特集:新性能1M国電
国鉄新性能電車の始祖となるモハ90、後の101系が登場したのは1957(昭和32)年でした。カルダン駆動に発電ブレーキを使用できる軽量高出力電動機を最大の特徴とする、国有鉄道史に残る名車両ですが、民鉄にはすでに1954(昭和29)年に同様のコンセプトで「高性能車」を名乗る形式が各社で登場していました。同様のコンセプトながら「高性能」と「新性能」という、微妙な呼び名の違いは、101系も当初高性能車のコンセプトのひとつであるオールM編成を指向していたものの、地上設備との兼ね合いなどからMT編成へと後退し、加減速の面では「高性能」とは言えなくなってしまったための窮余の造語でしたが、この他にも、新性能電車では電動機の特性と制御装置の数を減らし経済性を追求するため電動車2両でユニットを組むMM'方式が採用され、以降に製作される国鉄電車は少数の例外を除きすべてこの構成となりました。しかしこれでは編成構成の自由度に制約があり、閑散線区でも最低編成単位が2両となる、また当時まだ運用されていた郵便・荷物車の新製にも支障をきたすため、1両に電動機4個分の制御装置を搭載した新性能車での1M電車が必要となりました。1967(昭和42)年のクモユ141形を最初に、国鉄後期~末期には105系、119系、さらに事業用車や郵便荷物車改造の単行運転用123系など、標準化が進んだ国鉄電車にあって独特の機器構成を持ち、また後の改造などが趣味的に興味深い形式が誕生しましたが、いずれも地味なローカル運用の形式でもあり、趣味誌では取り上げられる機会は多くありませんでした。今回の特集では、電動車の比率から考察する1M電車の成り立ちとメカニズム、間もなく飯田線から姿を消す119系、またバリエーションが興味深い105系、そして123系の形式解説などで、新性能電車の異端児,1M電車の全体像を明らかにします。
一般記事:
アルプスの国 オーストリアの急勾配路面電車
東海道新幹線前史弾丸列車計画の全貌(4)
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