■特集:ラマン分光法の応用技術と各社の取り組み①
○ラマン分光分析技術による非侵襲脂肪分析/関西学院大学/佐藤 英俊
筆者等はラマン分光分析法を用いて、脂肪の組成分析に挑戦している。その全てを紹介するには短いが、本稿では、脂肪分析を目的として進めてきたハード、ソフトウェア技術とその応用について紹介する。
○ラマン分光法及び近赤外分光法による生体や生体物質のin situイメージング分析/島根大学/石垣 美歌
ラマン分光法や近赤外分光法は、分子の振動を測定することにより、対象内の分子組成や分子構造をイメージングにより可視化することができる。本稿では、近年実施した生体のin situイメージング研究を紹介する。
○ベンチトップラマン分光計を利用したIn-Situ測定の具体的事例/㈱アントンパール・ジャパン/兒山 悠二
近年、ラマン分光計の発展は目覚ましく、その中で同社のCora5001はユニークな立ち位置にある。本稿では、二つの実用例について紹介する。一つは、素材開発において圧倒的シェアを誇る同社の粘弾性測定装置MCRとの共用によるIn-Situ測定。もう一つは、マイクロ波を利用した合成装置Monowave400Rとの共用によるIn-Situ測定である。それぞれの装置とCora5001Fiberが提示するそれぞれの経時データを比較することで、新たな視座の獲得を目指す。
○コヒーレントラマン計測に好適なピコ秒波長可変レーザの開発/スペクトラ・クエスト・ラボ㈱/福岡 大輔・室 清文
半導体レーザ、光ファイバー技術を駆使して新しいピコ秒波長可変レーザを開発した。このレーザは高い波長同調性と光パルス同期性を有しており、コヒーレントラマンイメージングの高性能化と普及に貢献できる。
○プローブ型ラマン分光装置の分析事例㈱テックアナリシス/久田 浩史/㈱ティー・イー・エム/浅香 宗利・畠山 洋
本稿では、Marqmetrix社製プローブ型ラマン分光器All-InOne.を用いて、医薬品分析事例を紹介する。また、原薬を使ってCoherent社製低波数ラマンモジュールの特徴と有用性を紹介する。
■特集:キレイを作る~「汚染を調べる、浄化する」に役立つ光技術~②
○深紫外線LEDによる水浄化/旭化成㈱/大槻 隼也・矢吹 直人・杉山 聖
UVC LEDの応用技術、特に水殺菌技術の進展について解説する。UVC LED化による設計自由度を生かせば、発光効率が低くても低圧水銀灯を上回る殺菌性能を発揮できる可能性がある。本稿では、その点について、Simulationの結果と開発品の実測データを紹介する。
■解説
○レーザーパターン光を生成する回折光学素子/㈱スペースフォトン/川島 勇人
回折光学素子(DOE)は光の波動的特性である回折・干渉現象を利用する光学素子で、所望のレーザーパターンを形成することができる。本稿では、DOEの設計製作、応用事例として、レーザー加工と三次元形状計測について紹介する。
○スマート光計測・センシング/大阪大学/高谷 裕浩
本稿では、機能性光学の基本原理および光計測・センシングに大きな変革をもたらす機能性光学素子・システムの展開について紹介するとともに、機能性光源の拡張による新たな測定原理に基づく次世代スマート光計測・センシングの可能性について展望する。
○光を用いた有機・バイオマテリアルの結晶構造制御技術の開発/大阪大学/丸山美帆子・吉川 洋史・吉村 政志・森 勇介/奈良先端科学技術大学院大学/釣 優香
光で結晶成長を制御する技術は、この数年間で飛躍的な進歩を遂げた。現在は有機材料の結晶多形など、構造が酷似する物質を「作り分ける」ことができるようになった。本稿では、レーザー核発生誘起技術による結晶多形制御の成果と、モデル物質(尿素)を用いたメカニズム解明の研究を紹介する。
○静電相互作用を用いた凹凸基板上への電子輸送層の形成とペロブスカイト太陽電池への応用/埼玉大学/石川 良・白井 肇
テクスチャ透明導電膜上に、正帯電するポリマーと負帯電しているSnO 2コロイド間の静電相互作用を活用して均一な電子輸送層を形成し、20%を超える高い光電変換率のペロブスカイト太陽電池を得た。
○ガラス表面の精密レーザーナノ加工と透過特性の向上/東京農工大学/宮地 悟代
ガラス表面にフェムト秒レーザーを集光照射することにより、周期が約200 nmで均一なナノ構造体を直接形成することに初めて成功した。本稿では、この周期構造体の形成過程と、構造体を付与した表面は透過率が増加することについて紹介する。
○光レーザマイクロホンを用いた任意焦点収録音声の音質改善/立命館大学/西浦 敬信
光レーザマイクロホンにおけるレーザー光の任意焦点による高品質な音声収録を目指して、深層ニューラルネットワーク(Deepneural network:DNN)に基づく高品質音声収録方法を試みる。本手法では、焦点の設定の異なる収録音声によりネットワークを学習させることで、任意焦点収録にて発生する雑音の抑圧、および欠落した高周波成分の復元を同時に達成した。音質評価実験により、任意焦点収録学習モデルの有効性を検証した。
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