■特集:パーティクル・除塵・気流の解析技術 ○X線CTを連携したフィルタ内流れの数値解析/広島大学/石神 徹 著者らが近年開発した、X線CTによる微構造の画像解析を連携したフィルタ内部の種々の分散系流れを解析するための計算機シミュレーション手法について、計算事例を交えて紹介する。 ○感染予防のための画像解析技術の導入/㈱LightblueTechnology/樋口 翔・川崎雄太・園田亜斗夢 我々は画像解析を用いたコロナ感染予防の支援として、手すり接触判定およびマスク着用判定システムの開発を行った。本稿では、それぞれの開発・導入、そしてアプリケーション提供方法ごとの特徴について紹介する。 ○半導体製造工程における汚染解析および汚染制御技術/オフィスシラミズ/白水好美 歩留改善・維持のために各種汚染のデバイス特性を研究してその制御レベル、制御技術、モニタリング技術を示す。さらに最先端デバイス開発におけるクリーン化技術の課題を示し、今後のクリーン化技術の方向性を示す。 ○細胞培養環境室内の空気質と培養細胞に与える影響/清水建設㈱/阿部公揮 再生医療における細胞培養に関し、細胞生産を工業化するためには、生産環境を整えることが重要である。本稿では、空気質に着目し、現状当社が取り組んでいる培養環境調査と細胞への影響について調査した結果を紹介する。 ○空調吹出し気流のCFDモデリング手法とラインディフューザーへの適用例/福井大学/桃井良尚/大阪工業大学/河野良坪 吹出し気流のCFDモデリング手法について概説するとともに、単純なライン吹出し気流にCFDモデリング手法を適用した解析例とその解析方法を紹介する。 ○感温蛍光ワイヤーを用いた気流温度分布計測システムの開発/山梨大学/舩谷俊平 感温蛍光体を塗布した極細ワイヤーを用いた気流温度分布計測システムを紹介する。2波長LIF法による検定レス化など、計測の簡易化についても紹介する。 ○気流制御問題における設計手法の検討/三菱電機㈱/池田 孟・服部弘憲・諏訪孝典・小林史典・児玉拓也・小林 孝 エアコンにおける気流の制御技術の概要と数値計算の方法を紹介する。数値計算結果を機械学習によって分類・整理する方法と、強化学習による気流制御の設計検証方法を紹介する。 ○医療従事者の感染リスクを低減する換気装置の開発/㈱大気社/今若直征 簡易の医療施設などでの診察や治療で医療従事者が新型コロナウイルス感染患者に対面で医療行為を行う場合に感染リスクを低減できる換気装置の開発について紹介する。 ■解説 ○リチウムイオン電池用電解液の技術トレンド/山口大学/安部浩司 最近のLIBの車載用途への拡大に伴い、電池開発は「高容量化と高出入力化」の比重が高まっている。本稿では、これらのニーズに伴う「信頼性や安全性」の課題に対して、現在行われている電解液技術の取り組みについて紹介する。 ○リチウムイオン電池用機能性バインダー技術の開発/日本ゼオン㈱/金田拓也 近年、機能性バインダーがリチウムイオン電池の性能を大きく左右することが広く認知され始め、固液界面の反応を制御するための機能性材料として大いに注目を集めている。本稿では、リチウムイオン電池の高機能化に寄与するバインダー技術について実例を交えながら紹介する。 ○工場の省エネルギー化に向けた取り組み/新日本空調㈱/白石 等 省エネルギー化への取り組みについて、精密機械工場の省エネ手法を例に記述するとともに、当社の省エネ技術について紹介する。 ○従来比コスト90%減を目指した塗布型環境エネルギー変換素子の創製/小山工業高等専門学校/加藤岳仁 超軽量で形状の制約がなく、伸縮性とフレキシビリティを持つ安全で高効率な塗布型発電体の研究開発について紹介するとともに、本技術がもたらす、コロナ禍後の新しい社会へのイノベーションについて紹介する。 ○家庭用空気清浄機の微粒子除去技術/㈱富士通ゼネラル研究所/永吉健太郎 家庭用空気清浄機は、室内空気を循環しながら汚染濃度を下げる。集じん効率が100%に近い機器では風量の差が清浄スピードに効く。本稿では、一般的な静電フィルタと電気集じん方式の特徴、オゾン低減の試み、性能評価方法とよりよい使い方について紹介する。 ○繰返し除菌性試験方法/富士フイルムホールディングス㈱/林 利明 新たに公示されたJIS Z 2811(繰返し除菌性試験方法)について紹介する。また、本JISの活用例についても併せて掲載した。 ■シリーズ:バイオクリーンルーム関連製品 ○エアロックブース/㈱大気社/小吹尚也 ■製品紹介 ○空気清浄度管理に最適な新型パーティクルセンシングモニター/神栄テクノロジー㈱/徳丸浩明・杉江研勇
■特集:すすむ建築DX ○点群データをBIMにつなげる/㈱エリジオン/中川大輔 現場のデジタル化を目的に建築業界での導入が進む3Dスキャナー。本稿では、先進企業のスキャナー導入とBIMの取り組みがどのような関係にあるか、また、その中で点群処理ソフトInfiPoints .がどのような役割を果たしているかを具体的に紹介する。 ○BIM活用による施工のDXに向けた取り組み/新菱冷熱工業㈱/齊藤恒英 建設業では労働人口が減少しており、従来の生産能力を確保するための業務効率化が求められている。本稿では、建築設備工事におけるBIM活用の取り組みとして、BIMの持つデジタルデータを、部材加工や施工図描画ロボットに利用することによる施工のワークフロー変革について紹介する。 ■解説 ○環境センサによるクリーン空調制御システム/清水建設 小松原正幸・染谷孟行・近藤恒佑・長谷部弥 主な発塵源が作業員の作業行動であることを事前に確認済みの産業系CR内の環境を、天井に設置した画像型人感センサとパーティクルセンサで捉え、取得情報に応じてFFUの風量を最適制御する「クリーンEYE」を紹介する。 ○バイオ原薬の新規多品目生産プラントの紹介/中外製薬工業㈱/上野誠二・今村暁則 当社浮間工場に新設されたバイオ原薬の新規多品目生産プラントついて、その設計コンセプトとそれに基づいた設計概要について紹介する。 ○改正されたJIS Z8103-2019「計測用語」/三興コントロール㈱/田村 純 2019年5月にほぼ全面改正されたJIS Z 8103-2019「計測用語」が発行された。これは世界的に汎用性のある「国際計量計測用語」(VIM:International Vocabulary of Basic andGeneral Terms inMetrology)を参考にして、VIM3も取り入れた「測定における不確かさの表現ガイド」(CUM:Guideto the Expression of Uncertainty in Measurement)中の用語も多数取り入れた。これで世界の経済的、技術的潮流に沿った用語集となり他の多くのJIS規格中で使われる用語のバイブルとなった。これからの産業現場における影響も大きいと思う。 ○ニューノーマルの観点から加速するDX推進と政策展開/経済産業省/高野了成 新型コロナウイルスの世界的な流行によりパラダイムシフトが起きた2020年。企業を取り巻く環境は急激に不安定化し、ニューノーマル(新しい事業環境)にあわせた変革はあらゆる業界において最優先の取り組み事項となっている。こうした中で、迅速な環境変化への対応や、システムのみならず企業文化をも変革していくことは、企業が取り組むべきデジタルトランスフォーメーション(DX)の本質的な課題である。しかしながら、我が国ではいまだ9割以上の企業がDXにまったく取り組めていない、または散発的な実施に留まっている段階である現状が明らかになった。本稿では、コロナ禍によって表出したDXの本質とDX推進の加速に向けた政策展開について、経済産業省が2020年12月に発出した「DXレポート2」に沿って紹介する。 ○本格普及期におけるデータとAIとは/日本アイ・ビー・エム㈱/宮坂真弓 ニューノーマルの時代を迎え、人々の働き方も変わり、「データとAIを検討しよう」段階から、「データとAIを今すぐに活用しなければならない」時代を迎えている。本稿では、そうした現状を踏まえ、本格普及期におけるデータとAIの在り方について紹介する。 ○SiCパワー半導体モジュールの技術動向と将来展望/三菱電機㈱/山田順治 Si半導体を超える高性能半導体として注目を集めるSiCパワー半導体に関して、SiCパワー半導体がなぜ高性能なのかをチップ技術から解き明かす。本稿では、さらに新市場がSiCパワー半導体に要求する課題と、その解決状況を、パッケージ技術を中心に紹介する。 ○脳+五感MEMS/慶應義塾大学/三木則尚 ヒトに人工的な五感情報を与えることでVRやARなど新たな応用が可能となる。本稿では、五感ならびに脳の計測や、刺激を可能とするウェアラブルデバイスに、小型化、軽量化を得意とするMEMS技術がどのように貢献するか、実例を交えながら紹介する。 ○室温で発電する塗布型熱電シート/九州工業大学/宮崎康次 塗布できる熱電材料として開発を進めているハロゲン化ペロブスカイトについて我々の取り組みを紹介する。 ○光触媒技術の内装用抗菌・抗ウイルス建材に向けた展開/TOTO㈱/鳥山信治・高見浩輔 昨今、ウイルス感染症の対策として光触媒の抗ウイルス効果に対する期待が高まっている。本稿では、内装用途における抗菌・抗ウイルス効果や防臭効果を有する光触媒製品の技術開発の展開について詳しく紹介する。 ○送風機の騒音低減と騒音予測/三菱電機㈱/畠中貴翔・福井智哉・迫田健一 当社では、送風機を用いた機器の高性能化、低騒音化に持続的に取り組んでいる。本稿では、空調機や換気機器に使用される送風機から発生する空力騒音の騒音低減に関する取り組み、数値流体解析による騒音予測について紹介する。 ■シリーズ:バイオクリーンルーム関連製品 ○パッケージ型ヒュームフード向け給排気システム/高砂熱学工業㈱/青山剛士 ○省スペースで設置できる再生医療向けクリーンブース/ダイダン㈱/多田光輝
■特集:ゾーニングや非接触による感染防止について ○キャッシュレス化による感染症対策ついて考える/㈱ニッセイ基礎研究所/福本勇樹 新型コロナウイルス感染症の予防・拡大阻止の観点で、キャッシュレス化の有効性について考えてみたい。本稿では、「現金決済の公衆衛生上の問題点を解決する目的でキャッシュレス決済を推奨すべきか」「感染症拡大を阻止する目的での購買履歴データの利活用に問題点や課題はないか」に着目する。 ○既存の機器に後付けで設置できるタッチパネル/大日本印刷㈱/秋山知哉 既存機器に後づけで空中操作が可能になる「DNP非接触ホロタッチパネル」を開発した。画面にフィルムを貼ることでタッチする高さの目安になる模様が空中に浮かび楽に操作ができるようになる。 ○非接触で操作可能なタッチパネルモニターの開発/三菱電機エンジニアリング㈱/坂井雅彦・阿野賢児 新型コロナウイルスの流行により不特定多数の人が触れて操作する端末は、非接触が求められている。本稿では、当社保有の技術と新しい技術を融合し、非接触で操作可能なタッチ端末を開発したので紹介する。 ■解説 ○デジタル変革時代のAI活用術/SCSK㈱/古宮浩行 新たな時代に求められている変革(DX)を「攻め」と「守り」の8象限で解説。AIの活用法をその民主化(誰もが活用できるAI)の先進事例を交えて紹介するほか、DXの時代に求められる五つのスキルなども紹介する。 ○気温の変化に応答して遮熱するゲル/秋田大学/中村彩乃・村上賢治 冷房の消費電力を抑えるため、温度応答性高分子であるヒドロキシプロピルセルロース(HPC)を用い、外部の温度変化で自動的に遮熱するHPCゲルを作製した。本稿では、HPCゲルの光学および遮熱特性の評価内容を紹介する。 ○シリコンフォトニクスを用いた静電気検知/大阪府立大学/高橋友基・保田賢志・高橋 和 静電気は、宇宙産業において重大な事故を引き起こしてきた。我々は、シリコンフォトニクスを用いた静電気検知を研究している。本稿では、高Q値ナノ共振器シリコンラマンレーザの空間電荷に対する応答を紹介する。 ○セルロースナノファイバ:植物由来の自然に還るバイオ系先端材料/東京大学/磯貝 明 セルロースナノファイバーは、再生産可能で、大気中のCO 2の蓄積物である植物セルロース繊維の微細化処理によって製造される。その特異的なナノ形状と特性により、各種先端および汎用材料への応用展開が進められている。 ○圧電MEMS技術:成膜、評価および応用/神戸大学/神野伊策 圧電薄膜を用いたMEMS技術について、その特徴と実用化に向けた現在の開発状況、また、圧電薄膜およびその評価技術に関する基礎について紹介する。 ○駅トイレ床面の清掃方法の違いと細菌の特徴を考察する/(公財)鉄道総合技術研究所/川﨑たまみ 床構造の違いにより異なる方法で清掃を実施する駅男子トイレ床面上の細菌の特徴を把握し、効率的な清掃を模索するためにマイクロバイオーム解析を実施し、細菌の特徴の整理を行った。本稿では、研究の一部を紹介する。 ○液晶技術で実現するディスプレイの多様性/シャープディスプレイテクノロジー㈱/箕浦 潔 ディスプレイ高付加価値化としてのLCDからOLEDへの移行の中で、LCDが生き抜いていくための開発戦略再構築が求められている。LCDでしか実現しえない特長技術開発、LCDが優位な特性の技術開発促進、LCDとして求められる技術進化、の三つの開発軸を紹介する。 ○COVID-19流行下のストレスの把握と芳香浴によるストレス緩和効果の検証/関西学院大学/竹澤智美・片平建史・杉本匡史・長田典子/アットアロマ㈱/千葉正貴・濱岡和輝・深津 恵・片岡 郷 COVID-19流行下のStay Homeに起因する新たなストレスが、芳香浴で緩和されることを実証。 ○不定期データを用いたポンプ診断技術/高砂熱学工業㈱/柴田克彦 クリーンルームの水熱源設備やユーティリティ設備において、水搬送用のポンプは不可欠な機器である。当社は(国研)新ネルギー・産業技術総合開発機構のインフラ維持管理・更新等の社会課題対応システム開発プロジェクト(2014~ 2018年度)に参画し、回転機器、特にポンプを対象としたライフラインコア設備の早期異常検知と健全性確保を担保する常時モニタリングシステムの技術開発と実証試験を行ってきた。本稿では、プロジェクトを通して開発した、不定期な振動データを用いたポンプ診断技術を紹介する。 ○食の安全を守る「食中毒菌センサ」の開発/北九州市立大学/礒田隆聡 食品の製造や流通のグローバル化に対応するため、国内では2021年6月より全食品事業者に対してHACCPに準じた食品管理が義務化された。現行の食品衛生検査は時間と労力が必要であり、これを補完する技術が求められている。本稿では、HACCP対応のための食中毒菌センサの開発について、2020年12月に科学技術振興機構(JST)でオンライン開催された「ライフサイエンス 新技術説明会」での開発事例を紹介する。 ○流体による騒音・振動/中央大学/丸田芳幸・戸井武司 本稿では、流体を扱う設備や機械・装置で発生する、流力発生音と流体関連振動に関して、発生機構と定性的な特性とを簡単に紹介する。騒音や振動を誘起する原因は、流体中にある物体周囲の渦度の変動である。渦度の変動を制御することで、流体騒音の音源や流体加振力を抑制することが可能になるが、渦度変動を制御する技術が未確立である。
■特集:Withコロナ時代の各種技術と考察 ○Withコロナ時代に向けた深紫外LEDの活用法/徳島大学/南川丈夫・駒 貴明・鈴木昭浩・永松謙太郎・安井武史・安友康二・野間口雅子 新型コロナウイルス感染症の有効な予防策の一つとして注目されている、深紫外LEDを用いた新型コロナウイルス不活化法について、その一般的不活化メカニズムから実際の不活化効果について紹介する。 ○WithCOVID-19オフィスにおける『かけ流し空調』の考察/㈱日建設計/田辺慎吾 COVID-19によるワークスタイルの転換を通じて、これからの働く場に求められる安全・安心な空調システム(かけ流し空調:室内空気を循環しない外気供給のみによる、一方向で、短経路な方式)を提案し、検証を行った。 ○感染症リスクに備えたBCPのポイント/MS&ADインターリスク総研㈱/中島 翼 新型コロナウイルスの現況について簡単に触れるとともに、改めて企業に実践いただきたい感染症BCPの基本について紹介する。また、感染拡大下における自然災害(複合災害)発生時のポイントについても紹介する。 ○ナノポアを用いた感染症検査システム/大阪大学/谷口正輝 ナノポアと機械学習が融合した感染症検査システムは、細菌やウイルスを1個単位で、高精度、高スループットに検出・識別する。ターゲットとなる細菌やウイルスを機械学習するだけで、新たな感染症検査システムが開発される。 ○住宅材料の抗菌技術とウイルス共生社会への課題/㈱LIXIL/井須紀文 住宅の中で水まわりは汚れ易い環境にあり、防汚・抗菌技術は環境負荷低減と、手入れが容易というユーザーメリットの同時実現に重要となる。本稿では、トイレの防汚・抗菌技術とウイルス共生社会技術課題について紹介する。 ○抗菌/抗ウイルス作用を持たせる印刷技術/㈱リコー/川村 怜 抗菌/抗ウイルス作用を持たせる当社の印刷技術について、原理を交え紹介する。銀などの抗菌活性物質を用いず、表面の微細構造の物理的作用のみで抗菌/抗ウイルス機能を発現させている。 ○ナノ粒子を応用した抗ウイルス・抗菌技術(Cufitec)/㈱NBCメッシュテック/長尾朋和 一価銅化合物は高い抗ウイルス性を特長とする無機系抗菌・抗ウイルス剤の一つである。本稿では、一価銅化合物の抗ウイルス性・抗菌メカニズムと様々な形態として、材料・製品への応用展開について紹介する。 ○漆喰コーティング粘着シート/日榮新化㈱/木村剛久 ・ 「ハルシックイ」は、自然素材の独特の風合いと質感に加え、健康や環境に貢献できる機能を備えた漆喰を基材にコーティングした粘着シートである。ウイルス低減・抗菌・消臭・VOC除去などの機能がある。 ○ウイルス性呼吸器感染症の基礎知識と感染対策/国立感染症研究所/嶋崎典子 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、発生から1年以上が経過しても猛威を振るっており、引き続き感染対策が必要である。本稿では、様々な現場環境に応じた適切なウイルス感染対策を実施できる応用力を養うために、COVID-19とインフルエンザの基礎知識および個人防護具などの感染対策を紹介する。 ○中国瀋陽市における新型コロナウイルス感染症流行による生活習慣と環境意識の変化/東海大学/孫 旭・関根嘉香 新型コロナウイルス感染症の世界的流行は、多くの人々の生活様式に変容を強いた。本稿では、中国遼寧省瀋陽市の市民を対象に、感染症の流行前・後に行ったアンケート調査をもとに、生活習慣や環境意識の変化を調べたので紹介する。 ■解説 ○高感度検出用マイクロプレートの開発/大阪府立大学/田邉 壮・松井響平・孫 術益・板垣賢広・西井成樹・山本陽二郎・椎木 弘 金属ナノ粒子はその配列によって光学特性を制御することが可能である。金属ナノ粒子配列技術をマイクロプレートに展開することで、プレートリーダーによる検出の高感度化に成功した。 ○ローカル5Gにユーザーは何を望むか/㈱情報通信総合研究所/野口正人 携帯電話の新しい規格5G/ローカル5Gについて、その概要を紹介した後、ローカル5Gに関するアンケート調査の結果からユーザーがこの新しい携帯電話サービスに何を求めているかを探ってみたいと思う。 ○IoT社会に不可欠な環境熱を電力に変換する自律分散電源/筑波大学/守友 浩 「三次電池」は環境熱を活用して何度でも充電できる“未来の”電池である。電池全体を温めたり/冷やしたりすることで充電され、電力を取り出すことができる。熱源に接触させる必要がないので、温度変化のある場所なら設置場所を選ばない。つまり、「三次電池」は自立性と分散性を兼ね備えた自立分散電源である。本稿では、我々が提唱している「三次電池」の原理、特徴、開発の現状、将来展望について簡単に紹介する。 ○スマートファクトリーを実現するIoTセンサの動向/日本ユニシス㈱/松村義昭 産業界においては「Industrie 4.0」や「Industrial Internet」などの世界的な動きがある中、日本においても「つながる工場」として国の施策が行われ、日本の製造業のスマートファクトリー化が進められている。そこでの課題の一つとして古い設備が稼働し、設備の稼働データを取得が難しい状況がある。本稿では、このような課題に新たなセンシングで解決を可能にするセンサーについて紹介する。 ■製品紹介 ○注射用水製造用超ろ過システム/野村マイクロ・サイエンス㈱/木本 洋・飯山真充
■特集:過酸化水素による殺菌・除菌を考察する ○最新の超音波過酸化水素水除染方式/㈱エアレックス/川﨑康司・二村はるか・北野 司・郭 志強・小川亜由美・伊藤成美・紅林 航 過酸化水素を用いた除染でのBIとの反応は、関連するパラメータの合成による誤謬を導く。新開発のUltraDecon.はEI(酵素インジケーター)と共に科学的なQRMに基づくベリフィケーションができる。過酸化水素除染は新次元に入った。 ○過酸化水素ガスによるパスボックスの除染/㈱オプティマ/姜 勇求 まず過酸化水素ガス除染の特長を紹介する。そして、パスボックスの除染に関する現状と課題を説明し、課題に対する当社の取り組みに関して実例を挙げて紹介する。 ○アイソレータシステムへの過酸化水素除染技術の適用/澁谷工業㈱/谷本和仁 アイソレータシステムへ過酸化水素除染技術を適用する際に考慮すべき事項について紹介する。 ○過酸化水素を用いた効果的な作業室除染システムの確立/アース環境サービス㈱/中村浩章 過酸化水素の化学的性質による空間除染時のメリット、デメリットを理解したうえで、除染システム仕様設計の重要性を、当社が提供している除染サービスを織り交ぜながら科学的根拠を基に紹介する。 ○過酸化水素ガスによるクリーンルームの除染システム/㈱ダイキンアプライドシステムズ/彦野剛之 過酸化水素ガスを用いたクリーンルームの除染について、導入における注意点および当社の過酸化水素ガス除染システムの特徴(空調一体化システム、大空間除染システム等)について紹介する。 ○過酸化水素除染技術とその応用プロジェクト/デンコム㈱/岡 強・島田将吾・一色祐介 当社の過酸化水素による除染技術の多方面への応用として、医療機関や検査機関、研究所等向けに対象物の大きさ・量に関わらず最短時間で除染できる装置を紹介する。 ○高濃度式過酸化水素ガス除染技術/日揮ユニバーサル㈱/五十嵐真介 一般的に過酸化水素ガスによる除染は、腐食による設備や装置にダメージがあると懸念されている。当社の高濃度式過酸化水素ガス除染は、腐食要因の一つである水分量を少なくしてダメージを最小限に抑えると共に、高濃度による高い殺菌力を実現する技術である。 ■解説 ○貴金属のリサイクルプロセス/田中貴金属工業㈱/生田紘隆 貴金属製品を製造・使用すると、製造時に発生した加工スクラップと使用済み製品が発生する。これらは「都市鉱山」または「有価物」として取り扱われ、評価・回収・精製工程を経て再度製品へとリサイクルされる。 ○微生物検出技術評価のための試験菌の調製/アズビル㈱/長谷川倫男 微生物検出技術の性能評価のため、試験菌の調製方法を検討した。本稿では、総細胞数中の培養可能細胞数など、試験菌の“品質”を判断する指標を設定し、試験菌の品質を評価することを検討したので紹介する。 ○クランプオン超音波流量計による蒸気流量計測/アズビル㈱/林 智仁・佐々木宏 ボイラの作る蒸気をムダなく効果的に運用するためには、蒸気利用現場に配置されている高温配管中の蒸気流量を計測する必要がある。本稿では、配管中蒸気流量を簡易に計測できるように、超音波トランスデューサとダンピング材に特徴を持つクランプオン超音波蒸気流量計を開発したので紹介する。 ○IoTを活用した製造工場の環境監視やBCP対策/㈱チノー/成田英男 製造工場の環境監視からBCP対策まで、当社がどのようにIOTを活用した監視システムとして取り組み、提供していくかについて、本稿で紹介する。 ○細胞プロセシングセンター/大阪大学医学部附属病院/笠井泰成 細胞プロセシングセンターは、再生医療等に用いられる細胞や組織の培養加工に特化した細胞培養加工施設である。本稿では、細胞加工物の品質と安全性を高いレベルで担保するために必要となる細胞培養加工施設の概要について紹介する。 ○新型コロナウイルス感染症と感染対策/聖マリアンナ医科大学/高野知憲・山崎行敬・國島広之 東京オリンピック・パラリンピックの開催を7月に控え、新型コロナウイルス感染症への対応がより一層重要となる。感染予防の観点から適切な換気が重要である。本稿では、CO2センサを使用した換気方法を紹介する。 ○産業排水処理設備への有効な省エネアプローチ/(一財)省エネルギーセンター/小島久史 省エネ対策がなかなか進まない産業排水処理設備に対し、種々ある処理技術を機械的要素毎に区分し、機能面から省エネ対策を提言し、55ヶ所の現地調査、8ヶ所の実測を踏まえ、効果的なアプローチと導入時の課題を提言した。 ○高性能脱臭剤/信州大学 酒井俊郎 金属塩水溶液に活性炭を分散させて、高周波超音波を照射すると裸の金属ナノ粒子が活性炭上に担持される。特に、裸のパラジウムナノ粒子を担持した活性炭が室温でエチレンガスを効率的に除去できることを見出した。 ○空気の流れを調べるタフト/睡眠環境工学研究所/梶井宏修 空気環境はコロナ感染に大きく関わる。風上からの菌を風下にいる人が吸い感染するため、気流検知が重要である。本稿では、割箸の先の細い糸は気流方向を示し、煙やトレーサー不使用の気流を調べる安全なタフトの作り方を紹介する。 ○コロナ禍が加速させるカーボンニュートラルby&ofデータセンター/東京大学/江崎 浩 新型コロナウイルス感染症は、コロナ禍が発生する前の社会が抱えていた問題を拡大・顕在化させ、この解決策に必要とされていた、社会のデジタル化・オンライン化、DXを急加速させた。このポストコロナ社会の最重要インフラとなるのがデータセンターである。グローバルな競争力をもち、地球と人類の持続的な発展と共生の実現のために、データセンターのさらなる進化を実現する必要がある。本稿では、その要点を紹介する。
■特集:微生物評価技術 ○紫外線ランプ222 nmの細菌と真菌に対する殺菌効果/新日本空調㈱/高塚 威・清水一功・磯 佑輔・梅原啓輔 水銀不使用の紫外線222 nmが細菌や真菌を99.9%殺菌するために必要な照射量を従来型の殺菌紫外線254 nmと比較した。波長特性による違いから殺菌必要量に従来型と差が生じる可能性が示唆された。 ○タクシー車内空間におけるインフルエンザ等感染症対策の課題と環境制御手法の検討/名古屋工業大学/須藤美音・松田崇志 タクシードライバーは感染症等を発症した患者を乗車させる機会も多く、ドライバーへの感染リスクが極めて高い。本稿では、タクシー会社を対象にアンケート調査を行い、ドライバーの特性や車内環境制御方法を明らかにする。タクシー車内において感染乗客者の咳呼出によるウイルス拡散防止を目的とした空調制御手法の検討を行うため、車内の気流性状および咳気流に伴って呼出された非定常状態での唾液粒子の拡散を解析した。本稿では、タクシー車内空間におけるインフルエンザ等感染症対策の課題と環境制御手法の検討について紹介する。 ○行動シミュレーションによる感染リスク評価事例/東京都市大学/北島芳基・永野秀明 建物の廊下幅が感染リスクに及ぼす影響をシミュレーションによって分析した事例を紹介する。その結果、廊下幅が広がるほど、感染リスクが減少し、特に廊下幅2mと3mの間で感染リスクに大きな差が生じた。 ■特集:微粒子可視化システムと微粒子測定機 ○クリーン化の持続的成功/㈱インテクノス・ジャパン 門井剛史・高木 篤 2021年2月、国際規格ISO 14644「クリーンルーム及び関連制御環境」に新しくPart17が追加された。本稿では、Part17の要旨を含め、粒子堆積率「PDR」と表面清浄度「SCP」を活用した、「汚染リスクマネージメント」について紹介する。 ○微粒子可視化システムと応用技術/新日本空調㈱/稲毛亮太 当社では、従来の散乱光を用いた可視化技術の高感度化により、微粒子可視化システムの開発を進めてきた。本稿では、最新の微粒子可視化技術と、その技術を応用した製品について紹介する。 ○3 nm計測の走査型液中ナノパーティクルカウンター/㈱カノマックスコーポレーション/大竹哲哉 走査型液中ナノパーティクルカウンター(STPC3)は、最先端の半導体製造分野での超純水(UPW)や希釈した化学薬品中の微粒子計測として、従来の10 nmの感度を3 nmまで高めた新製品である。 ○たかがパーティクルカウンタ、されどパーティクルカウンタ/㈱パーティクルプラス/水野眞人 クリーンルームなど高清浄度空間中の粒子個数/径/分布を提供するパーティクルカウンタ。しかし、それは生産者のための限られた用途に過ぎない。今、生活空間など一般的な環境での新しい使われ方が模索されつつある。 ■解説 ○海外向け流量計測制御機能付電動二方弁/アズビル㈱/新谷知紀・松村剛宏・野間口謙雄 空調システムの省エネルギーを実現する製品として、流量計測制御機能付電動二方弁「ACTIVAL+TM」を販売している。今回、小型軽量を実現しつつ流量計測精度を向上させる技術をもとに大口径モデルを開発した。 ○手指衛生遵守率上昇に向けた小規模施設での実際の関わりと今後の展望/洛和会丸太町病院/小野寺隆記 手指衛生は全ての感染対策の基本である。手指衛生遵守率上昇は重要な課題であり、様々なアプローチが試みられている。本稿では、小規模施設における取り組み内容とその結果について紹介し、今後の展望を検討する。 ○新型コロナウイルス感染症の現状と対策/聖路加国際病院/坂本史衣 新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)が発生してから約1年が経過した。本稿では、COVID-19の五つの疫学的・臨床的特徴を踏まえた感染対策を紹介する。 ○中国におけるLiB事業環境の変化と今後の課題/森田化学工業㈱/堀尾博英 リチウムイオン2次電池は2000年頃から民生用の分野で順調に事業を拡大し、車載用電池としても注目されている。日系企業以外に韓国や中国の企業が新規参入し、中国では600社以上になった。しかし、電気自動車の普及は思惑とは異なり事業拡大の速度が先行し、供給過多で事業存続の危機に追い込まれる。2016年に中国政府が大規模な補助金政策を打ち出して市場は回復し、供給過多から供給不足へと反転した。しかし、各社の事業拡大で再び供給過多になり、国策として進めてきた電気自動車の普及はバスやタクシーなど公共車まで及んだが、小型車を含む乗用車の普及は進まず補助金は減額した。2020年新型コロナウイルス感染拡大による生活環境の変化が一般消費者の電気自動車への関心を高め、中国電気自動車市場は再び高騰の動きを見せる。 ○人体局所で放射線を計測するウエアラブルデバイスの開発/群馬大学/加田 渉 近年、人体眼部、水晶体における局所的な放射線影響の安全管理が注目を集めている。本稿では、簡便なウエアラブル型デバイスとしての放射線線量計の試作とその放射線測定評価例について紹介する。 ○医療機関における病室と医療器具の日常清掃/箕面市立病院/四宮 聡 医療機関における病室や医療器具の感染リスクと最近の知見について紹介する。また、感染制御の観点から明らかになっているリスク要因とそれに対する取り組みの一例として当院の活動を紹介する。 ○ICTを利用した高機能性野菜の栽培/秋田県立大学/小川敦史 植物工場においてICTを利用し、通常の野外での農業ではなく植物工場でしか栽培できない作物の栽培が期待されている。本稿では、栽培環境を厳密に制御することで可能になる高機能性野菜の研究例を紹介する。 ○気中粒子計測技術の現状と今後の展望/日本カノマックス㈱/髙橋基容 ハウスダストやPM2.5など、生活環境における粒子濃度が注目されつつある。また、クリーンルームの清浄度管理についても室単位の管理から、個々の領域における粒子濃度の確認が重要視されつつある。本稿では、これらを支える粒子計測技術について紹介し、今後の展望についても紹介する。 ■製品紹介 ○紫外線殺菌コンベア(上下照射)装置/岩崎電気㈱/大宮健一
■特集:マイクロプラスチックごみを考える ○環境工学的マイクロプラスチック研究の新展開/大阪市立環境科学研究センター/中尾賢志 環境工学的マイクロプラスチック研究についての現状と近年新たな展開をみせるマイクロプラスチック研究について、筆者の研究グループが行ってきた研究成果を交えながら概論的に紹介する。 ○海洋プラスチック汚染の解決にむけて/大阪商業大学/原田禎夫 急速に深刻化する海洋プラスチック汚染を受けて、特に「使い捨てプラスチック」の削減は世界的課題である。本稿では、政府による規制や市場ベースのアプローチに加えて、社会的営業免許(SLO:Social License toOperate)の観点からの問題解決の可能性について紹介する。 ○食べられるストローの開発とその背景/秋田栄養短期大学/田中景子 管理栄養士として取り組むことが可能なSDGsの対策として、海洋汚染源の一つであるプラスチックストローの代替品開発も急務である。著者らは身近な食材を用い、食べられるストローの開発を進めてきたので紹介する。 ○空飛ぶマイクロプラスチックを富士山頂で捕まえる/早稲田大学/大河内博 本稿では、大気中マイクロプラスチックに関するこれまでの知見を整理し、富士山頂で大気中マイクロプラスチックを観測する意義を紹介する。 ■解説 ○強アルカリ性電解水と微酸性電解水による微生物除去・臭気低減効果/新日本空調㈱/清水一功・高塚 威 本稿では、以前から研究を進めてきた電解水による洗浄技術を酒造用絞り布の洗浄に応用し、強アルカリ性電解水と微酸性電解水による微生物除去、臭気低減効果について従来洗浄(水、薬剤浸漬)と比較検討したので、その結果について紹介する。 ○次亜塩素酸ミスト噴霧によるチャタテムシ防除技術の検討/㈱大林組/洲﨑 雄・四本瑞世・緒方浩基 本稿では、生産施設で問題となるチャタテムシを効率よく駆除する方法として、二流体ノズルによる次亜塩素酸ミスト噴霧の有効性を検討した実験について紹介する。また、効率よく噴霧を行うための装置についても解説する。 ○次亜塩素酸水を用いたバイオクリーンルームにおける微生物対策予測/清水建設㈱/山田容子・川上梨沙・冨岡一之/大同大学/山口 一 医薬品や食品の生産施設の微生物対策に加え最近のCOVID19流行で、直接的な微生物殺菌技術が求められている。次亜塩素酸水と微酸性電解水の殺菌効果を実大の室空間とCFD解析で検証した結果から、様々な条件下で薬剤の殺菌性能を評価できる手法を提案する。 ○薄く軽いN95マスク/㈱ナフィアス/渡邊 圭 COVID-19のパンデミックによって、世界中でその機能の重要性が一層認識されるにいたった医療従事者向けのN95マスクについて、その特徴、概要、機能、現状と課題などについて浮き彫りにする。 ○近赤外応答型粉末光カソードにおける水素生成用表面反応場の設計/信州大学/影島洋介 光触媒材料を用いたソーラー水素製造は、太陽光エネルギーを貯蔵・輸送に有利な化学エネルギーの形態に変換する、有望な「人工光合成系」として注目されている。本稿では、光電極表面への“水素生成用反応場”の構築について紹介する。 ○インライン全数検査を目指す非接触光表面形状計測システム/埼玉大学/塩田達俊 インライン全数検査を実現するために高速でかつロバスト性をもった計測法の開発が重要であり、二次元断層像のシングルショット撮像に可能性があることを示した。本稿では、100 Hzの振動下においても、1 μm分解能の二次元シングルショット断層画像を鮮明に撮像できることを示し、高いロバスト性を有すことを紹介する。 ○化学とバイオの融合に基づく新規光充電機構の創出/鳥取大学/薄井洋行 光電気化学キャパシタは太陽光を電力に変換し、そのまま貯蔵できる新規デバイスである。本稿では、TiO 2とMnO 2からなる複合電極に対し自然界の光合成関連物質を電解液添加剤として適用することで、新しい光充放電機構が創出されることを紹介する。 ○新規バイオフィルムコントロール剤/星光PMC㈱/久保 武・五十嵐亮二/筑波大学/山本達也・久能 樹・野村暢彦 細菌の細胞間シグナル伝達を介したバイオフィルム形成の阻害、および剥離作用を有する新規バイオフィルムコントロール剤を開発した。本稿では、その作用メカニズム、および実機サイズのROモジュールを含む評価結果を紹介する。 ○製薬機器の粒子封じ込め(コンテインメント)性能評価/㈱住化分析センター/田中佑子 医薬品の製造・開発現場において、高薬理活性物質の取り扱いが増加しており、作業者への曝露や交差汚染を防止するために封じ込め対策が必要である。本稿では、空気中を飛散・浮遊し呼吸によって体内へ取り込まれる、もしくは交差汚染を起こす「粉体」に対する封じ込め性能評価について紹介する。 ■製品紹介 ○浮遊微粒子を無風で回収する空間クリーナ/㈱TRINC/高柳 順 ○水を除菌水に変える「高活性酸素除菌水生成機」/台湾ELECLEAN/陳 建宏/ルナクリエイト㈱/長野 卓 ○空気循環式紫外線清浄機/岩崎電気㈱/森 一郎
■特集:エアロゾルを知り、制御する ○新型コロナウイルスがより多くの人の命を救う?/福岡女子大学/馬 昌珍 本研究では、PM2.5とNOx濃度の常時測定データや交通量、通行人数などの情報に基づいて、東京都におけるCOVID-19の拡散に伴う自粛要請などの行政規制による大気質の変化について評価を行った。 ○感染症対策に資するエアロゾル計測技術/慶應義塾大学/奥田知明 空気中を浮遊するウイルスは、気中に分散した粒子すなわちエアロゾルの一種と考えることができる。従って、空間中のウイルスの移動現象は、これまでに蓄積されたエアロゾルに関する科学技術を適用することが可能である。本稿では、感染症対策に資することを志向した筆者のエアロゾル計測技術および調査結果の一例を紹介する。 ○静電捕集式サンプラーを用いたインフルエンザウイルスの捕集/パナソニック㈱/成畑晃希・有本 聡・池内江美奈/北海道大学/迫田義博 感染リスクの見える化やウイルスの浮遊動態を解明するためには、空気中からウイルスを捕集する技術の開発が重要である。本稿では、インフルエンザウイルスを用いた、静電捕集式サンプラーの性能評価結果について紹介する。 ○ウイルス不活化のメカニズムと抗ウイルス製品の評価/サラヤ㈱/原田 裕・平田善彦 代表的な消毒剤におけるウイルス不活化メカニズムについて紹介するとともに、確かなエビデンスを取得するための標準試験法について、新型コロナウイルスを用いた実際の試験データも紹介しながら説明する。 ○ウイルス不活化試験法の実施のポイント/㈱食環境衛生研究所/鈴木達也 実際に筆者等が実施している消毒薬(検体)に対するウイルス不活化試験を例に、試験操作の流れに沿って手技等のポイントと注意点を紹介する。 ○手洗いに用いられる石けんの抗ウイルス効果/シャボン玉石けん㈱/川原貴佳 感染症予防には石けんを用いた手洗いが有効である。本稿では、手洗い石けんに用いられるオレイン酸カリウム(カリ石ケン素地)の新型コロナウイルス等に対する高い抗ウイルス効果や、その作用機序について紹介する。 ○想定外を無くすウイルス・細菌汚染経路と防御策-ハード面を中心に-/食品安全教育研究所/河岸宏和 組織の責任者になり得る資質のある方は、24時間×365日起こりうる危機を考え、決して「今回発生した事は想定外です」と言う言葉は、吐かないものである。あらゆる事を想定し、備えておくことができるものである。 ○室内における気流・換気の役割と飛沫粒子の挙動/芝浦工業大学/諏訪好英 新型コロナウイルス(COVID-19)の感染対策として、飛沫粒子の挙動および室内気流と換気性能の観点から考察した。また、感染リスクを考慮した必要換気風量の考え方、有効な換気性能を得るための方法を紹介する。 ○機能性材料としての不織布の基礎/信州大学/矢井田修 現在、新型コロナウイルス感染防止のためのマスクの材料として注目されている不織布について、その基本的な製造工程の特徴や技術開発動向、さらに不織布の構造的特徴である独特な細孔構造を活かした用途開発動向について紹介する。 ■特集:換気等を可視化するシミュレーション技術2 ○シミュレーションによる換気状況の見える化と改善提案/㈱アドバンスドナレッジ研究所/原 杏奈 換気設計案の検討や、設計案の付加価値をクライアントへ伝え合意形成を得ることは容易ではない。本稿では、「空気の流れを考慮した換気設計」を行うにはどうしたらよいか、効率的に改善案を見える化できる技術とともに紹介する。 ○病室・クリーンルームの気流・換気シミュレーションを可視化し3Dで体感/三機工業㈱/佐々木賢知 熱流体シミュレーションの使用が一般化している。本稿では、熱流体シミュレーションを利用して病室とクリーンルームの気流・換気性能を評価し、さらにMR端末を利用した可視化について紹介する。 ○コロナ飛沫核拡散を含む換気解析シミュレーション事例紹介/㈱環境シミュレーション/阪田 升・長井大祐・永吉一朗・政岡沙央理・アブリティプアブライティ コロナ関連の気流シミュレーションが注目されている。本稿では、人体周りの熱上昇流や咳や呼気の口蓋での乱れなど、解析に注意すべき点を紹介する。また、テレビ全国放映された多くの解析動画についても解説を加えた。 ■解説 ○看護動線量シミュレーションによるBIM研究/三重大学/加藤彰一 BIMを用いた看護動線量シミュレーションの開発、H病院の看護動線量調査の分析、およびシミュレーションを用いた分析を行ったので、その要点を紹介する。 ○安全・安心・快適を実現する空間ソリューション/パナソニック㈱/三木慎一郎・阪井英隆・下野 健・吉岡俊彦 感染症のリスクに対して強靭な社会を構築する必要がある。本稿では、2015年度以降の産官学連携の活動から、複数の学術領域を横断した感染リスクモデルの構築と、それに基づく評価技術の標準化の重要性を紹介する。 ○空調機に組み込んだ光触媒担持チタンメッシュの除菌・脱臭性能/ユーヴィックス㈱/細田和夫・中村信雄 空調機に組み込んだ光触媒を担持したTMiPについて、除菌よび臭気対策検討を行った。感染症のインフルエンザ等に対する抗ウイルス・抗菌効果およびニオイの除去に関し、小規模から実空間での除菌・脱臭効果が有効であった。
■特集:換気等を可視化するシミュレーション技術1 ○飛沫粒子の拡散分布シミュレーション技術/新日本空調㈱/岡本隆太/(地独)神奈川県立産業技術総合研究所/石黒 斉・砂田香矢乃 くしゃみの飛沫粒子発生量を実測し、その諸元を条件に、飛沫粒子の拡散分布シミュレーション技術を大規模病院の待合スペースに適用した事例を紹介する。 ○自然換気を可視化するシミュレーション技術/清水建設㈱/矢川明弘・太田 望 新型コロナウイルス感染症の予防対策として自然換気も重視されているが、自然換気は屋外風の変動等の影響を受けるため効果の定量化が難しい。本稿では、自然換気を定量的に評価可能な当社開発のシミュレーション技術を紹介する。 ■解説 ○バイオクリーン室内の歩行による塵埃飛散/長崎大学/小関弘展 バイオクリーン室内の歩行による塵埃の飛散状況を評価した。靴、ガウンの裾、床面から多くの微粒子が発生し、乱流によって広く高く舞い上がることが判明した。塵埃は細菌汚染の原因となり得るため、注意が必要である。 ○除染効果判定のための微生物迅速測定法の開発/高砂熱学工業㈱/五味 弘・荒川宏樹・高橋秀人 二酸化塩素ガス除染工程が短時間であることをさらに有効にするため、バイオロジカル・インジケータの判定の迅速化を図った。その結果、簡便ながら、9時間程度で、高い信頼性で判定が可能となった。 ○中性能フィルタとHEPAフィルタの最適な組み合わせに関する研究/ニッタ㈱/佐野義哉・入江雄太/金沢大学/大谷吉生・瀬戸章文・佐々木結 中性能フィルタの捕集特性がHEPAフィルタ下流の寿命に及ぼす影響を実験的に調査した。その結果、中性能フィルタのMPPSと内部構造がHEPAフィルタの寿命を変える可能性があることが判明した。実験に基づいて、中性能フィルタとHEPAフィルタの最適な組み合わせの目的関数を提案する。 ○外風の影響を低減できる外気取入口と排気口/㈱大気社/森重公康 医薬品製造設備などの空調設備に対して強風の影響を低減できる、2重パンチング円筒方式の外気取入口と排気口を考案した。本稿では、風洞実験による検証結果および実設備における効果について紹介する。 ○細胞加工物の製造における構造設備に依存する微生物汚染リスクの評価/大阪大学/水谷 学・池松靖人・紀ノ岡正博 細胞加工物は滅菌ができず、その製造管理では、全工程を通して無菌操作環境を確保する必要がある。複数の工程をまたいで無菌操作環境を継続させる運用では、微生物迅速試験法による無菌性評価が有効と考える。 ○環境モニタリングにおける微生物迅速試験法の考え方/大阪大学/池松靖人/武田薬品工業㈱/杉本 聡/協和キリン㈱/森 充生 医薬品や再生医療等製品の製造現場において、環境モニタリングで洗浄度環境の動向を監視することは必要な要件である。本稿では、製造区域における環境モニタリングの意義と目的、また、微生物迅速試験法の適用事例を紹介することでその考え方と活用方法を紹介する。 ○排煙管内清掃装置の開発/埼玉県産業技術総合センター/山崎彰太・荻野重人 焼肉店等では排気ダクトの清掃不良による火災件数が増加傾向となっているが、容易に清掃を行えないのが現状である。本稿では、床下工事を必要とせずにダクト清掃を行う装置の試作機について紹介する。 ○次世代低消費電力メモリを実現するマルチフェロイック材料の開発/東京工業大学/重松 圭・東 正樹/九州大学/北條 元 次世代低消費電力メモリの候補として期待できるマルチフェロイック材料として鉄酸コバルト酸ビスマスを紹介し、その特性、中でもメモリ動作に直結する「電場によって磁化が反転する現象」を捉えた研究結果について紹介する。 ○室内空気汚染の健康影響と予防対策/近畿大学/水越厚史 室内空気汚染は再び注目を浴びている。本稿では、室内空気汚染物質の発生から健康影響を及ぼすまでの流れをたどりながら、各段階での課題を検討し、室内空気汚染による健康影響を予防するための必要事項を整理していく。 ○気相成長を用いたフラーレンマイクロ構造体の形成技術/電気通信大学/塚本貴広/横浜国立大学/大矢剛嗣 電極材料などへの応用が期待されるフラーレンの結晶体であるフラーレンマイクロ構造体を、気相成長により簡便に形成する手法を紹介する。 ○省エネルギーと空気質の両立を図る外気搬送系/工学院大学/柳 宇 外気を取り入れるときに、その中の汚染物質をある程度除去する必要がある。汚染物質にはガス状物質と粒子状物質がある。ガス状物質については、特殊用途の対象室にガス除去用フィルタ用いることがあるが、一般環境ではガス除去用フィルタを設けないのが現状である。本稿では、粒子状物質を対象としたエアフィルタについて紹介する。 ○半導体用PFA成形品のクリーン化について/ダイキン工業㈱/今村 均 半導体最先端プロセスでは、パーティクル、金属、有機物など汚染物質が歩留まりや信頼性に影響を及ぼす。本稿では、薬液ラインや製造装置のフラッシング負担軽減のため、PFA成形品の汚染原因とクリーン化について解説と提案を紹介する。 ■製品紹介 ○クリーンな空気を供給する高機能除菌換気装置/㈱ティーネットジャパン/谷 孝之
■特集:FPDの最新動向 ○FPDの最新技術動向(SID2020トピックスを含む)/Ukai Display DeviceInstitute/鵜飼育弘 FPDを取り巻く環境として、Society 5.0および5Gを最初に取り上げ、次にディスプレイの評価要素を紹介する。最後に、著者が興味を持ったFPDの最新技術を、International Display Workshop2019、応用物理学会学術講演会および展示会から詳述する。 ○ディスプレイ向け光学フィルムの基礎及び高機能化、最新の市場・技術トレンド/㈱FT-Net/青崎 耕 光学フィルムは年間数億m 2という市場規模と、その高度な機能によってディスプレイ産業を支えている。本稿では、その技術の基礎と市場のトレンドを把握することにより、今後の高機能化技術課題を紹介する。 ■解説 ○新次元の生産性を実現化するキーコンセプト「ものづくり自律化システム」/アズビル㈱/木村大作 今日、グローバル化、地球温暖化、少子高齢化、働き方改革、SDGsと製造業を取り巻く環境は大きく変化している。社会課題を乗り越え、事業成長を推し進めるためには飛躍的な生産性が求められる。当社は、人がより創造的な役割を担うためのキーコンセプト“ものづくり自律化システム”を提案している。本稿では、重厚長大なものづくり分野でのAI活用に携わってきた当社ならではの、リアル感ある“To be model”を紹介する。 ○ブロック共重合体を用いたPTFEへの表面改質手法の開発/福岡大学/平井 翔 ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素樹脂は、親水性や接着性に乏しいため用途が極めて制限されていた。そこで本研究では、ブロック共重合体を用いた表面改質により、PTFEへ接着性を付与することに成功した。 ○二酸化炭素固定化触媒/千葉大学/渡邊拓実・大場友則 二酸化炭素を他の有用物質に変換するための二酸化炭素固定化触媒として、光触媒、電気化学触媒、熱触媒の高活性化の研究が盛んに行われている。本稿では、これら触媒の概要と最先端の研究を紹介する。 ○植物における一過的タンパク質発現システム/筑波大学/三浦謙治 植物において、大量のタンパク質を生産できる「つくばシステム」を紹介する。このシステムでは、植物において短期間で約4 mg/g新鮮重のタンパク質を発現できるという、世界でもトップクラスの発現量を示す。 ○第十七改正日本薬局方第二追補と第十八改正日本薬局方原案/(独)医薬品医療機器総合機構/福地準一 まず第17改正日本薬局方第二追補の概要を説明し、次に令和3年春に告示予定の第18改正日本薬局方の収載予定項目を紹介する。 ○ATPふき取り検査を用いたモニタリング手法とそのデータ利用/キッコーマンバイオケミファ㈱/志賀一樹 ATPふき取り検査の利点や限界を明確にし、どのように感染症や食中毒など“見えないリスク”への対策に役立てることができるかを紹介する。 ○JIS B9908:2019によるエアフィルタの性能評価/日本バイリーン㈱/南波佐間幹人 日本国内のエアフィルタ試験規格であるJIS B 9908がISO 16890の制定に伴い2019年に改定された。本稿では、改定した規格による中高性能フィルタユニットの性能試験結果、及び改定前の2011年版での性能試験結果との比較を紹介する。 ○自動車排出ガスと大気環境/(一財)大気環境総合センター/小林伸治 自動車は、100年に一度の変革期を迎えていると言われている。本稿では、この節目の時期にあたり、自動車排出ガス規制が導入されてから現在まで規制の経緯を振り返り、その排出ガス低減効果を検証するとともに、大気環境の改善効果や残された課題について紹介する。 ○作業時及び休憩時の心理・生理反応について/大阪大学/山中俊夫・崔ナレ 作業時と休憩時における人の心理・生理反応特性を明らかにするために、作業と休憩を課した実験下での被験者のリラックス度、気分、鼻額皮膚温度差、心拍、脳波を測定し、経時変化と香りの影響について分析を行った。 ○動物実験施設の新築に際して決めておく基本事項/京都府立医科大学/大塚 哲 動物を科学上の利用に供することは、生命科学や医療技術等の発展と人類の生活の質(QOL)の向上にとって必要不可欠なものである。本稿では、これを支える動物実験施設とはどのようなことを考慮して建築されているのかについて、特に空調システムに要求される基準を中心に紹介する。 ○業務用クリーニング工場における換気・空調方式の検討/東洋熱工業㈱/荻田俊輔/明星大学/小笠原岳 夏期における温熱環境悪化が懸念される業務用クリーニング工場を対象に、夏期の作業環境に関する実測結果および高温発熱機器であるロール機廻りの最適な空調・換気システムの検討事例を紹介する。 ■研究所紹介 ○工学院大学ナノ・バイオ材料研究室/工学院大学/永井裕己・佐藤光史
■特集:IoTとAIの最新動向とスマートファクトリーへの応用 ○エッジコンピューティングをエネルギーハーベスティングで実現する/㈱NTTデータ経営研究所/竹内敬治 本稿では、エッジノードへの電源供給技術として注目されるエネルギーハーベスティング技術の概要、同技術を電源としたエッジコンピューティングの事例、近年のエッジ低消費電力化技術を紹介し、将来展望を述べる。 ○注射剤の外観異物検査へのAIの活用/シンテゴンテクノロジー㈱/サナルディホセ 医薬品製造において、品質保証のため製品(注射剤)の異物混入と容器外観不良の検査が必要である。自動化された製造工程では、検査は画像処理技術を用いて行われる。しかしながら、製品の性質により、通常の技術では「良品」と「不良品」の見分けは要求される精度まで至らないケースが多く、画像処理の課題として残っている。例えば、高粘度の注射液に気泡が含まれている場合、検査する前に気泡を完全に取り除くことが難しく、異物との判別が困難である。そこで、近年着目されているのがAIの「ディープラーニング(深層学習)」の技術である。画像認識において高い精度を実現しつつあるディープラーニング技法により、従来は人の眼でしか判断できなかったタスクは画像処理できる可能性が広がっている。本稿では、医薬品(液剤)の外観異物検査におけるディープラーニングの活用事例を紹介し、今後の展望を述べる。 ○IoTが拓く“スマートファクトリー”実証工場の紹介/オークマ㈱/本庄宏一郎 工作機械業界は多品種少量生産のため、マスカスタマイゼーションの取り組みが積極的に行われている。この実現のため当社ではIoTを活用したスマートファクトリーの実証を新工場Dream Siteで実施し、生産性を従来の工場比で約3.5倍まで高めた。 ○食品製造現場におけるデジタル技術活用、そして日本型スマート工場の実現に向けて/㈱クニエ/井出昌浩 食品製造業の製造現場は、相対的に他業種と比較して労働生産が低いと言われている。また、近年では、マスカスマイゼーション、フードロス対応、少子高齢化による省人化などが様々な課題対応が求められている。中核となる製造現場では、それらの課題の包括的な対応として、機械化やデジタル化によるサプライチェーンや製造オペレーションの効率化、及び高度化を目的とした食品製造のスマート工場の取り組みが図られている。本稿では、改善活動といった日本の製造現場の強みを活かし、デジタル技術の活用による日本型スマート工場の実現の進め方について紹介する。 ■解説 ○実験用サル類の病原体検査/(一社)予防衛生協会/藤本浩二 実験用サル類は小型実験動物で得られた実験結果をヒトに外挿するための各種トランスレーショナル研究に使用される。現在、実験用サルの大部分は東南アジアで人工繁殖された輸入サルであるが、なお、人獣共通感染症やサル特有の感染症に係わる病原体の検査が必要である。 ○自己組織化エレクトレットを利用した作製が容易な振動発電素子/千葉大学/田中有弥 エレクトレット型の振動発電素子(VEG)は身の周りの振動を利用した発電が可能である。本研究では自発的に配向する有機エレクトロルミネッセンス素子用の極性分子を利用し、荷電処理を一切必要としないVEGを実現した。 ○電力自立ヘルスケアIoTに向けた発電モニタ一体型集積システム/名古屋大学/新津葵一 IoT開発における重要な開発要素として、安定した電源の確保と高品質なセンシングがある。本稿では、それらを一体的に実現する、電力自立ヘルスケアIoTに向けた発電モニタ体型集積システムを紹介する。 ○バイオ分子を用いたリチウムイオン電池正極材活物質の水熱酸浸出/東北大学/渡邉 賢 コバルトやリチウムをリチウムイオン電池正極材活物質から回収すべく、有機酸、水、二酸化炭素といったバイオ分子を用いた新規浸出プロセスを開発している。本稿では、クエン酸を浸出剤とした研究を主として紹介する。 ○ナノセルロース:実用化の現状と課題/㈱エンパシード 平田悟史 ナノセルロースとはセルロースをナノ化した微小繊維で、話題のセルロースナノファイバーもその一つである。本稿では、ナノセルロースの種類、特性、製品化の現状、海外との開発競争における課題等について紹介する。 ○気流可視化装置による気流の管理/シーズシー㈱/難波重典 気流の可視化はクリーンルーム管理や塵埃対策を安定的に維持する上では重要な事項の一つであり、可視化することで初めて的確な対策を講じることが可能になる。本稿では、その概要を紹介する。 ○赤外線カメラによる気流の可視化/JFEテクノリサーチ㈱/福田義徳/ダイダン㈱/古川 悠 本稿では、赤外線カメラによる新たな気流可視化の原理を紹介し、独自の短時間ロックイン法で容易に解析できることを説明した。さらに定量化とリアルタイム処理が可能なことと、クリーンブースへの適用の有効性を示した。 ○建設作業を想定した暑熱環境が人体に与える影響に関する実験/戸田建設㈱/村江行忠/豊橋技術科学大学/都築和代 本稿では、建設現場における熱中症リスクの高まりに対して、自覚症状や生理反応などによる熱中症の危険度判断手法が望まれているため、作業運動と温熱環境が人体に与える影響を明らかにすることを目的に、人工気候室を用いて行った基礎的な被験者実験について紹介する。 ○HACCP制度化により食品営業者が取り組まなければならないこと/(元)厚生労働省/森田邦雄 食品衛生法の改正により、すべての食品営業者に、HACCPに沿った食品衛生管理が義務付けされ、令和3年6月1日から適用される。本稿では、HACCPとは何なのか、食品営業者は具体的に何をしなければならないのかなどを紹介する。 ○赤外線イメージセンサーとその展開/三菱電機㈱/佐竹徹也 赤外線センサーは、人感センサー、温度センサー、監視カメラ、車載ナイトビジョンなどに利用されている。本稿では、人・物の識別や人の行動把握のためのIoTセンサーとして開発した、独自のサーマル(熱型)ダイオード赤外線センサー「MelDIR(メルダー)」を紹介する。 ○ガス交換ユニットを用いた拡散換気システムの性能検証/北海道大学/羽山広文・石橋 晃/北海道ガス㈱/石垣祐里奈/飛栄建設㈱/松田順治 孤立・閉鎖系高清浄環境クリーンユニットシステムプラットフォーム(CUSP)において、気体分子の膜交換を利用した換気システムの熱および物質交換効率などの性能検証および、従来型のクリーンルームの運用システムと比較し省エネルギー性能の検討を行い、新たな換気システムの可能性を提案する。 ■研究所紹介 ○岐阜医療科学大学保健科学部永井研究室/岐阜医療科学大学/永井 慎 当研究室では、数多くの研究課題をもっているが、中でもイメージング技術の研究開発について紹介する。本校にしかない特殊な装置も含めて紹介する。
■特集:宇宙開発の今~究極のクリーン化を目指して~ ○サンプルリターンミッションからの地球外物質試料の受け入れ/(国研)宇宙航空研究開発機構/安部正真 小惑星探査機はやぶさが持ち帰った地球外物質試料の受け入れ設備であるJAXAキュレーションセンターについて、その設計と運用について紹介する。 ○宇宙ナノエレクトロニクスクリーンルームを用いた研究開発/(国研)宇宙航空研究開発機構/山崎典子・川﨑繁男・三田 信・和田武彦・石川久美 宇宙ナノエレクトロクリーンルームは宇宙科学研究所に設けられた約100m2クラス1のクリーンルーム内に各種微細加工装置を備え、様々なデバイスの開発研究を行っている。本稿では、研究の一端を紹介する。 ○宇宙開発利用の今後の展望/㈱IHI/並木文春 我が国の宇宙開発をリードしてきた当社グループの活動と、withコロナにおいて社会に変化をもたらす原動力となりうることが期待される、中長期気象予測をもとにしたリスクマネージメントの概要と意義を紹介する。 ■特集:空気環境2 ○柑橘類の皮由来の芳香水の膜による濃縮/山口大学/熊切 泉・沢みさき・樋口隆哉 水蒸気蒸留の後段に水を選択的に透過する無機多孔質膜を用いると、簡易なプロセスで芳香水の濃縮減量ができる。今回、ユズや夏みかんの果皮から芳香水を得て、成分分析や香りに関する日欧比較アンケートを実施した。 ■解説 ○高感度微粒子可視化装置を使用したくしゃみ飛沫の撮像/新日本空調㈱/古川太郎 飛沫感染の主因の一つであるくしゃみの飛沫について、高感度な微粒子可視化技術と実験のテクニックを駆使して、個人差や挙動・拡散距離を撮像した事例を、実験手法とともに紹介する。 ○ナノマテリアルの法規制の動向/(一社)東京環境経営研究所/松浦徹也 国内外におけるナノテクノロジーの物質規制の最新情報について紹介する。 ○リチウムイオン二次電池製造へのインクジェット印刷技術の応用/㈱リコー/中島 聡・栗山博道・鈴木栄子・後河内透 インクジェット印刷技術を用いてリチウムイオン二次電池を構成する正極、負極、セパレータを形成する技術を開発し、自由形状かつ高出力なリチウムイオン二次電池の製造を実現した。 ○臭気物質を収着し、紫外線を吸収する新規ナノセラミックス/大阪市立大学/横川善之 層状複水酸化物LDHは、様々な用途に実用化されているが、構成金属やアニオンを変えることにより、良好な紫外線防護、強力な悪臭除去機能といった新しい機能が生まれた。従来より幅広い範囲への展開が期待される。 ○ヒト皮膚ガスが室内臭気に及ぼす影響/東海大学/福嶋和真・関根嘉香 ヒト皮膚の表面からは様々な揮発性有機化合物が放散され、その一部は体臭の原因になる。本稿では、居室の臭気源として寄与している皮膚ガス成分を検討するとともに、3密の状態が皮膚ガス由来の室内臭気にどのように影響するかを検討した。 ○「コロナ禍」の下で考える事業所の省エネルギー/(一財)省エネルギーセンター/鈴木伸隆 新型コロナウィルス感染拡大によるマクロ経済の停滞の影響が、原油価格や温室効果ガス排出量から見てとれる。しかしそれがミクロ即ち事業所における省エネの重要性や継続的な省エネ活動を減衰させる理由にはならない。寧ろ経済活動の再開による揺り戻しや防疫への配慮などを要因に「増エネ」を招く可能性もあり、今後は換気設備をはじめとした設備の運用改善・投資改善をどう着実に進めていくかが重要となる。 ○「水のオルガノ」によるエネルギーソリューション/オルガノ㈱/田熊康秀 「省エネ」によるエネルギーコストダウンとCO 2排出量の削減は、世界的なSDGs推進の背景もあり今後も重要な企業課題である。本稿では、「水のオルガノ」から「水」が産み出す省エネソリューションを紹介する。 ○液式調湿空調機(リキッドデシカント)の省エネ性/ダイナエアー㈱/宮内彦夫・七尾龍一/㈱日建設計総合研究所/丹羽英治 新型液式調湿機「MOISTPROCESSOR」は新技術の導入に伴う大幅な改良を行い、これまで液式調湿方式が抱えてきた課題を改善した。また、外気処理時の省エネルギー性は高く、より多くの建物用途への適用が可能である。本稿では、当該機の原理と構造、改良点、プロセス空調への適用、加湿ユニットの省エネルギー性について紹介する。 ○半導体リソグラフィ/大阪大学/遠藤政孝 メモリー、マイクロセッサ等の半導体の高集積化の要求は、携帯端末、情報機器等の高性能化に伴い益々大きくなっており、5 nmロジックノードも近づいている。本稿では、半導体の微細化を支えるリソグラフィの基礎について最新の技術展開も含めて紹介し、現在量産工程で用いられている先端リソグラフィ技術(液浸リソグラフィ、ダブル/マルチパターニング、EUVリソグラフィ)の課題と最新技術についてまとめる。 ○生体センサ向け樹脂系「焦電・圧電」材料/テクノアルファ㈱/鈴木孝典・若杉治仁/アルケマ㈱/黄瞳・宮保 淳 昨今、圧電センサを用いて医療やヘルスケアへの応用が脚光を浴びているが、材料としては硬いセラミック系が多い。本稿では、生体になじみの良い、柔軟なフッ素樹脂系の圧電材料をQ&Aスタイルで紹介する。 ■研究所紹介 ○京都府公立大学法人京都府立大学大学院生命環境科学研究科応用生命科学専攻高分子材料設計研究室/京都府立大学/細矢 憲
■特集:ZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)における各社の取り組み ○大林組技術研究所テクノステーションのZEBチャレンジ10年の取り組み/㈱大林組/伊藤 剛・福田裕行 2010年本館テクノステーションを建設し、省エネと創エネによりCO 2を削減、その後改修によりZEBでの運用を続けている。また、LEED-EBOMプラチナ、WELLゴールドをいずれも日本初で取得。本稿では、省エネルギーと環境、ウェルネスを実現したインハウスコミッショニングの継続的な取り組みを紹介する。 ○寒冷地におけるZEBへの取り組み事例~札幌三建ビル~/三建設備工業㈱/佐藤英樹・濱名有紀 寒冷地における次世代のオフィスビルとして,省エネルギー・省CO 2に加え、快適性・知的生産性、安全性・利便性に配慮した「札幌三建ビル」。業界に先駆け醸成したZEB技術により、寒冷地におけるZEB Readyを達成している。 ○脱炭素社会実現に向けたZEBの取り組み/大成建設㈱/林 寛和 地球温暖化を防ぐために脱炭素社会を目指すことは世界共通の目標である。日本が掲げたCO 2削減目標を達成するためにも、建築物の省エネルギーの推進は非常に重要であり、ZEBはその切札の技術である。本稿では、日本におけるZEBの最新動向や、ZEBの普及に向けた取り組み事例を紹介する。 ○ダイダンのZEBの取り組み/ダイダン㈱/杉浦 聡 当社は、設備エンジニアリング会社の責務として、ZEB化に向けた先進的な取り組みを行っており、自社ビルでのZEB運用実績から、省エネだけではなく快適性や健康性も考慮したユーザーのZEB化を支援している。 ○東急建設のZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)チャレンジ/東急建設㈱/富田健司・山口仁士 本稿では、築25年を経た自社保有建物のZEB改修工事について、採用した要素技術や熱源システムの概要、建物全体の省エネルギー性能(BELS評価)の結果、そして完成後から2年間のエネルギー消費量の実績値について紹介する。 ○戸田建設のZEBへの取り組み/戸田建設㈱/橋達大輔・崎村雄一・秋山真吾・有馬真人 当社では、より良い地球環境の創造に向けた活動に取り組んできた。よってZEBについても重要視しており、本稿では、ZEB実用化に向け当社が歩んできた軌跡や、ZEB設計のポイント、及びZEB Readyを達成した大学施設について紹介する。 ■解説 ○空調用冷媒の最新動向/㈱NTTファシリティーズ総合研究所/海藤俊介 近年、空調機などに使用されている冷媒として代替フロンから低GWP・ノンフロン冷媒への転換が進んでいる。本稿では、近年の空調用冷媒の取り巻く状況や国内外の規制についての最新動向について紹介する。 ○デジタルテクノロジーを活用した都市イノベーションの取り組み/㈱日建設計総合研究所/鈴木義康 本稿では、都市イノベーションの先進事例として、IoT・AI等のデジタルテクノロジーを活用したエリアマネジメントの高度化に関する取り組みを紹介する。特に、三宮地下街「さんちか」における世界初のAIスマート空調制御の実証実験について詳報する。 ○低コスト高収率を実現する膜分離システム/岩井ファルマテック㈱/佐藤大樹 ろ過は有用成分の分離や濃縮を行う方法として一般的であり、スクリーン等を用いるデッドエンドろ過が主流であるが、分離膜を利用するクロスフローろ過が普及しつつある。本稿では、両者の概要に加え、当社のクロスフローろ過システムの概要を紹介する。クロスフローろ過によるシステムは低コストかつ高収率なろ過を実現する。 ○プリンテッドエレクトロニクス国際標準化の最新状況とビジネス動向/富士フイルム㈱/佐藤忠伸 プリンテッドエレクトロニクスは、欧州を中心にその特徴を活かした多岐に渡るアプリケーションに利用され始めている。その国際標準化はIEC/TC119で多くのプロジェクトが進行している。本稿では、それらを概覧し、紹介する。 ○酸素クラスターイオンによる空気質の向上/㈱カルモア/山本麻美 酸素クラスター除菌脱臭装置Levionは、イオンを発生させて室内空気の脱臭と除菌を行う。大学機関との共同研究では、高い脱臭効果と除菌効果が確認できた。更に、人間の脳活性に対しても良い影響を与えることが分かった。 ○やってみよう!食品カビ検査/(公社)大阪食品衛生協会/久米田裕子 本稿では、ルーチン業務で細菌を扱っている検査室を念頭に、「+カビ検査」を実施する場合の注意点を紹介する。また、カビ検査は食品カビ汚染を制御するために行うものという視点から、カビ発生の原因究明とその対策に有用な情報も紹介する。 ○HACCPなどの食品の工程管理における微生物検査の考え方/東京農業大学/五十君靜信 本稿では、改正食衛法の中でもHACCPに沿った衛生管理の制度化を取り上げ、HACCPなどの自主衛生管理における微生物検査をどのように考えていけば良いかについて紹介する。 ○スマートオフィスの構築/㈱リコー/清水洋岐 同じ空間内の地点で異なる人の在・不在、明るさ、温度をセンシングし、クラウドで遠隔管理しながら、照明と空調を制御する「RICOH Smart MES~照明・空調制御システム~」。電力消費を抑制しながら快適な働く空間作りを実現。
■特集:空気環境-1 ○民間事業者から見た大気汚染予測システムへの期待/(一財)日本気象協会/堀口貴司 各行政機関や大学、民間事業者において広く研究されている大気汚染予測の情報について、一般市民への提供が広くなされるためには、精度の向上とともに、その提供方法などもあわせて検討していくことが重要である。 ○オゾン発生方式の違いによる喫煙室脱臭処理後の臭気成分/ウシオ電機㈱/内藤敬祐・佐畠健一・谷口智昭 室内空気や内壁に吸着した臭気をオゾン燻蒸で除去した。脱臭器のオゾン発生体には紫外線式と放電式がある。室内空気中に芳香族化合物が多い喫煙室内で放電式を使うと異臭物質が生成するが、紫外線式では生成しない。 ○粒子の表面改質による高性能触媒の創製/北見工業大学/大野智也 本稿では、金属酸化物粒子表面にナノレベルで分散した金属成分を析出させた複合粒子を合成するために、液相法と還元析出法を組み合わせた技術を紹介する。また、この手法で合成した材料を水蒸気改質プロセス用の触媒として適用した例についても紹介する。 ○気候変動による大気環境への影響と自治体の対応/(国研)国立環境研究所/向井人史 本稿では、気温上昇など気候変動により想定される大気質悪化を紹介し、自治体がどのように対応し始めているのかなどについて紹介する。 ○有機性廃棄物と廃プラスチックを用いた固形燃料における臭気抑制効果/(国研)産業技術総合研究所/安田 肇・村上高広 廃プラを用い有機性廃棄物の高カロリー化と臭気低減を図る、新しい固形燃料を開発している。両廃棄物の有効利用と環境への放出抑制が期待される。本稿では、模擬試料を固形化し臭気低減能を検証した結果を紹介する。 ○有機エアロゾルの起源解明に向けた成分分析の活用/(国研)国立環境研究所/森野 悠・佐藤 圭・藤谷雄二/群馬県衛生環境研究所/熊谷貴美代/高崎経済大学/飯島明宏 本稿では、PM2.5の主要成分である有機エアロゾルの起源解明に向けた、各発生源の指標成分である有機マーカーの活用、および固定燃焼発生源からの凝縮性粒子の排出量データの構築に関する研究成果を紹介する。 ○電子デバイスのための印刷プロセスサイエンス/(国研)産業技術総合研究所/日下靖之 本稿では、微細印刷技術におけるインク設計の考え方やインク膜のレオロジー特性と濃厚コロイド分散系、反転オフセット印刷のパターニング原理など、微細印刷プロセスに潜む諸現象を理解するためのサイエンスについて紹介する。 ○GC-TOFMSを用いた生活に関わるさまざまなにおいの網羅的解析手法/LECOジャパン(同)/樺島文恵 近年、GC-TOFMSを用いた生活に関わるさまざまなにおいの網羅的解析手法の重要性が増してきた。そこで筆者らは、分析機器としてGC-TOFMSを取り上げ、におい分析におけるその有効性について検討を行った。 ■特集:地球温暖化防止に寄与する新冷媒-2 ○これからのフロン対策/(一財)日本冷媒・環境保全機構/山本隆幸 今は、コロナウイルスの話題となっているが、フロンは1980年台にオゾン層破壊と騒がれてから40年が経ち、代替フロンの登場によりオゾン層破壊は解決したかと思われたが、温室効果ガス対策としてはまだ途上であり、今後のフロン供給が大きなテーマとなることであろう。 ■解説 ○ノロウイルスとその対策/大阪府立大学/勢戸祥介 国内においても毎年冬季に流行するノロウイルスのウイルス学的性状、ノロウイルス感染症、各種消毒剤の効果などについて概説したので、現場でのノロウイルス対策に活用して欲しい。 ○SDGsに貢献する省エネ連携制御/(一社)電子情報技術産業協会 制御・エネルギー管理専門委員会WG1 連携制御は複数の機器や設備を連携させた最適制御により、システム全体のエネルギー効率の向上を可能とする費用対効果に優れた技術である。本稿では、事例や費用対効果についてSDGsへの貢献も含めて紹介する。 ○新材料電気二重層エレクトレットを利用した振動発電素子/(一財)電力中央研究所/小野新平 IoT時代にむけて、振動発電素子の研究開発が進んでいる。本稿では、インフラなどの作り出す10 Hz以下の低周波の振動から発電をする電気二重層エレクトレットを利用した振動発電素子に関する紹介する。 ○高速流れとFPGAによる騒音低減のための装置開発/琉球大学/屋我 実 圧縮流体の特性である音速状態が発生する位置に、電圧で変位を制御できる圧電素子を設置することで、アクティブ騒音低減を実現するための圧力発生装置の試作を行った。さらに圧電素子を制御するための信号処理システムをFPGAで実現した。 ○自在に分解できる耐熱性・耐候性ポリマー/神奈川大学/木原伸浩 ジアシルヒドラジンは次亜塩素酸ナトリウムによって速やかに酸化分解するが、空気中の酸素には安定である。ポリ(ジアシルヒドラジン)は高い耐熱性、耐薬品性、耐候性を持つと同時に、望むタイミングで自在に分解除去できる分解性ポリマーである。 ○IoT・AIを利用したスマートビルマネジメントシステム/㈱大林組/竹井 宏 筆者らはIoT・AIを活用したスマートビルマネジメントシステムである「WellnessBOX R(ウェルネスボックス)」を開発し、2017年8月に竣工したテナント事務所ビルに適用した。本稿では、その事例を紹介する。 ○路線バス車室内の空気環境シミュレーション/九州大学/伊藤一秀 本稿では、計算流体力学CFDと数値人体モデルを統合した数値解析手法を路線バス車室内環境解析に適用し、不均一環境場の解析と乗客の熱的快適性・空気質を同時に予測評価した事例を紹介する。 ○低消費電力IoTカメラと機械学習で計器点検を効率化するクラウドサービス/高砂熱学工業㈱/武田浩一郎/TMES㈱/平井則行/LiLz㈱/大西敬吾 LiLzGauge(リルズゲージ)は、電源無しで長期動作可能なIoTカメラを用いて計器を撮影し、画像処理によりデジタル値へ変換してWeb画面に一覧表示する。点検対象の計器の値を事務所で確認できるため、点検事業者の大きな負担となっている巡回業務を大幅に削減できる。
■特集:暑熱対策と熱中症センシング技術 ○工場における暑熱対策の進め方/三井住友建設㈱/紺野康彦・菰田裕士 暑さ対策に苦慮している工場が多数存在し従業員の熱中症対策が問題となっている。本稿では、建築環境工学の立場から、暑熱対策に必要な熱中症指標や温熱環境分析を紹介し、各暑熱対策の効果や検討例を示した。 ○暑熱対策に最適なスポット・ゾーン空調システム/東芝キヤリア㈱/奥山航輝 工場や倉庫などの広い空間を有する現場にフィットするスポット・ゾーン空調機。「FLEXAIR」2シリーズは従来モデルから「風量切換」、「オートフラップ」、「吹出温度制御」などの機能を織り込み、よりユーザーの労働環境に最適な暑熱対策を実現した。 ○屋外用エアコンアウタータワー/ダイキン工業㈱/今井 孝 近年、世界的な気温上昇と共に熱中症患者の増加が大きな問題となっている。その一方で、夏の屋外イベント等は生活と切り離せない存在となっている。本稿では、新たな暑熱対策として、屋外用空調「アウタータワー」を挙げ、概要と施工事例について紹介する。 ○極微細化ミスト技術を用いたミスト式冷却機/パナソニック㈱/小川 修・尾形雄司 地球温暖化や都市のヒートアイランド化により、日中平均気温が年々上昇傾向のなか、屋外環境において、ミスト機器に代表される暑熱対策の重要性が高まっている。しかし、従来のミスト機器においては、ミストが人に届く前に自然風で流され拡散し、十分な冷却効果が得られなかった。本稿では、従来のミスト機器の課題に対し、送風技術と新規開発したドライ型ミストノズル技術により、ミスト空間をトルネード型エアカーテン気流で包み込む空気冷却と、直接人肌に噴霧しても濡れを感じにくいミストが生み出す擬似的発汗効果による人体冷却を実現し得る新しいミスト式冷却機を開発したので紹介する。 ○微霧併用スポット空調システム/ダイダン㈱/古川 悠 本稿では、スポット空調に微小な霧による気化冷却効果を融合させ、作業エリアの効率的な環境改善を行うことを目的に開発した微霧併用スポット空調システム「エコノスポット」の概要と効果について紹介する。 ○ヒートアイランド対策技術/㈱竹中工務店/藤原邦彦・佐久間護 ヒートアイランド対策技術には、植栽や水盤等のように都市空間で実際に緩和策・適応策として機能するハードウェア技術、そのハードウェアをより有効に活用するための熱環境シミュレーションといったソフトウェア技術の二つの方向性がある。本稿では、ハードウェア、ソフトウェアに分けて、近年の実施例を紹介する。 ○IoTを活用した作業員の安全性向上への取り組み/富士通㈱/堀 真人 当社はIoTを活用して、過酷な環境で働く作業員をしっかりと見守り、安心して働くことができる職場づくりをサポートするソリューションを提供している。 ■特集:地球温暖化防止に寄与する新冷媒① ○空冷モジュールチラーによる経済発展と社会課題解決への貢献/ダイキン工業㈱/田中敏稔 持続可能な開発目標(SDGs)の採択やSociety5.0の推進など、国内外で経済発展と温室効果ガス排出量削減などの社会課題解決の両立が求められている。本稿では、これらの課題に対して、空冷モジュールチラーを通したアプローチについて紹介する。 ○冷凍冷蔵用途における次世代環境型冷媒による低GWP化/日本ハネウェル㈱/粟野寛隆 ますます本格化する地球温暖化対策の一翼を担うフロン類対策。本稿では、低地球温暖化係数(GWP)の次世代技術への移行が進むなか、環境性と経済性を両立し、国内の冷凍冷蔵用途で採用が進む次世代冷媒R-448Aを紹介する。 ■解説 ○再生医療施設の環境モニタリング用ソフトウェアの紹介とその機能/九州リオン㈱/冨嶋儀徳・庄子英樹・櫛山一利 再生医療施設における無菌管理の一環として清浄度のみならず、室内環境や設備機器の状態などの管理として、環境モニタリング用ソフトウェアRPモニター Evo10が導入されている。本稿では、システム要求と機能の実現について紹介する。 ○ミドリムシから始まる「藻(も)のづくり」/(国研)産業技術総合研究所/芝上基成 ミドリムシ由来の多糖であるパラミロンは「一定鎖長、独特の結合様式」のため、これを原料とするナノファイバー、熱可塑性樹脂、粘着剤は従来品と比べてそれぞれ高アスペクト比、高熱可塑性、高天然成分率となる。 ○IoT時代のものづくり/㈱AFC研究所/浅井真吾 国内製造業が取り巻く環境が急速に変化する今、この変化に適応し、技術に更なる磨きをかけるため、IoT化への取り組みは必須である。IoT技術の導入を小さな規模からでも早急に取り組み、効果の極大化を目指すべきである。 ○水・空気直接接触型空調システムの利用に関する研究/東洋熱工業㈱/渡辺太郎 開発した空調機は年間を通して安定した温湿度環境を提供可能だが、連続運転時には水質維持の懸念があった。そのため、本稿では、24時間連続運転した場合の1年間の循環水内と空気中の微生物の検査結果について紹介する。 ○嗅覚の順応を考慮した官能試験方法について/㈱富士通ゼネラル研究所/野﨑優介・永吉健太郎 ニオイの測定手段には濃度測定と官能評価がある。特に複合臭のように臭気の変調が生じる場合、官能評価が有効である。しかし、嗅覚は順応を生じ易い。そこで、順応による官能評価への影響を減らし、精度管理につなげる方法の検討を行った。 ○天然素材が有する臭気除去能力の評価/大同大学/岩橋尊嗣 天然材料の利用として、木炭(炭)、ゼオライト、および森林から出る間伐材の有効活用として、不快臭の除去能力について検討した。その結果、それぞれの素材において特徴ある能力が確認された。
出版社:日本工業出版
発行間隔:月刊
発売日:毎月5日
サイズ:A4変形判
■ その研究・設計から維持管理まで
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