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デイリー・マネタリー・アフェアーズ 2024.01.31
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本日のフィナンシャル・モニター
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<国内モニター>
**日経平均は前日比38円92銭高
決算本格化の前に様子見。FOMCや米ハイテク決算も待ち要因に。
**IMFが日銀に利上げ準備を提言
インフレが予想外に急進した場合に備える必要ありと指摘。現状は緩和継続が適切、とも。
**トヨタが国内4工場6ラインの生産停止
豊田自動織機のエンジン認証不正問題で2月1日まで停止。豊田会長は「創業の原点を見失
っている」と危機感表明、現場主権への回帰へ。
**楽天がドル建て債発行増額へ
10億ドル増の18億ドルに。利回り12.125%のジャンク債に投機筋が殺到。
**JR北海道が赤字路線8区の判断3年先送り
コロナ禍で活動出来ず費用分担の議論に踏み込めず。
**2023年東京都転入超過は68,285人
前年比30,262人増、2年連続で増加。コロナ禍で一時減少、足元では増加傾向に転換。東京
圏への転入超過も前年比26,996人増の126,515人と2年連続前年超え。
**12月完全失業率は前月比0.1ポイント低下
2.4%と2023年1月得来の低水準に。非自発的な離職が減少。
**12月有効求人倍率は前月比0.01ポイント低下
1.27倍と2か月連続で改善ペース鈍化。2023年通年では前年比0.03ポイント上昇の1.31倍と
2年連続上昇。
<海外モニター>
**米ダウは前日比133.86ドル高
金融株堅調、ハイテクは下落。長期金利は4.04%へ低下、2年・10年マイナス格差は30BPへ
拡大。
**米12月求人件数は前月比101,000件増
902万6000件と予想を上回り2か月連続増加と底堅い労働市場。失業者1人に対し1.44件の求
人。
**米12月CB消費者信頼感指数は前月比6.8ポイント上昇
114.8と2021年12月以来の高水準。物価見通し落ち着き、景気や雇用情勢が良好に。
**米11月FHFA住宅価格指数は前月比0.3%上昇
前年同月比では6.6%上昇。息を吹き返す米住宅市場。
**ユーロ圏10-12月期実質GDPは前期比ゼロ%
年率換算プラス0.1%と低迷。辛うじて2期連続マイナス成長を回避。独が前期比0.3%減、仏
は同ゼロ%、伊は0.2%増、西は0.6%増とまちまち。
**メキシコ2023年実質GDPは前年比3.1%増
3年連続プラス成長。自動車生産など第二次産業堅調。
**IMFが今年の世界実質経済成長率見通し引き上げ
米経済の底堅さなどを背景に0.2ポイント上振れの3.1%と予想、コロナ前比では低水準。
インフレ再燃に拠る成長率鈍化リスクも指摘。
**サウジアラムコはが原油生産能力拡張計画停止
サウジ政府から指示。2027年までに日量1300万バレルに引き上げる計画を撤回へ。
**マイクロソフト10-12月期売上高は前年同期比18%増
純利益は同33%増の218億7000万ドル。ゲーム大手買収や生成AI活用のクラウド好調。
**アルファベット10-12月期売上高は前年同期比13.5%増
純利益は52%増。広告ビジネスの伸びは予想に届かず
**米物流大手UPSが12,000人削減へ
10-12月期売上高が前年同期比7.8%減、純利益が54%減と不調。経営再建へ2%強人員削減。
<地政学モニター>
**ウクライナ軍トップ解任か
ゼレンスキー大統領がザルジニー司令官解任との報道。同国国防省は否定するも両者に深い溝。
**イスラエルがシリアに空爆か
7名死亡、イラン革命防衛隊を標的に、とイランが主張。
**バイデン大統領「米兵殺害はイランに責任」
報復準備の一方で紛争拡大は望まないとも発言。
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現代金融の遠近法 IMF見通しとFOMC
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IMFが世界経済見通しを公表し、2024年の成長率見通しを昨年10月時点から0.2ポイント上方修正
した。但し3.1%という水準は、2000-2019年の平均値である3.8%より大幅に低く、中国の成長ペー
ス鈍化や米中新冷戦、地政学的緊張、コロナ禍の後遺症といった様々な要因に拠って、経済成長のエ
ンジンが振るわなくなった状況を暗示している。IMFはソフト・ランディングの可能性が高まってい
ると評価しているが、一説には「ソフトランディングは景気後退への橋渡し的過程」とも言われてお
り、まだ警戒が必要だ、と見る向きもある。何度も言う通り、インフレ再燃リスクは常に経済の下押
し要因として存在し続けるだろう。
2024年の見通しを国別で見れば、米国は0.6ポイントという大幅上方修正で2.1%と予想されている。
チーフ・エコノミストのグランシャ氏は「財政支援と好調な個人消費」を要因に挙げている。また中
国も0.4ポイント引き上げて4.6%とし、昨年よりも減速するが、財政支援に拠る底支えを予想する。但
し2025年は4.1%と減速が続く可能性も指摘している。ユーロ圏はドイツの不振を背景に0.9%へと0.3
ポイント下方修正した。因みに日本は0.1ポイント下振れの0.9%成長の見通しとなっている。新興国
ではインドが0.2ポイント上振れの6.5%、ロシアが1.5ポイント上振れの2.6%、ブラジルは0.2ポイント
上振れの1.7%、メキシコは0.6ポイント上振れの2.7%など、総じて上方修正されているのが特徴的で
ある。
まあこうした見通しも少なからぬ攪乱要因に拠って四半期ごとに上振れたり下振れたりするので、
飽くまで現時点での参考値として見ておくに止めるのが良いだろう。特に今年は主要国の金融政策次
第という側面もあるし、米大統領選や地政学などの影響に関する予測にも限界がある。但し、金融市
場内で想定しうる限りの見通しを設定するとすれば、やはり米国の利下げ時期・利下げ幅、そして量
的引き締めの動向が最大のポイントになることは否定し難い。1月のFOMCに関しては、3月乃至5月
の利下げへのヒントを掴もうと市場は目を皿のようにして待っている。QTに対する関心が急浮上して
きた印象も受ける。だが足許の米国経済指標があまりに良すぎるのも事実である。その状況を踏まえ
ながら、果たして緩和へ舵を切る検討は何処まで進むのだろうか。
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【MAFS Daily Magazine】
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デイリー・マネタリー・アフェアーズの内容
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- 発行間隔:日刊
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