目次
Climate justice: Taking the power back
●今号の内容●
地球温暖化による気候変動で、すでに多くの人々が苦しんでいる。将来へと続くその計り知れないスケールの危機は、現在ニュースをにぎわせているような金融危機など足元にも及ばない恐ろしいものだ。私たちは、気候変動で何が起こるのかを知っているし、それを防ぐすべも持っているが、ようやく人々の間にまん延する問題意識の低さに向き合い始めたばかりだ。
気候変動で最も影響を受けるのは、貧しい人々や社会から疎外された人々である。豊かな国々は、これまで多くの温室効果ガスを排出し、今日の問題の原因をつくってきた。だが、その責任に対する先進国の政府と企業の認識は不十分である。先進国側は、いまだに実効性の乏しい解決策を擁護する一方で、温暖化防止という錦の御旗の下に、開発途上国が貧困から抜け出す発展という道(先進国が歩き、その後に続くよう彼らに促した道)の前に立ちはだかっている。
私たちに実際突きつけられているのは、南の国々の人々の暮らしを向上させながら、温暖化ガス排出量を劇的に削減しなければならないという課題である。言うまでもなくこれは、現在山積する問題の中でも最大の難問だ。その課題はどうやったら乗り越えられるのか? 私たちに残された手段は何なのか? 今月は、今日高まっているクライメート・ジャスティス(気候の公平性)の運動にそのヒントを求め、現実的で有効な方策を探る。
*英語版「New Internationalist」と、NIから厳選した記事の翻訳を中心に掲載した「NIジャパン」をセットでお届けしています。
◆ NI & NI日本版 2009年1/2月合併号 ◆
≪New Internationalist No.419 目次≫
(本文は英語です)
*<NIJ>の表示がある記事は、NI日本版に翻訳が掲載されています。
2 読者の声
4 気候変動という政治問題<NIJ>
地球温暖化は予想以上の早さで進行している。そして、世界の貧しい人々、特に開発途上国の人々が、その影響による干ばつ、洪水、熱波、超大型台風、海水面の上昇などの被害を最も受けている。しかし現在主流となっている温暖化対策の取り組みは、これまで温室効果ガスという原因物質を排出し続けてきた先進国の責任を回避する類のものだ。しかもそのような対策は、温暖化の被害者であり深刻な貧困に苦しむ途上国に対して、先進国がこれまで享受してきた発展の実りを我慢するよう強いている。先進国も途上国も協力でき、温暖化対策と発展を両立できる公平で有効な対策とはいかなるものなのだろうか。
8 クライメート・ジャスティスを目指すための4つの原則<NIJ>
世界各地でさまざまな社会運動が結びつき、クライメート・ジャスティスの実現を目指している。その根本的な4つの原則を見てみよう。
9 温暖化の現実に目覚めよ
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が2007年に出した報告書には、ますます深刻化する地球温暖化の行方が描かれていた。しかし各国の政府は、事の重大さをいまだに直視していない。
10 途上国の現状に合わせた現実的な気候変動対策を
豊かな生活を達成し、その生活様式からくる公害や廃棄物に長年悩んできた先進国。先進国の環境運動は、そんな中で生まれ発達してきたものである。他方途上国では、森の恵みや川の水、汚染されていない農地などの自然に依存した最低限の生活を守るため、ダム建設や森林伐採、鉱山開発や大規模プランテーションの進出に反対し、環境運動が盛んになってきた。この両者を結びつけるこれからの環境運動と気候変動対策について考える。
12 クライメート・ジャスティス ─ その事実<NIJ>
世界では、気候変動による影響を、誰が、どのくらい、どのように受けているのだろうか。そしてまた、誰がその原因を作っていて、この地球はどんな状態にあるのだろうか。図表とデータで示す。
14 炭素取引の行方
温暖化対策の切り札として各国政府と企業が力を入れている炭素取引。しかしすでに以前から、市民団体や研究者だけでなく、ウォール・ストリート・ジャーナル紙やニューズウィーク誌などのメインストリームメディアからも実効性に疑問を投げかけるデータが示されている。つい先日崩壊した金融市場の仕組みに依拠しているこのシステムは、炭素取引価格暴落の影響もあり、今日増々旗色が悪くなっている。しかしそんな中、政府と企業は以前としてこの偽りの温暖化対策を高く支持し、一部NGOも相変わらず後押しをしている。はたして、そこにはどんな裏事情があるのだろうか。
16 地中の資源には手をつけるな
先進国では、石炭火力発電所などから排出した二酸化炭素を地中に貯留する技術の導入を急いでいる。そこには、この未完成な技術によって、石炭や石油をクリーンなエネルギーと見なすことができるという考え方がある。だが、そんな不確かな技術を使わずとも、化石燃料を採掘しなければそれが燃やされることもなく、二酸化炭素が排出されることもない。このような考えの下、体を張った抵抗を行う人々の様子をナイジェリアと英国から報告する。
18 システム・エラー(マンガ)
気候変動対策を今実行しなければならないのはなぜか?
19 気候変動対策の今後<NIJ>
地球温暖化対策は、この地球上のすべての国々が協力して行わなければ意味がない。それには、先進国と途上国それぞれの利己的な利害を超えた公平な観点から、対策の枠組みを組み立てる必要がある。
20 議論されている排出量削減の方法<NIJ>
あと数年で期限を迎える京都議定書から、その京都議定書後をにらんだ提案であるKyoto2、そして排出権取引から炭素税まで、8種類の方法について公正さ、有効性、現在の支持などについて評価した。
23 目標に向かう道<NIJ>
今後の気候変動対策において決定的な会議になると言われているCOP15が今年12月にコペンハーゲンで開かれる。重要なことは、その会議の会場で何か行動を起こすのではなく、その会議の内容に影響を与えるよう今すぐに行動を起こすことだ。
24 団結が生んだ再生可能エネルギー<NIJ>
協同組合として組合員が管理するミニ水力発電ダムを利用し、自前の電力供給を実現したブラジルの農村のコミュニティー。次に彼らは、サトウキビを利用したバイオ燃料の生産に成功し、野菜や食品の出荷に使う自動車の燃料の自給を達成した。このような電力と燃料の自給を目指す動きが、ブラジルで少しずつ広がっている。
26 冷静に行動しよう!
効果的に気候変動対策活動に取り組むヒントと、活動団体の情報。
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【Special Feature】
クリーン・スタート ─ より公平なグローバル経済の構築へ
27 新しい、グリーンで民主的な取引
金融、社会、環境の危機がいかにして衝突したのか。そこから生じる危険とチャンスについて、スーザン・ジョージとウォールデン・ベローが議論する。
29 開発途上国の金融危機
今のところ、金融危機で大きな影響を受けているのは先進国であるが、それが途上国に及ぶのも時間の問題である。
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31 世界のニュース
採掘企業との闘い(シエラレオネ)/動物工場での動物の待遇(アニマル・ライツ)/カザフスタンの被爆者(核兵器)/チャベスの銀行(経済)/ほか
32 ビッグバッドワールド(風刺漫画)
ホッキョクグマの壊れやすい希望。
34 南の国からの一コマ
ブラジルの先住民族のボディーペインティング。
35 ワールドビーターズ
米国のコロンビア大学の法科大学院を卒業したグルジアのミヘイル・サーカシヴィリ大統領は、権力に酔いしれた政治家の典型である。グルジアを民主化に導くと期待されたサーカシヴィリだったが、それは期待はずれに終わり、外交面では米国への盲従によって地域外交で苦しいかじ取りを強いられている。
36 社会を揺さぶる人々
領海のすき間を利用し、国際法をたてにして、ガザの封鎖をぼろぼろの漁船で突破したジェフ・ハーパーに、イスラエル─パレスチナ問題の今後について聞いた。
38 NI ジャンボ・プライズ・クロスワード
39 ミクスト・メディア
本・映画・音楽の紹介
42 エッセー:コンクリートの夢
インドでは、貧困層に対する風当たりがかつてないほど強くなっている。中流層は貧困層をなまけものという目で見て差別し、行政や都市計画担当者は、地方の極貧を逃れて都市に流入してきたスラムの住人を避難民というよりは不法滞在者や違法占拠者という目で見て、都市を「浄化」したいと考えている。
44 世界の国のプロフィール:ベラルーシ
≪ニュー・インターナショナリスト日本版 No.107 目次≫
(本文は日本語です)
2 イントロダクション ─ クライメート・ジャスティスについての考察
それはどんなことを意味しているのか、川をはさんだ先進村と途上村の話をたとえに考えてみる。
4 気候変動という政治問題(NI p4-7の翻訳)
地球温暖化は予想以上の早さで進行している。そして、世界の貧しい人々、特に開発途上国の人々が、その影響による干ばつ、洪水、熱波、超大型台風、海水面の上昇などの被害を最も受けている。しかし現在主流となっている温暖化対策の取り組みは、これまで温室効果ガスという原因物質を排出し続けてきた先進国の責任を回避する類のものだ。しかもそのような対策は、温暖化の被害者であり深刻な貧困に苦しむ途上国に対して、先進国がこれまで享受してきた発展の実りを我慢するよう強いている。先進国も途上国も協力でき、温暖化対策と発展を両立できる公平で有効な対策とはいかなるものなのだろうか。
18 クライメート・ジャスティスを目指すための4つの原則(NI p8の翻訳)
世界各地でさまざまな社会運動が結びつき、クライメート・ジャスティスの実現を目指している。その根本的な4つの原則を見てみよう。
20 クライメート・ジャスティス ─ その事実(NI p12-13の翻訳)
世界では、気候変動による影響を、誰が、どのくらい、どのように受けているのだろうか。そしてまた、誰がその原因を作っていて、この地球はどんな状態にあるのだろうか。図表とデータで示す。
27 気候変動対策の今後(NI p19の翻訳)
地球温暖化対策は、この地球上のすべての国々が協力して行わなければ意味がない。それには、先進国と途上国それぞれの利己的な利害を超えた公平な観点から、対策の枠組みを組み立てる必要がある。
30 議論されている排出量削減の方法(NI p20-22の翻訳)
あと数年で期限を迎える京都議定書から、その京都議定書後をにらんだ提案であるKyoto2、そして排出権取引から炭素税まで、8種類の方法について公正さ、有効性、現在の支持などについて評価した。
38 目標に向かう道(NI p23の翻訳)
今後の気候変動対策において決定的な会議になると言われているCOP15が今年12月にコペンハーゲンで開かれる。重要なことは、その会議の会場で何か行動を起こすのではなく、その会議の内容に影響を与えるよう今すぐに行動を起こすことだ。
41 団結が生んだ再生可能エネルギー(NI p24-25の翻訳)
協同組合として組合員が管理するミニ水力発電ダムを利用し、自前の電力供給を実現したブラジルの農村のコミュニティー。次に彼らは、サトウキビを利用したバイオ燃料の生産に成功し、野菜や食品の出荷に使う自動車の燃料の自給を達成した。このような電力と燃料の自給を目指す動きが、ブラジルで少しずつ広がっている。
46 もっと知るためのネタ帳
気候変動や地球温暖化関連の分野で取り組むNGO/NPO、参考ウェブサイト、書籍の情報。
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商品情報・内容
- 出版社:有限会社インティリンクス
- 発行間隔:隔月刊
- 発売日:偶数月10日
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1973年にイギリスで創刊された国際情報誌です。政治、社会、環境、人権など幅 広いテーマで世界の現実、草の根レベルの人々の声、解決に向けた動きを発信し ます。単に問題や課題だけでなく、より良い社会に向けて世界で、あるいは地域 で行われている取り組みや活動も紹介し、主流メディアの一歩先をいくオルタナ ティブを模索、提案しています。日本も含めた世界の将来が気になるという一般 の方から、最新の世界の動きや取り組みを知っておきたいという会社員、研究者、 教員、学生、NGO/NPO、ジャーナリストの方まで、幅広い方々にご活用いただいて います。
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