クリーンテクノロジー 発売日・バックナンバー

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2,200円
■特集:EV用電池の最新動向②
○EVの新時代を支える車載電池及び車載電池材料市場
/㈱富士経済 佐藤浩司
カーボンニュートラル実現に向けて普及が進んできたEVだが、米国における政策転換や補助金縮小を背景として成長が鈍化している。本稿では、今後、市場原理に基づくEV成長を実現するために、キーデバイスであるリチウムイオン二次電池(LiB)に求められる開発方向性を紹介する。
○EUバッテリー規則の最新動向と事業者対応の今後の焦点
/テュフズードジャパン㈱ 邱亮達
EUバッテリー規則は、バッテリーのライフサイクル全体で持続可能性・透明性を求める包括的枠組みである。本稿は、今後適用が進むカーボンフットプリント、バッテリーデューデリジェンス、デジタルバッテリーパスポートの3要件に焦点を当てる。いずれの要件も、サプライチェーン情報を検証可能な形で収集・管理し、製品単位で説明する能力が核心となる。適用延期がある一方、データ整理、管理体制構築、情報連携の仕組みづくりは既に着手可能であり、延期を「猶予」ではなく「成熟化の準備期間」と捉え、統合的なロードマップの下で計画的に準備を進める重要性を示す。
○EV市場における資源循環の課題と展望
/㈱MobiSavi 二見徹・左向貴代
EV産業は脱炭素・資源偏在・経済合理性という三つの制約から循環型経済への転換を迫られているが、中古EVの「見えない劣化」が国内市場への不信を招き、約8割が海外流出するというボトルネックがある。バッテリー性能の「見える化」がその解決策であることを、経産省実証と愛媛県実証データで示す。
○全固体電池における技術・研究開発の現状と今後の動向
/㈱NKエナジーフロンティア 小林直哉
国内外のメーカーは硫化物系全固体電池を次世代のEV用電池の本命と位置付け、開発に注力している。全固体電池に対してもっとも注目されている応用分野はEV用途であるが、現状では硫化物系全固体電池が本命である。硫化物系全固体電池は高いエネルギー密度、高入出力、長寿命、広い作動温度特性、安全性を高次元に達成できるポテンシャルを有する。
○欧州自動車産業はトリレンマを克服できるか
/㈱丸紅経済研究所 堅川陽平
欧州自動車産業は電動化の潮流の中で需要低迷や競争環境激化に直面している。EUは環境規制見直しや域内産品優遇策で対応するが、高コスト構造と中国企業との競争・協業の管理がなお課題である。
○EV用リチウムイオン電池リサイクルの実情
/山口大学 福代和宏
EV用リチウムイオン電池(LiB)リサイクルのプロセスは①中古LiBの「回収」、②「解体」、③「精錬」の三つで構成されている。回収に関しては中古LiBの海外流出、解体に関しては人力頼みという問題がある。精錬に関しては現状の技術で各種金属を選択的に回収することは可能であるものの、コストの問題がある。EV用LiBのリサイクルにはこうした問題が存在するものの、EVの普及が進んでいる欧州や中国では、リサイクルを支援する政策が採られており、リサイクル事業が本格化している。EV用LiBに使用されている貴重な鉱物資源が日本国外に流出するという「鉱物安全保障」上の問題の発生を防ぐためには、日本においてもEV用LiBリサイクルの技術開発および体制整備が必要である。
○全固体電池の世界動向とフッ化物電池の最前線
/名古屋大学 澤田康之
本稿では、次世代電池として期待されている全固体電池用材料で、電池性能と耐久性の両立をめざしたフッ化物合金固体電解質材料開発を例に、その合金設計や分析評価、またAIや計算科学を活用した材料開発の実例を紹介する。
○全固体フッ化物イオン二次電池用インターカレーション型正極材料開発の新展開
/奈良女子大学 山本健太郎
近年、筆者らはCa0.8Sr0.2FeO2FxとCu3NがアニオンN由来の分子形成反応を活用することで、全固体フッ化物イオン二次電池用インターカレーション型正極材料として極めて高い可逆容量を示すことを見出した。本稿では、本材料の開発経緯とその反応機構について紹介する。
○ガソリン代替燃料の現実解
/(同)ポスト石油戦略研究所 大場紀章
運輸部門の脱炭素で注目を集めるe-fuelは、技術経済性の壁に直面し国内外で事業撤退が相次ぐ。本稿では、ガソリン代替燃料を巡る政策・事業・経済性の最新動向を紹介し、産業界への示唆を示す。
■解説
○インライン全数検査のための3次元光形状計測法
/埼玉大学 塩田達俊
本稿では、インライン全数検査を指向した高速3次元形状計測システムを紹介する。本システムは低コヒーレンス光周波数コム干渉と空間位相変調器を組み合わせた2次元シングルショット断層計測に基づき、従来の光学式形状計測法と比較して①計測範囲の大幅な拡大、②計測精度の向上、を同時に実現する。エタロンを用いた低コヒーレンス光コムおよび離散周波数走査レーザーを光源とすることで、多次数干渉を利用した長レンジ計測を可能とした。さらに、シングルショット撮像と高速シャッタにより、振動環境下においてもナノメートル級の位置決定精度を達成した。実験により、計測範囲は従来法比で30倍以上、位置再現性は26 nmを確認し、本方式の有効性を示した。
○画像データに基づく換気量の推定に関する研究
/久留米工業大学 呉濟元・金炫兌
本研究では、画像処理技術を用いた簡便な換気量推定手法の確立を目的として、これにより、室内のCO2濃度測定結果に基づき、窓開口面積と換気量の相関関係を求めた。

2,200円
■特集:クリーンルーム運用の革新技術:自動化・省人化の最先端事例
○自律走行型ロボットを用いたパーティクル計測システムの検証
/三機工業㈱ 土屋茂樹
FFUの運転(回転数)を適正化し省エネルギー化を図るため、パーティクルカウンタを搭載した自律走行型ロボットを用いてクリーンルーム内の清浄度を面的にモニタリングし、測定結果をFFUの回転数制御に反映させるシステムを構築した。
○クリーンルーム清浄度測定ロボット
/㈱テクノ菱和 滝口陽介
クリーンルームの清浄度測定を自動化するロボットを開発した。マーカーを床面に設置することで走行経路を容易に設定可能で、鏡面が存在する室内でも導入可能で、清浄度クラスに合わせて0.1μmも測定可能なシステムを実現した。
○クリーンルーム清掃自動化の新潮流
/日本エアーテック㈱ 山田翔太
本稿では、今回開発した業界初となるクリーンルーム内で使用可能な、ロボット掃除機の設計思想および構造的特徴を紹介する。また、性能評価結果を通じて技術的妥当性と運用上の有効性を紹介する。
○室間差圧の維持管理を簡単に実現
/岡谷精立工業㈱ 堀江信吾
クリーンルームにおける空気の清浄度確保には室間差圧の維持管理が重要になるが大掛かりな工事が必要であった。能動的に動作可能な壁面設置型のルームダンパを使用することで容易に安定した室間差圧の維持管理が可能になる。
○クリーンルーム用青空照明による快適な作業環境の実現
/大成建設㈱ 竹内駿
近年ではクリーンルームにおいても、生産性や品質の向上だけでなく、作業者のウェルネスに配慮した環境づくりが重要視されるようになってきた。本稿では、自然現象である青空の光環境を人工的に再現する「青空照明」に着目し、クリーンルームの清浄環境を維持しながら、開放感と快適性の両立を可能とする照明の開発内容について紹介する。
■特集:EV用電池の最新動向①
○次世代EV電池としての全固体電池を巡るグローバルな開発競争
/㈱知財ランドスケープ 山内明
次世代EVの競争軸となる全固体電池を巡るグローバルな開発競争状況を特許情報起点で炙り出し、可視化した結果、グローバルに本命視される硫化物系において日本勢の健闘振り、サプライチェーンを満たす顔触れが認められた。
○各国の政策転換に伴う車載電池のグローバル競争と戦略転換
/名古屋大学 佐藤登
米国市場を始め、自動車各社のEV戦略の大幅な見直しが続いている現状を整理した。日本の電池産業の生き残りに向けては、着実に進められているところと解決すべき課題が混在する。産学官の対応が進められている内容と現状の課題として対応を図る内容を整理した。経済産業省「蓄電池産業戦略推進会議」の中で十分に議論すべきものと捉えている。
○リチウムイオン電池リサイクル前処理の現状と課題
/東京大学・早稲田大学 所千晴
定置用LiBについては、用途ごとにリサイクルに求められる目的や社会的背景は大きく異なる。一方で、後段の分離や精製工程については、いずれの用途においても比較的技術的検討が進んでいるのに対し、前処理工程については十分に確立されているとは言い難い。さらに、前処理は用途ごとに要求条件が大きく異なり、同一の技術体系として論じることはできない。また、回収の実態に依存して採用可能な前処理プロセスは異なり、回収と前処理は常に表裏一体の関係にある。本稿では、これらの違いを踏まえた上で、LiBの回収と前処理工程の現状と課題を整理する。
■解説
○見えない空気を見える化する技術
/(一社)空気環境改善研究所 石坂閣啓
高断熱・高気密化が進む新築住宅において空気質の把握は重要な課題である。本稿では、簡便な室内空気の見える化手法であるエアみる法を用いて調査を行った。その結果、総揮発性有機化合物(TVOC)濃度が同程度であっても、主要成分の構成は住宅ごとに大きく異なった。室内空気質の評価にはTVOC濃度に加えて主要成分を確認することが重要であることが示された。
○病室環境における室内空気環境の実態
/大阪大学 木戸倫子・樺山舞
病室の室内空気環境を24時間連続測定し、温度や湿度、粉じん、気流、二酸化炭素濃度を分析した。その結果、患者の活動や病室条件により空気質に差がみられ、特に低湿度や粉じん増加など改善の必要性が示唆された。
○栄養塩含有廃棄物の水溶性化処理による農業循環促進
/佐賀大学 兒玉宏樹
栄養資源であるリンやカルシウムは生物生産環境において必須元素である。カルシウムは石膏として難燃性の安定資材として利用量が多いため最終処分量も多く、リンは食品・し尿等の最終処分時に濃縮回収や灰分回収技術は開発されているが、何れの元素もそのままの状態では難溶性であるために生物に対する吸収効率が低く、農業への効率的循環利用が妨げられている。今研究では陽イオン交換樹脂を用いる特許技術を用いて難溶性塩の水溶性化を行い、最終処分廃棄物量の削減と低労力・高吸収の農業資材の確保を同時に実現する。
○超音波を用いた混相流計測技術
/室蘭工業大学 荘司成熙
気液二相流や固液二相流などの混相流体は様々なプラントや生産現場において取り扱われ、その流動構造の把握や流量モニタリングは、流体システムの安全設計や効率的運用に不可欠である。本稿では、超音波を用いたこれら混相流の流動計測技術について紹介する。
○市販酵母を活用する貴金属・レアメタル回収
/大阪公立大学 小西康裕
本稿では、パン酵母等の市販酵母を吸着剤として用いて酸性溶液中の貴金属・レアメタルを高効率に分離するバイオ吸着技術シーズについて解説し、都市鉱山やレアアース泥からの貴金属・レアメタル回収事例について紹介する。
○貧栄養耐性細菌Enterobacter oligotrophicus CCA6Tを利用した都市鉱山からのパラジウム回収
/日本大学 秋田紘長
一般家庭から廃棄される家電製品にはさまざまな電子部品が含まれており、それら電子部品中にはパラジウムを含むレアメタルが使用されているため「都市鉱山」と見なされている。本稿では、微生物を利用するパラジウム回収法の利点と現状の課題を整理した上で、筆者が開発した新規パラジウム回収法の基盤技術を紹介する。
2,200円
■特集:医薬品製造の最新動向
○医薬品製造におけるCCS高度化に向けた環境モニタリング技術とその実装
/AICosmo㈱ 緒方嘉貴・有本啓
当誌2025年7月号に掲載したタイトルの続報である本稿では、医薬品および再生医療等製品製造におけるGrade A環境維持を目的としたバリアシステム(アイソレーターおよびRABS)を対象に、CCS戦略との関連性を明確化しつつ現在の技術的到達点と今後の方向性を紹介する。
○迅速微生物試験法(RMM)が製造現場にもたらす新たなリスクマネジメント
/セントラル科学㈱ 梅谷光祐
製造現場では、微生物汚染の早期把握が品質と安全性を左右する重要な要素である。従来法は結果取得までに時間を要し、迅速な判断が難しいという課題があった。本稿では、迅速微生物試験法(RMM)がこの課題をどのように解決し、リスク低減に貢献するかを紹介する。○医薬品原薬の持続可能な製造法構築に向けて
/塩野義製薬㈱ 釣谷孝之
サステイナビリティは重要な社会課題として広く認識されており、多くの企業が持続可能な社会の実現に向けた取り組みを推進している。本稿では、医薬品原薬の製造におけるサステイナビリティを志向した研究活動について、当社における具体的な取り組み事例を通じて紹介する。
○CHO-MK細胞を用いた迅速かつ高生産なバイオ医薬品生産細胞株の構築技術
/㈱ちとせ研究所 岩渕順真
本稿では、驚異的な増殖能と生産性を誇る新規宿主「CHO-MK細胞」を用いた組換えタンパク質医薬品製造のための生産細胞株構築技術を紹介する。短期間で高品質な生産株を樹立し、迅速化と低コスト化を実現する本技術の実績と展望を紹介する。
○無菌医薬品包装の漏れ試験法の概要と選択方法
/(国研)産業技術総合研究所 吉田肇
本稿では、無菌医薬品包装に対する漏れ試験についての理解を深めることを目的とし、米国薬局方USP〈1207〉、第十八改正日本薬局方 参考情報 無菌医薬品の包装完全性の評価〈G7-4-180〉、および無菌医薬品包装の漏れ試験法〈G7-5-180〉で示された漏れ試験法について紹介する。
○がん細胞の凝集機構を標的とした新規抗がん剤の開発
/岐阜薬科大学 五十里彰
分子標的薬などの開発により、がん治療は大きく進展してきたものの、治療抵抗化の問題はいまだ解決されていない。本稿では、治療抵抗化の一因とされる腫瘍微小環境における酸化ストレスに着目し、酸化ストレスを改善する作用をもつ薬剤や、腫瘍細胞の凝集塊形成を阻害する薬剤について紹介する。
■解説
○超高感度かつ検出特異性をもつウエラブル皮膚ガスセンサの開発
/佐賀大学 冨永昌人
体内代謝を反映する皮膚ガスを連続測定するため、酵素触媒電極とCNF薄膜電極シートを用いた超高感度ウエラブル電気化学ガスセンサを開発し、経皮アルコールガスのリアルタイム測定を実証した。
○CO2吸収AMP水溶液の固相析出状態の制御
/秋田大学 大川浩一・福嶋翔伍
本稿では、40 ℃でCO2吸収したAMP水溶液を室温(25℃)で冷却すると溶液全体が非流動化することを見出した。これは、溶液内の結晶の形状が大きな影響を与えていると考察される。この現象は船上CCSなどへの利用が期待できる。
○Pをドーピングしたもみ殻由来Si微粒子の作製と評価
/富山県立大学 水野斎・山田一馬・松本公久
稲もみ殻由来SiO2をMgおよびP2O5と混合還元し、P原子濃度約7.75 at.%のSi微粒子を作製した。本微粒子とp型有機半導体を積層したp/n接合型ダイオードにおいて整流特性が示され、本微粒子がn型挙動を示すことが示唆された。
○グラファイト分散電極を配置した低コスト熱ハーベスタ
/筑波大学 守友浩
液体熱電変換素子(LTE)は、電解液に二枚の電極を差し込むといった簡単な素子構造を有する熱ハーベスタである。本稿では、印刷技術で作成できる塗布型電極を配置したLTEの性能を紹介する。
○ガス透過性金型によるマイクロ射出成形技術
/富山県立大学 森田麻友・竹井敏
本稿では、ガス透過性金型を用いたマイクロ射出成形技術を紹介し、生分解性樹脂に対する高精度成形と量産性を両立する新規成形プロセスを提案する。本技術は材料ロス低減とエネルギー効率向上を可能とし、射出成形分野におけるクリーンテクノロジーとしての有効性を示す。
2,200円
■特集:医療を支えるDDS開発の最前線③
○新型コロナウイルスに対する次世代ワクチン
/愛知県がんセンター 村岡大輔
これまで多くのウイルスに対するワクチン戦略は、主に液性免疫の活性化を目的としてきた。一方、近年流行した新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染では、液性免疫に加えて細胞性免疫、特にCD8+キラーT細胞がウイルス防御に重要な役割を果たすことが示唆されている。しかし、ワクチンによって誘導されるキラーT細胞が、どのような機序でウイルス排除に関与するかは十分に解明されていない。本研究では、キラーT細胞の誘導に優れるコレステロール修飾プルランナノゲルDDSを用いたワクチン(PNGワクチン)を用い、ワクチン誘導性ウイルス特異的キラーT細胞がSARS-CoV-2排除にどのように寄与するかを明らかにした。さらに、本稿では、PNGワクチンがキラーT細胞を強力に誘導する分子機構についても紹介する。
○小型エアロゾル捕集装置の開発と高純度次亜塩素酸水ミストによるウイルス制御への活用
/長浜バイオ大学 長谷川慎
/(公財)ルイ・パストゥール医学研究センター 呉成旭・菊地憲次・吉川敏一
/(一財)機能水研究振興財団 堀田国元
本稿では、手のひらサイズで静音性に優れたフィルターろ過型の新規エアロゾル捕集装置を開発し、定量的なバイオエアロゾル評価系の構築を行った。極薄フィルターによりウイルス粒子を主として表面に付着させて捕集することで高い回収効率を実現し、BSL-3レベルの閉鎖型チャンバー内におけるモデルウイルスエアロゾルの濃度分布評価および高純度次亜塩素酸水ミスト噴霧による空間内ウイルス不活化効果の定量検証が可能であることを示した。
○生命科学を進化させるゲノム編集の技術開発とさまざまな分野での利用
/京都大学 佐久間哲史・光成仁
あらゆる生物のゲノム情報を自在に書き換えることを可能とするゲノム編集は、生命科学に革命をもたらした。当分野は驚異的な速度で技術革新が進んでおり、各種産業においても大きなパラダイムシフトをもたらすと目されている。本稿では、ゲノム編集およびその関連技術の開発と諸分野への応用の取り組みについて紹介する。
■特集:マイクロプラスチック汚染の現状と対策②
○海洋分解性を有する多糖類系バイオプラスチックの開発
/日本電気㈱ 田中修吉・山城緑
/東京大学 昔鎭浩
海洋生分解性プラの適用領域を拡大し、プラスチックの海洋汚染問題を解決するため、我々は海洋分解性を有する多糖類長鎖短鎖エステル誘導体を開発し、分解性と物性を両立する分子構造を見出した。さらに、多糖類長鎖短鎖エステル誘導体の量産性検討や海洋生分解性樹脂とのアロイ化により物性調整を行い、釣具への適用可能性を確認した。
○高分子材料の劣化とマイクロプラスチック生成
/群馬大学 黒田真一
環境中で検出されるマイクロプラスチックの多くは、廃棄・流出したプラスチック製品が劣化・崩壊して生成する二次マイクロプラスチックである。本稿では、高分子材料の劣化反応を自動酸化および光劣化の観点から概説するとともに、近年の共同研究成果を基に、二次マイクロプラスチックの生成機構と環境中での挙動を整理した。高分子劣化を材料寿命の問題にとどまらず、マイクロプラスチック問題を理解するための基礎科学として位置づけ直す。
■解説
○半導体工場で使われるPFAS
/科学ジャーナリスト 植田武智
半導体工場誘致で沸き立つ北海道と熊本で、PFASの調査対象や調査姿勢に差が生じている。実際に工場で使われる規制のないPFASを調べる熊本県に対し、北海道は法規制の対象となっているPFASしか調べない状態であり、今後環境中のPFAS汚染で差が出てきてしまうことが懸念される。
○塗装ブース向け高効率精密空調機の開発
/中部電力㈱ 中山浩
/中部電力ミライズ㈱ 村上尚哉
/アンデックス㈱ 村上誠一・新幟誠
「WETCOMⅡ」は、年間を通じて調温調湿が必要な塗装ブースやクリーンルーム向けのウェットエアー空調機であり、従来の蒸気式加湿や気化式加湿を搭載した空調機に比較して省エネ性および経済性に優れる。
○IoT端末から移動体・水中対応の光無線給電
/東京科学大学 宮本智之
光無線給電(OWPT)は、レーザー光を空間伝送し太陽電池で電力へ変換する給電技術である。IoT端末から移動体・水中まで配線や電池交換の制約を解放し、高効率デバイスと知能化制御により実証・事業化が進展し始めている。
○加熱式たばこ使用に起因する受動喫煙量の推定と評価
/東海大学 関根嘉香
加熱式たばこは使用に伴う化学物質発生量が少ないため、受動喫煙防止に寄与することが期待される。本稿では、飲食店の加熱式たばこ専用喫煙室で働く給仕人の化学物質に対する個人曝露濃度を推定し、許容曝露基準に照らして評価した。
○長周期~短周期振動に対応できる新規制震技術
/関西大学 池永昌容
長周期から短周期まで幅広い振動を制御するため、動きに応じて回転慣性質量が変化するデバイスを開発した。その性能を動的加力実験で確認し、数値解析で免震建築物導入時の、種々の地震動への制振効果を確認した。
○表面修飾ナノ粒子の分散制御と界面設計
/東北大学 久保正樹・斎藤高雅
表面修飾ナノ粒子の分散制御と界面設計を志向して、粒子運動シミュレーションを用いて有機溶媒中における分散・凝集状態を解析した。また、分子動力学シミュレーションを用いて界面構造と親和性との関係を解析した。
■製品紹介
○電池研究・開発での静電気除去に不活性ガス環境に特化した卓上コロナ放電式イオナイザ
/㈱島津製作所 楠本哲朗
二次電池関連・医薬品・化学合成、材料科学・新素材開発、航空宇宙・エネルギー関連、半導体・電子材料分野など、さまざまな業界で酸化や水分対策としてグローブボックスが広く使用されている。グローブボックス内では静電気が発生しやすく、精密計量作業などの妨げとなるのでイオナイザによる除電が有効である。
2,200円
■特集:医療を支えるDDS開発の最前線②
○次世代抗体薬物複合体プラットフォーム技術の確立
/味の素㈱ 寺澤純一・藤井友博
AJICAPⓇは、位置特異的な抗体複合体(ADCなど)の合成を可能にする次世代プラットフォーム技術である。本技術は化学的な手法で抗体の特定部位に薬剤を結合させる修飾技術と、新規設計リンカーを組み合わせたものであり、従来の抗体複合体が抱える不均一性・疎水性・安定性の課題を克服している。
○環状ペプチドの放射性医薬品への応用とそのさらなる可能性
/ペプチドリーム㈱ 村上雅人
本稿では、環状ペプチドDDSと放射性医薬品セラノスティクスの組み合わせが世界的に注目される理由と、その分子設計・体内動態最適化におけるペプチドリームPDPSⓇ技術の役割、日本発精密医療DDSの可能性を紹介する。
○ダイナミックナノメディシンによる核酸医薬デリバリー
/東京大学 山田直生・宮田完二郎
筆者らは、合成高分子と核酸医薬の間に生じる静電相互作用の動的平衡性を制御した超小型ナノ医薬(ダイナミックナノメディシン)を創成し、従来のLNP等ではデリバリーが難しい組織への核酸医薬デリバリーを達成している。本稿では、近年の研究成果について紹介する。
○AMEDにおけるDDS研究の進展に向けた取り組み
/(国研)日本医療研究開発機構 塩本秀己・光田忍
当所では、DDS研究の進展に向け、創薬シーズ、DDS技術、薬物動態評価技術の各公募課題の研究者の連携による統合的な研究開発の推進を試みた。本稿では、その仕組みと試みの結果を紹介する。
■特集:マイクロプラスチック汚染の現状と対策①
○高バイオマス度・生分解性を有する環境配慮型のパッケージ
/レンゴー㈱ 寺嶋沙樹
当社が開発したREBIOSⓇは、セロファンや紙を材料とした環境配慮型パッケージである。高いバイオマス度と生分解性を有し、プラスチック使用量の削減や海洋プラスチック問題の軽減を目指して開発した。本稿では、その構成や機能性について紹介する。
○大阪市内を事例とした大都市部における大気中マイクロプラスチックの存在実態
/大阪市立環境科学研究センター 中尾賢志
大阪市内を対象に大気中マイクロプラスチック(AMPs)の存在実態を調査した。降下ばいじんや浮遊粉じんから数十μmサイズのAMPsが検出され、主成分はポリプロピレンやポリエチレンであった。大気中のAMPs濃度は自動車の影響や降雨量によって変動すると考えられ、近年は横ばい傾向にある。今後、分析体制の強化や調査手法の共通化が課題である。
○デンプンを原料とした海洋生分解性バイオマスプラスチックの開発とブレンド、複合化による高機能化
/大阪大学 宇山浩
本稿では、デンプンおよびゼラチンを基盤とした海洋生分解性バイオマスプラスチックの開発について、筆者らの研究成果を紹介する。デンプンとセルロースナノファイバーを複合化することで、機械特性・耐水性・海洋生分解性を向上させた複合シートを開発した。さらに、熱可塑デンプンを用いる生分解性プラスチックブレンドの設計により、多様な成形加工への展開が可能となった。また、ゼラチン廃材を利用した熱可塑ゼラチンを新たな生分解性素材として提示した。これらのアプローチは、海洋環境での分解を誘発する“トリガー”設計を通じて、環境負荷低減と実用機能の両立に寄与するものである。
○マイクロ・ナノプラスチックの体内侵入に脅かされる人類とその活路
/元)京都工芸繊維大学 望月政嗣
本稿では、生体内分解吸収性を有するポリ乳酸に秘められた潜在的可能性について紹介する。また、ポリ乳鎖に固有の特異的な2段階2様式の非酵素分顔型の生分解機構について、土壌中や海水中などの自然環境下での生分解挙動や使用後の再資源化(バイオリサイクル)過程である堆肥化(好気性下)とバイオガス化(嫌気性下)の生分解挙動について、骨接合材料などの医用材料としての生体内分解吸収性挙動や安全性について論述する。
○ポリ乳酸を攻略する微生物ポリマー改質剤「LAHB」
/信州大学 田口精一
今、世界中でバイオベース・ポリマーであるポリ乳酸PLAの改質剤開発が行われている。PLAの物性改善と生分解性付与を同時に創発する新規ポリマー「LAHB」が微生物生産可能となった。本稿では、LAHBの生産プロセスとプロダクトにおけるイノベーションについて紹介する。
○プラスチック汚染からの脱却に向けて
/同志社大学 原田禎夫
世界的に深刻化するプラスチック汚染問題は、プラスチックの生産・消費・廃棄に至るライフサイクル全体の問題である。特に日本におけるこれまでの焼却に過度に依存した廃棄物処理は限界を迎えており、今後はリサイクルの推進だけでなく発生抑制の取組が欠かせない。そこで、本稿では、国際プラスチック条約をはじめとした国際社会の動向を踏まえ、プラスチック汚染を食い止め、サーキュラーエコノミーを実現するための政策的方向性を紹介する。
■解説
○日中放射冷却素材の市場浸透と今後の展望
/SPACECOOL㈱ 末光真大
本稿では、放射冷却素材の基本的な原理および市場普及状況について当社事例を基に紹介するとともに、実装事例を通じて、本技術がどのように社会実装され、省エネルギーに貢献しているのかを紹介する。また、LCA(ライフサイクルアセスメント)の観点から見た環境価値についてもあわせて言及した上で今後の展望について紹介する。
○可視光を光源とする安定な有機光触媒の開発
/岡山大学 田中健太
「光エネルギー」を利用した合成反応は地球上に無尽蔵に降り注ぐエネルギー資源である「太陽光」の活用に繋がることから注目を集めている。本稿では、「可視光」をエネルギー源として利用できる安定な新規有機光触媒の開発と光触媒反応への応用について紹介する。
2,200円
■特集:医療を支えるDDS開発の最前線①
○ワクチン開発におけるDrug Delivery Systemの役割
/近畿大学 櫻井文教
近年、Drug Delivery System(DDS)の機能を付与した新規ワクチンに注目が集まっている。本稿では、ワクチン開発におけるDDSの役割と、新規ワクチンモダリティとして期待を集めるアデノウイルスベクターワクチンについて紹介する。
○核酸アジュバントと抗原を対象としたDDSを基盤とする次世代ワクチン開発
/東京理科大学 西川元也・草森浩輔・板倉祥子
本稿では、核酸アジュバントと抗原の双方を対象としたDDS技術の現状と課題、さらに我々が展開してきたナノ構造化核酸を基盤とするワクチン開発の最新成果を紹介する。そして、次世代ワクチンに求められる条件-精密な体内動態制御、適正なアジュバント刺激、持続的抗原提示、局所と全身の炎症反応の適切なバランス-を踏まえ、未来のワクチン設計の方向性について議論を深めたい。
○環境応用型スイッチ分子の開発と生命科学分野への展開
/福山大学 重永章
/徳島大学 大髙章
DDSの基盤技術の一つとして、周辺環境に応じた薬物放出制御が挙げられる。化学結合の切断を誘起する環境応答型スイッチ分子は、環境応答型薬物放出を可能にする重要な構成要素といえる。筆者らはこれまで、DDSを含む様々な応用展開を視野に入れながら、新たな環境応答型スイッチ分子の開発を行ってきた。本稿では、これら分子の設計・開発について紹介し、あわせて生命科学分野への応用研究について概説する。
○微弱電流を用いる組織内薬物送達技術
/徳島大学 小暮健太朗
我々は、微弱電流を用いる皮内薬物送達技術イオントフォレシス(ItP)により様々な薬物が皮内浸透するとともに、細胞質送達できることを明らかにしている。本稿では、最新の知見も交えてItPに関する研究成果を紹介する。
○BLP技術の基礎と応用
/岐阜薬科大学 髙橋圭太
持続可能な医療技術の開発が重視される中で、化学合成材料に依存せず、微生物由来成分を利用したワクチンデリバリー技術が注目されている。その代表例の一つが、食品グレードの乳酸菌から得られる細菌用粒子(Bacterium-Like Particle、BLP)である。本稿では、BLPの構造と免疫学的特性、ワクチンへの応用、今後の課題と展望について紹介する。
○ASO×DDSによるがん創薬研究開発の最前線
/(国研)国立がん研究センター 近藤花織・井上咲良・吉見昭秀
ASOは、遺伝子発現を直接制御するというユニークな作用機構により、これまで治療が困難であった多くの疾患に対して新たな治療選択肢を提供している。その実用化を支えるのが標的同定技術とDDSの進化である。ASO DDSの開発は「安定に運ぶ技術」から「精密に届け、必要なときに作動させる技術」へと進化している。
■解説
○食品系施設に最適な低湿度陽圧化システム
/三建設備工業㈱ 戸室泰洋
外部からのエネルギーを使わずに予冷と再熱を可能とする省エネな除湿給気ユニット「エコサラⓇ」を紹介する。本稿では、エコサラの七つの特徴についてと、その特徴を生かした食品系施設での効果的な導入事例を紹介する。
○ウイルス対策用新型マスクの開発と実用化
/元)神奈川工科大学 吉野秀吉
マスクのウイルス透過性およびウイルス捕集材探索用の試験装置を作製し、市販マスクの透過率および活性炭や粉砕木炭のウイルス(バクテリオファージを代用)捕集率を測定した。市販マスクは透過率、通気性に問題があった。それに対して粉砕杉木炭に高い捕集率が認められ、その他にも優れた特性が期待されることから、粉砕杉木炭を用いた新型マスクの実用化を推進したい。
○エアロゾル化学成分の解析による越境大気汚染経路の推定
/東京農工大学 畠山史郎
筆者等は広域越境大気汚染の影響の直接的な証拠を得るため沖縄と韓国済州島に酸性雨およびその原因物質の測定のためのステーションを設置した。また、地上だけでなく、日本とアジア大陸の間の海洋上空で酸性雨原因物質を確認するため、日本海や東シナ海上空において航空機観測を実施。その結果高濃度のSO 2や硫酸塩エアロゾルが海上で観測され、アジア大陸からの越境輸送があることを直接的な証拠のもと確認することができた。さらに中国本土上空での航空機観測を2002年から3年間にわたって実施した。
○医薬品を取り扱う清潔区域における電解水の有効利用に向けて
/(公財)がん研究会有明病院 清水久範
病院では医薬品調製において無菌的作業が求められる場面が多い。また、抗がん薬等の調製作業者の健康被害を及ぼすハザーダスドラッグと呼ばれる医薬品を取り扱うことがある。既報より、次亜塩素酸ナトリウムには抗がん薬の除染効果が検証されてきたことから、手指消毒に効果を有する電解生成水(有効塩素 30ppm)でもハザーダスドラッグによる環境表面汚染の物質除去に期待ができる。本稿では、電解生成水による医療現場の作業環境保全(除菌、清潔、防汚、有害物質の除去効果)の可能性について紐解きたい。
○下水道における病原微生物のサーベイランスと制御
/(国研)土木研究所 諏訪守・北村友一・岡安祐司
/八戸工業高等専門学校 李善太
土木研究所では、これまで社会問題化した様々な病原微生物を対象に、下水等における存在実態の把握や、下水処理場での制御等に関し調査・研究を行っている。本稿では、その結果の一部を紹介する。
○生体と環境に優しい口腔ケア用製剤の開発
/九州歯科大学 永松有紀
中性電解水の優れた抗微生物効果と生体安全性に着目し、歯科用ジェルへの応用を目的として4種類のゲル化剤/増粘剤を用いて調製法を改良してきた。環境負荷が低く、生体適合性に優れた口腔ケア製剤の開発につながる成果が得られた。
○においアレイセンサの性能限界に対する一考察
/㈱におい科学研究所 喜多純一
使えるにおいセンサが実現しづらい理由としては、においの本質に示したにおいの難しさにあるように、センサだけの理由ではない。本稿では、間違って理解されやすいにおいの本質に対する誤解を紐解きながら、においアレイセンサの性能限界について論じ、より実用的なセンサ開発の方向性について紹介する。
○光触媒の性能評価と応用展開
/(地独)神奈川県立産業技術総合研究所 濱田健吾・青木大輔・西野実沙
本稿では、KISTECにおける光触媒技術の”性能評価”と”応用展開”について紹介する。JIS規格に基づく標準的な性能評価試験の実施に加え、簡便・迅速なスクリーニング法の開発、電撃連打法による高効率なオゾン発生電極の開発とオゾン/光触媒併用による環境浄化の取り組みについて紹介する。
2,200円
■特集:持続可能な未来を拓く、熱に関わるさまざまな取り組み
○脱炭素社会に貢献するオフグリッド5kW級ORC発電システム
/㈱馬渕工業所 遠藤聡
2025年度中に販売開始予定のオフグリッド5kW級ORC発電システムのデモ機が廃熱エンジンⓇユニットおよび蓄電制御ユニットで構成されている。廃熱エンジンⓇユニットはORCの基本要素で構成され、廃熱エンジンⓇユニットで生じた交流電力は蓄電制御ユニットに流れる。蓄電制御ユニットは廃熱エンジンⓇユニットで生じた交流電力をユーザーが使いやすい交流電力に変換し供給する。
○産業排熱を利用した熱電発電システムの開発
/㈱Eサーモジェンテック 南部修太郎
本稿では、環境中に排出される莫大な低温排熱から、独自フレキシブル熱電発電モジュール「フレキーナ」を用いて、経済合理性を持って電気エネルギーを回収でき、パイプ構造を活用した、独自熱電発電ユニットについて紹介する。
○クリーン環境下での熱回収
/㈱SDAT 石川数正
脱炭素・省エネ活動を進めるにあたり「クリーン環境下での排熱回収」においては、排気の給気へのコンタミが課題となっている。本稿では、給排気間のリークが少なく、かつ高効率な「排熱回収用ヒートパイプ式熱交換器(サーモコイル)」の作動原理・構造及び特長を紹介する。また、様々な分野に広がる同製品の応用例についても案内していく。
■特集:PFAS分析用超純水装置の最新動向
○PFAS分析における超純水装置の選定と運用
/セナーアンドバーンズ㈱ 黒木祥文
PFAS分析に用いる超純水を得るため、超純水のシステム選定においては、高感度分析用・微量有機物分析用として認められている超純水装置を組み込むことが前提である。PFASが既に環境中に広く浸透していることを考慮し、前処理工程に該当する純水装置や純水貯水タンクも含めて最適なシステムを選定する必要がある。
○PFAS分析用超純水製造装置
/メルク㈱ 石井直恵
PFOS、PFOAを含むPFASは、機器分析においてコンタミネーションのリスクが高く、分析に使用する水も例外ではない。本稿では、PFAS分析に適した超純水の精製方法について紹介する。
■製品紹介
○次世代産業で求められるクリーンデバイス
/興研㈱ 清水省吾
これからのクリーンデバイスに求められるのは、 「高清浄度」と「省エネルギー」の両立である。従来の技術からすれば相反する要素にも見えるが、 今までにない原理と気流制御技術から生まれたKOACHであれば、それを同時に実現することが可能である。
■解説
○次世代まちづくりを見据えた
「温故創新の森NOVARE」における多棟連携のエネルギーマネジメントの取り組み
/清水建設㈱ 重盛洸
複数棟で構成されたイノベーション施設である「温故創新の森NOVARE」は、用途の異なる五つの建物から構成された施設群である。この施設群を一つのまちと見立て、次世代のまちづくりとして求められる環境技術の性能検証やサービスの実証を行っている。 本稿では、 施設概要と多棟間エネルギーマネジメントの取り組みについて紹介する。
○超低電圧で発光する青色有機ELの開発
/東京科学大学 伊澤誠一郎
有機ELでは青色発光はその光エネルギーの大きさから、高い駆動電圧や安定性などの問題を抱える。筆者らは界面での中間体を介したアップコンバージョン発光を利用し、超低電圧で発光する青色有機ELを開発した。
○ATJ技術がひらく「SAFへの扉」
/㈱Biomaterial in Tokyo 掛下大視
世界的規模でカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みが行われているなか、化石燃料の代替として、持続可能な航空燃料(SAF)が注目を集めている。本稿では、日本におけるSAFを取り巻く環境とATJ技術によるSAF製造の社会実装に向けた現状を紹介する。
○気温サイクル発電機のIoT電源化取り組み
/㈱エナジーハーベスト 中村亮介
IoTにおけるエッジデバイス電源は使い捨ての1次電池と太陽光パネルが主流であるが、いずれも課題がある。当社はそれらの課題を解決する気温サイクル発電機の社会実装を目指して開発販売の取り組みを行っている。
○気流による環境制御を目的としたコアンダ効果の応用
/D.Y.S.テクノロジー 諏訪好英
噴流が壁面に近づくと、壁面に噴流が付着してしまうコアンダ効果と呼ばれる現象が生じる。筆者らはこれまで、コアンダ効果の基礎的な研究から室内気流制御への応用開発までを行ってきた。本稿では、これらについて紹介する。
○カーボンナノチューブを用いた熱電発電モジュールの開発とIoT用電源への応用
/神戸大学 堀家匠平
本稿では、熱を電気に変換する熱電発電技術について、カーボンナノチューブを利用した材料・デバイス開発に関する筆者らの成果を中心に紹介する。
■特集:半導体関連動向・技術の最前線
○日本の中工程戦略
/インフォーマインテリジェンス(同) 南川明
微細化による進化が、投資金額の急増により問題になってきた。チップレットによる後工程技術でこの問題を解決する戦略が注目を集めているが、日本の後工程戦略を考えてみたい。○ポスト微細化のブルーオーシャン:三次元大規模集積システム
/東京科学大学 大場隆之
半導体微細化の限界に対して、フロントエンドと連続的に製造可能な三次元大規模集積(3D LSI)は、ポストスケーリング時代の新たな「ブルーオーシャン」として注目されている。本稿では、Bumpless Build Cube(BBCubeTM)を中心に、ダマシン配線によるVia-Last方式の優位性、COW/WOWとの連携による生産性の向上、および電源統合を含むシステム応用の可能性について述べ、今後の産業展開に向けた技術的課題と展望を示す。
○3Dチップレットパッケージに向けたナノポーラスCuめっきを利用した
Cu-Cu直接接合および大型Si基板技術
/三菱マテリアル㈱ 片瀬琢磨
本稿では、半導体パッケージの高度化に向け、新規のCu-Cu接合技術として、「ナノポーラスCu」を用いた接合技術を紹介する。また、チップレットパッケージの大型化に対応する新規の材料として角型シリコン基板」技術について紹介する。
○新産業政策を問う
/早稲田大学 山本哲三
半導体産業の復活をめざす政官財連携の下での半導体・デジタル戦略の展開は、はたして成果を収めることができるかどうか。「半導体産業衰退の諸原因」、「新産業政策」、「ラピダス㈱は成功するか」を概論し問う。
○北海道4高専による半導体人財育成の取り組みについて
/釧路工業高等専門学校 井戸川槙之介
北海道4高専では、低学年・高学年向け科目の新設、半導体の作製実習、出前授業・講座、市民セミナー、半導体企業のインターンシップの実施や各校独自の半導体教育の展開など、産学官と緊密に連携し半導体人財の育成を行っている。
■特集:健康を管理する計測技術
○シート型イメージセンサを用いた生体信号計測
/東京大学 横田知之
本稿では、我々が近年開発したシート型有機イメージセンサ技術について紹介する。この有機イメージセンサは、これまでのフレキシブルイメージセンサとは異なり、高解像度と高速撮像の両方を同時に実現することに成功した。これにより、指紋や静脈といった静的な生体情報と、脈波のような動的な生体情報を1枚のセンサで同時に計測することが可能である。○遠隔診断に向けたマルチモーダルセンサパッチ
/北海道大学 竹井邦晴
遠隔見守りや遠隔診断といった新たな健康、医療社会構築には、従来の方法ではなく全く新しい技術の適用が必要である。本稿では、それを可能にする技術の一つとして皮膚表面から多種バイタルを常時計測し、瞬時に自動診断するエッジ型マルチモーダルセンサパッチについて紹介する。
○スクロースコート・コンタクトレンズと画像計測系による眼瞼圧測定
/元)東京工業大学 初澤毅
ドライアイなど眼科系疾患では眼球上の眼瞼圧分布の把握が求められているが、この診断システムとしてスクロース膜をコートしたコンタクトレンズの顕微鏡測定系を開発した。スクロース膜とはいわゆるべっこう飴であり、この膜が眼瞼の擦過に伴って涙液中に溶けだし薄くなることを応用している。本稿では、レンズ製作法や測定結果について紹介する。○医療・健康分野におけるデバイスを用いた身体活動評価の現状と課題
/帝京大学 天笠志保
身体活動と健康の疫学研究は身体活動の評価法の進歩とともに発展してきた。本稿では、身体活動評価法の変遷と疫学研究のエビデンスについて概観し、デバイスを用いた身体活動評価の現状と課題について紹介する。
■解説
○再生プラスチック原料に含まれる化学物質のリスクスクリーニングに向けた
定量的ノンターゲット分析(qNTA)手法の開発
/静岡県立大学 榎本剛司・酒井颯大・徳村雅弘
/テクノアルファ㈱ 若杉治仁
本稿では、再生プラスチックに含まれる多様な化学物質を網羅的に定性・定量分析し、得られたデータをもとに毒性予測とリスク評価を行うことで、安全・安心な素材の選別を可能にする新技術であるqNTA法について紹介する。
○建築物室内における微小粒子状物質の実態と測定手法の検討
/(公財)日本建築衛生管理教育センター 藤田遼介
現在、建築物室内においてPM2.5に関する基準などはない。室内空気は外気を取り入れて換気を行い、また、室内での微小粒子の発生も考えられるため、大気と同様にPM2.5は存在する。しかしながら、室内における知見が少ないのが現状である。そこで本稿では、建築物室内におけるPM2.5の実態について、小型PM2.5測定器での実測調査を行い、測定手法の検討を行った結果を紹介する。
○におい可視化色素のインジケーターへの応用
/(地独)大阪産業技術研究所 山下怜子
ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体は、におい物質と反応して色彩が変化する色素であり、においの存在を可視化するインジケーターへの応用が期待される。本稿では、同色素をガラス繊維不織布に担持させ、におい物質に曝した際の色彩変化について紹介する。
○メタン発酵技術の基礎と今後の課題・可能性
/豊橋技術科学大学 成井康貴・金子光瑠・大門裕之
脱炭素循環型社会の構築に向けてメタン発酵技術が注目されている。その高効率化技術として粒状活性炭と電圧印加技術に関する研究が盛んに行われている。本稿では、高効率化技術の概要とインドにおけるメタン発酵システムの現状を紹介する。
■特集:再生医療の未来を支える新技術②
○PFC型人工酸素運搬体を用いた再生医療における酸素供給技術の開発
/ダイキン工業㈱ 濱田智仁・匂坂重仁・岸川洋介
/東京大学 稲垣奈都子・伊藤大知
再生医療における酸素供給課題を解決するため、高酸素溶解性を持つパーフルオロカーボンであるパーフルオロデカリンと、高酸素透過性・生体適合性を持つフッ素化ポリイミドを用いた完全人工物のコアシェル型人工酸素運搬体を開発した。
○高品質な国産ヒト細胞原料供給事業
/㈱ジャパン・ティッシュエンジニアリング 竹内俊祐・渡部正利喜・井家益和
わが国の再生医療の発展には、国産のヒト細胞原料の安定供給が不可欠である。我々は国内の複数の医療機関と連携し、対象疾患を限定せずに使用可能なヒト組織、およびセルバンクの提供体制を構築するとともに、高品質な国産ヒト細胞原料を安定供給できることを実証した。
○ゼラチンを用いた局所投与における漏出抑制効果と細胞移植治療への応用可能性
/新田ゼラチン㈱ 小谷知希
細胞移植において、細胞懸濁液を注入してそこに留めたいというニーズは多い。我々は、生体適合性に優れた微粉ゼラチン(GP)、または加水分解ゼラチン(HG)を使用して、注入後の漏出を抑制する技術を開発した。さらに、これらのゼラチンが細胞移植治療おいて、移植効率や治療効果向上に貢献する可能性を検討し、ゼラチンが有用な基材となる可能性を示した。
○細胞医療の未来を拓く革新技術
/㈱セルファイバ 前場伊織
三次元細胞培養の新たな可能性を追求し、治療用細胞の製造方法に変革をもたらすことによって細胞産業の産業化を加速させたいと考えている。本稿では、細胞治療に使用される様々な細胞種に対するCell FiberⓇ技術を用いた培養法、またスケールアップや法規制準拠の製造プロセスを目指す顧客に提供する技術やサービスについて紹介する。
○世界初「DMSOフリー&有機溶媒フリー」凍結保存液の開発
/ソラリスバイオ㈱ 石川格靖
細胞製剤の凍結においては、DMSO等の有機溶媒を用いないと細胞凍結ができないとされていた。一方で、 DMSOやDMSO代替物の毒性を危惧するケースもあり、当社は新しい選択肢として、有機溶媒フリーの凍結保存液の開発に挑戦した。本稿では、その開発秘話を紹介する。
○休眠状態の導入による間葉系幹細胞若返りの再生医療・細胞治療への応用
/メカノジェニック㈱ 船木真理
間葉系幹細胞を用いた再生医療、細胞治療が大きな注目を集める中、その普及が進まない主要な原因の一つである細胞老化に対し、休眠状態を経ることによる間葉系幹細胞の若返りで問題の克服を目指す。
○生分解性インジェクタブルポリマーを用いた細胞デリバリーによる治療法の開拓
/関西大学 大矢裕一
/東北大学 能﨑優太
体内に注入可能でその場でゲル化するインジェクタブルポリマー(IP)を使用した細胞治療として、分解時間が制御可能な温度応答型生分解性IP製剤の心筋梗塞治療やがん免疫療法への応用例を紹介する。
■解説
○靴のカビ汚染の特徴とその対策
/大阪市立自然史博物館 浜田信夫
/㈱ダスキン 荻野文敏
本稿では、普段見えない靴の内側のカビ汚染に注目し、靴内部のカビ汚染の特徴とその対策を紹介する。革靴、スニーカー、サンダル、ブーツを対象に、夏冬のカビ数や種類、素材、使用状況、環境要因を分析。
○ニオイセンサを用いた焼酎用官能評価試薬のニオイ可視化
/㈱アロマビット 丸山慶子・橋詰賢一
/関西大学 竹村明久
本研究では、e- Nose型ニオイセンサを用いて焼酎および泡盛の官能評価試薬を測定し、人の感じる官能情報との関連性を検証した結果、双方の相関性を関連付けられる可能性が示唆された。
○1方向電流駆動型不揮発性多値磁気メモリ
/関西大学 本多周太
本稿では、1方向の電流で動作可能な柱型多値磁気メモリの構造や、動作方法と数値実証結果を紹介する。柱の長さに比例して記録密度が向上可能であり、不揮発性や高書き換え耐性などの特徴がある。3次元メモリを2端子で実現可能であり、周辺回路の開発が容易になると期待される。5ビットの柱型メモリへの情報の書き込みがマイクロ磁気シミュレーションによって示される。
○海域の貧酸素
/流域圏環境再生センター 山本民次
貧栄養化した海域では、底泥中で嫌気性菌が活動する際に発生する還元物質による酸素消費が大きい。底質改善による硫化水素の抑制が不可欠であり、広大な海域には産業系の機能性リサイクル材の適用が必要である。

■特集:再生医療の未来を支える新技術①
○次世代iPS細胞の作製とその再生医療
/(公財)京都大学iPS細胞研究財団 林洋平
本稿では、ヒトiPS細胞の作製法に関する現状と課題を提示し、課題解決のための方策や取り組みについて紹介する。あわせて、i PS細胞を用いた再生医療の将来像についても考察する。
○完全閉鎖型自動幹細胞分離システムの開発
/(公財)神戸医療産業都市推進機構 斉野織恵・田口明彦
造血幹細胞による再生医療の普及を阻む問題点を解決する、完全閉鎖型全自動幹細胞分離システムを開発した。このシステムの社会実装により、本治療の爆発的な普及が見込め、多くの患者がその恩恵を享受できると考えている。本稿では、造血幹細胞治療の現状と共に、開発したシステムの紹介と産業化への展望を述べる。
○再生医療における細胞製造・品質管理の次世代基盤技術
/㈱フロンティアファーマ 水上民夫
本稿では、画像生成AIによる「細胞の見える化技術」を紹介する。i PS細胞や間葉系間質細胞(MSC)製造工程の品質管理を非侵襲的・リアルタイムに行い、再生医療製品の製造標準化やQuality by Design(QbD)実現に向けた革新的基盤技術の具体例を示す。
■特集:電池関連の最先端技術②
○eモビリティ社会を支えるリチウムイオン電池に係る危険物輸送規則の動向
/㈱エーワイイー 朝倉吉隆
リチウムイオン電池は社会生活に欠かせないものとなっているが、その輸送においては危険物分類のクラス9の「その他有害性物質」の電池に分類され、危険物輸送規則への適切な対応が求められる。本稿では、リチウムイオン電池に係る輸送規則の改正経緯と概要について、電動車両の駆動用電池を中心に紹介し、実務対応での留意点を述べる。
○未来を拓くEVバッテリー戦略
/日産自動車㈱ 保坂賢司
当社は、2050年のカーボンニュートラル達成を目指し、次世代バッテリー技術や電動化戦略を推進。市場データを活用し、効率的で持続可能なEV普及に向けた課題解決と技術革新を探る。
○リチウム資源採取回収技術の現状と将来展望
/弘前大学 佐々木一哉
世界的にリチウムを中心とした重要鉱物の安定供給体制の構築が進められており、 資源の確保と並んで、技術的に高効率な採取・回収・再生技術の確立が極めて重要である。日本においても、これらの国際潮流に対応した産業構造の転換と、独自技術による競争優位性の確立が急務である。
○日本型洋上風力発電を成功に導く風車ウエイク現象の理解とその評価・予測技術 
/九州大学 内田孝紀
当研究室では、風車ウエイク現象の理解とその評価・予測技術の確立へ向けた研究開発を実施している。本稿では、大型風洞設備を活用した最新の研究成果を紹介する。また、風力エネルギー利用(再エネ分野)に留まらず、 気象防災・減災分野への展開も開始されている。
○ネットゼロ実現に向けたグリーン水素の課題と早期社会実装
/信州大学 古山通久
日本におけるネットゼロの実現において、発電などエネルギー転換部門、自動車など運輸部門、ものづくりの三つの視点が必須である。それぞれの文脈で、グリーン水素に求められる役割や課題は異なる。本稿では、それぞれの文脈におけるグリーン水素の役割を示したのちに、社会実装に必須となる経済性について確認し、早期の社会実装に必要な視点を共有したい。
■解説
○産業用ヒートポンプによる工場廃熱の活用について
/(一社)日本エレクトロヒートセンター 紺野能史
本稿では、ヒートポンプによる工場廃熱の活用について、具体的な事例を交えて紹介する。○製造加熱プロセスにおける潜在的な削減可能量の見える化
/製造加熱プロセスデジタルツインコンソーシアム 飯田努
製造加熱プロセスでは、潜在的に削減可能な過剰熱量が投入されている。革新的熱計測技術、および製品品質を維持向上させつつ、プロセス運転条件を最適化して過剰投入熱量を削減する加熱プロセスデジタルツインによりCO2削減する技術について紹介する。
○フィルターや真空封止部のリーク箇所を可視化する
/(国研)物質・材料研究機構 板倉明子
オペランド水素顕微鏡を用い、焼結体を透過する水素を観察した。焼結体の微細孔を透過した水素分子が、微細孔の開口付近に解離吸着することでリーク位置が可視化された。微小リークの検知手段として利用し、封止デバイスからのガスリーク位置を特定した。
■製品紹介
○次世代半導体パッケージ向け熱処理装置
/エスペック㈱ 上田祐亮
次世代半導体パッケージ製造の中工程に求められる低酸素・高温・高クリーン度の条件に対応した低酸素クリーンオーブン(SCO)シリーズは、高性能と安全性、自動化対応により多様な熱処理工程を支援する。
2,200円
■特集:電池関連の最先端技術①
○定置用途を目指したLFP系LIBの寿命評価
/東京電力ホールディングス㈱ 庄野久実
大型定置用途の蓄電技術として低コスト・長寿命・高い熱安定性の点から、定置用蓄電池で最も導入が進んでいるリン酸鉄リチウムイオン電池(LFP系LIB)において、Li析出による特異的な容量低下とその予測方法について紹介する。
○SOLiD-Nextにおける全固体電池研究について
/技術研究組合リチウムイオン電池材料評価研究センター 荻原航
本稿では、SOLi D- Nextにおいて、LIBTECを中心として全固体LIB基盤となる技術開発を進めることで得られた研究成果を中心に紹介する。
○温度変化で充電される三次電池の全固体化
/東京海洋大学 柴田恭幸
筆者らが研究開発を進めている三次電池は、室温付近の未利用熱を有効活用することを目指した熱電池である。本稿では、最近の三次電池開発の取り組みの一つである三次電池の全固体化について、三次電池がどのような技術であるかとともに平易に解説する。
○電気化学インピーダンス測定法を用いたリチウムイオン二次電池の反応解析
/神奈川大学 松本太
本稿では、EISの基礎とLIBの電極反応の解析の理論を紹介する。
■特集:進化する湿度コントロール:次世代型の除湿・加湿技術の最前線②
○ドライルーム用除湿機に搭載されるデシカントローターの劣化評価
/新菱冷熱工業㈱ 佐原亮・小澤凌
本稿では、リチウムイオン二次電池の製造工程で使用されるN-メチル-2-ピロリドン(NMP)などがデシカントローターの除湿性能に与える影響について紹介する。
○全熱交換形換気機器
/三菱電機㈱ 桶谷健太
本稿では、オフィスビルの空調エネルギー削減と製品施工性改善、および製品省資源性を目的として開発した全熱交換形換気機器「業務用ロスナイ 外気処理ユニット」について紹介する。
○通電再生型デシカント空調用除湿媒体の開発
/東北大学 小林光・西山陽歌
/東京大学 川勝英樹・小林大
/クレバ㈱
本稿では、最も簡易なデシカント空調システムの実現を目指して導電性ポリマー PEDOT:PSSを除湿材料に採用した通電再生型デシカント空調用除湿媒体の開発について紹介する。除湿媒体の吸脱着性能評価には時間分解能の高い評価法が必要であり、本研究で開発した振動式測定器について評価結果と併せて紹介する。
○電極式蒸気加湿器のエネルギー解析
/名古屋大学 湛晴・齋藤輝幸
本稿では、電極式蒸気加湿器のエネルギー消費について実測調査を基に解析し、省エネルギーの可能性を紹介する。シミュレーションにより蒸気シリンダからの熱損失量を評価し、断熱材厚の違いによる省エネルギー効果を明らかにする。
■解説
○細菌、ウイルス、リン酸を吸着する火山灰土壌を用いた環境浄化への応用
/宮崎大学 三澤尚明
火山灰土壌のアカホヤは、ナノサイズの細孔による大きな表面積を有し、30%以上の酸化アルミニウムを含有するのが特長で、リン酸および様々な細菌、ウイルスを吸着する。アカホヤは、これらの物質特性を活かした低コストの環境浄化への応用が期待できる。
○バイオガスの有用ケミカル変換によるカーボンニュートラル循環型酪農システム
/大阪大学 大久保敬
本稿では、バイオガスをギ酸やメタノールなどの液体燃料へと化学的に変換するプロセスの開発について紹介する。さらに、得られたギ酸、メタノールなどを用いた循環型社会構築への実装戦略についても述べる。
○量子コンピュータ技術入門
/法政大学 川畑史郎
量子コンピュータは、化学、人工知能、金融などの産業分野に対して破壊的なインパクトをもたらすと期待されている。本稿では、基礎から最新動向、課題までを解説し、クリーンテクノロジーへの期待についても言及する。
○中堅・中小企業におけるDX推進のポイント
/北陸先端科学技術大学院大学 内平直志
本稿では、経済産業省のDXセレクション(中堅・中小企業等のDX優良事例選定)の企業52社の分析に基づき、DX推進の6つの成功要因を紹介する。また、中堅・中小企業のDXと地域共生についても言及する。
2,200円
■特集:進化する湿度コントロール:次世代型の除湿・加湿技術の最前線①
○液体調湿剤を用いた加湿ユニット(LDU)の開発
/高砂熱学工業㈱ 馬場大輔・川上理亮
/ダイナエアー㈱ 原田政利
脱炭素に資する新しい加湿システムとして、小型で構造が簡単な液体調湿剤を用いた加湿ユニット(LDU)を開発した。ヒートポンプ加熱と本加湿ユニットを用いた空調システムを構築することで、省エネ・省CO2・高精度な加湿を実現でき、蒸気加湿の代替が可能である。本稿では、開発品の高い加湿能力・制御安定性について紹介する。
○空調設備における加湿設備の問題と対策
/東洋熱工業㈱ 渡辺太郎
空調設備において湿度の管理は、衛生管理の観点からも重要とされている。一方で、特に、微生物の繁殖においてはレジオネラ属菌によるレジオネラ症については予防されなくてはならない。本稿では、空調設備における加湿設備について紹介する。加湿方法を分類し、それぞれの効率や懸念される問題についてまとめ、対策について紹介する。
○新除湿方式エコ・ハイブリッド搭載衣類乾燥除湿機
/パナソニック エコシステムズ㈱ 堀達也
新たな除湿方式となる、冷凍サイクルで冷却された空気を利用し除湿する空冷式熱交換器を搭載した「エコ・ハイブリッド方式」を開発。従来のハイブリッド方式より、消費電力を約1/3とする省エネを実現した。
○感染症対策のための湿度制御と高齢者施設の実態
/北海道大学 林基哉
従来、感染症対策のために湿度制御が必要であるとされてきたが、COVID-19パンデミックを契機に、改めて湿度の感染症に対する影響に関する調査研究が行われた。本稿では、COVID-19対策と湿度、高齢者施設の湿度環境について記し、主に感染症対策としての湿度制御について考察する。
○空調システムにおけるメンブレン除湿機構の応用に関する研究
/名古屋市立大学 尹奎英
本稿では、理論解析および実験を通じて、メンブレン除湿技術の導入により除湿性能が向上し、再熱プロセスを不要とすることで省エネルギー効果が得られることを確認した。また、メンブレン除湿システムのエネルギー性能を評価する枠組みを構築し、異なる条件下での省エネルギー効果を定量的に示した。検討の結果、メンブレン除湿技術は低顕熱比環境において空調システムの効率向上に寄与する有望な技術であることが示された。
○密閉型湿式デシカント空調システムの開発
/東北大学 小林光・松井徹朗
/大成建設㈱ 関根賢太郎
/東レ㈱ 河井翔太
本稿では、中空糸膜を用いた密閉型湿式デシカント空調システムの実用化を目指す研究開発を紹介する。本開発は除湿機と再生機を分離した、いわばビル用マルチ除湿システムの実現に繋がる取り組みである。実験結果は本システムの実用可能性を十分に示している。
■解説
○気流拡散抑制技術による薄型空調レジスタの開発
/㈱デンソー 山岡潤
近年、車室空間拡大や視野拡大のためのインスツルメントパネルの薄型化、ディスプレイの大型化により空調レジスタの薄型化が求められる。吹出口の薄型化は気流拡散による空調風の到達性が低下する。我々は気流拡散メカニズムを可視化実験等により検証し、副流による気流拡散抑制技術を開発・量産化した。
○半導体技術の高度化で実現される医療ヘルスケア領域のデータ連携
/KPMGコンサルティング㈱ 藤村成弘
本稿では、高度な医療機器やウェアラブルデバイスを活用することによる医療・ヘルスケア領域のデータ連携を概観する。
○におい成分分析による無菌包装米飯の品質劣化評価技術
/新潟県農業総合研究所 野呂渉
無菌包装米飯は長期間の保存により劣化のにおい成分であるn-ヘキサナールが増加する。そこで、吊り下げ型捕集剤とガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)を用いた無菌包装米飯の品質劣化評価技術を開発した。
○鉄腐食性微生物の電気化学代謝の展開可能性
/(国研)海洋研究開発機構 若井暁
微生物が持つ機能は多様である。微生物は、時には人類の営みに害をなし、時には人類の営みを豊かなものにする。本稿では、微生物腐食というネガティブな現象をポジティブに転換して物質生産に繋げる例を紹介する。
○月面産業の可能性
/㈱三菱総合研究所 内田敦
50年以上ぶりに月面探査への注目が高まる中、持続可能な月面産業の創出を目的に、民間企業を巻き込んだ新たな取り組みが行われている。本稿は、宇宙開発の変化を概観し、特に月面産業の現状と未来について焦点を当てる。月面ビジネスは、将来的にクリーンテクノロジーが活躍する可能性もある領域である。
■製品紹介
○半導体プロセスガスの分析
/カノマックスアナリティカル㈱ 古石真紀子
本稿では、工程の管理、反応の追跡、副生成物の定性などに活用できる、高分解能飛行時間型infiTOF-DUOを用いた半導体プロセスガス分析について紹介する。
○シングルナノサイズパーティクルの計測技術
/東京ダイレック㈱ 石井渉
本稿では、シングルナノサイズのパーティクル計測装置である米国TSI社製SMPS(Scanning Mobility Particle Sizer)の概要と特長、半導体業界における具体的な応用事例を紹介する。
2,200円
■特集:環境微生物の実態と制御方法
○CCSに対応した新しい環境モニタリングシステムについて
/AICosmo㈱ 緒方嘉貴・有本啓
本稿では、PIC/S GMP Annex 1で導入された「Contamination Control Strategy(CCS)」に基づく、最先端の環境モニタリング(EM)技術の導入事例とその有効性を検討する。限
られたサンプリングデータから無菌性を保証せねばならない現状に対し、多角的・戦略的なデータ駆動型アプローチが求められる中、AICosmoによるEMソリューションは、今後のCCS対応において有効な解となると考える。
○空調機内における微生物制御と換気の重要性
/新日本空調㈱ 高塚威
空調機内部は通過する塵埃や湿度の影響によって、カビや細菌の温床になる可能性があり、清掃・メンテナンスは重要である。本稿では、フィルタ、特に中性能フィルタの捕集効率と換気の効果について紹介する。
○チャンバー試験装置の妥当性評価および感染症抑制効果の確認
/㈱安藤・間 青木貴均・中村孝道
チャンバー装置について、浮遊ウイルス除去効果を判別する際の妥当性を評価した。また、チャンバー装置により得られた結果に基づいて空間噴霧を行った結果、事務所にてクラスター抑制効果が得られる可能性を確認した。
○BCPとしてのオフィスなど一般施設の感染対策
/鹿島建設㈱ 石川秀・初岡徹朗・岩田雅陸
/㈱イリア 金谷潔
従来から、建設業は厳しい衛生管理が求められる医薬品工場などの施設計画を行ってきた。COVID-19パンデミックを契機に、一般施設からも衛生管理(感染対策)の相談が増えたため、次亜塩素酸水溶液ミストを活用した感染対策サービスの展開を始めている。
○使用済みハードコンタクトレンズケース内部の衛生環境
/㈱メニコン 後藤紗也香
ハードコンタクトレンズ装用者の使用済みレンズケースを調査した結果、使用期間が長いほどバイオフィルムや汚れが蓄積する傾向が見られた。レンズケース内部の衛生環境を清潔に保つためには、定期的なケースの交換が重要だと考えられた。
○製薬・化粧品の試験研究・品質管理で求められているパーティクルフリー水
/セナーアンドバーンズ㈱ 黒木祥文
我々はELGA LabWater(英国、High Wycombe)社製のラボ用純水・超純水装置に、エンドトキシンフリー水を供給する目的で開発した限外ろ過(Ultra Filtration、UF)膜を用い、パーティクルカウンター用のブランク水として微粒子を極限まで除去した水、いわゆるパーティクルフリー水を供給できるシステムを構築した。
○医療機関での感染対策における環境整備の重要性
/山形大学 森兼啓太
従来から行われている人手が必要な作業と最新の技術・知見の融合は、今後も医療現場の諸題を解決する基本で有り続けることだろう。
○日光社寺文化財変色部位および周辺環境に生育する真菌叢の網羅的解析
/東京理科大学 苅山駿太・小笠原麻衣・鈴木智順
日光社寺文化財の表面に真菌が発生して変色することが問題となっている。本研究では、文化財保護に向けた前段階として、文化財および周辺環境に生育している真菌叢を網羅的に解析し、汚染原因の解明を試みた。
■解説
○半導体製造におけるクリティカルなAMC(大気中分子状汚染物質)の
超高速モニタリング
/TOFWERK㈱ 清水誠一
/テクノアルファ㈱ 若杉治仁
最新のモニタリングシステムは、複数の化学的官能基と蒸気圧の範囲にまたがる幅広い化合物を、十分な速度と感度で包括的に測定しなければならない。本稿では、このニーズに世界で唯一、1台の検出器で対応することができる画期的な測定装置を紹介する。
○半導体パッケージング技術概論
/㈱BREXA Technology 渥美二一
半導体デバイス製造の後工程の概要を、ウエハテスト、バックグラインド、ダイシング、ワイヤボンディング、樹脂封止、マーキング、出荷テストといった従来型の工程ごとに解説するとともに、現在汎用のフリップチップ、TSVによる接続方法まで、基礎的な内容について紹介する。
○微細藻類の飼料資源としての可能性について
/㈱ちとせ研究所 野澤伊織
近年、水産養殖業の拡大に伴い、魚粉の安定供給が困難となっており、魚粉代替の開発が急務となっている。微細藻類は、大豆と比較して高いタンパク質含有率およびTSAA含有量を示し、NPUも同等であることから、有望な魚粉代替である可能性が示唆されている。
○暖冷房・換気調整空間としての床下空間の活用と課題
/国立保健医療科学院 本間義規
微生物汚染、さらにはそれを原因とする健康被害事案では、正しい検証によって原因究明を目指すことが第一である。しかし、地域、立地環境のほか複数の要因による組み合わせは膨大で、必ず同じ問題は発生しうる。できるだけ、設計時にトラブルの種を摘んでおく必要がある。
2,200円
■特集:PFAS対策の動向
○PFAS地政学と対策技術の問題点
/(国研)産業技術総合研究所 山下信義
2024年セミコンジャパンで講演した「 PFAS Geopolitics」について、PFAS問題クロニクル、PFAS対策技術コンソーシアム設立の経緯や現在喫緊の課題となっている「熊本TSMCと千歳Rapidusの成否」について紹介する。
○ペルおよびポリフルオロアルキル化合物の測定技術の研究動向
/(国研)産業技術総合研究所 谷保佐知
ペルおよびポリフルオロアルキル化合物(PFAS)は、その優れた物理化学的特性から多くの用途に使用されてきたが、一部は残留性や有害性が懸念されている。PFASの適切な管理には、ターゲット測定だけでは対応できず、総PFAS測定技術の重要性が増している。本稿では、現行のPFAS測定技術の概要と、今後の研究・技術開発の課題について紹介する。
○「環境的性質→規制→代替」の流れをどう見るか
/大阪工業大学 渡辺信久
国際的な化学物質規制のスキームであるPOPs条約(2004年)は、日本国の化審法(1973年)を進化させたものである。毒性を掲げながらも、難分解性などの環境的性質で規制対象を定めていく。毒性顕在化以前に代替物質への切り替えを余儀なくさせることで、(ルールを決める側の)化学業界に競争力を持たせる仕組みにも見える。環境安全的にも悪い話ではない。PFAS問題に当たっては、おどらされずに、現行のインフラで冷静に対処できる。
○先端PFAS類の分解技術の開発
/神奈川大学 堀久男
PFAS問題の顕在化と共に、定義が変わってその範疇に入る化合物も増加している。これらの中には無害でカーボンニュートラルの社会に不可欠な物質も含まれている。本稿では、今後とも、産業界に必要な「先端PFAS類」を対象に、著者が取り組んでいる分解・再資源化技術について紹介する。
■解説
○医療機器産業からの半導体技術に対する期待について
/経済産業省 近藤慶明・渡辺信彦
半導体・電子部品技術とともに、進化し続ける医療機器/医療機器に対する部素材供給拒否問題/医療機器のPLリスク/リスクマネジメントを義務付ける関連法令/安心して医療機器に部品供給を行うために。
○始動するGX 山梨から始まるグリーントランスフォーメーション
/㈱やまなしハイドロジェンカンパニー 坂本正樹
山梨県は、自立分散型のエネルギー社会実現を目指して米倉山の県有地にて電力貯蔵技術研究サイトを開設し、2010年度から電力系統向け蓄電設備の研究開発・実証を民間企業と共同で実施してきた。本稿では、水素へのエネルギー転換にフォーカスし紹介する。
○オープンデータ基盤PLATEAUを活用した都市風況評価手法の検討
/日立製作所 川口大輔
将来的に普及が期待されるUAMの航行環境評価のため、PLATEAU 3D都市モデルを活用した都市風況解析手法を構築した。東京丸の内エリアを対象に風況解析を試行し、ビルに起因する速度変動や突風の抽出が可能であることを確認した。
○省エネ性と環境性を両立した空冷モジュールチラー
/ダイキン工業㈱ 森下悟史
業界初となるR32冷媒を採用したモジュールチラーの発売以来、より冷媒使用量を削減した新型モジュールチラーを発売している。高効率な冷温水供給を実現し、クリーンルームの運用コスト削減とともに環境負荷の軽減に大きく貢献する。
○半導体量子コンピュータの最新動向
/blueqat㈱ 湊雄一郎
本稿では、スピン量子ビットやクライオCMOS、QSoCなどを活用した半導体量子コンピュータの仕組みを解説するとともに、量子ビットの高集積化や低消費電力化、商用化に向けた国内外の最新技術動向について紹介する。
○身近な道具を使った集積回路の分解から見える世界
/金沢大学 秋田純一
本稿では、集積回路を「解析する」ことを通して、コンピュータの構成要素である集積回路の現状を深く理解する視点を得ることを目的とする。そこには技術的な視点のみならず、情報産業全般を含む現在社会の現在と未来を見通す視点となる。
○持続可能なグリーン水素の製造・貯蔵法の構築
/東北大学 市村拓弥・笠井均・岡弘樹
水素は、燃焼時にCO 2を排出しないクリーンエネルギーの有力候補であり、有機ハイドライドは、水素の安全な貯蔵・輸送を可能にする。本稿では、バイオマス由来の有機ハイドライドのパン酵母による水素化と金属触媒による脱水素化を組合せた、持続可能なグリーン水素製造・貯蔵サイクルを紹介する。
2,200円
■特集:食品・医薬における包装技術最新動向
○当社最薄防湿シートの開発と製品化に向けた取り組み
/沢井製薬㈱ 杉本和也
本稿では、近年の医薬品包装(PTPシート)に求められる「患者さんの使用性向上」と「環境負荷低減」の両立を目指して開発された、当社最薄防湿シートの特長と、製品化に向けた取り組みについて紹介する。
○食品包装パッケージとカビ
/(特非)カビ相談センター 高鳥浩介
食品包装とカビについて、誤解をしている例を挙げた。また、カビによる健康被害も無視できなく食品包装とも関わってくることから製造環境での制御を解説した。
○改正食品衛生法の対応と環境配慮の動向
/軟包装衛生協議会 逸見るみ子
平成30(2018)年に改正された食品衛生法が本年6月に完全施行となる。本稿では、軟包装業界が対応すべき食品用途包材の国内法規制と、注視すべき海外の環境配慮の動向を紹介する。
○ハイバリアな次世代SP包装
/㈱カナエ 首浦太一郎
AL成形技術を応用し、充填スペースに成形加工することでコンパクト化を実現。フィルム使用量を削減した環境に優しい包装形態。
■解説
○水素社会の実現に向けたKHKの取り組み
/特別民間法人高圧ガス保安協会 白井基晴
水素等関連技術のさらなる普及促進のためには、国際的なルール作りが必要である。本稿では、基準策定をはじめとする水素等の保安と振興の両立に向けた取り組みを紹介する。
○ミストを用いたサーバールームの高効率冷却
/琉球大学 瀬名波出・寺西碧人・安田啓太
サーバールームやデータセンターでの電力消費量が増大している。本稿では、ミストの供給によるサーバールームやデータセンターの空調効率化について議論す。
○揺らぐ流体力学の基礎研究の発展と最近の応用例
/東京大学 中野裕義
揺らぐ流体力学は従来の流体力学を拡張し、分子の不規則な熱運動が無視できない小さなスケールの流れまでを対象とする理論的枠組みである。本稿では、この枠組みの基礎と応用を紹介する。
○蛍光顕微鏡法による大気アスベスト連続自動計測装置の開発
/広島大学 黒田章夫・西村智基・石田丈典
/東亜ディーケーケー㈱ 加賀健一郎
蛍光顕微鏡法は、蛍光試薬を滴下し、光って見えるアスベストを計測する方法である。大気サンプリングからアスベスト検査の全行程を自動化し、連続的に測定できる装置を開発した。
○分解性プラスチック設計の必要性と最新の開発状況
/山口大学 西形孝司
地球環境問題の解決へのアプローチとして、学術的な立場から「プラスチックをその分子構造から見直す、という選択肢もあるのではないか?」という視点で技術紹介をする。
○太陽熱利用スマート熱エネルギー変換技術
/九州大学 濱本芳徳
はじめに増熱・冷熱生成サイクルと昇温サイクルの概要を、次いで植物工場への利用例ならびに高温熱出力量の予測結果を紹介し、実現に向けた課題を述べた。
○病院環境における真菌制御とクリーンテクノロジーへの応用
/長崎大学 田代将人
病院環境中の真菌、とくに侵襲性肺アスペルギルス症を中心に、空気・塵埃感染リスクと対策を概説する。HEPAフィルタや陽圧管理などクリーンテクノロジーを活用し、免疫抑制患者を保護する実践策を示す。
○高度さらし粉錠剤からの次亜塩素酸の揮発と殺菌作用
/三重大学 福﨑智司
高度さらし粉製品には、潮解性を持つ塩化カルシウムが含まれる。この潮解性の利用で、次亜塩素酸が自発的に揮発する。次亜塩素酸は、送風下で室内にほぼ均一に拡散し、室内空間の微生物の殺菌に寄与する。
○分子技術アプローチによる持続可能な粗水素精製法
/大阪大学 橋本大輝・星本陽一
精密に設計したトリアリールホウ素化合物を触媒として用いることで、粗水素雰囲気下においても高効率な水素化反応が可能であることを見出した。
■製品紹介
○工場の湿度管理と空調コスト削減
/㈱いけうち 江崎寛通
工場の湿度管理は生産性・品質向上、省エネに不可欠であり、また、空調コストの約3割は加湿である。最適な加湿方式・制御を行うことで作業環境の安定とエネルギー消費やCO2排出を削減することが可能だ。
■エンジニアリング会社開発拠点の紹介
○人と技術の創造空間
/新日本空調㈱
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  • 出版社:日本工業出版
  • 発行間隔:月刊
  • 発売日:毎月5日
  • サイズ:A4変形判

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