特集: カーボンニュートラルに向けた二酸化炭素分離回収技術
■アンモニアのエネルギー利用促進のために私たちができること
/日揮グローバル 吉岡謙介
日本における脱炭素燃料としてブルーアンモニアへの注目が高まっている。本稿では、日揮グローバルの取り組みを通して、ブルーアンモニア利用促進のために必要なプラント建設のコストダウンについて要点を紹介する。
■固体吸収材を用いた二酸化炭素回収技術の開発
/川崎重工業 安原克樹
当社では、多孔質基材にアミンを担持した固体吸収材を用いたCO2の回収技術であるKawasaki CO2 Capture(KCC)を開発している。本稿では、KCC法による燃焼排ガス、および空気からのCO2回収技術の状況を紹介する。
■CHA型ゼオライト膜におけるCO2分離現象の分子シミュレーションによる可視化
/工学院大学 高羽洋充・他
二酸化炭素を混合ガスから分離するゼオライト膜が注目されている。本稿では、ゼオライト膜内部でのガスの動きを分子レベルで可視化し、二酸化炭素分離膜の性能を予測した試みを紹介する。
解説
■プラスチック資源循環に関する政府の取組
/環境省 近藤亮太
プラスチックごみ問題の重要性が高まる中、2022年4月に「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」が施行された。日本は本法を軸に、関係各所との連携、支援を通し、プラスチックの資源循環を実現していく。
■電解水・機能水、そして微生物制御
/東京医療保健大学 岩澤篤郎
電解水は手指と内視鏡の洗浄消毒で医療機器の認可を受け、次亜塩素酸水の名称で食品添加物・殺菌料に指定された。本稿では、内視鏡と手指の洗浄消毒に関して述べ、感染制御における機能水の意義に関して紹介する。
■繊維ろ過設置によるUF膜の目詰まり抑制
/協和機電工業 波多晃希・他
高性能繊維ろ過装置F-CAPは凝集剤を用いずに10 μm以下の微粒子を除去可能としたろ過装置である。本稿では、工業用水中の微粒子がUF膜に目詰まりしていた場所へF-CAPを前処理として設置した結果、微粒子を91%除去し、18 ヶ月間はUF膜の薬品浸漬洗浄が不要となった事例を紹介する。
■EUVリソグラフィー技術開発の現状および今後の展開について
/兵庫県立大学 渡邊健夫
極端紫外線リソグラフィー技術(EUVL)は2019年より、スマートフォン向けの7 nm+世代のロジックデバイスの生産技術として実用化された。今後も2037年の0.5 nm世代のロジックデバイスの量産でもEUVLが使用されることになっている。本稿では、EUVLの技術開発の現状、および今後の展開について紹介する。
■自立分散・循環型社会のための航空宇宙技術
/宇宙航空研究開発機構 矢部志津・他
日本の経済や人口を持続可能にするには、都市集中社会ではなく自立分散・循環型社会を目指す必要がある。本稿では、どうすれば当該社会を作れるか、また、作るために航空宇宙技術が貢献できることは何かについて紹介する。
■エネルギー最適運用システム
/東芝三菱電機産業システム 佐川輝政
2050年のカーボンニュートラル社会を目指し、今後、蓄電池システムの活用が重要となる。本稿では、蓄電池システムに関する当社の取り組みと、将来に向けたエネルギー最適運用するためのシステムを紹介する。
■ドライルームにおける水分濃度および除湿機
/新菱冷熱工業 佐原 亮
本稿では、ドライルーム内の水分濃度、露点温度の測定方法、ドライルーム用除湿機のシステムフロー・省エネ手法など基本的な事項について紹介する。
■太陽光パネル由来シリコン粉末を還元剤とするCO2の還元的変換反応
/横浜国立大学 本倉 健
本稿では、廃棄太陽光パネル由来のシリコン粉末の活用へ向けて、シリコン粉末を還元剤とするCO2の還元的変換反応を紹介する。触媒としてフッ化テトラブチルアンモニウムを用いると、CO2をギ酸やホルムアミドへと変換することが可能であった。
■多種多様化する供給セルロースナノファイバー(CNF)とそれらの応用展開事例
/京都市産業技術研究所 北川和男
セルロースナノファイバー(CNF)は現在、実用化段階を迎えており、CNF製造・サンプル提供企業も増え、メーカー各社では低コスト化量産技術の開発に移っている。供給されるCNFは多種多様化し、それらの応用展開についても多くの分野から採用事例が出てきている。本稿では、これらの最新状況を紹介する。
■高純度酸移送用PFAチューブの白化メカニズムと対策
/ダイキン工業 今村 均
高純度酸移送用PFAチューブにおいて白化現象が認められている。検討の結果、環境湿度とPFA材料のクラック性が影響していた。本稿では、白化メカニズムを詳しく紹介する。対策としてPFA二層チューブを提案した。
■飛沫侵入を従来型の10%未満に低減したフェイスシールド
/福岡大学 赤木富士雄・他
本稿では、従来のフェイスシールドの端部形状を流体制御の観点により改良することで、患者のくしゃみを近距離で浴びた場合でも飛沫侵入がこれまでの10%未満に抑えられる新型フェイスシールドの開発事例を紹介する。
■軟X線レーザーによる表面ナノ加工技術
/量子科学技術研究開発機構 石野雅彦
材料表面の加工手段の一つに表面加工技術がある。ここでは、アブレーションによる表面形状の変化が利用されている。本稿では、軟X線レーザーを用いたアブレーション研究と表面微細加工の可能性について紹介する。
製品紹介
■再利用可能なクリーンルームウェアの使用によるコンタミネーションリスク
/キンバリークラーク・ジャパン(同) 馬場孝太郎
特集 MEMS分野の最新動向
■MEMS分野の動向
/㈱メムス・コア 江刺正喜
本稿では、半導体微細加工をベースにシステムの鍵を握るセンサ等を作るMEMSの動向について紹介する。多様な知識と一連の装置で様々なニーズに応えるため、開発がボトルネックでビジネスは容易でないがその工夫を紹介する。
■試作コインランドリにおけるデータ収集・利活用
/東北大学 戸津健太郎
本稿では、MEMSをはじめとするデバイス開発のためのオープンな大型研究開発施設である東北大学試作コインランドリのこれまでの活動と、新たな取り組みであるプロセスデータの収集と今後の利活用について紹介する。
■マイクロマシンセンターの活動の歩みと今後の展望
/(一財)マイクロマシンセンター 長谷川英一
マイクロマシン/MEMS等の研究開発を行うとともに内外交流、標準化、人材育成、ミニファウンドリの提供などの環境整備活動を通じて、30年以上に亘りわが国MEMS産業の発展に寄与している。
■ 球面マスクレス露光装置によるボールSAWセンサの製造とその応用
/ボールウェーブ㈱ 竹田宣生
デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)による球面マスクレス露光装置を用いて、直径3.3 mmの球体上に微細パターンを露光し、ボールSAWセンサを製造した。本稿では、このセンサを検出器とした超小型可搬ガスクロマトグラフも紹介する。
■3次元リソグラフィ技術による生体模倣システムの構築
/京都大学 平井義和・他
創薬スクリーニングにおける従来の前臨床モデルの代替法として、生体模倣システムが注目されている。本稿では、マイクロ加工技術で作製した生体模倣システムを細胞アッセイや疾患のメカニズム解明へ応用した研究例を紹介する。
■異分野で頼られるMEMS技術
/東京都市大学 藤田博之
MEMS技術の進歩により、異分野の研究者が既存技術としてMEMSを使いこなす時代になった。光、化学、熱の基礎からロボットや情報通信の応用まで、MEMSを用いて新規の原理実証や機能実現が可能になる。
■ 立体サンプルの加工をフォトリソグラフィで可能にする潜像法
/豊田工業大学 佐々木実
本稿では、平凸レンズなど立体に微細パターンを転写する技術を紹介する。レジスト膜を、基材ではなくシート状の固体として用意し、立体に貼り付ける点が新しい。
特集 エアフィルタの最新動向
■エアフィルタのバイオ除染に関する動向
/ニッタ㈱ 茂田 誠・他
本稿では、無菌環境の構築・維持のために使用されているエアフィルタの過酢酸蒸気(VPA)を用いたバイオ除染に関して動向をまとめて紹介する。
■ HEPAフィルター付薄型空気清浄機における
クリーンモニターによる省エネ自動制御システムの検討
/日本エアーテック㈱ 岡本 守
簡易的なクリーンモニターの清浄度信号を基に、HEPAフィルター付薄型空気清浄機の自動清浄度調節制御を行うことで、省エネ化を実現できるか検証を行った。今回の検証例では、40%以上の省エネ効果を確認できた。
■高濃度エアロゾルへの光散乱パーティクルカウンタの適用
/㈱パーティクルプラス 水野眞人・他
本稿では、市販のシースエア・パージエアを用いない新しい構造の光散乱セルを採用したOPCを多分散高濃度エアロゾルに適用し、コインシデンスロスの測定結果への影響についての検討を紹介する。
解説
■半導体プロセスにおけるCMP技術の適用
/九州工業大学 鈴木恵友
今後、CMPにおいてはパワー半導体の普及にともないSiC、GaN、ダイヤモンドなどの難加工材料を如何に効率的に材料除去する手法を確立していくとともに、シリコン半導体におけるフロントエンドプロセスの微細化への適用やバックエンドプロセスにおける高効率研磨を如何に低コストで実現させるかなどに、適用させていく必要がある。本稿では、CMPの研究を通して感じているCMPの現状と課題について紹介する。
■家庭用空気清浄機の汚染物質除去性能の実態
/東北文化学園大学 野崎淳夫
空気清浄機の国際試験法の制定作業が進み、IEC63086-1が制定され、試験室などの一般事項が公示された。現在、粉塵、ガス、微生物試験の子細が検討されている。本稿では、この動向を踏まえ、市販空気清浄機の汚染物質除去性能をCADRで明らかにした。
■オゾン水によるSARS-CoV-2の不活化機構の新展開
/摂南大学 中室克彦
本稿では、オゾン水によるSARS-CoV-2の不活化機構において、感染成立に必須のスパイク(S)糖タンパク質中アミノ酸残基に対する酸化的攻撃によるACE2受容体の結合阻害が、SARSCoV-2不活化に寄因することを解説する。
■再生医療の細胞培養加工施設(CPF)の計画
/ダイダン㈱ 多田光輝
再生医療等製品は生きた細胞を用いた製剤である。一方で、現状は直接人が細胞操作という重要工程を行うため、製造施設では厳重な衛生管理が行える構造設備が必要である。本稿では、これらの点を踏まえ細胞培養加工施設を計画する上での留意点等について紹介する。
■雪を中心とした地域循環産業モデル
/㈱雪屋媚山商店 本間弘達
北海道美唄市において1997年より産学官が雪冷熱エネルギーの利用研究を進める「美唄自然エネルギー研究会」は、「ホワイトデータセンター構想」(WDC構想)を2008年に提唱。それから2021年に㈱ホワイトデータセンターが設立し、事業化を進めている。本稿では、これらの事業背景や概要、WDC構想の現状や今後の計画などについて紹介する。
特集:半導体産業の現在地
■半導体パッケージング・実装技術の進化と課題
/エー・アイ・ティ 加藤凡典
まず、認識しておかなければいけないことは、実際に行われていることは半導体という物性を利用して集積回路という部品を製造しているのが半導体産業である、ということである。本稿では、半導体のパッケージングと実装化について紹介する。
■半導体産業の地産地消と当社グローバル戦略
/フェローテックホールディングス 内田 晋
全世界的なデジタル化の進展、地政学リスク、半導体産業におけるサプライチェーンのブロック化が強まる。そんな中、半導体向け関連部材・サービスを主力事業とするフェローテックが掲げる「日本回帰」の方針とは。
■半導体とその川上産業、その未来と課題
/広島大学 寺本章伸
本稿では、半導体デバイス製造産業の復興が望まれている中、現状でも世界的な競争力を維持している半導体産業における川上産業の研究・開発、人材育成について紹介する。
解説
■深紫外線を併用した電気集じん装置による捕集ウイルスの不活性化
/神奈川工科大学 瑞慶覧章朝・他
本稿では、電気集じん装置の集じん電極上に捕集されたウイルスを深紫外線とオゾンにより不活性化する研究成果について紹介する。
■超臨界二酸化炭素による有機高分子材料への機能性付与
/かがわ産業支援財団 中西 勉
本稿では、超臨界CO2の有機高分子材料に対する注入、保持、洗浄、コーティング等の作用機構を利用した超臨界CO2による有機高分子材料への機能性付与について、実施例をもとに実用化可能性を検証した事例を紹介する。
■超臨界二酸化炭素を用いた木材の化学加工処理
/森林総合研究所 松永正弘
本稿では、木材の寸法安定性向上を主目的とした化学加工処理に超臨界二酸化炭素を用いた研究について紹介する。
■空中カビ(屋内、屋外)のビジュアルイメージからみたカビ量評価
/カビ相談センター 清水 亨・他
本稿では、測定に未経験者でも可能なビジュアルイメージ“visual image”として評価しうる空中浮遊カビ量測定について、新規の概算的評価法を提案し紹介する。
■新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と室内外の環境要因との関係について
/関西福祉科学大学 東 賢一
本稿では、新型コロナウイルス感染症について、屋外の気候や大気汚染との関係や、室内環境要因との関係について紹介するとともに、最も基本的な感染予防策であるマスク着用の効果についても最新の研究をもとに概説を行う。
■避難所における新型コロナウイルスの感染対策
/東海大学 関根嘉香・他
本稿では、室内環境学の視点から新型コロナウイルスSARSCoV-2の性質に関連する避難所の感染対策について紹介する。
■感染対策を目的とした鉄道車両内換気性能の評価実験
/芝浦工業大学 諏訪好英
新型コロナウイルスの感染リスク低減に効果的な換気を実現するため、窓開け方法など様々な運用条件での換気性能の違いを模型実験により比較した。本稿では、その結果を紹介する。
■病原体取扱施設におけるバイオリスクマネジメントの考え方と教育・訓練
/国立感染症研究所 伊木繁雄
病原体取扱施設の運営にあたっては、適切なバイオリスクマネジメントに加え事業所内外の関連する者への教育訓練や説明が必須である。
■日本の空域の交通密度分布
/電子航法研究所 虎谷大地
航空機の導入が既存の旅客機の運用に悪影響を与えないかを検討するために必要な、交通密度分布の作成について紹介する。
■UV-LED照射における多剤耐性大腸菌の不活化と光回復特性
/近畿大学工業高等専門学校 安井宣仁
本稿では、消毒手法として紫外線照射に着目し、特に近年技術革新が進んでいるUV-LEDを用いた薬剤耐性大腸菌の消毒特性の評価を試みた。
■ディジタルトランスフォーメーション(DX)の現場における諸問題
/兵庫県立大学 笹嶋宗彦
近年では、多くの中小企業もDXへの取り組みを開始しており、成功事例も出始めている。本稿では、決して多くはないが筆者の経験事例を紹介する。
■銀イオンを含む金属イオン液のヒドロキシルラジカル発生能と抗菌効果
/東北学院大学 遠藤銀朗・他
銀イオンは同濃度の二酸化チタンより高い・OH発生能を示した。銀イオンを含む混合金属液で抗菌試験、およびウイルス不活化試験を行う場合、作用液に低濃度食塩水を用いるか作用前の脱塩処理によって抗菌効果および不活化効果が確認された。
■マイクロプラズマ放電装置による病原体に対する殺菌作用ならびに不活化に関する知見について
/カルモア 安藤 仁
抗ウイルス抗菌強化型脱臭機「WK-800」は、オフィスや商業店舗に導入され、強力な殺菌効果とIAQ向上への貢献が期待されている。
●特集 スマート保安
■BEMSのネットワーク構成とサイバーセキュリティおよびスマート保全
/豊田SI技術士事務所 豊田武二
BEMSがインターネットと連携運用されることにより外部からのサイバー脅威に晒さらされるようになった。本稿では、BEMSとネットワーク設備におけるサイバーセキュリティへの要件と対策、およびBEMSを活用したスマート保全技術を紹介する。
■保守高度化を支える設計技術・施工管理技術
/トーエネック 小林 浩
本稿では、電気設備の設計・施工管理分野において、保全高度化を目的とした新技術導入などの取り組み事例を紹介する。なお本稿は、筆者が執筆した電気学会誌の記事を、許諾を得た上で再構成したものである。
■防爆エリアにおけるパーソナル電子機器の動向とIoT機器の将来性
可燃性物質等の危険場所では、防爆構造の電気機器を使用する必要がある。IECは、一定条件下のパーソナル電子機器をそのまま使用可能とする提案を行い、その整理を行った。また、エナジーハーベストによるIoTシステムの防爆区域での利用も検討した。
■将来の電力ネットワークを支える通信ネットワーク構築に向けた取組み
/電力中央研究所 宮下充史・他
本稿では、電気事業におけるスマート保安に向けた山間地における自営通信ネットワークの構築に関する検討事例、および将来の電力用通信ネットワークに向けたTOWER LINK構想を紹介する。
●解説
■半導体デバイス製造用ナノインプリントリソグラフィのクリーン化技術
/キヤノン 伊福俊博
本稿では、半導体デバイス製造用ナノインプリントリソグラフィの開発状況、および装置に適用されているクリーン化の技術を紹介する。
■次世代自動車2030年ロードマップとそこに求められる次世代パワー半導体応用技術
/名古屋大学 山本真義
本稿では、2023年現在における各BEV用インバーターの分解解析により、電気駆動部の進化と問題点を洗い出し、その時系列整理から2030年のインホイールモーターを搭載したBEVに関する技術解説を行った。
■パワー半導体へ向けた焼結接合最新技術
/大阪大学 陳 伝彤・他
次世代半導体を用いたパワーデバイスの動作環境は、200 ℃を超えると予想されており、さらにS iよりも高電流密度、高周波数環境での動作となるため、Pbフリーはんだに代替する高性能で高信頼性なダイアタッチ技術が求められている。これたの中で、金属粒子を融点よりかなり低温側で焼結する現象を利用した接合法はパワー半導体のダイアタッチ技術で最も期待されている。本稿では、代表的なAg粒子、Cu粒子またAg-Cu複合粒子の最新焼結接合技術について紹介する。
■GMP入門の基礎知識③
/バリデーター 谷口志郎
GMPを主体に医薬品の開発から製品を市場に提供するまでの薬事全般について紹介する、第3回目。本稿では、SOP(標準操作手順書)遵守の重要性と、なぜ遵守できないかその対策について紹介する。
■高速ナノ液滴が拓く「超節水・薬剤フリー・濡れない」殺菌・洗浄
/東北大学 佐藤岳彦・他
身の回りで利用している水を極限まで小さな液滴にし、高速で噴射することで今まで知られていなかった新しい機能を発現することを発見した。本稿では、この高速ナノ液滴の生成方法、特性、殺菌・洗浄効果について紹介する。
■3D造形技術と最新海外動向報告
/日本3Dプリンティング産業技術協会 大庭秀章・他
3Dプリンターは既存工法では実現が難しい機能、製品を実現できる工法として注目されている。本稿では、技術の概要と、産業分野で広く活用が進む欧米における技術開発、応用の動向について、現地展示会などの調査結果を交えて紹介する。
■抗菌・抗ウィルス作用を有する可視光応答型有機光触媒の開発
/神戸大学 市橋祐一・他
DFT計算から可視光を吸収し、抗菌・抗ウィルス作用を有する、多環芳香族化合物誘導体を探索・合成し、その抗菌・抗ウィルス作用について評価した。また、抗菌・抗ウィルス作用を引き起こす活性因子についても検討した。
■細胞培養加工施設内における自動化システムの発塵と実運用
/サイフューズ 徳永周彦・他
本稿では、当社サイフューズの独自技術の紹介から始まり、細胞加工施設内の清浄度維持の重要ファクターである浮遊微粒子に焦点を当て、製造工程自動化の技術的課題である発塵問題とその評価方法について紹介する。
■多孔質体を用いた新規な印刷法
/東京大学 井川光弘…………………………………………… 62
人間とコンピュータがより心地よく繋がった未来社会の実現に向けて、各種の情報入出力端末の軽量・フレキシブル化と自由形状化が強く求められている。本研究は多孔質体を用いた電子素材の印刷法に関するもので、自由曲面上に高精細な印刷を可能とした。
■有機半導体センサネットワーク
/東京大学 竹谷純一
近未来に求められる電子機器の形状が大面積・薄型、すなわち、より2次元的なものになることは、必然といえる。近年では、極薄化を進める際に丸めて運べたり、曲面に貼れるというフレキシブルエレクトロニクスの普及への期待の高まりなどの未来形を実現する中核となる半導体として、究極の2次元性を有する有機半導体単結晶について紹介する。また、2次元有機単結晶をベースとした有機集積回路の開発状況と、次世代の2次元エレクトロニクスの社会実装・有機半導体センサネットワークが始まっている現状を紹介する。
■マイクロプラスチックの定性及び定量分析技術
/化学物質評価研究機構 和田丈晴
近年、マイクロプラスチック(MP)による環境汚染、及び生物への影響が懸念されている。本稿では、様々なポリマーからなるMPの汚染実態調査等に利用されている主な分析技術を取り上げ、それらの特徴等を整理した。
■特集: AI・IoT・ビッグデータ・機械学習を活用したソリューション技術
○「人数・人流の見える化」による経済活動および危機管理対策支援/大阪工業大学/尾崎敦夫・豊味諒磨
○エッジAIを活用した産業界のDXについて/㈱エイシング/出澤純一
○仮想空間、仮想現実の進化/㈱アスク/佐藤幸夫
■特集: 表面分析の最新動向②
○実働環境下におけるXPS計測/(国研)物質・材料研究機構/増田卓也
○FIB-TOF-SIMSによる微小粒子の表面および断面の分析/工学院大学/坂本哲夫
○低エネルギー逆光電子分光法および紫外光電子分光法を中心としたXPS複合分析/アルバック・ファイ㈱/寺島雅弘
■解説
○長期の人口動態統計死亡表とGISを用いた外気温が死亡に与える影響の分析/北海道大学/森 太郎
○換気と空気清浄によるエアロゾル除去性能の評価/北海道大学/菊田弘輝
○反応性大気圧熱プラズマジェットを用いた有機物の超高速エッチング技術/広島大学/東清一郎
○プラズマ複合プロセスを用いた排ガス処理技術/大阪公立大学/黒木智之/日本山村硝子㈱/山本 柱
○繊維to可塑剤リサイクルの廃棄繊維の新たな使い道/(地独)山口県産業技術センター/宮崎翔伍
○静電気による液体可燃物の災害と対策/消防庁/松原美之
○次亜塩素酸水に関する最近の動向/(一財)機能水研究振興財団/堀田国元・中藤誉子
○環境中マイクロプラスチック計測の現状と課題/(国研)産業技術総合研究所/寺本慶之
○GMP入門の基礎知識②/バリデーター㈱/谷口志郎
■製品紹介
○クリーンルームにおける火災の早期検知技術/能美防災㈱/萩原嗣郎
 
■特集:食料事情を支える新技術 植物工場と代替たんぱく③
○臓器間相互作用を用いた培養肉の細胞培養技術/インテグリカルチャー㈱/落合敏郎・佐藤佳寿子・新谷圭佑・樋口貞春・川島一公
世界的な人口増加により、今後の新興国の経済発展も影響して世界的にタンパク質の供給が不足すると予測されている。当社では、その対策として、臓器間相互作用を用いて血清代替成分を作り出し細胞を培養する技術(CulNetsystem:カルネットシステム)を開発した。本稿では、当システムの内容と現状、今後の対応等について紹介する。
○植物工場における光環境制御の応用/玉川大学/大橋(兼子)敬子
人工光植物工場は天候に左右されない植物生産を行えるが、維持コストの高さが問題である。問題の解消には付加価値植物の生産が挙げられる。付加価値植物とは多くの場合、植物の抗酸化物質濃度、精油や薬効成分などの二次代謝産物の濃度を向上させた植物のことを指している。これらの有用物質の濃度を向上させるには、光環境や温度環境を調節するなどの環境制御による方法、遺伝子組み換えあるいはゲノム編集などの遺伝子操作による方法がある。本稿では、環境制御に的を絞り特に光環境制御による付加価値植物の生産に焦点をあてて議論を展開する。始めに光環境制御によるリーフレタスの品質制御について紹介し、次に、UV-A照射によるビンカアルカロイドの高効率生産について紹介する。
■特集: 医薬品製造に貢献する製品と技術
○改定PIC/SAnnex1のインパクト/㈱エアレックス/川﨑康司/Critical Systems/Ltd Gordon J.Farquharson
本改訂のトピックスはCCSである。微生物汚染管理の戦略の策定が正式に義務付けられたことになる。本稿では、背後にある潜在的なリスクに対し科学的な対応が必要となるため、そのいくつか方法について紹介する。
○ケミカルハザードに対応したキャビネット/日本エアーテック㈱/大塚陽介
本稿では、ケミカルハザードに対応した設備の選定方法とケミカルハザード対策用キャビネットの気流および構造と、安全キャビネットによるケミカルハザード物質の取り扱いについて紹介する。
■解説
○感染対策に配慮した空調換気システムStelaUVCの開発/鹿島建設㈱/鈴木幸人
本稿では、新型コロナウイルスの感染対策として、深紫外線LEDを利用したビル向けの空調換気システムを開発することを目的に、各種検討を行った結果を紹介する。
○住宅におけるエアロゾル感染制御のための換気方法/北海道大学/林 基哉
住宅内のエアロゾル感染予防のため、感染者が使用する寝室から他室へのエアロゾル拡散を抑制することが望まれる。本稿では、住宅内の感染リスクを、エアロゾル拡散実験とウイルス濃度試算によって評価し、換気方式を踏まえたエアロゾル拡散対策の要点を紹介する。
○消臭繊維を用いた悪臭除去/お茶の水女子大学/雨宮敏子
悪臭を除去する消臭繊維について概説を行う。本稿では、においに関する基本的事項、消臭機能の繊維への担持方法とその利点、悪臭除去機構について述べるとともに、筆者が研究する遷移金属の酸化作用を用いた消臭布を紹介する。
○水分散有機ナノ結晶を用いた塗布型有機EL素子/奈良先端科学技術大学院大学/水野 斎・甚上知美・柳 久雄/(国研)産業技術総合研究所/佐々木史雄
液相成長法により5,5’-bis(4-biphenylyl)-2,2’-bithiophene(BP2T)からなるナノ結晶を作製し、約150~1,000nmサイズのナノ結晶を得た。BP2Tナノ結晶を発光層に用いた有機EL素子を作製した結果、250~750cd/m2の輝度値が得られた。
○歴史から学ぶ電気自動車の在り方/慶應義塾大学/田中 茂/STPartners/原 朋子
電気自動車の過去の歴史を紹介し、100年以上に渡る内燃機関のガソリンエンジン自動車の普及と発展から、何故、現在、電気自動車へ転換するのかその意味を理解し、一つの産業革命に匹敵する移動手段の技術革新への展望について検討する。
○Well-beingの視点から見た「食による予防医学」/早稲田大学/矢澤一良
近年、世界レベルで取り上げられている概念である「Well-being」が、単なる健康だけではなく「幸福感」も含めた考えが提唱されている。本稿では、「Well-being」を身体と脳と心の健康をもたらす食と栄養の視点で概説する。
○ごみクレーン操作の自動化により効率的・安定的な運転管理を実現/三機工業㈱/柴田一栄
24時間運転のごみ焼却炉におけるごみクレーンの自動運転を、AIによって高度化。ごみの種別、貯留量を自動で判別する「AIごみクレーンシステム」を実設備に導入して効率的・安定的な運転管理を実現。
○大和ハウスグループのカーボンニュートラルへの挑戦/大和ハウス工業㈱/小山勝弘
2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、いち早くRE100に参画し再エネ100%での事業運営を目指すとともに、顧客と連携してZEHやZEBの普及を進める大和ハウスグループ。本稿では、モノづくり、まちづくりの両面から取り組む、同社の「カーボンニュートラル戦略」について、事例を交えて紹介する。
○排気フードの性能を改善させる噴流式排気補助装置/㈱朝日工業社/村上栄造・河野仁志
内側側面から空気を噴出して、周辺空気を吸引しながら収束し上昇させる排気補助装置を開発した。本稿では、実験およびCFD解析による排気補助装置の特性調査の結果を紹介する。
○半導体の生産性向上に貢献する2製品/㈱堀場エステック/本田興平・笹倉一志
キャノピー型排気フードの捕捉性能改善として、凹型吹出口の高品質な半導体を安定的に生産するためにチャンバー内の真空状態をより精緻に管理・制御することが求められている。本稿では、真空状態の管理・制御に貢献するガス成分監視に最適な四重極形質量分析計「MICROPOLEsystemQLシリーズ」、ウエハ裏面圧力制御システム「GR-500」2製品を紹介する。
○高薬理活性医薬品製造施設の二次封じ込め用ミストシャワー室の検討/㈱日立プラントサービス/末松孝章・加藤宏明
高薬理活性医薬品製造施設における脱衣前の防護服の湿潤化に用いられるミストシャワー室について、①ウェットダウン時の防護服素材の薬塵保持性と、②微細ミスト噴霧が空調に与える影響を調べたので紹介する。
○GMP入門の基礎知識①/バリデーター㈱/谷口志郎
GMP省令が国際整合性の確保、医薬品が誕生してから終結するまでの間に継続的に実施すべきリスク管理手法の導入、経営陣を含む組織全体のあり方、製造所の製造実態と製造販売承認書の齟齬としての不正問題の発覚等、国際的な状況と国内事情を踏まえ令和3年8月1日改正GMPとして施行された。本稿では、GMPを主体に医薬品の開発から製品を市場に提供するまでの薬事全般について記載した。
■製品紹介
○製薬市場向けISO29463対応エアフィルタ/日本無線㈱/関 和也
■特集: 表面分析の最新動向①
○生物試料の表面分析に関する国際標準化/神奈川県立保健福祉大学/木村芳滋
近年の生物試料の表面分析技術の著しい発展に対して、国際標準化を推進するためにTC201/WG4(バイオWG)が設立された。本稿では、具体的な分析例を紹介するとともに、標準化の現状について紹介する。
○実験室系硬X線光電子分光法の展開/(公財)高輝度光科学研究センター/西原達平/明治大学/小椋厚志
X線源に液体GaKα線を有する実験室系硬X線光電子分光装置(HAXPES_Lab.)の特徴や放射光施設との差異について紹介する。また、HAXPESの今後の展望についても紹介する。
○計測データの信頼性に関する課題/SAコンサルティング/鈴木峰晴
短期間での研究開発成果が求められている近年、多面的な信頼性が問題視されている。本稿では、再現精度、繰り返し精度等の用語の解説および要求事項を記述し、どのような点に留意が必要か紹介する。
○アトムプローブと走査型透過電子顕微鏡による複合分析実例紹介と最近の話題/東芝ナノアナリシス㈱/間山憲仁・城後香里
アトムプローブの発展経緯と原理を述べ、特定箇所におけるAPT-STEM複合分析の実用的な応用例を紹介する。最近の話題として、環境分野や医学分野の分析事例、鉱物や隕石などへの適用例を示し、様々な分野において必須分析技術となりつつあることを紹介する。
○全自動・多機能XPSの新展開/アルバック・ファイ㈱/眞田則明・寺島雅弘・間宮一敏・飯田真一・宮山卓也
当社のXPS新製品、PHIGENESISを紹介する。空間分解能と感度の向上に加えて、その特徴とする全自動・多機能の両立を解説し、全固体電池試料の界面分析への応用例を紹介する。
■特集: 食料事情を支える新技術 植物工場と代替たんぱく②
○藻類スピルリナの食品利用/㈱タベルモ/林 宏恵
スピルリナ由来代替たんぱく質の大規模生産を実現するため、我々が取り組んでいるスピルリナ生産と当社商品「タベルモⓇ」を使った加工食品開発について紹介する。
■特集: 製造業におけるカーボンニュートラル②
○2050年カーボンニュートラルに向けて/環境省/宮田真幸
2050年カーボンニュートラル(脱炭素社会)に向けて、自社のみならずバリューチェーン全体の取り組みが投融資や事業機会の拡大に不可欠となる。本稿では、バリューチェーン全体での企業の脱炭素経営と環境省の取り組みについて紹介する。
○環境付帯設備の運用コスト削減、省エネなどへの取り組み/NECファシリティーズ㈱/森 俊輔
当社では半導体工場の建設、設備構築、ならびに運転管理業務にて培った経験をもとに環境負荷低減活動を推進するサービスを提供しており、本稿では、その一例を紹介する。
■解説
○無菌治療室(BCR)における粒子状物質(PM)測定の臨床的意義/香川大学/今滝 修・植村麻希子
医療現場において管理や評価が必要な浮遊粉塵である粒子状物質(PM)による健康障害とそのモニタリングについて概説し、免疫抑制患者の治療に必要な無菌治療室(BCR)での臨床的意義を中心に紹介する。
○シリコン負極への金属被覆でリチウムイオンバッテリーのサイクル寿命を劇的に改善/東京電機大学/佐藤慶介・岩本和樹
産廃シリコンスラッジ粉末へのナノデザイン加工(表面細孔の形成)と金属被覆の融合は、表面空隙の形成に加え、シリコン/電解液間の抵抗低減を付与できるため、エネルギー・電気化学分野における蓄電池の性能向上に直結する極めて重要な技術である。本稿では、リチウムイオンバッテリーのサイクル寿命を向上させるシリコン負極について紹介する。
○バイオエアロゾルの高速処理システム開発/(国研)産業技術総合研究所/根岸信彰・山野 凌/㈱釜石電機製作所/佐藤太郎
新型コロナウイルスなどの主な感染原因とされる1〜10μmサイズのバイオエアロゾルを流体力学に基づく慣性力、および乱流効果により選択的に光触媒に衝突させ、その後光触媒で確実に処理するシステムの開発を行った。
○ナノ構造制御されたソフト材料/立命館大学/茂山友樹・堤 治
ナノ構造制御されたソフト材料:ソフトロボット、センサー、セキュリティ材料への展開について紹介する。
○リサイクル技術としてのマイクロ波加熱/立命館大学/光斎翔貴・柏倉俊介・山末英嗣
廃棄物の新たな高効率リサイクル技術として、急速・均一・選択加熱の可能なマイクロ波加熱が最近注目されている。本稿では、廃棄物からのマイクロ波加熱法による金属リサイクル研究に関する近年の動向を紹介する。
○劣化したスレート波板からの降雨時におけるアスベスト飛散/大阪市立環境科学研究センター/板野泰之・酒井 護・中尾賢志・花田拓也
表面が著しく劣化したアスベスト含有スレート波板が、現在でも散見される。本稿では、その表面に雨滴が衝突した際に、再飛散可能な形態のアスベストが周辺環境に排出されている可能性を示す調査研究を紹介する。
○喘息発作の起因物質は二酸化窒素か亜硝酸か/(地独)大阪健康安全基盤研究所/大山正幸
疫学調査で二酸化窒素は喘息と関連するが、亜硝酸も二酸化窒素として検出される。室内亜硝酸も測定した疫学的調査の結果、喘息発作は、屋外二酸化窒素とも関連したが矛盾が多く、室内亜硝酸との関連の方が重要と考えられたので紹介する。
■製品紹介
○真空成形可能な高性能帯電防止プレート/積水化学工業㈱/南出実穂
従来の帯電防止プレートでは、延伸による帯電防止性能・透明性の悪化が生じ、大きな変形を伴う真空成形へは対応不可であった。当社は延伸に伴う性能低下メカニズムを解明し、真空成形後も優れた帯電防止性能・透明性を維持できる「エスロンサーモフォームDCプレート」を新たに開発し、その新規品揃えについても紹介する。
■特集: 製造業におけるカーボンニュートラル①
○新しい分散型電力システムに向けたERAB(エネルギーリソースアグリゲーションビズネス)推進/京セラ㈱/草野吉雅
2016年から開始された需要家側エネルギーリソースを活用した新しい電力システムの構築は、現在カーボンニュートラル実現に向けたキーパーツとして注目されている。本稿では、当社が実践してきたこれまでの取り組みを紹介する。
○洗浄工程におけるカーボンニュートラルに向けた取り組み/㈱パーカーコーポレーション/杉田雅幸
工業洗浄分野におけるカーボンニュートラルに向けた考え方、取り組みについて、工業用洗浄剤の視点で紹介する。
○カーボンニュートラルに向けた世界の動向と企業に求められる取り組み/SGSジャパン㈱/池原庸介
パリ協定の下で、温暖化による気温上昇を1.5℃までに抑え、脱炭素社会の実現を目指す動きが世界で加速している。排出量の大小によらず、あらゆる企業に排出実質ゼロを目指すことが求められている。外部ステークホルダーから企業に対する要求も高まっており、中でも重要なSBTおよびTCFDへの対応や注意点についても紹介する。
○低濃度CO2排ガスからのCO2分離回収・利活用技術/エア・ウォーター㈱/貝川貴紀
低濃度CO2排ガスからCO2を分離回収し、ドライアイスを製造できる小型CO2回収装置「ReCO2STATION」を開発した。本稿では、グリーンイノベーション基金事業において次世代技術の開発も進めており、CO2利活用技術とあわせて紹介する。
■解説
○CMOSイメージセンサの進化と今後の展望/ソニーセミコンダクタソリューションズ㈱/岩元勇人
CMOSイメージセンサは、スマートフォンをはじめとして、車載、セキュリティ、ファクトリーオートメーションなど幅広い分野で用いられるようになってきている。本稿では、CMOSイメージセンサの進化と今後の展望を紹介する。
○超微細気泡発生器及び超微細気泡発生装置/公立諏訪東京理科大学/雷 忠
著者が開発した効率的にウルトラファインバブル発生器、および発生装置を紹介する。超微細気泡を効率的に生成し、様々な機能性を活用することにより、コスト削減や環境負荷の低減などに寄与できる。
○2次元シート材料を用いた完全透明太陽電池の開発/東北大学/加藤俊顕
可視光透過率約80%の肉眼でほぼ存在が認識できないレベルの高透明太陽電池の開発に、原子レベルの究極の薄さを持つ半導体2次元シートを活用することで成功した。
○ファインバブルによる洗浄/IDEC㈱/荒木和成
ファインバブルを用いて洗浄効率を上げることにより、水や溶剤、界面活性剤等の使用量を低減させ、加温に要するエネルギーセーブも実現される。本稿では、具体的な洗浄の事例や効果が上がる理由や注意すべき点について紹介する。
○光のエネルギーを蓄えられる物質の創製/愛媛大学/内藤俊雄
光は日常生活の“必需品”であるが、そのエネルギーを何かに溜めておくことはできない。本稿では、そうした可能性を持つ物質の開発を紹介する。まだ課題は多く残されているが、不可能を可能にするための第一歩である。
○職場環境の官能評価比較とにおいの慣れ調査/ダイキン工業㈱/松本智陽・福田秀和・並川 敬・坂本雅子・荒木祥平・川合蕉吾
近年では、少子高齢化などの要因を受けて、製造業における国内の人手不足が深刻化しており、ものづくり工場の働きやすい職場環境づくりが求められている。本稿では、職場環境の課題の一つである工場の特有のにおいに対して、独自のにおい分析手法を使い発生源を特定し対策することにより、作業者の官能評価に変化を与えることができたため紹介する。
○ICP-MSを用いたHDD内微粒子モニタリング方法/東芝デバイス&ストレージ㈱/水谷晶代
ハードディスクの信頼性向上のため、稼働中に筐体内部のナノ粒子をICP-MSで直接モニタリングする方法を開発した。これにより、200nm以下の粒子について、粒径、個数および元素の情報を同時に得ることが可能となった。
○食品取扱施設における日常的な手洗いの有効性に関する細菌学的実態調査/㈱町田予防衛生研究所/戸田信太郎
環境や手指等の拭き取り検査に基づく検査結果は、食品取扱施設において衛生管理の指標の一つとして利用されている。特に手指の拭き取り検査は、清浄の度合いや菌数の把握に加え、施設従事者への手洗い意識を高めるきっかけにもなり、当社においても多くの施設から検査を受託している。今回、当社で受託した手洗い後の手指の拭き取り検査について、過去5年間の検査結果を解析し、食品取扱施設に従事する人の手洗いについて微生物学的な視点から考察を行った。本稿では、その概要を紹介する。
○アスベスト対策を目的とした解体等工事の立入検査における優先度設定手法の検討/熊本県/豊永悟史・古澤尚英・中島尚哉・山形 卓
法改正により解体等工事におけるアスベスト対策の規制が強化された。このため、全国の自治体には立入検査の強化等の対応が求められている。本研究では、立入検査の効果的かつ効率的な実施に向けて、立入記録等を活用した優先度設定手法を検討した。
○加湿用水膜による分子状汚染物質除去/㈱テクノ菱和/滝口陽介
本稿では、電子工業用クリーンルーム等の分子状汚染物質(AMCs)の制御のために開発した、外気由来のAMCsを加湿膜で除去する外気処理用空気調和機のシステムについて紹介し、加湿膜で使用する吸収液を循環させた場合のAMCs除去率について検討した。
○空気清浄機とフィルタの最新試験法【ガス状物質編(その2)】/東北文化学園大学/野﨑淳夫
ガス除去フィルタのISO10121-1,2が制定され、JISB9901:1997を改訂してJISB9901-1,2が制定された。本稿では、新ISO、JIS規格の概要とガス除去性能試験の子細を紹介する。
■特集:食料事情を支える新技術 植物工場と代替たんぱく①
○植物の生理・生態と環境制御/農研機構/東出忠桐
施設園芸・植物工場では、光、温度、湿度、CO 2濃度といった複数の環境要素を制御することで効率的な植物生産を行う。すべての環境要素を厳密に管理することは難しく、植物生理に基づいた判断が重要となる。
○植物工場における害虫防除と衛生管理/大阪公立大学/平井規央・上田昇平・川本茂央
植物工場内で農業害虫が発生しないわけではない。天敵がいない環境のため、一旦侵入を許すと大発生につながることが危惧されている。一方で、商品イメージの重視から、具体的な発生例はほとんど報告されず、植物工場の害虫に関する知見や文献データは得られにくい。本稿では、特に人工光型植物工場に絞って、発生する可能性がある害虫とその対策について紹介する。
○植物工場のスマート化/岡山大学/安場健一郎
施設園芸は日本の野菜生産で重要な位置をしめているが、稲作と違って省力化が遅れている分野である。しかし、植物工場的な生産が注目され、環境制御の自動化などスマート化が進みつつある。本稿では、その現状を紹介する。
○植物工場のスマート化/大阪公立大学/大山克己
筆者らの研究グループで開発中の生産管理支援システムを取り上げる。まず生産管理支援システムの主要な構成を紹介する。その後、開発段階で浮かび上がってきたいくつかの課題について論じる。
○世界における植物工場動向と将来性/(特非)植物工場研究会/林 絵理
持続可能な植物生産方法として人工光型植物工場(植物工場)に対する世界的な期待が高まっている。本稿では、植物工場の技術的特徴、国内および海外における動向、そして持続可能な次世代型植物工場の将来性を紹介する。
○ネットモールド法による細胞性鶏肉(培養鶏肉)の作製/ダイバースファーム㈱/大野次郎
ネットモールド法は「細胞結合技術」であり、ヒト・動物・植物を問わず結合する細胞であれば有効である。結合してできた「細胞ブロック」は人工臓器にも食用にも活用できる技術である。本稿では、ネットモールド法による細胞性鶏肉の作製について紹介する。
■特集:環境感染制御の技術動向②
○環境制御が有用な病原体/東北大学病院/馬場啓聡・金森 肇
細菌や真菌、ウイルス等病原体により汚染された医療環境は、これら病原体の伝播のリザーバーとなり得るため、医療関連感染対策上、環境清掃や消毒による環境制御が非常に重要である。一方、病原体によってその汚染しやすい環境の種類やヒトへの感染経路は大きく異なるため、適切な環境制御を行う上でそれぞれの病原体の理解が必要となる。本稿では、医療関連感染の原因となる主な病原体について、感染経路別にまとめ、環境制御の有用性について紹介する。
○どうあるべきか医療施設の空調管理/鹿島建設㈱/郡 明宏
感染症対応病室の差圧管理には想定外の隙間が生じないように計画されなければならない。また、病室単体での陰陽圧の切り替えは望ましくなく、前室を介して病原性微生物等の拡散流入の防止を図ることが必要である。
■特集:再生医療の最新動向
○パッケージ型の細胞培養加工ユニットとエアバリア技術を用いたクリーンブース/ダイダン㈱/多田光輝
エントリー装置として有効なパッケージ型の細胞培養加工ユニット「オールインワンCPユニット .」と、より省スペースでクリーン環境を構築できる「エアバリアブース .」について紹介する。
○細胞培養加工室の気流最適化手法の紹介/三機工業㈱/遠藤翔太
再生医療では清浄環境が保たれたCPC(細胞培養加工室)が必要である。本稿では、CPCの壁面に排気口を複数設置し、清浄度要求箇所に応じて各排気口の風量を変更する “CPCフリーレイアウトシステム”を紹介する。
○CPC関連製品/日本エアーテック㈱/真家未妃
細胞加工物の調製は無菌操作にて行う。本稿では、安全キャビネットやアイソレータを主に、CPCにおいて無菌操作等区域における装置について紹介する。
■解説
○建築物の換気不良の実態~室内空気環境の課題と対策/北海道大学/林 基哉
住宅の気密構造や常時換気に対する理解不足によって、シックハウス対策のための常時換気設備の効果が不確実となっている。また、事務所などの大型建築物では、省エネルギー等の影響によって建築物衛生法の空気環境基準に対する不適合率が上昇している。室内空気環境の悪化による健康影響が懸念される。
○エアカーテンを活用したゾーン空調システム/新日本空調㈱/永坂茂之・品田直也・森 悠大/中部電力㈱/中山 浩/中部電力ミライズ㈱/青 勇志
「AC Zone」は、作業空間をエアカーテンで区切り、その中で空調機を運転させることにより、柱や壁を設置することなく空間内を快適な温度に保つことができるゾーン空調システムであり、周囲より5 ℃以上涼しい環境を提供し、約40%の空調エネルギーを削減する。
○クリーンルーム空調システムの評価/三機工業㈱/土屋茂樹
ダウンフローとアップフローで構築されるクリーンルーム空調方式、および従来のボールルーム方式について、モックアップを構築し局所的な換気性能を検証するとともに、各空調方式のCFDモデルを作成し妥当性を検証した。
○水や油を滑落させる高性能撥液塗料/(国研)物質・材料研究機構/天神林瑞樹
液体の不本意な付着は汚染など様々な弊害を生むため、液体の付着防止が求められる。本稿では、液体をわずかな傾斜で除去可能な高性能撥液剤を紹介する。被膜は透明・自己修復性を有し、幅広い基板に成膜可能である。
○空気清浄機とフィルタの最新試験法【ガス状物質編(その1)】/東北文化学園大学/野﨑淳夫
室内空気汚染対策のニーズ拡大にあわせ、空気清浄機の国際試験法と空気清浄機、空調機、換気装置などに使用されるフィルタ類の国際試験法が続々と制定される運びとなっている。空機清浄機は (一社)日本電機工業会、フィルタはJACA((公社)日本空気清浄協会)が日本の事務局となり、国際規格の制定に大きく貢献している。これらの製品は粒子とともに、ガス、微生物を除去するが、本稿では、ガスを対象として、空気清浄機、ガス除去材、ガスフィルタの最新の試験法とその動向を紹介する。
○電気自動車の普及への課題/慶應義塾大学/田中 茂/STPartners/原 朋子
電気自動車の普及への課題として、これまでのガソリンエンジン自動車にはなかった電気自動車の充電池と充電方法について紹介し、理解を深め、その課題について検討する。
■特集:環境汚染制御の技術動向①
○医療機関・福祉施設におけるCOVID-19クラスター対応でみえた感染制御のポイント/国立感染症研究所/黒須一見
2020年4月より厚生労働省クラスター対策班の支援として、医療機関・福祉施設を中心にCOVID-19クラスター対応に携わった。本稿では、さまざまな場面においてクラスター対応を行うなかでみえた、感染制御のポイントについて紹介する。
○病態から考えるインフルエンザとCOVID-19の感染対策/埼玉医科大学/関 雅文
SARS-CoV-2はエアロゾル感染、インフルエンザウイルスは飛沫感染が主であり、さらに接触感染対策を強化する。両ウイルス共にワクチンが有効である。インフルエンザでは抗ウイルス薬の予防投与が可能である。
■特集: 環境にやさしいサステナブルマテリアルの最新動向②
○有機半導体を用いた、塗って作れる低環境負荷な太陽電池/広島大学/尾坂 格
塗って作れる太陽電池である有機薄膜太陽電池(OPV)は、カーボンニュートラル実現に向けて重要な技術として注目されている。本稿では、OPVのこれまでの進展と筆者グループにおける材料開発について紹介する。
■特集: さまざまなセンサの新技術③
○交通系ICカードサイズで実現するナノグラムの重さが測れる分子センサー/山形大学/古澤宏幸・吉嶺浩司
水晶振動子微量天秤(QCM)法はナノグラム・オーダーの質量を計測できる手法であるが、そのデバイスは主に研究・開発現場で利用するベンチトップ型であった。本稿では、交通系ICカードサイズに小型化したQCMデバイスを開発したことについて紹介する。
■解説
○電気起因の出火と工場等の火災事例/消防研究センター/田村裕之
火災総件数は減少しているが、電気火災件数は増加している。電気火災から事業所建物火災へと進展する事例もある。本稿では、近年の電気火災の発生状況や出火機構、火災事例を交えて、火災原因と安全対策について紹介する。
○建築材料から発生する化学物質濃度の予測/㈱大林組/原嶋 寛・住吉栄作
コンクリートから発生するアンモニアに着目し、実験結果を予測する手法を検討し、実用上十分な再現精度が確認された。その上で、本稿では、実大モデル室内における枯らし工程の検討事例等を紹介する。
○ICU空調設備の提言/㈱アイソテック 中寺善彦
ICUにおける空調吹出循環換気回数の数値化を進めるための提言。
○次世代IoT社会に資するフレキシブル熱電変換デバイスと温冷提示技術の開発/京都工芸繊維大学/菅原 徹/神戸大学/和泉慎太郎/奈良女子大学/佐藤克成/青山学院大学/伊藤雄一/大阪大学/伊庭野健造
我々の研究グループでは、次世代IoT社会実現に伴うさまざまな諸問題を解決するため、ヒトのアウェアネスを刺激するヒューマンマシンインタラクション技術として、温度を時空間に精密制御することで、情報伝達ツールとして活用する研究開発を進めている。本稿では、熱電変換デバイスの研究開発を通じて、次世代IoT機器に資する情報提示デバイスの開発状況を紹介する。
○ウイルス不活化機能を有するデスクトップ型エアカーテン装置によるエアロゾル粒子の遮断/名古屋大学/内山知実・高牟禮光太郎
本稿では、当研究室で開発した優れた空間遮断力と深紫外線LEDの照射による新型コロナウイルスの不活化機能を持つ、卓上型エアカーテン装置、およびウイルス不活化装置について紹介する。
○微生物培養時の臭気に対する真空紫外線の脱臭効果/ウシオ電機㈱/内藤敬祐・寺田庄一・鈴木貴之・西尾謙吾
微生物の培養を行う際、培養器内には微生物および培地由来の臭気が充満し、扉開放時に臭気が室内に拡散する。培養器内に真空紫外線光源を搭載したユニットを設置し培養を行うと、微生物の生育に悪影響を及ぼすことなく臭気成分を分解し、脱臭することが可能である。
○洗濯用製品使用時の揮発成分挙動と空気環境/㈲環境資源システム総合研究所/浦野真弥
本稿では、柔軟剤等に関わる背景に触れたあと、柔軟剤等の利用に伴う揮発性有機化合物の挙動に関する研究結果について紹介し、クリーンルーム等の職場を想定した配慮事項や課題等について触れる。
○床チャンバーを利用した全館空調システム住宅における空気清浄度に関する実測例/日本大学/井口雅登/トルネックス㈱/浦田浩作
本稿では、床チャンバーを利用した全館空調システムが導入された住宅における、住宅内での粉塵数および粉塵濃度の実測例と、粉塵の拡散および電気集塵機を用いた集塵による粉塵数の変化に関する実測例を紹介する。
○外風の影響による室圧変動を低減させる装置の開発/㈱大気社/村上裕紀
台風など屋外強風時に空調ダクトの外気取入口や排気口から受ける外気風圧の影響で室圧が不安定になることがある。本稿では、この外気風圧の影響による圧力変動を低減させる目的で考案した圧力変動抑制チャンバの効果を、実験による結果から紹介する。
○室内バイオエアロゾルと構成微生物のリアルタイム測定の現状/広島大学/侯 建建・西内由紀子・藤吉 奏・丸山史人/広島工業大学/中嶋麻起子/京都大学/小椋大輔
本稿では、室内環境でのバイオエアロゾルのリアルタイム測定技術について原理別に、ⅰレーザー誘起蛍光法、ⅱラマン分光法、ⅲ弾性光散乱法、ⅳレーザー誘起ブレークダウン分光法、ⅴオンライン質量分析法、ⅵマイクロ流体技術の6種類について、その原理や応用例、最近の研究を含めて紹介し、市販または開発中の測定装置についてまとめる。また、バイオエアロゾルリアルタイム測定の課題と今後の展望についても議論する。
○ポリアルブチン-銀ナノ粒子複合体の開発/岩手大学/芝崎祐二
梨の皮に含まれるヒドロキノン配糖体であるアルブチンの酸化重合により得られたポリフェノールとポリエチレンイミンを共重合させ、さらに、ここの銀イオンを導入することで、新規有機無機ハイブリッド材料を開発した。この材料は抗酸化、抗菌、抗ウイルス活性を示し、天然由来のグリーンポリマーとして期待される。
○モノを汚染から護る滑液性フィルム炭素繊維複合材料でつくる滑水性表面/長野工業高等専門学校 柳澤憲史
ハスの葉は表面についた粒子を水滴が巻き込むことで汚染を防止できる。水滴除去性を実現するために、炭素繊維を複合した滑液性表面を開発した。本稿では、炭素繊維の配向によって滑液性が良好となった結果について紹介する。
○バイオプロセスを用いた次世代金属資源化の技術開発/法政大学/山本兼由/㈱島津製作所/堀 貴翔
大腸菌のはたらきをゲノムで理解し活用するバイオプロセスで、パラジウム蓄積能を高めたゲノム編集大腸菌を創出した。本稿では、これを用い、希薄パラジウム環境からパラジウムを濃縮した金属資源バイオ細胞鉱について紹介する。
■特集: 環境にやさしいサステナブルマテリアルの最新動向①
○セルロースナノファイバーの最新研究および技術動向/東京大学/磯貝 明
セルロースナノファイバーは、植物繊維の化学的・機械的な微細化処理によって調製されるバイオ系新素材であり、その質的・量的利用量の拡大による循環型・持続型社会基盤の構築への貢献が期待されている。
○サステナブルパッケージの最新動向と課題/凸版印刷㈱/有浦 澄
2022年4月施行された「プラスチック資源循環促進法」に対応したサステナブルパッケージと、その環境負荷削減効果について紹介する。
○微生物ガス発酵を用いたカーボンリサイクル技術/広島大学/中島田豊・加藤淳也
化学基礎製品のカーボンリサイクル型生産技術の一つとして、嫌気的酢酸生成菌を用いた合成ガス発酵による物質生産について紹介する。
○光誘起分解性のバイオナイロンの開発/北陸先端科学技術大学院大学/金子達雄・岡島麻衣子
海洋プラスチックごみ問題が深刻化する中、使用中は十分な耐久性を持ちつつ、廃棄後に海洋流出した後には分解性へと変化するスイッチ型分解性プラスチックの開発が待たれる。本稿では、イタコン酸から光スイッチ型分解性バイオナイロンを開発し、その有用性を紹介する。
■特集:さまざまなセンサの新技術②
○装着型センサ信号と映像による生体センシング技術とAI活用/横浜国立大学/杉本千佳
日常の中で測定可能なバイタルサインの種類は増え、さまざまな生体センサの研究開発が進み、その利用用途は多様な分野に広がっている。マーケティングでは生体センシングの活用ニーズが高まり、医療分野でも在宅医療、遠隔医療、予防医療が広がっていく中で、さらに生体センサの需要が高まる見通しだ。今後はセンサ技術の高度化と共に、多様な機能や性能を向上させる上で、信号処理技術およびAI技術の活用が重要であり、それらの技術の発展とともに新たな生体センシング手法の発展が期待される。本稿では、身近に使用される生体センサについて紹介する。
○IoTセンサー向け長寿命軽量有機熱電変換素子/(国研)産業技術総合研究所/向田雅一
導電性高分子のPEDOT/PSSを主材として用いた熱電素子により、60 ℃程度の熱源から電気エネルギーに変換し、各種センサーおよび無線通信用の電源とする手法について紹介する。
○ガスセンサの高感度化に資する機能性セラミックスの開発/長崎大学/上田太郎・兵頭健生・清水康博
極低濃度ガスを検知可能なガスセンサの開発が望まれている。本稿では、筆者らの最近の研究成果のなかから、酸化物半導体および固体電解質ガスセンサについて、ガスセンサの高感度化に必要な機能性セラミックスの設計指針を紹介する。
■解説
○ゼロカーボンを目指す持続可能な社会におけるプラスチックの使い方/早稲田大学/加茂 徹
廃プラスチックは、深刻な地球環境問題の一つである。二酸化炭素の排出を抑制し、再生可能資源から得られたプラスチック等の有機素材を循環利用して、持続可能な社会を実現させるための最新技術を検討する。
○近赤外光を用いた水蒸気分布の可視化/東京都立大学/角田直人
近赤外光を用いて、開放空間中の水蒸気の2次元分布の可視化を行った。レーザー光を拡大平行照射して近赤外カメラで受光する対向型の測定システムである。本稿では、ノズル流とヒト呼気の実験結果を紹介する。
○ネットワーク型3D CO センサの開発とCFD解析結果の比較検討/芝浦工業大学/西村直也/㈲オールド・コーベ・カフェ/石原慎一/国士館大学/南 泰裕
Raspberry Piを中心として開発した三次元CO2計測器の概要と、そのCFD計算結果との比較について紹介する。
○ゼロから始めるデジタル人材育成/㈱オーツー・パートナーズ/松本晋一
急激な業績悪化により倒産寸前の状況から、経営改革により1年で黒字に転換。現在も右肩上がりを続ける㈱IBUKI。再生の軸は、当社代表取締役の松本晋一が、ゼロベースから取り組んだデジタル人材の育成だった。
○大気圧低温プラズマ装置による液中殺菌/東京理科大学/高松利寛
大気圧低温プラズマによる液中殺菌は、安価かつ安全、高効率な処理が期待できることから、様々な分野で研究されている。しかし、装置の最適化やメカニズム調査が十分検討されておらず、広く普及するまでには至っていない。本稿では、これらの課題解決に向けて、新しい装置開発や高効率な処理の検討について紹介する。
○遠隔監視システムと活用事例/㈱戸上電機製作所/北村宙夢
近年は電気主任技術者の人材確保が年々困難になってきているため、保守点検をいかに省力化・省人化し、効率良く電気設備の監視を行っていくかが課題になっている。本稿では、電気設備における遠隔監視とは何か、何ができるのか、導入のメリット等について、同社のOUD遠隔監視サービスとともに紹介する。
○IoT/AI時代におけるスマート設備状態監視・診断技術/三重大学/陳山 鵬
AIを活かした設備状態監視・診断技術について述べ、近年開発した「オンライン・スマート設備状態監視・診断装置システム(BcDr-A)」、「ポータブル・スマート設備状態監視・診断装置システム(BcDr-B)」、およびポータブル・スマート軸受診断器(BcDr)についても紹介する。
○大規模工場における設備管理のスマート化技術/富士電機㈱/福島宗次
現場設備からさまざまなデータを収集し、稼働情報と保全情報を統合・分析することで、設備管理業務の最適化を狙いとするスマート化技術を紹介する。
■特集:さまざまなセンサの新技術①
○グラフェン電子デバイスをベースとした微量化学種センサ/東京農工大学/生田 昂
微量化学種の高感度検出を実現するため、グラフェン電子デバイスと特定の分子を特異的に捕捉する有機分子に注目したセンサ開発について紹介する。
○応力発光によるひずみ分布可視化技術/(国研)産業技術総合研究所/藤尾侑輝
構造物のひずみ・応力分布を視覚化する応力発光技術について紹介する。微小な弾性変形域で発光応答する応力発光体粒子により、構造物全体を計測しながらも破壊起点がどこかを直感的に示すことができる。
■解説
○有機半導体界面を利用した光エネルギー変換/分子科学研究所/伊澤誠一郎
光アップコンバージョン(UC)は低エネルギーの長波長の光を高エネルギーの短波長の光に変換する技術である。筆者は有機太陽電池などで用いられる有機半導体の界面を利用することで、固体中での高効率なUC過程を実現した。
○プリンテッドデバイス開発事例における溶剤・銀ナノ粒子インク材料技術/㈱ダイセル/中川政俊
現在の小型化・薄膜化、省エネルギー化といった電子機器の開発動向を踏まえ、当社が開発を進める溶剤技術、銀ナノ粒子インク材料技術について、プリンテッドデバイス開発事例を交えて紹介する。
○時代と共に進化する基材表面のコンタクトクリーニング/㈱ブルックスジャパン/篠原友実
コンタクトクリーニングシステム技術の開発者でこの分野の世界的リーディングカンパニーであるTeknek社が、各分野からの要求事項に対応するために開発した最新技術にスポットをあて紹介する。
○電気自動車の普及の利点/慶應義塾大学/田中 茂/STPartners/原 朋子
電気自動車の普及の利点について、自動車走行のエネルギー的、経済的な指標であるこれまでの「燃費(km/L)」から、「電費(km/kWh)」への変換の意味を紹介する。そして、電気自動車の普及により、温暖化で問題となる二酸化炭素排出量を大幅に削減できるかを検討した。
○超高効率のマルチバンド量子ドット超格子太陽電池/横浜国立大学/向井剛輝
コロイド型PbS量子ドットからなる超格子を光吸収層として用いた太陽電池の特性を理論的に調べ、中間バンドによる多段階の光吸収によって、単一接合構造で54%以上のエネルギー変換効率が実現できることを見出した。
○エアロゾル、高まる警戒:感染症対策における深紫外線の可能性について/東北医科薬科大学/遠藤史郎
新型コロナウイルス感染症の感染対策のkey pointは換気である。一方、構造上の理由などにより、効果的な換気が難しい状況もあり得る。そのような状況ではUVGIシステムの活用が期待されている。
○抜本的な省エネによる“コスト削減とCO2削減の両立”が可能なカーボンニュートラル対策とその事例紹介/東京電力エナジーパートナー㈱/植田 旬
各業界の工場・製造現場おいてカーボンニュートラルの実現は企業にとって大きな課題でもあり負担になっている。本稿では、カーボンニュートラル達成に向けて多く採用されている太陽光発電設備導入より、企業にとって有利にコスト削減・CO2削減の両立が可能な事例を紹介する。
○飛沫粒子の可視化と計測の技術及び実例/新日本空調㈱/岡本隆太
飛沫感染の対策立案には、飛沫の挙動を知ることが重要だが、その手法の一つとして、本稿では、浮遊微粒子の可視化技術を応用した計測について実例を紹介する。
○CO2濃度の可視化に基づく生産性向上とエアロゾル感染予防/電気通信大学/石垣 陽
CO 2濃度の可視化事例を、エアロゾル感染予防のための定常的な換気の指標とトレーサガスによる集団感染の再現、さらに、生産性向上や産業事故防止の観点から紹介する。さらに、CO 2センサ選定時の技術的な注意点にも触れる。
○紫外線の生物への影響と紫外線殺菌の利用上の注意/東海大学/竹下 秀
新型コロナ感染症などの感染防止対策の一つとして紫外線殺菌がある。紫外線殺菌は使い方を誤ると、空間に存在している全ての生物に悪い影響を与える。紫外線の生物への影響をまとめるとともに、紫外線殺菌の利用上の注意を述べる。
○光エネルギーで環境浄化/東京理科大学/勝又健一
地球上にありふれた元素からなる酸化チタン、およびオキシ水酸化鉄を用いた光触媒反応により、水や空気の浄化について調査した。酸化チタンは多孔質基材との複合化、オキシ水酸化鉄は水中で効果的に酸化分解を示すことがわかった。
■製品紹介
○環境・設備デザイン賞入賞「ダイナミックレンジ放射空調」と「変風量コアンダ空調」/新菱冷熱工業㈱/坂本 裕・五十嵐瞳/㈱三菱地所設計/平須賀信洋・加藤 駿
○クリーンルーム内における集塵機の役割/チコーエアーテック㈱/チコーラボチーム
○空調機用オイルミストコレクタ/ミドリ安全エア・クオリティ㈱/中村亮介/ミドリ安全㈱/畠野隆志
■特集: 最新のデータセンター
○データセンターの固有技術とその取り組み/鹿島建設㈱/田中昌幸・前田健蔵・大西克保
外気をサーバ室内に導入せず外気冷房を行う「間接外気冷房システム」、および建築工事で構築した設備データを安全に顧客のデータセンター管理システムにリアルタイムで送信する「監視システムのクラウド化」に関して紹介する。
○データセンターの高密度化対応とさらなる省エネルギー/清水建設㈱/白谷 毅
高密度化対応は、サーバラック当たりの消費電力10 kW程度であればシミズ壁吹出空調で対応可能。さらなる省エネルギーは、PUE1.3未満には冬季を中心に自然エネルギーを利用した冷凍サイクルを極力運転しない空調方式が不可欠。
○超高密度・高発熱サーバーに対応した液浸冷却システムの取り組み/大成建設㈱/松原利幸
今後、想定される画像処理やデータ解析などの高度な情報処理で使われるサーバーは、従来よりも高発熱になる一方、データセンター側として、さらなる省エネルギーも求められる。本稿では、数ある空調方式から、当社が液浸冷却システムを検討するに至ったか、その取り組みを紹介する。
○データセンターの固有技術とその展開/新菱冷熱工業㈱/三國恒文
当社がデータセンター向けに開発した『空間ビジュアライズシステム』はサーバー室の温度・気流環境を「見える化」するシステムである。本稿では、その機能説明と、小規模サーバー室への適用事例を紹介する。
■特集:空気の質を考える②
○富士山を用いた地球規模大気汚染の観測/早稲田大学/大河内博
富士山は地球大気観測に適した高さ4,000m級の巨大観測タワーである。本稿では、富士山頂における有害大気汚染物質、雲水化学の長期観測について解説し、大気中マイクロプラスチック観測の最前線について紹介する。
■解説
○ティッシュエンジニアリングの未来/東京女子医科大学/田中龍一郎・清水達也
ティッシュエンジニアリングは、人工的に生体組織を作るための技術、方法についての学問である。長年の研究の中で、再生医療、創薬・疾患モデル、培養肉、ロボットなど様々な分野へ応用されてきた。本稿では、これらの技術について紹介する。
○人工飛沫発生装置を用いた屋内空間における咳飛沫挙動の検討/㈱テクノ菱和/馬場航哉
COVID-19の感染には、呼吸器官から発生する飛沫や飛沫核が大きく影響する。本稿では、人工飛沫発生装置を用いて咳から発生する飛沫に着目し、人間の唾液を模擬した人工粘液組成について検討、屋内空間での拡散挙動について検証した内容を紹介する。
○循環炭素社会実現に向けたカーボンリサイクルの展望と課題/(一社)カーボンリサイクルファンド/北村雅良
地球温暖化問題の解決には、徹底したCO 2排出削減に加え、CO2を資源として活用するカーボンリサイクル、すなわち、「循環炭素社会」の実現が重要である。本稿では、カーボンリサイクルの展望と課題について、業種横断プラットフォームである当法人の活動も交え紹介する。
○運転データ活用によるクリーンルーム空調の運用改善/名古屋大学/田中英紀
クリーンルーム空調システムの冷房期の運転実績データをもとに現状把握を行い、外調機の給気温度設定変更を運用改善策として抽出した。この省エネルギー効果について、実績値を活用したシミュレーションにより定量化するとともに、実システムに改善策を反映して効果実証を行った。この結果、空調システム全体で約10%の省エネルギー効果が確認された。本稿では、この詳細について紹介する。
○赤外線サーモグラフィを用いた発熱者スクリーニング /元)立命館大学/木股雅章
赤外線サーモグラフィによる発熱スクリーニングの課題を三つの要素(体温vs体表温度、環境要因、装置絶対精度)に分けて紹介し、この技術の有効活用について考える。
○防虫、捕虫機器による異物混入対策/日本エアーテック㈱/高野雅史
2021年6月1日よりHACCPの導入・運用が完全義務化し、防虫、捕虫機器の需要が増加している。当社では設置場所やレイアウトに応じて防虫用エアーカーテン、および吸引捕虫器の導入を推奨している。本稿では、吸引捕虫器の性能について最新のデータを用い紹介する。
○真菌関連アレルギー性気道疾患患者宅における室内空気中揮発性有機化合物の測定/東海大学/関根嘉香・福嶋和真・白石良樹・浅野浩一郎
真菌に起因するアレルギー性気道疾患の発症、および再燃を防ぐには、室内真菌の制御が必要と考えられる。パッシブサンプラー法による室内空気中VOCs濃度の測定により “隠れた”真菌汚染を検出できる可能性が見いだされた。
○室内環境における代替シロアリ防除剤の汚染実態調査およびリスクの初期評価/静岡県立大学/雨谷敬史・山口夏純・王 斉/横浜国立大学/三宅祐一
住宅を守るためのシロアリ防除剤には残留性が必要なことから、ヒトや生態系への影響も懸念される。一口にシロアリ防除剤と言っても様々な物性があり、同時分析が難しい。本稿では、それらの分析方法や初期リスク評価について紹介する。
○ISO16000-33:GC/MSを用いたフタル酸エステル類の定量の改訂/国立医薬品食品衛生研究所/酒井信夫
フタル酸ジ-n-ブチルおよびフタル酸ジ-2-エチルヘキシルの室内濃度指針値改定に伴い、筆者らは室内空気中フタル酸エステル類の標準試験法を策定した。本稿では、本法の国際規格化の進捗状況について紹介する。
■製品紹介
○無菌操作の空間構築における新しいスタンダード/㈱ダルトン/今野駿介・井上彩慧子
○深紫外線LEDによる空間除菌機 /日立造船㈱/森田吾郎
○生産管理システム/澁谷工業㈱/村中志有
 
■特集:空気の質を考える①
○シックビルディング症候群に関連するオフィスビルの室内環境要因/近畿大学/東 賢一
シックビルディング症候群について、その概念や関連する室内環境要因等について概説するとともに、近年、著者らが日本で行ってきた実態調査の概要を紹介し、シックビルディング症候群に対する今後の課題を紹介する。
○最新の紫外線光源による殺菌技術と今後の展望/東芝ライテック㈱/井手渚紗
従来、主にプロユースで殺菌用に用いられてきた紫外線が、感染対策として注目を集めている。本稿では、紫外線によるウイルス不活化・殺菌のメカニズムについて紹介し、殺菌用に用いられるUV-C光源と搭載製品、浮遊菌への効果検証結果について紹介する。
○VOC処理における昨今の動向/東洋紡㈱/水谷晶徳
空気清浄技術の一つであるVOC(Volatile Organic Compounds)処理技術と、昨今のSDGsや気候変動対策に関する動向について紹介する。
■特集:コロナ等の感染症の現状とその対策②
○ウイルス感染対策としての換気の考え方/芝浦工業大学/諏訪好英
新型コロナウイルスCOVID-19もたらした世界的なパンデミックは、いまだに終息の兆しが見えない。このような未曾有の事態が続く中、どのように感染対策すべきなのか、ウイルスの感染メカニズムをよく理解した上で技術的な側面から効果的な対策手段を見極め、実行していく必要がある。本稿では、ウイルス感染対策として効果的な換気をどのように考えるべきかについて、これまで得られている技術的知見に基づき考察する。
○病院施設での感染リスク低減に向けた研究/㈱竹中工務店/野村佳緒里・天野健太郎・齊藤 智・千葉友樹・上田真也・萩平隆司・松永知大
COVID-19の流行に伴い、医療施設において感染拡大防止のための施設計画や運用改善が必要とされている。本研究では実際の病室を対象に、空調換気システムの性能評価試験を行い、実状把握に取り組んだ結果を紹介する。
○診察室における気流による環境分離システムの開発/㈱テクノ菱和/安井文男
新型コロナウイルス感染症患者が受診する医療施設では、感染防止対策は非常に重要である。患者の呼気活動によって排出される飛沫を、プッシュ・プル気流によって除去・捕集するシステムを考案した。プッシュ気流を患者と医者の間に流すことにより、患者の呼気から排出された飛沫が医者へ到達させないシステムについて検討した。
■製品特集:マスクフィットテストの製品と技術
○マスクフィットテスト関連製品とテスト実施についてのサービス/興研㈱/石川健彦
○定量的フィットテストのグローバルスタンダード/トランステック㈱/荒井豊明
○呼吸用保護具を正しく装着するために/柴田科学㈱/佐々木洋
○定量的フィットテストにおける当社のフィットテスト用サンプリングアダプターの開発及び使用方法/㈱重松製作所/渡邉雅之
○マスクフィットテスト関連製品の特長と概要/日本カノマックス㈱/小牧 実
■解説
○高薬理活性固形製剤棟の紹介/シオノギファーマ㈱/浜辺雄太・野網 誠
当社は、近年社会的背景から需要が高まっている高薬理活性の原薬製造法開発、製剤処方開発から商用製造までの受託サービスをワンストップで提供できる体制を構築するため、新棟建設、設備導入などを進めてきた。本稿では、2021年9月に竣工した、高薬理活性固形製剤棟の最新構築事例について紹介する。
○放射性セシウムを効率的に除去できるファイトレメディエーション/岩手大学/ラーマン・アビドゥール・伊藤圭汰
世界で初めて、ABCG33およびABCG37タンパク質をカリウム非依存性セシウム取り込み、タンパク質として同定した。これは、土壌からセシウム汚染を除去するクリーンテクノロジーを開発する研究を大いに促進する発見である。
○フロン排出抑制法の改正のポイントと注意事項/(一社)日本冷凍空調設備工業連合会/河西詞朗
フロンメーカー、機器メーカー、管理者(ユーザー)、解体業者、廃棄物処理業者、充.回収業者、フロン再生業者・破壊業者等フロンの製造から廃棄までの包括的な対策を実施する「フロン排出抑制法」を紹介する。
○人工細胞膜を用いるバイオハイブリッドセンサ/(地独)神奈川県立産業技術総合研究所/大崎寿久・竹内昌治
細胞膜をマイクロ流体デバイス上に作製する人工細胞膜デバイス技術を基盤として、生体ナノポアや昆虫嗅覚受容体の機能をデバイス上で活用する、バイオハイブリッドセンサの実現に向けた研究の進展を紹介する。
■特集:CO2削減に向けた取組み
○気候変動対策のカギを握るカーボンリサイクル技術の取組みと展望/経済産業省資源エネルギー庁/桑原崇浩
カーボンリサイクルは、カーボンニュートラルを実現するためのキー
テクノロジーである。政府としては、カーボンリサイクル技術ロードマッ
プの策定、グリーンイノベーション基金をはじめとする技術開発・実証、
国際展開等を通じて、産学の取組みを後押ししている。本稿では、カー
ボンリサイクルに係る政府の取組みや国内外の動向、カーボンリサイク
ル技術の社会実装に向けた技術開発プロジェクト等を紹介する。
○当社から脱炭素社会実現に向けた提案/愛知時計電機㈱/西川明宏
「省エネ」が「脱炭素」へと置き換わり、産業界でもエネルギー使用量
の見える化は転換期を迎えようとしている。我が国では2050年までの
CO2排出量実質ゼロ、すなわち脱炭素社会の実現を目指している。本稿
では、当社のエネルギー使用量の見える化ソフト(Eneface)を使った
事例を引き合いに、脱炭素社会実現に向けた取組みを紹介する。
○製造業におけるエネルギーの消費実態および脱炭素に向けた電化の方向性/㈱富士経済/清水耕平
2050年脱炭素化に向け、製造業は従来の延長では実現が難しく、熱
需要の脱炭素化、電化が鍵となる。そこで、富士経済発行市場調査資
料を元に製造業のエネルギー消費実態を捉えると共に、国内外の電化
方向性を整理した。
■特集:コロナ等の感染症の現状とその対策①
○SARS-CoV-2の起源について考える/国立感染症研究所/前田 健
Emerging Infectious Diseases(新興感染症)が次々と発生してき
ている。1970年以降その発生頻度が著しく高くなってきた。エボラ出血
熱、エイズウイルスなどが新興感染症に含まれている。2019年末に発
生し、世界中の5億人以上が感染し、600万人以上の死者を出した重症
急性呼吸器症候群コロナウイルス-2(SARS-CoV-2)の出現は、世界を
震撼させ、医療体制のみならず多くの分野で影響が出た。SARS-CoV-2
の起源はまだ明らかとなっていないが、それに関していくつか考察して
みたい。
○With/Afterコロナの医療と連携した施設づくり/㈱日建設計 近藤彰宏
コロナの医療と連携した施設とは、病院および病院と連携する病院以
外の施設を示している。本稿では、最初ににコロナおよびその他の感染
症によるパンデミックに柔軟に対応できる病院のモデルプランの提案を
提示し、次に大空間を使った臨時対応の提案を行い、最後に病院以外
の施設として、例えばホテルなどの宿泊施設をコロナ対応に活用する改
修プランの提案を紹介する。
○蛍光粉体と模擬咳発生装置による4床病室感染リスク評価/清水建設㈱/冨田賢吾・辻 裕次・栗原 隆・田中 勲/順天堂大学/堀 賢
模擬咳発生装置を作製して蛍光パーティクルカウンタを用いた模擬
咳由来蛍光粒子の測定を行い、室内感染リスク評価方法としての有用
性を検証した。あわせて、本稿では、空調方式の違いやマスクによる感
染リスク低減効果を検討した結果を紹介する。
■解説
○三次元CO2センサの開発とCFD解析の整合性に関する研究/芝浦工業大学/西村直也/㈲オールド・コーベ・カフェ 石原慎一/国士舘大学/南 泰裕
Raspberry Piを中心として開発した三次元CO 2計測器の
概要と、そのCFD計算結果との比較について紹介する。
○拠点回収と水平リサイクルでプラ容器を循環/アミタホールディングス㈱/宮原伸朗(話)・デハーン英利子(執筆)
資源の調達リスクが増大する中、サーキュラーエコノミーの概念を事
業に取り入れる企業が増えている。その動きを先導しているのが、日用
品大手など40社が加盟し、様々な資源の最適循環の仕組み化を目指す
J-CEP(Japan Circular Economy Partnership)である。J-CEPでは、
拠点回収スキームの構築や水平リサイクル技術の実証等を通じて、1社
では難しい日用品のプラスチック製容器包装の循環に取り組んでいる。
○クリーンルーム内作業時の動作強度と発じんに関する研究/三機工業㈱/遠藤翔太
CR内での作業動作の発じん量と動作強度を求め、二者の関係性を評
価した。光学式モーションキャプチャを用い、非接触での動作強度の数
値化を行っている。結果、動作強度と発じん量は比例していた。
○次世代半導体(ISFET)pHセンサー/東京大学/茅根 創/㈲メビウスアドバンストテクノロジー/辺見彰秀
感応膜を半導体から離し、参照電極に代えてゲート電位を検出する
X電極を用いた次世代半導体(ISFET)pHセンサーによって、深海、
腐食性溶液、人体、食品などのpHを高精度・連続で計測することがで
きる。
○光触媒活性を示す新規なセラミックス材料/大阪公立大学/横川善之
光触媒が省エネ、エコロジーの点で注目を集め、多様な固体半導体
が光触媒として開発されている。構成金属やアニオンを変えた新規な層
状セラミックスは、良好な紫外線防護、湿式分解性試験で良好な活性
を示した。優れた光吸収特性を持ち、幅広い範囲への展開が期待される。
○高性能な生分解性プラスチックの創製と将来展望/東京大学/岩田忠久
環境中の微生物によって水と二酸化炭素にまで完全に分
解される「生分解性プラスチック」と、再生可能なバイオマスから生産
される「バイオマスプラスチック」に関する当研究室の研究成果につい
て紹介する。
○レーザー加工印刷を新機軸としたナノインプリント技術/東北大学/中川 勝
ナノインプリント技術は、型を用いる成形加工技術であり、次世代の
通信を担うナノフォトニクスや情報を担う半導体ナノデバイスをはじめ
とする、広範にわたる技術分野での生産技術として期待されている。本
稿では、リソグラフィプロセスに適するレジスト成形が行えるレーザー
加工孔版印刷を新機軸としたナノインプリントリソグラフィの一連のプ
ロセス技術と材料を紹介する。
○トマトジュース中におけるカビ生育/東京都健康安全研究センター/高橋由美・上原さとみ・千葉隆司
都内で発生した食品苦情の例として、紙パック製容器入りトマト
ジュース中のカビ苦情事例を紹介する。本稿では、「カビの生育温度」
に注目した保存試験から得られた、トマトジュース中のカビ生育状況に
ついて紹介する。
- 出版社:日本工業出版
- 発行間隔:月刊
- 発売日:毎月5日
- サイズ:A4変形判
■ その研究・設計から維持管理まで
本誌は、発展と応用分野の拡張の時代にあるクリーンテクノロジーの総合専門誌です。毎号、クリーンテクノロジーの最新情報を、その研究・調査・企画設計から建設・維持・メンテナンスにいたるまで、ソフトとハードの両面にわたって、実際に役立つかたちで皆様にお届けしてまいります。
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