富士電機技報 2025年9月号 (発売日2025年10月09日) 表紙
  • 雑誌:富士電機技報
  • 出版社:オーム社
  • 発行間隔:季刊
  • サイズ:A4
富士電機技報 2025年9月号 (発売日2025年10月09日) 表紙
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富士電機技報 2025年9月号 (発売日2025年10月09日)

オーム社
特集  エネルギーの安定供給、最適化、安定化に貢献するエネルギーシステム
企画意図
エネルギーシステムの分野では、脱炭素社会の実現に向けて、再生可能エネルギーの利用拡大、エネルギーの供給安定化、省エ...

富士電機技報 2025年9月号 (発売日2025年10月09日)

オーム社
特集  エネルギーの安定供給、最適化、安定化に貢献するエネルギーシステム
企画意図
エネルギーシステムの分野では、脱炭素社会の実現に向けて、再生可能エネルギーの利用拡大、エネルギーの供給安定化、省エ...

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目次

特集  エネルギーの安定供給、最適化、安定化に貢献するエネルギーシステム
企画意図
エネルギーシステムの分野では、脱炭素社会の実現に向けて、再生可能エネルギーの利用拡大、エネルギーの供給安定化、省エネルギーなどについて、さまざまな取組みが推進されている。
本特集では、エネルギーの安定供給、最適化、安定化に貢献するため、富士電機が展開しているプラント、システム、コンポーネント製品(機器)およびそれらを支える技術について紹介する。

〔特集に寄せて〕
いのち輝く未来社会を実現するエネルギー技術への期待と挑戦
石亀 篤司
大阪公立大学 教授 博士(工学)

〔現状と展望〕
エネルギーの安定供給、最適化、安定化に貢献するエネルギーシステム
河野 正志・外山 健太郎・廣瀬 順
富士電機は、発電プラント、エネルギーマネジメント、施設・電源システム、受変電機器の各分野において、エネルギーの安定供給・最適化・安定化を実現する商材とソリューションを提供しています。
発電分野では、GTCCの高度化、地熱・水力・バイオマスの導入、燃料転換、ORC/フラッシュの効率改善、燃料電池の実証、原子力の安全性向上と市場拡大への対応を推進しています。エネルギーマネジメント分野では、再生可能エネルギー比率の増加に伴い拡大する非同期電源に対し、蓄電取引運用システム、設備監視、OpenADRへの対応、GFMインバータおよび擬似慣性制御機能付き蓄電池PCSの開発を推進することで、系統安定化に貢献しています。施設・電源分野では、インターネットデータセンター向け電気設備のスキッドシステム化による工期短縮と標準化を推進するとともに、無停電電源装置の長寿命化とIoT監視の強化に取り組んでいます。受変電機器分野では、電気炉向け無効電力補償設備の導入による系統の安定化、植物油系変圧器の普及による防火要件の緩和、自社短絡試験設備の整備による製品の信頼性向上を図っています。

温室効果ガス排出削減に貢献する発電システム
服部 康之・山崎 竹伸
第7次エネルギー基本計画では、地熱発電など再生可能エネルギーの比率拡大が掲げられている一方で、火力発電も30~40%程度の比率で維持される見通しとされており、富士電機は地熱発電と火力発電の両分野で温室効果ガス排出削減に取り組んでいる。地熱発電では、タービンブレードにDLCコーティングを施しシリカスケールの付着を防止することで、タービンブレードの洗浄頻度を低減し発電出力を高く維持する技術を開発した。また、火力分野では、水素やアンモニア、バイオマスなど脱炭素燃料の混焼率向上・専焼化にタービンの改造により対応する技術を開発した。

脱炭素社会の実現に貢献する新型水素燃料電池システム
岡本 良一
脱炭素社会の実現に向けて、水素を燃料としてCO2を排出することなく電気と熱を生み出す水素燃料電池は、水素を有効に利用するための鍵として期待されている。富士電機は、定格出力180kWで容易に360kWに拡張可能な、定置用の水素燃料電池システムを開発した。燃料電池モジュールには起動時間が短い車載用の固体高分子形燃料電池を採用し、独自の運転制御技術により長時間連続運転と高耐久を実現した。急峻(きゅうしゅん)な負荷変化にも対応可能な自立運転機能を搭載し、非常用自家発電設備としても利用可能とした。

電力系統の安定運用に貢献する擬似慣性制御機能付き蓄電池PCS
岡 直哉・上村 浩文・山田 真
近年、脱炭素社会の実現に向けて再生可能エネルギーの導入拡大が進んでおり、電力系統から周波数維持能力のある同期発電機が減少することで、系統事故発生時や需給バランス急変時に周波数変動が増大する恐れがある。この問題に対応するため、富士電機は同期発電機が持つ周波数維持能力である慣性力と数秒程度で働く周波数調整力である一次調整力(ガバナ制御)を模擬する擬似慣性制御機能付き蓄電池PCSを開発している。本機能を搭載することで、負荷変動に対して蓄電池PCSが瞬時的に慣性力を発揮して周波数変動を抑制し、電力系統を安定に維持できることをミニモデルで検証した。

電気炉設備の安定操業に貢献する無効電力補償装置
大宮 和樹・篠原 博・岡崎 洋平
近年、世界的な脱炭素化の動きに合わせ、高炉鉄鋼業界でもCO2排出量を抑えることができる電気炉への転換が進んでいる。電気炉では、短絡などでアーク抵抗が急変し、系統電圧低下や周期的な電圧変動(フリッカ障害)などを引き起こす。このため、無効電力変動を補償する装置が不可欠である。富士電機は、1970年代前半から無効電力補償装置を製品化している。現在、サイリスタをデバイスとし大電流を流せることで大容量化に適した他励式、IGBTなどの素子を用いて高い補償性能が得られる自励式、他励式と自励式の両方式を組み合わせたハイブリッド方式の三つを提供している。

電力安定供給に貢献する中容量無停電電源システム
西舘 純・兼子 晶誠・徳田 剛
工場や放送・通信設備などにおける一層の省エネルギーや高信頼性、省人化の要求に応えるため、従来機種の仕様を網羅して機能を改善した中容量UPS「FXシリーズ」を展開している。顧客のシステム設計期間を短縮できるように、UPS本体と周辺盤を組み合わせた標準パッケージ「F.U PAQ」を用意し、保守に伴う設備停止時間を削減するために主要交換部品をユニット構造としている。定格負荷力率0.9への対応や接続するバッテリの電圧範囲の拡大に加えて、システムの小型・軽量・長寿命化が可能なリチウムイオン電池の適用や耐震性を強化したオプションを開発中である。

小型・軽量化のニーズに対応するグローバル市場向けモルトラ
野口 優一・松永 圭・高橋 淳
国内にとどまらずASEAN諸国でも活況を呈しているデータセンターへの設備投資の一環として、モールド変圧器の市場が伸長している。国外では、変圧器の一次電圧が22 kVまたは33kVと高いため、安全対策として保護ケース内に変圧器を設置するニーズがある。そこで富士電機は、絶縁構造を工夫することにより、従来に比べ設置面積を17%、質量を13%、それぞれ削減したモルトラを開発した。さらに、高調波を多く含む負荷電流への対応や、設置工期を短縮できるスキッドシステムの適用など、データセンター用途での課題を解決する開発にも取り組んでいる。

環境負荷低減に貢献するエステル変圧器
千葉 公一郎
油入変圧器の絶縁油として用いられてきた鉱油は、廃棄時のCO2排出、漏油時の環境汚染といった課題がある。この対応として、植物由来で生分解性に優れたエステル系絶縁油が開発され、油入変圧器への適用が進んでいる。富士電機は、パームヤシ油をエステル化処理したパームヤシ脂肪酸エステルを適用した変圧器を2008年度に市場投入した。さらに、2022年度には大豆油を原料としたエステル系絶縁油を適用した変圧器も製品ラインアップに加えた。今後も顧客満足度の高い環境に配慮した製品を提供していく。

変電機器開発の効率化に貢献する千葉工場短絡試験設備
藤城 智・水本 貴之・阿部 直貴
堅調に推移している需要に応えて、環境負荷が少なく国内外規格に対応した高電圧変電機器製品を提供する上で課題となっていた試験の効率向上を図るために、短絡発電機を用いた短絡試験設備を富士電機千葉工場内に建設し、変電機器の性能検証を社内で実施する体制を整えた。新設した短絡発電機は最新の軸系設計技術により50Hzおよび60Hzでの試験が可能であり、動力源である電動機をインバータ駆動としたのでインバータによる回生制動によって停止時間の短縮や回生電力の有効活用を実現した。従来に比べて開発期間を短縮し、タイムリーな新製品の上市に貢献する。

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