富士電機技報 2025年1月号 (発売日2025年03月06日) 表紙
  • 雑誌:富士電機技報
  • 出版社:オーム社
  • 発行間隔:季刊
  • サイズ:A4
富士電機技報 2025年1月号 (発売日2025年03月06日) 表紙
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富士電機技報 2025年1月号 (発売日2025年03月06日)

オーム社
特集  受配電・開閉・制御機器
企画意図
富士電機は、電気エネルギーを効率良く安全に利用するための受配電・開閉機器と、生産機械の自動化や最適化に資する制御機器を長年にわたって提供しており、近年では環...

富士電機技報 2025年1月号 (発売日2025年03月06日)

オーム社
特集  受配電・開閉・制御機器
企画意図
富士電機は、電気エネルギーを効率良く安全に利用するための受配電・開閉機器と、生産機械の自動化や最適化に資する制御機器を長年にわたって提供しており、近年では環...

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目次

特集  受配電・開閉・制御機器
企画意図
富士電機は、電気エネルギーを効率良く安全に利用するための受配電・開閉機器と、生産機械の自動化や最適化に資する制御機器を長年にわたって提供しており、近年では環境負荷低減の要求に応えるための製品の小型化や熱可塑性樹脂の適用拡大も進めています。
本特集では、基本性能である信頼性や安全性をさらに向上させるとともに、多様化するニーズに応えて使い勝手を向上させた受配電・開閉・制御機器の新製品を紹介します。その実現を支える電気接点評価技術やシミュレーション精度向上の取組みも併せて紹介します。


〔特集に寄せて〕
レベニューキャップ制度と電力機器
山納 康
埼玉大学 大学院理工学研究科 教授 博士(工学)

〔現状と展望〕
受配電・開閉・制御機器の現状と展望
森下 文浩・秦 淳一郎・山崎 智史

富士電機の受配電・開閉・制御機器は、電気設備や機械装置で多用される主要なコンポーネントとして広く産業を支えている。これらの機器においては、昨今の市場要求とトレンドを捉えた製品開発を行っている。開閉機器では、カーボンニュートラルに貢献するべく小型化、省エネルギーを追求し、新たに「SC-NEXTシリーズ」を開発した。制御機器や低圧機器では、デザイン性の向上や配線作業の工数削減および簡素化への対応に加え、感電保護などの安全性をより確保する機器の開発を行った。高圧遮断器では、環境負荷低減に貢献する製品を開発した。電力監視機器では、既存のブレーカにアドオン可能な「ブレーカ計測ユニット」の開発を進めている。製品開発に必要なコア技術においては、核となる電気接点の開発・改良やシミュレーション・評価技術などのたゆまぬ向上を精力的に行っている。

電磁接触器「SC-NEXTシリーズ」
内山 拓・竹本 貴紀・関谷 優志

従来の電磁接触器の後継機となる電動機定格容量2.2~15kWの「SC-NEXTシリーズ」を発売した。近年の環境負荷低減への要求に応えて、取付面積を従来比最大40%削減する小型化と、直流操作形では消費電力を従来比最大73%削減する低消費電力化を実現し、制御リレーを介さずにPLC出力で駆動できる定格容量の範囲を拡大した。新開発の接点構成と過渡現象解析を駆使した接点開閉機構の最適化により、小型化を実現するとともに従来機種と同等の電気的耐久性を達成した。さらに、インバータ一次側に設置した場合の突入電流に耐えられる溶着耐量も実現した。

サーマルリレー「SC-NEXTシリーズ」
小野木 悠真・中野 幹久・熊谷 彰恵

従来機種の後継機となるサーマルリレー「SC-NEXTシリーズ」を発売した。サーマルリレーは、電動機を過負荷から保護する用途で電磁接触器と組み合わせて使われることが多い。近年の環境負荷低減への要求に応えて小型化した同シリーズの電磁接触器に合わせてサーマルリレーを小型化するため、過電流検出を担うヒートエレメントの構成を刷新することにより、従来機種と同等のフレームサイズにおける定格電流の拡大を実現した。接点開閉機構の部品の構造と製法を改良するとともに新たな出荷調整方法を適用して動作特性のばらつきを低減することにより、過負荷検出精度の向上を実現した。

ユーザビリティを徹底的に追求した「コマンドスイッチ」
高野 芳弘・木之下 俊輔

富士電機のφ16、φ22系「コマンドスイッチ」のシリーズは、30年以上前に発売したロングセラー商品である。ユーザーである工作機械メーカーなどにおいては商品価値を向上させるため、製品の操作パネルに用いるコマンドスイッチに対しても従来のFQCDだけでなくデザイン要素を求めるようになってきた。こうした要求に応えるため、ユーザビリティを徹底的に追及したモデルチェンジを実施し、以前から評価の高い操作感などは継承しつつ、新たな顧客ニーズにも応えるようにラインアップを充実させた。

多様なニーズに応える配線用遮断器・漏電遮断器の付属装置
石動 秀樹

電気設備や電気・機械装置などの制御盤に使われる配線用遮断器・漏電遮断器に要望されている多様な付加機能を実現するため、多彩な付属装置を用意した。例えば、外部操作ハンドルでは、防じん・防水性の向上、誤操作を防ぐ非突出形の拡充、ハンドルをロックした状態でも盤の扉パネルを開放できる機構を実現した。端子カバーでは、取付けが容易でありながら全方向IP20の保護性能を達成した。遮断器本体のハンドルをロックする機構では、南京錠などの施錠装置の適用範囲を広げ、誤操作を防ぎ、強度を高めて壊れにくくするとともに、遮断器に後付け可能な構造とした。

高圧受配電機器の絶縁部品への熱可塑性樹脂の適用
須田 裕文・徳永 圭秀

高圧受配電機器には、高い絶縁能力と強度が得られる熱硬化性樹脂を絶縁部品に使用しているが、その材料を、製造時に生じる廃棄物を再利用することが可能で、成形時間の短縮による生産性向上が見込める熱可塑性樹脂に置き換えることを検討した。高圧交流負荷開閉器(LBS)を対象として、熱硬化性樹脂に比べて耐トラッキング性が低いにも関わらず、絶縁性能を維持するための沿面距離を確保できる構造を確立した。この技術の適用を拡大し、資源の安定供給の確保や生産性向上による製品の安定供給に貢献していく。

設備の省エネルギーと保守の効率化に貢献する受配電機器の電子化
田口 貴裕

カーボンフットプリントの見える化に不可欠な製造設備ごとの電力消費量の可視化や、労働力不足対策として設備保全を効率化する予防保全の要求に応えるため、電気・機械設備に広く使われている受配電機器にモニタリング機能を付加する「ブレーカ計測ユニット」を開発している。ブレーカと一体化し、無線通信によりデータを収集するため盤内への設置が容易であり、電力量などの基本データの収集だけでなく、過負荷に先立ったアラームやトリップの発生を通知する機能により予防保全に貢献することができる。これらの効果を自社工場でのフィールドテストで検証している。

開閉・制御機器の信頼性を支える電気接点評価技術
岩倉 忠弘・舛森 建太・庄司 和樹

開閉・制御機器に要求される高い信頼性と耐久性を実現するため、電気接点の評価技術の強化に取り組んでいる。製品の接点動作を模擬する試験機を用いて、接点開放時のアーク放電のエネルギーと接点の引き剝(は)がし力との関係や、累積アークエネルギーと接点消耗量との関係を把握することにより、接点の耐溶着性と耐消耗性を評価した。また、累積アークエネルギーと接点の接合面積との関係を基に、開閉耐久性の目標達成に必要な接合面積の初期値を見極めた。さらに、IEC規格に合致した電気的耐久性試験により、製品における最大200万回以上の開閉耐久性を検証した。

製品の長寿命化を支えるシミュレーション技術
原 昇聖・志塚 隆・小宅 美晃

受配電・制御機器の製品開発では、疲労特性などを実機評価に比べて短い期間で予測できるシミュレーションを活用することにより、信頼性の高い製品を早期に提供することに貢献できる。「SC-NEXTシリーズ」の開発では、解析精度を高めるために製品の実際の使用状態を再現した条件の下で取得した物性値を使って、繰返し応力が加わる部材の疲労破壊、可動接点を支持する部材のしゅう動による摩耗、筐体(きょうたい)結合部のクリープ変形による嵌合(かんごう)の緩みの各現象を、シミュレーションにより解析して構造設計に反映させることにより、製品の機械的寿命の目標達成を支えた。

新製品紹介論文
橋梁モニタリングシステム
河川に架かる鉄道橋梁では、豪雨後の増水による橋脚基礎の洗掘や老朽化により、健全度が低下する可能性がある。洗掘が進むと沈下したり傾斜したりするので、列車運行に大きな支障となる。そのため、鉄道事業者は、目視点検の他、衝撃振動試験を行って健全度を確認しているが、時間を要すること、作業に危険を伴うことから、省力化や安全性の向上が求められている。この要求に応えるため、富士電機は、橋脚の微細な振動を遠隔で常時監視することで橋梁の健全度評価が可能な橋梁モニタリングシステムを開発した。

DC1,500Vに対応した屋外型蓄電池用PCS「PVI1500CJ-3/2750B」
太陽光発電や風力発電など、再生可能エネルギーの主力電源化に向けて、系統の安定化に必要な大規模蓄電システムの需要が高まっている。富士電機は今までDC800V以下の蓄電池パワーコンディショナ(PCS)を展開してきたが、システムコスト低減の観点から、さらなる大容量化、および直流電圧の高電圧化が強く望まれている。このような市場要求に向けて、大容量(2,750kVA)でDC1,500Vに対応した屋外型蓄電池用PCS「PVI1500CJ-3/2750B」を開発した。

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