目次
特集テーマ:つなぐ緩和ケア -外来からはじまる切れ目ない連携に向けて-
<特集の目次>
■特集にあたって(山田 正実)
■緩和ケア薬 これだけ!─選び方・使い方・伝え方
・押さえておきたい主な緩和ケア薬(鍛治園 誠)
・緩和ケアで使用するさまざまな薬(鍛治園 誠)
■外来フェーズ:緩和ケアの出発点から“支援の流れと土台”を整える
Basic編
・オピオイド鎮痛薬の導入を支援する(山本 泰大)
・オピオイド鎮痛薬の副作用に備える(山本 泰大)
・患者本人・家族に医療用麻薬について説明する(山本 泰大)
Advanced編
・オピオイド鎮痛薬導入後の経過をフォローアップする(山田 正実)
・医師の診察前に患者と面談するシステムを構築する(山田 正実)
・診察前面談により抽出した情報を共有し,処方を提案する(山田 正実)
・外来診療の場に同席して患者をサポートする(大野 凜太郎)
・レーシングレポートを通じて処方提案する(山本 泰大)
■入院フェーズ:緩和ケアの転換点で“支援のかたち”を整える
Basic編
・入院という転換点で支援を組み直す(壁谷 めぐみ)
・経口投与できなくなった患者に強オピオイド注射を使う(壁谷 めぐみ)
・退院時カンファレンスでは「伝わる」情報を届ける(壁谷 めぐみ)
Advanced編
・外来では拾いきれない“患者の苦痛”を確認・評価する(岡本 明大)
・難渋する疼痛と向き合い,コントロールする(川名 真理子)
■在宅フェーズ:暮らしにつながる緩和ケアの着地点を整える
Basic編
・シームレスな在宅療養への移行に向けた準備(村井 扶)
・初回在宅訪問時に確認すべきこと,やるべきこと(村井 扶)
Advanced編
・終末期の変わりゆく状態の変化に対応する(村井 扶)
・アドバンス・ケア・プランニングと看取りを前にした患者・家族への対応(村井 扶)
<シリーズ>
■えびさんぽ
緩和ケアを行うことで,症状や生活の質は改善しますか?
(青島 周一)
■医薬品適正使用・育薬フラッシュニュース
・日本で誤嚥性肺炎の報告の多い抗コリン薬
・‌米国で患者へのメッセージ送信はアドヒアランス改善に効果がない
(佐藤 宏樹 澤田 康文)
■薬剤師40年目の独り言
他人と過去は変えられない,自分と未来は変えられる,というが…
(鎧のない薬剤師)
■飲み合わせ研究所 子どもの服薬Tips
〈第36回〉セネガシロップ
(小嶋 純 米子 真記)
■薬剤師力の型 新たな思考と行動プランを手に入れろ!
〈肆拾捌ノ型〉発作の発症様式,患者背景を考慮し,抗発作薬を選択せよ!
(鈴木 俊一郎)
■ぐっとよくなる! 漢方処方 快訣ビフォーアフター
〈第24回〉病名のつかない身体の不調をどう捉えるか 「陰陽五臓」の概念を活用して現代医学のジレンマをのりこえる
(津田 篤太郎)
■薬剤師の1,2,3,4!(ヒフみよ) 大井教授の皮膚×くすり講座
12限目 薬剤性光線過敏症と貼付剤
(大井 一弥)
■がん研有明病院薬剤部のABCセミナーの楽屋話
・婦人科がんの薬物療法
・がんと栄養
(木村 俊哉 北村 葵)
■Gebaita?! 薬剤師の語ログ
〈第48回〉「あなたが来てくれるのが楽しみ」
(中嶋 亜紀)
■タイパUP!誰も教えてくれなかった臨床業務の段取りお手本ファイル
〈File 9〉回復期病棟におけるポリファーマシー対策
(篠永 浩)
<巻頭言>
2024年度診療報酬改定において,新たに「がん薬物療法体制充実加算」が創設された.これは,外来化学療法を受ける患者に対して,医師の診察前に薬剤師が服薬状況や副作用の発現状況を確認・評価し,医師への情報提供や処方提案を行うことで,月1回に限り100点が算定可能となるものである.いわば,「薬剤師外来」の先行的な取り組みに診療報酬が追いついたかたちである.この点数が新設される以前から,外来化学療法を実施する病院の約6割がすでに同様の取り組みを行っていた.治療効果の最大化と患者の不安の軽減を目的とした先駆的な活動が,制度的に評価されるようになった意義は大きい.
しかし一方で,「がん薬物療法」に特化した評価であることには注目すべきである.がんと診断された時点からの緩和ケアの充実は,2012年の『がん対策推進基本計画』において閣議決定されているにもかかわらず,緩和ケア全般に対する薬剤師の関与には,いまだ直接的な診療報酬が存在しないのが現状である.では,なぜ「外来緩和ケア」には言及されていないのだろうか.おそらく,2020年度診療報酬改定で新設された連携充実加算の流れを受け,外来化学療法における情報提供や地域保険薬局との連携といった構造的整備への評価がなされた結果であろう.とはいえ,診療報酬が先にあるのではなく,日々の実践の積み重ねがやがて制度に反映されるという視点をもち続けることが,これからの薬剤師の専門性の発展に欠かせない.
今回の特集では,がん疼痛と診断され,オピオイド鎮痛薬を開始してから看取りまで,がん患者に薬剤師がどのように関与できるかにフォーカスをあてて紹介する.それぞれの患者背景や施設・地域医療体制に応じた支援のあり方を通して,薬剤師の関わり方の多様性と可能性を浮き彫りにしていく.
緩和薬物療法は,ガイドラインが存在しても一筋縄ではいかない,まさに個別対応の連続である.だからこそ,薬剤師のアセスメント力や提案力,そして患者の力を引き出すペイシェントエンパワーメントが重要となる.今後ますます薬剤師のマンパワーが限られるなかで,いかにして緩和ケアに薬剤師が主体的に関与できる体制を築いていくか.そして,そのなかでどのように専門性を発揮し,患者と医療チームに貢献していくのか.本特集が,そのヒントとなることを願ってやまない.
大阪府済生会野江病院 薬剤科 係長
山田 正実
<特集の目次>
■特集にあたって(山田 正実)
■緩和ケア薬 これだけ!─選び方・使い方・伝え方
・押さえておきたい主な緩和ケア薬(鍛治園 誠)
・緩和ケアで使用するさまざまな薬(鍛治園 誠)
■外来フェーズ:緩和ケアの出発点から“支援の流れと土台”を整える
Basic編
・オピオイド鎮痛薬の導入を支援する(山本 泰大)
・オピオイド鎮痛薬の副作用に備える(山本 泰大)
・患者本人・家族に医療用麻薬について説明する(山本 泰大)
Advanced編
・オピオイド鎮痛薬導入後の経過をフォローアップする(山田 正実)
・医師の診察前に患者と面談するシステムを構築する(山田 正実)
・診察前面談により抽出した情報を共有し,処方を提案する(山田 正実)
・外来診療の場に同席して患者をサポートする(大野 凜太郎)
・レーシングレポートを通じて処方提案する(山本 泰大)
■入院フェーズ:緩和ケアの転換点で“支援のかたち”を整える
Basic編
・入院という転換点で支援を組み直す(壁谷 めぐみ)
・経口投与できなくなった患者に強オピオイド注射を使う(壁谷 めぐみ)
・退院時カンファレンスでは「伝わる」情報を届ける(壁谷 めぐみ)
Advanced編
・外来では拾いきれない“患者の苦痛”を確認・評価する(岡本 明大)
・難渋する疼痛と向き合い,コントロールする(川名 真理子)
■在宅フェーズ:暮らしにつながる緩和ケアの着地点を整える
Basic編
・シームレスな在宅療養への移行に向けた準備(村井 扶)
・初回在宅訪問時に確認すべきこと,やるべきこと(村井 扶)
Advanced編
・終末期の変わりゆく状態の変化に対応する(村井 扶)
・アドバンス・ケア・プランニングと看取りを前にした患者・家族への対応(村井 扶)
<シリーズ>
■えびさんぽ
緩和ケアを行うことで,症状や生活の質は改善しますか?
(青島 周一)
■医薬品適正使用・育薬フラッシュニュース
・日本で誤嚥性肺炎の報告の多い抗コリン薬
・‌米国で患者へのメッセージ送信はアドヒアランス改善に効果がない
(佐藤 宏樹 澤田 康文)
■薬剤師40年目の独り言
他人と過去は変えられない,自分と未来は変えられる,というが…
(鎧のない薬剤師)
■飲み合わせ研究所 子どもの服薬Tips
〈第36回〉セネガシロップ
(小嶋 純 米子 真記)
■薬剤師力の型 新たな思考と行動プランを手に入れろ!
〈肆拾捌ノ型〉発作の発症様式,患者背景を考慮し,抗発作薬を選択せよ!
(鈴木 俊一郎)
■ぐっとよくなる! 漢方処方 快訣ビフォーアフター
〈第24回〉病名のつかない身体の不調をどう捉えるか 「陰陽五臓」の概念を活用して現代医学のジレンマをのりこえる
(津田 篤太郎)
■薬剤師の1,2,3,4!(ヒフみよ) 大井教授の皮膚×くすり講座
12限目 薬剤性光線過敏症と貼付剤
(大井 一弥)
■がん研有明病院薬剤部のABCセミナーの楽屋話
・婦人科がんの薬物療法
・がんと栄養
(木村 俊哉 北村 葵)
■Gebaita?! 薬剤師の語ログ
〈第48回〉「あなたが来てくれるのが楽しみ」
(中嶋 亜紀)
■タイパUP!誰も教えてくれなかった臨床業務の段取りお手本ファイル
〈File 9〉回復期病棟におけるポリファーマシー対策
(篠永 浩)
<巻頭言>
2024年度診療報酬改定において,新たに「がん薬物療法体制充実加算」が創設された.これは,外来化学療法を受ける患者に対して,医師の診察前に薬剤師が服薬状況や副作用の発現状況を確認・評価し,医師への情報提供や処方提案を行うことで,月1回に限り100点が算定可能となるものである.いわば,「薬剤師外来」の先行的な取り組みに診療報酬が追いついたかたちである.この点数が新設される以前から,外来化学療法を実施する病院の約6割がすでに同様の取り組みを行っていた.治療効果の最大化と患者の不安の軽減を目的とした先駆的な活動が,制度的に評価されるようになった意義は大きい.
しかし一方で,「がん薬物療法」に特化した評価であることには注目すべきである.がんと診断された時点からの緩和ケアの充実は,2012年の『がん対策推進基本計画』において閣議決定されているにもかかわらず,緩和ケア全般に対する薬剤師の関与には,いまだ直接的な診療報酬が存在しないのが現状である.では,なぜ「外来緩和ケア」には言及されていないのだろうか.おそらく,2020年度診療報酬改定で新設された連携充実加算の流れを受け,外来化学療法における情報提供や地域保険薬局との連携といった構造的整備への評価がなされた結果であろう.とはいえ,診療報酬が先にあるのではなく,日々の実践の積み重ねがやがて制度に反映されるという視点をもち続けることが,これからの薬剤師の専門性の発展に欠かせない.
今回の特集では,がん疼痛と診断され,オピオイド鎮痛薬を開始してから看取りまで,がん患者に薬剤師がどのように関与できるかにフォーカスをあてて紹介する.それぞれの患者背景や施設・地域医療体制に応じた支援のあり方を通して,薬剤師の関わり方の多様性と可能性を浮き彫りにしていく.
緩和薬物療法は,ガイドラインが存在しても一筋縄ではいかない,まさに個別対応の連続である.だからこそ,薬剤師のアセスメント力や提案力,そして患者の力を引き出すペイシェントエンパワーメントが重要となる.今後ますます薬剤師のマンパワーが限られるなかで,いかにして緩和ケアに薬剤師が主体的に関与できる体制を築いていくか.そして,そのなかでどのように専門性を発揮し,患者と医療チームに貢献していくのか.本特集が,そのヒントとなることを願ってやまない.
大阪府済生会野江病院 薬剤科 係長
山田 正実
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