●第一特集
ソロモンを駆けた不屈の蒼き狼たち
古鷹型/青葉型 重巡洋艦
第一次世界大戦後、14cm砲を有する5500トン型巡洋艦の建造を進めていた日本海軍であったが、
1920年代に入ると、米海軍は15.2cm砲を搭載するオマハ級巡洋艦を、
英海軍は19.1cm砲を持つホーキンス級巡洋艦の建造を開始した。
それらを凌駕するため、日本海軍はさらに強力な新型巡洋艦の建造を計画。
大正11年(1922年)、20cm単装砲6門を搭載する7500トン型巡洋艦2隻「古鷹」「加古」の建造を開始した。
古鷹型2隻は大正15年に竣工するが、主砲弾が人力装填のため砲戦速度が遅いという欠陥を抱えていた。
その欠点を改善するため、主砲を機力装填の20cm連装砲3基とした改良型が
「青葉」「衣笠」の青葉型で、昭和2年(1927年)に竣工した。
そして昭和5年(1930年)のロンドン軍縮会議の結果、古鷹型は日本海軍初の重巡洋艦となった。
太平洋戦争において、「青葉」「衣笠」「古鷹」「加古」で構成される第六戦隊は主にソロモン海方面で活動。
昭和17年8月の第一次ソロモン海戦で大戦果を挙げるが、激戦の末「加古」「古鷹」「衣笠」は戦没してしまう。
ただ一人残った「青葉」は孤独な戦いを繰り広げることになるが…。
本特集では、地味ながら激しく戦い抜いたベテラン重巡、古鷹型・青葉型を、多角的な視点で解説していく。
●第二特集
双子の心臓を持った四発の怪鳥
ハインケルHe177グライフ
第二次大戦開戦前の1937年、ドイツ航空省はヨーロッパ全域を空襲可能な「A爆撃機」計画に、
ハインケル社の長距離爆撃機案P.1041を採用し、He177として試作を発注した。
He177は大航続力・大搭載量と高高度での高速に加え、急降下爆撃能力まで要求されたため
開発は非常に難しいものとなり、様々な新機軸が導入された。
最も大きな特徴が、空気抵抗を減らすため、液冷エンジン2基を並列につないだ双子エンジン2組を採用したことである。
そのため、外見は双発機だが実際には4基のエンジンを備える、変速的な四発機となっている。
またエンジンの表面冷却装置(後に放棄)、遠隔操作銃塔の採用、複雑な降着装置など、
ハインケルの技術力の粋をつぎ込んだ設計となった。
しかし、試験では双子エンジンにオーバーヒートなどのトラブルが多発。
問題を根本的に解決できないまま1942年3月から量産が開始され、大戦中盤から本格的に実戦に参加し、
通常爆撃任務の他、イギリス本土への夜間爆撃、誘導爆弾Hs293を搭載しての対艦攻撃などにも投入された。
大戦後半には双子エンジンの問題も改善が見られたが、グライフ(グリフォン)と呼ばれた大型爆撃機He177も、
劣勢の中では戦局を覆す活躍はできず、1944年10月には生産が打ち切られた。
本特集では、空軍上層部の迷走に翻弄された感もある悲運の戦略爆撃機He177を、様々な観点から分析していこう。
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