目次
特集●アトピー性皮膚炎~基礎から最新知見まで~
企画編集/本田哲也,椛島健治
<特集にあたって>
アトピー性皮膚炎は,皮膚科領域で最も頻度の高い慢性炎症性皮膚疾患です.患者さんの皮膚は乾燥し,強いかゆみを伴う紅斑が全身に広がります.発症は小児期から成人まで幅広く,学業,就労,日常生活など,あらゆる面で患者QOLは著しく障害され,その適切なコントロールはきわめて重要な課題となっています.
“アトピー”という名前は,もともと「奇妙な」「特定されていない」というギリシャ語の「アトポス」をもとにしているとされています.その名のとおり,アトピー性皮膚炎の病態は長らく不明であり,治療もステロイド外用薬をはじめとした,非特異的な免疫抑制剤が中心となってきました.それら免疫抑制剤は,たしかに一定の治療効果を発揮し,現在でも治療の中心的存在ではありますが,反面,長期使用による皮膚萎縮など,さまざまな副作用が問題となっており,病態生理に基づいた新しい治療薬の開発が,患者・医療者双方から,長年強く期待されていました.
従来,アトピー性皮膚炎の病態は不明ながらも,喘息や食物アレルギーなどアレルギー疾患の合併が多いことから,アレルギーの観点から多くの研究が進められてきました.また,アトピー性皮膚炎患者さんは乾燥肌を多く認めることから,皮膚のバリア機能の異常の観点からも研究が展開されてきました.そしてアトピー性皮膚炎の病態は,「皮膚バリア機能の異常」と「免疫学的な異常」が相互に影響し合うことで形成されると考えられてきました.しかし,それら異常の本質が何であるかは,不明なままでしたさらに,アトピー性皮膚炎のかゆみは,抗ヒスタミン薬などの通常の止痒薬ではコントロールが困難な難治なかゆみであり,患者QOL障害の大きな要因でありましたが,その本態は不明なままでした.
しかし近年,これらアトピー性皮膚炎の病態理解は,新規細胞サブセットの発見,新規動物モデルの開発,臨床サンプルを用いた大規模解析などにより,大きく変革・進歩してきました.さらには,デュピルマブ(抗IL-4Ra抗体)を代表とする新薬の登場により,その本質的病態がますますクリアになり,アトピー性皮膚炎病態の理解は現在,加速度的に進歩しています.
本特集では,それら進歩するアトピー性皮膚炎の最新の臨床,基礎的病態について,それぞれの分野において第一線でご活躍されている先生に執筆を依頼しました.本特集が,先生方のアトピー性皮膚炎の病態理解と臨床現場での一助となれば,幸いです.
本田哲也
(京都大学大学院 医学研究科 皮膚科学 講師)
椛島健治
(京都大学大学院 医学研究科 皮膚科学 教授)
<目次>
〔特集〕
1.アトピー性皮膚炎 総論~臨床と病態~/本田哲也
2.アトピー性皮膚炎の診断と検査/谷崎英昭
3.アトピー性皮膚炎の外用治療/益田浩司
4.アトピー性皮膚炎と皮膚バリア機能/福島彩乃,川崎 洋
5.アトピー性皮膚炎のかゆみの本態/中原真希子
6.アトピー性皮膚炎の免疫学的病態/今井康友
7.小児アトピー性皮膚炎の特徴/堀向健太
8.アトピー性皮膚炎の新薬と今後の展望/本田哲也
〔連載〕
弁護医師の法律ケミカルピーリング/田邉 昇
第10回 損害論 ~その傷いくら?~
企画編集/本田哲也,椛島健治
<特集にあたって>
アトピー性皮膚炎は,皮膚科領域で最も頻度の高い慢性炎症性皮膚疾患です.患者さんの皮膚は乾燥し,強いかゆみを伴う紅斑が全身に広がります.発症は小児期から成人まで幅広く,学業,就労,日常生活など,あらゆる面で患者QOLは著しく障害され,その適切なコントロールはきわめて重要な課題となっています.
“アトピー”という名前は,もともと「奇妙な」「特定されていない」というギリシャ語の「アトポス」をもとにしているとされています.その名のとおり,アトピー性皮膚炎の病態は長らく不明であり,治療もステロイド外用薬をはじめとした,非特異的な免疫抑制剤が中心となってきました.それら免疫抑制剤は,たしかに一定の治療効果を発揮し,現在でも治療の中心的存在ではありますが,反面,長期使用による皮膚萎縮など,さまざまな副作用が問題となっており,病態生理に基づいた新しい治療薬の開発が,患者・医療者双方から,長年強く期待されていました.
従来,アトピー性皮膚炎の病態は不明ながらも,喘息や食物アレルギーなどアレルギー疾患の合併が多いことから,アレルギーの観点から多くの研究が進められてきました.また,アトピー性皮膚炎患者さんは乾燥肌を多く認めることから,皮膚のバリア機能の異常の観点からも研究が展開されてきました.そしてアトピー性皮膚炎の病態は,「皮膚バリア機能の異常」と「免疫学的な異常」が相互に影響し合うことで形成されると考えられてきました.しかし,それら異常の本質が何であるかは,不明なままでしたさらに,アトピー性皮膚炎のかゆみは,抗ヒスタミン薬などの通常の止痒薬ではコントロールが困難な難治なかゆみであり,患者QOL障害の大きな要因でありましたが,その本態は不明なままでした.
しかし近年,これらアトピー性皮膚炎の病態理解は,新規細胞サブセットの発見,新規動物モデルの開発,臨床サンプルを用いた大規模解析などにより,大きく変革・進歩してきました.さらには,デュピルマブ(抗IL-4Ra抗体)を代表とする新薬の登場により,その本質的病態がますますクリアになり,アトピー性皮膚炎病態の理解は現在,加速度的に進歩しています.
本特集では,それら進歩するアトピー性皮膚炎の最新の臨床,基礎的病態について,それぞれの分野において第一線でご活躍されている先生に執筆を依頼しました.本特集が,先生方のアトピー性皮膚炎の病態理解と臨床現場での一助となれば,幸いです.
本田哲也
(京都大学大学院 医学研究科 皮膚科学 講師)
椛島健治
(京都大学大学院 医学研究科 皮膚科学 教授)
<目次>
〔特集〕
1.アトピー性皮膚炎 総論~臨床と病態~/本田哲也
2.アトピー性皮膚炎の診断と検査/谷崎英昭
3.アトピー性皮膚炎の外用治療/益田浩司
4.アトピー性皮膚炎と皮膚バリア機能/福島彩乃,川崎 洋
5.アトピー性皮膚炎のかゆみの本態/中原真希子
6.アトピー性皮膚炎の免疫学的病態/今井康友
7.小児アトピー性皮膚炎の特徴/堀向健太
8.アトピー性皮膚炎の新薬と今後の展望/本田哲也
〔連載〕
弁護医師の法律ケミカルピーリング/田邉 昇
第10回 損害論 ~その傷いくら?~
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