●特集『ラビリンチュラ類の生物学と産業応用』
ラビリンチュラ類,とくにオーランチオキトリウム属の株はスクワレンやDHAなどの高度不飽和脂肪酸,抗酸化作用をもつ色素など有用物質を生合成することができ,その能力も高いため,産業利用など応用分野において注目されている。そしてまた,この仲間のもつ生息環境の多様さや存在量の大きさから,生態系において分解を担う新たなピースとなっている可能性も示されており,魚類が豊富なDHAをもつ仕組みといったことにも関わっているかもしれない。
本特集では,これらラビリンチュラの仲間について,その生物学的な実態を追うとともに,産業利用への可能性について解説した。
【特集目次】
・特集「ラビリンチュラ類の生物学と産業応用」によせて(本多大輔/甲南大学)
・ラビリンチュラ類の多様性と生態学的役割(上田真由美・野村友佳・土井耕作・本多大輔/甲南大学,中嶋昌紀/大阪府立環境農林水産総合研究所)
・自然環境におけるラビリンチュラ類の予想外の多様性(中井亮佑/国立遺伝学研究所系統生物研究センター,長沼毅/広島大学)
・ラビリンチュラ類の生態学的多様性(高尾祥丈/福井県立大学)
・分離源の違いによるヤブレツボカビの傾向(瀬戸雄飛・須田彰一郎/琉球大学)
・Diplophrys類の系統分類(高橋唯樹/東邦大学附属中学校・高等学校)
・NBRCにおけるラビリンチュラ類の長期保存(稲葉重樹/製品評価技術基盤機構バイオテクノロジーセンター)
・海藻バイオマスの利用とラビリンチュラによる油脂生産(秋庸裕/広島大学)
・DHA高生産Thraustochytrid 12B株の挑戦(吉田磨仁・足立匠/北海道大学,永峰賢/株式会社ロム,森田直樹/産業技術総合研究所)
・オーランチオキトリウムによる炭化水素生産(吉田昌樹/筑波大学)
・ラビリンチュラによるバイオディーゼル燃料生産(林雅弘・松田綾子・藤本彩乃/宮崎大学,松田高宜・泉可也/株式会社Biomaterial in Tokyo)
・オーランチオキトリウムが生産する奇数脂肪酸の健康産業への利用(彼谷邦光・池田啓二/株式会社シー・アクト生物活性物質研究所)
・ラビリンチュラ類におけるドコサヘキサエン酸(DHA)およびDHA含有リン脂質の生合成機構(伊東信/九州大学)
●連載
・海藻標本採集者列伝(北山太樹/国立科学博物館)
【19】南方熊楠(1867-1941)
・小さな離島の暮らしと漁業(乾 政秀/(株)水土舎)
【17】長崎県・嵯峨島
・内湾および干潟における物質循環と生物生産(佐々木克之)
【62】瀬戸内海漁獲量の減少要因3.プランクトン食魚類の推移
・日本産エビ類の分類と生態(林 健一)
【178】エビジャコ上科 - エビジャコ科 - キジンエビ属(1)
・日本産十脚甲殻類の幼生(小西光一/水産総合研究センター)
【21】異尾下目(1) - コシオリエビ上科 - ワラエビ上科/コラム:ゾエア学のあゆみ - そのあけぼの
・日本産等脚目甲殻類の分類(布村 昇/金沢大学環日本海域環境研究センター臨海実験施設,下村通誉/北九州市立自然史・歴史博物館)
【37】コツブムシ亜目 - コツブムシ科(3)カナエウミセミ属
・日本産南方系ホンダワラ属(島袋寛盛/水産総合研究センター)
【20】南日本産ヤツマタモクSargassum patens
●コラム
・魚影逍遥-魚に発信機をつけて:魅惑的な荷物(三田村啓理/京都大学)
・海でひろった万華鏡:臨海実験場,恐怖の大掃除(飯島明子/神田外語大学)
●なまものけん通信
・黒潮いるか通信ー御蔵島からの便り/ELNA(エバーラスティング・ネイチャー)ほか
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