目次
特集:スタチン -明らかにされた有益性とその限界を実地臨床に活かす-
≪特集の目次≫
■特集にあたって(荒井 秀典)
■まずはしっかり押さえておきたいスタチンの基礎知識
・スタチンの誕生 ─世の中の役に立つ科学者を目指して70年─(遠藤 章)
・スタチンの抗動脈硬化作用とその他の多面的作用(矢島 あゆむ ほか)
・薬剤特性によるスタチンの使い分け(山田 穂高 ほか)
・注意すべきスタチンの副作用と薬物相互作用(木村 利美)
■動脈硬化性疾患におけるスタチンの位置づけと課題
・虚血性心疾患(和田 英樹 ほか)
・脳卒中(北川 一夫)
・慢性腎臓病(庄司 哲雄)
・腹部大動脈瘤・末梢動脈疾患(梶本 完)
■この患者ではスタチンをどうするか?! 治療・患者指導の実践ポイント
・小児の家族性高コレステロール血症患者(土橋 一重)
・妊娠を希望する/妊娠した家族性高コレステロール血症患者(川尻 剛照 ほか)
・肝・腎機能障害のある脂質異常症患者(長内 理大 ほか)
・高クレアチンキナーゼ血症を来している脂質異常症患者(清島 満)
・境界型糖尿病(耐糖能異常)の脂質異常症患者(荒井 秀典)
■各種脂質バイオマーカーからみたスタチン治療の残余リスクとその対応策
・LDL-コレステロール(倉林 正彦)
・HDL-コレステロール・トリグリセライド(山下 静也)
■臨床上の有益性はいかに! エビデンスからひも解く多面的作用の可能性
・急性腎障害とスタチン(石川 晴士)
・骨粗鬆症とスタチン(田井 宣之 ほか)
・認知症とスタチン(里 直行)
・癌とスタチン(小林 佑介 ほか)
・COPD・ARDS・肺炎・喘息とスタチン(鈴木 史 ほか)
・多発性硬化症とスタチン(木下 允 ほか)
・感染症とスタチン(高橋 孝)
≪シリーズ≫
■「治療」「薬局」合同連載 ポリファーマシー “処方整理力”を鍛える! 第5回
そもそも薬で解決する問題なのか?
(矢吹 拓)
■医療マンダラ ~思考と感性のセンスを磨く~
これからの薬物治療学に関する教育のあり方を考える ~学生参画体験型学習としての薬害事件を題材にした教育の試み~
(中野 重行)
■医療従事者のギモンや困ったに答える! トラブルに巻き込まれない著作権のキホン
(服部 誠)
Report
2016年紫禁城国際薬剤師フォーラムに参加・発表して
(安富 恒)
≪巻頭言≫
遠藤章 博士により,コレステロール合成阻害作用を有するスタチンが最初に見いだされ,その後臨床現場に導入されてから,その出現が脳心血管疾患の一次予防,二次予防戦略を大きく変えたことは間違いのない事実である.スタチンの作用により肝細胞内のコレステロール合成量が減るが,これは肝細胞内のSREBP―2の転写レベルを亢進させ,肝細胞表面のLDL受容体の発現が増加することによると考えられている.その結果,血中のLDL―コレステロールが低下する.脳心血管疾患のハイリスク患者の管理においては,数多くの臨床試験によりスタチンによる脳心血管疾患抑制効果と同時にその安全性が実証されていることから,臨床医としては安心してスタチンによる治療を選択することができる.すなわち,最初のランドマーク試験である4Sにより,スタチンは冠動脈疾患の再発予防に有効であるだけでなく,総死亡を30%も減らすことが明らかとなった.その後,多くの試験がスタチンの二次予防における再発予防だけでなく,一次予防におけるイベント予防効果をも示し,スタチンによる脳心血管疾患抑制効果はメタ分析でも揺るぎないものとなった.しかし,一方でスタチンによる副作用として,筋症状があるのはよく知られており,また糖尿病の新規発症についてもメタ分析で結論が出ている.したがって,治療の適応を考える際には十分に慎重に治療対象を選択する必要がある.特に一次予防においては,できるだけ副作用の発現がないような薬剤選択を行うべきであろう.
現在,プライマリケアの現場から急性期医療の現場まで,スタチンは幅広く使用され,患者の脳心血管疾患予防に貢献している.本特集においては,このような背景をもとにスタチンの開発からの経緯や抗動脈硬化作用を示すメカニズムについて考察するとともに,虚血性心疾患,脳卒中,末梢血管疾患におけるスタチンの有用性に関するエビデンスの整理を行う.また,家族性高コレステロール血症,慢性腎疾患,糖尿病,メタボリックシンドロームなどの病態におけるスタチンの使用方法,スタチン治療後の残余リスク,動脈硬化性疾患へのスタチンの効果に関する知見をまとめることにより,スタチンに関して現在明らかになっていることを整理したいと思う.本特集が実地臨床に役に立つことを願っている.
荒井 秀典
国立長寿医療研究センター 副院長
≪特集の目次≫
■特集にあたって(荒井 秀典)
■まずはしっかり押さえておきたいスタチンの基礎知識
・スタチンの誕生 ─世の中の役に立つ科学者を目指して70年─(遠藤 章)
・スタチンの抗動脈硬化作用とその他の多面的作用(矢島 あゆむ ほか)
・薬剤特性によるスタチンの使い分け(山田 穂高 ほか)
・注意すべきスタチンの副作用と薬物相互作用(木村 利美)
■動脈硬化性疾患におけるスタチンの位置づけと課題
・虚血性心疾患(和田 英樹 ほか)
・脳卒中(北川 一夫)
・慢性腎臓病(庄司 哲雄)
・腹部大動脈瘤・末梢動脈疾患(梶本 完)
■この患者ではスタチンをどうするか?! 治療・患者指導の実践ポイント
・小児の家族性高コレステロール血症患者(土橋 一重)
・妊娠を希望する/妊娠した家族性高コレステロール血症患者(川尻 剛照 ほか)
・肝・腎機能障害のある脂質異常症患者(長内 理大 ほか)
・高クレアチンキナーゼ血症を来している脂質異常症患者(清島 満)
・境界型糖尿病(耐糖能異常)の脂質異常症患者(荒井 秀典)
■各種脂質バイオマーカーからみたスタチン治療の残余リスクとその対応策
・LDL-コレステロール(倉林 正彦)
・HDL-コレステロール・トリグリセライド(山下 静也)
■臨床上の有益性はいかに! エビデンスからひも解く多面的作用の可能性
・急性腎障害とスタチン(石川 晴士)
・骨粗鬆症とスタチン(田井 宣之 ほか)
・認知症とスタチン(里 直行)
・癌とスタチン(小林 佑介 ほか)
・COPD・ARDS・肺炎・喘息とスタチン(鈴木 史 ほか)
・多発性硬化症とスタチン(木下 允 ほか)
・感染症とスタチン(高橋 孝)
≪シリーズ≫
■「治療」「薬局」合同連載 ポリファーマシー “処方整理力”を鍛える! 第5回
そもそも薬で解決する問題なのか?
(矢吹 拓)
■医療マンダラ ~思考と感性のセンスを磨く~
これからの薬物治療学に関する教育のあり方を考える ~学生参画体験型学習としての薬害事件を題材にした教育の試み~
(中野 重行)
■医療従事者のギモンや困ったに答える! トラブルに巻き込まれない著作権のキホン
(服部 誠)
Report
2016年紫禁城国際薬剤師フォーラムに参加・発表して
(安富 恒)
≪巻頭言≫
遠藤章 博士により,コレステロール合成阻害作用を有するスタチンが最初に見いだされ,その後臨床現場に導入されてから,その出現が脳心血管疾患の一次予防,二次予防戦略を大きく変えたことは間違いのない事実である.スタチンの作用により肝細胞内のコレステロール合成量が減るが,これは肝細胞内のSREBP―2の転写レベルを亢進させ,肝細胞表面のLDL受容体の発現が増加することによると考えられている.その結果,血中のLDL―コレステロールが低下する.脳心血管疾患のハイリスク患者の管理においては,数多くの臨床試験によりスタチンによる脳心血管疾患抑制効果と同時にその安全性が実証されていることから,臨床医としては安心してスタチンによる治療を選択することができる.すなわち,最初のランドマーク試験である4Sにより,スタチンは冠動脈疾患の再発予防に有効であるだけでなく,総死亡を30%も減らすことが明らかとなった.その後,多くの試験がスタチンの二次予防における再発予防だけでなく,一次予防におけるイベント予防効果をも示し,スタチンによる脳心血管疾患抑制効果はメタ分析でも揺るぎないものとなった.しかし,一方でスタチンによる副作用として,筋症状があるのはよく知られており,また糖尿病の新規発症についてもメタ分析で結論が出ている.したがって,治療の適応を考える際には十分に慎重に治療対象を選択する必要がある.特に一次予防においては,できるだけ副作用の発現がないような薬剤選択を行うべきであろう.
現在,プライマリケアの現場から急性期医療の現場まで,スタチンは幅広く使用され,患者の脳心血管疾患予防に貢献している.本特集においては,このような背景をもとにスタチンの開発からの経緯や抗動脈硬化作用を示すメカニズムについて考察するとともに,虚血性心疾患,脳卒中,末梢血管疾患におけるスタチンの有用性に関するエビデンスの整理を行う.また,家族性高コレステロール血症,慢性腎疾患,糖尿病,メタボリックシンドロームなどの病態におけるスタチンの使用方法,スタチン治療後の残余リスク,動脈硬化性疾患へのスタチンの効果に関する知見をまとめることにより,スタチンに関して現在明らかになっていることを整理したいと思う.本特集が実地臨床に役に立つことを願っている.
荒井 秀典
国立長寿医療研究センター 副院長
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