日経 Health premie (ヘルス プルミエ) の編集長インタビュー

編集長プロフィール

日経BP社
日経ヘルスプルミエ編集長 西沢邦浩さん

にしざわくにひろ 1960年長野県生まれ。早稲田大学卒業後、日経マグロウヒル社に入社。ビジネスとデザインをつなぐ「日経デザイン」の創刊などに従事。その後、小学館「女性セブン」編集部を経て、日経BP社入社。開発部次長、「日経エンターテイメント」創刊参画を経て、2005年から「日経ヘルス」編集長。2007年1月から「日経ヘルスプルミエ」編集長。

編集長写真

第1回 日経ヘルスプルミエ編集長 西沢邦浩さん

素敵な女性たちにはいつまでも美しく、健康で、上質な暮らしを送ってほしい

――「日経ヘルスプルミエ」ってお洒落な名前ですが、創刊された経緯を教えてください。

編集部風景
夕方、編集部に人が戻ってくる

創刊が2008年の3月ですから、もう1年以上が過ぎました。あっという間でしたが、お蔭さまで読者やスポンサーの方々の評判もよく、われわれとしても創刊のかいがあったなと思っています。
この雑誌の前、私は「日経ヘルス」の編集をしていたのですが、ひとつうえの年齢層の美容・健康情報に対するニーズがかなり高いことを知りました。主なターゲットは 40代から50代の女性ですが、この世代は、学生時代にファッション誌やライフスタイル誌の洗礼をしっかり受けた世代で、とても雑誌リテラシーが高いんです。 にもかかわらず、この世代にぴったりフィットする、美容・健康配慮型のスタイルマガジンがなかった。
彼女たちはこのマーケットの担い手でもあります。そんな世代に正しい情報と、充実した生活のヒントを届けられれば、有意義な雑誌になるな、と思ったんですね。

――創刊時の謳い文句は「40代からのアンチエイジング・ライフスタイルマガジン」でしたね。

再校紙
表紙が少しずつ出来上がる
表紙が出来上がる
何度も赤が入る校正紙

ええ。厳しい目をもった読者が多いわけですから、ホンモノをしっかり見せないと相手にされません。科学的な裏付けには相当配慮しています。 われわれの取材対象には医師が多いのですが、取材するスタッフにも、「話を聞くだけじゃなく、その医師と議論しろ」と言っています。
読者の感じている矛盾や不安をしっかり専門家にぶつけて、そこから有効なアイディアを引き出す。かなり専門的な知識も要求されるので、日々勉強しなければなりません。 編集者は7人いますが、みなそのあたりは肝に銘じています。
また、通常の雑誌よりも校正の回数が多いのも特徴で、薬事法にかかわることや美容情報のスペックなどは本当に細かいデータが多いので、校了時には徹夜の日が続きます。 ヘルス(健康)を扱う編集者が一番ヘルスから遠いところにいるのでは(笑)、といわれるほどです。

――そういえば心なしかお疲れのご様子ですが。

3日間校了紙と格闘した直後なので(笑)。
それに、毎号大特集を組みますから、そのテーマに応じた取材のチェックをしながら、同時にスポンサーと共同でイベントをしたり、また講演や 司会などでかりだされたりもします。タフでなきゃやれないかな。 でも、やりがいはありますね。日々新しい発見があったりしておもしろいですよ。アンチエイジング、逆にいえば、人はなぜ老いるのかということを取材していると、人間の悠久の歴史を遡って、人類はそもそも何だったんだ、といった深淵なテーマにまで行きつきます。われわれの体のメカニズムってそれだけよくできているってことですよね、長い年月をかけて。

――編集長独自の健康法とかってあるのですか?

40度くらいの風呂に20分くらい入ることと、おなかがすくまで食べない、の2つです。
風呂で温まるとヒート・ショック・プロテイン(HSP)というタンパク質ができて、病気や老化の元になる異常タンパク(古くなるなどして機能不全になったタンパク質 )を追い出して新しいタンパク質の生まれ変わりを促進してくれます。1回の入浴でと2日はもつといわれています。 空腹がいいのは、おなかって減ると、鳴りますよね。それは腸壁の擦れる音。余分なものを排出するデトックスが始まったよっていう合図なんです。だから、おなかがすいて 、体が余分なものを排出しない前にまた食べると蓄積されてしまう。便秘になったり、太ったり(笑)。空腹時には同時に、長寿遺伝子が活性化したり、脳の海馬にいい刺激を与えるホルモンが出たりもしてるんですよ。
ちなみに、僕は夜中まで酒を飲んでいたいので、本当におなかがすくまでは何も食べません。もちろん、これは間違った空腹との付き合い方ですが。

――これをやれば売れるといった、キラーコンテンツはあるのでしょうか?

雑誌のいろいろ
キーワードが入った表紙

あれば教えてほしい(笑)。
でも、「下腹」「ゆがみ」というのは重要なキーワードですね。女性の関心が高いです。
それと切り口しだいで「代謝」も当たります。先ごろ、雑誌「ターザン」が「肩こり」を特集して好評でしたが、こういう突っ込みもありなんだなと思いました。ネット社会のストレスというのは目に見えない形でいろんな影響を与えているはずなんです。「肩こり」などもそのひとつだと推測されます。

――今後の方向性について教えてください。

われわれが扱っているマーケットは今後、ますます規模が拡大し、層の厚いものになると思われます。だから広く深くさまざまな展開を考えていきたいです。
メディアに関わっている友人たちのなかで、僕が一番デジタル度が低い気がする。これじゃあ乗りおくれちゃうな、ということで、弊誌もコミュニティに力を入れたり、 近い将来、弊社の女性誌をまとめたサイトを立ち上げていく予定です。アメリカでは大きな健康サイト(※)が3つあるのですが、特徴として、どこも強いコミュニティをもっ ているんですよ。
さらに、携帯サイトなどの動向も注視したいと思っています。

編集長の愛読誌

(2009年5月)

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