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ar(アール)の編集長インタビュー

編集長プロフィール

主婦と生活社
「アール」編集長 細野敏彦さん

ほそのとしひこ 慶應義塾大学文学部卒業後、八重洲出版に入社。その後世界文化社に転職し、「ミス家庭画報」副編集長「Car Ex」編集長、広告部長などを歴任。主婦と生活社に移り、「LEON」「NIKITA」の編集長補佐を経て、現職兼カスタム・コンテンツ開発室長。

編集長写真

第20回 ar(アール) 編集長 細野敏彦さん

目指しているのは20代女性のハッピー・テイストなリアリティです

―「ar」とはポルトガル語で「空気」の意味らしいですが、これを雑誌のタイトルに選んだ理由は何ですか。

創刊号はかなり今とは違いますね、と編集長
創刊号はかなり今とは違いますね、と編集長

創刊時に僕はここにいませんでしたので、確実なことはわかりませんが、気持ちよさとか自然な感じ、居心地のよさ、といったことを伝えたいんだと理解しています。
もう創刊14年目ですが、ずっと若い女性たちのファッション、ヘア、美容といったジャンルを扱ってきています。

―読者の平均年齢は何歳ですか。

25歳がコアターゲットですが、30代やティーンズもいます。OLさん、学生さんなどいろいろです。職種や収入も関係ないですね。エッジが立っているというよりこの世代の平均的な女性が読んでくれているんだと思います。
いま若い人たちにとってファッションのものさしは自分自身。可愛くなるのも、まずは自分のため。なので、雑誌には男性目線はあまり入れていません。
むしろ自分らしさをどう出すかのお手伝いをしているつもりです。自分が可愛くなって、そして初めて「モテル」ということに繋がっていくと思うんです。

―競合誌は何になるのでしょう。

さまざまな要素が混在する独自のページづくりを目指す
さまざまな要素が混在する独自のページづくりを目指す

ファッション・テイストでいえば「Sweet」(宝島社)「美人百花」(角川春樹事務所)に近いです。僕としては今風の「with」(講談社)「MORE」(集英社)でありたいと思っています。
目指しているのは20代女性のリアリティ。ファッションなら服だけ、美容ならコスメだけを扱う媒体が多いですが、これは編集側の都合にすぎず、読者はファッション・ページでもそのメークが好きならその化粧品の情報が欲しかったりするものです。
ですから、僕としては、ファッション・美容・ヘアのジャンルをまたいでクロスオーバーさせているんです。そのほうが実際のニーズに近いですから。お陰様で販売も順調で部数も伸びています。

―「ハッピーオーラの女の子」がこの雑誌のコンセプトだと書かれていますが、ハッピーオーラとは何ですか。

はい、それは楽しくて自然にこぼれる笑顔をイメージしています。そんな女の子って素敵ですよね。
僕が編集長になって1年ちょっとになりますが、可愛く、明るく、楽しくありたい彼女たちの気持ちにしっかり応えようとやってきました。この世代独自の変身願望があって、それに丁寧に応えるようにしています。
ヘアなどはとくにわかりやすいです。ちょっと髪型を変えるだけでこれだけお洒落に変身できる。それを具体的にわかりやすく見せてあげる。こんな髪型にしたいならこの美容院とか、すぐに行動がとれるような実用性に重点を置いています。
美容室にもよく置かれているように、もともとヘア特集に強い雑誌だったので、僕はそれをベースにライフスタイルをよりファッショナブルにしていってる感じでしょうか。

―写真も自然光が多いです。

こんなベストセラーも生まれました
こんなベストセラーも生まれました

そう、昼間の世界観なんです。柔らかく優しい太陽光につつまれるイメージです。昼間の気持ちのいい空気ってハッピーな感じがしますよね。ですからファッションなんかもスタジオ撮りよりも自然光のなかで撮ることが断然多い。
モデルさんにもそうお願いして、その世界観のなかでもうひとつ違う表情を出してもらえるようにしています。
読者には、頭のてっぺんからつま先までハッピーな気分にひたってもらいながら、具体的には読者の願望のジャンルがコンパクトに凝縮されてつまっている“ジュエリーボックス”でありたいと思っているんです。
表紙も同じです。このベッキーさんの号(09年12月号)の評判も上々でしたが、ベッキーさんがこんな表情をみせてくれるのもうちの雑誌だけだと思っています。
表紙は梨花さん、吉川ひなのさん、綾瀬はるかさん、香里奈さん、長谷川潤さん・・・それに今回新しく加藤ローサさん、ベッキーさんといった人たちにお願いしていますが、いつもとはちょっと違う表情を出してもらえるように努力しています。

―この世代の女性の感性に訴えかけるのはタイヘンだと思われますが。

編集長デスクから見た編集部。
編集長デスクから見た編集部。
会社の受付ではリラックマが迎えてくれる
会社の受付ではリラックマが迎えてくれる

はい、でも私は自分を女子バレーボール部の顧問の先生だと思ってやってるんです(笑)。女性誌の男性編集長にはそんな人が多いと思いますよ。それも僕はヤクルトの古田監督のようなプレイング・マネージャーではなく、楽天の野村監督みたいなスタイルになれれば(笑)。

―ボヤキもあるよ、と(笑)。

ええ、日々(笑)。でもキャプテンの副編集長ががんばってくれるので助かります。
部員は僕を除いて10人、全員女性です。彼女たちの感性と情報収集力をたよりに、僕はまとめ役をやるといった具合ですね。
読者の声もそれなりに反映させてはいますが、やはり編集者ひとりひとりに頼る部分が大きいです。編集者も読者がだいたい自分たちの妹世代にあたるので、その目線で物事をとらえています。よく読者をわかっている編集者たちですよ。

―そのほか雑誌づくりで気をつかっている点はありますか。

後ろからもしっかり読める構成の台割
後ろからもしっかり読める構成の台割

台割ですね。いかに中身がつまってるかということをどう見せるか。
ファッション、美容、ヘアがジャンルを超えて横串されてぎっしり詰まってるミルフィユのような台割を目指しています(笑)。どこを開いてもヒットするように考えています。
書店ではだいたい女性が立ち読みするときには、どちらかの手にハンドバッグをさげたままもう片方の手で後ろからパラパラ見ることが多いんです。ですから、後ろのページにもしっかりしたビジュアルやおいしいページをしっかり入れるようにしています。あんこがしっぽまで詰まったタイヤキ台割が理想です(笑)。

―付録がないですね。

雑誌はやはり中身で勝負だろうと思っているので、付録はあまりやりたくないんです。
雑誌は毎号付録で買うという声も聞きますが、売れなかったら返品のときどうすんのかと(笑)。ちっともエコじゃないし、付録は時代の流れに反していると僕は思いますが。

―雑誌のデジタル対応はどうですか?

僕はデジタルにうといし、予算もないしで、あまり力を注げてないのが現状です。デジタルになると雑誌のよさが違うものになってしまう部分もあって難しい部分もあります。
雑誌のよさって、僕は紙に印刷された写真にあると思っているんです。一枚の綺麗な写真から膨らむ夢、読者の想像力でどこまでも広がる世界があると思いますが、ムービーやネットで見たりすると、その想像力の広がりを感じない。
でも読者はネットとの親和性が高い世代なので、ときどきモデルの私物などのガレージセールをやると、一瞬にして完売してしまいます。
ですから、ネットにはネットのいい部分があって、そことの共存をバランスよくやるということが大切なのかなと思っています。

―細野さん自身は女性誌が長かったのですか。

いえ、もともと僕はバイク雑誌をつくってたんですよ(笑)。一時フリーになったりもしましたが、世界文化社に入って「Begin」の創刊に関わり、そしてその後は「ミス家庭画報」「Car EX」などもつくってました。
2年前に「LEON」「NIKITA」の編集長補佐でこちらに来ました。「ar」編集長になったのは去年からです。

―いまでもバイクに乗ってますか。

はい。今日の通勤も“kawasakiのナナハン”です。
飲むことが多いので、そのときは一旦家に帰ってバイクを置いてから再スタート。もっとも最近では家で飲むことも多いです。柴犬を飼っているので、犬と遊びながらスパークリング・ワインを飲むのが好きです。
学生のときジャズ研でベースを弾いていました。それがいまでは沢田研二バンドに変わりました。もちろん本物のジュリーのバンドではないですよ。僕たち流の昭和歌謡を楽しんでいます。
ジュリーではなく「ズリー」という名前のバンド。ちょっとなまってるところがいいでしょう(笑)。

編集長の愛読誌

(2009年12月)

取材後記
“ちょいワル”がブームだったころ、私は“ちょいエコ”編集長としてテレビ取材を受けました。半ばシャレで応じたのですが、“ちょい~”ブームのあおりを受けて自分の雑誌も売れないかしらと思ったからでした。
そのくらい強い影響力があった“ちょいワル”雑誌「LEON」の編集長補佐だった細野さん。シガー片手に颯爽と現れてくれるかと思いきや、そこはさすが若い女性ファッション誌の編集長です。ちょいワル路線などはもはや微塵も表に出さず、柔らかい物腰で、いかにいまの女性が鋭いかということを、澱みなく語ってくれました。
でも、女性ばかりの編集部を束ねていくのはタイヘンです。私にも少なからず経験があって、それが美人で、知性、感性に富み、行動力のある人たちであればあるほど・・・。「いやぁ、私は女子バレーボール部の野村監督ですから」と笑いながら、愛犬と酒を飲んだり、昭和歌謡にやすらぎを見出すというのは、同世代の私にはなんだかよーく分かる気がするのです。

インタビュアー:小西克博

大学卒業後に渡欧し編集と広告を学ぶ。共同通信社を経て中央公論社で「GQ」日本版の創刊に参画。 「リクウ」、「カイラス」創刊編集長などを歴任し、富士山マガジンサービス顧問・編集長。著書に「遊覧の極地」など。

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