薬局 発売日・バックナンバー

目次:
特集テーマ:2023年なにあった? -今年注目の診療ガイドライン,新薬・新規効能・新剤形-

<特集の目次>
■1年を振りかえって(石井 伊都子,大井 一弥,室井 延之,山浦 克典)

■\薬剤師注目!/今年の診療ガイドライン・新薬&新規効能追加
・診療ガイドラインにおける推奨度とエビデンスレベル(青島 周一)
・今年の診療ガイドラインの公開・改訂動向と最新知見のハイライト(青島 周一)

■Pick Up! 診療ガイドライン
・肥満症診療の変化 ─『肥満症診療ガイドライン2022』を踏まえ─(小川  渉)
・『エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023』で起こるCKD治療の変化(小杉 智規 ほか)
・皮下注が増えた! 関節リウマチにおけるMTX使用と診療の手引き(亀田 秀人)
・『がん免疫療法ガイドライン第3版』ではさらに充実した解説に!(二宮 貴一朗 ほか)
・治療薬剤を重点的に更新! 『グルココルチコイド誘発性骨粗鬆症の管理と治療のガイドライン2023』(田中 良哉)

■Catch Up! 新薬・新規効能・新剤形
・新たな糖尿病治療薬,GIP/GLP-1受容体作動薬の使いどころは?(大西 由希子)
・潰瘍性大腸炎の新薬・効能追加が続々!(横山  薫)
・骨粗鬆症に新しいデバイスの新薬が登場!(竹内 靖博)
・円形脱毛症の治療に新たな選択肢!(今西 久幹 ほか)
・再発性の単純疱疹に対するPIT療法でアメナメビルが適応に!(渡辺 大輔)
・全身作用型のジクロフェナクに腰痛などの適応が追加!(川名 真理子)
・新薬・新剤形News 貼付剤のドネペジルが新たに登場(中村  祐)

■What’s Up 2023
・やはり進まなかったリフィル処方箋 ─発行率1%未満の現状に打開策は─(玉田 慎二)
・調剤業務の一部外部委託 ─「対人」強化の選択肢になり得るか─(青山 貴之)

<シリーズ>
■症状・体質からしっかり選べる!フローチャートでわかる 漢方薬虎の巻
 〈最終回〉月経痛・月経困難症
 (永田 郁夫)

■えびさんぽ
 ランドマークスタディで振り返る2023年
 (青島 周一)

■医薬品適正使用・育薬 フラッシュニュース
 ・シンバスタチン併⽤でダビガトランの⾎中濃度が上昇?
 ・DOACの過少量投与で出⾎リスクは変わらず,死亡リスクが上昇
 (佐藤 宏樹,澤田 康文)

■Gebaita?! 薬剤師の語ログ
 〈第24回〉薬の味はどんな味?
 (髙島 英滋)

■くすりのかたち外伝 わかる! 使える!まいにち薬会話
 〈最終回〉「昔,勉強したのに…」
 (浅井 考介,柴田 奈央)

■現場で働く薬剤師のための 臨床薬学研究のオモテ・ウラ
 〈第24回〉研究と業務の両立のオモテ・ウラ
 (大井 一弥)

■飲み合わせ研究所 子どもの服薬Tips
 〈第12回〉トピナ ®細粒10%
 (小嶋  純,米子 真記)

■腫瘍薬学ハイライト
 〈最終回〉メトホルミンはがん予防・治療薬になりうるか
 (川西 正祐)

■薬剤師力の型 新たな思考と行動プランを手に入れろ!
 〈弐拾肆ノ型〉ケア移行時はMedication reconciliationで評価せよ!
 (大川 恭昌)
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特集テーマ:転ばぬ先の漢方薬 -脱・介護! フレイル・ロコモ・サルコペニア対策の新たな一手-

<特集の目次>
■特集にあたって(荒井 秀典)

■フレイル対策に漢方の目線をプラスする
・「フレイル」の3つの構成要素と「健康長寿」の3つの柱(小川 純人)
・「健康長寿」の3つの柱をデザインする漢方(森口 三咲 ほか)

■「高齢者の低栄養」予防・カイゼン編
・低栄養とは? そのリスクは? 原因は?(遠藤  啓 ほか)
・「たべる」を補完する漢方薬(水野 英彰 ほか)
・「だす(排泄)」を補完する漢方薬(眞部 紀明 ほか)
・「ねる」を補完する漢方薬(平田 和美)

■「高齢者のリハビリ」サポート編
・リハビリテーションとは? 目的は? 継続が必要なわけは?(佐浦 隆一)
・運動器リハ×漢方薬 ─フレイル・サルコペニア─(江頭 隆一郎 ほか)
・呼吸リハ×漢方薬 ─COPD─(濱田 泰伸)
・心大血管疾患リハ×漢方薬 ─急性・慢性心不全─(小笹 寧子 ほか)
・脳血管疾患リハ×漢方薬 ─パーキンソン病─(伊豆蔵 英明)
・認知症患者リハ×漢方薬 ─アパシー─(水上 勝義)
・廃用症候群リハ×漢方薬 ─外科手術後─(海道 利実)
・口腔機能リハ×漢方薬 ─口腔機能低下症─(米永 一理)
・コラム:嚥下障害時にエキス製剤を服用できる?(丹村 敏則)

■「多剤併用・長期服用」リスク対策編
・地黄含有製剤の処方マネジメント(野上 達也)
・甘草含有製剤の処方マネジメント(吉野 鉄大)
・山梔子含有製剤の処方マネジメント(清水 誠治)

<シリーズ>
■症状・体質からしっかり選べる!フローチャートでわかる 漢方薬虎の巻
 〈第7回〉便秘
 (永田 郁夫)

■えびさんぽ
 栄養状態の改善や運動をすることでフレイルは改善できますか?
 (青島 周一)

■腫瘍薬学ハイライト
 がんワクチンの開発の現状と展望
 (川西 正祐)

■医薬品適正使用・育薬 フラッシュニュース
 ・若年者ではBZ薬で薬物過剰摂取リスクが上昇
 ・下剤の常用により認知症リスク上昇の可能性
 (佐藤 宏樹,澤田 康文)

■飲み合わせ研究所 子どもの服薬Tips
 〈第11回〉ジスロマック(R)細粒小児用10%
 (小嶋  純,米子 真記)

■現場で働く薬剤師のための臨床薬学研究のオモテ・ウラ
 〈第23回〉研究開始年齢のオモテ・ウラ
 (大井 一弥)

■薬剤師力の型 新たな思考と行動プランを手に入れろ!
 〈弐拾参ノ型〉リストだけ見た安易な回答から脱却せよ!
 (栗原  梢)

■Gebaita?! 薬剤師の語ログ
 〈第23回〉やっぱりリアルは楽しい
 (中嶋 亜紀)

■くすりのかたち外伝 わかる!使える!まいにち薬会話
 〈第23回〉「どのマスクがよいですか?」
 (浅井 考介,柴田 奈央)
特集テーマ:ひとりでできるもん 薬剤師のものさし -先輩が使ってる評価基準や情報源をまとめました-

<特集の目次>

■特集にあたって(大浦  誠)

■腎機能低下時の処方のものさし
・これだけは覚えておきたい腎機能の評価の基本(古久保 拓)
・腎機能低下時に要注意な薬,要注意な状況(古久保 拓)
■オピオイド鎮痛薬のものさし
・鎮痛薬の変更と換算表の扱い方(岡本 禎晃)
・投与経路の特徴・取り扱いのコツと使い分け(岡本 禎晃)
■精神科処方のものさし
・新規に開始される睡眠薬の使い分け(祖川 倫太郎)
・抗精神病薬が変更される際の注意点と評価法(中村 友喜)
■妊婦・授乳婦処方のものさし
・使えるくすり,使ってもよいくすりの判断基準(三浦 寄子 ほか)
■輸液のものさし
・夜間外来・一般救急でよく見る輸液,その使い分け(神谷 貴樹)
■小児科処方のものさし
・子どもの解熱薬を安心・適切に使ってもらう(冨家 俊弥)
■シックデイ対応のものさし
・糖尿病患者からの発熱,食欲不振,嘔吐・下痢時の問い合わせに対処する(秋吉 明子)
■受診勧奨のものさし
・長引く頭痛(伊藤 恭平)
・長引く咳,息苦しさ(大澤 真治)
・腹痛,排便の異常(山﨑 孝明)
・しびれ,ピリピリ感(佐藤  匠)
■マルチモビディティ(多疾患併存)介入へのものさし(大浦  誠)

<シリーズ>

■症状・体質からしっかり選べる!フローチャートでわかる漢方薬虎の巻 6
〈第6回〉下痢
 (永田 郁夫)

■えびさんぽ 8 / 112
 処方薬の適切性,どのようにして測りますか?
 (青島 周一)

■医薬品適正使用・育薬 フラッシュニュース
 ・QT延長のリスクとなりうるわが国の医薬品
 ・コレステロール低下作用のないサプリメント
 (佐藤 宏樹 澤田 康文)

■飲み合わせ研究所 子どもの服薬Tips
〈第10回〉
 ガバペン(R)シロップ 5%
 (小嶋  純 米子 真記)

■腫瘍薬学ハイライト
 スタチンはがん予防・治療薬になりうるか
 (川西 正祐)

■Gebaita?! 薬剤師の語ログ
 〈第22回〉コールは突然に! 血管外漏出 ~あなたは対応できる?~
 (藤井 宏典)

■現場で働く薬剤師のための臨床薬学研究のオモテ・ウラ
 〈第22回〉職場環境のオモテ・ウラ
 (大井 一弥)

■くすりのかたち外伝 わかる!使える!まいにち薬会話
〈第22回〉「1週間に1回の薬です」
 (浅井 考介 柴田 奈央)

■薬剤師力の型 新たな思考と行動プランを手に入れろ!
〈弐拾弐ノ型〉優等生ほど定期フォローを怠るな! 第一推奨の甘いワナ?
 (成田 綾香)

<巻頭言>

本企画は「ものさし」をテーマとした.薬剤師の皆さんはとにかく覚えることが多く,処方内容についてさまざまな想いを巡らせなければならないであろう.薬剤一つひとつの理解も重要であるが,患者のもつ疾患の知識も必要であり,特に薬剤に関連する疾患についてはさまざまな基準値や重症度を覚えておく必要があるだろう.この基準により,薬剤を減量・中止・変更した方がよいと考える根拠となるため,できる薬剤師は常に基準となりうる「ものさし」が頭の中に入っている.本企画は実際の臨床でよく遭遇する「ものさし」を網羅的に身に着けられるように各専門の薬剤師に執筆をお願いした.薬剤の調製を判断するために必要なものなので,まずは身に着けていただきたい.
また服薬指導だけでなく,頭痛,咳,腹痛,排便異常,しびれなどについて薬剤師は相談を受けることもあるだろう.ただちに病院受診を勧めればよいのか,対症的に様子をみればよいのか,どのような場合には受診した方がよいのか.時としてそれが致命傷となることもあるため,プロフェッショナルとして適切なアドバイスを心がけたい.どのような症状であれば受診したらよいのかという受診推奨の基準について,新進気鋭の若手病院総合診療医に執筆いただいた.服薬指導だけでなく,健康相談をよくされる薬剤師の皆様にはこの「ものさし」も重要なツールになるに違いない.
最後に,最近注目されているマルチモビディティ(多疾患併存)について,どのように服用薬のアドバイスをしたらよいのかをまとめた.たとえたくさんの「ものさし」を頭に入れてあったとしても,それが組み合わさるとそれが一筋縄でいかないことをよく経験するであろう.例えば複数の薬剤が処方されている場合,処方医はどのような意図で処方しているのかがわかりにくくなったり,患者の全身状態を推定することも難しくなったり,薬や病気のこと以外にも考えなければならないことが増えてくる.本特集で各論を一つひとつ積み重ねてから応用問題として読んでいただければ,きっと実際の服薬指導がレベルアップすること間違いなしである.
本特集の内容が実際の患者指導に活かされれば幸いである.

南砺市民病院 内科・総合診療科 副部長
大浦  誠
2,200円
特集テーマ:めまいを起こす薬・治す薬 -原因・症状のおさらい&薬剤性めまいを見逃さないー

<特集の目次>
■特集にあたって(武田 憲昭)

■見落とすまい! 薬剤性めまい ─めまいを起こす薬の薬学的フォロー
・治療中断・転倒事故を起こさない! 薬剤性めまいを見逃すな(肥塚 泉)
・糖尿病治療薬(桒原 宏貴)
・降圧薬(梶原 洋文)
・抗菌薬(山田 和範)
・睡眠薬・抗不安薬(村阪 敏規)
・抗うつ薬(別所 千枝)
・片頭痛治療薬 (ラスミジタン)(山室 蕗子 ほか)
・抗パーキンソン病薬(大村 友博 ほか)
・抗てんかん薬(山本 吉章)
・抗がん薬(川上 和宜)

■軽視しない! めまいの薬物治療 ─めまいを治す薬の薬学的フォロー
・知っておきたいめまいの知識(岩﨑 真一)
・めまい治療薬の特徴と使い分け(佐藤 豪)
・急に起きためまいの薬物治療(宇野 敦彦)
・長く続くめまいの薬物治療(堀井 新)
・継続治療を妨げる要因への薬学的介入(山田 和範)
・生活習慣を見直してめまいを改善しよう(北原 糺)
・コラム OTC医薬品の“乗り物酔い”の薬,どうやって使い分けたらよいですか?(児島 悠史)

<シリーズ>

■症状・体質からしっかり選べる!フローチャートでわかる 漢方薬虎の巻
 〈第5回〉腹痛•胃痛
 (永田 郁夫)

■えびさんぽ
 めまいの症状には,どんな治療が効果的ですか?
 (青島 周一)

■くすりのかたち外伝 わかる!使える!まいにち薬会話
 〈第21回〉「前回の薬よりも作用(副作用)が〇〇です」(後編)
 (浅井 考介 柴田 奈央)

■飲み合わせ研究所 子どもの服薬Tips
 〈第09回〉ペリアクチン®散1%
 (小嶋  純 米子 真記)

■現場で働く薬剤師のための臨床薬学研究のオモテ・ウラ
 〈第21回〉上司の理解を得るためのオモテ・ウラ
 (大井 一弥)

■医薬品適正使用・育薬 フラッシュニュース
 ・服薬時の姿勢で錠剤の吸収速度が変わる?
 ・ポリファーマシーへの介⼊の影響
 (佐藤 宏樹 澤田 康文)

■Gebaita?! 薬剤師の語ログ
 〈第21回〉ある4月の金曜日
 (大西 伸幸)

■腫瘍薬学ハイライト
 がんゲノム医療の発展に繋がる分子標的治療薬の開発
 (川西 正祐)

■薬剤師力の型 新たな思考と行動プランを手に入れろ!
 〈弐拾壱ノ型〉現在の服用薬だけに囚われるな!
 (花田 聖典)

<巻頭言>

めまいは最も頻度の高い症状の一つである.めまいの原因の一つに薬剤があり,薬剤により引き起こされるめまいを薬剤性めまいとよぶ.めまいを引き起こす可能性のある薬剤は多岐にわたるが,抗不安薬,睡眠薬,抗うつ薬などの鎮静作用のある薬剤がめまいや転倒を引き起こすリスクが高く,処方頻度も高いと思われるので注意が必要である.市販のかぜ薬にも鎮静作用のある第一世代の抗ヒスタミン薬が含まれていることが多い.男性高齢者では,前立腺肥大症に対するα遮断薬による起立性低血圧もめまいや転倒を引き起こすことがある.また,降圧薬による低血圧や糖尿病治療薬による低血糖が招くめまいにも注意する必要がある.さらに,抗菌薬,不妊治療薬,片頭痛治療薬,パーキンソン病治療薬,抗てんかん薬,抗がん薬のなかにはめまいを引き起こす頻度の高い薬剤があるので注意する必要がある.
薬剤性めまいは高齢者に多く認められる.その原因の一つに高齢者の多剤服用(polypharmacy)がある.高齢者の多剤服用は,転倒のリスクを高める重要な要因である.めまいを訴える高齢の多剤服用患者に対しては,薬剤師が医師や看護師などの多職種間で連携をとり,めまいを引き起こす可能性のある薬剤の推定や服薬アドヒアランスの確認を行い,医師へフィードバックをしながら可能性のある薬剤の中止や変更,処方薬剤数を減らす提案をすることが,薬剤性めまいによる転倒事故を防ぐために重要である.
一方,薬剤師にはめまいを治療する薬剤に関する知識も必要である.めまいには回転性のめまい,動揺性(浮動性)のめまい,気が遠くなるようなめまいなどがあり,平衡覚を司る内耳の三半規管や小脳・脳幹の病変だけでなく,心血管病変などでも発症する.抗めまい薬としてよく用いられる薬剤に,ベタヒスチン,ジフェニドール,アデノシン三リン酸などがある.めまいに伴う悪心・嘔吐には,制吐薬であるメトクロプラミドやドンペリドンが用いられるが,第一世代の抗ヒスタミン薬(ジフェンヒドラミンなど)も効果が高く,よく用いられる.メニエール病などには,その病態である内リンパ水腫を軽減する目的で利尿薬であるイソソルビドが用いられる.薬剤師として,めまい疾患やその発症機序,めまいの治療薬とその作用メカニズムを理解して,めまいで困っている患者の治療効果向上につながるサポートを行うことが重要である.
本特集では,めまいを起こす薬とめまいを治す薬について解説した.薬剤師として,薬剤性めまいを見逃さないと同時に,めまいの治療薬を理解してめまい治療をサポートしていただきたい.

徳島大学 名誉教授
武田憲昭
2,200円
特集テーマ:身につく!検査値のチカラ -薬学管理・服薬指導・記録にどう活かす?-

<特集の目次>

■特集にあたって(吉村 知哲)

■こんなに使える! 薬剤師による検査値活用術(宇佐美 英績)

■検査値,活かしてみました
・腎機能(田﨑 智也)
・肝機能(竹田 滋郁 ほか)
・カリウム(飯田 慎也 ほか)
・カルシウム(中野 貴文)
・ナトリウム(南島 拓矢)
・血算(安福 平)
・血糖(石橋 真実)

■検査値の見かた・使いかたエトセトラ
・薬の副作用を見つける(大森 智史)
・処方監査に活かす(山口 洪樹)
・類似した検査値を使い分ける(篠田 康孝)
・検査値を代替,補正する(岩切 智美 ほか)
・検査値には現れない異常に気づく(坂東 寛 ほか)
・自覚症状のない検査値異常を読みとく(西田 承平 ほか)
・患者に応じた目標値を推定する
 ─糖尿病に合併した脂質異常症における治療目標値およびそのエビデンス─(宮﨑 元康)
・腫瘍マーカーについて説明する(中島 寿久)
・検査値の記録を患者サポートにつなげる(大森 智史)

<シリーズ>

■症状・体質からしっかり選べる!フローチャートでわかる 漢方薬虎の巻
 〈第4回〉鼻炎・花粉症
 (永田 郁夫)

■えびさんぽ
 HbA1c値は厳格に管理すべきでしょうか?
 (青島 周一)

■飲み合わせ研究所 子どもの服薬Tips
 〈第08回〉ロペミン®小児用細粒0.05%
 (小嶋 純,米子 真記)

■Gebaita?! 薬剤師の語ログ
 〈第20回〉荒れる!アレルギー歴!?
 (篠田 康孝)

■薬剤師力の型 新たな思考と行動プランを手に入れろ!
 〈弐拾ノ型〉抗がん薬曝露対策,次の1手を考えよ!
 (前田 章光)

■医薬品適正使用・育薬 フラッシュニュース
 ・SSRIの消化器系副作用リスクの比較
 ・スタチンの筋症状リスクはそれほど高くない?
 (佐藤 宏樹,澤田 康文)

■くすりのかたち外伝 わかる!使える!まいにち薬会話
 〈第20回〉「前回の薬よりも作用(副作用)が〇〇です」(前編)
 (浅井 考介,柴田 奈央)

■腫瘍薬学ハイライト
 多発性骨髄腫の治療薬の進歩
 (川西 正祐)

■現場で働く薬剤師のための臨床薬学研究のオモテ・ウラ
 〈第20回〉調剤業務を研究するオモテ・ウラ
 (大井 一弥)

<巻頭言>

薬物療法を支援するうえで,薬剤師は薬剤の治療効果や副作用を,薬学的観点のみならず臨床的な観点からも評価する必要がある.臨床的な観点として,患者の自覚症状を聞き取り評価することに加えて,客観的評価指標としての臨床検査値(検査値)は特に重要となる.院外処方箋に検査値が記載されるのは当たり前の時代になった.
では,臨床現場で,薬物療法の評価,副作用確認,処方監査,処方提案,服薬指導,薬歴記載などの薬剤業務に検査値をどう活かすことができるか? 腎機能や肝機能,白血球数やヘモグロビン値などの血液データなどに基づいた処方監査において,検査値を理解できていれば回避できるリスクもある.薬剤の治療効果や副作用の評価に必要な知識は広範にわたり,処方内容や患者とのコミュニケーションだけでは得られない,より豊富な情報が検査値から得られることもあるはずである.しかし,疾患や薬剤によって評価項目は異なり,患者に応じて検査の必要な項目や目標値が異なる場合もあるため,漏れのない的確な評価は容易ではない.臨床現場で対応ができるようになるには,一対一対応の知識ではなく,さまざまな検査値や具体的な症状の有無,個々の患者対応のなかで得られた情報を全体として捉えることが重要であり,これができて初めて「検査値が活用できる薬剤師」になるといえよう.
本特集では,薬剤に関連する検査値にスポットをあて,検査値活用の実践例として腎機能,肝機能,カリウム,カルシウム,ナトリウム,血液疾患,血糖について,さらに検査値の見かた・使いかたとして,副作用の発見,処方監査,検査値の使い分け,検査値異常の読み解き,患者に応じた目標値,腫瘍マーカー,患者サポートなどについてもわかりやすく執筆いただいた.本特集の活用によって,臨床での対応のポイントを理解でき,薬剤の適正使用や医療安全,患者の治療効果向上へとつながることを期待している.
本特集を,薬物療法に携わるみなさまの日常的な薬剤業務および患者サポートに役立てていただければ幸いである.

岐阜薬科大学 病院薬学研究室 教授
吉村知哲
2,200円
特集テーマ:循環(ながれ)を止めるな! 血液凝固とくすり

<特集の目次>

■特集にあたって(朝倉 英策)

■見て納得! 凝固・線溶系のあらすじ(監修:朝倉 英策)

■血液凝固反応・凝固系のキホン
・流れでおさらい!
 一次止血(横山 健次)
 二次止血(小川 孔幸)
 線維素溶解系(窓岩 清治)
・知っておきたい 止血系検査の意義と解釈(山本 晃士)

■抗血小板薬・抗凝固薬・血栓溶解薬の使いどころ
・脳梗塞の急性期治療(長尾 毅彦)
・脳梗塞の発症・再発抑制(矢坂 正弘 ほか)
・急性心筋梗塞(中川 智弘 ほか)
・虚血性心疾患の発症・再発抑制(後藤 信哉)
・肺血栓塞栓症(山田 典一)
・深部静脈血栓症(保田 知生)
・末梢動脈に生じる血栓・塞栓症(孟 真 ほか)
・体外循環使用時の血栓・塞栓(立枩 良崇 ほか)
・播種性血管内凝固(DIC)(山田 真也 ほか)
・COVID-19における凝固線溶異常(山田 真也 ほか)

■凝固系の副作用とくすり
・どうする? 薬物治療中に現れる
 出血傾向(西田 祥啓)
 血小板減少(高見 昭良)
 血栓症(森下 英理子)
 播種性血管内凝固(関 義信)
・血栓症を見逃さない!薬剤師のできること・患者さんへの伝え方(桂 英之)
・出血傾向を見逃さない!薬剤師のできること・患者さんへの伝え方(大葉 佑梨子 ほか)
・周術期に中止・継続の評価が必要なくすり(赤木 晋介 ほか)

<シリーズ>

■症状・体質からしっかり選べる!フローチャートでわかる 漢方薬虎の巻
 〈第3回〉感冒
 (永田 郁夫)

■えびさんぽ
 低用量アスピリンは動脈硬化性疾患の予防に効果的ですか?
 (青島 周一)

■飲み合わせ研究所 子どもの服薬Tips
 〈第07回〉アレロック ®顆粒0.5%
 (小嶋 純,米子 真記)

■腫瘍薬学ハイライト
 ヒ素化合物による抗がん薬
 (川西 正祐)

■医薬品適正使用・育薬 フラッシュニュース
 ・タキサン系抗がん薬による眼の有害事象
 ・降圧薬の服⽤は朝と夜のどちらがよいか?
 (佐藤 宏樹,澤田 康文)

■Gebaita?! 薬剤師の語ログ
 〈第19回〉そこに「AI」はあるのかい?
 (大森 智史)

■くすりのかたち外伝 わかる! 使える! まいにち薬会話
 〈第19回〉「●●の場合は○○に服用してください」
 (浅井 考介,柴田 奈央)

■現場で働く薬剤師のための臨床薬学研究のオモテ・ウラ
 〈第19回〉異分野協力研究のオモテ・ウラ
 (大井 一弥)

■薬剤師力の型 新たな思考と行動プランを手に入れろ!
 〈拾玖ノ型〉処方歴や生活背景も考慮し,薬剤の中止の適否を判断せよ!
 (工藤 範子)

<巻頭言>
特集にあたって

血液は,生理的な状況下において「血管内」では凝固せずに循環し,「血管外」へ出ると凝固して止血する.この当然と思える生理が時に破綻することがある.つまり,血管内であるにもかかわらず凝固したり,血管外へ出ても凝固しない病態が知られている.前者が「血栓症」,後者が「異常出血」である.
異常出血は目立つ症状でもあるため,血栓止血学の歴史においてまず異常出血を来す疾患が臨床や研究の対象となった.具体的には,血友病やフォン・ヴィレブランド病などが相当する.今もこれらの疾患は血栓止血学の大きなテーマであり,近年は目を見張るような素晴らしい止血製剤が登場し,また,遺伝子治療(血友病など)の臨床応用までもう一歩のところまできている.
一方で,脳梗塞,心筋梗塞,静脈血栓塞栓症(いわゆるエコノミークラス症候群),末梢動脈血栓症などに代表される血栓症は発症頻度が極めて高く,現代に生きる人類にとって,がんとともに克服すべき重要な疾患である.血栓症には,①突然に発症する,②再発しやすい,③機能障害が残存しやすい,のような特徴があり,これらは血栓症が怖い理由にもなっている.
血栓症を発症したら救命のために懸命に加療が行われるが,それだけでなく血栓症を発症(再発)させない治療を行うことが理想的である.そのような治療を,抗血栓療法という.
〈抗血栓療法の種類〉
①抗血小板療法(アスピリンなど):血流の速い環境下(血小板が活性化しやすい状態)の血栓症である動脈血栓症(心筋梗塞,一部の脳梗塞など)に対して有効である.
②抗凝固療法(ワルファリンなど):血流の遅い環境下(凝固が活性化しやすい状態)の血栓症である静脈血栓症(深部静脈血栓症,肺血栓塞栓症,あわせて静脈血栓塞栓症など)に対して有効である.
③線溶療法(t-PAなど):血栓症を発症した後の治療であるが,抗血栓療法に含めることもある.
心房細動は,脳梗塞(脳塞栓症)の重要な危険因子である.心臓内に形成された血栓が脳動脈に飛来して血栓症を来す.血栓の閉塞部位は血流の速い脳動脈であるが,血栓が心臓内でできる理由は心房細動に伴う心内滞留である.そのため,血流の遅い環境下の血栓症と同じ考えで,抗凝固療法が有効となる.どの種類の抗血栓療法を行うかを考える場合に,いわば「血流の法則」は重要な考え方である.
現在,抗血栓療法には多くの薬剤が知られている.これらの薬剤に共通した副作用は,出血である.血栓の形成機序と,止血機序には共通した部分が多く,抗血栓療法によって潜在的に止血異常を来すことは熟知している必要がある.
今回の特集では,血栓止血学のエッセンスから始まり血栓症治療の最先端を知るとともに,適切な抗血栓療法の行い方,副作用を出現させない工夫など臨床の現場で役立つ情報が満載されている.執筆いただいた各方面のエキスパートの先生方にはこの場を借りて御礼申し上げる.
永久保存版とすべき貴重な一冊を発刊する機会をいただいたことに感謝したい.

金沢大学附属病院 血液内科
朝倉英策
2,200円
特集テーマ:みるみるわかる 眼とくすり -点眼剤から,眼科の副作用をまとめました-

<特集の目次>
■特集にあたって(溝上 志朗)

■巻頭カラー写真

■見てわかる眼のしくみ
・眼球とその周囲のつくりとはたらき(浪口 孝治)
・「見える」がわかる! ─近視,遠視,乱視のしくみも添えて─(永瀬 大輔)
・眼によい生活習慣・食習慣はありますか?(齋藤  瞳)
・眼の病気に早く気づくには?(生杉 謙吾)
・眼科に行くと何がわかる?(庄司 拓平)

■1滴に込められた点眼剤のワザとヒミツ
・点眼剤は,どう吸収される?(長井 紀章)
・点眼剤は,どこへ行く?(池田 博昭 ほか)
・点眼剤のさし心地・痛み(中田 雄一郎)
・界面活性剤のかたち─ベンザルコニウム塩化物を例に─(浅井 考介 ほか)
・点眼剤を角膜透過させるかたち(浅井 考介 ほか)
・点眼剤に添加されている防腐剤は少ない方がよい?(青島 周一)
・基剤の性質の違いで理解する! 点眼順序(柴谷 直樹)
・点眼剤の物性に応じた保管方法・取り扱い(中田 雄一郎)
・そのさし方,誰が教えた? 点眼指導のコツとピットフォール(池田 博昭)
・継続的に適切な点眼をサポートしよう! トレーシングレポートの活用と連携(内藤 知子)

■用語解説! 眼や視覚に現れるくすりの副作用
・流涙(三谷 亜里沙)
・眼の痛み,ごろつき(坂根 由梨)
・羞明(金森 章泰)
・霧視,変視症(東出 朋巳)
・飛蚊症,光視症(三浦 悠作)
・眼脂(丸山 勝彦)
・睫毛乱生,睫毛長生化(石川 慎一郎)

<シリーズ>
■症状・体質からしっかり選べる! フローチャートでわかる 漢方薬虎の巻 6
 〈第2回〉冷え症
 (永田 郁夫)

■えびさんぽ
 点眼剤はどれくらい効果がありますか?
 (青島 周一)

■飲み合わせ研究所 子どもの服薬Tips
 〈第06回〉ザイザル ®シロップ0.05%
 (小嶋 純,米子 真記)

■腫瘍薬学ハイライト
 エピジェネティクス関連酵素を標的とした抗がん薬の開発
 (川西 正祐)

■副作用でよくみるQT延長」を振り返る
 最終回 イオンバランスの乱れがQT延長を引き起こす
 (鷹野 誠)

■現場で働く薬剤師のための臨床薬学研究のオモテ・ウラ
 〈第18回〉他施設協働研究のオモテ・ウラ
 (大井 一弥)

■くすりのかたち外伝 わかる! 使える! まいにち薬会話
 〈第18回〉「コンタクトレンズの使用は○○」
 (浅井 考介 柴田 奈央

■Gebaita?! 薬剤師の語ログ
 〈第18回〉どうする? 賦形剤…
 (髙島 英滋)

■薬剤師力の型 新たな思考と行動プランを手に入れろ!
 〈拾捌ノ型〉抗菌薬の組織移行性をよく確認せよ!
 (齊藤 佳奈,原 直己)

<巻頭言>
特集にあたって

 人間は知覚情報の約80%を視覚から得ており,この重要な視覚を担う感覚器が“眼”です.また昔から「目は口ほどに物を言う」や「目先が利く」,最近では「目ヂカラ」などと言い習わされていることからもわかるように,われわれにとって“眼”はとても身近な存在でもあります.
 ところが,この“眼”には健康を脅かすさまざまな疾患があります.そのなかには結膜炎やドライアイといった比較的よく耳にする病気もありますが,緑内障やぶどう膜炎,角膜潰瘍など,何となく耳にしたことはあるけれども詳しくは知らない,放置すると失明に至る怖い病気もあります.そしてこれらの眼疾患の治療の主役は点眼剤になります.さて,実はこの点眼剤,最新の科学技術の結晶であることをご存じだったでしょうか.
 今回の特集は,“眼とくすり”です.執筆はわが国を代表する点眼剤のエキスパートである薬剤師の先生方と,臨床経験豊富な第一線の眼科専門医の先生方に依頼しました.
 最初に「見てわかる眼のしくみ」として,眼球の構造とものを見るしくみ,患者さんからよく聞かれる眼によい食べ物や習慣,そして気になる眼の症状などを解説しています.
 次に「1滴に込められた点眼剤のワザとヒミツ」として,点眼剤はどのようにして効果を発揮するのか,なぜさし心地に違いが生じるのか,なぜ添加剤が必要なのかなどについて科学的側面から解説し,さらに重要な点眼指導について,知られざる患者さんの点眼操作の実態や点眼指導の実践について薬剤師と実地医家の立場から説明しています.
 最後に「用語解説! 眼や視覚に現れるくすりの副作用」として,薬剤師が知っておくべき経口剤や点眼剤の重要な副作用について詳しく解説しています.
 本特集を通読いただくと,“眼とくすり”に関する実践的な最新知識が得られ,明日からの業務や患者さんのケアに役立つこと請け合いです.
 まさに「目からウロコが落ちる」一冊です.

愛媛大学医学部 眼科学教室 准教授
溝上志朗
2,200円
特集テーマ:硬すぎず,ゆるすぎない やさしい便秘・下痢サポート術

<特集の目次>
■特集にあたって(三原 弘)

■便秘編
・便秘を知る 
 機序別・便秘の種類(津田 桃子)
 原因別・便秘の種類(富田 寿彦 ほか)
・これってただの便秘ですか? 〜受診勧奨する? しない?〜(笠原 悠佑 ほか)
・便秘薬の種類と特徴を学ぼう!(正岡 建洋)
・オピオイド誘発性便秘症の治療(梶浦 新也)
・場面別で学ぶ! 便秘薬の使い方・患者指導のポイント
 服用タイミングの自己調節が難しい(飯田 洋 ほか)
 妊婦の便秘(中山 毅 ほか)
 小児の便秘(冨本 和彦)
 病棟の便秘(佐藤 研)

■下痢編
・下痢を知る
 機序別・下痢の種類(真野 鋭志)
 原因別・下痢の種類(山脇 博士)
・これってただの下痢ですか? 〜受診勧奨する? しない?〜(小黒 邦彦)
・止痢薬の種類と特徴を学ぼう!(圓谷 俊貴 ほか)
・場面別で学ぶ! 止痢薬の使い方・患者指導のポイント
・薬剤性の下痢が疑われる場合の医師との連携(下平 陽介)
・抗がん薬治療中など,下痢の発生が予想される場合(石坂 栄規 ほか)
・実践! 薬剤師・医療スタッフができるサポート編
 おなかによい生活習慣とは? 患者さんにどう伝える?(片岡 愛 ほか)
 プロバイオティクスの効果と取り入れ方(竹田 努 ほか)
 周術期の下剤のトラブルに対処する(松末 亮)
 新型コロナウイルス感染患者の排便トラブルに対処する(水野 秀城 ほか)

■おさらい編
・いまさら聞けない?! 消化管のはたらきと糞便形成(北條 麻理子)
・いまさら聞けない?! 脳腸相関(仙石 錬平)
・いまさら聞けない?! どうして月経時に下痢をしやすい?(鮫島 梓)
・いまさら聞けない?! 坐剤・浣腸の正しい取り扱い(比嘉 哲史)

<シリーズ>

■症状・体質からしっかり選べる!フローチャートでわかる 漢方薬虎の巻
 〈第1回〉頭痛(永田 郁夫)

■えびさんぽ
 新しい慢性便秘の治療薬は効果がありますか?(青島 周一)

■飲み合わせ研究所 子どもの服薬Tips
 〈第05回〉フロモックス®小児用細粒100mg(小嶋 純 米子 真記)

■医薬品適正使用・育薬 フラッシュニュース
 ・経口避妊薬などの開始初期に脳卒中リスクが上昇
 ・PDE-5阻害薬による眼の有害事象のリスク(佐藤 宏樹 澤田 康文)

■腫瘍薬学ハイライト
 PARP阻害薬の抗がん薬としての適応拡大(川西 正祐)

■Gebaita?! 薬剤師の語ログ
 〈第17回〉薬剤師にもグリーフケアを(中嶋 亜紀)

■薬剤師力の型 新たな思考と行動プランを手に入れろ!
 〈拾漆ノ型〉TDMは数値だけでなく,患者を診よ!!(上田 真也)

■くすりのかたち外伝 わかる! 使える!まいにち薬会話
 〈第17回〉「飲み忘れたら○○に服用してください」(浅井 考介 柴田 奈央)

■副作用でよくみる「QT延長」を振り返る
 〈第二回目〉QT延長はプラトー相の乱れ(鷹野 誠)

■現場で働く薬剤師のための 臨床薬学研究のオモテ・ウラ
 〈第17回〉ウエット研究のオモテ・ウラ(大井 一弥)

□レポート
 頭痛診療におけるトレーシングレポートの有用性(木嶋 保)

<巻頭言>

特集にあたって

 病棟であろうと外来であろうと,便秘や下痢の症状を訴える患者さんは多く,また,医療機関を受診せず薬局で薬剤師に直接相談することの方がより多いかもしれません.
 便秘の場合,便秘の分類や旧来薬の使い分けに加えて,新薬の特徴を理解する必要性があります.さらに,病院薬剤師および保険薬局薬剤師の日常業務の基本をある程度マスターしてからは,医師や看護師らとのチームの一員として基礎・臨床医学(病態生理など)を理解したうえで,生活指導,新旧薬の使い分け支援が求められると思います.薬局ではむしろ薬剤師からの支援・指導が唯一になります.
 また,下痢の場合も,受診の目安がわからず漫然と整腸薬や下痢止めを服用し,下痢型過敏性腸症候群,クローン病,また化学療法に伴う下痢などの適切な診断・治療が遅れる患者さんもいます.下痢においても,薬剤師が“現場で使える”実践的な情報・経験知を医師,看護師らと共有し,医療チームの一員として薬物療法の支援が行えることが求められています.
 コロナ禍において感染者の消化器症状や自宅待機中の便秘など,最も適切な対応を誰も知らない状況が発生し,私は“現場で使える”実践的な情報にアンテナを張り,職種を問わず共有し日常業務に役立たせる必要性を実感しました.
 そこで今回の『薬局』の特集では,現場で指導者として,臨床医としてご活躍の先生方から便秘・下痢の起こる機序,薬剤の概要・使い分けをおさえたうえで,薬剤師が処方意図を医療チームで共有し,患者さんに対して適切な情報・療養サポートを提供する“現場で使える”実践的な情報・経験知をまるっと解説していただきます.
 患者さんへの薬物療法支援をもっとしたいという医療スタッフを応援します.

札幌医科大学医学部 総合診療医学講座 准教授
三原  弘
2,200円
特集テーマ:本気ではじめる! 吸入指導 -デバイスが鍵をにぎる喘息・COPD治療-

<特集の目次>

■特集にあたって(坂野 昌志)

■デバイス別見ひらきトリセツ ─選択・指導ポイントをつかむ!─(中村 敏史 吉村 拓也)

■喘息・COPD治療での「新しい薬剤業務」
・タスクシフト・タスクシェア実現に向けた変化(中根 茂喜)
・調剤報酬改定を踏まえた変化(山方 基寛)

■診療ガイドラインを根拠とする薬学的介入ポイント
・気管支喘息(坂野 昌志)
・慢性閉塞性肺疾患(坂野 昌志)
・ACO 喘息・COPDのオーバーラップ(坂野 昌志)
・小児喘息 ─移行期医療を含めて─(本田 勝亮)

■患者の身体機能にあわせた吸入デバイス選択(吉田 敏人 ほか)

■喘息・COPDのコントロール状況を評価する(島田 泉)

■「初回指導」の心構え
・初回指導時間の目安は30分 ─何にどのくらい時間をかけて説明する?─(谷口 結基)
・正しい吸入手技習得には時間がかかる ─くり返して指導するだけで大丈夫?─(三木 芳晃)
・初回に直面する壁を乗り越える ─治療開始時によく聞く疑問・不安は?─(山下 哲太)
・子どもが主体的に治療参画できるよう指導する ─保護者に丁寧に説明するだけではダメ?─(本田 勝亮)
・患者情報・使用状況を共有する ─情報共有ツール作成のコツ・NGは?─(野村 浩夫)

■「再指導」に役立つ吸入指導の引き出し
・隠れ「吸入できていない」を見つける!(東 春奈 ほか)
・隠れ「吸入していない」を見つける!(片山 智章 ほか)
・再指導のタイミングを考える!(佐野 元基)
・その処方変更,説明できますか?(中根 茂喜)
・デバイスの管理はできている?(荒川 正悟)

<シリーズ>

■えびさんぽ
 気管支喘息の治療に用いられるβ2刺激薬は安全ですか?
 (青島 周一)

■薬剤師力の型 新たな思考と行動プランを手に入れろ!
 〈拾陸ノ型〉広い視野で観察し吸入薬を選択せよ!
 (坂野 昌志)

■現場で働く薬剤師のための 臨床薬学研究のオモテ・ウラ
 〈第16回〉ドライ研究のオモテ・ウラ
 (大井 一弥)

■医薬品適正使用・育薬フラッシュニュース
 ・DPP-4阻害薬で胆嚢炎リスクが上昇
 ・DOACの消化管出⾎リスクが多剤併⽤で上昇
 (佐藤 宏樹 澤田 康文)

■飲み合わせ研究所 子どもの服薬Tips
 〈第04回〉アセトアミノフェン錠
 (小嶋 純 米子 真記)

■くすりのかたち外伝 わかる! 使える! まいにち薬会話
 〈第16回〉「血中濃度が上がります」(後編)
 (浅井 考介 柴田 奈央)

■腫瘍薬学ハイライト
 抗体薬物複合体によるがん治療の進展
 (川西 正祐)

■副作用でよくみる「QT延長」を振り返る
 〈第一回目〉心電図の波形を理解しよう
 (鷹野 誠)

■Gebaita?! 薬剤師の語ログ
 〈第16回〉がん診断:気になるあの言葉の意味は? 〜大腸がんTRIUMPH試験の結果から〜
 (藤井 宏典)

□「ファーマストリーム」の理念と実用性
 「基礎重視」を軸として,薬剤師の社会的責任の遂行を支援する
 (林 正弘)

<巻頭言>

 筆者らが『医療薬学』誌に投稿した論文で「DPIの吸入指導にはテスターを使用すること」「吸入薬を使用する前にデバイスの適性を判断すること」の有用性を示したのは2008年でした.今では,喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)のガイドラインにも記載される項目になりましたが,当時は日本のガイドラインや論文などでこれらの内容が明確に示されたものは見つけられず,そもそも適切な吸入指導という概念も希薄な状況でした.それだけ,吸入療法に対して取り組むべき課題があったのです.すでに論文掲載から約15年が経ちますが,この間に使用される吸入薬のデバイスは大幅に増え,薬剤師による吸入指導の重要性は高まっています.また,2020年4月には吸入薬指導加算が新設され,吸入指導に対する薬剤師の業務が保険点数の面からも評価されるようになりました.
 しかし,薬剤師による吸入指導関連の論文を検索してみると2008~2022年の間に『日本病院薬剤師会雑誌』6報,『医療薬学』誌6報,その他の学会誌でも数報であり,学会発表数も決して多くはありません.吸入療法は薬剤師の力が治療効果を左右する分野でありながら新たな報告が少ないのが現状です.これは,吸入薬の使い方や注意点を製薬会社が動画で掲載したり,医師や薬剤師がYouTubeなどの動画配信サービスで解説するなど,情報が溢れているために検証すべき課題を見つけにくくなっているからかもしれません.
 一方で,本誌の姉妹誌である『Rp.+レシピプラス』2018年冬号「気管支喘息・COPDの吸入剤」は重要な情報がコンパクトにまとまった良書ということもあり,発刊から4年経った現在でも継続して多くの方に購入されています.このことから,論文や発表数が減ったからといって吸入療法に対する薬剤師の意識が低くなっているわけではなく,多くの先生方がしっかり学びたいという意識をもっていることがうかがえます.
 本特集では,吸入療法について学びたいと考えている先生方が臨床で感じると思われる疑問や,一段階上の吸入指導を行うために知っておいていただきたい内容を取り上げています.吸入薬の使用法の説明は動画を見れば簡単にできますが,吸入療法の本質を理解し,治療効果の向上につながる一歩踏み込んだ吸入指導は決して簡単ではありません.「本気ではじめる! 吸入指導」のために本特集をご活用いただき,「本気で取り組んだからこそ見えてくる問題点」を解決するために多くの施設から新たなエビデンスが発信されることを心から願っています.

名古屋セントラル病院 薬剤科 副薬剤長
坂野昌志
6,600円
特集テーマ:薬語図鑑 -基礎薬学用語を現場で使える知識に訳してみました-

<特集の目次>

■第1部 添付文書に登場する用語編

・Cmax ,Tmax ,AUC,t1/2 ,Fなど
 薬物動態学のパラメータって何ですか? どんなことがわかりますか?
・PK/PD理論
PK/PDとは何ですか? どう活用すればいいですか?
・定常状態
いつ定常状態になるの? 定常状態になると何がいいの?
・ピーク値,トラフ値
どうやってピーク値,トラフ値を測定しますか?
・負荷投与,維持投与
負荷投与と維持投与とは何ですか? どんなときに必要ですか?
・タンパク結合
タンパク結合率は変動すると,どうなりますか?
・組織移行性
組織移行性はどのようにわかりますか?
・抗菌薬の相互作用(代謝酵素)
抗菌薬治療開始時に併用薬を確認しよう!
・催奇形性,胎児毒性
妊娠中に薬物治療が必要な場合,影響をどう考えたらよいか
・胎盤通過性
胎盤を通過しやすい薬剤の特徴は?
・GFRとCCrの違い
ともに「腎機能」を表現する.その数字が何を示すのか? 何のために評価するのか?
・透析による薬剤の除去性
薬をどこからどうやって取り除いているのか?
・皮膚外用剤の基礎
添付文書で基剤を確認する方法は? ~添加物のどこに着目すべきか?~
・ワセリン
希釈に用いるときの注意点は?
・O/W型,W/O型
軟膏剤とクリーム剤の組み合わせで混合は可能?
・降伏値
降伏値と塗布範囲との関係は?
・皮膚刺激指数
「クリーム剤を塗ったところが赤くなってしまった」患者への対応は?
・皮膚透過性
混合処方に十分な経過観察が重要となる理由は?
・室温,常温,冷所
坐剤の保管場所は? 溶けたら使えない?
・モル,モル質量
「○%の溶液」にはどのくらい溶質が溶けているか
・ミリ当量(mEq)と生体内の電解質
電解質濃度の単位mEq/Lとは? mg/Lやmol/Lと何が違う?
・浸透圧の単位,Osm(オスモル)
溶液の濃度と浸透圧の間にはどのような関係があるのか
・体液の浸透圧
体内の水分の移動はどのようなしくみで行われるか
・注射剤の浸透圧
血管内に投与する医薬品はなぜ等張なのか?
・溶解速度
薬の溶けやすさは何によって決まるのか?
・構造名称と薬剤性アレルギー
添付文書は,構造名称から薬剤性アレルギーのリスクが予測できる!
・薬の化学構造と作用機序
化学構造には作用機序をあらわすかたちが含まれている
・ラセミ化とサリドマイド
立体構造にかかわる電子吸引性を考える
・光学異性体とキラル製剤
トランスポーターや薬物代謝酵素との親和性にかかわる?
・バイオアイソスターと薬物動態
生物学的利用率を向上させるカタチ?
・シス-トランス異性体
薬物代謝・選択性が異なる!?
・4級アンモニウム構造と抗コリン作用の強さ
アセチルコリンと類似する構造を探そう
・エステル構造
ダビガトランのプロドラッグ化の理由は?
・共有結合と作用時間
アスピリンの休薬期間はどれくらい?
・水素結合
消化管吸収に影響するのは電子を… 引っぱる力または与える力
・水素結合と腎排泄型薬剤
親水性だと薬が水になじみやすい?
・キレート形成と消化管吸収
キレートが形成されるとなぜ消化管吸収が下がるのか?
・可逆的・不可逆的結合
抗菌薬のPK/PD理論を考える
・酸化還元反応
酸化還元反応は医療現場でどのように活用されているのか
・酸化還元反応による配合変化
L -ドパと酸化マグネシウム製剤を混ぜちゃいけない理由って?
・加水分解反応と一包化調剤
吸湿による一包化不可の本質的な理由とは?
・求核置換反応と薬理
アルキル化薬・白金製剤の薬理活性はなぜ?
・脱離反応
安定性の低い薬はかたちでわかる?
・メイラード反応と賦形剤
乳糖とバレイショデンプン,どちらがよい?
・ラジカル反応と副作用
ケトプロフェンの光線過敏症はなぜ?
・光反応(ラジカル反応)と調剤
一包化調剤? 可否などの一つの判断基準
・包接化
シクロデキストリンによる包接化は医薬品にどんなメリットをもたらす?
・油水分配係数
医薬品の吸収率はどのような性質によって決まるのか
・水素イオン指数(pH)と緩衝液
体液のpHが一定に保たれるしくみ
・酸塩基反応と緩衝剤
注射剤・点眼剤などでの緩衝剤のはたらきでpHは変わらない?
・酸・塩基と漢方薬の吸収
食前・食間に服用しないと絶対にだめ?
・化学平衡
化学反応の進む方向や速度はどのようにして決まるか
・活性化エネルギーと反応速度
化学反応の速度は何によって決まるのか

・熱量の定義と単位
熱量の単位:calとJの関係
・周期表の見方と電子配置
元素周期表の並び方にはどのような意味があるのか
・原子の構造とイオン
原子やイオンが化学的に安定するのはどのような電子配置のときか
・DNAとインターカレーション
DNAに作用する医薬品のしくみ
・DNAの転写と翻訳
どのようにしてDNAからタンパク質が合成されるのか?

■第2部 臨床現場で見聞きする用語編

・腎機能評価と血清クレアチニンのラウンドアップ法
無用なリスクを与えない思考とは?
・腎機能低下時のハイリスク薬
腎障害時に特別な管理が必要な薬.しかし薬の要因だけで決まるのではない
・腎臓シックデイ対策
体調不良時は腎臓もダメージを受けやすい.腎臓を思いやる対策とは?
・CKD-MBD
腎臓と骨の蜜月関係の崩壊→全身に波及→血管も骨になる
・鉄欠乏性貧血,腎性貧血
CKDの貧血はESAで解決…していないかも
・インスリン・グルカゴン
インスリンとグルカゴンは血糖値の調節にどうかかわっているのか?
・インクレチン
インクレチン関連薬(DPP-4阻害薬・GLP-1受容体作動薬)はどのように作用しているのか?
・Cペプチド
インスリン分泌能はどうやって評価できるのか?
・経口ブドウ糖負荷試験
経口ブドウ糖負荷試験はどのように診断に用いられているのか?
・HbA1c,グリコアルブミン,1,5-AG
糖尿病関連の検査から患者の状態をどうアセスメントするのか?
・糖尿病性ケトアシドーシス
命にかかわるケトアシドーシスを防ぐためにできることは?
・低血糖
低血糖の副作用がある代表薬剤と患者に伝えるべき対策は?
・血糖自己測定
SMBGを正しく活用するためのチェックポイントは?
・タンパク質の高次構造・多量体形成
インスリン製剤ごとに作用時間のピークが違うのはどうして?
・タンパク質の変性
インスリン製剤の保管に温度管理が必要なのはなぜ?
・能動輸送・受動輸送
グルコースは小腸管腔からどうやって吸収されるのか
・甲状腺ホルモン・甲状腺刺激ホルモン
FT3,FT4,TSH測定結果から病態を読み解くポイントは?
・エンピリックセラピー(経験的治療)とディフィニティブセラピー(最適治療)
感染症の抗菌薬治療の流れは?
・デ・エスカレーション
狭域抗菌薬に変更するときの注意点とメリットは?
・静脈内注射抗菌薬から 経口抗菌薬へ変更(経口スイッチ)
どのような患者が経口抗菌薬に変更できる?
・アンチバイオグラム
薬剤感受性試験の結果がわかっていないときの抗菌薬の選び方は?
・薬剤耐性(AMR)対策
薬剤師にこれからできること
・ウイルスのスパイクタンパクとmRNAワクチン
コロナワクチンのしくみ
・細胞性免疫
病原体に感染した細胞はどのようにして体内から排除されるのか?
・液性免疫
抗体はどのようなしくみで病原体から体を守っているのか?
・サイトカイン,インターフェロン
細胞から分泌されるタンパク質はどのようなはたらきをするのか?
・動物咬傷
咬まれた! それ…放っておいてもよいのでしょうか?
・中枢神経系での神経伝達物質のはたらきと関連する薬剤
ドパミン神経はどのように統合失調症に影響するのか?
・統合失調症と神経伝達物質
統合失調症の患者の脳では何が起こっているのか?
・第一世代と第二世代,定型と非定型
なぜ非定型抗精神病薬は錐体外路症状の発現が少ないのか?
・パーシャルアゴニスト(ドパミン受容体部分作動薬)
第二世代(非定型)抗精神病薬のプロファイル
・薬剤の中枢移行性
血液脳関門の役割と向精神薬の副作用の関係とは?
・神経障害性疼痛
抗うつ薬はなぜ効くのか
・新規睡眠薬
睡眠薬の適正使用をするために,新規睡眠薬をどのように選択したらよいか?
・悪心・嘔吐
悪心・嘔吐はどのように引き起こされるのか
・セロトニン症候群
抗うつ薬投与時に注意すべき副作用
・悪性症候群
悪性症候群はどのように判断されている?
・高プロラクチン血症
ドパミン・セロトニンはプロラクチンの分泌をどのように制御しているのか?
・過鎮静
急性期から回復期でどのように処方を変えている?
・副作用としての運動失調
薬原性錐体外路症状への対応はどうすればよいのか
・体外路症状
ドパミン,セロトニンと錐体外路症状の関連は?
・パルスオキシメータ,酸素飽和度
COVID-19の流行でより身近になった医療機器.測定原理は知っている?
・血液ガス分析
目指すは「血ガス」が読める薬剤師! まずは,酸素(PaO2),二酸化炭素(PaCO2)からはじめよう
・圧力の単位と分圧
血液ガス分析で酸素や二酸化炭素の分圧を測定する目的は?
・アシドーシス,アルカローシス
血液のpHは7.4±0.05に維持されている(瞬時の緩衝系のはたらき,すごいでしょ?)
・ピークフローメーター,吸気流速
ピークフローメーターの使用方法は吸入指導の一部!(簡単なのでぜひ覚えよう)
・肺活量,1秒率,1秒量
検査を受けてみると(吹いてみると)よくわかる,薬剤師に必要な呼吸機能検査の知識
・呼吸音
聴診器を片手に持つ時代の薬剤師のために ~フィジカルアセスメントの第一歩~
・起座呼吸
患者からの訴え「座っていた方が呼吸は楽」は心臓の悲鳴?
・気胸
治療の現場を見てはじめて理解ができた胸腔の解剖生理と胸腔ドレナージのしくみ
・吸入デバイス
pMDI,DPI.患者さんに最適なデバイスをコーディネートする
・酸素療法
臨床で汎用されるそれぞれの酸素投与方法の特徴は?
・マスク換気
「アンビュー持ってきて!」と言われて対応できますか?
・気管挿管,気管切開
「挿管」,「気切」の違いを知っていますか?
・がんのステージ,悪性度
大腸がんのステージはどのように分類されている?
・がんの初発,再発,転移,多発,重複
以前に診断されたがんが再び見つかった場合は,何という?
・レジメン
抗がん薬はなぜくり返し投与するのか?
・腫瘍マーカー
腫瘍マーカーは何のために測定する?
・周術期化学療法,緩和的化学療法
それぞれの治療の目標は何か?
・MRI
MRIでからだの中が見られるのはなぜ?
・ベクレル,グレイ,シーベルト
放射線・放射能に関連する3つの単位
・放射線と放射性医薬品
放射線の性質は医療でどのように活用されているか
・PET
放射性医薬品を使った画像診断とは?
・坐剤の基剤
アセトアミノフェン坐剤とジアゼパム坐剤の併用,挿入順は?
・初回通過効果
坐剤の吸収過程の特徴は?
・太陽光線と日焼け
日焼け止めに表示されているPAやSPFはどのような指標?
・FTU
適切な塗布量の指導方法は?
・静脈注射の種類
配合変化を避けるために押さえておきたい基礎知識
・ルート内での配合変化
注射剤追加…,どのルートから投与すればよいのでしょう?
・注射針・カテーテル径: G(ゲージ),Fr(フレンチ)
デバイスのサイズと用途について
・フラッシュ・ロック
フラッシュやロックに用いるのは生食? ヘパリン?
・栄養輸液
栄養管理に用いられる輸液製剤の種類・特徴と使用する際の注意点とは?
・TPN,PPNそしてSPN
静脈栄養の種類とそれぞれどういった場合に選択すべきか
・PFC比とNPC/C比
栄養管理を行うときの重要な指標
・細胞外液補充液,輸血
細胞外液補充液と輸血用血液製剤の特徴と使い方は?
・致死性不整脈
危険な不整脈が生じたらどうなる? どうする?
・モニター心電図
薬剤師の心電図への関わりかたの提案
・薬剤がもたらす心電図異常
過量投与を早期に発見し対応が必要な薬剤
・バイタルサイン
薬剤師がフィジカルアセスメントを行うために
・意識レベル
患者の意識状態をどのように評価する?
・鎮静
医療現場における鎮静の必要性とは何か?
・ショック
医療におけるショックとは何か
・ショック 臓器灌流と酸素の需給バランス
臓器灌流と酸素需給をどう管理する?
・集中治療後症候群(PICS)
ICU入室中から治療後を見据えた介入として,何が求められるか?
・敗血症
薬剤師が敗血症に出会ったら? ~定義と薬学的ケアのポイント~
・DIC(播種性血管内凝固)
病態からケアポイントを考える
・AKI(急性腎障害)
薬剤性AKIの原因となる薬は?
・ARC(過大腎排泄)
ARCのリスクが高い患者は?
・CRRT(持続的腎代替療法)
CRRTに関係する薬剤は?
・低カリウム血症,高カリウム血症
血清カリウム濃度と身体所見・症状の関連について
・低ナトリウム血症,高ナトリウム血症
血清ナトリウム濃度と身体所見・症状の関連について
・DNAR(心肺蘇生をしないこと)
DNARとはなにか.終末期医療との違いは?
・CPR(心肺蘇生法)
CPRとは何を指し,どういう手順か?
・LD50
医薬品を含む薬物の致死量として示されるLD50はどのように算出されているか?
・一酸化炭素中毒とCOHb
一酸化炭素中毒およびCOHbを介した中毒症状のメカニズムとは?
・アセトアミノフェンの急性薬物中毒
アセトアミノフェンの中毒症状発現のメカニズムと臨床経過は?
・薬用炭
中毒治療における薬用炭の使い方とは?
・アルカリ化利尿
アルカリ化利尿により排泄が促進される機序や適応となる薬剤は?
・コロイド製剤と凝集・沈殿
透析によって老廃物を除去できるのはなぜ?
・血液透析と血液ろ過透析
血液浄化方法の違いと使い分けは?

■第3部 文献検索・統計用語編

・背景疑問/前景疑問/EBM
臨床で遭遇する疑問はどのように解決する?
・6Sモデル/6Sピラミッド/PubMed
前景疑問解決のための情報をどう検索する?
・真のアウトカム/代用のアウトカム
医療を受けることの本当の目的は?
・観察研究/介入研究
仮説を検証するとはどういうこと?
・前後比較試験/ランダム化比較試験
有効性評価で参照すべきエビデンスは?
・プライマリーエンドポイント/複合エンドポイント
ランダム化比較試験の結果をどう解釈する?
・コホート研究
コホート研究の研究結果をどう解釈する?
・症例対照研究
症例対照研究結果をどう解釈する?
・交絡/交絡因子
それは本当に真の「原因」といえる?
・システマティック・レビュー/メタ分析
複数の研究結果をどう取り扱えばよい?
・リスク比,ハザード比,オッズ比
臨床研究で用いられるそれぞれの効果指標の違いは?
・RRR,ARR,NNT
臨床試験で算出されるこれらの指標の意義は?
・p値・信頼区間
臨床研究の結果の指標となるp値と信頼区間の意味は?
・感度・特異度およびカットオフ値
検査値で診断の信頼性を示すこれらのパラメータはどんな方法で求められるか?
・選択バイアス,交絡バイアス,情報バイアス
臨床研究で発生しうる代表的なバイアスはどのようにして発生するか?
・平均値,中央値,最頻値
得られたデータの中心を表す平均値,中央値,最頻値の違いや使い分けは?
・標準偏差と標準誤差の違い
データのバラつきを示すパラメータである標準偏差と標準誤差の違いと使い分けは?
・エンドポイント
臨床試験においてエンドポイントはどのように設定されるのか?
・t検定とマン・ホイットニーのU検定
2群間の量的変数を検定する方法の違いは?
・χ2検定,フィッシャーの正確確率検定
2つの質的変数に連関があるかどうかを検定する方法の違いは?
2,200円
特集テーマ:ここが変わった! 関節リウマチの治療 -診療GL・治療薬をアップデート!-

<目次>
■特集にあたって(田中 良哉)

■情報のアップデートできてる? あらためて関節リウマチ治療を学び直す
・関節リウマチ治療,いまむかし(竹内 勤)
・端的に理解する! 最新の薬物治療アルゴリズムと薬剤が変更されるとき(川人 豊)

■抗リウマチ薬の使いかた,リウマチ処方箋の目のつけどころ
・もう一度整理する! 従来型合成抗リウマチ薬の作用と薬学管理(宮崎 徹)
・もう一度整理する! 生物学的治療薬,分子標的治療薬の作用と薬学管理(小林 俊介 ほか)
・もう一度整理する! 補助的治療の目的と薬学管理(小林 俊介 ほか)
・副作用・合併症対策! 薬剤師のための検査値の読みかた・活かしかた(田村 直人)
・リフィル処方箋の対象になるリウマチ処方,ならないリウマチ処方(平林 泰彦)
・コラム:ジョイクル ®関節注に安全性速報発出(小嶋 俊久)
・コラム:日本で初めてのMTX注射製剤であるメトジェクト ®皮下注シリンジが承認(亀田 秀人)

■リウマチ患者さんの「困った!」「大丈夫?」に対処する
・「関節が痛い」はすべてリウマチ?(岸本 暢将)
・治療はいつまで続くの? 患者さんに治療目標と治療原則を伝える(平田 信太郎)
・薬は減らせないの? 疾患活動性と希望に応じて減薬を処方医に相談する(久保 智史 ほか)
・薬は減らせないの? 患者さんの経済負担を考慮して処方変更を処方医に相談する(越智 小枝)
・手術はみんな受けるの?(小嶋 俊久)
・挙児希望をもつ男性・女性でもリウマチ治療はできる?(岡本 奈美)
・バイオシミラー(バイオ後続品)は本当に同じ効果?(山崎 聡士)
・手術前後に休薬は必要?(松野 博明)
・痛みやこわばりを軽減する方法は?(住友 秀次)
・リウマチ治療中でもワクチンは打って大丈夫?(中山田 真吾 ほか)
・メトトレキサートを飲み忘れてしまう!(平野 亨)
・禁煙はすべき? 喫煙はなぜよくない?(井畑 淳)
・避けた方がよい生活習慣はある? 運動やリハビリは必要?(松井 利浩)
・口腔ケアと関節リウマチの関係は?(舟久保 ゆう)
・食事で気をつけることはありますか?(松井 利浩)

<シリーズ>

■えびさんぽ
 関節リウマチに対してJAK阻害薬は効果がありますか?
 (青島 周一)

■くすりのかたち外伝 わかる! 使える! まいにち薬会話
 〈第15回〉「血中濃度が上がります」(前編)
 (浅井 考介 柴田 奈央)

■飲み合わせ研究所 子どもの服薬Tips
 〈第03回〉アストミン ®散10%
 (小嶋 純 米子 真記)

■現場で働く薬剤師のための 臨床薬学研究のオモテ・ウラ
 〈第15回〉患者の訴えを研究に導くオモテ・ウラ
 (大井 一弥)

■Gebaita?! 薬剤師の語ログ
 〈第15回〉在宅は…,お好きですか?
 (大西 伸幸)

■腫瘍薬学ハイライト
 胆道がんの薬物治療の進歩
 (川西 正祐)

■薬剤師力の型 新たな思考と行動プランを手に入れろ!
 〈拾伍ノ型〉今の情報だけに惑わされるな!
 (佐脇 久美 佐藤 史織)

■レポート
 薬剤師による地域活動 ─医療過疎地における薬局薬剤師の役割─
 (橋本 貴尚)

<巻頭言>

 「リウマチ」の語源は2,500年前のギリシア語に由来する.罹患関節が全身に「流れる」という意味である.時を経て20世紀後半には,自己反応性リンパ球が全身に「流れ」,多関節炎や呼吸器系などのさまざまな臓器障害を生ずることが解明された.現在,関節リウマチは遷延化する破壊性の関節炎と定義され,多臓器障害を伴う全身性自己免疫疾患(膠原病)に分類される.わが国の関節リウマチ患者数は約83万人で,30〜60代の女性に好発する.関節破壊は発症早期から進行し,変形すると不可逆的であるため,早期の診断と治療開始が最重要課題である.
 関節リウマチの治療は,20世紀にはグルココルチコイドや抗炎症薬を用いた対症療法が中心であった.現在は,免疫異常を抑制して疾患活動性を制御することを目的として抗リウマチ薬を用いる.抗リウマチ薬は,メトトレキサート(MTX)やヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬などの合成抗リウマチ薬,腫瘍壊死因子(TNF)やインターロイキン(IL)-6などを標的とした生物学的抗リウマチ薬に分類される.適切な治療による寛解が治療目標となり,関節の構造的損傷や身体機能障害の進行を抑止できるようになった.
 一方,治療薬の短期・長期的な安全性や経済性,難治症例や臓器障害への対応,寛解後休薬,分子標的薬の使い分け,コロナ禍での医療など,新たな臨床的な課題も表出してきた.抗リウマチ薬の使用開始時には適応や禁忌などを慎重にスクリーニングし,治療中は感染症,悪性腫瘍,心血管障害など安全性に関する定期的なモニタリングが不可欠である.安全性と有効性のバランスを重視した個々の症例に応じた治療戦略の策定,的確な治療薬の選択,随伴症・合併症の内科的な全身管理と対策の重要性がさらにクローズアップされている.
 近年,リウマチの病態形成に関わる標的分子が明らかになり,分子標的薬を用いて効率的に治療ができるようになってきた.このような医療の高度化に伴い,多職種連携がさらに重視されている.リウマチ医療の新時代において,治療薬を正しく理解し,さまざまな問題点や患者に的確に対応できることを目指して,本特集では,第一線の先生方に最新情報をご執筆いただいた.本特集を関節リウマチ医療の実践に役立てていただくとともに,新たな潮流を実感いただければと期待する.

産業医科大学医学部 第1内科学講座 教授
田中良哉
2,200円
特集テーマ:睡眠薬のトリセツ 今すぐ使える不眠治療の処方箋

<目次>
■特集にあたって
 不眠対応・睡眠薬処方におけるさまざまな課題と薬剤師に期待する役割 (三輪 高市)

■「睡眠薬レシピの報連相」をはじめよう (三輪 高市)

■不眠に伴う課題の糸口を薬学的視点から探る
・睡眠薬ポリファーマシーに至る処方カスケードを阻止せよ! (村川 公央)
・病棟でみる不眠とせん妄の負のスパイラルを阻止せよ! (江角 悟)
・OTC睡眠改善薬の長期使用を防止せよ ─睡眠衛生指導と精神科へのアクセス─ (成井 繁)

■睡眠薬の特徴から不眠のイロハを整理する
・作用機序から睡眠に関連するホルモン・神経伝達物質を整理する (中村 友喜)
・作用時間から不眠の4つのタイプを整理する (内山 道子)
・睡眠薬では取り除けない不眠の要因を整理する (椎 崇)

■睡眠薬を選ぶ・使うに役立つ「これだけ!」DI(drug information)
・メラトニン受容体作動薬・オレキシン受容体拮抗薬 (別所 千枝)
・ベンゾジアゼピン受容体作動薬 (祖川 倫太郎)
・睡眠薬以外の不眠に効果のある向精神薬 (岡本 禎晃)

■キホン事例で学ぶ「ファーストチョイス」その理由
・一過性の不眠への頓服希望 (加藤 隆郎 ほか)
・夜間頻尿と不眠 (佐藤 守 ほか)
・認知症患者の不眠 (小路 純央)
・強い不安により続く不眠 (枝廣 暁 ほか)
・夜勤・交替勤務による不眠 (枝廣 暁 ほか)
・せん妄リスクはないが,その対策が必要な不眠 (児玉 英也 ほか)
・せん妄が疑われるときの睡眠確保 (安井 玲子)
・せん妄ハイリスク患者の不眠 (安井 玲子)

■キホン事例で学ぶ「減量・切り替え」その理由
・睡眠薬の切り替え・減量の全般論 (梅田 賢太)
・ベンゾジアゼピン系受容体作動薬減量中に来した不眠への対応 (永井 努)
・十分量の睡眠薬投与でも継続する不眠へのポリファーマシー対策 (村川 公央)
・眠れているが,転倒リスクの高い睡眠薬ポリファーマシーの整理 (江角 悟)
・OTC睡眠改善薬の長期使用からの離脱・切り替え (成井 繁)

■「睡眠薬に頼らない眠り」を目指した睡眠衛生指導のステップ (伊藤 光 ほか)

<シリーズ>

■えびさんぽ
 オレキシン受容体拮抗薬は効果がありますか?
 (青島 周一)

■医薬品適正使用・育薬フラッシュニュース
 ・ボリコナゾール併⽤でルキソリチニブの血中濃度上昇
 ・ビラスチンの⾷事の影響は効果には関係ない?
 (佐藤 宏樹 澤田 康文)

■飲み合わせ研究所子どもの服薬Tips
〈第02回〉メジコン ®散10%
 (小嶋 純 米子 真記)

■現場で働く薬剤師のための臨床薬学研究のオモテ・ウラ
〈第14回〉日常業務を論文化するオモテ・ウラ
(大井 一弥)

■腫瘍薬学ハイライト
 RASを分子標的としたがん治療 ─創薬不可能分子からの脱脚
(川西 正祐)

■くすりのかたち外伝わかる! 使える!まいにち薬会話
〈第14回〉「選択的○○です」(後編)
(浅井 考介 柴田 奈央)

■Gebaita?! 薬剤師の語ログ
〈第14回〉現代薬剤師の飛び道具? …トレーシングレポート
(大森 智史)

■喫茶よりみち薬剤師の知っ得リテラシー
 曖昧な情報と社会と薬剤師〜よりみちを振り返る〜
(井出 和希)

■薬剤師力の型新たな思考と行動プランを手に入れろ!
〈拾肆ノ型〉腎機能は患者の体格や病状を診て判断せよ!
(小林 豊)

<巻頭言>
特集にあたって ―不眠対応・睡眠薬処方におけるさまざまな課題と薬剤師に期待する役割―

 精神的・身体的機能を正常に保つためには,“適切な睡眠”が必要です.“適切な睡眠”を確保するためには,まずは睡眠環境を整えることが重要ですが,それだけでは不十分な場合があります.次の手段として,睡眠薬などによる薬物治療が実施されることがありますが,不眠治療に対する知識不足などによって,睡眠薬の多剤使用(ポリファーマシー)の温床につながるケースもみられています.不眠に最も汎用されているベンゾジアゼピン系睡眠薬の日本での使用量は,米国や英国と比較して極めて多い結果が示されています(国連による調査結果).
ベンゾジアゼピン系睡眠薬使用についての抵抗感は薬剤師にも多くみられますが,闇雲に排他的になるのではなく,しっかりとその性質を理解しながら上手に使っていくことも必要かと思われます.また,新しい睡眠薬のメラトニン受容体作動薬のラメルテオンやオレキシン受容体拮抗薬のスボレキサントやレンボレキサントについても,どのような場面でより有用に使用できるのかを学ぶことで睡眠薬の適正使用につながります.
ポリファーマシーの問題に加え,不適切な睡眠管理や身体・精神状態の変化などにより,せん妄,転倒,精神的な異常行動などのトラブルが誘発されることがあります.どのように対応すればよいのかわからない医療スタッフ・患者・介護者もたくさんおり,睡眠薬の処方に関するアドバイスを薬剤師に求める場面が増えています.そこで,本特集では「睡眠薬のトリセツ」と題し,早期からの不眠への介入,不眠の改善とともに次の課題解決を目的に,本特集企画を立案しました.
 ・睡眠薬ポリファーマシーの解消
 ・睡眠薬による転倒・認知機能低下の予防
 ・入院患者でのせん妄対策
 ・OTC睡眠改善薬の長期服用者への受診勧奨
 本特集では睡眠の薬物治療のエキスパートに睡眠薬の正しい使い方を指南していただきました.これを機に睡眠薬による不眠治療の知識をしっかりと整理しましょう.

鈴鹿医療科学大学薬学部 薬学科 教授
三輪 高市
2,200円
特集テーマ:おくすり比べてみました 知っておきたい!同種・同効薬の使いどこ

<目次>
■特集にあたって(青島 周一)

・糖尿病治療薬(青島 周一)
・GLP-1受容体作動薬(能登  洋)
・痛風治療薬(三星  知)
・抗凝固薬(志賀  剛)
・降圧薬(青島 周一)
・利尿薬(小原  拓)
・抗ヒスタミン薬(有吉 範高)
・吸入気管支拡張薬(宮崎 雅之)
・胃酸分泌抑制薬(伊藤 恭平 ほか)
・下剤(神村 英利)
・抗うつ薬(橋本 保彦)
・統合失調症治療薬(桑原 秀徳)
・アレルギー性鼻炎(花粉症)と副鼻腔炎に効く漢方薬(境  修平)
・婦人科漢方(寺内 公一)
・ドラッグストアで買える解熱鎮痛薬(児島 悠史)

<シリーズ>

■えびさんぽ
 「あの薬」と「この薬」,どっちがよいですか?
(青島 周一)

■飲み合わせ研究所子どもの服薬Tips
〈第01回〉アレグラ ®DS
(小嶋 純 米子 真記)

■医薬品適正使用・育薬フラッシュニュース
 ・緑茶抽出物でロスバスタチンの血中濃度低下
 ・プロトンポンプ阻害薬(PPIs)の長期使用で糖尿病リスクが上昇
(佐藤 宏樹 澤田 康文)

■腫瘍薬学ハイライト
 mRNA医薬:新型コロナワクチンとがん治療ワクチン
(川西 正祐)

■薬剤師力の型 新たな思考と行動プランを手に入れろ!
〈拾参ノ型〉日々鍛錬し,いつ来るとも知れない機会に備えよ!
(成田 綾香)

■Gebaita?! 薬剤師の語ログ
〈第13回〉医薬品の外箱デザインに物申す!
(髙島 英滋)

■くすりのかたち外伝 わかる! 使える!まいにち薬会話
〈第13回〉「選択的○○です」(前編)
(浅井 考介 柴田 奈央)

■喫茶よりみち薬剤師の知っ得リテラシー
〈Scene #13〉新しい技術と私たちの生活 〜「心地よい」導入と薬剤師の役割〜
(井出 和希)

■現場で働く薬剤師のための臨床薬学研究のオモテ・ウラ
〈第13回〉症例研究のオモテ・ウラ
(大井 一弥)

<巻頭言>
特集にあたって

ハンス・クリスチャン・アンデルセン原作の童話,「みにくいアヒルの子」をご存じの方も多いと思います.アヒルの群の中で,ほかのアヒルと異なった姿で生まれた「みにくいアヒル」の成長物語です.物語の詳細は原作を参照いただくとして,ページをめくる前に一つだけ考えていただけたらうれしいです.
―「みにくいアヒルの子」と「ふつうのアヒルの子」は,何が異なっているのでしょう.
真っ先に思い浮かぶのは体の色や体格かもしれません.しかし,目の色や形,くちばしの長さなど,「みにくいアヒルの子」と,「ふつうのアヒルの子」を比較する際に着目すべき視点は,よくよく考えれば無数にあるはずです.なぜ僕たちは,体の色や体格の違いに注目しがちなのでしょうか.
その理由は,僕たちがアヒルの専門家ではないからです(専門家の方がいらしたらすみません).ある二者の比較とは,両者の間に,何らかの関心に基づく視点(観点)をもち込み,その視点を足がかりに差異を見いだしていくプロセスです.しかし,比較する視点は無数に存在しており,どの視点を重視するかは,比較を行う人の「関心」に依存しています.そして,着目する視点への「関心」とは,ある種の専門性にほかなりません.
薬の「あれ」と「これ」を比較する際の視点も無数に存在します.専門知識をもたない一般の方からすれば同じようにみえる薬も,薬剤師にとってみれば,薬理作用,薬物動態,用法・用量,潜在的な有害事象リスク,合併症に対する有効性など,人の生活に直結する「違い」から,ミクロな生物学的・化学的な「違い」まで,多様に論じることができるはずです.そういう意味では,薬の比較を多面的に論じることは,薬剤師としての専門性そのものです.
本特集では,各疾患領域のエキスパートに薬物療法の比較をわかりやすく解説していただきました.薬剤師の臨床業務において,薬を比較する機会は多いはずです.どのような視点に注目して薬を使い分ければよいのか,思い悩んでしまうこともあるでしょう.ぜひ,本特集を活用いただけたら幸いです.

青島 周一
中野病院 薬局
特集テーマ:2022年(ことし)なにあった?

<目次>
■特集にあたって
・2022年を振りかえって(石井 伊都子,大井 一弥,室井 延之,山浦 克典)

■\薬剤師注目!/今年の診療ガイドライン・新薬&新規効能追加
・診療ガイドラインの公開・改訂動向と最新知見の見どころ(青島 周一)

■Catch Up! 診療ガイドライン
・COPD診断と治療のためのガイドライン,改訂!(川山 智隆 ほか)
・統合失調症薬物治療ガイドライン,改訂!(稲田  健)
・抗菌薬TDM臨床実践ガイドライン,改訂!(松元 一明)
・夜尿症診療ガイドライン,改訂!(西﨑 直人 ほか)

■Catch Up! 新薬・新規効能・新剤形
TOPICS
・新薬も登場! 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の今は?(大橋 裕丈)
・心不全に新たなツール! 治療は変わる? 変わらない?(橋本  亨 ほか)
・糖尿病の新規治療薬イメグリミン! その作用とは?(麻生 好正)
・不妊治療・生殖補助医療の保険適用に伴う効能追加が盛んに!(日置 三紀)
・変わりゆくアトピー性皮膚炎治療! 新薬の効果・使いどころは?(加藤 則人)
・乾癬治療の現在とこれから(藤田 英樹)
・片頭痛の急性期治療・予防療法が激変! 新薬はどう活かす?(菊井 祥二 ほか)
・新規作用機序の慢性咳嗽治療薬が登場!(金子  猛)
・悪心・嘔吐への積極的な介入を! 制吐薬の新薬・新効能(比良 大輔 ほか)
新薬・新剤形News
・塗る抗コリン薬?! 多汗症治療のニューフェイス(藤本 智子)
・待望の飲めるプロゲステロン登場!(牧田 和也)
最近の添付文書改訂
・気になる併用禁忌,気をつけたい副作用追加(松村 知洋)

■What’s Up 2022
・スイッチ緊急避妊薬の議論 ―匍匐前進の超スロー,実現は2024年以降か―(玉田 慎二)
・病院薬剤師の人材確保問題と卒後研修 ―全国調査により実情が“みえる化”―(髙塩 健一)

<シリーズ>

■えびさんぽ
 ランドマークスタディで振り返る2022年(青島 周一)

■Gebaita?! 薬剤師の語ログ
 〈第12回〉第7波の新型コロナウイルス陽性患者への対応を振り返る(中嶋 亜紀)

■現場で働く薬剤師のための臨床薬学研究のオモテ・ウラ
 〈第12回〉後ろ向き臨床研究のオモテ・ウラ(大井 一弥)

■薬剤部門管理者・ミドルマネジャーのためのBSC活用入門
 〈最終回〉失敗は成功の基:BSC作成失敗事例から学ぶ(髙橋 淑郎)

■くすりのかたち外伝 わかる!使える!まいにち薬会話
 〈第12回〉「この薬の吸収は〇〇です」皮膚吸収編(浅井 考介 柴田 奈央)

■腫瘍薬学ハイライト
 血液がんに高い治療効果を示すCAR-T細胞療法(川西 正祐)

■医薬品適正使用・育薬フラッシュニュース
 ・薬物乱用頭痛の有病率は2.32%
 ・ドンペリドンやメトクロプラミドで脳卒中リスクが上昇(佐藤 宏樹 澤田 康文)

■喫茶よりみち 薬剤師の知っ得リテラシー
 〈Scene #12〉審査を経ていないプレプリントと社会の関わり ~あの治療薬にまつわる混乱にも影響を及ぼしていた!?~(井出 和希)

■薬剤師力の型 新たな思考と行動プランを手に入れろ!
 〈拾弐ノ型〉過去の治療歴から現在の薬物治療への影響を考えよ!(槇枝 大貴)

<巻頭言>
特集にあたって ―2022年を振りかえって―

■疫学と個別症例の狭間で

私は厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 副反応検討部会に,2020年1月より参加した.丸2年が経つが,2022年9月までの間になんと40回も会議が開かれた.この会議の対象はワクチンに関するすべてであるが,主たる協議内容は新型コロナワクチンの副反応への対応であった.
最初は,報告された副反応とワクチン接種との因果関係決定への困難さ,アナフィラキシーなどの副反応のグレードに対する統一見解の徹底,心筋炎など治験で得られていないシグナルの抽出,英米とのデータの比較など,データの山に戸惑うばかりであった.その過程であらためて疫学の重要性を実感し,また,精度の高い解析結果を得るための情報収集やデータ処理の難しさについても考えさせられた.
今年に入り,重篤な副反応を示した個別症例にも出くわすことがあり,マスデータを扱うマインドと個への対応のギャップの大きさを体感した.宮沢賢治の「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」という考え方に賛同するものの,どこかしらもやもやとし続けている.
一方,社会は活動を取り戻しはじめている.集合型の学会が開催され,週末の駅は外出する人で混雑している.このもやを晴らしてくれるのは,こうした活性化した社会が日常化し,笑顔の人が増えることかもしれない.

石井 伊都子
千葉大学医学部附属病院 教授・薬剤部長


■枠の概念

2020年の冬期,新型コロナウイルス感染症が日本国内に広がり始め,2年半経過した今でも収束していない.この間,本感染症に対する国の対策として緊急事態宣言の発出などがなされてきた.それに伴い,身近なこととして飲み会の機会などが激減しており,何かと破壊的危機に直面している.
さて,大学においても教員と学生とのコミュニケーションのとり方に変化が生じている.現在3年生の学生は,入学以降マスクは必須,会話は控える,食事は黙食,遠隔講義が多用されるなど,コミュニケーションが取りにくい教育環境での学びとなっている.教員の講義卓は,感染防止用のフレームで覆われた枠内で必ず行うことになっている.対面での講義を行いつつも,Zoomなどの非対面という枠内での教育も継続している.われわれとしては,その枠内でパフォーマンスを高めていきたいと強く思っている.その理由は,心身へのデメリットが蓄積されてきているからである.新型コロナウイルス感染症は,現時点で“普通のかぜ”という認識に変化していくのかは不明である.3年目の冬期も間近であるが,枠の方向性がどうなっていくのか,注視していきたいと思っている.

大井 一弥
鈴鹿医療科学大学薬学部 教授・薬学部長


■薬剤師による働き方改革を進めるために

働き方改革,タスク・シフト/シェア,地域医療構想,そして薬剤師の地域偏在への対策は喫緊の課題であり,それらは何一つおろそかにできず互いに密接に関連しあうことから,一体的対応が必要となります.2021年9月30日付で,「現行制度の下で実施可能な範囲におけるタスク・シフト/シェアの推進について(医政発0930第16号)」が発出され,周術期の入院支援,病棟薬剤業務,プロトコールに基づく薬物治療管理(PBPM),服薬指導,医師への処方提案による処方支援など,各施設での新たな業務展開が急速に進んでいくと思われます.
2022年は,薬剤師関連の学会や医学系論文において,ロボットやIoT技術による薬剤師業務の安全性と効率化の向上,新たな業務展開への取り組みに関するものが増えており,薬剤師業務のデジタルトランスフォーメーションはファーストステージに入ったと思います.今後はそのことを,“機械化により便利になった”で終わらせるのではなく,一つひとつのプロセスにおける時間の変化,行動分析により,それを科学的に検証し,システムを構築するためのノウハウを共有することが大切になります.2023年は,さらなる機械化・IoT化のカバー範囲を広げていくことで,対人業務の拡充ならびに医療経済的な観点からの薬剤師業務の次世代化についての議論が深まることを楽しみにしています.

室井 延之
神戸市立医療センター中央市民病院 薬剤部長


■ついにわが国でもリフィル処方箋発行

2020年の改正薬機法施行により,患者フォローアップが義務化され,薬剤師が患者の服薬期間中も薬物治療に責任を負わねばならないことが明確になりました.この延長線上にリフィル処方箋導入の可能性があると思っていましたが,早くも今年の調剤報酬改定から導入されたことは本当に画期的な出来事でした.
実際にリフィル処方箋を応需してみると,患者にはたいへん好評であると感じました.一方薬局では,1・2回目は処方箋の原本を患者に返却せねばならず,コピーでの運用となるため業務がかなり煩雑になります.諸外国と同様,薬局にて原本保管となれば作業がスムーズになりますが,その前提として,すべての薬局が諸外国の薬局と同様に,患者にとってかかりつけの関係であり,他薬局での調剤が想定されない状況が必要と思われます.
最後に重要な点として,リフィル処方箋の2回目以降,薬局では同じ処方薬を調剤するだけでなく,処方医に代わり薬剤師が,患者の体調,副作用の徴候,服薬アドヒアランス,併用薬を確認することが求められ,薬剤師の判断で受診勧奨やトレーシングレポートにより主治医に報告し,その責任を果たす必要があります.これを怠ると,またとない貴重な機会を得たにもかかわらず,薬剤師は信用を失い,二度と責任のある役割を任されることはないでしょう.しっかりと責任を果たし,処方医に対しても必要な報告を実施し,医師側の信頼を獲得してより多くのリフィル処方箋発行につなげてほしいと思います.

山浦 克典
慶應義塾大学 薬学部 教授・附属薬局長
特集:治療継続のための プロブレムがみえる!みつかる! 糖尿病

<目次>

■特集にあたって(石井 均) 

■なぜ継続できない!? 糖尿病治療のリアル―薬剤師にできる継続サポートは?― (武藤 達也)

■プロブレムを見逃さない!糖尿病をもつ人のアセスメントと薬物治療支援のポイント(石井 均)

■目の前の情報からみえる! みつかる! はじめのプロブレム(米良 真理)
・年代・性別・職業
・生活習慣
・併存疾患
・環境要因

■表層的な「#」から,深堀りプロブレムにアプローチ!
# 低血糖リスクが高い(新井 さやか)
# 病識・治療の理解度が低い(新井 さやか)
# シックデイ対応の理解度が低い(秋吉 明子)
# 薬剤の管理やデバイスの取り扱いができない(林 太祐)
# 服薬アドヒアランスが低い(篠原 久仁子)
# 血糖コントロールが悪い(柳瀬 昌樹)
# 食生活を改善できない(神谷 貴樹)
# 生活リズムが不規則(彦坂 麻美)
# 適度な運動ができない(中道 真理子)
# 話を聞いてくれない・答えてくれない患者へのコミュニケーションのコツ(別所 千枝 ほか)

<シリーズ>

■えびさんぽ
 長時間作用型GLP-1受容体作動薬は効果がありますか?
(青島 周一)

■喫茶よりみち 薬剤師の知っ得リテラシー
〈Scene #11〉専門家による審査を受けていない研究成果?~コロナ禍で活用が進んだ「プレプリント」とは~
(井出 和希)

■医薬品適正使用・育薬フラッシュニュース
 ・ポリスチレンスルホン酸Na併用でアミトリプチリンの血中濃度低下
 ・スタチンの忍容性が低い患者の特徴
(佐藤 宏樹 澤田 康文)

■腫瘍薬学ハイライト
 NKT細胞のα-ガラクトシルセラミドによる活性化に基づくがん免疫治療
(川西 正祐)

■Gebaita?! 薬剤師の語ログ
〈第11回〉えーっと,コロナにかかりまして…(感染制御のおはなしです)
(篠田 康孝)

■現場で働く薬剤師のための臨床薬学研究のオモテ・ウラ
〈第11回〉前向き臨床研究のオモテ・ウラ
(大井 一弥)

■くすりのかたち外伝 わかる! 使える!まいにち薬会話
〈第11回〉「この薬の吸収は○○です」経口剤編
(浅井 考介 柴田 奈央)

■薬剤師力の型 新たな思考と行動プランを手に入れろ!
〈拾壱ノ型〉抗がん薬の治療開始基準は,経時的推移をよく確認せよ!
(榊原 辰弥)

■薬剤部門管理者・ミドルマネジャーのためのBSC活用入門
〈第8回〉保険薬局におけるバランスト・スコアカードの活用

<巻頭言>
令和4年度の調剤報酬改定において,「薬剤服用歴管理指導料」に代えて「服薬管理指導料」が新設された.ここでは,新しく「保険薬剤師が必要と認める場合は,患者の薬剤の使用の状況等を継続的かつ的確に把握するとともに,必要な指導等を実施すること」という算定要件が追加されている.この改定から読み解けるのは,必要な治療を患者が継続していくために,薬剤師にも,よりいっそうフォローアップや働きかけのスキルを高め,発揮していってほしいという期待である.
本特集では,患者の日常の管理や治療実行度が,合併症リスクやQOLと健康寿命の維持延伸に大きく影響する疾患である「糖尿病」に焦点をあて,①治療行動(薬物治療に焦点をあてる)に影響する要因にはどのようなものがあるかを知り,②プロブレム(治療継続を妨げる要因)を発見する方法を学び,③行動変容の促進や維持を支援するための本質的な力を磨く方法を伝授する.また,近年,日本糖尿病学会と日本糖尿病協会が中心となって糖尿病についてのスティグマ,偏見,差別除去活動を行っている.そのため,本特集でも糖尿病患者,療養指導,コンプライアンスなどの用語はなるべく使わないようにした(学会,協会ホームページ参照).
薬剤師のみなさまは忙しい業務のなかで,薬の効果,飲み方や副作用などの説明,あるいは残薬確認が中心になり,それ以上の関わりは難しいという日々を送られているのではないかと拝察する.しかし,糖尿病をもつ人にとって,みなさまの一言,ちょっとした声掛けが治療開始や継続のヒントになることもまれではない.実際に,海外の報告によると,本書に示すような介入法(プロブレムへの対処支援法)を行うことによって,行動や治療満足度が向上することが確認されており,最も効果的だったのは,薬剤師による介入であったと報告されている.
糖尿病治療の最終目標は,糖尿病をもつ人が健康な人と変わらないQOLと寿命を確保し,自分らしさを生かせるような生活を送ることにある.そのため,症状はなくとも継続した治療が重要である.本特集を通じて,薬剤師のみなさまが,糖尿病をもつ人の先を見据え,継続的な心身の支援をするためのスキルアップの一助となることを期待する.

石井  均
奈良県立医科大学 医師・患者関係学講座 教授
特集:もうドキドキしない! 薬剤師のための 心電図と不整脈のはなし

<特集>
■特集にあたって(奥村 恭男)

■心臓の生理学と聞くとドキドキが止まらない人のための心拍のはなし
・健康なヒトでも心臓がドキドキするのはなぜ? ~生理的なドキドキを生み出す自律神経系のはなし~(三好 美帆 ほか)
・不整脈になったらどうなる? なにが困る?(若松 雄治)
・ここに注目! チャネルのはたらきと抗不整脈薬(若松 萌実)
・いまさら聞けない心臓のキホン ~心臓の構造と刺激伝導系~(深谷 英平)
・いまさら聞けない自律神経のキホン ~心拍調節編~(江島 浩一郎)

■心臓の声を読み解く! 薬剤師にも役立つ心電図のはなし
・知ってるつもり? 心電図の種類とわかること(木俣 元博 ほか)
・心電図波形の意味から理解する 正常な心電図と異常な心電図(萩原 かな子)
・QT延長ってなんだ? 徐脈ってどうなるの?(網野 真理 ほか)
・Step Up! 心電図 頼られる薬剤師はココを見る(梶原 洋文)
・薬剤師が心肺停止,呼吸停止に出会ったら?(深町 大介)
・不整脈に非薬物治療で立ち向かう! ~カテーテルアブレーション治療,ペースメーカ,植込み型除細動器(ICD)~(中原 志朗)

■もうドキドキしない! 不整脈の薬物治療Q&A(黒川 早矢香)
・不整脈を増悪させないために気をつけたい生活習慣は?
・薬物治療が必要な不整脈って,どんな不整脈?
・β遮断薬の不整脈に対する効果は? 使用時に気をつけたい副作用は?
・ベラパミルは心室頻拍を抑える効果がある?
・腎機能が低下している患者に抗不整脈薬を投与するときの注意点は?
・小児に抗不整脈薬を使用する際の注意点は?
・心房細動に対するワルファリンとDOACの使い分けは?
・不整脈による動悸に抗不安薬が使われるのはなぜ? どういうとき?
・カテーテルアブレーション治療やペースメーカ植込みなどを受けたら,もう薬物治療はやめられる?
・薬剤などの影響による二次性QT延長症候群はどんなときに生じる?
・実際のところ,抗不整脈薬の特徴を示したSicilian GambitやVaughan Williams分類は現場でどのくらい使う?
・「左室機能」とは具体的にどのような評価を基に判断される? また,抗不整脈薬は左室機能にどのように影響する?
・Sicilian Gambitの臨床効果「心外性」の項は臨床上どのように活用すればよい?
・ATPの静注が抗不整脈薬として記載されているが,経口剤でも同様に心臓に影響があるのか?


シリーズ

■えびさんぽ
 リズムコントロールかレートコントロールか,それが問題だ!
 (青島 周一)

■現場で働く薬剤師のための臨床薬学研究のオモテ・ウラ
 〈第10回〉研究枠確保のオモテ・ウラ② ~博士の学位そしてキャリアアップ~
 (大井 一弥)

■くすりのかたち外伝 わかる!使える!まいにち薬会話
 〈第10回〉光シリーズ後編「光にあたりすぎないでください」
 (浅井 考介 柴田 奈央)

■医薬品適正使用・育薬フラッシュニュース
 ・ARBによる発がんリスク
 ・苦味や舌下投与によるアセナピンの服薬中断
 (佐藤 宏樹 澤田 康文)

■Gebaita?! 薬剤師の語ログ
 〈第10回〉14年目の薬剤師が『タスク・シフト/シェアの推進』について考える
 (藤井 宏典)

■薬剤部門管理者・ミドルマネジャーのための BSC活用入門
 〈第7回〉地域の保険薬局との協働における応用
 (須賀 宏之)

■喫茶よりみち 薬剤師の知っ得リテラシー
 〈Scene #10〉そもそも 「情報」 はどのような過程を経て,世の中に出てくるの?~コロナ禍の実例も踏まえて基本を押さえる~
 (井出 和希)

■薬剤師が三ツ星シェフ -業務に活きる!活かせる!経静脈栄養のホントのところ-
 最終回 薬剤師〈三ツ星シェフ〉の活躍がもたらす未来とは?
 (東 敬一朗)

■腫瘍薬学ハイライト
 免疫チェックポイント阻害薬の効果を改善する腸内細菌
 (川西 正祐)

■薬剤師力の型 新たな思考と行動プランを手に入れろ!
 〈拾ノ型〉妊婦の薬物療法は添付文書以外も確認せよ!
 (本間 麻理子)

■レポート
 小笠原諸島・母島での「遠隔服薬指導・小笠原村母島モデル」
 (淺沼 晋)

<巻頭言>
“不整脈は怖い”,こんなイメージありますよね.実際に,不整脈は緊急性が高いことが多いですし,診断も複雑です.ただでさえ不整脈は複雑なのに,薬物動態の理解なんて苦手,またどのように服薬指導したらいいかわからないと感じている薬剤師さんは多いのではないでしょうか.
実際に,最も一般的な不整脈である心房細動では,放置しておくと脳梗塞や心不全,突然死などの原因になる可能性はありますが,適切に薬物治療を行うと予後も悪くありません.しかしながら,日本人では4割弱が無症状,つまり“困っていない患者さん”であり,病識や治療への積極性が乏しい場合もあります.服薬アドヒアランスと予後は密接な関連があることも示されているため,無症状の患者さんに対しても響く服薬指導を行えるよう,各不整脈の予後,病態生理の基本もふまえて臨む必要があります.また,抗不整脈薬は副作用も多いため,基本的な心臓の電気的活動や薬理学的作用を正しく理解する必要があります.
そこで,本特集では,各領域のスペシャリストの先生に,心電図の基本や不整脈の機序,薬物治療の効果,副作用をわかりやすく解説してもらいました.本特集が,薬剤師の方々の苦手意識を少しでも改善させるツールとして,お役に立てればと願っております.

日本大学医学部 内科学系循環器内科学分野 主任教授
奥村 恭男
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