■特集:食品・医薬における包装技術最新動向
○当社最薄防湿シートの開発と製品化に向けた取り組み
/沢井製薬㈱ 杉本和也
本稿では、近年の医薬品包装(PTPシート)に求められる「患者さんの使用性向上」と「環境負荷低減」の両立を目指して開発された、当社最薄防湿シートの特長と、製品化に向けた取り組みについて紹介する。
○食品包装パッケージとカビ
/(特非)カビ相談センター 高鳥浩介
食品包装とカビについて、誤解をしている例を挙げた。また、カビによる健康被害も無視できなく食品包装とも関わってくることから製造環境での制御を解説した。
○改正食品衛生法の対応と環境配慮の動向
/軟包装衛生協議会 逸見るみ子
平成30(2018)年に改正された食品衛生法が本年6月に完全施行となる。本稿では、軟包装業界が対応すべき食品用途包材の国内法規制と、注視すべき海外の環境配慮の動向を紹介する。
○ハイバリアな次世代SP包装
/㈱カナエ 首浦太一郎
AL成形技術を応用し、充填スペースに成形加工することでコンパクト化を実現。フィルム使用量を削減した環境に優しい包装形態。
■解説
○水素社会の実現に向けたKHKの取り組み
/特別民間法人高圧ガス保安協会 白井基晴
水素等関連技術のさらなる普及促進のためには、国際的なルール作りが必要である。本稿では、基準策定をはじめとする水素等の保安と振興の両立に向けた取り組みを紹介する。
○ミストを用いたサーバールームの高効率冷却
/琉球大学 瀬名波出・寺西碧人・安田啓太
サーバールームやデータセンターでの電力消費量が増大している。本稿では、ミストの供給によるサーバールームやデータセンターの空調効率化について議論す。
○揺らぐ流体力学の基礎研究の発展と最近の応用例
/東京大学 中野裕義
揺らぐ流体力学は従来の流体力学を拡張し、分子の不規則な熱運動が無視できない小さなスケールの流れまでを対象とする理論的枠組みである。本稿では、この枠組みの基礎と応用を紹介する。
○蛍光顕微鏡法による大気アスベスト連続自動計測装置の開発
/広島大学 黒田章夫・西村智基・石田丈典
/東亜ディーケーケー㈱ 加賀健一郎
蛍光顕微鏡法は、蛍光試薬を滴下し、光って見えるアスベストを計測する方法である。大気サンプリングからアスベスト検査の全行程を自動化し、連続的に測定できる装置を開発した。
○分解性プラスチック設計の必要性と最新の開発状況
/山口大学 西形孝司
地球環境問題の解決へのアプローチとして、学術的な立場から「プラスチックをその分子構造から見直す、という選択肢もあるのではないか?」という視点で技術紹介をする。
○太陽熱利用スマート熱エネルギー変換技術
/九州大学 濱本芳徳
はじめに増熱・冷熱生成サイクルと昇温サイクルの概要を、次いで植物工場への利用例ならびに高温熱出力量の予測結果を紹介し、実現に向けた課題を述べた。
○病院環境における真菌制御とクリーンテクノロジーへの応用
/長崎大学 田代将人
病院環境中の真菌、とくに侵襲性肺アスペルギルス症を中心に、空気・塵埃感染リスクと対策を概説する。HEPAフィルタや陽圧管理などクリーンテクノロジーを活用し、免疫抑制患者を保護する実践策を示す。
○高度さらし粉錠剤からの次亜塩素酸の揮発と殺菌作用
/三重大学 福﨑智司
高度さらし粉製品には、潮解性を持つ塩化カルシウムが含まれる。この潮解性の利用で、次亜塩素酸が自発的に揮発する。次亜塩素酸は、送風下で室内にほぼ均一に拡散し、室内空間の微生物の殺菌に寄与する。
○分子技術アプローチによる持続可能な粗水素精製法
/大阪大学 橋本大輝・星本陽一
精密に設計したトリアリールホウ素化合物を触媒として用いることで、粗水素雰囲気下においても高効率な水素化反応が可能であることを見出した。
■製品紹介
○工場の湿度管理と空調コスト削減
/㈱いけうち 江崎寛通
工場の湿度管理は生産性・品質向上、省エネに不可欠であり、また、空調コストの約3割は加湿である。最適な加湿方式・制御を行うことで作業環境の安定とエネルギー消費やCO2排出を削減することが可能だ。
■エンジニアリング会社開発拠点の紹介
○人と技術の創造空間
/新日本空調㈱