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特集「母の日とこどもの日」
①戦国武将の兜・松野幸彦
7.5cm角で折って並べて、兜コレクションのような感じでミニの兜を作ってみたくなりできたものです。外形が同じで、さしこみポケットが前にある兜と後ろにある兜、60度でのまとめも面白いと思います。立物は、なるべく単純に作ってみましたが他の形にもできそうです。
②扇の楊枝入れ・藤本祐子
ナプキン折りの「扇」の応用で、後ろに三角ポケットをつけてみました。ピックやミニ小物などを入れて、お祝いのテーブルを華やかに演出してくださいね。
③かごめ(球体)・石橋美奈子
かわいいボールができます。⑮から折り方の変化でいろいろなデザインが可能です。くどいデザインにならないようにシンプルに!
④くし型の箱・永田紀子
何を入れたらよいでしょうか。ちょっと変わった形の一枚折りの箱ができました。⑬の形のままで入れ物として使うことができます。また、③の2本の平行な折りすじの幅を変えると箱の形が変化します。
⑤がま口サイフ・二渡昌子
本物のがま口のように、留めの部分をひねるようにして開閉します。ポチ袋にしたり、大きな紙で折ってギフトバッグにもいかがでしょうか。18cm角の大きさの紙で折ると千円札の四つ折りが入ります。
⑥カーネーション・小倉隆子
カーネーションの特徴でもある幾重もの花びらの感じがうまく出せた作品になりました。立体でも平面でも使えます。母の日のプレゼントに最適です。両面同色の折り紙で折るとよいでしょう。
⑦アンサンブル姿のミセス・川手章子
体がちょっとふくよかなミセスができあがりました。少しおしゃれしてお出かけの時に着ていたアンサンブル。今ではスラックス姿でどこへでも出かけてしまいますが、なつかしいスタイルです。
⑧カーネーションのメッセージカード&コーナークリップ・梨本竜子
途中の形でメッセージカードとして使ったり、クリップとして使ったり2通りに楽しめます。お母さんは物のプレゼントよりやさしい言葉をもらう方がうれしいかもしれません。
【ミニ知識】
◇母の日…5 月の第2 日曜日。日ごろの感謝を込めて、母親にカーネーションなどの贈り物をする日です。アメリカのアンナ・ジャーヴィスという女性が、母親の葬式で母親が好きだった白いカーネーションを捧げ、参列者にも配ったことが始まりとされています。1912 年に当時のアメリカ大統領がこの日を「母に感謝する日」として国民の休日に定めたそうです。一方、日本には第二次世界大戦後からこの習慣が取り入れられました。また、5 月5 日の「こどもの日」は「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」日として、1948(昭和23)年に国民の祝日となっていて、「母の日」でもあるのです。
◇カーネーション…地中海沿岸を中心にかなり古くから栽培されて、この花を古代ギリシア人は神のゼウスに捧げたといわれています。花冠や花環を作るのにカーネーションが欠かせなかったことから、花の名前はコローナ(ラテン語で花冠や花環の意味)に由来するという説があります。キリスト教では、十字架にかけられるキリストを見送った聖母マリアが落とした涙のあとに咲いた花とされ、母性愛の象徴とみなされています。
◇薬玉…今の5月は旧暦の6月にあたり、端午の節供はもともとは病気がはやりやすいこの時季に、ショウブやヨモギなどの薬草を使って邪気をはらう行事でした。昔、宮廷では香料や薬草を錦の袋につめて、鞠形にし、五色の糸(青、赤、黄、白、黒)を垂らした薬玉が魔除けとして飾られていました。これが、今の「くす玉」の由来です。
◇兜…頭部を守る防御用の武具で、着用者の威厳を示す役割もありました。奇抜なデザインにはその武将の信仰心や美意識が込められていたそうです。
◇豊臣秀吉(1536-1598)…兜は「馬簾唐冠形兜」で、現物は残っていないものです。
◇徳川家康(1542-1616)…江戸幕府初代将軍です。兜は「水牛角黒漆塗兜」で、鉢に熊毛を植え、黒漆塗の桐製の大きな脇立を付けたものです。
◇真田昌幸(1547-1611)…信濃国上田城主。真田紐は、太い木綿糸で平たく厚く織った真田紐がありますが、昌幸が刀の柄に巻くのに用いたことに由来するそうです。『真田十勇士』で有名な真田幸村(本名信繁)は、昌幸の次男です。兜は「鉄地黒漆塗突盔形兜鉢」で眉庇に黒漆塗りの大天衝の前立が付いています。突盔形兜鉢とは鉄板をはぎ合わせた頂点がとがった形の兜です。
◇ 伊達政宗(1567-1636) … 陸奥国仙台藩主。今回の兜は「黒漆塗六十二間筋兜」に細く長い弦月形の前立が付いたもの。伊達家では江戸時代を通じて半月を兜の立物としたそうです。
◇黒田長政(1568-1623)…黒田官兵衛(孝高)の息子です。兜は「銀箔押一の谷兜」で、源平合戦の戦場のひとつで、源義経が駆け下りて平家を破ったとされる、一の谷の断崖絶壁を表現しています。なお、一の谷兜には板を縦長に立てたものもあり、『453 号』に松野幸彦さんの作品を紹介しています。
●ミニ知識参考図書:『世界大百科事典』(平凡社)、『戦国武将変わり兜図鑑』(新人物往来社)、『戦国武将・合戦事典』(吉川弘文館)、『日本人名大辞典』(平凡社)、『江戸ごよみ十二カ月』(人文社)、『和ごよみと四季の暮らし』(日本文芸社)、『暮らしのならわし12か月』(飛鳥新社)、『江戸暦江戸暮らし』(亜紀書房)、『年中行事事典』(三省堂)、『記念日・祝日の事典』(東京堂出版)、『朝日新聞』(朝日新聞社)
デイケアで折り紙~生き生きと心豊かに~
第9回 「花菖蒲」田中稔憲
今月は花菖蒲です。『249号/絶版』掲載の杜若を使う方法もあるのですが、1枚の色紙に仕上げるには、花を5輪、葉を10 枚折らなくてはなりません。私は高齢者のための作品については原則10 枚が限界と考えています。一つ折りあげるのにどんなに単純なものでも5 分はみないと難しい。今回の作品は使っている紙の数は11 枚ですが、そのうちの半分は三角形を二つに折るだけです。だからできると考えてやってみたのです。花を花弁と花芯に分けることで、ほんの少しの折りごたえと、半数を二つ折りだけにすることで時間をかけずに仕上げることを実現しました。見栄えの割には簡単に折れるのです。
英語でアイリスと呼ばれる花は「あやめ」「しょうぶ」「かきつばた」「しゃが」。「しゃが」の様子は少し違うとはしても、あとはとてもよく似た花です。その微妙な違いを慈しんだのは日本の文化なのです。杜若は小川の両側にびっしりと生えて咲きます。金沢の兼六園では徽軫灯籠のそばの流れに沿って庭園の美を演出します。
花菖蒲は細い茎の先に大きな豪華な花を咲かせます。江戸期には将軍家に鉢が献上され、各大名が丹誠を込めて当日に咲かせることを競い、忠誠心を争ったのです。そういった歴史的背景が花を見る一人一人にとって違った風情をかもしだしているわけです。お年寄りの肥えた目を意識するとはまあ、こういうことなわけです。花菖蒲はカラフルな花が多いのでかえってすっきりして凛とした白の花菖蒲にしました。例えば紫だと杜若やあやめと似てくるので、白の方が花菖蒲の個性を私は感じるんだと思うんです。
この作品は花菖蒲以外の何にも見えないでしょう? 簡単に折れて、見栄えがして、質感が伝わる、この作品はこういった目的で作った作品の中ではかなりうまく行った例です。ちなみに、体に衰えがまだ感じられない、働き盛りの方は「豆色紙」で折って、机の横にでも掛けてみてください。ちょっといいインテリアになると思いますよ。
<読者の広場>
『474 号』はとても楽しかったです。特に「両面ハートフレーム」は1 番興味がある作品でしたので、最初に作りました。簡単で実用的、さらに作りやすい作品ですね。無地や柄の両面折り紙で15 個ほど作り友人にプレゼントしました。窓の部分には新年のあいさつの言葉や絵を描きました。すごく気に入っています。できあがったときの一つ一つに喜びを感じ、楽しく作ることができました。24cm 角の両面折り紙で作ってみても素敵でした。「おりがみガーデン」の「小花のリース」や「Sakura Brooch」が気に入っているので、折り図が掲載される日を首を長くして待っています。毎号先生方の作品にとても感動しています。私もいつか作品がひらめいたら投稿したいです。
群馬県 畑村美由紀さん
「本」がよかったです。「不切正方1枚折り」、私は今でも信奉しています。「Piazza NOA」、全国の折紙愛好家のお便りにふれることができるので毎月楽しみです。「ゆるキャラ」の折り紙に興味があります。メジャーな「くまモン」、「ふなっしー」はいろいろ紹介されていますが、マイナーなものも知りたいです。私の地域には「おづみん」(羊の精です)がいます。
大阪府 山田裕子さん
「2014 年おりがみカーニバル入賞作品」、とてもすばらしい作品ばかりですね!いつか私も入賞できるような作品が作れたら~! 斉藤静夫先生の招待作品「涼・オシャレ」は実物も見ましたが本当に細かくて、「すご~い!」と思わず言ってしまいました。石倉君代先生の「鬼の面、ひいらぎ」は目を書いたりしなくて表情があり、折りやすいです。「ひいらぎ」もトゲトゲの感じがあり、2 月の節分までにたくさん折りたいと思います。「おりがみカーニバルの年表」、テーマも年々変わり次のテーマは何かな~ ?! と楽しみです。「和紙ものがたり」は親類に養蚕関係の仕事をしている人がいますのでとても興味深く読みました。子どもが小学生のとき蚕をわけてもらい育てて、夏休みの自由研究で賞をもらったことをなつかしく思い出しました。
埼玉県 原 嘉子さん
今月号の「クイズ頭の体操」はスムーズにできました。『470 号』ではすごく悩みましたが…。土戸英二さんの「ひつじ」は顔の部分が色変わりで折れるのと、左右どちらの向きでも飾れるのがよかったです。「富士山」、「タカ」、「茄子」を置いて飾り、よい夢が見られたらいいと思っています。
青森県 原子睦子さん
●介護老人保育施設で折り紙講習
田口健司さん(東京都)
1月31日(土)、介護老人保健施設「大田ナーシングホーム翔裕園」で折り紙を教えました。こちらの施設は今回で3度目の訪問です。教える時間は、昼食後~おやつの時間の間のレクリエーションの時間として約40分。約30人の方に、職員の方に協力していただきながら、最初に竹川青良さんの「コットンコン」を折っていただきました。半分以上の方が悪戦苦闘しながらなんとか完成。上手く回転させられた方もそうでない方もおられましたが、みなさん楽しそうでした。
余韻を残しつつ、次の「梅の花(正五角形より)」に取り掛かりました。はじめに梅の枝と少しの梅の花を貼った台紙を見せ「このままでは寂しいので、みなさんで協力して梅の花を咲かせてください」と呼びかけスタート。 「これでいいの?」「うまく折れない」「こうやって折るのよ」とワイワイしながら折っていきました。梅の花の形を決めるハサミ入れは職員の方にしていただきましたが、開いて梅の花が現れたとき「きれいね」との声が次々に上がりました。
「紅梅」「白梅」の台紙を手元に持っていき、希望の場所を聞きながら完成した梅の花を貼っていきました。貼り終えた作品を見せたとき、「とてもきれい」「春が来たわね」と歓声があがりました。最後に「みなさんの協力で梅の花が満開になりました。そんな梅につられて、鶯うぐいすもやってきましたよ」と鶯(創作)を台紙に貼ると、とても喜んでいただけました。
●保育園の掲示板に壁面作品を飾っています 安野恭子さん(熊本県)
保育士です。保育に役立つと思い折紙講師資格も取得しました。毎月、保育園の掲示板に模造紙1枚分の折り紙作品を展示しています。月刊『おりがみ』で紹介される作品を参考に、数々の折り紙の本を見ながら、イメージを広げるのが楽しみとなっています。
今回は『475号』に紹介された【チューリップ】からヒントをもらい、3月の掲示板用作品を作ってみました。3月は【思い出のアルバム】の曲がテーマとなっています。保育園ではもうすぐ卒園式。毎日、園児たちがこの曲をピアノに合わせて練習しています。私自身も大好きな曲なので、聴くたびに想いが込み上げます。春・夏・秋・冬の回想シーンと併せて、保護者の想いも表現してみました。保育園の門を入ってすぐの場所に掲示されるので、毎月新しくする度に子どもたちや保護者の方に喜んで頂けるのがとても嬉しいです。
私たちが子どもの時代(40年前)も、現代の子どもたちにとっても変わらず、折り紙は最高のコミュニケーションツールだと感じる瞬間です。
【ワールド・オリガミ・レポート】
『おりがみ』読者の皆さん你好(ニーハオ) 松沢春雄(中国)
私の中国雲南省での生活も4年目を迎えました。
現在は大学で週2回、「日本手工芸術折紙」というタイトルで実技実践講座を受け持っています。4か月18週で2単位になります。日本の一般教養科目の位置づけの科目なので全学部の学生が対象で人気があり抽選での受講になるようです。はずれた学生も出席して、いつも100人ぐらいを教えています。中国の辺境でも若者たちはおしゃれになってきて,髪を染める学生が増えてきました(私も負けじと白髪を染めています)。日曜日には希望者に特訓折紙塾をやっています。授業ではやれない高難度のものや時間のかかるものを教えます。折り図を見れば折れるぐらいになっている学生ばかりなのでちょっとアドバイスすれば理解できるので負担にはなりません。
折り紙を紹介して学生たちに楽しんでもらってより多くの人にその楽しさを伝えるようになってほしいという願いをもっているので実技では、子供が『おりがみ』読者の皆さん你好(ニーハオ) 松沢春雄(中国)興昧をもてるもの、動<折り紙、飾って楽しめるものを中心に教えています。何といっても1番人気はパンダ(笠原邦彦先生作『おりがみ傑作選2』収録)です。パンダは大熊猫と書きシュン・マオと発音します(日本語でパンダと発音するとデブだという意昧になります。) 次に人気のあるのは鈴木恵美子先生のツイスト・ローズです。ねじるためのピンセットの入手に苦労しましたが舎ではインターネットで1本が10円で手に入るようになりました。中国の人たちは赤(中国では紅)が好きで赤の紙がいつも不足ぎみです。
学生に教えるほかに、幼稚園や学校の先生たちの講習会に参加させてもらったりボランティアで山の中の小学校へ行って教えたりもしています。折り紙の紙も街の文具店では手に入るようになりました。しかし、両面同色だったり10cm角に満たない大きさだったりして(値段も高い)日本から運んだ紙を使っています。
日本折紙協会の先輩諸氏からいただいた紙や本や折り図がとても役立っています。日本のいろいろな方々の後押しをいただいてあと1年は頑張るつもりです。
(中国雲南省に折り紙が根づいてくれることを願って…。)
海外文化交流ベトナム(ハノイ)旅行の件 中島 進(埼玉県)
2014年11月22日(土)~26日(水)、所属しているNPO法人「日本こども文化学会」の、国際文化交流ベトナム旅行に参加し、総勢17名で、現地ハノイのベトナムの子どもたちと、「おりがみ」を中心に文化交流してきました。2013年にはホーチミン市に行きましたが、好評で、もう一度ベトナムとなりました。文化交流はすべてボランティア活動で行っています。交流は11月24日(月)に実施しました。
◇交流学校◇
今回は、運よく「ハノイの日本人学校」とも連絡が取れて、午前中に、日本文化の授業を実施できました。
(小学1年:3クラス、2年:2クラス、合計104名)
みんなで分かれて、クラスごとに、「折り紙、ブーメラン、トンボ、手遊び、クイズ、トントンすもう、あやとり、腹話術」を教えて遊びました。どのクラスも大変盛り上がり、感想文には「大変楽しかった。また、来て下さい」とのうれしい言葉が書いてあり、教えた私たちも、大変感動いたしました。
◇現地ベトナム学校◇
Thuc Nghiem Secondary School(タック・ニヤム小中学校)は小学校・中学校一貫校で総学生数2,200名のマンモス校です。午後に、この学校に移動し、生徒数が多いので、講堂で折紙講習を行いました。
13:30~14:30、中学1年生対象、170名参加、日本舞踊と折り紙「動くくちびる」。14:45~15:45、小学生9~10歳対象、410名参加、踊りと折り紙「万歳サンタ」(『424号』掲載「サンタクロース」)を教えました。大人数に教えることになりましたが、ベトナムの子どもたちは、明るく、日本人が好きです。「折り紙」も好きで、手先が器用、好奇心も強く、目がキラキラ輝き、ほとんどの生徒ができあがりました。別れ際には、ここでも「折り紙を教えてくれてありがとう。楽しかった。また、来て下さい」とみんなに言われました。
帰国後、学校の先生から聞いた話では、「その後1か月ぐらい、折り紙の話題はとだえませんでした」と言われました。今回、総計684名の生徒に教えられたこと、うれしく思います。折り紙がベトナムに広がることを期待しています。
やはり「おりがみ」は、世界中に通用する素晴らしいものであることを、今回も、再認識しました。また、海外に行って折り紙で交流したいと思っています。
【支部だより】
子どもたちへのメッセージ運動展
神戸支部「おりがみ かうべ」支部長 柴本厚子/兵庫県
阪神・淡路大震災の教訓を子どもたちに伝えるため、震災後10年目から始まったこのイベントは、20年目となった2015年で最後となりました。来場されるお客様に少しでも安らぎをと、私達も第1回から協力させていただいています。毎年個人作品と、全員の合同作品を展示し、期間中には講習会も行いました。
また、10年目に制作した千羽鶴タペストリー「新たな出発」も「子どもたちへのメッセージ集2014」の表紙に掲載していただきました。毎年発行されるメッセージ集の中から選ばれた言葉で日赤兵庫県支部声の図書赤十字奉仕団のボランティアの方が点字を打ってくださったカードも毎回好評で大勢の方に喜んでいただきました。イベント終了後もこのカードは作り続けたいと思っています。
このたび、諸事情によりグループ名を変更することになりました。このイベントが「サークル紙ふうせん」での最後の活動になりました。新しい名前は「おりがみ かうべ」です。これからもみんなで楽しく活動していきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【特報「素雲鶴」発見の大ニュース】 折り紙歴史研究家 岡村昌夫
『秘伝千羽鶴折形』という本が連鶴を49種も紹介している世界最古の遊戯折紙の本であることは、ご存知でしょう。桑名長円寺の住職義道(魯縞庵)が作っていた連鶴作品を材料にして、当時のベストセラー作家の秋里籬島が趣向を凝らして狂歌本に仕立てた珍しい本で、寛政9年(1797)に京都で出版されました。魯縞庵は博学多才で、文学や歴史などにも深い関心を持っていて『桑府名勝志』『久波奈名所図会』その他の著述がありましたが、出版はされず原稿のまま大部分が長円寺に保存されていたのですが、先の戦災で多くが焼けてしまいました。
その著作の中で折紙関係はただ一種だけ、当時の著述目録には、『素雲鶴 全』と書かれていました。「素雲」というのは、「白雲」という意味です。白い雲のように、美しく連なっている折鶴が主題の著作と思われます。内容は「百品五百羽」(100種で合計500羽の作品)とも記録されていましたが、これも焼失したものとされていたのです。そして、『秘伝千羽鶴折形』は49種の連鶴で、計287羽の折鶴が折られていますので、100種500羽という『素雲鶴』の中から、約半数の作品を秋里籬島が選んで採用したのだろうと思われていました。その『素雲鶴』が長円寺で発見されたというのが、今回のニュースだったので、驚かされました。新聞各紙には、『秘伝千羽鶴折形』の「原典」が発見されたと興奮気味の見出しが躍っていました。
しかし、冷静に紙面を読み返してみると、どうもそう単純ではない様子なのです。発見された資料とは何だったのかというと、まず、「新撰 素雲鶴」と題された1冊の自筆本(23ページ)と、それに挟まれていた、題名はなく図面が描かれた1枚の紙でした。この紙には「寛政5年(1793)」の年号と著者の署名があったと新聞は書いています。掲載されている写真や「朝日新聞」デジタル版※に載った鮮明なカラー写真によると、確かにその通り「寛政癸丑年(1793年に当たる)春二月」「魯縞庵主露紅」と読め、「折鶴三十品 壱百壱羽」(連鶴30種、計101羽)という字も見えます。そして、確かに30種の連鶴の展開図(用紙の切り方)が、びっしり描かれています。ただ用紙の切り方の図と題名が書かれているだけのようです。
なお、魯縞庵自身が「露紅(ろこう)」と女性風な別号で署名したことが確認されたのは初めてです。『秘伝千羽鶴折形』の序文で、著者籬島が名を隠して「青女房露菊しるす。」と書いたのは、「露紅」の影響だったのでしょう。
新聞によると、今回の新発見について桑名市博物館は、「1枚の無題の紙の方がもともとの『素雲鶴』で、数枚組の1枚だけが残ったものだろう、『新撰』と題された冊子は、その後の寛政6年(1794)頃から文政6年(1823)頃までの作品も含めたもの」という趣旨の発表をしたようです。「新撰」の方は、158種もの多くの作品の題名や、全部に付いている訳ではないようですが「展開図(切り方図)」も書かれているそうで、今回はそのうちの見開き2ページだけしか公開されませんでしたが、重要な記載も見え、かなりよく判ります。それから推定すると、この中に見える『秘伝千羽鶴折形』に採用された作品の例などから言えば、多くが寛政9年以前にできていたはずで、もっと詳細な調査検討が必要です。『素雲鶴』と『新撰素雲鶴』の二種類があったと言うのは不自然ですし、この両者の書かれた目的も違っているようですので、前者を『素雲鶴』と呼ぶのは避けておきましょう。ただ「魯縞庵自作の連鶴が、大量に発見された」という大ニュースには違いありません。連鶴ファンにとっては奇跡的朗報です。
ただし、作者自筆本であっても、『秘伝千羽鶴折形』とは違って、完成図がなく、用紙切り方図ですから、正しく再現することは困難です。このような場合には必ず折り見本が付けられていたはずです。それを入れたはずの箱の記載もありますが、残っていませんので、再現には手間がかかりそうです。
ただ一点だけ例外がありました。『秘伝千羽鶴折形』の挿絵「春遊び図」に描かれている「釣り舟」に似た作品の切り方図が「釣花瓶」という題名で「新撰」の方に載っていたのです(舟形の花瓶を吊って掛ける花器が「釣り舟」です)。これだと完成形が判りますので、簡単に復元できます。折り易くて、よいデザインの秀作ですので、確かな魯縞庵自筆の図によった折り方として紹介しておきましょう
協会ホームページに折り紙用紙のショッピングカートができました
約400種のラインナップをそろえてお待ちしています!
http://origaminoa.cart.fc2.com/
~日本折紙協会(http://www.origami-noa.jp/)とは~
NIPPON ORIGAMI ASSOCIATION (NOA)
日本折紙協会は、折り紙を世界の国々により一層普及させたいという思いと、幼児教育に限らず、大人の趣味、高齢者や身障者の方のリハビリテーションなど様々な可能性をもつ「おりがみ」普及の一助となりたいという考えから1973年10月27日に結成されました。
現在では、月刊「おりがみ」の発行、「世界のおりがみ展」「折紙シンポジウム」の開催、「おりがみ級」「折紙講師」「折紙師範」「折紙上級師範」の認定、「おりがみの日」記念イベントの実施、「日本折紙博物館」との提携など、おりがみ普及のためにさまざまな活動を行っています。
~会員になるには~
月刊「おりがみ」の年間購読を申し込めばどなたでも会員になれます。会員の特典として、協会発行単行本と協会取扱い折り紙商品の割引購入、月刊「おりがみ」への創作作品投稿、「世界のおりがみ展」「おりがみの日」「折紙シンポジウム」など協会主催行事に参加および作品を応募できるほか、「おりがみ級」「折紙講師」の申請資格があたえられます。
~月刊「おりがみ」とは~
会員から投稿される創作折り紙作品(話題の動物やキャラクター、季節にそった行事・イベントに関するもの)の折り図(折り方を図で順番に説明したもの)を紹介するほか、会員の折り紙活動を紹介します。折り図の順番通りに折っていけば完成できるので、小学生から90代の方まで1万人を超える会員の方がおりがみを楽しんでいます。
月刊「おりがみ」は毎月末ごろお届けします。
~世界のおりがみ展とは~
さまざまな情景を折り紙で表現した立体パノラマ作品(おりがみブースといいます)と個人作品の展示コーナーにおりがみ教室を加えたイベントが『世界のおりがみ展』です。もちろん書籍や折り紙用紙の物販コーナーを加えることもできます。
現在、世の中では様々なイベントが行われていますが「世界のおりがみ展」は動員催事と文化催事を兼ね備えた独特の巡回展で、1976年の第1回展より20年以上の歴史があります。
3年に1度ひとつのテーマにそって制作され、お子様ばかりではなく大人の方にも十分楽しんで頂き、毎回皆様に驚きと感動の世界を展開しています。なお、「世界のおりがみ展」には、外務省と文化庁の後援を戴いております。他に都道府県・市町村・地元教育委員会・マスコミ等に後援を戴いている場合もございます。
おりがみ展は、おりがみブース・個人作品展示とおりがみ教室に、オプションの[販売コーナー]で構成するおりがみイベントです。
[おりがみブース]は、数え切れないほどの作品によって作られたジオラマが、所狭しと展示されています。約90㎝角の展示台(ブース)とパネル(壁面)作品を基本に組合せて大小変化にとんだ装飾を可能にしています。又、この展示台は折りたたみ式で、運搬時には箱型に収納して運べるようになっています。
[個人作品]は、折り紙作品コンクールの対象になり、日本国内のみならず、世界20数カ国から送られてきた作品が、200余点集まります。その中から、外務大臣賞、国際交流基金理事長賞、NHK会長賞などの賞が授与されています。さらに、折紙著名人の作品も招待作品として展示します。
[おりがみ教室]は、日本折紙協会認定の折紙講師により行われています。1回40分の講座が1日数回行われ、いずれの会場でも連日大好評を頂いております。
[販売コーナー]は、日本折紙協会編集発行の月刊誌「おりがみ」、折り紙専門書、有名折り紙メーカーの商品(折り紙用紙等)を豊富に取り揃え、販売しています。これらの商品は、日本折紙協会がまとめて会場へ搬入・搬出致します。
この「世界のおりがみ展」は過去には全国の有名百貨店の催事として多く実施され、開催期間は標準で6日間前後です。集客には実績があり、「これほど折り紙が人気のあるものとは思わなかった」と催事のご担当者には必ず驚かれ、喜ばれます。昨年夏には日本橋三越本店催事場で実施し、大好評のうちに幕を閉じました。
来訪者としては、年配の方はもちろんですが、お子様連れのファミリー層も多いです。ベテランの折紙講師が懇切丁寧に教えますので、親子で皆さん楽しんでいかれます。当協会が活動趣旨に掲げている「折り紙の普及」にご協賛いただき、ぜひとも開催をご検討いただきたいと存じます。
~折紙シンポジウムとは~
全国各地で毎年夏(7月下旬)に開催。講演会、児童教育部会、歴史研究部会、創作部会、折り紙教室などにより新たな折り紙の世界に触れる機会として、また会員相互の情報交換や懇親の場として2泊3日の日程を行楽地(温泉地)で楽しく過ごします。世界各国から毎年300名を超えるおりがみファンが集まる世界最大の「おりがみイベント」です。
~おりがみの日(11月11日)とは~
この日は世界平和記念日であり、また数字の「1」が4つで正方形折り紙の4辺を表すことから、日本折紙協会では「おりがみの日」としています。この日を中心にして、会員の皆さんから寄せられた作品の展示会「おりがみカーニバル」や折紙講師勉強会を毎年10月にこどもの城(東京都渋谷区)で開催します。
~「おりがみ級」と「折紙講師」とは~
「おりがみ級」とは、主に16歳未満の会員のための資格です。月刊「おりがみ」で指定している作品を規定数折って協会に送付し、認定されると「おりがみ級認定証」が授与されます。最初は10級からスタートします。16歳未満の1級取得者には申請により「こどもおりがみ博士」認定証と、NOA特製バッジが授与されます。(詳細は月刊「おりがみ」をお読みください)
「折紙講師」資格は、16歳以上の会員であればどなたでも申請できます。協会発行の「おりがみ4か国語テキスト」を購入し、テキスト掲載の全作品約60点を自作完成させた形で申請書(テキスト巻末)とともに協会に送付し、申請料2,160円を納付(下記口座番号へ郵便振替)します。その後審査会が全作品合格と認定した方に折紙講師認定証、資格証、講師指導の手引を授与します。不合格作品があれば、その作品のみ折り直して再提出いただきます。(詳細は月刊「おりがみ」をお読みください)。
口座番号00110-6-188035 加入者名「日本折紙協会」
~おりがみをおしえる~
老人ホームや社会福祉施設、自治体主催のサークル、保育関係施設・学校、文化センター、カルチャー教室などなど、さまざまな場所でおりがみは活躍しています。
独自にボランティアで教えている会員の方も多くおられますが、協会には全国から「おりがみを教えてくれる方を紹介して欲しい」という依頼が毎月あり、折紙講師資格をお持ちの会員の方に指導をお願いしております(協会より報酬を支給)。
おりがみ教室では、お子さんから年配の方まで「おりがみをおぼえたい」という気持ちにこたえようと講師も真剣です。熱のこもった授業を終えて帰られる皆さんの表情は満足そうですが、講師の方は生徒の「ありがとう」の言葉に安心しつつも、もっとわかりやすい説明はないだろうかと考えるようです。毎回真剣勝負なので様々な苦労がありますが、いろいろな形で努力が報われるようです。
~おりがみ教室とは~
日本折紙協会事務局では、全国の日本折紙協会公認の折紙講師を派遣しています。
おりがみ教室をご依頼いただく際は、専用の申込書をご提出いただきますので、
協会ホームページをご覧ください。
必要事項をご記入の上、実施日の最低1~2月前にご提出ください。
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