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デイリー・マネタリー・アフェアーズ 2023.07.31
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本日のフィナンシャル・モニター
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<国内モニター>
**日経平均は前日比131円93銭安
YCCショックで輸出関連に売り圧力、海外勢の売りで一時850円下落するも押し目買
いに下げ幅縮小。ドル円も乱高下の末に138円割れ寸前から141円台に。
**日銀が長期金利上限突破を容認
長期金利の指し値オペを1%に引き上げ、事実上のYCC修正。物価見通しは2023年度
2.5%へ大幅上方修正。2024年度は1.9%と小幅引き上げ。
**長期金利が0.5%突破
日銀政策修正で上限超え、0.575%まで上昇。約9年ぶりの水準に。
**厚労省が最低賃金全国平均1002円に
中央最低賃金審議会小委員会が取り纏め。過去最大の引き上げ額に。
**金融庁がビッグモーターと損保大手に報告徴求命令
保険の取り扱い調査へ事実関係の説明や関連資料の提出を要求。
**7月都区部消費者物価コア指数は前年同月比3.0%上昇
電気・ガス代など低下で伸びは2か月ぶり縮小。食品や日用品は依然高い伸びで
コアコアは4.0%上昇と0.2ポイント加速。
**東京国税局が三越伊勢丹に7億円追徴課税
約6億4000万円の申告漏れ指摘。免税販売でパスポート確認せず。
**国内レジャー施設の43.2%が入場券値上げ
帝国データバンク調査、190施設中82施設が値上げ実施又は検討中。
**オリエンタルランドの4-6月期連結純利益が過去最高に
前年同期比2.3倍の274億円。開業40周年イベントが貢献、売上高は43%増の1406億
円、営業利益は2.3倍の386億円と過去最高。
**トヨタグループが上半期世界販売台数で首位に
前年比5.5%増の541万9841台とVWを上回り4年連続で上半期首位。世界生産台数
は同10%増の562万台と過去最高を更新。
**トヨタが保有KDDI株の一部売却方針
1/5程度の約2500億円を売却。政策保有株売却で電動化シフトに資金充当。
**アサヒが外食事業から撤退
なだ万やビール園などの事業売却、酒類事業に経営資源集中。
<海外モニター>
**米ダウは前日比176.57ドル高
インフレ鈍化を好感。長期金利は3.95へ低下、2年・10年マイナス格差は93BPで横ばい。
**米6月コアPCE物価指数は前年同月比4.1%上昇
伸びが縮小、前月比は0.2%上昇。総合指数上昇率は前年比3.0%、前月比0.2%
上昇。個人消費支出は前月比0.5%増、個人所得は同0.3%増。
**米4-6月雇用コスト指数は前期比1.0%上昇
2年ぶり低水準に。前年比でも4.5%上昇と鈍化。
**米7月ミシガン大消費者信頼感指数は前月比7.2ポイント上昇
確定値は71.6と2021年10月以来の高水準。1年先インフレ期待は3.4%と前月から
0.1ポイント上昇。
**WTI期近物が3か月ぶり高値
米国景況感堅調で需給改善期待に一時80.70ドルまで上伸。
**中国が消費者向け産業の後押し計画発表
軽工業の成長を促進、小規模企業の資金調達支援へ証券取引所の成長促進策も
導入。
**中国6月末住宅ローン残高は前年比0.7%減
38兆6000億元と2008年統計開始以来初の減少。景気不安で前倒し返済拡大。
**ECB「域内銀行の財務は安定」
ストレステスト結果公表。「深刻な景気低迷にも耐えられる」と総括するも最悪シナリオで
は3行が資本不足と判定。
**独4-6月期実質GDP速報値は前期比横ばい
3四半期ぶりマイナス成長回避。景気低迷感は払拭出来ず。7月消費者物価指数上
昇率は前年同月比6.5%、コアも同5.5%と前月からともに0.3ポイント減速。
**英中銀がバーナンキ氏に経済予測手法見直し委託
インフレ抑制失敗への批判緩和策。
**サウジがウクライナ和平国際会議を開催へ
WSJが来月開催と報道。欧米やグローバルサウスの高官招待、ロシアは不参加。
**メキシコ財務省が国営ぺメックスに資本注入
1000億ドル超の巨額債務負担軽減へ約50億ドル規模の支援。
**トルコ政府が中銀副総裁3人交代と発表
米NY連銀勤務経験のあるエコノミストらを任命。引き締め転換の一環か。
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現代金融の遠近法 日米それぞれの「緩和」
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日銀は「情報リーク」通りに金利操作に柔軟性を採り入れ、長期金利の固定範囲を緩めて
1%までの上昇余地を形成することになった。市場は消化不良を起こして為替は乱高下、株価
も急落後に急反発するなど、YCCの実質的な修正なのか、緩和基調の中での微調整なのか、
皆目見当が付かないままに植田総裁の記者会見を迎えることになった。市場では金利正常化
への第一歩と見做した向きが多く、事実上の利上げだというヒトも居たようだが、総裁発言から
はそうしたニュアンスは感じられない。案の定、東京で138円台割れ寸前まで下落したドル円は
海外市場では141円に戻ってしまった。
確かに今回の解釈は様々有り得よう。だが、野球の投手が投じた球筋を見て球種を探るより、
そのボールの握り方を見る方が投球意図が明確になることを思えば、やはり総裁が何度も繰り返
している物価の見方を視座に据えて解釈するのが現実的であろう。足許の物価上昇の読みは間
違えたが、今後低下するのは確実で、最大の予測の難関はその後だ、というのが基本認識であ
る。低下後に再上昇するのか自信がない、という総裁の発言は展望レポートにそのまま反映され
ており、2024年の物価見通しは僅かながら下方修正されている。従って、このシナリオの下で金利
正常化だとか事実上の利上げだとかいう結論を出すのは、適当ではないだろう。愚策の手直しと
いうくらいが、存外正しい観察結果なのかもしれない。ただ、その幾らか甘いように思われる物価
判断が正しいのかどうかは別問題だ。
さて米国では6月のPCEデフレーターが総合・コアともに順調に低下して、インフレ鈍化期待を益
々高めることになった。「利上げはもうない」「景気は堅調」というムードが市場に行き渡り、米国
株式市場はゴルディロックス状態で、14連騰を阻まれたダウも仕切り直しとばかり反発している。
夏枯れの中でその流れに歯向かうのは危険な状態になっているが、視線を年末にまで向けてみれ
ば、原油相場や食糧価格の再上昇という物価反転への懸念、そして余剰貯蓄消滅や学資ロー
ン返済再開などの消費への影響といった難しいハードルが幾つか待ち構えている状況が見えてくる。
さらに「利上げ効果の浸透」という不気味な要素もある。もう一つ、ついでに言えば株価や社債の
安定化という「金融環境の緩和」がインフレを再燃させるリスクもある。最後のポイントは、ソフトラ
ンディング期待の盲点と言っても良いかもしれない。
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