■解説
〔メディカル〕
○ヒト胎児標本の連続切片画像からの非剛体位置合わせによる3次元復元/京都大学/山田 重人・巻島 美幸/奈良先端科学技術大学院大学/舩冨 卓哉・梶原 武紘・青砥 隆仁・久保 尋之・向川 康博
本稿では、生体組織を薄くスライスして製作した数百枚の切片を撮影した画像群に対し、非剛体位置合わせを行うことによって元の3次元形状を復元する手法について紹介する。また、京都大学が所蔵するヒト胚子の標本に対して手法を適用した結果についても紹介する。
○ロボット支援手術の現状/藤田医科大学病院/菊地 健司・須田 康一・柴崎 晋・中村 謙一・稲葉 一樹・宇山 一朗
ロボット支援内視鏡手術は、その技術向上にともなって日本はもとより世界中で増加傾向にある。本邦でも2012年から前立腺全摘術が保険適用になっていたが、2018年度からは消化器外科・呼吸器外科・婦人科領域の手術術式も新たにカバーされることとなり、さらなるロボット支援手術の発展が期待される。
〔生活支援〕
○日用品の機能認識の高度化技術 ~多視点データ統合~/中京大学/橋本 学・城 亮輔
本研究では、日用品の機能認識を、多視点から撮影した3Dデータに仮の機能ラベルを付与し、仮ラベルの信頼度を考慮して統合することで高精度化した。実験の結果、先に多視点3Dデータを統合してから機能認識する方法よりも高精度に機能認識できることを確認した。
〔放送・通信〕
○“究極のカメラ”を考える/NHK放送技術研究所/後藤 正英・安江 俊夫
本稿では、NHK放送技術研究所で取り組んでいる8Kハイスピードカメラや3次元構造イメージセンサなど最先端の研究成果を紹介するとともに、将来の放送においてカメラに求められる機能や性能を俯瞰し、“究極のカメラ”への進化に向けた研究開発の方向性を考察する。
〔教育・エンタテインメント〕
○AI技術を応用したくずし字翻刻学習・指導システム/立命館大学/赤間 亮/凸版印刷㈱ 岡 敏生
立命館大学アート・リサーチセンターはくずし字認識システム(凸版印刷㈱)を活用して、歴史的書籍・絵画のデータベースを組み込んだくずし字翻刻学習・指導システムを開発した。現在は、本システムの本格的な実用化に向けて学習効果を調べるため実証実験を進めている。
〔認識・検出〕
○3-D面情報をもとにした仮説検証によるサンドイッチの認識/中京大学/橋本 学・永野 史也
本研究では、サンドイッチの位置姿勢を認識するために、サンドイッチの面同士の位置関係を手がかりとして利用する仮説検証型の認識アルゴリズムを構築した。実験の結果、認識成功率は69%であった。
○多段階識別に基づく瞬き動作認証手法の検討/津田塾大学/杉村 大輔・中野 真理子・徳永 律子・内田 葉子
遠距離・近距離における多段階瞬き動作識別手法を紹介する。遠距離で撮影された瞬き動作特徴を用いて、グループ単位での識別を行う。これにより識別対象の数を限定する。識別された各グループにおいて、近距離で撮影された瞬き動作特徴に基づき、個人識別を実現する。
〔解析・計測〕
○ヒトがどこを見ているのか?がわかる!視線解析技術の活用/㈱ガゾウ/金田 篤幸・松木 貴大
当社では、ヒトがどこを見ているかが分かる視線解析技術を開発している。本稿では、視線解析技術がどのように活用できるのか、技能継承やマーケティング、ドライバーモニタリングなどの例を交えて紹介する。
〔画像処理〕
○文書撮影で混入する影やハイライトの除去技術/愛知工業大学/矢野 良和
携帯カメラでカラー文書を接写撮影すると、撮影者自身の影の映り込みや光源によるハイライトが撮影データに混入し、文書の可読性を著しく低下させる。提案法による撮像手順により、これら混入ノイズを画像自体の色情報と分離し、ノイズ除去した画像を生成する。
〔基礎研究〕
○cGANに基づく車載カメラ映像からの深度推定/大阪府立大学/井上 勝文・鷲本 昂樹・吉岡 理文
近年、Visual SLAMシステムでは、深層学習を用いてカメラ映像から深度を推定する手法が提案されている。本稿では、cGAN(Conditional Generative Adversarial Network)に基づく教師なし学習による深度推定手法と、その車載カメラ映像への応用事例について紹介する。
■特集:工作機械及び加工技術の進化と画像処理技術
○エンドミル加工面のびびり模様画像のスマート診断方法/同志社大学/尾崎 信利・廣垣 俊樹・青山 栄一
エンドミル加工面のびびり模様の画像を二次元離散フーリエ変換することで現象の逆解析を遂行する手法を提案した。その結果に基づき、現場で容易に安定なエンドミル加工条件を探索することができることを示した。
○画像処理による砥石表面状態の観察と評価/日本大学/山田 高三・内田 元・李 和樹・三浦 浩一
研削加工において、砥石表面状態の定量的な評価は難しい。現状、砥石表面の異常の発見は作業者の経験や勘に依存するため非効率である。本研究では、高速度カメラを用いることで砥石表面を定量的に観察、評価することを目的としている。そこで、回転中の砥石を高速度カメラで撮影し、画像から得られる色情報から加工前後の差を調べた。これにより、砥石表面状態の変化の観察、評価を行うことが可能であることわかった。
○深層学習を用いたダイヤモンド砥粒形状の分類/佐世保工業高等専門学校/坂口 彰浩
ガラス面上に散布したダイヤモンド砥粒画像を取得し、画像処理と畳み込みニューラルネットワークを用い砥粒形状を分類・評価する手法を提案する。また、複数のグレードのダイヤモンド砥粒に対して本手法を適用し、砥粒形状のばらつきについて評価した結果について紹介する。
○画像位置決め金型打ち抜きプレス/㈱サンコー技研/田中 敬
近年、金型打ち抜きプレス加工において位置決め精度の高度化がニーズとして高まっている。既存の工法・プレス装置では要求精度を満たさないため、ロボットとカメラ内蔵金型による画像位置決めプレス装置を自社開発、±5μmの位置決め精度を実現した。
■コラム マルコーニの彼方へ 232
○人生という名のゲーム/ヤマネコ
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