特集「防災の日・敬老の日」
夏から秋へと季節が移っていく9月は防災の日で始まります。災害はいつも突然に起こります。恐ろしいことですが、いざという時のために、普段の生活の中で蓄えをきちんとしておきたいものです。半ば過ぎには敬老の日があります。人生経験豊かなお年寄りのお話をたくさん聞きたいですね。そしてお月見。今年は暦の関係で10月に入ってしまうのですが、お年寄りも子どももみんなで、きれいな月を見ながら、楽しいひとときを過ごしましょう。
掲載作品と作者のコメント(☆はおりがみ級申請作品)
おってあそぼう~コロコロサイコロ~川手章子
コロコロとよく転がる六角形のサイコロのようです。数字を書き込むとサイコロとして使えそうです。パーツ同士を組む時のりづけしなくても組めますが、少しだけのりの力を借りることで思いっきり振れますよ。
①☆ウッカリさんのポケット付三角錐・青柳祥子
「あっクリーニングの受取票、どこだっけ?会員証どこだっけ?いつもちょっとしたものをどこかに置き忘れてしまいます。この三角錐はちょっとしたものをはさめるのに便利です。家族へのメッセージもはさめますね。」
②お達者で・畠山久子
「最近、老夫婦が仲良く散歩をしている姿をよく見かけます。いつもまでもお達者で、と声を掛けたくなります。」
③指輪さし・永田紀子
「外出先から帰ったら、手洗いの前にまず指輪を外したくなります。その仮置き場所にと作ったのがこれです。箱にはネックチェーンが入るし、指輪も数個差すことができるのでとても重宝しています。」
④☆スタンプホルダー・川手章子
「折り始めを表と裏の2通りで折ることでⅠとⅡのタイプを楽しめます。口のところがガマ口のようにパチッと留められます。15cm角の折り紙で折るとちょうど切手を入れておくことのできるサイズとなりますよ。」
⑤リクライニングチェアー・木村松代
「クマやネコ、イヌなどを折った時、ちょこんと乗せられる物があれば面白いと思ったことがこの作品につながりました。背の両横をしっかり起こし、ポケットになっている部分をのりづけすると安定します。」
⑥雅(鶴)・小倉隆子
「雅という名付け親は近所のファミリーレストランでアルバイトしている学生さんです。その名の通り優美な鶴ができあがりました。前半しっかり線を折ることでひっくり返しが容易になるでしょう。」
⑦風の盆・岡野京子
「越中おわら風の盆。幻想的で凛とした姿を直線的に表せたと思います。笠を目深にかぶらせた方が、感じが出ると思います。」
ミニ知識・おわら風の盆
農作物を風の害から守るために祈る儀礼を風祭りといい、その代表的な祭りです。富山県八尾町に伝わり、9月1日~3日におこなわれます。太鼓や三味線、胡弓を鳴らし、「越中おわら節」にのって踊ります。ところで、色鮮やかな浴衣に反して帯は黒ですが、これは大正時代、浴衣はそろえても、帯までは余裕がなく、多くの人が持っていた葬式用の黒い帯で間に合わせたからだといわれています。
⑧十五夜のおしのぎ箱/わっぱ弁当・青柳祥子
「十五夜のお月さまを見ながら、この小さなお月さまの箱に雪ウサギの和菓子や、お団子などちょっとお腹をしのげる和菓子を詰められたらという思いでできた作品です。うれしい時、悲しい時、私たちはその波の中で生きています。うれしい思いをお菓子がいっそう華やかにしてくれ、悲しい思いをなぐさめてくれる。人の気分を転換してくれるとおっしゃったのは、随筆家の岡部伊都子さんでした。」
ミニ知識・十五夜
旧暦8月15日の夜で、1年中でもっとも美しいといわれる月を鑑賞します。今の9月から10月初めに当たり、2006年は10月6日です。また、旧暦9月13日(2006年は11月3日)の月を「十三夜」といいます。昔はこの2回の月を愛で、どちらか一方の月を見ないことを「片見月」と呼び、忌み嫌ったそうです。もともと「十五夜」も「十三夜」も豊作を願い、実りに感謝する農耕儀礼に結びついていました。
ミニ知識・曲げわっぱ
スギやヒノキなどの薄い板を円筒形に曲げ、桜の皮で縫いとめ、これに底をつけた弁当箱(わっぱ)のことです。歴史は古く、奈良時代にまでさかのぼるそうです。有名な秋田県の「大館曲げわっぱ」は江戸時代、大館城主の佐竹西家が領内に豊富にあった森林資源を用いて、領民の貧しい暮らしを打開するために製作を奨励したものといわれています。
~☆詩を折る第4回~野口雨情「烏と地蔵さん」 色紙構成/制作・竹内恵子
石の地蔵さん
居ねむりしてた
にこりにこりと
居ねむりしてた
烏アときどき
団子見て啼いた
石の団子で
盗っても駄目だ
石の地蔵さん
駄目団子もってた
にこりにこりと
駄目団子もってた
「小学少女」大正十年四月号童謡集「十五夜お月さん」
「色紙作品を創るときは、全体のバランスを考えて貼る位置を決めるとよいですね。石の団子で、カラスもさぞかしがっかりしたことでしょう。のどかで平和な一場面です。気持ちがホッとする風景に仕上げてください。」
ミニ知識・野口雨情(のぐち うじょう)
1882年(明治15年)~1945年(昭和20年)に茨城県生まれの童謡詩人、民謡詩人。茨城なまりの「~やんす」が口癖で、「やんすの先生」として親しまれていたそうです。
この連載で取り上げるのは「366号」の「ねむの木」に続き2回目となります。田舎の風景を愛し、郷土色豊かな雨情の詩に、子どもや旅人、そして地域の守りとされた地蔵はよく登場します。またカラスは昔から子どもに近い存在と考えられ、雨情は代表作といえる「七つの子」を童謡集「十五夜お月さん」に「烏とお地蔵さん」とともに収めています。
ミニ知識・宝珠
地蔵が左手で持ったり、両手の掌で抱えて持っていたりする玉で、すべてのものの願いをかなえてやろうという地蔵の心を示したものといわれています。
⑨マスコットラビット・川手章子
「尾っぽだけは表現できませんでしたが、マスコットとしてカードに貼ってみてくださいね。」
⑩チャレンジコーナー/屈折はしご車・青木良
「おもちゃの消防自動車をイメージして、創作しました。はしごは銀のおりがみで折ると、のばしたり、ちぢめたり、好きなところで固定できます。(ふつうの紙だとバネがきいてしまって、のびたままになります)
⑪消防自動車(指令車/はしご車/救急車)・丹羽兌子
「火災現場で活躍する消防車輌。時には生命の危険をかえりみず、活躍する消防士の皆様に感謝の気持ちをこめて消防車輌のチームを折りました。」
ミニ知識・防災の日
9月1日。1923年(大正12年)のこの日に起きた関東大震災の教訓を忘れないという意図で、1960年(昭和35年)に制定されました。また、旧暦では9月1日ごろが立春から数えて210日目の「二百十日」で稲の開花期に当たりますが、昔から台風が来たり、強風が吹き荒れることの多い時期とされていたので、それに備えて防災の意識を高めるという目的もありました。
⑫なまず・伝承
「『ふくら雀』の折りの発展として明治時代までは確かに伝承されていた作品です。⑧の作業がしなやかな和紙でしかできないので、洋紙の普及とともに折られることが少なくなったと考えられています。和紙を使って折ってください。」
ミニ知識・ナマズ
地震や天候の変化に敏感なため、「地震の予知能力がある」とか「ナマズが地震を起こす」などと古くから考えられてきました。江戸時代の安政2年(1855年)に起きた江戸大地震後には、ナマズを擬人化した「鯰絵」と呼ばれる風刺版画が大流行したそうです。
最近、ベトナムでナマズからとれる油が新燃料として期待されているというニュースがありました。地震を起こす力は実際はないとしても、バイオ燃料としてエネルギーを生み出す力はあるようです。
[ミニ知識参考]
「年中行事事典」(三省堂)、「こころをそだてる子ども歳時記12か月」(講談社)、「大辞泉」(小学館)、「世界大百科事典」(平凡社)、「日本大百科全書」(小学館)、「たべもの起原事典」(東京堂出版)、「鯰絵 震災と日本文化」(里文出版)、「日本俗信事典」(角川書店)、「お地蔵さん」(春秋社)
◇◇支部だより◇◇
~町田支部「玉川」 支部長 落合けい子~
昨年の「世界おりがみ展」(テーマ:お国自慢)出展の際に支部を結成し、パノラマ作品「新東京百景 薬師池公園の春夏」を作りました。そのご披露を兼ねて、この度日本折紙博物館より作品をお借りして、「支部設立1周年のつどい」を開催しました。
支部のメンバーの個々の活動の中の作品と、町田で30年になる折り紙の歴史ともいえる色紙作品を、大判色紙とミニ色紙を合わせて120枚ほどを展示しました。また薬師池の名物でもある「睡蓮」のミニ色紙の講習もし、大勢の方で賑わいました。
たった1日の展示だったので、もう少し長くというご感想もいただきました。
~寄稿~「子どもの心を育てた折り紙」八木英子(広島県)
私は「留守家庭子ども会」(広島県では学童保育のことをいいます)で、15年間指導員をつとめ、折り紙を通して多くの子どもたちとかかわってきました。
私の折り紙の指導法は、「押し付けないこと」。折りたいと自分から思うまで待つのです。毎月指導員が季節感あふれる折り紙作品で壁面を装飾していると、子どもたちも一緒に折るようになりました。人間とは不思議なもので、一つの作品が折れるようになり、誇れるものが出てくると自信につながります。最初折れなかった作品も折れるようになってきました。子どもたちの心が少しずつ変わっていくように思われました(次号につづく)。
~おりがみニュース~
「防災おりがみワークショップ」開催
会場/さいたま市防災センター1階防災展示ホール
時間/9:00-16:30(月曜、祝日、年末年始は休館)
交通/JR大宮駅東口よりバス「自治医大医療センター入口」下車徒歩1分
電話/048(648)6511
「ブックハウス神保町」に折り紙作品展示&折り紙書籍と折り紙販売
場所/ブックハウス神保町
交通/地下鉄神保町駅A1出口約20m
期間/8月31日まで
※8月19日(土)14時~と15時~の2回おりがみ教室を実施します(参加無料)。
ふるってご参加ください。
営業時間11:00~18:30
電話/03(3261)5691
~日本折紙協会(http://origami-noa.com)とは~
NIPPON ORIGAMI ASSOCIATION (NOA)
日本折紙協会は、折り紙を世界の国々により一層普及させたいという思いと、幼児教育に限らず、大人の趣味、高齢者や身障者の方のリハビリテーションなど様々な可能性をもつ「おりがみ」普及の一助となりたいという考えから1973年10月27日に結成されました。
現在では、月刊「おりがみ」の発行、「世界のおりがみ展」「折紙シンポジウム」の開催、「おりがみ級」「折紙講師」「折紙師範」「折紙上級師範」の認定、「おりがみの日」記念イベントの実施、「日本折紙博物館」との提携など、おりがみ普及のためにさまざまな活動を行っています。
~会員になるには~
月刊「おりがみ」の年間購読を申し込めばどなたでも会員になれます。会員の特典として、協会発行単行本と協会取扱い折り紙商品の割引購入、月刊「おりがみ」への創作作品投稿、「世界のおりがみ展」「おりがみの日」「折紙シンポジウム」など協会主催行事に参加および作品を応募できるほか、「おりがみ級」「折紙講師」の申請資格があたえられます。
~月刊「おりがみ」とは~
会員から投稿される創作折り紙作品(話題の動物やキャラクター、季節にそった行事・イベントに関するもの)の折り図(折り方を図で順番に説明したもの)を紹介するほか、会員の折り紙活動を紹介します。折り図の順番通りに折っていけば完成できるので、小学生から90代の方まで1万人を超える会員の方がおりがみを楽しんでいます。
月刊「おりがみ」は毎月末ごろお届けします。
~世界のおりがみ展とは~
日本折紙協会各支部がさまざまな風景や情景を折り紙で制作した美しい大型の立体パノラマ作品と国内外の個人創作作品を展示するほか、おりがみ教室の開催や、書籍と折り紙の販売コーナーを設置します。全国各地で不定期に行っています。(※おりがみ展、おりがみ教室のご依頼、ご相談、お問合せは、info@origami-noa.comまでご連絡ください。なお、その際は「フジサンマガジンをみて」とお書きください)
~折紙シンポジウムとは~
全国各地で毎年夏(7月下旬)に開催。講演会、児童教育部会、歴史研究部会、創作部会、折り紙教室などにより新たな折り紙の世界に触れる機会として、また会員相互の情報交換や懇親の場として2泊3日の日程を行楽地(温泉地)で楽しく過ごします。世界各国から毎年300名を超えるおりがみファンが集まる世界最大の「おりがみイベント」です。
~おりがみの日(11月11日)とは~
この日は世界平和記念日であり、また数字の「1」が4つで正方形折り紙の4辺を表すことから、日本折紙協会では「おりがみの日」としています。この日を中心にして、会員の皆さんから寄せられた創作作品の展示会(おりがみカーニバル)やおりがみ勉強会をこどもの城(東京都渋谷区)で開催します。
~「おりがみ級」と「折紙講師」とは~
「おりがみ級」とは、主に16歳未満の会員のための資格です。月刊「おりがみ」で指定している作品を規定数折って協会に送付し、認定されると「おりがみ級認定証」が授与されます。最初は10級からスタートします。16歳未満の1級取得者には申請により「こどもおりがみ博士」認定証と、NOA特製バッジが授与されます。(詳細は月刊「おりがみ」をお読みください)
「折紙講師」資格は、16歳以上の会員であればどなたでも申請できます。協会発行の「おりがみ4か国語テキスト」を購入し、テキスト掲載の全作品約60点を自作完成させた形で申請書(テキスト巻末)とともに協会に送付し、申請料2,100円を納付(下記口座番号へ郵便振替)します。その後審査会が全作品合格と認定した方に折紙講師認定証と講師バッジを授与します。不合格作品があれば、その作品のみ折り直して再提出いただきます。(詳細は月刊「おりがみ」をお読みください)。
おりがみ4か国語テキストの購入方法は、協会のホームページ(http://origami-noa.com、※「折紙協会」でも検索可)で購入するか、郵便局にある払込取扱票の通信欄に「テキスト1冊」とご記入の上、テキスト代1,020円+送料290円=1,310円を下記へ郵便振替で送金していただければ入金日より1週間~10日でお届けいたします。
口座番号00110-6-188035 加入者名「日本折紙協会」
~おりがみをおしえる~
老人ホームや社会福祉施設、自治体主催のサークル、保育関係施設・学校、文化センター、カルチャー教室などなど、さまざまな場所でおりがみは活躍しています。
独自にボランティアで教えている会員の方も多くおられますが、協会には全国から「おりがみを教えてくれる方を紹介して欲しい」という依頼が毎月あり、折紙講師資格をお持ちの会員の方に指導をお願いしております(協会より報酬を支給)。
おりがみ教室では、お子さんから年配の方まで「おりがみをおぼえたい」という気持ちにこたえようと講師も真剣です。熱のこもった授業を終えて帰られる皆さんの表情は満足そうですが、講師の方は生徒の「ありがとう」の言葉に安心しつつも、もっとわかりやすい説明はないだろうかと考えるようです。毎回真剣勝負なので様々な苦労がありますが、いろいろな形で努力が報われるようです。
日本折紙協会の公式メールマガジンです。全国のおりがみイベントを告知しています。
http://www.mag2.com/m/0000023495.html
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