ミリタリー・クラシックス 発売日・バックナンバー

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【巻頭特集】
欧州に覇を唱えた最強の虎
Ⅵ号戦車E型ティーガーⅠ

ドイツ陸軍の兵器局は1937年春ごろから、来るべき大戦に備え陣地突破用の重装甲・大火力の戦車を計画・開発していた。そして紆余曲折を経て、1942年4月には8.8cm主砲と100mm厚の前面装甲を持つ、60トン級の重戦車VK45.01(H)の試作車が完成。同年8月から「ティーガー」として生産が開始された。
極めて強大な攻撃力と強靭な装甲防御を備えるティーガーは、通常の戦車とは異なり独立した「重戦車大隊」に配備され、1942年秋ごろから「火消し役」「助っ人」として重要な戦線に投入された。デビュー当時から1年半ほどはティーガーに正面から勝てる連合軍戦車は存在せず、まさに戦場の王として大きな戦果を挙げた。1944年になるとソ連のIS-2、イギリスのファイアフライなどの強敵が現れ、さらに後継のティーガーⅡも登場するが、それでもティーガーⅠの攻防力は健在で、ドイツ最後の日まで激闘を続けている。
大戦後半、東西の防御戦闘で引っ張りだことなっていたティーガーⅠは、チュニジア、ハリコフ、クルスク、チェルカッシィ、ナルヴァ、ノルマンディーなど激戦地で伝説的な戦いぶりを見せるとともに、ヴィットマン、カリウスら著名エースも多数輩出しており、今でも世界で最も人気の高い戦車の一つと言えるだろう。
本特集では「無敵の虎」Ⅵ号戦車E型ティーガーⅠを、メカニズム、戦歴、開発、運用、生産型、編制・戦術、カラーリング、人物など全方位から徹底解説していこう。

[第二特集]
航空大国の威信を背負って戦ったトリコロールの空騎士たち
WWⅡフランス戦闘機

第一次世界大戦ではニューポール11/17/24や、SPAD S.Ⅶ/ⅩⅡなど、多数の優れた戦闘機を生み出し、自他共に認める航空大国であったフランス。しかし大戦により大きく国力は損なわれ、戦間期には優れた航空機を生み出す能力も低下していた。そんな中でも1934年7月にフランス陸軍航空隊が空軍として独立すると、多種の新型戦闘機の研究が始まり、単座戦闘機のモラーヌ・ソルニエMS.406やドヴォワチーヌD.520、ブロックMB.151/152やアルスナルVG33、多座戦闘機のポテーズ631などが開発された。だが航空行政の無定見さ、航空機メーカーの国有化の失敗、そして航空技術の遅れなどで戦力化は遅々として進まず、1939年9月の開戦時に実戦化できていたのはMS.406とポテーズ631、そして米国からの輸入機のホーク75Aのみで、1940年5月の西方戦役の際にD.520、MB.151/152が加わっただけだった。
宿敵のBf109Eや、盟友のハリケーンなどと比べると、MS.406やMB.152は額面上の性能では劣り、D.520はほぼ同等と言えたが、本土航空戦でフランス戦闘機を駆ったパイロットたちは驚くべき奮闘を見せ、Bf109Eとも互角に戦い、ドイツ爆撃機にも大損害を与えている。そして降伏後は、ヴィシー政府軍に所属するフランス戦闘機隊が、「昨日の友」の連合軍と戦うという悲運に翻弄されている。
本特集では、彼ら第二次世界大戦前半に活躍したフランス戦闘機たちの開発経緯やメカニズム、戦歴や運用、カラーリングやエースなどを解説していく。

【目次】

[第一特集]
欧州に覇を唱えた最強の虎
Ⅵ号戦車E型ティーガーⅠ

ティーガーⅠ名シーンセレクション
 チュニジアの戦い
 クルスク戦車戦
 ナルヴァの戦い
 ヴィレル・ボカージュの戦い
これがタイガー戦車だ!
ティーガーⅠの塗装とマーキング
ティーガーⅠのメカニズム
ティーガーⅠの開発経緯
ティーガーの編制と運用
ティーガーⅠの生産型と派生車輌
ティーガーⅠの戦術・戦法
猛虎の咆哮 ティーガーⅠの戦闘記録
ティーガーⅠエース列伝 最強の虎を駆った黒騎士たち
ティーガーⅠ vs.世界のライバルたち
ティーガーランダムアクセス
まけた側の良兵器集
オットー・カリウス スペシャルインタビュー

[第二特集]
航空大国の威信を背負って戦ったトリコロールの空騎士たち
WWⅡフランス戦闘機

特集トビラページ
WWⅡフランス戦闘機の塗装とマーキング
モラヌ・ソルニエMS.406
ドヴォワチン D.520
ブロックMB.151/152/155
カーチス ホーク75A
ポテーズ630/631
アルスナルVG.33/39
コードロンC.714「シクローン」
第二次大戦期のフランス戦闘機開発概史
フランス戦闘機隊の部隊編制と運用
女神に導かれし報国の翼 フランス空軍戦闘機隊の戦歴
WWⅡフランス空軍 撃墜王列伝

[連載・特別企画]
熊本城のお堀で発見!日本軍の秘密兵器
ストライク・フロム・ザ・シー 洋上航空戦力発達史
ミリタリー人物列伝
世界の軍用銃 in WWⅡ
奮闘の航跡 この一艦
激うま!世界の軍隊メニュー
ゆっ珍出張編 ミリクラで語る珍兵器
巻きシッポ帝国 マナシロ大尉の軍隊基礎講座
マンガ陸軍航空戦史 「隼」奮戦記
Benvenuti!知られざるイタリア将兵録
WWⅠ兵器名鑑
陸海軍航空隊 蒼天録
「砲兵」から見た戦後戦史
第二次大戦全戦史
帝國軍人MMK
イスラム教徒の枢軸軍
海外から見た太平洋戦争海戦史
オスマン帝国の装甲軍艦 1862-1923
オルタナティブ・ワールド
歴史的兵器小解説
読者のページ 最前線にて
MC放送局
読者プレゼント&アンケート
次号予告
【巻頭特集】
星となった鉄十字の槍騎兵
メッサーシュミットBf109

 新生ドイツ空軍が1934年に提示した新型戦闘機競争試作に対し、メッサーシュミット社は小型軽量の機体に強力なエンジンを搭載し、一撃離脱戦法を得意とするBf109で応える。1936年にはBf109の採用が決定、次期主力戦闘機として量産が始まった。
 Bf109は同年に勃発したスペイン内戦に早速投入され、その優れた性能が証明された。そして1939年9月からの第二次世界大戦でも、Bf109E型がポーランド攻略、西方戦役で空軍の主力戦闘機として活躍。1940年夏のバトル・オブ・ブリテンでは宿敵スピットファイアと死闘を演じた。続く北アフリカ戦、バルバロッサ作戦ではBf109F型が投入され、米英ソの戦闘機相手に優位に戦いを進める。
 1941年秋からは決定版のBf109G型が登場するが、1943年に入ると連合軍の新型戦闘機に対して苦戦を免れなくなってきた。しかし、本来大戦後半には登場せねばならない後継機の開発が失敗したため、Bf109は老骨に鞭打って進化を続け、究極のBf109であるK型まで登場し、1945年春の終戦まで第一線で戦い続けたのである。ガランド、メルダース、マルセイユ、ハルトマン、バルクホルン、ラルなどBf109を駆った伝説的エースも数多く存在し、おそらく世界戦史上もっとも多くの敵機を撃墜した戦闘機といえるだろう。
 本特集では、戦闘機としては史上最多の約33,000機以上が生産され、ドイツ空軍の象徴のみならず、WWⅡ戦闘機を代表する機体であるBf109を、メカニズム、戦歴、生産型、開発経緯、編制・戦術、人物、塗装図など多角的に分析していく。


[第二特集]
帝国陸軍戦車部隊の発展期を支えた“鉄牛”
八九式中戦車イ号

 第一次世界大戦において英仏独などが新兵器・戦車を開発、戦場に投入すると、日本陸軍も興味を示し、大正期には、英仏からMk.Ⅳ菱形戦車やホイペット快速戦車、ルノーFT戦車などの中古品を輸入して研究を行った。
 そして自ら戦車の国産開発を決定、まず昭和2年(1927年)3月には初の国産戦車「試製一号戦車」が完成したが、大型で低速だったため、より軽量で高速の戦車の開発に移行した。そして1929年(昭和4年)4月には新型戦車「試製八九式軽戦車」の試作車が完成。これは短砲身57mm主砲を回転砲塔に装備し、最大速度25km/h、装甲は最大17mm、重量9.8トンという性能で、当初、秘匿名称「イ号」と呼ばれていた。そして試験の結果、昭和3年10月に八九式軽戦車として仮制式化された。
 八九式の性能は第二次世界大戦の水準で見れば物足りないが、開発当時としては世界水準に追いついた立派なものであり、初の国産量産戦車としては充分な成功作だったといえる。
 こうして日本初の国産量産戦車として採用された八九式軽戦車は、生産途上で重量が増えていき、昭和10年(1935年)9月には中戦車扱いとなり「八九式中戦車」と呼ばれるようになった。
 八九式中戦車は満州事変や第一次上海事変、第二次上海事変や日中戦争(支那事変)、ノモンハン事件などに参加して戦果を挙げた。昭和16年(1941年)に開戦した太平洋戦争では、さすがに旧式化は隠せなかったが、一部車輌がフィリピン攻略戦などに参加、大戦末期のフィリピン攻防戦にも投入されている。
 本特集では日本初の国産量産戦車として日本戦車史上に大きな足跡を残した八九式中戦車を、メカ、開発、生産型、戦歴など多方面から解説していこう。


【目次】
[第一特集]
星となった鉄十字の槍騎兵
メッサーシュミットBf109

Bf109名シーンセレクション
 英本土航空戦
 北アフリカ航空戦 福村一章
 東部戦線南部航空戦
これがBf109だ!
Bf109の塗装とマーキング
Bf109のメカニズム
メッサーシュミットBf109の開発経緯
Bf109シリーズの各型式
Bf109の運用と部隊編制
Bf109の戦術・戦法
欧州を翔けた空のレイピア Bf109の戦闘記録
Bf109撃墜王列伝
Bf109E vs.ライバル戦闘機との比較
Bf109G vs.ライバル戦闘機との比較
Bf109ランダムアクセス


[第二特集]
帝国陸軍戦車部隊の発展期を支えた“鉄牛”
八九式中戦車イ号

八九式中戦車の塗装とマーキング
CG図解 八九式中戦車のメカニズム
日本戦車の黎明から八九式軽戦車開発への歩み
八九式中戦車の生産型と発展
八九式中戦車の部隊編制と運用
大陸を駆けた鉄牛 八九式中戦車の戦歴
八九式中戦車ランダムアクセス



[連載・特別企画]
ストライク・フロム・ザ・シー 洋上航空戦力発達史
ミリタリー人物列伝
世界の軍用銃 in WWⅡ
海外から見た太平洋戦争海戦史
【特別企画】北海道で発見! 戦後を生き抜いた旧日本軍戦車
まけた側の良兵器集
「砲兵」から見た戦後戦史
帝國軍人MMK
イスラム教徒の枢軸軍
奮闘の航跡 この一艦
激うま!世界の軍隊メニュー
ゆっ珍出張編 ミリクラで語る珍兵器
巻きシッポ帝国 マナシロ大尉の軍隊基礎講座
マンガ陸軍航空戦史 「隼」奮戦記
Benvenuti!知られざるイタリア将兵録
WWⅠ兵器名鑑
陸海軍航空隊 蒼天録
第二次大戦全戦史
【新連載】オスマン帝国の装甲軍艦 1862-1923
オルタナティブ・ワールド
歴史的兵器小解説
読者のページ 最前線にて
MC放送局
読者プレゼント&アンケート
次号予告
【巻頭特集】
蒼天を征く伝説の龍
空母「蒼龍」「飛龍」「雲龍」

 昭和5年(1930年)のロンドン軍縮条約を受け、日本海軍は昭和9年、基準排水量10,050トンの小型空母2隻を建造することを決定。当初は排水量に対して過大なスペックが要求されたが、結局は基準排水量15,900トン、搭載機57機、速力34.5ノット、島型艦橋を右舷に持つの中型空母「蒼龍」が昭和12年12月に竣工した。続いて「蒼龍」の改設計型として、排水量を17,300トンに増加し、艦橋を左舷に移した「飛龍」が建造され、昭和14年7月に竣工した。
 実験的な初の空母「鳳翔」、巡洋戦艦・戦艦から改造した大型空母「赤城」「加賀」、設計に無理があった小型空母「龍驤」と試行錯誤してきた日本海軍にとって、この「蒼龍」「飛龍」は初の新造中型空母であり、性能・実用性も十分なものであったため、以後の日本空母のひな形となった。
 実戦においても中国戦線での「蒼龍」をはじめとして、真珠湾攻撃、ウェーク島攻略、インド洋作戦で大きな活躍を収め、昭和17年のミッドウェー海戦では「蒼龍」が倒れる中、「飛龍」が驚異的な奮戦を見せたのちに戦没した。
 遡って昭和16年後半、米英戦を覚悟した日本海軍が戦時量産を企図した空母が、「飛龍」をベースとした雲龍型で、昭和19年に「雲龍」「天城」「葛城」の3隻が竣工したが、本来の艦隊型空母として戦うことはなかった。
 今回の特集では、中型空母「蒼龍」「飛龍」そして雲龍型を、建造の経緯、各部メカニズム、戦歴、搭載機、艦隊編成と運用、人物など多角的に紹介していく。


[第二特集]
快速で信頼性の高い傑作軽戦車
M3/M5スチュアート軽戦車

 アメリカ陸軍は1934年には初の本格的国産軽戦車であるT2を開発。そのT2のサスペンションをVVSSとしたのがM2A1で、それを元に双銃塔式としたM2A2が開発された。続いて装甲を強化したM2A3が登場し、双銃塔を廃し単砲塔に50口径37㎜砲を搭載したM2A4も開発された。
 そして1939年、M2A4をさらに強化した新型戦車が開発されることとなった。この軽戦車は13トンの小型な車体に長砲身37㎜砲を装備、車体前面上部の装甲厚は38㎜と当時としては厚く、最大速度は58km/hを発揮。1940年7月にM3軽戦車として制式化され、1941年3月から量産が開始された。
 続いて、M3を元に新型エンジンを搭載し、傾斜装甲を取り入れた溶接構造の車体を持つ新型、M5軽戦車が開発され、1942年から生産が開始された。
 M3/M5軽戦車は合わせて2万輌以上が生産され、アメリカ軍のみならず、イギリス、ソ連など同盟国へ供与された。そして軽戦車としては高い攻防力、優れた機動力、さらに信頼性・実用性の高さが評価され、大戦前半~中盤の米英連合軍の主力軽戦車として活躍。英連邦軍では「スチュアート」と命名され、さらに現場では「ハニー」と呼ばれて愛用された。さらにM3を鹵獲した日本軍も優れた戦車として運用。戦後も各地の紛争などで使用されており、戦史に残る傑作軽戦車といえるだろう。
 この特集では大戦を通じて大きな存在感を見せたM3/M5スチュアートを、様々な面から考察していこう。


【CONTENTS】

[巻頭特集]
空母「蒼龍」「飛龍」「雲龍」

「蒼龍」「飛龍」 名シーンセレクション
 真珠湾攻撃
 セイロン沖海戦
 ミッドウェー海戦
これが「蒼龍」「飛龍」「雲龍」だ!
「蒼龍」「飛龍」「雲龍」塗装図
CG解説 空母「蒼龍」「飛龍」雲龍型のメカニズム
空母「蒼龍」「飛龍」雲龍型空母の建造経緯
「蒼龍」「飛龍」雲龍型空母の運用と艦隊編制
「蒼龍」「飛龍」雲龍型空母 艦上機カタログ
空母「飛龍」における艦上機の運用
闘龍伝 「蒼龍」「飛龍」雲龍型空母の戦歴
「蒼龍」「飛龍」雲龍型空母の艦歴
空母「飛龍」の飛行長になってみよう
「蒼龍」「飛龍」雲龍型 関連人物列伝
「蒼龍」「飛龍」雲龍型空母 ランダムアクセス


[第二特集]
M3/M5スチュアート軽戦車

M3/M5スチュアートの塗装とマーキング
M3/M5軽戦車のメカニズム
M3軽戦車の開発経緯と生産
M3系軽戦車の各生産型
M3系軽戦車の派生車輌と派生型
M3/M5軽戦車の編制と運用
M3/M5軽戦車の戦術・戦法
迅速果断の軽騎兵 M3/M5軽戦車の戦歴
M3/M5スチュアート ランダムアクセス
まけた側の良兵器集[M3軽戦車編]

[連載・特別企画]
ストライク・フロム・ザ・シー 洋上航空戦力発達史
ミリタリー人物列伝
【特別企画】ワンフェス2024冬開かる!
激うま!世界の軍隊メニュー
海外から見た太平洋戦争海戦史
世界の軍用銃 in WWⅡ
「砲兵」から見た戦後戦史
帝國軍人MMK
海防戦艦『見島』と『沖島』
【特別企画】一式戦闘機「隼」の胴体発見!?
奮闘の航跡 この一艦
ゆっ珍出張編 ミリクラで語る珍兵器
巻きシッポ帝国 マナシロ大尉の軍隊基礎講座
マンガ陸軍航空戦史 「隼」奮戦記
Benvenuti!知られざるイタリア将兵録
WWⅠ兵器名鑑
陸海軍航空隊 蒼天録
イスラム教徒の枢軸軍
第二次大戦全戦史
オルタナティブ・ワールド
歴史的兵器小解説
読者のページ 最前線にて
MC放送局
読者プレゼント&アンケート
次号予告
【巻頭特集】
戦い抜いた剛毅堅忍の軍馬
Ⅳ号戦車

 1930年代、ドイツ陸軍は5トンクラスのⅠ号戦車と10トンクラスのⅡ号戦車を開発。そして来るべき主力戦車として開発されたのが長砲身3.7cm砲(後に5cm砲)を持つ15トン級のⅢ号戦車で、それらを火力支援する戦車として短砲身7.5cm砲搭載の20トン級のⅣ号戦車が開発された。
 大戦序盤、Ⅳ号戦車はⅢ号戦車とともにドイツ軍の勝利に大きく貢献するが、1941年6月に始まった独ソ戦では重装甲のT-34中戦車やKV重戦車に遭遇。Ⅲ号戦車の5cm砲では太刀打ちできないことが判明し、より車体の大きなⅣ号戦車に長砲身7.5cm砲が搭載されることになった。こうして生まれたのがⅣ号戦車F2型(後にG型に改称)で、1942年前半から前線に参戦。T-34や米英の中戦車も正面から撃破できるⅣ号戦車長砲身は、対戦車戦闘、対歩兵・陣地戦闘、どちらもこなせる新たな「主力戦車」となったのである。
 1943年夏からは後継のパンター中戦車も登場するが、数の面や信頼性の低さから完全な主力となるには至らず、Ⅳ号戦車は大戦の終盤までドイツ軍装甲部隊の中核として戦い続けたのである。
戦車としてはドイツ軍最多の約8,500輌が生産され、大戦初期から終盤まで最前線に立ち続けたⅣ号戦車は、まさしく第二次世界大戦のドイツ陸軍を象徴する戦車といっていいだろう。
 本特集ではティーガーやパンターのような派手さはないものの、剛毅木訥な「軍馬」のように戦い抜いたⅣ号戦車を、様々な視点から考察していこう。


[第二特集]
日本海軍最速の韋駄天偵察機
艦上偵察機 彩雲

 日本海軍は大戦前まで、空母機動部隊の偵察機としては三座の九七式艦上攻撃機を転用したり、戦艦・巡洋艦搭載の水上偵察機を使用していた。
だが太平洋戦争が迫ると、広大な洋上を高速で飛行できる偵察機が必要となり、開戦直後の昭和17年1月、海軍は中島飛行機に本格的な艦上偵察機の試作を内示する。仕様では350ノット(648km/h)の高速と、4,630kmという単発機としては破格の航続性能が要求されていた。
 こうして開発された十七試艦上偵察機は、2,000馬力級発動機「誉」を搭載、洗練された設計で640km/h近い高速と長大な航続力、優れた離着艦性能を実現。「彩雲」として量産が決定され、昭和19年春から前線への配備が開始された。
 戦局の悪化から空母に搭載されることはなく、陸上基地から運用された彩雲は、昭和19年5月から本格的な偵察任務を開始、長大な航続距離と高速を活かして米海軍の動向を探り、大戦末期の海軍に貴重な情報をもたらしたが、戦局を覆すには至らなかった。また、その飛行性能を見込まれて、夜間戦闘機にも改造されている。
 ここからは「我に追いつくグラマン無し」の電文でつとに有名な、日本海軍機最速のスピードを誇った韋駄天偵察機・彩雲について、メカニズム、開発、戦歴、各型、塗装、人物など多角的に解説していこう。

【新連載×2】
■「砲兵」から見た戦後戦史
■激うま! 世界の軍隊メニュー


【CONTENTS】

[巻頭特集]
Ⅳ号戦車

特集トビラページ
Ⅳ号戦車 名シーンセレクション
 アニューの戦い
 クルスクの戦い
 ノルマンディーの戦い
これがⅣ号戦車となかまたちだ!
Ⅳ号戦車の塗装とマーキング
Ⅳ号戦車のメカニズム
Ⅳ号戦車の開発経緯と生産
Ⅳ号戦車の各生産型
Ⅳ号戦車の派生車輌と派生型
Ⅳ号戦車の編制と運用
Ⅳ号戦車の戦術・戦法
欧州を疾駆した軍馬 Ⅳ号戦車の戦歴
Ⅳ号戦車関連人物列伝
Ⅳ号戦車D型とライバル戦車の比較
Ⅳ号戦車H型とライバル戦車の比較
Ⅳ号戦車ランダムアクセス


[第二特集]
艦上偵察機 彩雲

特集トビラページ
彩雲イラストギャラリー
彩雲の塗装とマーキング
艦上偵察機 彩雲のメカニズム
艦上偵察機 彩雲の開発経緯
艦上偵察機 彩雲の運用と部隊編制
艦上偵察機 彩雲の各型式
蒼天の彩雲 艦上偵察機 彩雲の戦闘記録
艦上偵察機 彩雲の搭乗員になってみよう
まけた側の良兵器集
艦上偵察機 彩雲人物伝


[連載・特別企画]
ストライク・フロム・ザ・シー 洋上航空戦力発達史
【新連載】「砲兵」から見た戦後戦史
海外から見た太平洋戦争海戦史
【特別企画】大刀洗と鹿島で見る『ゴジラ』の「震電」
帝國軍人MMK
WWⅠ兵器名鑑
奮闘の航跡 この一艦
ゆっ珍出張編 ミリクラで語る珍兵器
巻きシッポ帝国 マナシロ大尉の軍隊基礎講座
マンガ陸軍航空戦史 「隼」奮戦記
Benvenuti!知られざるイタリア将兵録
【新連載】激うま!世界の軍隊メニュー
陸海軍航空隊 蒼天録
ミリタリー人物列伝
世界の軍用銃 in WWⅡ
海防戦艦『見島』と『沖島』
イスラム教徒の枢軸軍
第二次大戦全戦史
オルタナティブ・ワールド

歴史的兵器解説
読者のページ 最前線にて
MC放送局
1,980円
[第一特集]
天空を舞うジュラルミンの猛燕
三式戦闘機「飛燕」と五式戦闘機

 川崎航空機は昭和14年(1939年)、ドイツのDB601液冷エンジンのライセンス生産権(ハ40)を取得。陸軍は重戦闘機・キ60、軽戦闘機・キ61の試作を川崎に指示する。
キ60は性能に優れず不採用となったが、キ61は優れた性能を発揮、陸軍はこれを受けキ61の大量産を決定。
昭和18年6月には「三式戦闘機」として制式化され、後に愛称は「飛燕」となった。
 昭和18年夏から三式戦はニューギニア戦線に投入され、比島戦などにも参加したが、ハ40エンジンの故障が多発、米軍の新鋭機には苦戦を強いられた。
それでも本土防空戦では高い稼働率を維持、B-29の迎撃に気を吐いた。三式戦の生産数は2,884機にも上る。
 三式戦は二型でエンジンをハ40の性能向上型のハ140に換装したが、生産に行き詰まり、エンジンのない胴体だけの三式戦二型が並ぶ有様となった。
そのため昭和19年10月、三式戦二型のエンジンは信頼性が高い空冷のハ112Ⅱへ換装されることになる。
完成したキ100は、速力は三式戦二型より低下したものの運動性や信頼性が向上して予想外の成功作となった。
生産数は395機と少なく、活躍例も限られるが、陸軍戦闘機の有終の美を飾ったことは確かだ。
 本特集では、WWⅡ時日本軍唯一の液冷戦闘機として奮闘した三式戦闘機と、三式戦の生まれ変わりと言えるキ100(通称:五式戦闘機)を、開発の経緯、メカニズム、戦歴、運用、型式、人物など多角的に紹介していこう。

[第二特集]
イギリスが誇る最大最強の巡洋戦艦
巡洋戦艦「フッド」

 戦艦の火力と巡洋艦に伍する速力を併せ持った「巡洋戦艦(Battlecruiser)」は、英海軍の「インヴィンシブル」を嚆矢とし、英独海軍を中心に発展を遂げた。
第一次大戦中の1916 年には15インチ(38.1cm)砲搭載の巡洋戦艦の建造が計画され、同年5月31日には一番艦が起工されるが、まさにその当日にジュットランド沖海戦が生起、英巡洋戦艦3 隻が轟沈する事態となった。
 この海戦の戦訓を採り入れた改設計が施され、第一次大戦後の1920年5月に竣工したのが「フッド」で、戦間期の海軍休日を通じて「世界最大の主力艦」の座を占めた。
その威容は英国民に“マイティ・フッド(強大なフッド)”と親しまれ、さらに1923年~1924年の世界周航等を通じて世界中に知られるところとなり、第一次大戦で失墜していた英国の威信を回復する一助ともなっている。
また、均整の取れた外観は、「ジェーン海軍年鑑」編集長を務めたオスカー・パークスから「軍艦美の極致」とも評された。
 第二次大戦においても「フッド」は貴重な戦艦兵力として英本国海域や地中海で活動。運命の1941年5月24日、デンマーク海峡にて独新鋭戦艦「ビスマルク」との決戦に赴くが…。
 本特集では栄光と悲運に彩られた巡洋戦艦「フッド」について、メカニズム、建造経緯、運用、戦歴といった様々な面から解説する。

【新連載×2】
■ミリクラで語る珍兵器~ゆっ珍出張編~
■海外から見た太平洋戦争海戦史


【CONTENTS】

[巻頭特集]
三式戦闘機「飛燕」と五式戦闘機

三式戦闘機「飛燕」と五式戦闘機 名シーンセレクション
ニューギニア航空戦
帝都防空戦
中京防空戦
これが三式戦と五式戦だ!
三式戦/キ一〇〇の塗装とマーキング
三式戦「飛燕」の原寸模型が完成!
三式戦とキ一〇〇のメカニズム
三式戦とキ一〇〇の開発経緯
三式戦闘機とキ一〇〇の各型式
三式戦、キ一〇〇の編制と運用
三式戦と五式戦の戦術・戦法
蒼空を翔けた銀燕 三式戦闘機「飛燕」とキ一〇〇 五式戦闘機の戦闘記録
銀燕を駆った空の志士たち 三式戦・五式戦 関連人物列伝
三式戦闘機と五式戦闘機の空中勤務者になってみよう!
まけた側の良兵器集
三式戦闘機vs.世界のライバルたち
キ一〇〇vs.世界のライバルたち
三式戦&五式戦ランダムアクセス

[第二特集]
巡洋戦艦「フッド」

CG図解 巡洋戦艦「フッド」のメカニズム
イギリス巡洋戦艦建造史
巡洋戦艦「フッド」建造の経緯
巡洋戦艦「フッド」 運用と艦隊編制
栄光と悲劇 巡洋戦艦「フッド」の艦歴と戦闘記録
性能比較対決! 「フッド」VS.ライバル巡洋戦艦・高速戦艦
巡洋戦艦「フッド」ランダムアクセス

[連載・特別企画]
ミリタリー人物列伝
日本海軍の面影を訪ねて~台湾戦跡見てある記
帝國軍人MMK
ワンフェス2023夏レポート
WWⅠ兵器名鑑
奮闘の航跡 この一艦
【新連載】ミリクラで語る珍兵器~ゆっ珍出張編~
巻きシッポ帝国 マナシロ大尉の軍隊基礎講座
マンガ陸軍航空戦史 「隼」奮戦記
Benvenuti!知られざるイタリア将兵録
【特別企画】鹿島航空隊跡を訪ねて
陸海軍航空隊 蒼天録
特殊作戦行動
イスラム教徒の枢軸軍
【新連載】海外から見た太平洋戦争海戦史
海防戦艦『見島〈ルビ:みしま〉』と『沖島〈ルビ:おきのしま〉』
世界の軍用銃 in WWⅡ
ストライク・フロム・ザ・シー 洋上航空戦力発達史
第二次大戦全戦史
オルタナティブ・ワールド
歴史的兵器小解説v 読者のページ 最前線にて
MC放送局
読者プレゼント&アンケート
俺が考えた三式戦/五式戦と「フッド」
次号予告
1,870円
[第一特集]
商船を護り奮闘した小さき牧羊犬たち
丙型・丁型海防艦

 日本海軍は戦前、沿岸防衛を主任務とする海防艦「占守型」を新規で建造。そして開戦後、海防艦の主任務は、海上輸送路を米潜水艦などから守る海上護衛に変化し、占守型をベースに「択捉型」「御蔵型」「鵜来型」「日振型」が建造された。これらは徐々に簡略化と対潜・対空装備の強化が進められていき、占守型から日振型は「甲型海防艦」と呼ばれる。
 しかし大戦も中盤になると、米潜の襲撃で失われる船舶が激増。日本の広大なシーレーンを守るため多数の海防艦が必要となってきた。
そのため、鵜来型をさらに小型化、簡略化して設計されたのが、ディーゼル機関装備の丙型(第一号型)海防艦と蒸気タービン機関装備の丁型(第二号型)海防艦であった。
 丙型・丁型は、排水量は約700トンと小型で、速力も約17ノットと低速ながら、主砲は12cm高角砲2門、爆雷投射機12基と爆雷120個を備え、ソナーやレーダーを持ち、戦前の駆逐艦よりも対潜・対空戦闘力に優れていた。
 船体は小型で曲線も少なく、各部を簡略化したため量産性も高く、昭和18年秋から昭和20年夏の終戦まで、丙型は53隻、丁型は63隻という、日本海軍としては驚異的な隻数が建造されている。
 丙型・丁型は大戦末期の昭和19年前半から実戦に投入され、各海域で海上護衛戦や対潜作戦に従事。
航空機や潜水艦に返り討ちにされることも多かったが、少なくない敵機・敵潜を撃墜・撃沈し、絶望的な戦況の中でなすべき任務は果たした。
 本特集では、必要最低限の対潜・対空能力と量産性を両立させ、ある意味で大戦末期の日本海軍の「主力」を担っていた丙型・丁型海防艦を、多角的な視点で分析していこう。


[第二特集]
新兵器の実験場となった第二次大戦の前哨戦
スペイン内戦

 1936年2月にスペインで行われた総選挙で、共産党をはじめとする左派政党の連合「人民戦線」が勝利して政権を獲得すると、これに反発した軍人や国家主義者(ナショナリスト)から成る右派勢力は政権転覆を画策し、同年7月に反乱軍として蜂起した。
 首都マドリードをはじめ各地で政府軍と反乱軍の攻防が続くなか、この内戦に諸外国が介入し始める。
まず、反乱軍の支援要請を受けたイタリアとドイツが戦車や航空機を含む部隊を派遣すると、対する政府軍はソ連からの軍事援助に頼った。これらの国は兵器だけでなく将兵も派遣し、さらに政府軍には世界各国からやって来た義勇兵も加わったため、スペイン内戦は様々な勢力、国の思惑が絡んだ大規模な戦争へと発展していく。
 以後の戦争の過程で、陸では独伊の戦車とソ連の戦車が砲火を交え、空では独伊ソの戦闘機が空戦を繰り広げ、海では両軍の巡洋艦、駆逐艦による海戦が生起した。
そして2年9か月におよぶ戦いの末、1939年3月に反乱軍が勝利して内戦は終結した。
 本特集では、内戦の当時国を舞台にした独伊ソの代理戦争の様相を呈し、幾つもの新兵器や戦術の実験場となったことで「第二次大戦の前哨戦」ともいわれる、スペイン内戦について解説していく。


【特別企画×2】
■WWⅠドイツ飛行船司令になってみよう
■里帰りした九五式軽戦車&九五式中戦車、その開発と運用


【CONTENTS】

[巻頭特集]
丙型・丁型海防艦

丙型・丁型海防艦 名シーンセレクション
「ハーダー」撃沈
「ボーンフィッシュ」撃沈
ソ連雷撃機と交戦
これが丙型・丁型海防艦だ!
丙型・丁型海防艦の艦形図
丙型・丁型海防艦のメカニズム
日本海軍の海防艦整備計画
丙型・丁型海防艦の建造経緯
丙型・丁型海防艦の運用と艦隊編成
丙型・丁型海防艦の戦術と戦法
滄海の守護者 丙型・丁型海防艦の戦歴
丙型・丁型海防艦 各艦の艦歴
まけた側の良兵器集
他国の護衛艦艇との比較
丙型・丁型海防艦ランダムアクセス

[第二特集]
スペイン内戦

スペイン内戦参加兵器の塗装図
内戦勃発の背景と各国の思惑
政府軍の編制と戦略
反乱軍の編制と戦略
スペイン内戦 両軍の主要兵器
スペイン内戦の戦闘経過 誰がために砲声は鳴る
スペイン内戦に見る戦術・戦法
スペイン内戦関連人物列伝
スペイン内戦が戦後に残した影響


[連載・特別企画]
【特別企画】飛行船司令になってみよう Zeppelin, flieg nach ENGLAND!
【特別企画】里帰りした九五式軽戦車&九五式中戦車、その開発と運用
日本海軍の面影を訪ねて~台湾戦跡見てある記
帝國軍人MMK
ミリタリー人物列伝
特殊作戦行動
イスラム教徒の枢軸軍
世界の軍用銃 in WWⅡ
海防戦艦『見島』と『沖島』
第二次大戦全戦史
巻きシッポ帝国 マナシロ大尉の軍隊基礎講座
マンガ陸軍航空戦史 「隼」奮戦記
WWⅠ兵器名鑑
Benvenuti!知られざるイタリア将兵録
奮闘の航跡 この一艦
陸海軍航空隊 蒼天録
ストライク・フロム・ザ・シー 洋上航空戦力発達史
オルタナティブ・ワールド
歴史的兵器小解説
読者のページ 最前線にて
MC放送局
読者プレゼント&アンケート
俺が考えた丙型・丁型とスペイン内戦
次号予告
1,870円
[第一特集]
地を這い砲炎を放つ鋼鉄の猛獣たち
ドイツ突撃砲と突撃戦車

 第二次世界大戦前、ドイツ陸軍のマンシュタイン大佐(当時)らは、前線で歩兵を支援するための自走化・装甲化された砲兵部隊を提唱。このコンセプトに沿い、Ⅲ号戦車の車台上に、背の低い密閉された戦闘室を設け、7.5cm榴弾砲を搭載した「突撃砲」が開発され、西方侵攻作戦から実戦に投入された。
1941年6月に始まった独ソ戦で、ソ連軍の強力な戦車に遭遇したドイツ軍は、戦闘車両の対戦車火力の強化を模索。突撃砲にも長砲身7.5cm砲が搭載されるようになり、歩兵支援だけでなく対戦車戦闘にも投入されるようになる。また同時期には突撃砲の主砲をより大口径の10.5cm突撃榴弾砲としたタイプも登場している。その後、Ⅳ号戦車の車台を使用した突撃砲も登場し、Ⅲ号戦車ベースの従来の突撃砲はⅢ号突撃砲、Ⅳ号戦車ベースの突撃砲はⅣ号突撃砲と呼ばれるようになった。
 また、1942年には市街戦で敵兵の籠る建造物を数発で吹き飛ばすため、Ⅲ号突撃砲をベースに、背の高い密閉戦闘室を設け、大威力の15cm重歩兵砲を搭載した突撃榴弾砲33が開発された。さらにその強化型として、Ⅳ号戦車の車台の上に重装甲の固定戦闘室と15cm重歩兵砲を搭載したⅣ号突撃戦車が開発され、1943年から実戦に投入されている。
 第二次世界大戦において突撃砲と突撃戦車は大きな活躍を見せ、特にⅢ号突撃砲はドイツ軍装甲戦闘車輌の中で最多の1万輌強が生産され、連合軍の戦闘車輌を最も多く撃破した装甲戦闘車輌ともいわれる。
 今回は地味ながら「歩兵の友」として大きな働きを果たした、これら突撃砲、突撃戦車について、様々な視点から考察していこう。


[第二特集]
東亜に飛翔した空の軽騎兵
九九式双軽爆撃機

 昭和12年(1937年)、陸軍は川崎航空機に対し九三式双発軽爆撃機の後継となるキ48の開発を一社単独で発注した。開発にあたっては、日中戦争で陸軍が対応に苦慮していたソ連のSB爆撃機に優越する性能が求められた。
 川崎は土井武夫技師を設計主務者としてキ48の設計に着手し、昭和14年7月に試作機を完成させた。陸軍による審査で良好な性能を示したキ48は、昭和15年5月に九九式双軽爆撃機として制式採用された。
 SB爆撃機を上回る最大速度470km/hを発揮し、運動性や操縦性にも優れる九九式双軽は実戦部隊に好評を以て迎えられ、太平洋戦争開戦後はマレー半島、フィリピン、蘭印、ニューギニア、ビルマなど陸軍が進出した多くの戦線で活躍した。
 昭和18年(1943年)2月には、発動機を換装して速力が向上した九九式双軽二型が制式採用され、また二型乙からは急降下爆撃も可能となり、終戦に至るまで陸軍の主力軽爆の座にあり続けた。本機は陸軍の爆撃機としては九七式重爆撃機に次いで多い1,977機が生産されている。
 本特集では、日本陸軍を代表する軽爆として奮闘した九九式双軽について、多角的に考察していく。


【CONTENTS】

[巻頭特集]
ドイツ突撃砲と突撃戦車

突撃砲と突撃戦車 名シーンセレクション
 ウマーニ包囲戦
 第二次スモレンスクの戦い
 ノルマンディーの戦い
これが突撃砲と仲間たちだ!
突撃砲/突撃戦車の塗装とマーキング
突撃砲のメカニズム
突撃歩兵砲33のメカニズム
10.5cm突撃榴弾砲のメカニズム
Ⅳ号突撃戦車のメカニズム
突撃砲、突撃榴弾砲、Ⅳ号突撃戦車の開発経緯
突撃砲、突撃戦車の各型
突撃砲部隊の編制と運用
突撃砲と突撃戦車の戦術・戦法
疾風怒濤の鋼獣たち 突撃砲と突撃戦車の戦歴
突撃砲関連人物列伝
突撃砲/突撃戦車ランダムアクセス


[第二特集]
九九式双軽爆撃機

九九双軽の塗装とマーキング
九九式双軽爆撃機のメカニズム
九九式双軽爆撃機の開発経緯
九九双軽爆撃機の運用と部隊編制
九九式双軽爆撃機の各型式
戦空を駆ける 九九双軽爆撃機の戦闘記録
まけた側の良兵器集
九九双軽のパイロットになってみよう!
烈空の覇者 九九双軽人物列伝
九九双軽ランダムアクセス


[連載・特別企画]
帝國軍人MMK
ミリタリー人物列伝
特殊作戦行動
イスラム教徒の枢軸軍
世界の軍用銃 in WWⅡ
ワンフェス2023冬開かる!
海防戦艦『見島』と『沖島』
第二次大戦全戦史
巻きシッポ帝国 マナシロ大尉の軍隊基礎講座
マンガ陸軍航空戦史 「隼」奮戦記
WWⅠ兵器名鑑
Benvenuti!知られざるイタリア将兵録
奮闘の航跡 この一艦
陸海軍航空隊 蒼天録
ストライク・フロム・ザ・シー
オルタナティブ・ワールド
日本海軍の面影を訪ねて~台湾戦跡見てある記
三式戦「飛燕」のレプリカ製作が進行中!
歴史的兵器小解説
読者のページ 最前線にて
MC放送局
読者プレゼント&アンケート
次号予告
1,870円
【巻頭特集】
蒼穹に吠えたブレーメンの百舌
フォッケウルフFw190/Ta152
1941年秋、ドーバー海峡上空に欧州では見慣れぬ空冷エンジンの戦闘機が現れ、イギリス空軍の新鋭戦闘機スピットファイアMk.Ⅴを圧倒する戦いぶりを見せた。これこそドイツの新鋭機フォッケウルフFw190であり、1945年の終戦に至るまで2万機以上が生産され、メッサーシュミットBf109と共にドイツ空軍戦闘機隊を支えて戦い抜くことになる、航空戦史上屈指の名機であった。
 Bf109の次世代の高性能戦闘機として開発されたFw190Aは、大馬力を得るため、機首が流線形となる液冷エンジンではなく、空気抵抗の大きい空冷エンジンBMW801を搭載していた。Bf109よりも大柄で、頑丈な機体となったFw190Aは、空戦性能はもとよりその搭載力や防御力を活かし、制空戦闘以外にも地上爆撃、迎撃戦、夜間戦闘など多くの任務で活躍。派生型として戦闘爆撃機Fw190F、長距離爆撃機Fw190Gが生まれ、エンジンを液冷のJumo213に換装し高高度性能を向上させたFw190Dも誕生した。  そしてFw190Dの更なる発展型として、長大な主翼を持つ高高度迎撃戦闘機Ta152も大戦末期に登場。計画上は卓越した性能が見込まれたため、「最強のレシプロ戦闘機」と評されることもある。
 本特集では、高い性能と優れた実用性を両立させ、“ヴュルガー(モズ)”と呼ばれて将兵たちに愛されたFw190シリーズを、メカニズム、開発の経緯、各生産型、戦術と戦法、詳細な戦闘記録、著名な撃墜王など多角的な視点から解説していく。

【第二特集】
南洋を駆けた異端の龍
空母「龍驤」

 大正11年(1922年)に5大海軍国で締結されたワシントン海軍軍縮条約により、主力艦や空母には保有制限がかけられたが、公試排水量1万トン以下の小型空母は対象外とされた。そのため日本海軍は昭和4年(1929年)に1万トン以下の空母「龍驤」の建造を開始する。
 しかし昭和5年にロンドン軍縮条約が締結されると、1万トン以下の空母にも保有制限が課せられたため、海軍は排水量1万トン以下に拘らず、「龍驤」の格納庫を二段にするなどの設計変更を施し、運用機数を増やそうとする。だが小ぶりでスマートな船体に大きな格納庫を搭載した「龍驤」は極端なトップヘビーとなり、アンバランスな艦になってしまった。そのため「龍驤」には幾度も改修が施され、昭和11年には改造工事が完了、実用上の問題はなくなった。
 「龍驤」は太平洋戦争でも緒戦から南方攻略に従事。フィリピン、蘭印、インド洋などで戦果を挙げるが、8月、ソロモンでの空母戦で戦没することになる…。
 本特集では軍縮条約の結果として生まれた、特異なシルエットを持つ小型空母「龍驤」を、メカ、建造経緯、戦歴、運用、人物など、様々な面から解説していこう。

[2大新連載]
「海防戦艦『見島』と『沖島』」
「ストライク・フロム・ザ・シー 洋上航空戦力発達史」

[巻頭特集]
フォッケウルフFw190/Ta152

Fw190/Ta152 名シーンセレクション

 ドーバー海峡航空戦
 クルスク戦車戦
 Ta152の戦い
これがフォッケウルフFw190だ!
Fw190/Ta152の塗装とマーキング
Fw190のメカニズム
Fw190の開発経緯と発展
Fw190シリーズの各型式
Fw190部隊の編制と運用
欧州を翔けた荒ぶる鵙 Fw190の戦歴
Fw190の戦術・戦法
Fw190関連人物列伝 猛禽を駆った鉄十字の騎士たち
まけた側の量兵器集「Fw190」編
Fw190A-4&Fw190D-9 vs.世界のライバルたち
Fw190/Ta152ランダムアクセス


[第二特集]
空母「龍驤」

CG図解 空母「龍驤」のメカニズム
日本海軍の正規空母整備史と空母「龍驤」建造に至る経緯
空母「龍驤」 運用と艦隊編制
昇龍の顎 空母「龍驤」の戦闘記録
空母「龍驤」ランダムアクセス
龍を駆った男たち 空母「龍驤」関連人物列伝

[連載・特別企画]
世界の軍用銃 in WWⅡ
ミリタリー人物列伝
海防戦艦『見島』と『沖島』
第二次大戦全戦史
巻きシッポ帝国 マナシロ大尉の軍隊基礎講座
マンガ陸軍航空戦史 「隼」奮戦記
WWⅠ兵器名鑑
Benvenuti!知られざるイタリア将兵録
奮闘の航跡 この一艦
陸海軍航空隊 蒼天録
ストライク・フロム・ザ・シー 洋上航空戦力発達史
オルタナティブ・ワールド 帝國軍人MMK
特殊作戦行動
イスラム教徒の枢軸軍
歴史的兵器小解説
読者のページ 最前線にて
MC放送局
読者プレゼント&アンケート
俺が考えたFw190と「龍驤」
次号予告
1,892円
[巻頭特集]
高雄型重巡洋艦

高雄型重巡 名シーンセレクション
 第一次ソロモン海戦
 第三次ソロモン海戦・重巡ガ島砲撃
 第三次ソロモン海戦・第二夜戦
これが高雄型重巡だ!
高雄型重巡の艦型変遷図
CG解説 高雄型重巡のメカニズム
日本海軍の巡洋艦整備計画
高雄型重巡洋艦の建造経緯
高雄型重巡洋艦の改装
蒼海の鉄城 高雄型重巡の戦歴
高雄型重巡の運用・艦隊編制
高雄型4隻の艦歴
高雄型重巡洋艦 関連人物列伝
高雄型重巡洋艦の砲術長になってみよう!
まけた側の量兵器集「高雄型巡洋艦」編
高雄型重巡と世界のライバル重巡対決
高雄型重巡ランダムアクセス


[第二特集]
サヴォイア・マルケッティSM.79スパルヴィエロ

SM.79スパルヴィエロ カラー写真ギャラリー
Camouflage & Markings SM.79爆撃機/雷撃機側面図集
SM.79の塗装とマーキング
SM.79のメカニズム
SM.79爆撃機/雷撃機 その開発と発展
SM.79部隊の編制と運用
SM.79爆撃機/雷撃機 各型式解説
SM.79の戦術・戦法
地中海の鷂 SM.79スパルヴィエロの戦歴
SM.79とライバル機との比較
SM.79型操縦士列伝
SM.79ランダムアクセス

[連載・特別企画]
帝國軍人MMK
萌えよ!戦車学校 WWⅡ名戦車入門
ワンフェス2022夏レポート
[特別企画]リノ・エアレースレポート
第二次大戦全戦史
巻きシッポ帝国 マナシロ大尉の軍隊基礎講座
マンガ陸軍航空戦史 「隼」奮戦記
WWⅠ兵器名鑑
Benvenuti!知られざるイタリア将兵録
奮闘の航跡 この一艦
陸海軍航空隊 蒼天録
海外から見た日本艦
世界の軍用銃 in WWⅡ
イスラム教徒の枢軸軍
ミリタリー人物列伝
オルタナティブ・ワールド
歴史的兵器小解説
読者のページ
特殊作戦行動
MC放送局
読者プレゼント&アンケート
俺が考えた高雄型とSM.79
次号予告
1,870円
【巻頭特集】
・戦場を制圧する鋼鉄の火神
  自走榴弾砲 フンメル/ヴェスペと 
  自走歩兵砲 グリレ

【第二特集】
・多様な任務で活躍した高速・重武装の水上機母艦
  水上機母艦「瑞穂」「日進」

【新連載】
・マンガ陸軍航空戦史「隼」奮戦記

…ほか
1,870円
[巻頭特集]
●戦空を翔けた光芒の星
  艦上爆撃機 彗星

 ◇彗星 名シーンセレクション
  ・プリンストン撃沈
  ・オマニー・ベイ撃沈
  ・本土防空戦
 ◇これが彗星艦爆だ!
 ◇靖國神社遊就館の彗星一一型
 ◇彗星の塗装とマーキング
 ◇艦上爆撃機「彗星」のメカニズム
 ◇日本海軍の艦爆開発計画
 ◇彗星艦爆の開発経緯
 ◇「彗星」と二式艦偵の各型式
 ◇彗星の運用と部隊編制
 ◇星を継ぐもの 艦上爆撃機「彗星」の戦歴
 ◇彗星艦爆の戦術・戦法
 ◇艦上爆撃機「彗星」関連人物列伝
 ◇まけた側の良兵器集
 ◇彗星のパイロットになってみよう!
 ◇艦上爆撃機 彗星 ランダムアクセス


[第二特集]
●大西洋を奔った剛毅不抜の重騎士
  アドミラル・ヒッパー級重巡洋艦

 ◇アドミラル・ヒッパー級実戦塗装図集
 ◇CG解説 アドミラル・ヒッパー級重巡洋艦のメカニズム
 ◇戦間期から第二次大戦期 ドイツ海軍の巡洋艦整備
 ◇アドミラル・ヒッパー級重巡洋艦 建造の経緯
 ◇破られぬ盾 アドミラル・ヒッパー級重巡洋艦の戦闘記録
 ◇アドミラル・ヒッパー級重巡洋艦 運用と艦隊編制
 ◇アドミラル・ヒッパー級 各艦の艦歴
 ◇ヒッパー級vs.他国の重巡洋艦との比較


…ほか
1,870円
[巻頭特集]
●大海を奔走した歴戦の闘神
  金剛型高速戦艦

 ◇金剛型戦艦 名シーンセレクション
  ・ガ島飛行場艦砲射撃
  ・第三次ソロモン海戦・第二夜戦
  ・サマール沖海戦
 ◇これが金剛型高速戦艦だ!
 ◇金剛型戦艦の艦型変遷
 ◇CG解説 金剛型戦艦のメカニズム
 ◇日本海軍の戦艦建造計画
 ◇金剛型の建造・改装経緯
 ◇金剛型戦艦 各艦の相違点
 ◇金剛型の運用と艦隊編制
 ◇金剛石(ダイヤモンド)は砕けない
   金剛型戦艦の戦歴
 ◇金剛型4隻の艦歴
 ◇金剛型戦艦関連人物列伝
   韋駄天戦艦を駆った武人たち
 ◇まけた側の良兵器集 「金剛型戦艦」編
 ◇金剛型vs.各国巡洋戦艦ライバル対決
 ◇金剛型高速戦艦 ランダムアクセス
 ◇金剛型戦艦の航海長になってみよう


[第二特集]
●英本土を守った鋼管羽布張りの颶風
  ホーカー ハリケーン

 ◇ハリケーンの塗装とマーキング
 ◇ハリケーンのメカニズム
 ◇ハリケーンの開発経緯
 ◇ハリケーンの部隊編制と運用
 ◇ハリケーンの各型式
 ◇ハリケーンの戦術・戦法
 ◇吹き荒れた颶風 ハリケーンの戦闘記録
 ◇ハリケーンとライバル戦闘機の比較
 ◇ハリケーン ランダムアクセス
 ◇ハリケーンエース列伝


[特別企画]
◆「潜水艦カッペリーニ号の冒険」制作裏話


…ほか
1,760円
[巻頭特集]
●牙を剥く不屈の貂と伏撃する剛角の犀
  対戦車自走砲
   マーダーとナースホルン

 ◇マーダー/ナースホルン 名シーンセレクション
  ・マーダーIII 第33戦車駆逐大隊
  ・マーダーIIIH型 LSSAH師団戦車駆逐大隊
  ・ナースホルン 第519重戦車駆逐大隊
 ◇これがマーダーとナースホルンだ!
 ◇マーダーとナースホルンの塗装とマーキング
 ◇マーダーI、II、IIIのメカニズム
 ◇マーダー部隊の編制と運用
 ◇対戦車砲の自走化の経緯とマーダー・シリーズの各型
 ◇ナースホルンのメカニズム
 ◇ホルニッセ/ナースホルンの開発経緯
 ◇ナースホルン部隊の編制と運用
 ◇対戦車自走砲の戦術・戦法
 ◇伏撃の貂と犀 マーダーとナースホルンの戦闘記録
 ◇マーダー/ナースホルンと各国のオープントップ対戦車車輌の比較
 ◇ナースホルンの車長になってみよう!
 ◇マーダー und ナースホルン ランダムアクセス


[第二特集]
●虹の彼方を翔けた万能の「水上爆撃機」
  水上偵察機「瑞雲」

 ◇水上偵察機「瑞雲」実戦塗装図
 ◇CG解説 水上偵察機「瑞雲」のメカニズム
 ◇水上偵察機「瑞雲」の開発経緯
 ◇水上偵察機「瑞雲」の運用と部隊編制
 ◇水上偵察機 瑞雲の戦術・戦法
 ◇あゝ ゲタ履き航空隊 水上偵察機「瑞雲」奮戦記
 ◇瑞雲のパイロットになってみよう!
 ◇ランダムアクセス
 ◇まけた側の良兵器集


…ほか
1,760円
【巻頭特集】
黄昏に雄飛した最後の龍
四式重爆撃機「飛龍」

日本陸軍は昭和14年(1939年)末、三菱にキ21(九七式重爆)やキ49(一〇〇式重爆)の後継となる重爆撃機の研究を内示、昭和16年(1941年)2月にキ67として試作を発注した。キ67への要求は、爆弾搭載500kgで行動半径1,000km、最大速度550km/hを発揮する軽快な高速爆撃機で、主任務は従来通り、敵航空基地を叩く航空撃滅戦や敵地上軍への攻撃である。キ67の試作機は昭和17年12月に完成。たび重なる改修の結果、最大速度537km/hを発揮するに至り、四式重爆として採用され、昭和19年3月から量産機が完成し始めた。
戦術爆撃機としては優れた性能を備えていたため、四式戦闘機「疾風」と並んで「大東亜決戦機」として期待された四式重爆は、まず雷撃機として実戦参加、昭和19年10月の台湾沖航空戦で初陣を飾った。その後も大戦末期の絶望的状況の中で対艦攻撃、航空基地攻撃などに奮闘したものの、戦局を変えるまでの活躍は収めていない。
本特集では陸軍最後の重爆撃機として敢闘した四式重爆を、開発経緯、メカ、各タイプ、戦歴、運用など多方面から解説していこう。

【第二特集】
米海軍最後にして最強最速の巨大戦艦
アイオワ級戦艦

アメリカ海軍は第二次ロンドン条約の下で、16インチ砲(40.6cm砲)9門を搭載する、基準排水量35,000トン級の新型戦艦ノースカロライナ級、サウスダコタ級を建造した。続いてサウスダコタ級以上の攻防力を持ち、速力30ノット以上を発揮する45,000トン級の「高速戦艦」アイオワ級の建造を決定、1939年度、1940年度に2隻ずつ発注した。それが1943年~44年に竣工した「アイオワ」「ニュージャージー」「ミズーリ」「ウィスコンシン」である。
アイオワ級は長砲身16インチ砲9門による絶大な破壊力、重厚な装甲防御、最大33ノットを発揮可能な機動力、充実した電子装備と対空火力などを備え、まさに万能戦艦と呼ぶにふさわしい軍艦だった。単純な攻防力では日本の大和型戦艦に一歩劣るが、総合的に見れば第二次大戦最良の戦艦だったと言える。
4隻は太平洋戦線中盤から参戦、待ち望んだ日本戦艦との決戦の機会は得られなかったが、高速を持ってして空母機動部隊の護衛に活躍、さらに地上への艦砲射撃で威力を発揮。そして終戦時、「ミズーリ」が降伏調印式の会場となったことでも有名となった。
第二次大戦後、他の戦艦が軒並み引退していく中、アイオワ級は休眠を経ながらも幾度も復活。朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争と圧倒的な存在感を見せたのである。
この特集では、半世紀にわたって君臨した海上の覇王、アイオワ級4隻の全貌を探っていく。
1,760円

【巻頭特集】
小柄なれど屈強な「雑木林」たち
松型/橘型駆逐艦

昭和17年(1942年)夏に始まった、ガダルカナル島への夜間輸送作戦で多くの艦隊型駆逐艦を失った日本海軍は、戦時大量生産に向いた簡易駆逐艦の整備を計画。排水量はそれまでの主力駆逐艦の6割ほどの1,260トン、最高速も駆逐艦としては劣速の28ノット、武装は12.7cm高角砲3門、魚雷発射管4門という軽武装の松型(丁型)駆逐艦が建造されることになり、昭和18年夏から18隻が建造された。その後、松型をさらに簡易化した橘型も14隻建造された。
松型/橘型は、要目上は軽武装低速の小型駆逐艦だが、機関にシフト配置を採用するなど生存性に優れ、また水上戦闘より対空・対潜戦を重視した、太平洋戦争の実情に即した駆逐艦だった。戦闘力も侮れないものがあり、強力な酸素魚雷で米軍の大型駆逐艦を屠った戦例もある。
この特集では、大戦末期に大量建造され帝国海軍を支えた功労者、松型/橘型駆逐艦32隻を、メカ、戦歴、開発経緯、戦術など多角的に解説する。


【第二特集】
あの橋は遠すぎたのか…?史上最大の空挺降下作戦
マーケット・ガーデン作戦

1944年8月25日にパリが解放されると、連合軍は9月中旬には一気にドイツとの国境まで東進した。そこでイギリスのモントゴメリー将軍は、ベルギーからオランダに北上し、一気にドイツのルール工業地帯を衝く空陸一体の作戦「マーケット・ガーデン」を立案する。
「マーケット」作戦は米英の3個空挺師団がオランダの要衝に降下、河川にかかる橋梁を奪取。「ガーデン」作戦は地上を機甲部隊が突進し、空挺部隊が確保した橋梁を渡ってアルンヘム(アーネム)まで打通するというものだった。
壮大で痛快ではあるが、基本的には軽歩兵である空挺部隊がドイツ軍戦線奥地に降下し、機甲部隊が到着するまで持ち堪えるという、堅実なモントゴメリーらしからぬ投機的な作戦だった。そして9月17日に作戦は決行され、米英の精鋭空挺兵たちはオランダの地に降り立った…。
第2特集では映画「遠すぎた橋」でも知られるこの一大空挺作戦を、戦闘記録だけでなく、戦術、装備、人物など多角的に考察していこう。
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