特集「ドイツとどうぶつ」
動物の可愛いしぐさを見ていると心が和み、優しい気持ちになります。動物が苦手な人も絵や写真中の動物そして折り紙の動物には愛着が持てるのではないでしょうか。また今月号では2005年4月~2006年3月の「日本におけるドイツ年」にちなんで、ドイツを取り上げてみました。遠い国ドイツに思いをはせながら、ゆっくりと折り紙を楽しむのもロマンティックな秋の過ごし方ですね。
掲載作品と作者のコメント(☆はおりがみ級申請作品)
①☆ねこ・浅田彰男
「顔の傾きや体のラインなどのバランスを変えることによって、ねこの姿勢を少し変えることができます。いろいろと試してみて、自分だけの可愛いポーズをとらせてみるのも面白いかと思います。」
②ハムスター・丹羽兌子
「ハムスターのかわいいしぐさを見ていると見飽きません。折り方では⑱がわかりづらいかもしれません。折り図をよく見て折ってください。」
ミニ知識・ハムスター
キヌゲネズミ亜科に属する夜行性のげっ歯類です。ペットや実験用動物として知られていますが、野生ではヨーロッパからアジアの乾燥地帯に分布し、地中に掘ったトンネルで生活しています。大きな頬袋をもち、そこに果実や木の実などの食べ物を詰め込んでいます。愛嬌のあるしぐさが人気で、アニメのキャラクターにもなっています。
③わんこ・川手章子
「かわいいわんこが生まれてきてくれました。後足ははっきりしませんが、尾っぽを振って近づいて来てくれそうです。アゴを少し上げると表情が出るように思います。体の向きを左右に変えられます。」
④ゼニガメ・青柳祥子
「我が家のペット、ゼニガメのカメキチがモデルです。11センチ平方の正方形で折ると甲羅が3センチの赤ちゃんゼニガメができます。頭の部分を少し持ち上げるように上向きにすると本物のようです。」
ミニ知識・ゼニガメ
もともとイシガメの子がゼニガメなのですが、今はクサガメの子もゼニガメとして売られています。クサガメには独特の臭いがあります。ゼニガメは甲羅が江戸時代の文銭に似ていて丸くて平べったいので名づけられたといわれています。
参考「みんながしらないカメの話」(童心社)
⑤レッサーパンダ・青木良
「リスを創作しているときに、ちょうど風太君ニュースを見て、そのままリスからレッサーパンダに変更してしまいました。顔をそれらしくするのが難しかったです。目を描いたりしてかわいらしくしてみてください。」
ミニ知識・レッサーパンダ
中国東部からヒマラヤにかけて生息し、ネパール語で「竹を食べるもの」という意味をもつ「パンダ」という名前はもともとレッサーパンダに付けられたものでしたが、のちにジャイアントパンダが大人気となり「パンダ」といえばジャイアントパンダを指すようになりました。今年は千葉市動物公園のオスのレッサーパンダ「風太くん」(2歳)が2本足で直立することで一躍有名になりました。
参考「世界大百科事典」「動物百科」(平凡社)
~おって遊ぼう~
風車・亀山真代
「子供の頃、風に向けてクルクル回して遊んだ懐かしい風車を折ってみました。風車の羽根は潰さず、ふわりとさせると立体感が出ます。リバーシブルとして、飾りや実際の遊びに使っていただけたら嬉しいです。」
⑥☆白雪姫のリンゴ・津留見裕子
「この作品を作るきっかけは、りんごⅠの折り図④で山折りにして手紙を書いていた時、このりんごを舞台に見立てるとミニシアターになる!と思いつきました。」
ミニ知識・白雪姫(原題Schneewittchen)
グリム童話集53番の話で、同様の話はヨーロッパ全域、トルコなどにも見られます。「雪のように白く、血のように赤く、黒檀のように黒い」(肌が白く、頬が赤く、髪が黒い)女の子の誕生を願った女王の希望通りに生まれた子は白雪姫と名づけられました。
白雪姫は、美しさを自慢とする継母の妬みを買い殺されそうになりますが、逃げた森の中で鉱石の採掘を仕事とする7人の小人と出会い、一緒に楽しく暮らし始めます。ところが鏡によって白雪姫が生きていることを知った継母は毒の入った紐、毒を塗った櫛、毒りんごを使って殺そうとします。なんとか小人たちが阻止しようとしますが、ついに毒りんごを食べてしまった白雪姫は倒れます。
その後ガラスの棺に入れられた白雪姫を王子が見つけて小人からもらい受けますが、家来たちに運ばれる途中にその振動で毒りんごを吐き出した白雪姫は息を吹き返します。
その後、王子は白雪姫と結婚しますが、結婚式に招かれた継母は真っ赤に焼けた鉄の靴を履かされ死ぬまで踊り続けました。グリム兄弟はヘッセン地方で収集した話をこの物語にまとめましたが初版では継母ではなく実母だったそうです。
参考「グリム童話集」(岩波文庫)「白雪姫 グリム童話集Ⅰ」(新潮文庫)
⑦鶴のかんむり・アレンジ吉田雄也、出会い鶴・アレンジ川手章子
「鶴で何かを折ってみたかったのでつくりました。大きな紙で折ってかぶってください。」
「二羽の鶴が向かい合い、挨拶しています。置物として紅白で折ってください。」
ミニ知識・いい夫婦の日(11月22日)
1988年(昭和63年)に余暇開発センター(現在は社会経済生産性本部)が夫婦で余暇を楽しむゆとりあるライフスタイルを提案したことにともない制定されました。また、それより以前の1985年に政府が提唱した「ゆとりの創造月間」が11月であったこともあり「いい夫婦」の語呂合わせで11月22日と定められたそうです。
⑧☆メモ入れと仕切ケース・川手章子
「何気なく折っていてできあがりました。メモ入れが一つできあがったところで、これに1ヶ所手を加えて仕切ケースとしました。とてもシンプルなのでお子さんたちに折ってもらえたらうれしいです。」
「日本におけるドイツ年」特別寄稿
「フレーベルとおりがみ」笠原邦彦
2005折紙シンポジウムレポート(7/24~26:鬼怒川温泉あさやホテル:参加者302名)
[1日目]
受付開始時間の正午を待たずに続々とホテルに到着される皆さん。おなじみのお顔もちらほら…今年も折紙シンポジウムが始まります。
内藤正光理事長による開会の挨拶、オリエンテーションに続いては恒例の地域紹介です。今回は「しもつけ風土記の丘資料館」片柳嘉一郎館長を講師にお迎えして「古代下野国の歴史」について講演会がおこなわれました。
栃木県南部の思川と姿川流域は古代下野国の政治や文化の中心地でした。今に残る古墳や史跡、遺物などに当時の栄華が偲ばれます。那須地方には4世紀前記の古墳が多く出土し、中でも「下侍塚古墳」は水戸藩主徳川光圀の命令により日本で最初に発掘された古墳となりました。
各部屋に入って一息ついた後は、昨年から夕食前に実施することになった販売コーナー。国内外の折紙関連書籍、用紙や用品などをシンポジウムならではの豊富な品揃えと特別価格で一斉に販売しました。
作品市では、2日目の「教室広場」講習作品を中心に、皆さんにお持ちいただいた作品を展示しました。例年は室内ですが、今回は部屋の外での展示だったため、シンポジウム参加者だけでなく一般の宿泊客も見ることができました。
[2日目]
ミニ折紙教室の集まり「教室広場」と、折り紙を研究する5つの部会を平行して実施しました。
教室広場は、難易度や好みで折りたい作品が選べる、うれしいミニ教室です。月刊「おりがみ」誌上でおなじみの作者から直接習えるという、シンポジウムならではの特典で講習テーブルはどこも大人気。
部会では折り紙の多様な側面を研究し、それぞれの専門分野の知識を深めました。
「高齢者・障害者部会」では、知的障害者や老人ホームで実際に講習を行っている講師の発表や人生経験豊富な年配の方のプライドを傷つけない折り方の具体的な指示などを解説しました。
「創作部会」では、海外での折り紙体験から、創作のアイディアが生まれるまでを発表し、参加者が試みたイメージをふくらませて自己表現する過程は単なる試行錯誤ではなく、新鮮でした。
「児童教育部会」では、対象年齢や人数、レベルにあわせた作品選びや教え方の工夫、ハサミなど道具の使い方を小グループに分けて話し合い、実体験も多く発表されました。
「歴史研究部会」では、農耕民族としての日本人の資質、内側へ向かう文化といった折り紙のルーツのお話。海外での様相にも触れ、後半は参加者が持ち寄った歴史的資料を発表しました。
「折り図部会」では、手描き(コピー)に最適な用紙の色や、描いたら他の人から指摘してもらうなど、わかりやすい作図のための注意点やコンピューター作図を解説しました。
夜は懇親会が催され、会員による歌や踊りやかくし芸が披露される恒例の演芸大会となりました。海外参加者からも積極的に出し物をご披露いただき、国際色豊かなものになりました。
[3日目]
最終日はスウェーデン在住の鳥本範さんによる講演「目と指で実感できる静かな知識―おりがみ」を拝聴しました。
「折り紙は難しいと思っている方は頭で難しく考えているだけで、皆さんはすでに様々な難しいことをこなしているんです。とにかく目で見て手を動かしてみましょう」と、楽しいお話を交えながら、代表作のひとつ「友好のハト」(305号掲載)と、スウェーデンでのご活躍の一端がうかがえるご本人出演のCD-ROM収録「ホーミング・エアプレーン」(手元に帰ってくる飛行機)の実技講習をおこないました。
ここまでくるとシンポジウムもいよいよ大詰めです。次回開催地の討議では「東西交互開催」の慣例に従って、西日本の番ということで、和歌山県近隣での開催が決定しました。
折からの台風接近による悪天候で解散時間と内容の変更がありましたが、大過なく無事終了することが出来ました。
~日本折紙協会(http://origami-noa.com)とは~
NIPPON ORIGAMI ASSOCIATION (NOA)
日本折紙協会は、折り紙を世界の国々により一層普及させたいという思いと、幼児教育に限らず、大人の趣味、高齢者や身障者の方のリハビリテーションなど様々な可能性をもつ「おりがみ」普及の一助となりたいという考えから1973年10月27日に結成されました。
現在では、月刊「おりがみ」の発行、「世界のおりがみ展」「折紙シンポジウム」の開催、「おりがみ級」「折紙講師」「折紙師範」「折紙上級師範」の認定、「おりがみの日」記念イベントの実施、「日本折紙博物館」との提携など、おりがみ普及のためにさまざまな活動を行っています。
~会員になるには~
月刊「おりがみ」の年間購読を申し込めばどなたでも会員になれます。会員の特典として、協会発行単行本と協会取扱い折り紙商品の割引購入、月刊「おりがみ」への創作作品投稿、「世界のおりがみ展」「おりがみの日」「折紙シンポジウム」など協会主催行事に参加および作品を応募できるほか、「おりがみ級」「折紙講師」の申請資格があたえられます。
~月刊「おりがみ」とは~
会員から投稿される創作折り紙作品(話題の動物やキャラクター、季節にそった行事・イベントに関するもの)の折り図(折り方を図で順番に説明したもの)を紹介するほか、会員の折り紙活動を紹介します。折り図の順番通りに折っていけば完成できるので、小学生から90代の方まで1万人を超える会員の方がおりがみを楽しんでいます。
月刊「おりがみ」は毎月末ごろお届けします。
~世界のおりがみ展とは~
日本折紙協会各支部がさまざまな風景や情景を折り紙で制作した美しい大型の立体パノラマ作品と国内外の個人創作作品を展示するほか、おりがみ教室の開催や、書籍と折り紙の販売コーナーを設置します。全国各地で不定期に行っています。
~折紙シンポジウムとは~
全国各地で毎年夏(7月下旬)に開催。講演会、児童教育部会、歴史研究部会、創作部会、折り紙教室などにより新たな折り紙の世界に触れる機会として、また会員相互の情報交換や懇親の場として2泊3日の日程を行楽地(温泉地)で楽しく過ごします。世界各国から毎年300名を超えるおりがみファンが集まる世界最大の「おりがみイベント」です。
~おりがみの日(11月11日)とは~
この日は世界平和記念日であり、また数字の「1」が4つで正方形折り紙の4辺を表すことから、日本折紙協会では「おりがみの日」としています。この日を中心にして、会員の皆さんから寄せられた創作作品の展示会(おりがみカーニバル)やおりがみ勉強会をこどもの城(東京都渋谷区)で開催します。
~「おりがみ級」と「折紙講師」とは~
「おりがみ級」とは、主に16歳未満の会員のための資格です。月刊「おりがみ」で指定している作品を規定数折って協会に送付し、認定されると「おりがみ級認定証」が授与されます。最初は10級からスタートします。16歳未満の1級取得者には申請により「こどもおりがみ博士」認定証と、NOA特製バッジが授与されます。(詳細は月刊「おりがみ」をお読みください)
「折紙講師」資格は、16歳以上の会員であればどなたでも申請できます。協会発行の「おりがみ4か国語テキスト」を購入し、テキスト掲載の全作品約60点を自作完成させた形で申請書(テキスト巻末)とともに協会に送付し、申請料2,100円を納付(下記口座番号へ郵便振替)します。その後審査会が全作品合格と認定した方に折紙講師認定証と講師バッジを授与します。不合格作品があれば、その作品のみ折り直して再提出いただきます。(詳細は月刊「おりがみ」をお読みください)。
おりがみ4か国語テキストの購入方法は、郵便局にある払込取扱票の通信欄に「テキスト1冊」とご記入の上、テキスト代1,020円+送料290円=1,310円を下記へ郵便振替で送金していただければ入金日より1週間~10日でお届けいたします。
口座番号00110-6-188035 加入者名「日本折紙協会」
~おりがみをおしえる~
老人ホームや社会福祉施設、自治体主催のサークル、保育関係施設・学校、文化センター、カルチャー教室などなど、さまざまな場所でおりがみは活躍しています。
独自にボランティアで教えている会員の方も多くおられますが、協会には全国から「おりがみを教えてくれる方を紹介して欲しい」という依頼が毎月あり、折紙講師資格をお持ちの会員の方に指導をお願いしております(協会より報酬を支給)。
おりがみ教室では、お子さんから年配の方まで「おりがみをおぼえたい」という気持ちにこたえようと講師も真剣です。熱のこもった授業を終えて帰られる皆さんの表情は満足そうですが、講師の方は生徒の「ありがとう」の言葉に安心しつつも、もっとわかりやすい説明はないだろうかと考えるようです。毎回真剣勝負なので様々な苦労がありますが、いろいろな形で努力が報われるようです。
日本折紙協会の公式メールマガジンです。全国のおりがみイベントを告知しています。
http://www.mag2.com/m/0000023495.html
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