機能材料 発売日・バックナンバー

全251件中 91 〜 105 件を表示
4,400円
【著者一覧】
宇山 浩  大阪大学
森川 豊  あいち産業科学技術総合センター
伊藤雅子  あいち産業科学技術総合センター
後居洋介  第一工業製薬(株)
濱田仁美  東京家政大学
雲 浩靖  オンキヨー(株)
矢吹彰広  広島大学
藤田健一  京都大学
平山朋子  同志社大学


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【新春特集】セルロースナノファイバー実用化の最新動向

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特集にあたって
Introduction

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セルロースナノファイバーの機械加工と高圧ジェットミル処理の最新動向
Latest Trend of Machining of Cellulose Nanofibers and High Pressure Jet Milling

 次世代の高機能性素材として期待されるセルロースナノファイバーの開発や実用化において,セルロースをナノサイズの太さに加工できる機械技術の発展は必要不可欠である。ここでは,機械加工の中でも,高圧ジェットミルで加工されるセルロースナノファイバーの特性とその応用について述べる。

【目次】
1. はじめに
2. セルロースナノ加工品の分類と機械加工
3. 高圧ジェットミルによるセルロースナノファイバー加工と特徴
 3.1 高圧ジェットミル
 3.2 高圧ジェットミルによるセルロースナノファイバー加工
 3.3 セルロースナノファイバーの粘度特性および分散安定性の向上について
4. セルロースナノファイバー透明膜および複合膜への応用
 4.1 セルロースナノファイバー透明膜
 4.2 透明複合膜
5. セルロースナノファイバーの表面処理およびフィルタへの応用
 5.1 表面処理(撥水化)
 5.2 表面処理(表面電位変化)セルロースナノファイバーを用いた花粉除去フィルタ
 5.3 自由曲面フレネルの成形方法と留意点
6. 結び

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TEMPO酸化セルロースナノファイバーの開発と応用展開
Development and Application of TEMPO Oxidized Cellulose Nanofibers

 第一工業製薬(株)では,TEMPO酸化セルロースナノファイバー(TOCNF)からなる水系増粘剤「レオクリスタ(R)」を製造販売している。TOCNF は高い増粘性,優れた乳化・分散安定性,高い擬塑性流動性など,ユニークな特徴を有している。本稿ではこれらの特徴の詳細や,水性ゲルインクボールペンへの実用化などの開発事例について紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. セルロースの新たな利用方法,セルロースナノファイバー
 2.1 CNFの調製方法
 2.2 TEMPO酸化によるCNFの調製
3. 増粘剤としてのTEMPO酸化CNFの特徴
 3.1 ネットワーク構造の形成
  3.1.1 高い増粘性
  3.1.2 乳化安定性
  3.1.3 分散安定性
 3.2 ネットワーク構造のせん断による破壊と再構築
  3.2.1 スプレー可能でタレないゲル
 3.3 皮膜形成能
  3.3.1 微粒子の乾燥時の凝集抑制
  3.3.2 ゲル状皮膜の形成
4. 開発状況と応用事例
 4.1 水性ゲルインクボールペンのインクとしての実用化
5. おわりに

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セルロースナノファイバーを利用したテキスタイルの改質
Functionalization of Textiles with Cellulose Nanofibers

 植物由来のセルロースナノファイバー(CNF)は,その極細形状に由来する全く新しい機能が期待され,様々な産業分野での応用研究が進んでいる。著者らは繊維産業の衣料分野でのCNFの活用に着目し,セルロース系繊維から成るテキスタイルに対してCNFを塗布することにより,その改質と新たな機能化を検討している。

【目次】
1. はじめに
2. 植物由来の繊維
3. セルロースナノファイバー(CNF)
4. CNFの調製法
5. CNFの応用研究
6. CNFのテキスタイルへの応用
 6.1 織物・不織布へのCNF塗布による特性変化
 6.2 TEMPO酸化処理布へのCNF塗布の効果
 6.3 CNF塗布テキスタイルのインクジェット捺染適性
7. 最後に

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セルロースナノファイバーを使用した“スピーカー用振動板”の開発と製品化
Development and Commercialization of“ Speaker Diaphragm” Using Cellulose Nanofibers

 セルロースナノファイバーを使用したスピーカー用振動板の開発に世界で初めて成功。セルロースナノファイバーの特徴は軽くて強いことであり,また,スピーカー用振動板にも軽くて強いことが求められている。セルロースナノファイバーをスピーカー振動板に適用した場合の効果等やそれらを用いて開発製品化したスピーカーやヘッドホンについて解説する。

【目次】
1. スピーカー用振動板とは
 1.1 スピーカーの構造
 1.2 スピーカー用振動板に求められるもの
2. セルロースナノファイバーのスピーカー用振動板への適応
3. 製品化
 3.1 Onkyo SC-3(B)と振動板
 3.2 Pioneer S-PM50 D,S-PM30 Dと振動板
 3.3 ヘッドホンPioneer SE-MONITOR5と振動板
 3.4 Onkyo桐スピーカーと振動板
4. 今後の展開

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CNFを用いた自己修復性防食コーティング
Development and Commercialization of“ Speaker Diaphragm” Using Cellulose Nanofibers

 金属材料の腐食を防止するために,各種の塗料による防食コーティングが行われる。防食コーティングにおいては,欠陥が生じた場合に新たな防食皮膜が自然に形成する自己修復性が有効である。本稿では,疑似血管としてセルロースナノファイバー(CNF)および腐食抑制剤の吸脱着制御による自己修復性防食コーティングの開発について紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 金属の腐食と防食コーティング
3. 自己修復性防食コーティングの構造
4. コーティングの評価方法
5. 自己修復性防食コーティングの開発
 5.1 セルロースナノファイバーを用いた自己修復性防食コーティング
 5.2 セルロースナノファイバーを用いた自己修復性防食コーティングにおける各種腐食抑制剤の影響
 5.3 セルロースナノファイバーを用いた自己修復性防食コーティングにおけるコーティング内pHの影響
6. まとめ


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[ Material Report -R&D- ]

イリジウム錯体触媒を活用する効率的な有機ハイドライド水素貯蔵システム
Development of Efficient Hydrogen Storage System Based on Organic Hydride Technology Using Iridium Complexes as Catalyst

 低炭素社会における理想的なエネルギー源として期待の大きい水素の利用拡大を図るために,安全で効率的な水素貯蔵法の開発が求められている。本稿では,著者らがこれまでに取り組んできた,有機ハイドライド水素貯蔵システムの開発に関する研究成果を紹介する。

【目次】
1. 背景
2. 機能性配位子を有するイリジウム錯体触媒による有機分子の脱水素化
3. テトラヒドロキナルジンを有機ハイドライドとする水素貯蔵システム
4. デカヒドロナフチリジン誘導体を有機ハイドライドとする水素貯蔵システム
5. ピペラジン誘導体を有機ハイドライドとする水素貯蔵システム
6. まとめ

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表面テクスチャリング技術の最新動向とトピックス(1)

表面テクスチャリングに期待される効果
Expectation for Performance Improvement of Sliding Surface by Surface Texturing

 表面テクスチャリングは摺動面のトライボロジー特性を向上させる極めて有効な手法であり,国内外を問わず多くの研究がなされている。本稿では,特に流体潤滑下および弾性流体潤滑下におけるテクスチャの効果に焦点を当て,その潤滑特性の向上メカニズムの解説とともに近年の研究事例の紹介を行う。

【目次】
1. はじめに
2. 流体潤滑域におけるテクスチャの効果
3. 弾性流体潤滑域におけるテクスチャの効果
4. おわりに

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[ 機能材料マーケットデータ ]

紙・パルプ用化学薬品工業の市場動向
Strain-Induced On-Surface Synthesis for Fabrication of Functional Organic Molecules

 製紙用薬剤は,紙・板紙の製造において様々な用途で用いられる。国内需要は紙・板紙の成熟市場に連動して縮小傾向にあるが,製紙用薬剤メーカー各社は,ニーズの高機能化に取り組むとともに,中国や東南アジア地域の発展をにらみ,同地域における市場展開・生産体制の強化を行っている。

【目次】
1. 概要
2. 紙・板紙需要動向
 2.1 紙
 2.2 板紙
3. 製紙パルプ需要動向
4. 古紙需要動向
5. 製紙用薬剤需要動向
 5.1 主要薬剤の動向
  5.1.1 製紙パルプ用薬品
  5.1.2 古紙処理工程用薬剤
  5.1.3 抄紙工程用薬剤
  5.1.4 二次加工用薬品
  5.1.5 その他
6. 製紙用薬剤メーカーの動向
 6.1 国内メーカーの中国,東南アジア地域への進出
 6.2 各社の国内動向
【著者一覧】
高松敦  セントラル硝子(株)
佐藤公一  日本特殊光学樹脂(株)
前田秀一  東海大学
黒田章裕  黒田総合技研(株)
新澤滋  MicroVision, Inc.
相部紀夫  (元)武田薬品工業(株)
三原雄司  東京都市大学
塩足亮隼  東京大学
中江隆博  京都大学
宇野英満  愛媛大学
坂口浩司  京都大学
杉本宜昭  東京大学

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【特集】車載ヘッドアップディスプレイ部材の最新動向

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フロントガラスを利用したヘッドアップディスプレイ
Head Up Displays for Windshield

 高齢化による交通事故の防止や渋滞がなくスムーズで安全な交通社会の実現のために,自動車の運転支援システムがめまぐるしいスピードで進化している。そのひとつであるヘッドアップディスプレイの車載数が大幅に増えている。本稿ではフロントガラスに直接情報を投影するダイレクトタイプのヘッドアップディスプレイの歴史や現状を,ガラスメーカー開発者の立場から概説する。

【目次】
1. はじめに
2. 自動車用窓ガラスの基礎
 2.1 自動車の窓ガラス
 2.2 ガラス組成と板状ガラスの製造方法
 2.3 自動車の窓ガラスの種類と加工
 2.4 自動車用窓ガラスに求められる基本的特性
 2.5 自動車の窓ガラスの変遷
3. 自動車用窓ガラスとヘッドアップディスプレイ
 3.1 ヘッドアップディスプレイとは
 3.2 ヘッドアップディスプレイの歴史
 3.3 現在のヘッドアップディスプレイ
 3.4 ヘッドアップディスプレイの今後と期待
4. おわりに

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フレネルレンズのHUD への応用と製造技術
Utilize Fresnel Lenses as a HUD Component

 ヘッドアップディスプレイ(HUD)には歪み補正のため自由曲面形状を有する光学素子が用いられる。これらの光学素子は複雑な形状を有し,厚さや重量が嵩むという問題がある。本稿では問題解決のために,日本特殊光学樹脂の有するフレネルレンズ加工技術を応用して,自由曲面フレネルによるHUD用光学部材の薄型,軽量化を提案し,製造時における留意点などを述べる。

【目次】
1. はじめに
2. フレネルレンズについて
3. フレネルレンズのHUDへの応用
4. 自由曲面レンズ・ミラーのフレネル化
5. 自由曲面フレネルの設計と製造技術
 5.1 自由曲面フレネルの設計
 5.2 自由曲面フレネルの金型製造と留意点
 5.3 自由曲面フレネルの成形方法と留意点
6. ハーフミラー成膜と同一屈折率樹脂での封止技術
7. さいごに

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シースルータイプの光散乱制御型HUD
See-Through Type HUD Based on Light Scattering

 従来,HUDにはハーフミラーが多用されているが,ハーフミラーには,光の透過率が低い,用いている金属によっては,色が変化してしまうなどの問題があった。我々は,シースルータイプに着目し,光学原理を光の反射ではなく,酸化亜鉛系ナノ粒子を用いたミー散乱を用いることで,これらの問題を解決した。

【目次】
1. はじめに
2. ナノ粒子の屈折率とシースルー,視認性との関係
 2.1 ナノ粒子の屈折率とシースルー,視認性との関係
 2.2 材料
 2.3 塗工溶液の作成
 2.4 塗工
 2.5 分光分布測定
 2.6 試験系1
 2.7 試験系2
 2.8 レーザーを用いた散乱形態の評価
3. 結果および考察
 3.1 分光分布測定
 3.2 HUDの特性評価(ほぼ真下からの画像投影)
 3.3 HUDの特性評価(斜めからの画像投影)
 3.4 レーザーを用いた散乱形態の評価
4. おわりに

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レーザービームスキャン技術
Laser Beam Scanning Technology

 レーザーを光源とするディスプレイは従来から提唱され実用化されてきたが,近年半導体レーザーの発展に伴い小型で高性能なレーザービームスキャナが実用化され,その特徴を活かしたポケッタブルなプロジェクタやプロジェクタを内蔵したスマートフォンなどが商品化されている。又,車載用ヘッドアップディスプレイ(HUD)やヘッドマウントディスプレイ(HMD)の新しい光源としても検討されている。本稿ではこのレーザービームスキャナの原理と特徴について解説し,HUDへの応用について述べる。

【目次】
1. レーザービームスキャン方式
 1.1 MEMSマイクロミラー
 1.2 レーザー光源
 1.3 LBS方式プロジェクタ
2. 車載用ヘッドアップディスプレイ(HUD)
 2.1 LBS方式HUD
3. おわりに

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[ Material Report -R&D- ]

化学吸着に及ぼす活性炭表面酸化物の効果
Effect of Carbon-Oxygen Surface Complexes on Chemical Adsorption by Activated Carbon

 活性炭は,医薬品,食品,化学品工場での脱色・分離・精製・回収,公共施設での脱臭・水処理,また,フィルター,浄水器など,非常に広範囲の分野に使用されている。これら用途における活性炭の性能は,その形状,細孔などの物理的特性による物理吸着機能とその表面の化学的特性に基づく化学吸着機能に左右され,後者について活性炭の表面錯化合物,特に表面酸化物の挙動を紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 酸化剤による活性炭の酸化現象
3. 高度浄水処理場における活性炭の液相オゾン酸化
 3.1 高度浄水処理場使用炭による放射性金属の吸着・除去
 3.2 高度浄水処理場使用炭によるリチウムの吸着・回収
4. オゾン酸化活性炭による重金属の吸着
5. 酸化活性炭によるアルデヒドの吸着
6. 酸化活性炭の電極性能
7. 硝酸酸化による貴金属担持活性炭触媒の高性能化
8. 酸化活性炭による窒素酸化物および硫黄酸化物の除去
9. おわりに

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[ Material Report -R&D- ]

エンジンの摺動部材料(ピストン系,軸受)について
Materials of Engine Sliding Parts (Piston, Piston-Ring and Plain Bearing)

 摩擦の低減と摩耗低減や耐焼付き性を両立できるトライボロジー技術はエンジンにおいて重要なテクノロジーとなっている。本稿ではエンジンを支える主要部品であるピストン,ピストンリング及び軸受の材料について,一般的な材料やその成分及びこれらの材料に加えて摺動特性や熱効率を向上させる代表的な表面処理について述べた。

【目次】
1. はじめに
2. エンジン摺動部の環境
3. エンジン軸受
 3.1 すべり軸受に要求される特性
 3.2 すべり軸受の構造と材料
 3.3 固体潤滑剤の改良による機能向上の例
4. ピストンリング
 4.1 機能
 4.2 材料及び機械的特性
5. ピストン
 5.1 機能
 5.2 材料及び機械的特性
 5.3 摩擦低減を目指す表面コーティングの技術(MoS2樹脂コーティング)
 5.4 摩擦低減を目指すその他の表面コーティング技術
 5.5 WPC処理
6. 熱損失低減を目的とした表面処理
7. おわりに

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[ Material Report -R&D- ]

機能性有機分子創成のための分子ひずみを駆使した表面合成法
Strain-Induced On-Surface Synthesis for Fabrication of Functional Organic Molecules

 本稿では,「バネ」型の多環芳香族炭化水素を金属表面上に置くことで変型させ,そのとき生じた歪みエネルギーを使って前例の無い炭素骨格組み換えを実現した「新型の表面合成法」について紹介する。また,その生成物の構造決定や反応効率の評価に用いた,分子内部の炭素骨格を可視化できる超高分解能原子間力顕微鏡について概説する。

【目次】
1. はじめに
2. ナノ炭素材料を産み出すための表面合成法
3. 原子間力顕微鏡による分子骨格イメージング
4. 分子歪みがもたらす「新型の表面合成法」
 4.1 バネ型PAHの表面反応と構造決定
 4.2 構造歪みと転位反応の相関の解明
 4.3 観測された表面反応は,極めて異例の転位反応である!
5. おわりに
【著者一覧】
萩原良道  京都工芸繊維大学
小方 聡  首都大学東京
大保忠司  (株)荏原製作所
能見基彦  (株)荏原製作所
大塚雅生  シャープ(株)
公文ゆい  シャープ(株)
麓 耕二  青山学院大学
石川将次  京都工芸繊維大学
米澤 翔  京都工芸繊維大学
山中拓己  (株)コベルコ科研
福井智宏  京都工芸繊維大学
森西晃嗣  京都工芸繊維大学
長谷川丈二  九州大学
野田浩章  (国研)産業技術総合研究所
合田英生  荒川化学工業㈱
明渡 純  (国研)産業技術総合研究所


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【特集】生物から着想を得た流体制御の最新研究

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特集にあたって
Drag Reduction by Ager Gels

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寒天ゲルを利用した流れの抵抗低減
Metalic Materials

 寒天ゲル壁を利用することで,圧力損失や摩擦抵抗の低減が可能であることを明らかにした。本研究では,矩形管流れ,一様流中に置かれた平板周りの流れ,染み込み深さ測定などの一連の実験結果より,寒天ゲル壁の抵抗低減効果はゲル濃度に大きく依存し,寒天ゲルの濃度が低いほど抵抗低減量が増加することが示された。

【目次】
1. はじめに
2. 装置および方法
 2.1 供試寒天ゲル壁
 2.2 矩形流路実験装置
 2.3 流路高さ測定
 2.4 染み込み深さ測定
 2.5 抗力測定
3. 実験結果および考察
 3.1 圧力損失測定結果
 3.2 染み込み深さ測定結果
 3.3 抗力測定結果
 3.4 低減メカニズムの考察
4. おわりに

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生物から着想を得た家電製品の価値創造
Value Creation of Home Appliances by Biomimetics

 生物から着想を得るバイオミメティクス研究が注目を集めており,様々な産業分野において応用が進みつつある。シャープ㈱(以下,当社)はこれをネイチャーテクノロジーと称して積極的に取組み,2017年8月現在で既に22種類のネイチャーテクノロジーの実用化に成功,26品目の家電商品に適用し,商品の価値向上や新たな価値創造を実現している。このように当社は「自然に学ぶ」という方法論を駆使し,様々な商品の価値向上や新たな価値創造に取り組んでいる。ここではこれらのうち,アホウドリ・イヌワシの翼を応用したエアコン室外機,トンボの翅を応用したエアコン室内機,イルカの尾びれ・表皮しわを応用した洗濯機,蝶の翅を応用した扇風機を取り上げ解説する。

【目次】
1. エアコン室外機に鳥を応用
 1.1 用いた鳥の翼の特徴と効果
  1.1.1 アホウドリの翼平面形を応用
  1.1.2 イヌワシの翼平面形を応用
  1.1.3 小翼羽により剥離を防止
 1.2 製品の性能革新
 1.3 性能革新のメカニズム
2. エアコン室内機にトンボを応用
 2.1 用いたトンボの翅の特徴と効果
  2.1.1 トンボの翅の断面形を応用
  2.1.2 用いるのが困難な航空機翼型
  2.1.3 トンボの翅の断面形を航空機翼型に融合した新概念の翼断面形状により二律背反を打破
 2.2 製品の性能革新
 2.3 性能革新のメカニズム
3. 縦型洗濯機にイルカを応用
 3.1 用いたイルカの尾びれ・表皮しわの特徴と効果
  3.1.1 イルカの尾びれを応用
  3.1.2 イルカの表皮しわを応用
 3.2 製品の性能革新
4. 扇風機に蝶を応用
 4.1 用いた蝶の翅の特徴と効果
  4.1.1 効率と快適性の間のトレードオフ解消
  4.1.2 拡散性・直進性(収束性)に関するニーズ
 4.2 製品の性能革新と物理現象の間のジレンマ解消
5. その他の生物模倣技術の事例紹介
 5.1 ネコ科動物の舌の表面構造応用サイクロンゴミ圧縮ブレード技術
  5.1.1 ネコの舌の表面構造を応用
 5.2 ペンギンの翼/円環状魚群応用炊飯器撹拌ブレード技術
  5.2.1 ペンギンの後退翼を応用
  5.2.2 円環状魚群の習性を応用
 5.3 アマツバメの翼の平面形応用ドライヤー用ファン技術
  5.3.1 アマツバメの翼の平面形を応用
 5.4 ひまわりの種の配列(フィボナッチ)応用洗浄促進突起技術
  5.4.1 ひまわりの種のフィボナッチ配列を応用
6. おわりに

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生物の組織形状に由来する微小空間用熱交換器に関する基礎的研究
Fundamental Study on Micro Heat Exchanger Derived from Organism

 生物の組織形状に由来する微小空間用小型熱交換器に関して,2つ研究課題「魚の鰓(エラ)形状に由来する狭隘空間用高効率熱交換器に関する基礎的研究」,および「赤血球の血管内ずり流動に由来する高効率物質熱輸送システムに関する基礎的研究」について研究背景および取り組み状況について紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 魚の鰓(エラ)形状に由来する狭隘空間用高効率熱交換器に関する基礎的研究
3. 赤血球の血管内ずり流動に由来する高効率熱・物質熱輸送システムに関する基礎的研究
 3.1 吸水性ポリマーについて
 3.2 アルギン酸カルシウムビーズについて
4. まとめと今後の展望

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冬ガレイから着想を得た微細流路内氷スラリー流の氷成長・融解の制御
Control for the Growth and Melt of Ice Particles of Ice Slurry Flow in Mini Channels Inspired from Winter Flounder

 寒冷地に生息している魚類,昆虫,植物,菌類,バクテリアなどの生物の一部には,氷点下の環境において,これらの生物が自らの細胞の凍結により死滅しないように,氷の成長を抑制する働きを持つ物質を有している。この物質の代表例が,不凍タンパク(Antifreeze Protein:以下AFPと略す)である。以下では,寒冷地に生息する冬ガレイから抽出される不凍タンパク質であるHPLC6,HPLC6の一部を基に合成されたポリペプチドを用いた微細流路内氷スラリー流の氷成長・融解に関する研究の一部を紹介する。

【目次】
1. 研究背景
2. 研究目的
3. 研究方法
 3.1 観察装置
 3.2 氷スラリー生成装置
 3.3 柔軟触覚センサ活用案
 3.4 オリジナルセンサモジュール
4. 氷粒子融解へのHPLC6の影響
 4.1 速度計測
  4.1.1 計測手法
  4.1.2 氷スラリー流の速度計測結果
  4.1.3 氷粒子塊の移動速度へのHPLC6の影響
 4.2 濃度計測
  4.2.1 計測手法
  4.2.2 計測結果
5. 氷粒子融解へのポリペプチドの影響
 5.1 静止水溶液中の氷粒子の観察
 5.2 静止水溶液中の氷粒子計測
 5.3 水溶液流中の氷粒子計測
6. おわりに

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イルカの表皮から着想を得た波状面による乱流摩擦抵抗低減
The Reduction of Turbulent Friction Drag by Wavy Surfaces Inspired from Dolphins’ Skin

 イルカの皮膚の変形が皮膚近傍の乱流水流の構造を変えること,変形した皮膚を模擬する波状プレートを用いた実験により摩擦抗力や圧力抗力増加は二次元波状面の結果より下回ること,波状面の硬度や表面性状が抗力に影響を与えることを示した。さらに,皮膚のはがれや柔軟性についても結果を紹介した。

【目次】
1. はじめに
2. 圧力抵抗
3. 摩擦抵抗
 3.1 イルカの皮膚
 3.2 皮膚の剥がれ
 3.3 柔軟壁
 3.4 二次元波状面
 3.5 有限幅の固体波状面
 3.6 硬度の異なる波状面
 3.7 微細溝を有する波状面
4. おわりに

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小型飛翔機械の開発に向けたトンボの空力制御研究
An Evaluation of Dragonfly’s Aerodynamic Force for the Development of Flapping Micro Air Vehicles

 羽ばたき型の小型飛翔機械(MAV)の開発には,飛翔昆虫の空力特性評価が不可欠である。特にトンボはホバリング,急加速,急旋回など優れた機動力を実現しており,そのメカニズムを解明することは,優れたMAV開発へ繋がる可能性が高い。本稿ではトンボの空力に着目した数値解析によるアプローチを紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. トンボの空力計算モデル構築
 2.1 数値流体力学(CFD)
 2.2 空力計算モデルのモデル形状
 2.3 空力計算モデルのメッシュ
 2.4 使用する計算スキーム
3. 飛行条件と評価結果
 3.1 飛行条件
 3.2 ピッチング運動が空気流動に与える影響
 3.3 前後翅位相差が空力に与える影響
4. まとめ

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[ Material Report -R&D- ]

固くて柔軟な多孔質高分子材料
Highly Stiff and Flexible Porous Polymer Monoliths

 多孔質材料は,概して「固くて脆い」か「ソフトで柔軟」のいずれかである。しかし,高分子ネットワーク構造と細孔構造の両方を制御することにより,「固くて柔軟」な低密度材料を作製することができる。本稿では,一般的な高分子材料であるフェノール樹脂系の,固くて柔軟な多孔質材料の開発とそれらの衝撃(力学エネルギー)吸収能について紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 多孔質フェノール樹脂の細孔構造制御
3. 多孔質フェノール樹脂の力学特性
4. 多孔質フェノール樹脂の柔軟性発現機構
5. 多孔質フェノール樹脂の力学エネルギー吸収
6. おわりに

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[ Material Report -R&D- ]

AD法を用いた樹脂基材上へのハードセラミックコート―部材軽量化,高機能化への挑戦―
Hard Ceramic Coating on Plastic Substrate by Aerosol Deposition Method -Challenge for Elements with High Function and Weight Reduction-

 プラスチック基材の上に,中間層として荒川化学の有機無機ハイブリッド膜を形成した後,AD法によりセラミック膜を形成することにより,バルクのセラミックスに等しい表面性能を持つプラスチックができる。プラスチック基材の表面硬度,耐摩擦性はガラス並みに向上した。また,得られたセラミック膜は透明性と緻密性に優れ,セラミック/プラスチック積層体は実用レベルの密着性も示した。筆者らはこのプラスチック基材上への新規なセラミックコーティング法を自動車,家電,電子端末機器など様々な業界に実用化を目指し提案していく。

【目次】
1. はじめに
2. エアロゾルデポジション法によるセラミックコーティング技術
3. 有機無機ハイブリッド膜の効果
4. 有機無機ハイブリッド膜とAD法セラミックコーティングの融合によるプラスチック基材上への積層構造形成
5. 多層積層構造の特性
6. まとめ
7. 今後の予定
【著者一覧】
梅原 徳次  名古屋大学
佐々木信也  東京理科大学
竹市 嘉紀  豊橋技術科学大学
川口 雅弘  (地独)東京都立産業技術研究センター
丸山 尚哉  タッチエンス(株)
大嶋 英司  カンタツ(株)
染川 英俊  (国研)物質・材料研究機構
梶原 鳴雪  名古屋大学


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【特集】最新トライボマテリアル

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トライボマテリアルの最新動向
New Research Trend in Tribo-Materials

 自動車や航空機などの高性能化が進むにつれて軸受における面圧,すべり速度及び温度の摩擦条件が過酷になり,境界潤滑あるいは無潤滑下での低摩擦・耐摩耗が実現可能な新しいトライボマテリアルの開発研究が進められている。カーボン系硬質膜の研究動向としては,①厚膜化,②耐熱性の向上,③耐摩耗性の向上(なじみ性の促進,強じん化)を紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. DLC膜およびCNx膜の厚膜化
3. ボロン含有CNx膜による耐熱性の向上
4. 非晶質窒化炭素膜(a-CNx膜)による低摩擦・耐摩耗性の向上
 4.1 イオンビーム支援蒸着法によるa-CNx膜の成膜とトライボロジー特性
 4.2 イオンビーム支援フィルタードアーク法によるa-CNx膜の成膜とトライボロジー特性
5. 摩擦時における潤滑油からのカーボン系膜の生成
6. まとめ

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金属系材料の動向
Metalic Materials

 摺動面の大半は金属系材料からなる。これまでの性能改善の長い歴史から目立った進歩は見られないものの,鉛フリー化に代表される使用元素の制限や使用環境の苛酷化によって,新たなブレークスルーが求められている。ただし,材料のみでの改善には限界もあるため,表面テクスチャとの組み合わせなど複合化による機能付与と性能向上が今後の重要課題である。

【目次】
1. はじめに
2. 金属系摺動材料に求められる性質
3. 主な金属系摺動材料
 3.1 すべり軸受
 3.2 転がり軸受材料
 3.3 被覆材料
4. 金属系摺動材料の技術動向
 4.1 材料開発
 4.2 マルチスケール・テクスチャリング
5. おわりに

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樹脂系トライボマテリアルの動向
Trends of Resin Tribo-Materials

 樹脂材料は金属材料やセラミックと比較して軽量性や成形性に優れ,広い工業分野での利用が進んでいる。しゅう動面に用いるトライボ材料としては,これらの優れた特性に合わせ,多くの樹脂材料が有する自己潤滑性が利点となる。しかし,機械的強度や耐摩耗性では従来材料に劣ることも多く,これらを改善すべく様々な研究がなされている。

【目次】
1. はじめに
2. トライボマテリアルとしての樹脂材料
 2.1 プラスチックの基本的な構造と特性への影響
 2.2 工業的に見たプラスチックの分類
 2.3 トライボマテリアルとして利用されるプラスチック
  2.3.1 PTFE
  2.3.2 PEEK
  2.3.3 POM
  2.3.4 UHMWPE
  2.3.5 PA
  2.3.6 PAI
  2.3.7 PF
3. 国内の樹脂材料のトライボロジー研究事例
 3.1 研究動向
 3.2 基礎的研究の事例
 3.3 実用的研究の事例
4. 海外の樹脂材料のトライボロジー研究事例
5. おわりに

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表面改質の動向
Surface Modification and Treatment for Tribology -Trends in Science and Technology-

 近年の表面改質は目覚ましい発展を遂げており,日本において大きな産業市場を形成している。本解説では,トライボロジー特性に関わる表面改質の動向について概説しつつ,注目すべき技術・研究成果を紹介する。

【目次】
1. 表面改質の現状
2. 表面改質の分類
3. 各表面改質の位置付け
 3.1 トライボロジー特性と硬さの関係
 3.2 厳しい摺動環境を想定した表面改質
 3.3 穏やかな摺動環境を想定した表面改質
4. 表面改質各論
 4.1 表面熱処理
 4.2 コーティング
  4.2.1 湿式法
  4.2.2 乾式法
5. おわりに

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[ Material Report -R&D- ]

多機能小型触覚センサの開発
Development of Multi Functional Small Tactile Sensor

 サービスロボット開発の進展に合わせてニーズが高まっている触覚センサは,まだ広く普及している汎用的な製品はなく,多くの企業で技術開発のフェーズにある。本稿では,現時点で製品化している2種類の触覚センサの技術説明,活用提案と今後の展開を紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 小型3 軸触覚センサ
 2.1 開発の背景
 2.2 原理と特徴
 2.3 3軸の定義
 2.4 小型3軸触覚センサ活用提案
3. 柔軟触覚センサ
 3.1 開発の背景
 3.2 原理と特徴
 3.3 柔軟触覚センサ活用案
 3.4 オリジナルセンサモジュール
4. 今後の展開
5. おわりに

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[ Material Report -R&D- ]

電子回路を曲面にも作成可能な高速3D プリンターの開発
Development of the High-Speed 3D Printer Capable of Creating Electronic Circuits on Three-Dimensional Curved Surfaces

 3Dプリンターの登場によって,新しいアイデアや製品を簡単に試作出来るようになっている。いわゆるMaker Movementと呼ばれる動きが加速している。しかし,従来の3Dプリンターやレーザーカッターのようなデジタル工作機械だけでは形状は出来るが,モノを動作させることは出来ない。このモノ造り革命をさらに一歩も二歩も前進させる技術が,当社で開発したPCBプリンター3D-Pro1(開発コード名)である。本装置は,電子回路基板製作用のシルクスクリーン印刷法などの各種マスクが不要で,直接PCやスマホのお絵かきアプリで作成した回路から,どんな曲面や材料の上にも精密な電子回路パターンが作成できる。3D プリンターとしても従来の光造型機を凌駕する高速・高精度な造形物が作成出来る一台二役の装置である。

【目次】
1. はじめに
2. PCBプリンター3D-Pro1の主な特徴
3. PCBプリンター3D-Pro1の構造・仕様
4. 3Dプリンター機能概要
5. 電子回路プリンター機能概要
6. 光学エンジンの構成
7. 本装置の性能・精度

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[ Material Report -R&D- ]

破壊に対して優れたエネルギー吸収能を持つマグネシウム合金の開発
Development a New Magnesium Alloy Having High Absorption Energy Against Fracture

 マグネシウムは,実用金属材料の中で最軽量であるが,脆弱で等方変形することが難しく,実用化する際の克服すべき課題となっている。しかし,マンガンを微量(1000個のマグネシウム原子のうち,3個をマンガン原子に置換する程度の濃度)に添加したマグネシウム合金に対し,ところてんのような押出加工を施した開発材は,これらの問題を解決できることが分かった。特に,開発合金の破壊に対するエネルギー吸収能は,従来材の3倍以上で,極めて良好な変形能を示すことを特徴としている。本稿では,従来マグネシウム合金と比較しながら,開発材の特性および変形挙動について紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 添加元素と粒界偏析
3. 蛇腹変形可能なマグネシウム合金
4. おわりに

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[ Material Report -R&D- ]

実用化及び新規用途開発直鎖状ホスファゼンポリマー
Practical Applications and Development of New Applications of Linear Polyorganophosphazens

 直鎖状ポリオルガノホスファゼンの実用化はアメリカで最初に成功している。主に軍事用に使用されていたが,それらの技術を民事用に展開することが既に開始され,ガスケット,オーリングや歯科材料に使用されている。更に新規用途開発も活発に行われているので,将来有望な機能材料に成長することは間違いない。

【目次】
1. はじめに
2. 実用化されているポリオルガノホスファゼン
3. 直鎖状ポリオルガノホスファゼンの新規用途
 3.1 コンタクトレンズ
 3.2 バイオリアクター
 3.3 マイクログラフィー
 3.4 液晶
4. その他
 4.1 分離膜及びフィルム
 4.2 導電性
 4.3 セパレーター及びバインダー
5. ポリオルガノホスファゼンの直接合成
4,400円
【著者一覧】
松本章一  大阪府立大学
石澤英亮  積水化学工業(株)
齊藤尚平  京都大学
熊野 岳  四国化成工業(株)
金川直樹  パナソニック(株)
渡辺重佳  湘南工科大学
井上悟郎  三井化学(株)
奥村浩士  三井化学(株)
内藤真哉  三井化学(株)
新 誠一  電気通信大学


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【特集】電子部材用接着剤の最前線

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特集「電子部材用接着剤の最前線」にあたって
Preface for Special Issue on Forefront of Adhesives for Electronic Materials

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はんだ粒子入り異方性導電接着剤「Epowell AP」
Self Assembly Anisotropic Conductive Paste ”Epowell AP”

 はんだ粒子と熱硬化性樹脂からなる異方性導電接着剤の事例紹介。はんだ粒子が電極に凝集し,電気的に接続するとともに,熱硬化樹脂による接着・電極保護を一括で実現することで,スマートフォン等のモバイル機器の高密度実装に対応。基板/FPCの接続(コネクタ代替),小型パッケージと基板の接続(部品実装),LEDチップと基板の接続で適用事例を紹介する。

【目次】
1. 諸言
2. 概要
3. FPC/ガラスエポキシ基板の接続例
4. LGAパッケージ/ガラスエポキシ基板の接続例
5. LED チップ/ガラスエポキシ基板の接続例
6. 結言

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紫外光照射で剥がせるライトメルト接着材料の開発
Development of the Light-Melt Adhesive

 熱で剥がせるホットメルト接着材料は産業的に広く用いられているが,高温では接着力を失ってしまうため使用に制約がある。今回,独自に設計した光応答性の分子骨格FLAPを凝集力の高いカラムナー液晶として材料化することで,光で剥がせる機能と高温でも接着を維持する機能を両立する「ライトメルト接着材料」を開発した。

【目次】
1. はじめに ―光応答材料を利用した接着剥離―
2. 光で剥がせる接着材料に求められる要件
3. 強く接着する機能
4. 光で溶ける機能
5. 迅速に剥がれる機能
6. さいごに

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新規多官能メタクリル化合物を用いたアクリル樹脂の耐熱性,機械強度向上
Improvement in Heat Resistance and Mechanical Properties of the Resin by New Multi-Functional Methacrylates

 四国化成工業(株)では,これまで培ってきた複素環誘導体の合成技術を活かし,母骨格としてグリコールウリル構造,または脂環式構造を有する新規メタクリル架橋剤を開発した。これら架橋剤は,従来の架橋剤では困難であった硬化収縮の抑制と機械強度向上を両立できることが分かった。

【目次】
1. 開発の背景
2. 新規メタクリル架橋剤
 2.1 グリコールウリルタイプ
 2.2 脂環式タイプ
3. 性能評価
 3.1 反応性
 3.2 硬化物硬度
 3.3 カール性
 3.4 密着性
 3.5 耐熱性,弾性率
4. 今後の展開

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車載ディスプレイ用高信頼性光学接着剤「Fine Glue」の開発
Development on High Reliability Optical Clear Resin Fine Glue for Car Display

 紫外線を透過しないプラスチックカパーパネルや曲面パネルにも対応可能で,自動車用ディスプレイにも適用可能な高い信頼性と優れた生産性を有する光硬化型オプティカルボンディング用接着剤「Fine Glue」(ファイングルー)を新たに開発した。本稿では,その特徴について紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. オプティカルボンディング用接着剤「Fine Glue」
3. 「Fine Glue」の特徴
 3.1 高透明性
 3.2 粘弾性挙動
 3.3 高密着性
 3.4 硬化性
4. 今後の展望

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[ Material Report -R&D- ]

平面型トランジスタの微細化限界を克服する低コスト積層型ロジックLSI回路の提案
Proposal of Low Cost Stacked Type Logic LSI Circuit in order to Overcome Scaling of Planar Transistors

 3D-NANDフラッシュメモリの製造技術を用いた低コスト積層型ロジックLSI回路を新たに提案した。縦型のFe-FET(強誘電体トランジスタ)を縦方向に直列に接続することにより,ロジックLSIに必要不可欠な組み合わせ回路やフリップフロップを従来の平面型と比較して1〜10%の低コストで実現出来る可能性がある。今回提案した方式は平面型トランジスタの微細化限界を克服する有力な候補である。

【目次】
1. はじめに
2. 積層型ロジックLSI回路とは
3. 積層型ロジックLSI回路による低コスト化
4. 汎用積層型ロジック回路への展開
5. 縦型Fe-FETの実現可能性およびまとめ

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[ Material Report -R&D- ]

異種材料複合技術動向と適用事例
Technology Trend and Application Examples in Joining Different Kinds of Materials

 自動車・エレクトロニクス分野を中心に利用が広がっている異種材料複合体,中でも近年新しい手法として注目されている金属樹脂接合体の技術開発動向について,三井化学の「ポリメタックⓇ」を中心に,その接合メカニズムや適用可能な金属と樹脂の組み合わせを解説した。また,実際に本技術を採用した製品の事例を紹介した。

【目次】
1. 金属樹脂接合技術とは
2. ポリメタックⓇ
3. ポリメタックⓇにおける異種材料接合のメカニズム
4. 他社における金属樹脂接合技術
 4.1 アマルファ
 4.2 TRIシステム
 4.3 レザリッジ
 4.4 DLAMP
5. ポリメタックⓇ適用事例
 5.1 ECUボックス
 5.2 ドローン骨格部材
6. まとめ

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IoT時代のセキュリティ対策―繋がる時代に求められる安心・安全―(6)

重要インフラにおけるIoTセキュリティ
Security of IoT on Critical Infrastructures

 重要インフラで利用が進むIoTのサイバーセキュリティ問題について論じる。IoTを物の知能化,ネットワーク化ととらえる。同時に,重要インフラへのIoT利用における問題,注意点を解説し,サイバーセキュリティ対策の現状を紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 物の知能化
3. IoT
4. 安全
5. 人々
6. CSSC
7. まとめ

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[ 機能材料マーケットデータ ]

接着剤工業の市場動向
Market Trend of Adhesives Industry

 2015年の接着剤の生産量は前年比105.6%の91万9190トン,出荷金額は前年比104.3%の2794億円となった。2011年は,東日本大震災後の復興需要などから生産増となったものの,出荷量,出荷金額は減少し,2012年以降は生産量,出荷金額はともに微増している。2015年は合板など建築用途で需要が増加していることから,全体的な生産量は増加している。

【目次】
1. 需給概要
2. 品目別概要
3. 需要動向
4. 輸出入の概要
5. 業界動向

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[ 機能材料マーケットデータ ]

半導体用ケミカルスの市場動向
Market Trend of Semiconductor Chemicals

 世界半導体市場統計(WSTS)によると,2015年の世界半導体市場は実質的に前年からほぼ横ばいであった。材料市場はデバイス市場を反映した動きとなったが,半導体製造装置市場は2%縮小した。2016年の半導体市場は市況の回復により,世界半導体市場の成長率が+1.1%となった。

【目次】
1. 半導体市場動向
 1.1 世界の半導体市場
 1.2 世界の半導体製品別市場動向
 1.3 世界の半導体メーカー動向
 1.4 世界の半導体需要
 1.5 世界のファウンドリー企業動向
 1.6 日本の半導体メーカー動向
 1.7 半導体材料の市場
2. 半導体製造用ガス
 2.1 高純度キャリアガス
 2.2 半導体デバイス製造用ガス
 2.3 成膜用ガス
 2.4 ドーピング用ガス
3. フォトレジスト
 3.1 UVレジスト
 3.2 Deep-UVレジスト
4. 半導体封止材料
4,400円
【著者一覧】
原口雅宣  徳島大学
田村守  大阪府立大学
床波志保  大阪府立大学
飯田琢也  大阪府立大学
居城俊和  (株)フォトニックラティス
川嶋貴之  (株)フォトニックラティス
川上彰二郎  (株)フォトニックラティス
井上康志  大阪大学
金光義彦  京都大学
押切友也  北海道大学
上野貢生  北海道大学
三澤弘明  北海道大学
梶原鳴雪  名古屋大学
福井彰  (株)半導体熱研究所
山下芳範  福井大学


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【創刊36周年特集】ナノフォトニクス研究の最新動向

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巻頭言
Introduction to Special Issue

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ナノフォトニクスのための動的光学理論と生体応用
Dynamic Optical Response Theory for Nanophotonics and Bio-applications

 ナノ領域での物質の光学応答を取り扱う様々な理論手法が開発されてきたが,本稿では,特に我が国が先導する光電磁波による力学的作用(光誘起力)によるナノ物質集団の動的過程や配列制御の理論手法の開発状況について概説する。また,これらの手法の応用例として,①集光された径偏光ビームの縦電場で配列された銀ナノ粒子間に形成される動的ナノギャップ中の分極反転モードと分子の相互作用による新奇光反応制御の提案,および②規則正しく配列されたナノホールアレイとランダムに配置されたナノ突起の複合構造における微生物の光誘導型高感度検出法の原理開拓の2つのトピックを中心に紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 3次元トラップされたナノギャップにおける分極反転モードの動的制御
 2.1 光誘起力の一般理論とナノ粒子集団への適用
 2.2 光誘起力ナノ・メトロポリス法(LNMM)の概要
 2.3 集光径偏光ビームによるナノ粒子集団トラップ
3. ランダムナノ突起を付与したナノホールアレイバイオセンサにおける光学現象
 3.1 ナノホールアレイの表面デザインによる光学応答制御
 3.2 微生物由来のバイオフィルム検出への応用
 3.3 光誘起力によるウイルスの検出部位への誘導
4. まとめ

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自己クローニングフォトニック結晶とその産業的な諸応用
Auto-Cloning Photonic Crystal and its Industrial Applications

 フォトニック結晶は光の波長オーダの周期構造により特異な光学特性を発現させるという本質により,構造のパラメータを制御することで,従来の光学材料では得られない高い制御性を実現することができる。本稿では自己クローニングフォトニック結晶によって実現できる新たな光学素子と応用例について述べる。

【目次】
1. はじめに
2. 自己クローニング法と自己クローニングフォトニック結晶
3. 偏光子・波長板としてのフォトニック結晶
4. 偏光計測センサへの応用
5. 光通信回路への応用
 5.1 薄型波長板
 5.2 階段近似型フォトニック結晶レンズ
 5.3 偏光分離素子
6. まとめ

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ナノ金属構造体を用いた分光計測技術
Nanospectroscopy Using Metallic Nanostructures

 金属ナノ構造体に光を照射すると,自由電子の集団的振動である表面プラズモンがフォトンと結合しながら共鳴的に誘起される。この現象を利用した,ナノスケール空間分解能を実現するラマン顕微分光法や特定のタンパク質がDNA に結合することで生じる構造変化を計測する技術,さらに金属ナノ構造体を原子スケールにすることで生じる量子サイズ効果により蛍光性を発現するナノクラスターについて紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 金属ナノ構造とフォトンの相互作用
3. 局在表面プラズモンによるラマン分光ナノ計測・分子ナノイメージング
4. 金ナノダイマー構造を用いたDNA立体構造変化の観察
5. 蛍光性金属ナノクラスター
6. 終わりに

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ナノ粒子フォトニクス:発光・受光素子への応用
Nanocrystal Photonics: Light Emitting Devices and Photodetectors

 単一ドット分光と光子相関分光により,コロイドナノ粒子の光学特性の理解が大きく進んだ。ナノ粒子量子ドットを用いた発光ダイオード(QD-LED)の効率が著しく向上し,実用化が進みつつある。また,新しい光検出器や太陽電池への応用が期待されている。フォトニクス応用で必要となるナノ粒子の基礎特性について議論する。

【目次】
1. はじめに
2. 単一ドット分光
3. 光子相関分光
4. ナノ粒子の特徴を利用した発光・受光デバイス
5. まとめ

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局在プラズモンの人工光合成への展開
Artificial Photosynthesis Utilizing Localized Surface Plasmon Resonance

 太陽光をエネルギー源としてエネルギー物質を製造する人工光合成は,人類の持続可能性に貢献する技術である。一方,金属ナノ微粒子が示す局在プラズモンは太陽光のスペクトルを有効に利用可能な光捕集アンテナとして研究されてきた。本稿では,局在プラズモンを利用した人工光合成の例として,水分解,窒素固定,二酸化炭素固定の現状について解説する。

【目次】
1. はじめに
2. 人工光合成
3. 局在表面プラズモン
4. 局在プラズモン誘起水分解
5. 局在プラズモン誘起アンモニア合成
6. 局在プラズモン誘起に基づく二酸化炭素還元
7. おわりに


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[ Material Report -R&D- ]

ジクロロシクロホスファゼンオリゴマーの新規重合
Nobel Polymerization of Dichlorocyclophosphazene Oligomers

 環状ジクロロホスファゼンオリゴマー(NPCl2)x(x=3〜10)および(NPCl2)y(y=4〜10)と有機硫黄化合物の濃度を変え,クロロベンゼン溶媒に溶解し重合温度及び時間を変化し重合させた。得られた直鎖状重合体(NPCl2)nの活性塩素原子をアニリンで置換安定化し,分離精製した重合体[NP(NHPh)2]nの分子量を調べた。その結果(NPCl2)xの濃度を高くすると,分子量の大きい重合体が得られ,また(NPCl2)yの濃度を低くすると分子量が大きくなることが分かった。

【目次】
1. はじめに
2. 直鎖状重合体(NPCl2)n
 2.1 PNC の重合方法と重合機構
 2.2 環状ジクロロホスファゼンオリゴマー(NPCl2)x(x=3〜10)および(NPCl2)y(y=4〜10)の重合

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[ Material Report -R&D- ]

高温300℃動作半導体デバイス用の高性能放熱基板の開発
Developments of High Performance Heat Dissipation Substrates for High-Temperature (300℃) Operating Semiconductor Devices Mounted on Semiconductor Modules

 近年,急速な技術進歩を続ける半導体モジュールに実装される,高温下で動作する半導体デバイスに対応した放熱基板が求められている。今回,300℃で動作する半導体デバイスの放熱に適し,性能向上とコストダウンが図れる新しい放熱基板と放熱基板電極の開発に成功したので紹介する。併せて,この製品を使用した新しいIGBTモジュールと新しいLEDユニットの構造モデルを紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 放熱基板と放熱基板電極の概要
3. 放熱基板と放熱基板電極の必要特性
 3.1 線膨張係数(TC:Thermal Conductivity)
 3.2 熱伝導率(CTE:Coefficient of Thermal Expansion)
 3.3 電気伝導率IACS(International Annealed Copper Standard)
 3.4 Ni系メッキ性
4. 放熱基板の開発の歴史
5. 新しい放熱基板の企画ダーウイン300
 5.1 GNZM・T(新CuMo,新CuW)
 5.2 GNZM・H(新構造CuMo)
 5.3 GNZM・D(金属Dia)
6. 放熱基板の市場
7. おわりに

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IoT時代のセキュリティ対策―繋がる時代に求められる安心・安全―(5)

医療現場におけるIoTセキュリティ
IoT Security in the Medical Field

 医療現場では,IoTという言葉が出る前からネットワーク化が進んでいる。確実なデータ収集ということから通信対応医療機器は当たり前になるが,どうしも患者と関連する機微な情報を扱うことも多く,今後は在宅医療など,オープンな中での利用が増える。また,多種の機器やシステムとの連携でもあるので,セキュリティについても柔軟な対応が求められる。

【目次】
1. はじめに
2. 医療現場の現状
3. 最近の動向
4. 医療におけるIoTの展望
5. 医療はインターネット接続なのか?
6. 医療におけるセキュリティとは
7. クラウドも1つの方法
8. 医療系IoTでの通信セキュリティの考慮点
9. 電波管理も重要
10. 通信インフラを考える
11. 全体でのセキュリティ対応
12. まとめ
4,400円
【著者一覧】
澁澤 栄  東京農工大学
平藤雅之  東京大学
森本英嗣  鳥取大学
飯田訓久  京都大学
南石晃明  九州大学
菊池 豊  (国研)農業・食品産業技術総合研究機構
内野敏剛  九州大学
藤井和子  (国研)物質・材料研究機構
丹 康雄  北陸先端科学技術大学院大学


はじめに
Introduction

 農業は,植物の営みである光合成を利用して人々に有用な資材を生産する業である。範囲は農場から食卓まで,生産者から消費者まで,穀物や畜産製品から繊維・燃料まで多様で複雑ある。ここにICTによる技術革新が波及し農業が変貌しつつある。本稿では,その一端を紹介する。

【目次】
1. 転換期の農業
 1.1 農業技術継承の危機
 1.2 医農連携の様相
 1.3 科学技術行政の相転移
2. スマート・フードチェーン
 2.1 科学技術基本計画における農業の位置づけ
 2.2 栽培技術と育種技術の競争力
3. 農業情報創成・流通促進戦略
4. スマート農業と農業の担い手
5. おわりに

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精密農業の構想と課題
Strategies and Capability of Advanced Precision Agriculture

 1990年代にはじまる精密農業の世界展開は農業と他産業を情報ネットワークでシームレスに結びつけ,農業者と研究者が技術開発のパートナーとしてデータ活用農業の担い手に登場した。農業者をクライエントとして扱う従来の農学や農業行政は変更を迫られつつある。

【目次】
1. データ活用農業
2. コミュニティベース精密農業
 2.1 精密農業
 2.2 精密農業のモード
 2.3 コミュニティベース精密農業
3. アグロメディカルフーズとGAP
 3.1 アグロメディカルフーズ(AMF)
 3.2 フィルムモールド「FleFimo(R)」とは
 3.2 非競争分野としてのグローバルGAP 規準
4. 判断支援サービスの顕在化
5. おわりに

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フィールド・フェノミクス
Field Phenomics

 フィールド・フェノミクスとは,センサネットワークなどIoTを用いて網羅的に収集したフィールドの環境情報,植物・微生物などからなる耕地生態系の情報,ゲノム情報などを統合してビッグデータとして解析する新しい研究分野である。フィールド・フェノミクスの概要および機能材料へのニーズを述べる。

【目次】
1. はじめに ― 農業における多様なニーズ
2. 知財生産型農業ビジネス
3. フェノタイピング
4. プログラミングからデータハーベスト
5. フィールドセンサネットワーク(フィールドサーバ)
6. 機能材料への期待
7. おわりに

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土壌の空間的バラツキと圃場管理
Spatial and Temporal Variability of Soil Properties and Field Management

 土地利用型農業にスマート農業技術を導入するにあたり最も重要な要素技術は土壌情報の収集システムである。本稿では,リアルタイム土壌センサとスマート田植機の紹介を通じて,プロ農家が持つ知見・状況応じた圃場管理を行う上で「アタリ」についてスマート農業がどのようにサポートできるかを議論する。

【目次】
1. 緒言
2. リアルタイム土壌センサ
3. スマート田植機
 3.1 土壌センサ開発
  3.1.1 作土深計測センサ
  3.1.2 電極センサ
  3.1.3 リアルタイム可変施肥システム
  3.1.4  スマート田植機から導出されるビックデータ
4. ビックデータによるバラツキ管理

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圃場群の自動管理システム
Automatic Management System for Farm Fields

 労働力不足が懸念される農業生産現場において,作物や農作業に関する有用な情報をICTにより一括管理するシステムの導入とともに,圃場での農作業を省人化・効率化するため,農業機械の自動化・ロボット化技術によって作業者1 人当たりの作業可能面積を倍増する取り組みが始まっている。

【目次】
1. 農業の現状
2. 農業における地域差
3. 変化する農業
4. 圃場管理情報システム
5. UAVとリモートセンシング
6. ロボット農業機械による圃場管理

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スマート農業モデルによる稲作生産の革新― 農匠ナビ1000 プロジェクトの成果から ―
Innovation of Rice Production by Smart Agriculture Model -From the Results of the Nosho-navi 1000 Project-

 スマート農業モデルによる稲作生産管理技術の革新について述べる。まずスマート農業モデルの観点から「農匠ナビ1000プロジェクト」の情報フローについて述べる。次に,プロジェクトの具体的な成果の事例として,「営農可視化システムFVS」による生産管理技術革新やIT 農機による生産管理技術革新について紹介する。最後に,これらの研究成果の全国的普及を目指した新たな「農匠ナビ1000プロジェクト」の概要を紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. スマート農業と「農匠ナビ1000プロジェクト」
3. 営農可視化システムFVSを活用した生産管理技術の革新
4. IT農機を活用した生産管理技術の革新
5. おわりに

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農作業の軽労化と安全管理
Labour-Saving and Safety Management for Farm Work

 日本農業の担い手の高齢化,労働力不足などの労働問題に対し,他産業で進展しているロボット技術ICTを活用したスマート農業の実現が期待されている。農作業の軽労化と安全管理といった労働問題からみた日本農業の現状とスマート農業の実現にむけた課題について,概説する。

【目次】
1. はじめに
2. 日本農業の労働問題
3. 労働問題とスマート農業
 3.1 超省力・大規模生産を実現
 3.2 作物の能力を最大限に発揮
 3.3 きつい作業,危険な作業から解放
 3.4 誰もが取り組みやすい農業を実現
 3.5 消費者・実需者に安心と信頼を提供

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農産物の安全管理
Safety Control for Agricultural Products

 スマートフードチェーンシステムの確立のために不可欠である農産物の安全管理技術に
ついて解説する。安全管理技術の中でも,消費者に受け入れられやすい物理的手法を用い
た危害の検知技術と殺菌技術について比較的新しい方法,非破壊全数検査への期待が大き
い方法,将来的に有望な方法について文献紹介を中心に紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 農産物の危害検知技術
 2.1 近赤外分光法
 2.2 蛍光を利用する方法
 2.3 固体異物の検知
3. 農産物の殺菌技術
 3.1 赤外線・紫外線照射殺菌
 3.2 プラズマ殺菌
 3.3 過熱水蒸気・アクアガスによる殺菌
4. おわりに

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[ Material Report -R&D- ]

層状無機-有機複合高分子の可逆溶融
Reversible Melt of a Layered Inorganic-Organic Hybrid Polymer

 可逆に溶融する層状無機-有機複合高分子があれば,熱貯蔵材料やプラスチックなどの改質に用いるフィラーなどへの応用が期待できる。本稿では,可逆に溶融する層状無機-有機複合高分子の合成や構造を紹介する。さらに,可逆な溶融に伴う構造の変化を詳細に調べた結果も述べる。

【目次】
1. 層状無機-有機複合高分子
2. 層状アルキルシロキサンの合成
3. 層状アルキルシロキサンの構造
4. 層状アルキルシロキサンの可逆溶融
5. 層状アルキルシロキサンの加熱に伴う構造変化
6. 層状アルキルシロキサンの特徴的な構造と可逆溶融
7. 層状アルキルシロキサンの特徴的な構造と反応条件
8. まとめ

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IoT時代のセキュリティ対策―繋がる時代に求められる安心・安全―(4)

スマートホームにおけるIoTセキュリティ
IoT Security for Smart Homes

 スマートホーム分野におけるIoTセキュリテイの経緯と現状について述べる。この分野は古くから継続的な取り組みが行われており,現在のIoTシステムの原型となるような構成が早い段階から検討されてきた。IoT特有のセキュリティとして物理空間における作用を重視した取り組みが必要であり,安全や高信頼といった分野と連携した検討が必要である。

【目次】
1. はじめに
2. スマートホームのしくみ
3. スマートホームのセキュリティ課題
4. 今後に向けて
5. おわりに
4,400円
【著者一覧】
平井義彦  大阪府立大学
坂田郁美  綜研化学(株)
山田紘子  綜研化学(株)
柳下 崇  首都大学東京
近藤敏彰  首都大学東京
益田秀樹  首都大学東京
齋藤 彰  大阪大学;(国研)理化学研究所
下田達也  北陸先端科学技術大学院大学
東木達彦  東芝メモリ(株);(株)ニューフレアテクノロジー
後藤雅子  富士フイルム(株)
堂下廣昭  富士フイルム(株)
秋田知己  (株)シクロケムバイオ
川嵜嘉光  (株)Success Brain Consulting
福島紀充  (株)Success Brain Consulting
山岡正男  三和油化工業(株)
緒垣雄一  (有)鹿児島油脂工業
寺尾啓二  (株)シクロケムバイオ;神戸大学
松原 豊  名古屋大学


特集にあたって―ナノインプリントの進展と今後の展望―
Introduction -Recent Progress and Outlook of Nanoimprint-

【目次】
1. はじめに
2. ナノインプリントのこれまでの進展
 2.1 微細モールドが準備できていること
 2.2 目的に応じた装置を準備すること
 2.3 離型に成功すること
3. これからの応用展開
 3.1 半導体集積回路への応用(解像度,位置合わせ,欠陥,スループット)
 3.2 多様な機能性材料への応用
 3.3 多様な構造,三次元構造への応用
4. 今後の課題と展望
 4.1 超微細化構造と材料物性
 4.2 今後の展望

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ナノインプリント用レプリカモールド技術
Replication Technology for Nanoimprinting Mold

 ナノインプリント技術はモールド(型)を用いて行う非常に単純な方式の加工技術であり,各方面から実用化への取り組みがなされている。本報では,当社独自のレプリカモールド技術により複製されたフィルムモールドやニッケルモールド,これらを用いた大型化技術,及び量産化への応用例と製品を紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. レプリカモールドの有用性
3. 当社のレプリカモールド技術とその特長
 3.1 ニッケルモールド「刻王(R)」とは
 3.2 フィルムモールド「FleFimo(R)」とは
4. モールドの大型化技術
5. フィルムモールドを用いたロールtoロール量産化技術
6. レプリカモールド技術の展開
 6.1 超撥水フィルム
 6.2 無機微細構造
7. 今後の課題

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高規則性ポーラスアルミナを用いたナノインプリントプロセスによる
ナノ規則表面の形成と機能的応用
Preparation of Ordered Nanopatterns by Nanoimprinting Using Anodic Porous Alumina Molds and their Functional Applications

 サイズの均一な細孔が自己組織化的に規則配列したナノホールアレー構造材料である高規則性ポーラスアルミナあるいはそれを鋳型として作製したネガ型をモールドとしたナノインプリントプロセスによるナノ規則表面の形成とその応用に関して紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 高規則性ポーラスアルミナの形成
3. 高規則性ポーラスアルミナを用いたナノインプリント
4. 高規則性ポーラスアルミナを用いたナノインプリントプロセスによる機能性デバイスの形成
5. 高規則性ポーラスアルミナを用いた射出成形によるナノ規則表面の形成
6. おわりに

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機能性構造色作製へのナノインプリント応用
Application of Nano-Imprint to Fabrication of Functional Structural-Coloration Materials

 構造色はナノ構造由来の光機能であるため,製造コストが高価である。ゆえにナノインプリントで微細構造を簡便に複製できる意義は大きい。かつ,若干の転写エラーが看過できる点も有利である。特に「干渉色で明るいが広角で単色」の特異な長所を持つモルフォ蝶発色にとって,ナノインプリントは製造工程で恩恵が大きい上,最近,複製以外の新たな用途も見出された。

【目次】
1. はじめに
2. 構造発色と光の機能
3. モルフォ発色応用への道筋とナノインプリント
4. 新たな利用法:基板フリー化に向けたインプリント樹脂の効用
5. まとめ

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酸化物とシリコンの直接ナノプリント
Direct Nano-Imprint for Oxide and Silicon Materials

 直接ナノインプリント法を実現するために被成形材料に対しては,インプリント開始時には粘性を有し,終了時にはある程度の剛性を有することが求められる。我々は酸化物系とシリコン系の材料において,このような相反する要求特性を特殊な物性・構造を持つ前駆体を開発することによって解決し,酸化物とシリコンの直接ナノインプリントを可能にした。

【目次】
1. はじめに
2. 酸化物の直接インプリント
 2.1 ナノレオロジープリンティング
 2.2 酸化物ゲルの構造と加工性
 2.3 トランジスタの作製
3. シリコンの直接インプリント
 3.1 CPSとポリシラン
 3.2 ポリシランの熱分解挙動
 3.3 インプリント挙動
 3.4 シリコンパターンの結晶化
4. まとめ

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半導体製造用ナノインプリントリソグラフィ技術の概要と展望
Updates and Future Vision of Nano Imprint Lithography

 半導体リソグラフィでは微細化技術の難易度に伴うコスト高騰により,半導体デバイスの微細化=低コスト化という関係が破綻している。本報告ではテンプレートにパターン形成されたデバイスパターンを直接ウエハに転写して低コストパターニングを実現するナノインプリントリソグラフィの量産展開に向けた最新の進捗と今後の展望に関して報告する。

【目次】
1. はじめに
2. 半導体メモリにおけるリソグラフィ要求品質の変化
3. 半導体製造に適用したNILの概要
4. NILの欠陥発生メカニズムと対策
5. NILのアライメント技術と重ね合わせ技術
 5.1 アライメントと重ね合わせ
 5.2 オフアクシスアライメントとTTMアライメント
 5.3 グローバルアライメントとダイバイダイアライメント
6. NILをプラットフォームにした今後の展望
7. おわりに

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[ Material Report -R&D- ]

大容量磁気テープの開発と省エネルギー型「テープアーカイブアプライアンス」への応用
The Development of High-Capacity Magnetic Tape and its Application for an Energy-Saving “Tape Archive Appliance”

 ハードディスク(HDD)に保存されているデータの大部分を占める使用頻度が低くなったアーカイブデータをHDDから磁気テープに移して保存することで消費エネルギーの削減が期待できる。当社は,BaFe磁性体を使用した大容量磁気テープを開発し,アーカイブデータ専用の普及型ストレージ装置である「テープアーカイブアプライアンス」へ応用したので紹介する。

【目次】
1. はじめに
 1.1 デジタルデータの急増と消費エネルギー
 1.2 データ保存に消費されるエネルギーの削減策
 1.3 アーカイブデータの保存に最適な磁気テープ
2. 磁気テープの大容量化技術
 2.1 バリウムフェライト(BaFe)磁性体の開発
 2.2 磁性粒子の均一分散・平滑化技術
 2.3 高配列技術
 2.4 磁気テープの大容量化
3. テープアーカイブアプラインス(TAA)への応用
 3.1 テープアーカイブアプラインス(TAA)の特長
  3.1.1 大容量
  3.1.2 安価
  3.1.3 使い易さ
 3.2 TAAの省エネルギー効果
  3.2.1 TAA本体の省エネギー効果
  3.2.2 付帯設備の省エネルギー効果
4. おわりに

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スーパーフロー技術とシクロデキストリンナノテクノロジーによる化石燃料の相乗的な燃焼効率の向上
Synergic Enhancement in Combustion Efficiency of Fossil Fuel by Super Flow Technology and Cyclodextrin Nano-Technology

 我々は,ボイラーなどの燃焼装置において,重油またはそれに類する燃料油の燃焼効率を改善し,従来のエマルジョン燃料技術よりも効率よく燃料使用量および排ガス(NOx,SOx,CO2)量を削減できるスーパーフロー技術を開発した。この技術は燃料油と水を撹拌しながら電流を印加することを中核とする。そして,環境など様々な分野で注目されているシクロデキストリンナノテクノロジーを組み合わせると燃焼効率はさらに高まることも明らかとした。

【目次】
1. はじめに
2. スーパーフロー技術
 2.1 スーパーフロー装置
 2.2 スーパーフロー技術の原理
3. ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HP-β-CD)の作用
 3.1 HP-β-CD
 3.2 HP-β-CDの効果
 3.3 HP-β-CDによるファインバブルと水粒子の同時安定化
 3.4 HP-β-CDによる油中水分含量の測定
4. おわりに

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IoT時代のセキュリティ対策―繋がる時代に求められる安心・安全―(3)

自動車セキュリティの現状とIoT
Security for Current and IoT-Enabled Automotives

 近年,自動車に対するセキュリティの脅威事例が多数報告されている。2015年には,乗員や歩行者の安全性を脅かすセキュリティの脆弱性を指摘された自動車がリコールされ,自動車のセキュリティが注目をされている。本稿では,自動車の電子制御システムの変遷を踏まえ,自動車セキュリティの現状と,IoT時代を見据えて取り組むべき課題について概説する。。

【目次】
1. 自動車の安全性とセキュリティ
 1.1 自動車制御システムの変遷
 1.2 安全性とセキュリティ
2. 自動車セキュリティの現状
 2.1 セキュリティ脅威の事例
 2.2 自動車セキュリティの特性
3. 自動車のセキュリティの課題と対策
 3.1 自動車のセキュリティの課題
 3.2 車載ネットワークに関するセキュリティ対策技術
4. IoT化する自動車のセキュリティ
 4.1 持ち込み機器の増加
 4.2 車車間,路車間通信の実現
 4.3 自動車の共同利用
5. まとめ
4,400円
【著者一覧】
篠原真毅  京都大学
塚原保徳  マイクロ波化学(株);大阪大学
福島 潤  東北大学
椿俊太郎  東京工業大学
松村竹子  (有)ミネルバライトラボ
栁田祥三  大阪大学
堀越 智  上智大学
渡辺隆司  京都大学
樫村京一郎  中部大学
濱野真一  日東精工(株)
中田 亨  (国研)産業技術総合研究所


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【特集】マイクロ波プロセスによる新機能材料創成と環境対応技術

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特集にあたって
Introduction

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マイクロ波化学プロセスのデザイン
Design of Microwave Chemical Process

 第3のエネルギー伝達手段としてのマイクロ波を化学産業に展開すべく,実績としてのマザー工場,インフラとしての実証設備,様々な分野の人材を揃えてきた。本稿では,マイクロ波化学工場設計に必要な,マイクロ波反応系の構築とマイクロ波反応器設計の基礎部分,そしてマイクロ波化学のターゲットを紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. マイクロ波一般
3. マイクロ波反応系の構築
4. マイクロ波反応器設計
5. 最後に

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マイクロ波を用いた機能セラミックス合成
Synthesis of Functional Ceramics by Microwave Irradiation

 本稿では,マイクロ波照射による大気中での窒化チタンの合成と,マイクロ波炭素熱還元法による窒化アルミニウムの低温・短時間合成について紹介する。気相の関与する窒化物セラミックス合成分野においてもマイクロ波プロセッシングは非常に有用であり,応用のみならず,新しい学理の展開も期待される。

【目次】
1. はじめに
2. 窒化チタンコーティング膜の作製と応用
 2.1 窒化コーティングについて
 2.2 マイクロ波照射による窒化コーティング法
 2.3 まとめ
3. 炭素熱還元窒化法による窒化アルミニウムの低温・短時間合成
 3.1 窒化アルミニウム合成について
 3.2 マイクロ波照射による窒化アルミニウムの合成
4. おわりに

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マイクロ波加熱を用いた植物由来の機能性物質のグリーンな抽出技術
Green Extraction of Functional Chemicals from Plants Using Microwave Heating

 植物由来の天然化合物は機能性の宝庫である。植物から機能性化合物を抽出するプロセスは,水や有機溶媒,水蒸気などの抽出媒体を大量に消費する。マイクロ波加熱を用いることにより,植物試料に含まれる水や抽出する目的化合物自身を選択的に加熱し,植物体からの抽出を促進することができ,グリーンな抽出技術として注目される。

【目次】
1. はじめに
2. マイクロ波抽出システム
 2.1 マイクロ波装置
 2.2 マイクロ波抽出条件
 2.3 被加熱物の誘電特性
3. マイクロ波抽出事例
 3.1 マイクロ波水蒸気蒸留
 3.2 マイクロ波溶媒抽出
 3.2.1 海藻からの多糖の波抽出
 3.2.2 柑橘果皮からのフラボノイドの抽出
4. おわりに

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マイクロ波化学による新規発光材料の開発
Development of New Phosforous Metal Complexes by Microwave Chemistry

 重元素の錯体はリン光発光材料として重要であるが,合成に多くのエネルギーを要し,長時間合成が必要である。一方,マイクロ波の誘電加熱は,誘電損失による発熱現象を基本としており,白金族錯体の合成効率を高め,反応時間の短縮が著しい。本稿では,発光錯体のマイクロ波合成と装置開発について述べる。

【目次】
1. 発光錯体の重要性
2. リン発光錯体とその用途
3. 発光錯体の用途
4. 白金錯体合成の困難性
5. マイクロ波化学と白金族錯体のマイクロ波合成
6. マイクロ波反応装置の開発

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環境対応マイクロ波熱触媒プロセスの密度汎関数理論解析
Microwave Thermal Catalysis and Molecular Modeling by Density Functional Theory

 MW熱触媒作用は,反応基質のMWの吸収・発熱に基づく熱・アップコンバージョン(MW-Thermo-Upconversion)による迅速加熱と速度制御反応の推進にある。電磁波吸収によるアルコール類の発熱を,DFTによる反応遷移状態の分子モデリング(DFT/MM)で求めた遠赤外吸収スペクトル(DFT-FIR)解析によりMW-Thermo-Upconversionを検証し,MW駆動の迅速反応3例とMW誘導ラジカル関与反応2例のDFT/MMに展開・解説した。

【目次】
1. はじめに
2. 電磁波吸収による熱変換メカニズムのDFT/MMによる確証“Thermo-Upconversion”
3. MW駆動の迅速反応プロセス
 3.1 ルテニウム金属錯体の迅速合成(松村マイクロ波遷移金属錯体合成)
 3.2 迅速MW-Claisen 転位合成
 3.3 白金担持活性炭(Pt/C)を触媒とする迅速脱塩素化反応
4. MW誘導ラジカル関与反応“MW-Non-Thermal Effect”
 4.1 環境対応クロロメタンガス製造“Dow-CPI Process”
 4.2 ダイオキシン対応集塵装置の検証
5. 今後の展開

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マイクロ波環境浄化技術
Microwave Environmental Purification Technology

 環境浄化技術分野におけるマイクロ波の利用事例を,土壌,水質,気相の環境改善(浄化)や,放射能汚染物質処理に分けて解説する。また,電磁波的効果(非熱的効果)を,マイクロ波光触媒環境浄化法やマイクロ波励起無電極ランプを例に説明する。

【目次】
1. はじめに
2. 熱的効果
 2.1 土壌
 2.2 水質
 2.3 気相
 2.4 放射能汚染物質
 2.5 廃棄物処理と貴金属回収
3. 電磁波的効果(非熱的効果)
 3.1 光触媒
 3.2 マイクロ波励起無電極ランプ
4. 最後に

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マイクロ波による木質バイオマスのバイオエタノール・有用化学品原料への変換
Conversion of Woody Biomass to Bioethanol and Useful Chemicals by Microwave Processing

 地球温暖化が深刻化するにしたがい,唯一の再生可能資源であるバイオマスからバイオ燃料や化学品・機能性材料を製造するバイオリファイナリーの確立が急がれている。本稿では,マイクロ波リグニン分解反応を利用して,木質バイオマスをラボスケールからベンチプラントスケールでバイオエタノールや化学品原料に変換する取り組みを紹介する。

【目次】
1. バイオマス処理用ベンチスケールマイクロ波照射装置
2. ユーカリ材からのベンチスケールバイオエタノール生産
3. 建築廃材からのベンチスケールバイオエタノール生産
4. リグニンからの化学品生産

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マイクロ波加熱による環境調和型製鉄法の開発
Microwave Steel Making for Sustainable Society

 鉄鋼業は近代社会を支える基盤産業であり,そのエネルギー源は石炭を出発原料とする炭素の燃焼である。炭素の燃焼に代わるエネルギー供給のツールとして,マイクロ波を用いた製鉄法がマイクロ波製鉄である。マイクロ波エネルギーを有効に利用することで,鉄還元反応の低温化,低不純物が達成でき,劣質鉱石の利用が可能となる。

【目次】
1. はじめに
2. マイクロ波製鉄の原理
3. 金属精錬におけるマイクロ波エネルギー伝送法

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[ Material Report -R&D- ]

CF タイトの開発
Development of CF-TITE

 軽量化や省エネ,低燃費化をテーマにCFRPの開発・活用が増加している。現在主流となっているCFRPへの締結・接合方法においては,それぞれに作業性,強度,耐久性,部品点数などに関わる問題があることから,こうした問題を解決すべく,CFRPへのセルフタッピング締結を実現するセルフタッピンねじ「CFタイト」を開発した。

【目次】
1. はじめに
2. CFRPについて
 2.1 CFRPの市場動向
 2.2 CFRPの製造方法
3. CFタイトの開発
 3.1 CFRP板へのセルフタッピング締結の問題点
 3.2 薄い板に安定してねじ込めるねじ形状
 3.3 CFRPへのダメージを軽減するねじ山形状
4. CFタイトのねじ込み性能検証
 4.1 ねじ込み破壊試験
 4.2 ねじ込み・戻し繰り返し試験
5. CFRP板の層間剥離の検証
 5.1 試験方法
 5.2 層間剥離確認試験
6. まとめ
7. 今後の課題
8. おわりに

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IoT時代のセキュリティ対策―繋がる時代に求められる安心・安全―(2)

IoTでヒューマンエラーを防ぐ
Concepts of IoT Application to Prevent Human Error

 多数の機器が繋がり新しい価値を創出することが期待されるIoTは,その健全な発展のために適切なセキュリティが必要であろうことは明らかであるが,その勘所は何であるかを考察する。

【目次】
1. はじめに
2. 人間と機械の役割分担
3. ヒューマンエラー対策への原理
 3.1 事故の構造
 3.2 ヒューマンエラーを防ぐのは異常検知力
4. IoTと機械学習によるヒューマンエラー対策への展望
 4.1 ヒューマンエラー対策にIoTの果たす役割
 4.2 機械学習の現状
 4.3 「データは公共財」という発想
5. まとめ
4,400円
【著者一覧】
天尾 豊  大阪市立大学
阿部 竜  京都大学
栗木 亮  東京工業大学
前田和彦  東京工業大学
池田 茂  甲南大学
寺村謙太郎 京都大学
田中庸裕  京都大学
山本宗昭  名古屋大学
吉田朋子  大阪市立大学
竹内良知  新潟大学
佐藤 翼  新潟大学
八木政行  新潟大学
岡村将也  名古屋大学
正岡重行  分子科学研究所
山下 哲  金沢大学
高橋征司  東北大学
松本 勉  横浜国立大学


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【特集】人工光合成―水の分解から二酸化炭素の資源化まで―

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監修にあたって
Introduction

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太陽光水素製造に向けた可視光応答性混合アニオン型光触媒の開発
Development of Mixed-Anion Semiconductor Photocatalysts with Visible Light Response toward Solar Hydrogen Production

 光触媒を用いた水の分解による水素製造を実用化するためには,太陽光の大部分を占める可視光の有効利用による太陽光エネルギー変換効率の大幅な向上が必須である。本稿では,可視光利用の有効な手段の1つとして植物の光合成を模倣した二段階励起型水分解系とともに,新規な可視光応答性混合アニオン型光触媒を紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 光触媒水分解系における可視光利用の難しさ
3. 可視光利用のための混合アニオン導入:原理と課題
4. オキシナイトライドの二段階励起型水分解への応用
5. 安定な新規オキシハライド系光触媒

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カーボンナイトライドと金属錯体からなるハイブリッド材料を光触媒とした二酸化炭素還元反応
Photocatalytic CO2 Reduction Using Hybrids of Carbon Nitride and a Metal Complex

 太陽光をエネルギー源とした二酸化炭素の還元反応は,クリーンかつ持続可能なエネルギー生産システム構築の観点から注目を集めている。半導体と金属錯体は,二酸化炭素の還元反応に対して有望な光触媒である。しかしながら,両者は一長一短の特徴を有している。そのため近年では,両者の長所を融合したハイブリッド型の二酸化炭素還元光触媒系が注目されている。本稿では,我々が開発した有機半導体カーボンナイトライドと金属錯体からなるハイブリッド材料を用いた二酸化炭素還元光触媒系についての成果と展望を述べる。

【目次】
1. はじめに
 1.1 金属錯体光触媒
 1.2 半導体光触媒
2. 半導体と単核金属錯体からなるハイブリッド光触媒
 2.1 動作機構
 2.2 金属錯体触媒の最適化
 2.3 反応溶媒の効果
3. mpg-C3N4とRu二核錯体からなるハイブリッド光触媒
 3.1 動作機構
 3.2 担持金属種の影響
4. まとめ

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水の還元による水素発生のための高機能Cuカルコゲナイド光カソードの開発
Developments of Highly Active Cu-Based Calcogenide Photocathodes for Water Reduction

 太陽エネルギーを蓄積可能な化学エネルギーに変換する,「人工光合成」技術の中で,半導体材料を用いる水の分解による水素製造は,もっとも進んでいる研究の一つである。ここでは,p型のカルコゲナイド化合物半導体薄膜を用いる水の還元反応についての筆者らの最近の研究結果を概説する。

【目次】
1. はじめに
2. CuInS2光電極
 2.1 CuInS2薄膜の概要
 2.2 CuInS2薄膜の作製
 2.3 CuInS2薄膜の水分解光カソード特性:表面修飾の効果
3. Cu2ZnSnS4光電極
 3.1 Cu2ZnSnS4薄膜の概要
 3.2 電気化学法によるCu2ZnSnS4薄膜の作製と太陽電池特性
 3.3 Cu2ZnSnS4薄膜の水分解光カソード特性
 3.4 バイアスフリー水分解

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全固体型光触媒を用いた水を電子源とする二酸化炭素の光還元
Photocatalytic Conversion of Carbon Dioxide by Water as an Electron Donor over All-Solid-State Photocatalysts

 これまでに我々はAgを修飾したZnGa2O4/Ga2O3,La2Ti2O7,SrO/Ta2O5,ZnGa2O4,ZnTa2O6,Sr2KTa5O15が水を電子源とする二酸化炭素の光還元において,高い選択性でCOを生成し,同時に量論量のO2が生成することを見出した。

【目次】
1. はじめに
2. H2Oを電子源とするためには?
3. H2Oを電子源とするCO2の光還元
4. まとめ

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半導体光触媒による二酸化炭素の還元
Reduction of Carbon Dioxide over Semiconductor Photocatalysts

 半導体光触媒による二酸化炭素還元を表面反応の観点から解説する。銀担持酸化ガリウム光触媒への二酸化炭素の吸着挙動をin-situ FT-IR測定で追跡し反応メカニズムを提案した。さらにXAFS,TEM測定からAg助触媒の構造・電子状態を詳細に解析し,Ag助触媒が反応メカニズムに与える影響について考察した。

【目次】
1. はじめに
2. 銀担持酸化ガリウム(Ag/Ga2O3)光触媒の二酸化炭素還元反応メカニズム
3. Ag助触媒の幾何学的構造・電子状態
4. Ag助触媒の幾何学的構造・電子状態の二酸化炭素還元反応メカニズムへの影響
5. おわりに

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人工光合成のための水の酸化アノード
Anodes for Water Oxidation toward Artificial Photosynthesis

 人工光合成では水を電子源とする必要があるため,水の酸化アノードの開発は最も重要な研究課題の一つである。人工光合成デバイスの水の酸化アノードに関する当研究室の最近の研究成果を紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 酸化イリジウムのナノ構造制御
 2.1 動作機構
 2.2 高分子ミセルを用いたメソポーラス酸化イリジウムの合成とナノ構造制御
3. コバルトオキシ水酸化物アノード
4. おわりに

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酸素発生触媒の開発―金属錯体によるアプローチ―
Development of Molecular Water Oxidation Catalysts

 人工光合成の実現に向け,酸素発生触媒の開発は重要な課題の一つである。分子レベルで構造や機能を精密に制御できる金属錯体は,酸素発生触媒を開発するための魅力的な材料として注目を集めてきた。本稿では,金属錯体を用いた酸素発生触媒の開発研究に関して,歴史的な成果から最近の動向までを紹介する。

【目次】
1. 人工光合成における酸素発生反応
 1.1 触媒機能評価の手法
2. 金属錯体触媒を用いた酸素発生反応
 2.1 二核錯体
 2.2 単核錯体
 2.3 第一遷移金属錯体触媒
3. おわりに

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生体触媒を用いた人工光合成:二酸化炭素の資源化
Artificial Photosynthesis with Biocatalyst for Using Carbon Dioxide as Resources

 本稿では,生体触媒と色素分子を複合化し,可視光エネルギーを用いた二酸化炭素-ギ酸・メタノール変換反応(二酸化炭素の光還元)と,二酸化炭素をカルボキシル基の原料とし,有機分子への導入に基づく炭素-炭素結合生成を可能とする(二酸化炭素の資源化)人工光合成系について紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 生体触媒を利用した人工光合成の原理
3. 生体触媒を利用した二酸化炭素を光還元するための人工光合成系
4. 生体触媒を用いた二酸化炭素をメタノールに光還元するための人工光合成系
5. 生体触媒を用いた二酸化炭素を資源とした炭素-炭素結合生成を可能とする人工光合成系
6. おわりに

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[ Material Report -R&D- ]

パラゴムノキの天然ゴム生合成酵素の試験管内再構成
In vitro Reconstitution of Natural Rubber Synthesizing Enzime from Para Rubber Tree

 本稿は,パラゴムノキの天然ゴム生合成機構において,長らく未解明であった鍵酵素の分子的実体解明について論じる。同酵素は無細胞タンパク質合成系を利用して活性発現が初めて可能になり,本システムを技術的基盤として,より詳細な天然ゴム合成酵素の触媒機能の解明と新規な材料開発などへの応用が期待できる。

【目次】
1. はじめに
 1.1 天然ゴムについて
 1.2 天然ゴムの化学構造
2. 天然ゴムの生合成機構
 2.1 パラゴムノキの天然ゴム生合成
 2.2 ポリイソプレン生合成酵素
 2.3 パラゴムノキ天然ゴム生合成関連タンパク質の単離
 2.4 天然ゴム生合成酵素の試験管内再構成
3. おわりに

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IoT時代のセキュリティ対策―繋がる時代に求められる安心・安全―(1)

IoTとセキュリティ
IoT and Security

 多数の機器が繋がり新しい価値を創出することが期待されるIoTは,その健全な発展のために適切なセキュリティが必要であろうことは明らかであるが,その勘所は何であるかを考察する。

【目次】
1. はじめに
2. IoTシステムの概観
3. IoTシステムのセキュリティ
4. IoTにおける信用とセキュリティ
5. IoTシステムのセキュリティ向上に向けて
6. むすび
4,400円
【著者一覧】
中野博文  (株)三進製作所
大嶋正裕  京都大学
遊佐敦  日立マクセル(株)
眞保良吉  東京都市大学
佐藤秀明  東京都市大学
亀山雄高  東京都市大学
星野重夫  東京都市大学
辻村太佳夫  日新製鋼(株)
岩月仁  (国研)日本原子力研究開発機構
影山由維人  慶應義塾大学
安藤和也  慶應義塾大学
今井喜胤  近畿大学


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【特集】環境対応型めっき技術の最新動向

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めっき工程におけるクローズド化技術
Closed System for Plating Process

 水質汚濁による環境汚染を防止するには,生産工程のクローズドシステムなどによって,発生源からの汚濁負荷量をできるだけ環境中に排出しないことが基本であるが,工場などから排出される汚濁水の性状は,極めて多種多様であるため,各分野において発生源の実状に最も適した処理技術を開発すべく種々の研究が行われている。本稿では,めっき工場から排出される排水を無害化するだけでなく工程内回収と再利用によるクローズド化技術について紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. めっき工程における資源循環システム(エコノバックシステムⓇ)
3. 主なめっき工程における事例
 3.1 ニッケルめっき工程における資源循環システム
 3.2 クロムめっき工程における資源循環システム
 3.3 亜鉛めっき工程における資源循環システム
4. 資源化センターシステムによる水と金属資源の回収
 4.1 システムの理念
 4.2 システムの経済性と環境負荷削減効果
 4.3 分別スラッジ化と減溶化
5. おわりに

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低環境負荷のプラスチックへの無電解めっき法の確立
A New Environmentally-Bengin Electroless Plating Method for Thermoplastics

 クロム酸や強酸による前処理をせずに,超臨界二酸化炭素を援用し触媒をプラスチック部材表層に注入し無電解めっきを行えるプロセスと,無機フィラーやセルロースナノファイバーの添加による触媒の固定化機能増加を活用したプロセスの2つの環境にやさしい無電解めっきプロセス技術について紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 超臨界CO2を使ったプラスチックへの無電解めっき法
3. ナイロン/セルロースナノファイバーへの無電解めっき法
 3.1 封止方法
 3.2 封止部材
4. まとめ

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硬質3価Crめっき法の開発
Development of Trivalent Hard Chromium Plating Method

 毒性が問題視される6価クロムを用いた硬質クロムめっき法の代替として,硬質3価クロムめっき法の開発の現状について紹介する。6価クロムからのめっき皮膜に性質が若干及ばない点もあるが,実用に近い皮膜が得られており,また粒子を複合させたクロム皮膜を作成できる。

【目次】
1. 緒言
2. 3価Crめっき浴の概要
3. 3価Crグリシン浴の例
 3.1 めっき液組成と電析条件
 3.2 電析における反応と浴管理
 3.3 皮膜の特性
4. グリシン浴による複合めっき
5. グリシン浴による3価Crめっき実用化への現況
6. グリシン浴硬質3価Crめっきの今後の課題

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高耐食溶融Zn-6%Al-3%Mg合金めっき鋼板「ZAM」
The Highly Corrosion-Resistant Hot-Dip Zn-6%Al-3%Mg Alloy Coated Steel Sheet, ”ZAM”

 近年,溶融めっきでは工業化が難しいと考えられていたMgを数%オーダーでめっき層中に含有する溶融Zn-6%Al-3%Mg合金めっき鋼板が開発され,その優れた耐食性から様々な産業分野での用途展開が図られている。本稿では,Znめっき鋼板の防食に関する基本的な特性を概説するとともに,エコマテリアルとしての要件を数多く備えた環境に優しい材料である溶融Zn-6%Al-3%Mg合金めっき鋼板「ZAM」の高耐食性機構と用途事例について述べる。

【目次】
1. はじめに
2. Znめっき鋼板の防食の基本特性
 2.1 犠牲防食作用とZn系腐食生成物による腐食抑制効果
 2.2 腐食環境と腐食生成物
3. ZAMの高耐食性機構
 3.1 促進腐食試験における耐食性
 3.2 めっき組織
 3.3 高耐食性機構
 3.4 大気環境下での耐食性
4. ZAMの用途展開と環境対応性能
 4.1 ZAMの用途事例
 4.2 ZAMの環境対応性能
5. おわりに

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[ Material Report -R&D- ]

優れた安全性を持つ高温ガス炉を用いた熱利用技術開発の動向
Current Status and Prospect on R&D of the Heat Utilization Technology Using the High-Temperature Gas-Cooled Reactor with Superior Safety

 本報は,高温ガス炉を用いた熱利用技術開発の動向について解説したものであり,高温ガス炉の概要,固有の安全性,高効率な熱利用,広範囲な熱利用分野の可能性について述べるとともに,熱利用技術の一端であり原子力機構で実施中のガスタービン発電,ISプロセス水素製造に関する技術開発状況のほか,経済性などについて概説した。

【目次】
1. はじめに
2. 高温ガス炉について
3. 高温ガス炉の熱利用研究
 3.1 ヘリウムガスタービン発電
 3.2 ISプロセスによる水素製造
4. 高温ガス炉の経済性

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自然酸化銅を用いた脱レアメタルのスピントロニクスデバイスの開発
Spintronics Device Free from Heavy Metals Using Naturally-Oxidized Cu

 比較的安価で入手が容易な銅を自然酸化させることで,最も高性能なスピントロニクス材料の一つである白金に優るスピントルク材料となることを明らかにした。この発見により,レアメタルを使わずにスピントロニクスデバイスを実現する道が初めて開けた。

【目次】
1. はじめに
2. スピン流とスピントロニクス現象
3. スピントルク強磁性共鳴
4. 実験方法と結果
5. 結論

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光学活性有機発光体の固体円偏光発光(CPL)特性
Solid-State Circularly Polarized Luminescence (CPL) Property of Chiral Organic Luminophore

 発光には,左回転する光・右回転する光と2種類の円偏光発光(Circularly Polarized Luminescence(CPL))が存在し,一般の発光は,左回転・右回転2種類のCPLが混在している。CPLは,現在の液晶などに多用される直線偏光とは異なる光学特性を有し,各種分野での応用・利用が期待されている。本稿では,当研究室で見出した光学活性な有機発光材料の特徴的な固体CPL特性,ならびにその非古典的CPL特性制御について紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. トリフェニルケイ素基を導入した光学活性ビナフチル有機発光体の固体円偏光発光(CPL)特性
3. キラル転写を利用した光学活性ビナフチル有機発光体の固体円偏光発光(CPL)特性
4. 光学活性ビナフチル有機発光体の固体マトリックス中における非古典的円偏光発光(CPL)増幅
5. 光学活性粘稠性ビナフチル有機発光体の固型化による固体状態円偏光発光(CPL)
6. 光学活性超分子有機発光体の創製と円偏光発光(CPL)
7. まとめ

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[ 機能材料マーケットデータ ]

界面活性剤工業の市場動向
Market Trend of Surfactant Industry

 2015年の界面活性剤工業は,2014年から国内生産・販売ともにほぼ横ばいとなった。2008年の世界不況の影響などで年々減少傾向にあったが,生産量・販売数量・販売金額全てにおいて改善し,維持している。2011年3月に発生した東日本大震災以降,先行きが不透明になっていた時期を乗り越え,さらに,消費増税の影響もある中で良い動きを見せていたが,国内や中国の景気の影響を受け,前年をやや下回る結果となった。

【目次】
1. 概要
2. 各用途分野の動向
3. 品目別需要動向
4. 輸出入動向
4,400円
【著者一覧】
内田孝幸  東京工芸大学
越部茂  (有)アイパック
松本栄一  キヤノントッキ(株)
工藤一浩  千葉大学
毬山利貞  三菱電機(株)
福島邦彦  (一財)ファジィシステム研究所,三菱電機(株)
米澤進吾  京都大学
深谷訓久  (国研)産業技術総合研究所
崔準哲  (国研)産業技術総合研究所


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【特集】構成要素から迫る最新有機ELディスプレイ開発

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透明有機EL素子の発展とその材料技術
Development of Transparent Organic Light-Emitting Displays and their Materials Technology

 非発光時にガラスのように透明になる,「透明有機EL」素子は,これまで,展示会などでの目新しいだけのニッチな応用の領域に留まっていた部分があった。しかし,近年の有機ELディスプレイの発展に伴って,「透明有機EL」ディスプレイも,その特長を活かした完成度の高い鮮明な応用事例も展示されるようになった。本稿では,それらの発展の経緯とそれらを支える,材料・プロセス技術について概説する。

【目次】
1. はじめに
2. 透明有機EL(TOLED)の進展
3. 透明有機EL(TOLED)構築のための技術要素
 3.1 有機膜へのダメージの軽減
 3.2 電子注入性向上の検討
4. 安定で電子注入性向上を目指した,逆積み層型有機EL
 4.1 TFT バックプレーンを考慮に入れた逆積みOLED
 4.2 電子注入(EIL)作製のプロセスマージンを考慮に入れた逆積みOLED
5. まとめ

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OLED表示装置用封止部材の開発
Development of Packaging Technology for OLED Display

 「OLED」を白色灯または3原色灯として用いた表示装置(ディスプレイ)の封止部材に関する開発動向を解説する。現状の主たる表示装置(LCD)との差別化を図るには,OLEDは柔軟性(フレキブル性)および身体装着性(ウエアラブル性)を追求し実現することが必要である。最終目標はウエアラブル&フレキシブルOLEDディスプレイである。このための重要な鍵である「低透湿化」の技術に的を絞り説明する。

【目次】
1. はじめに
2. OLED
 2.1 開発経緯
 2.2 発光原理
 2.3 発光性能
 2.4 用途
3. OLEDの封止技術
 3.1 封止方法
 3.2 封止部材
4. OLEDの技術課題
 4.1 OLED
 4.2 周辺技術
 4.3 樹脂封止
5. OLEDのフレキシブル化
 5.1 透明基板
 5.2 筐体
6. OLEDのウエアラブル対応
7. 競合技術
 7.1 照明用途
 7.2 カラー表示用途
 4.3 樹脂封止
8. まとめ

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有機ELディスプレイの蒸着装置
Deposition Equipment of OLED

 キヤノントッキは低分子有機EL材料の蒸着装置を製造・販売している。特にモバイル用の高精細有機ELディスプレイの生産装置として実績があり,昨年開発・販売を始めたG6H用の装置は好評をいただいている。本稿では有機EL 蒸着装置の最新の技術について説明する。

【目次】
1. はじめに
2. 有機ELの生産装置
 2.1 有機EL製造装置の特徴
 2.2 G6H有機EL量産装置
 2.3 G8H有機EL量産装置
 2.4 量産装置の仕様
3. 有機ELの蒸着技術
 3.1 有機EL材料
 3.2 有機EL材料蒸着特性
 3.3 有機EL材料の蒸発源
 3.4 蒸着レートコントロール
 3.5 膜厚均一化
 3.6 金属電極材料の蒸着
4. RGB パターニング技術
 4.1 マスク蒸着
 4.2 アライメント機構
5. 搬送ロボット
6. 今後の装置開発
7. おわりに

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フレキシブルディスプレイへの応用に向けた有機発光トランジスタの開発
Development of Organic Light Emitting Transistors and Application to Flexible Display

 有機材料は柔軟性,軽量,低コストプロセスといった特徴を有し,携帯用や大面積フレキシブルディスプレイとして研究開発が活発に進められている。近年,有機材料の発光機能とトランジスタ機能を兼ね備えた有機発光トランジスタが数多く報告され,次世代フレキシブルディスプレイやレーザなどへの応用が期待されている。本稿ではフレキシブルディスプレイ応用に向けた各種有機発光トランジスタの開発状況について紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 有機発光トランジスタ
3. 横型有機発光トランジスタ
4. 縦型有機発光トランジスタ
 4.1 SIT型
 4.2 MIS型
 4.3 縦型トランジスタとの複合型発光デバイス
5. まとめ

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[ Material Report -R&D- ]

ディープラーニングのネットワーク構造自動設計アルゴリズム
Automatic Design of Deep Neural Network Structures

 ディープラーニングの設計には,設計者が数多くのパラメータを,解くべき問題に応じて決める必要がある。ディープラーニングの構造と設計時に決定すべきパラメータを本稿では解説し,データを基にニューラルネットワークの構造を自動的に決定する手法AiS(Add-if-Silent)を紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. ディープラーニングの実現機能
3. ディープラーニングのシステム構築方法
4. まとめ

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液晶のような超伝導状態の発見と展望
Liquid-Crystal-Like Superconductivity : Discovery and Perspective

 銅をドープしたBi2Se3において筆者らは最近「ネマティック超伝導」を発見した。この超伝導は,結晶の等価な方向のうちの一つで超伝導電子ペアを形成する強さが選択的に弱まっているという回転対称性が自発的に破れた超伝導状態であり,ディスプレイなどに利用される液晶ネマティック状態の超伝導版であるといえる。本稿では,ネマティック超伝導とそれを発見した実験結果について概説し,将来展望について議論する。

【目次】
1. はじめに
2. 超伝導ペアの性質と対称性の破れ
3. 銅をドープしたビスマス―セレン化合物CuxBi2Se3
4. ネマティック超伝導の発見
5. 今後の展望と課題
6. 応用へ向けて
7. さいごに

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砂や灰などからの有機ケイ素原料の効率的な合成法の開発
Efficient Method for Synthesizing Tetraalkoxysilane via Direct Transformation of Silica Sand or Ash

 砂,灰,産業副産物など,安価で豊富にあるさまざまなケイ素源を出発原料として,ケイ素化学産業の基幹原料の一つであるテトラアルコキシシランを短時間に高収率で合成できる技術を開発した。この技術は,分離・回収・再利用が容易な固体状の無機脱水剤であるモレキュラーシーブを使う事が特徴であり,中間原料として金属ケイ素を経由する必要のないシリカの直接変換であるため,製造プロセスの省エネルギー化・低コスト化が期待できる。

【目次】
1. はじめに
2. シリカからテトラアルコキシシランを合成する技術の研究動向
3. 砂や灰などから高効率にテトラアルコキシシランを合成する新技術
4. まとめと今後の展望

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[ 機能材料マーケットデータ ]

レアアース工業の市場動向
Market Trend of Rare-Earth Elements Industry

 世界のレアアース資源の90%は中国で生産されている。2010年の尖閣諸島沖での中国漁船衝突を契機に中国政府が輸出量を絞ったことから,レアアースの国際価格は翌年にかけて暴騰し,ハイブリッド車やエアコンなどレアアースを使用している製品価格が軒並み上昇して世界経済に大混乱をきたした。2012年6月に日米欧の各国が中国の不当性をWTO に提訴,翌2013年にWTOの上級審が日米欧の主張を認めたため決着し,2015年1月には中国がレアアースの輸出枠の撤廃,また,5月には輸出税も廃止したため,ほとんどのレアアースの価格は暴騰前の水準に戻りつつある。一方,国際価格の暴騰以後,代替材料の開発やインド,ベトナムなどの開発による脱中国の動きが本格化しており,経営悪化に苦しむ中国企業が増加している。

【目次】
1. 概要
2. 需給動向
 2.1 酸化セリウム(CeO2)・セリウム化合物
 2.2 酸化イットリウム(Y2O3)・酸化ユーロピウム(Eu2O3)
 2.3 酸化ランタン(La2O3)
 2.4 ミッシュメタル
 2.5 その他製品
3. 業界動向
 3.1 供給先確保
 3.2 リサイクル関連
 3.3 使用量低減・代替材料関連
4,400円
【著者一覧】
有光晃二 東京理科大学
村田泰彦  日本工業大学
首藤重揮  信越化学工業(株)
内山陽平  新日本理化(株)
前田崇之  新日本理化(株)
伊藤浩志  山形大学
三宅卓志  岐阜大学
佐野航季  東京大学
石田康博  (国研)理化学研究所
相田卓三  東京大学;(国研)理化学研究所


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【新春特集】生産性の向上を目指した樹脂・複合材料の硬化/成形技術

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UV硬化技術の最新動向
Latest Trends of UV Curing Technology

UV硬化技術はVOC排出が抑えられるため環境に優しく,速硬化による省エネルギーを実現するグリーンテクノロジーである。最近のスマートフォンやタブレット端末の普及により,生産プロセスにおけるUV硬化技術の重要性が益々高まっている。中でも影部のUV硬化は大きな課題である。ここでは,UV硬化に関するキーマテリアルの進展や新たなUV硬化システムについて述べる。

【目次】
1. はじめに
2. 光開始剤の動向
 2.1 光ラジカル重合開始剤および光酸発生剤
 2.2 光塩基発生剤
 2.3 光潜在性チオール
3. 影部分のUV硬化
 3.1 光誘起フロンタル重合系
 3.2 ドミノ式フリーラジカル光重合(DFRP)系
4. 自己修復型UVコーティング
5. 3Dプリンタへの応用
6. 住環境での利用拡大へ
7. おわりに

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加熱・冷却成形金型によるプラスチック成形品外観不良の抑制
Restraint of Surface Defects of Molded Products by Heating and Cooling Mold

 近年,プラスチック成形加工分野では,金型を急速に加熱・冷却してプラスチック製品の外観品質などを向上させる各種金型加熱・冷却成形法が,生産現場に普及している。著者は,電磁誘導を用いた加熱・冷却成形金型を設計・製作して,プラスチック成形品の外観および機械的特性の改善効果の評価を行ってきた。また,遠赤外線ヒータを用いた新しい加熱・冷却成形プロセスを提案して,成形品外観の改善を行ってきた。本稿では,上記金型の構造や成形プロセスとそれぞれの適用効果について解説する。

【目次】
1. はじめに
2. それぞれの技術の特徴
3. 電磁誘導加熱・冷却射出成形金型
 3.1 金型構造
 3.2 各種成形材料における適用効果
 3.3 樹脂流動制御成形との併用効果
4. フッ素エラストマー圧縮成形用誘導加熱・冷却金型
5. 遠赤外線ヒータを用いた加熱・冷却成形プロセス
6. おわりに

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液状シリコーンゴム射出成形システムの開発と実用化
Development and Practical Use on Injection Molding System for Liquid Silicone Rubber

 本稿では,液状シリコーンゴム射出成形システムに関する材料,成形方法,金型などの開発について,紹介する。内容には,最近の技術動向,当社の材料および評価方法を記載している。特に,本射出成形システムのコア技術として,金型オープンゲート方式や自己接着LIMS材料が注目されている。また,高透明LIMS材料はさらに,多用途の実用化が期待されています。

【目次】
1. はじめに
2. LIMS材料
3. LIMSの最近の技術動向について
 3.1 完全自動成形:ノーバリ・ランナーレス・自動脱型
 3.2 複合成形:インサート成形・2色射出成形
4. ノーバリ・ランナーレス自動射出成形
5. 複合成形用材料
 5.1 自己接着LIMS材料について
 5.2 自己接着LIMS材料の金型調整
 5.3 自己接着LIMS材料の材料設計と注意点
 5.4 自己接着LIMS材料の製品ラインナップ
6. 高透明LIMS材料
7. おわりに

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ポリプロピレン用β晶造核剤による成形体の分子配向制御について
Control of Molecular Orientation in Polypropylene Articles by β-nucleating Agent

 ポリプロピレンのβ晶を優先的に発現させることが知られている当社製品「エヌジェスター® NU-100」を用いて,さらに成形加工条件を制御することによってこれまでにない成形体を得られることが可能となった。本稿では,同特徴について紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 結晶核剤によるPP分子配向の制御
 2.1 樹脂中でのNU-100 の溶解・析出挙動
 2.2 推奨加工条件
3. 未延伸シート成形体
 3.1 未延伸シート成形体の分子配向
 3.2 CPPの動力学的性質
 3.3 CPPの力学的性質
4. 射出成形体
 4.1 射出成形体の配向制御
 4.2 射出成形体の機械特性
5. まとめ

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高分子マイクロ・ナノ成形技術の現状と今後の展開
Research Trends and Future for Polymer Micro and Nano Molding Technology

 マイクロからナノスケールの高精度を有するプラスチックは,最先端デバイスを支える基幹部材として非常に重要になっている。これらのプラスチックの超精密成形加工では,プラスチック材料特性や加工技術を良く理解して,この加工技術によって新たな「ものづくり」を展開することが必要不可欠である。ここでは,プラスチック成形加工によるマイクロスケールおよびナノスケールの転写成形の課題,歴史,さらにこれらの加工技術の研究動向と今後の展開について,最近の研究成果を中心に紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. マイクロ・ナノスケールの微細表面転写成形の課題と動向
3. ホットエンボスもしくはRtRナノインプリントによる微細構造形成の最近の研究
4. 直接表面加工もしくは精密射出成形による微細転写に関する最近の研究
5. 微細転写成形の技術動向と将来展望

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変形メカニズムに基づいたCFRP/CFRTPのプレス成形技術
Press Molding Techniques of Carbon Fiber Reinforced Composites Based on their Forming Mechanism

 炭素繊維強化複合材料(CFRP/CFRTP)を自動車部材に使用しようとする場合,成形時間の短縮が避けられない課題となる。高速成形が可能なプレス成形が着目されているが,繊維が変位拘束するCFRP/CFRTPでは変形メカニズムを考慮しない成形は,成形体の力学特性の低下につながる。本稿では,成形体の力学特性の観点から,プレス成形方法に求められる条件について述べる。

【目次】
1. はじめに
2. 不連続繊維複合材料のプレス成形
 2.1 分散による力学特性の違い
 2.2 プレス時に発生する力学異方性
3. 連続繊維複合材料のプレス成形
 3.1  成形条件(型温度,しわ押え力)による成形体の強度変化
 3.2 成形体中繊維に発生する残留応力評価
4. 高速プレス成形のための型技術
 4.1 型の高速加熱・冷却技術
 4.2 賦形性と力学特性の両立
5. おわりに

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[ Material Report -R&D- ]

環境の変化によって自在に色を変える水― 99%以上が水からなる動的フォトニック構造体 ―
Photonic Water Dynamically Responsive to External Stimuli

 筆者らは1%未満の微量な酸化チタンナノシートを水中に分散した後,ナノシート間に働く静電反発力を極限まで高めることで,分散液中のナノシートが長周期で規則正しく配列され鮮やかな構造色を示すことを見出した。この分散液は秩序性と流動性を兼ね備えた動的フォトニック構造体であり,環境の変化に応答して構造色を瞬時に変化させる。

【目次】
1. はじめに
2. フォトニックウォーターの作製方法
3. フォトニックウォーターの広い色可変領域
4. フォトニックウォーターの構造秩序性
5. フォトニックウォーターの外部刺激応答の色変化
6. 今後の展望

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[ 機能材料マーケットデータ ]

抗菌・防カビ剤の市場動向
Market Trend of Antibacterial, Antifungal Drug

 抗菌・防カビ剤や防腐剤,防虫剤,忌避剤,木材防カビ剤はバイオサイドと呼ばれ,身近な日常品から医療・衛生用品,工業製品まで幅広い分野で使用されている。抗菌ブームが巻き起こった我が国では,抗菌加工製品の市場規模は1兆円とも言われている。国外に目を向けても,中国や米国などで関心が高まっており,非常に速いスピードで市場が成長している。

【目次】
1. 概要
2. 抗菌剤の種類
 2.1 無機系抗菌剤
 2.2 有機系抗菌剤
 2.3 天然系抗菌剤
3. 用途
 3.1 木材用(建築用含む)
 3.2 紙・パルプ用
 3.3 繊維製品用
 3.4 プラスチック製品用
 3.5 接着剤,塗料,その他用
4. メーカー動向
【著者一覧】
近畿大学  京極秀樹
愛知産業(株)  木寺正晃
武藤工業(株)  村田秀和
(株)松浦機械製作所  天谷浩一
東京理科大学  牛島邦晴
大阪大学  中野貴由
大阪大学  石本卓也
(株)コイワイ  小岩井修二
関西ペイント(株)  安並岳洋



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【特集】金属材料を対象とした3Dプリンタの現状と最新動向

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特集にあたって
Introduction to Special Issue

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金属3Dプリンタの現状
The Current Status of Metal 3D Printer

 金属材料を対象とした3Dプリンタは,航空宇宙分野,生体材料分野を中心に利用されてきている。本稿では,最近のパウダーベッド方式,デポジション方式およびバインダジェティング方式の金属3Dプリンタ開発動向と併せて,国際会議の報告から見えてくる新たな材料開発の動向も含めたAM技術の現状ついて紹介している。

【目次】
1. はじめに
2. 装置開発の現状
 2.1 AM技術の分類
 2.2 最近の装置開発の動向
 2.3 TRAFAMによる装置開発の状況
3. 材料開発の現状
 3.1 粉末材料の開発
 3.2 新たな材料開発
4. おわりに

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金属積層技術の最新動向
―レーザ・電子ビーム・アーク溶接による造形技術―
Cutting Edge AM Technologies by Laser, EB and Arc Welding

 2016年9月に発表されたGE社による金属3Dプリンタ製造メーカ2社の買収というニュースは世界に衝撃を与えたのではないだろうか。今回は金属積層造形技術のうちで最も一般的パウダーベッド方式だけでなく,レーザ+粉末送給方式,電子ビーム+ワイヤ送給方式,アーク溶接(CMTプロセス)による造形技術とその適用について世界の最先端の情報を紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. それぞれの技術の特徴
3. SLMソリューションズ社について
4. SLM社装置の特徴
 4.1 部分造形オプション
 4.2 複数台のレーザによる施工
 4.3 各種金属材料に適した豊富なレシピとオープンソースな装置
 4.4 双方向パウダーリコーター
 4.5 インラインのモニタリングシステム
 4.6 パウダーの再利用
5. LPW社について
6. Trumpf社のLMD
7. SCIAKY社とFronius社

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アーク溶接を利用した高速・高強度・低コスト金属3Dプリンタの開発
The Development of High-Speed, High-Strength, Low-Cost Metal 3D Printer Using Arc Welding

 東京農工大学との共同研究により,アーク溶接を用いた新型金属3Dプリンタを開発した。従来タイプの弱点とされた,造形速度,造形物強度,コストの面で,大きな改善がなされた。反面,精度面で劣ることとなるが,後加工を行うことによりこれを補う「ニアネットシェイプ」というコンセプトを活用した新たな工作法として提案したい。

【目次】
1. 緒言
2. 開発コンセプト
3. 本装置の原理と概要
 3.1 基本原理
 3.2 装置の概要
4. 主な仕様・性能
5. 他方式の金属3Dプリンタ
 5.1 粉末床溶融結合方式
 5.2 レーザー溶接方式
6. 本装置の特徴
 6.1 概要
 6.2 材料
 6.3 造形の精密さ
 6.4 ニアネットシェイプ
 6.5 バルク材への直接付加造形
 6.6 マグネシウムへの対応
7. 造形条件の改善による品質向上テストの事例
8. 本装置による造形物の例
9. 本装置の応用分野
10. 今後の開発の方向性
 10.1 大型化
 10.2 5軸化
11. 結言

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ハイブリッド金属3Dプリンターの特徴と実用例
The Characteristic and Applications of Hybrid Metal 3D Printer

 最近金属3Dプリンターによるものづくり,特に工業製品への応用に関する要求が強くなってきている。その状況の中で欧米勢の造形機能のみ搭載されている金属3Dプリンターが主流で活躍している。しかし,当社で開発された金属3Dプリンターは造形機能だけではなく同時に切削機能も搭載されており,ここではその特徴および実用例を挙げ欧米勢との違いを紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. ハイブリッド金属3Dプリンター「LUMEX」の特徴
3. 金型への応用
 3.1 金型製作リードタイムの短縮
 3.2 成型サイクルの短縮
 3.3 ウエルドラインの低減
 3.4 人形の髪の毛(ドールヘア)
4. 部品への応用
 4.1 試作部品の短納期化
 4.2 軽量化
 4.3 CAM System
5. 最後に

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ラティス構造を利用した材料の機能化
Lattice Structures for Multifunctional Application

 本稿では,近年のAM技術の進歩により注目されているラティス構造,特にマイクロメートルオーダーの微細なセルを有するマイクロラティス構造について,微細なセルを製造する上での注意すべき点(レーザーの照射条件の正しい選定,材料の正しい選定など),ユニットセルの設計方法を説明し,最新の研究動向も紹介している。

【目次】
1. 緒言
2. レーザー照射条件と生成されるマイクロラティス構造の特性との関係
3. マイクロラティス構造の幾何形状と構造全体の特性との関係
4. 高機能性を有するマイクロラティス構造の応用
5. 結言

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3Dプリンタの医療デバイスへの応用
Application of 3D Printer for Medical Devices

 近年,3Dプリンタを用いた医療デバイス,とりわけ,患者ごとに形状・機能を最適化したカスタマイズ化インプラント創製への期待が高まっている。3Dプリンタは,従来ない高付加価値医療デバイスの低コストかつ迅速な提供を可能とする。本稿では,3Dプリンタの医療応用の意義,当該分野の国内外での研究開発の現状と課題について,骨関連デバイスを中心として解説する。

【目次】
1. はじめに
2. 金属3Dプリンタ製部材の力学特性
3. 患者毎の骨格形状に合わせたカスタム形状インプラント
4. 多孔体構造設計による低ヤング率化骨代替材料の創製
5. 粉末の力学機能化による力学的生体適合化構造体の創製
6. 表面処理による生体適合性付与
7. 生体適合性評価
8. 金属3Dプリンタの新材料への適用
9. おわりに

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金属3Dプリンタの宇宙航空分野への応用
Application of 3D Printer for Medical Devices

 近年の3Dプリンタの普及はモノづくりの手法を根本的に改革してきた。樹脂に関わる産業での活躍は周知のことである。システム(コンピューター)開発により計算スピードが劇的に進化し金属積層も活躍の場が表れ始めた。地上32万kmから地上1万kmにブレークスルーし既に活躍し始め急激に拡大する最前線を紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 宇宙航空分野のニーズに対するAMの必要性
3. 海外の現状は
 3.1 ビックニュースが飛び込んできた
 3.2 欧州では今
 3.3 米国
 3.4 日本の現状
4. 解決すべき課題
 4.1 製造プロセスと装置
 4.2 粉体材料
 4.3 品質保証
 4.4 標準化
 4.5 モデルおよびシミュレーション
 4.6 積層技術
5. 今後の展望
 5.1 ニーズ市場規模と生産性
 5.2 今後の期待
6. おわりに

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[ Material Report -R&D- ]

抗ウイルス機能を持つ漆喰塗料アレスシックイ
ALES SHIQUY with the Anti-Virus Function

 「アレスシックイ」は古来よりの壁材である漆喰の機能をそのままに開発された。「アレスシックイ」シリーズの有する様々な機能のひとつに抗ウイルス性がある。今回新たにウイルスの種類や機能発現のメカニズムの検証を行ったのでその結果を報告する。また,「アレスシックイ」シリーズのラインナップを紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. アレスシックイの特長
3. 試験ウイルスの選定について
4. 試験方法
5. 結果と考察
 5.1 試験ウイルスに対する抗ウイルス効果の検証
 5.2 抗ウイルス効果のメカニズム解明
6. 漆喰塗料のラインナップ
 6.1 「アレスシックイ」
 6.2 「アレスシックイ 外部用」
 6.3 「アレスアートシックイ 厚膜型」
 6.4 「アレスシックイ モンティアート」
7. 終わりに

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[ 機能材料マーケットデータ ]

プリンタ用ケミカルスの市場動向
Market Trend of Chemicals for Printer

 プリンタの世界市場は,2011 年までは順調だったが,その後低迷し,2014年は1億1424万台(前年比98%)となっている。地域別ではアジア太平洋を除いて全ての地域で減少している。ページプリンタ複合機は2014年1880万台,前年比+ 5%だった。一方,国内のインクジェットプリンタは2014年からオフィス向けの「ビジネスインクジェット」が広まり,本体価格が安く,消費電力が少ないため需要拡大している。

【目次】
1. 世界のプリンタ市場
2. 国内プリンタ市場
3. プリンタ用ケミカルスの市場動向
 3.1 インクジェット用色素
 3.2 ページプリンタ用材料
 3.3 感熱記録用材料
 3.4 感圧記録用材料
【著者一覧】
寺西英司  日華化学㈱
金山賢治  あいち産業科学技術総合センター
鍛治畑裕行  ダイワボウレーヨン㈱
山田命音  泉工業㈱
橋本諭  旭化成ホームプロダクツ㈱
永縄勇人  あいち産業科学技術総合センター
福原徹  あいち産業科学技術総合センター
大野大輔  ㈱INUI
橋本忍  名古屋工業大学
唐木典敬  ㈱セイコーアドバンス
奥村剛  お茶の水女子大学



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【特集】耐炎/難燃性繊維の技術動向

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PET向け難燃剤の開発
Development of Flame Retardant for Polyester

 ポリエステル向け難燃剤には用途,加工方法に応じた製品開発が必要となる。そこで本稿では国内で比較的需要の多いカーテンとカーシートに焦点をあて,ポリエステルの難燃加工方法を述べるとともに,最近の開発製品についても説明を行う。

【目次】
1. はじめに
2. 繊維の難燃に関して
 2.1 難燃加工と繊維種
 2.2 難燃性試験方法
3. ポリエステル繊維の後加工難燃
 3.1 難燃加工方法
4. 近年の開発製品の紹介
 4.1 ポリエステルカーテン向け染色同浴用難燃剤
 4.2 カーシート用難燃バッキング剤
5. おわりに

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可溶化PI による耐熱性繊維の開発
The Development of Heat‒Resistant Fibers Fiber from Soluble Polyimide

 PI前駆体繊維を経由することなく,嵩高で高屈曲性の分子構造の可溶化PI液を原料として,これを湿式紡糸後に加熱延伸することでPI繊維を製糸した。凝固液に水を用いることで環境に優しい製造法で,機械的強度と耐熱性の優れたPI繊維の開発を目指した。

【目次】
1. はじめに
2. PIの合成
3. 湿式紡糸
4. PI繊維の紡糸
5. 性能評価
6. おわりに

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防炎レーヨン「FR CORONA」の開発
Development of Flame‒Proof Viscose Fiber “FR CORONA”

 ビスコースレーヨンは,安全でエコロジーな天然志向のセルロース系化学繊維として,また,様々な機能性を付与することのできる繊維素材として多様な市場で展開されている。本稿では,レーヨン繊維への機能性付与に関する技術概要とともに,その技術よって開発された防炎レーヨン繊維「FR CORONA」について紹介を行う。

【目次】
1. はじめに
2. レーヨン繊維の製造方法
3. レーヨン繊維の特徴
 3.1 吸湿性・吸水性
 3.2 制電性
 3.3 染色性・捺染性
 3.4 風合い
 3.5 光沢
 3.6 熱安定性
 3.7 均一性
 3.8 環境に優しい
4. レーヨン繊維への機能性付与について
 4.1 練り込み
 4.2 後加工
 4.3 異型繊維化
5. 機能性レーヨン繊維
 5.1 防炎レーヨン「FR CORONA」
 5.2 「FR CORONA」の差別化
 5.3 「FR CORONA family」の展望
6. おわりに

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ラメ糸と防炎加工の関係と難燃ラメ糸の開発について
Development of Fire‒Proof Lamé Thread and Relationship between Lamé Thread and Anti‒Flaming

 ラメ糸(金銀糸)は金属光沢を持った装飾糸でテキスタイルに使用される繊維素材である。しかしラメ糸の構造や種類はあまり知られておらず,ラメ糸入りカーテン生地の防炎加工では変色や光沢消失といった問題がたびたび起こる。本稿は,その際の問題点や使用すべきラメ糸を説明し,また市場に受け入れられるような難燃ラメ糸の開発についてラメ糸メーカーのスタッフが述べたものである。

【目次】
1. はじめに
2. ラメ糸とは
3. ラメ糸と防炎加工
 3.1 発生する問題
 3.2 防炎加工に耐えやすいラメ糸
 3.3 防炎加工で起こる変色の種類
4. 難燃ラメ糸の開発

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塩化ビニリデン系繊維『サラン®』の難燃性とその用途
Flame Resistance and the Uses of Poly Vinylidene Chloride “Saran”Fiber

 塩化ビニリデン系繊維「サラン®」は,操業から63 年の長い歴史を持った合成繊維である。高い難燃性をはじめ,耐薬品性に優れ,回復性も良好であるなど,様々な特長を有する。今回は難燃性を中心に他素材と比較したデータおよびサラン® の難燃性を活かした用途である,フィルター材,ブラインド,人工芝,ドールヘアについて紹介する。

【目次】
1. はじめに
2. 塩化ビニリデン系繊維「サラン®」について
 2.1 サラン®の特長
 2.2 難燃性について
 2.3 放電部の構成
3. サラン®の用途例
 3.1 フィルター材
 3.2 車両用ブラインド
 3.3 人工芝
 3.4 人形の髪の毛(ドールヘア)
4. おわりに

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セラミックスファイバー製品向け新コーティング材
Development of New Coating Agent for Ceramic Fibers

 優れた耐火断熱性を有するセラミックスファイバー成形体は,低機械強度,低脆性,低耐食性,加熱収縮率が大きいといった問題を抱えている。これらの問題は製品寿命を縮める原因となるが,全ての問題を同時に解決することは難しい。本稿は,上記問題を同時に解決へ導くためのアプローチとして,新規コーティング材による改善法を開発したので,概説する。

【目次】
1. はじめに
2. 従来のセラミックスファイバー製品向けコーティング材
3. セラミックスファイバー製品用コーティング材―新開発「reftectシリーズ」
 3.1 本開発品を用いた評価試験その1:耐風性の向上 ~脆性や摩耗性の改善~
 3.2 本開発品を用いた評価試験その2:耐熱性の改善 ~収縮抑制効果及び柔軟性劣化の改善~
 3.3 本開発品を用いた評価試験その3:耐食性の改善 ~耐スケール性や耐アルカリ性の改善~
4. おわりに

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[ Material Report -R&D- ]

磁石で模様が描ける光学変光インキ
Optical Changeable Eff ect Ink to Be Able to Draw Picture with a Magnet

 「磁石で模様が描ける光学変光インキ」は,磁界で模様を形成することができ,さらに見る角度によって色が変わるインキである。その印刷物は海外において加飾用途や偽造防止用途として使われ始めている。ここでは,光学変光,磁石(界)の違いによる模様の形成などについて紹介する。

【目次】
1. はじめに
 1.1 光学変光
 1.2 磁性体
2. 光学変光磁性顔料を用いたスクリーンインキ
 2.1 スクリーン印刷
 2.2 スクリーンインキ
 2.3 光学変光磁性顔料
 2.4 ミラクルカラーⅥインキ
3. 模様の形成
 3.1 マグネットの磁界
 3.2 磁界を用いた模様の形成
 3.3 MC Ⅵインキの印刷物諸物性
4. おわりに

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[ Material Report -R&D- ]

印象派物理学による「切り紙」構造の高い伸張性の解明
Physical Principles of the High Stretchability of Kirigami Sheet Materials

 高い伸張性を持つ日本の切り紙が,工学的応用のポテンシャルの高さから世界で注目されている。しかし,この高い伸張性の物理原理は未解明であった。本研究では,その原理の本質をシンプルな数式でほぼ正確に説明した。この結果は,今後の様々な応用の指導原理として利用される可能性がある。

【目次】
1. 概要
2. 研究の背景と経緯
3. 研究内容
4. 今後の展開

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[ 機能材料マーケットデータ ]

紙・パルプ用化学薬品工業の市場動向
Market Trend of Chemicals for Paper and Pulp

 製紙用薬剤は,紙・板紙の製造において様々な用途で用いられる。国内需要は紙・板紙の成熟市場に連動して縮小傾向にあるが,製紙用薬剤メーカー各社は,ニーズの高機能化に取り組むとともに,中国や東南アジア地域の発展をにらみ,同地域における市場展開・生産体制の強化を行っている。

【目次】
1. 概要
2. 紙・板紙需要動向
 2.1 紙
 2.2 板紙
3. 製紙パルプ需要動向
4. 古紙需要動向
5. 製紙用薬剤需要動向
 5.1 製紙パルプ用薬品
 5.2 古紙処理工程用薬剤
 5.3 抄紙工程用薬剤
 5.4 二次加工用薬品
 5.5 その他
6. 製紙用薬剤メーカーの動向
 6.1 国内メーカーの中国,東南アジア地域への進出
 6.2 各社の国内動向
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