、フレーベルの模様折りを工夫しながら「プレゼント入れ」や「Mボックスにワンポイントとして5cm角で折ったフレーベルの模様折り」を添えました。それぞれが工夫したフレーベルの模様折りで、世界でたった一つだけのリースになり、喜びの声が聞こえました。
香川支部二つの作品展
香川支部「おりがみKAGAWA」支部長 坂本整子/香川県
1》香川支部と仲間たち展
2013年9月、NHK高松放送局ふれあいギャラリーにおいて、日本折紙協会香川支部と仲間たち展を開催いたしました。毎年恒例になり、高齢者の方から小学生のみなさん楽しみにしてくださっていました。また、今回は会員さんが娘さんお孫さんと三世代で作品を制作して展示、おいでたみなさんから「おりがみっていいですね。和やかなだんらんの様子が目に浮かびます」とのおことばをいただきました。
「世界のおりがみ展」のパノラマ作品を提出してすぐの作品展でしたが、「楽しくおりがみを」の言葉どおりみなさん楽しみながらの作品展でした。
2》「 おりがみでクリスマス」展 2013年11月26日(火)~12月1日(日)、NHK高松放送局ふれあいギャラリーにおいて日本折紙協会香川支部 第五回作品展「おりがみでクリスマス」を開催いたしました。
クリスマスを迎える森の動物たち。プレゼントいろいろ。スタンバイしているトナカイとサンタさん。魔法の家と天使…。それぞれの思いを表現しました。
素敵な作品を提供してくださった先生方に心より感謝いたしております。ありがとうございます。また、今回は滋賀の伊地知一志様にカナダで教えていただいたモミノキをご伝授いただき香川支部会員で制作いたしました。紙面をお借りしてあらためてお礼申し上げます。
2013年の折り紙活動報告(その1)
武南支部「折り紙夢工房」支部長 金杉登喜子 /埼玉県
1》 埼玉県芸術文化祭
2013年10月5日(土)~9日(水)の5日間、川口総合文化センター「リリア」ギャラリーで「埼玉県芸術文化祭2013」が開催されました。900名ほどの方が来てくださり、毎年見学者が増え力強く思います。今回は「キャラクターいっぱい夢の中」のテーマで制作にはげみ、りっぱな共同作品ができあがりました。会員も年ごとに腕を上げ、リピーターも増え、賑やかな作品展になりました。
2》 埼玉芸術文化ふれあい事業
11月2日(土)、「古典の日」の記念事業として「芸術文化ふれあい交流フェア」が埼玉文学館で開催されました。伝統文化を楽しく体験することのできる催しでした。折り紙夢工房は埼玉県のゆる玉応援団」で埼玉県観光課に登録済みのキャラクター95体を折り紙で作り展示しました。来場の方から、埼玉県のゆるキャラかれ、自分の街のキャラクターを写真撮影したり、折り方をお尋ねになるなど会話が弾み楽しい作品展となりました。折り紙教室もたくさんの方が体験し、折り紙の知恵と奥の深さに感動しておりました。
【ワールド オリガミ レポート】
Oritai 作品展 2013 -LOVE&PEACE- テーマ:「日本の四季」
Origami Oritai, India隊長 明日仁見(インド・ニューデリー)
2013年12月3日(火)より10日(火)まで、国際交流基金ニューデリー事務所(JF)の地下展示室において、「Oritai作品展2013」を開催(今年で4回目)。JF発行のお知らせに「毎年恒例の…」と載せていただけるほど定着してきているのが大変嬉しく感じます。
今年は皆で力を合わせて作った大きな作品が会場の壁を埋め尽くしました。「日本の四季」をサブテーマに、「LOVE&PEACE」の気持ちをみんなに伝えようと何か月もかけて準備してきたのです。鈴木恵美子先生の「くねくねヘビ君」のアイデアを使った雨季をあらわす虹、そして川崎敏和先生の桜、山梨明子先生の葉っぱ、丹羽兌子先生のもみじ、それに薗部ユニットと切り紙で春・夏・秋・冬を一本の「四季の木」で表現しました。また、川村みゆき先生の多面体で作った雪だるま、花器など、みんなの工夫が見られます。
特に学校関係者からの反響があり、Oritaiにも教えられる人が少しずつ増えてきているので、これでいろいろな所に「折り隊」を派遣できます! みんなに「折りたい!」の気持ちが芽生えますように…。
*
11月末には天皇皇后両陛下がデリーにいらっしゃり、Oritaiの活動こそ見ていただけませんでしたが、光栄にも、私がOritaiを代表して、インド全土で活躍する50名の邦人の一人として選ばれ、大使館にてお会いすることができました。この上ない喜びを感じます。
インドはまだまだ折り紙だけでなくいろいろな意味で発展途上の国ですが、日本とのいい関係を続け、素晴らしい頭脳を、力を、平和のために使っていけるよう、そのお手伝いができるといいなと思います。みなさま、どうか応援していてください。
連載〈第16回〉雑誌『小国民』にみる折り紙
‒今と江戸をつないだ明治‒ 岡村昌夫
【兜】
明治時代の少年たちに絶大な人気があった雑誌『小国民』の明治26(1893)年1月号に「蟹」の折り方が掲載されたのがきっかけになって、全国から集まり出した折り紙の投稿が5月号から毎号(月に2回発行)のように掲載されるようになって、その8月の第5年第16号に「紙兜折法」が載りました。「先づ一枚の白紙を取り、第1図の如く正四角に切り、其の点線通り折りて2図を得う 。」まだ編集者も不慣れでたどたどしく書き出しています。「白紙」と指定するまでもなく、当時の少年が遊びに使える紙は一般に「白紙」が当たり前でしたし、もし白紙以外の紙が使えるとしても、それで差し支えないはずです。さらに「第1図の如く」と言われなくても「正四角」は切れますし、(もちろん、当時は正方形の紙は売っていませんので自分で切る必要がありましたから)、正方形の用紙を長方形から切り出す時の段階で既に、対角線で折られていて、第2図のような直角二等辺三角形になっているはずですから、現実に即していない、不慣れな無駄の多い説明文なのです。不馴れなのは投稿者も同じだったと思います。折り図も説明文も上手に書けないでしょうから、投稿の際は、実物を送ってくるのが普通だったようで、ここでも最後に「山梨県伊藤善平氏の寄送せる実物解説に基きて記す。」としてあります。「実物解説」というのは、完成品だけでなく折り途中のいくつかの段階を示す折り見本を添えていたのでしょう。担当記者は、見本を元にして図を描き整理して、説明文を作り、掲載原稿にします。場合によっては、非常に手間がかかりますが、この記者は、未経験の仕事に熱中して、独自の工夫をし、分かり易い説明法を創りだしてゆきます。この後、2年以上にわたって集中的に連載された折り紙記事は、競争誌の追随を許さず、大きな足跡を残しました。現在の「山折り」「谷折り」という言葉の元になった「折り峰」「折り谷」という語はこの記者の発明ですが、この「紙兜」では、まだその段階には至っていませんでした。もちろん、「かぶと」は有名な伝承作で、江戸時代からありましたが、不思議なくらい古い資料があまり残っていません。浮世絵等にも出て来ないのです。子どもの遊びを描いた絵にも出てきません。折り紙が女の子の遊びとされていたために、男の子の折り紙遊びの図が少なかったせいもあるでしょう。それに、男の子が大きな折り兜を頭にかぶって遊ぶことはなかったと考えられます。つまり、後世の新聞紙のような、大きな用紙は貴重品で、子どもたちが自由に使える状況ではなかったからです。端午の節供で鯉のぼりや、鍾しょうき馗の絵は飾っても、一般に兜は飾りませんので、折り兜で遊ぶこともなかったはずです。それで絵に描かれることもなかったのです。有名な古典折り紙資料『折おりかたでほんちゅうしんぐら形手本忠臣蔵』(1800 年代初頭成立)の「大序」兜改あらための場の顔世御前が持っている兜は、これとは折り方がちがいますが、形は同じにしています。また、端午の節供のお祝いのお赤飯に添える「ごま塩包み」にこの兜をかたどったものがありますが、礼法折り紙としては、比較的に新しいと思われます。なお、明治末に伝承折り紙を集大成した『折紙と図画』に、「此折形を古は鍬形の兜と称したりしが今は単に兜とのみいふなり」という説明があります。完成形が現代と違っていますが、これが元の形です。勾当遺品折紙にも、同じ形で含まれていました。
~日本折紙協会とは~
NIPPON ORIGAMI ASSOCIATION (NOA)
日本折紙協会は、折り紙を世界の国々により一層普及させたいという思いと、幼児教育に限らず、大人の趣味、高齢者や身障者の方のリハビリテーションなど様々な可能性をもつ「おりがみ」普及の一助となりたいという考えから1973年10月27日に結成されました。
現在では、月刊「おりがみ」の発行、「世界のおりがみ展」「折紙シンポジウム」の開催、「おりがみ級」「折紙講師」「折紙師範」「折紙上級師範」の認定、「おりがみの日」記念イベントの実施、「日本折紙博物館」との提携など、おりがみ普及のためにさまざまな活動を行っています。
~会員になるには~
月刊「おりがみ」の年間購読を申し込めばどなたでも会員になれます。会員の特典として、協会発行単行本と協会取扱い折り紙商品の割引購入、月刊「おりがみ」への創作作品投稿、「世界のおりがみ展」「おりがみの日」「折紙シンポジウム」など協会主催行事に参加および作品を応募できるほか、「おりがみ級」「折紙講師」の申請資格があたえられます。
~月刊「おりがみ」とは~
会員から投稿される創作折り紙作品(話題の動物やキャラクター、季節にそった行事・イベントに関するもの)の折り図(折り方を図で順番に説明したもの)を紹介するほか、会員の折り紙活動を紹介します。折り図の順番通りに折っていけば完成できるので、小学生から90代の方まで1万人を超える会員の方がおりがみを楽しんでいます。
月刊「おりがみ」は毎月末ごろお届けします。
~世界のおりがみ展とは~
さまざまな情景を折り紙で表現した立体パノラマ作品(おりがみブースといいます)と個人作品の展示コーナーにおりがみ教室を加えたイベントが『世界のおりがみ展』です。もちろん書籍や折り紙用紙の物販コーナーを加えることもできます。
現在、世の中では様々なイベントが行われていますが「世界のおりがみ展」は動員催事と文化催事を兼ね備えた独特の巡回展で、1976年の第1回展より20年以上の歴史があります。
3年に1度ひとつのテーマにそって制作され、お子様ばかりではなく大人の方にも十分楽しんで頂き、毎回皆様に驚きと感動の世界を展開しています。なお、「世界のおりがみ展」には、外務省と文化庁の後援を戴いております。他に都道府県・市町村・地元教育委員会・マスコミ等に後援を戴いている場合もございます。
おりがみ展は、おりがみブース・個人作品展示とおりがみ教室に、オプションの[販売コーナー]で構成するおりがみイベントです。
[おりがみブース]は、数え切れないほどの作品によって作られたジオラマが、所狭しと展示されています。約90㎝角の展示台(ブース)とパネル(壁面)作品を基本に組合せて大小変化にとんだ装飾を可能にしています。又、この展示台は折りたたみ式で、運搬時には箱型に収納して運べるようになっています。
[個人作品]は、折り紙作品コンクールの対象になり、日本国内のみならず、世界20数カ国から送られてきた作品が、200余点集まります。その中から、外務大臣賞、国際交流基金理事長賞、NHK会長賞などの賞が授与されています。さらに、折紙著名人の作品も招待作品として展示します。
[おりがみ教室]は、日本折紙協会認定の折紙講師により行われています。1回40分の講座が1日数回行われ、いずれの会場でも連日大好評を頂いております。
[販売コーナー]は、日本折紙協会編集発行の月刊誌「おりがみ」、折り紙専門書、有名折り紙メーカーの商品(折り紙用紙等)を豊富に取り揃え、販売しています。これらの商品は、日本折紙協会がまとめて会場へ搬入・搬出致します。
この「世界のおりがみ展」は過去には全国の有名百貨店の催事として多く実施され、開催期間は標準で6日間前後です。集客には実績があり、「これほど折り紙が人気のあるものとは思わなかった」と催事のご担当者には必ず驚かれ、喜ばれます。昨年夏には日本橋三越本店催事場で実施し、大好評のうちに幕を閉じました。
来訪者としては、年配の方はもちろんですが、お子様連れのファミリー層も多いです。ベテランの折紙講師が懇切丁寧に教えますので、親子で皆さん楽しんでいかれます。当協会が活動趣旨に掲げている「折り紙の普及」にご協賛いただき、ぜひとも開催をご検討いただきたいと存じます。
パノラマ作品の最新作は下記の「護ろう世界遺産シリーズ」であり、全39点あります。
1. 世界遺産/WORLD HERITAGE SITE
2. 危機遺産ガラパゴス
3. 動物たちのヨセミテサミット
4. 中央アマゾン自然保全群
5. エジプトのカフラー王・クフ王のピラミッド
6. セレンゲティ国立公園
7. オーストラリアの世界遺産
8. 世界最大のサンゴ礁 グレートバリアリーフ
9. 大熊猫の故郷、四川省臥龍山脈の奥深い森林(大地震前の保護地区です)
10. 世界遺産 万里の長城
11. 柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺
12. 世界文化遺産 国宝姫路城-いま・むかし-
13. 白神山地幻想
14. 京都 秋の金閣寺(鹿苑寺)とその庭園
15. ひだ白川郷の秋
16. 世界遺産・原爆ドーム(旧広島県産業奨励館)
17. 山紫水明に包まれた日光の世界遺産
18. 琉球王国のグスク及び関連遺産群「識名園」
19. 琉球王国のグスク及び関連遺跡群〔首里城・首里城正殿〕
20. 高野山奥の院
21. 世界遺産・自然遺産・しれとこ
22. インド タージマハル
23. ビッグベンにつどう物語りの主人公たち
24. オランダ自然との闘いから、自然との調和に
25. アルプス山脈と登山鉄道。スイスの山合い風景
26. 世界遺産 スペイン コルドバ歴史地区
27. グラン・プラス世界遺産フラワーカーペット
28. 水の都ヴェネツィアの建築とラグーン(潟)
29. ギリシャアクロポリスの丘 パルテノン神殿
30. 発掘されたトロイ遺跡と伝説の木馬
バックパネル・アブスト(ディスプレイ棚)・パーテーション・テーブル・椅子・販売ワゴン・ガラスケース・ストック棚等什器、電源・配線、看板・ポスター・チラシ・入場券、宣伝広告・広報・告知(宣材のポジはご用意致します)等はお願い致します。又、地元教育委員会・マスコミ等の後援も頂けるようお願い致します。
開催費用は、開催時期・開催期間・開催場所・内容等の条件によりご相談の上お見積りさせて頂きますが、おりがみブース全作品と個人作品展示、おりがみ教室、販売コーナーを設置した場合(フル装備)の最終的なご予算は「7桁」になるとお考えください。
「おりがみブース」は折り紙で制作した繊細な立体作品ですので、傷付かないようにダンボールで覆い、1個が2m弱の立方体になります。また運送方法にも細心の注意が必要となり、チャーター便で他荷物と混載せずに運ぶため、運送コストが通常よりもかかります。
展示作品数は会場スペースやご予算に応じて調整できますので、実施期間、会場の場所と規模、おりがみブースの展示数、おりがみ教室の実施日・時間・対象人数等と全体のご予算につきましては、お気軽に担当佐野までご相談ください。
日本折紙協会事務局
おりがみ展担当 佐野
TEL:03-3625-1161 / FAX:03-3625-1162
~折紙シンポジウムとは~
全国各地で毎年夏(7月下旬)に開催。講演会、児童教育部会、歴史研究部会、創作部会、折り紙教室などにより新たな折り紙の世界に触れる機会として、また会員相互の情報交換や懇親の場として2泊3日の日程を行楽地(温泉地)で楽しく過ごします。世界各国から毎年300名を超えるおりがみファンが集まる世界最大の「おりがみイベント」です。
~NOAブックスとは~
日本折紙協会では、月刊「おりがみ」のほか、折り紙専門書籍を発刊しています。
購入をご希望の方は、日本折紙協会のHP(http://www.origami-noa.jp/)の「ショッピング」のページで表紙画像をクリックすると、アマゾンの購入サイトへジャンプできます。代金引換やコンビニ払い等の各種お支払い方法で購入できます。
~おりがみの日(11月11日)とは~
この日は世界平和記念日であり、また数字の「1」が4つで正方形折り紙の4辺を表すことから、日本折紙協会では「おりがみの日」としています。この日を中心にして、会員の皆さんから寄せられた作品の展示会「おりがみカーニバル」や折紙講師勉強会を毎年10月にこどもの城(東京都渋谷区)で開催します。
~「おりがみ級」と「折紙講師」とは~
「おりがみ級」とは、主に16歳未満の会員のための資格です。月刊「おりがみ」で指定している作品を規定数折って協会に送付し、認定されると「おりがみ級認定証」が授与されます。最初は10級からスタートします。16歳未満の1級取得者には申請により「こどもおりがみ博士」認定証と、NOA特製バッジが授与されます。(詳細は月刊「おりがみ」をお読みください)
「折紙講師」資格は、16歳以上の会員であればどなたでも申請できます。協会発行の「おりがみ4か国語テキスト」を購入し、テキスト掲載の全作品約60点を自作完成させた形で申請書(テキスト巻末)とともに協会に送付し、申請料2,100円を納付(下記口座番号へ郵便振替)します。その後審査会が全作品合格と認定した方に折紙講師認定証、資格証、講師指導の手引を授与します。不合格作品があれば、その作品のみ折り直して再提出いただきます。(詳細は月刊「おりがみ」をお読みください)。
おりがみ4か国語テキストは、折紙協会のホームページ(折紙協会で検索)経由で購入できるほか(代引き・コンビニ払い)、郵便局にある払込取扱票の通信欄に「テキスト1冊」とご記入の上、テキスト代1,020円+送料290円=1,310円を下記へ郵便振替で送金していただければ入金日より約1週間でお届けいたします。
口座番号00110-6-188035 加入者名「日本折紙協会」
~おりがみをおしえる~
老人ホームや社会福祉施設、自治体主催のサークル、保育関係施設・学校、文化センター、カルチャー教室などなど、さまざまな場所でおりがみは活躍しています。
独自にボランティアで教えている会員の方も多くおられますが、協会には全国から「おりがみを教えてくれる方を紹介して欲しい」という依頼が毎月あり、折紙講師資格をお持ちの会員の方に指導をお願いしております(協会より報酬を支給)。
おりがみ教室では、お子さんから年配の方まで「おりがみをおぼえたい」という気持ちにこたえようと講師も真剣です。熱のこもった授業を終えて帰られる皆さんの表情は満足そうですが、講師の方は生徒の「ありがとう」の言葉に安心しつつも、もっとわかりやすい説明はないだろうかと考えるようです。毎回真剣勝負なので様々な苦労がありますが、いろいろな形で努力が報われるようです。
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