目次
特集●皮膚がんの診断と治療
企画編集/宇原 久
<特集にあたって>
この10年間で本邦の皮膚がん登録者数は年間15000人から30000人に倍増しています.主な要因として高齢化が疑われています.したがって,この増加傾向は今後20年間続き,患者数はさらに1.5倍ほどに増加すると予測されています.一方,皮膚がん死亡者数は年間2000人程度であり,すべての臓器のがんのなかでは最も5年生存率が高く,
皮膚がんの90%以上は手術のみで完治します.したがって早期発見が重要です.
皮膚がんの最も重要な原因は長期の紫外線曝露であり,したがって皮膚がんの多くは顔面などの露出部に発生します.一般にシミと呼ばれる疾患の多くは日光黒子や脂漏性角化症といった良性腫瘍ですが,悪性黒色腫や基底細胞癌,ときどき光線角化症(SCC in situ)が紛れ込んできます.また,悪性黒子の30%は日光黒子(シミ)と同居して認められます.また,黒や褐色の病変を気にする患者さんは多いですが,頭頸部に限れば,じつは赤い腫瘍のほうが悪性である確率は高いと思います.顔面の赤色を呈するがんの代表は光線角化症(表皮内がん)と有棘細胞癌ですが,悪性黒色腫と基底細胞癌も色を欠くと赤色を呈します.レーザーや凍結あるいは焼灼などでは組織診断ができないため,施術前に正確な診断と患者さんへの説明,画像の記録が必須です.また,患者さん自身によりスマートフォンなどで皮膚病変を記録しておくような啓発も大切です.時間の経過で変化した所見が観察できて診断上有用です.さらに,患者さんがシミの治療を希望して受診された際は,他の部位,とくに頭頸部全体の診察を合わせて行うと皮膚がんの早期発見に役立ちます.
本号では,顔面に好発する皮膚がんの特徴,診断法としてのダーモスコピー,予防としてサンスクリーン剤を取り上げました.また,2014年,免疫チェックポイント阻害薬のニボルマブの世界初の承認後からがん免疫療法の新しい時代が始まりました.皮膚がんはがん免疫療法が効きやすい因子の1つである腫瘍遺伝子変異量が多く,全臓器がんのなかで上位を占めています.そのため皮膚がんはがん免疫療法を開発するうえで重要な位置を占めています.そこで,現在急速に進化しているがん免疫療法の新知見についても紹介しました.
この特集が読者の皆様の診療に役立つことを願っております.
宇原 久
(札幌医科大学 医学部 皮膚科学講座 教授)
<目次>
〔特集〕
1.皮膚がんは増えているのか?/澤田匡秀
2.顔のシミや色素細胞母斑にはどんな疾患が隠れているのか?―とくに日光黒子と悪性黒子,色素細胞母斑と基底細胞癌との鑑別点について―/神谷崇文
3.日光角化症の診断と治療/熊谷綾子
4.有棘細胞癌の診断と治療/菅 裕司
5.基底細胞癌の診断と治療/藤岡茉央
6.悪性黒色腫(掌蹠・爪・粘膜以外)の診断と治療/堀本浩平
7.悪性黒色腫(掌蹠・爪・粘膜)の診断と治療/佐藤さゆり
8.皮膚がんと腫瘍免疫/肥田時征
9.皮膚悪性腫瘍の薬物療法の進歩/加藤潤史
10.紫外線から皮膚を守る―サンスクリーン剤―/箕輪智幸
11.ダーモスコピーの基礎/米田大介
〔連載〕
弁護医師の法律ケミカルピーリング/田邉 昇
第25回 民法改正の影響
企画編集/宇原 久
<特集にあたって>
この10年間で本邦の皮膚がん登録者数は年間15000人から30000人に倍増しています.主な要因として高齢化が疑われています.したがって,この増加傾向は今後20年間続き,患者数はさらに1.5倍ほどに増加すると予測されています.一方,皮膚がん死亡者数は年間2000人程度であり,すべての臓器のがんのなかでは最も5年生存率が高く,
皮膚がんの90%以上は手術のみで完治します.したがって早期発見が重要です.
皮膚がんの最も重要な原因は長期の紫外線曝露であり,したがって皮膚がんの多くは顔面などの露出部に発生します.一般にシミと呼ばれる疾患の多くは日光黒子や脂漏性角化症といった良性腫瘍ですが,悪性黒色腫や基底細胞癌,ときどき光線角化症(SCC in situ)が紛れ込んできます.また,悪性黒子の30%は日光黒子(シミ)と同居して認められます.また,黒や褐色の病変を気にする患者さんは多いですが,頭頸部に限れば,じつは赤い腫瘍のほうが悪性である確率は高いと思います.顔面の赤色を呈するがんの代表は光線角化症(表皮内がん)と有棘細胞癌ですが,悪性黒色腫と基底細胞癌も色を欠くと赤色を呈します.レーザーや凍結あるいは焼灼などでは組織診断ができないため,施術前に正確な診断と患者さんへの説明,画像の記録が必須です.また,患者さん自身によりスマートフォンなどで皮膚病変を記録しておくような啓発も大切です.時間の経過で変化した所見が観察できて診断上有用です.さらに,患者さんがシミの治療を希望して受診された際は,他の部位,とくに頭頸部全体の診察を合わせて行うと皮膚がんの早期発見に役立ちます.
本号では,顔面に好発する皮膚がんの特徴,診断法としてのダーモスコピー,予防としてサンスクリーン剤を取り上げました.また,2014年,免疫チェックポイント阻害薬のニボルマブの世界初の承認後からがん免疫療法の新しい時代が始まりました.皮膚がんはがん免疫療法が効きやすい因子の1つである腫瘍遺伝子変異量が多く,全臓器がんのなかで上位を占めています.そのため皮膚がんはがん免疫療法を開発するうえで重要な位置を占めています.そこで,現在急速に進化しているがん免疫療法の新知見についても紹介しました.
この特集が読者の皆様の診療に役立つことを願っております.
宇原 久
(札幌医科大学 医学部 皮膚科学講座 教授)
<目次>
〔特集〕
1.皮膚がんは増えているのか?/澤田匡秀
2.顔のシミや色素細胞母斑にはどんな疾患が隠れているのか?―とくに日光黒子と悪性黒子,色素細胞母斑と基底細胞癌との鑑別点について―/神谷崇文
3.日光角化症の診断と治療/熊谷綾子
4.有棘細胞癌の診断と治療/菅 裕司
5.基底細胞癌の診断と治療/藤岡茉央
6.悪性黒色腫(掌蹠・爪・粘膜以外)の診断と治療/堀本浩平
7.悪性黒色腫(掌蹠・爪・粘膜)の診断と治療/佐藤さゆり
8.皮膚がんと腫瘍免疫/肥田時征
9.皮膚悪性腫瘍の薬物療法の進歩/加藤潤史
10.紫外線から皮膚を守る―サンスクリーン剤―/箕輪智幸
11.ダーモスコピーの基礎/米田大介
〔連載〕
弁護医師の法律ケミカルピーリング/田邉 昇
第25回 民法改正の影響
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