薬局 2025年11月号 (発売日2025年11月05日) 表紙
  • 雑誌:薬局
  • 出版社:南山堂
  • 発行間隔:月刊
  • 発売日:毎月5日
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薬局 2025年11月号 (発売日2025年11月05日)

南山堂
特集テーマ:報酬が語る。「薬剤師のしごと」 -しくみを知るとみえてくる“評価される業務”の道しるべ-

<特集の目次>

■特集にあたって①
 調剤報酬を「しくみ・制度の視点」から考える (山本 信...

薬局 2025年11月号 (発売日2025年11月05日)

南山堂
特集テーマ:報酬が語る。「薬剤師のしごと」 -しくみを知るとみえてくる“評価される業務”の道しるべ-

<特集の目次>

■特集にあたって①
 調剤報酬を「しくみ・制度の視点」から考える (山本 信...

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目次

特集テーマ:報酬が語る。「薬剤師のしごと」 -しくみを知るとみえてくる“評価される業務”の道しるべ-

<特集の目次>

■特集にあたって①
 調剤報酬を「しくみ・制度の視点」から考える (山本 信夫)
■特集にあたって②
 診療報酬制度から考える薬剤師の役割 (武田 泰生)

■報酬が語る。「評価される業務とは?」
 ・医療提供体制を設計・整備する立場から地域の医療提供体制,そして医薬品提供体制を担う薬剤師,薬局 (中 雄一郎)
 ・地域医療を支える薬剤師職能の確立をめざす立場から (豊見 敦)
 ・チーム医療のなかでの薬物治療の専門的立場から (川上 純一)
 ・調剤報酬制度,未来への提言 (田中 義寛 ほか)
 ・ドラッグストアおよびそこで働く薬剤師の「評価される業務」とは (関口 周吉)

■報酬が映す。「制度のしくみと薬剤師の立ち位置」
 ・診療報酬・調剤報酬制度のしくみと薬剤師業務の評価軸 (中山 智紀)
 ・病院薬剤師業務の診療報酬制度での位置づけと評価の現状 (武田 泰生)

■報酬が描く。「これからの薬剤師業務とは?」
 ・2026年度改定は中小病院評価が焦点-前回の大改定からは小幅と予想 (村嶋 哲)
 ・回復期病棟における薬剤師の役割と診療報酬上の課題 (藤原 久登)
 ・病院薬剤師の余力からみたタスク・シフト/シェアの実施 (外山 聡)
 ・薬剤レビュー-最適な薬物療法を支える次世代業務の位置づけ (飯島 裕也)
 ・調剤の外部委託-薬剤師業務の真価はどこで問われるか (狭間 研至)
 ・電子処方箋・オンライン服薬指導-医療DXのなかで進化する業務スタイル (石井 僚)
 ・調剤後のフォローアップ-対人業務強化のカギとなる継続支援 (徳吉 淳一)

■報酬に問う。「薬局のカタチ」
 ・調剤チェーン,ドラッグストア,中小独立店の行方-2026年度改定の注目「300店超」減額と「敷地内薬局」深堀りと…… (玉田 慎二)
 ・コラム:賃上げにつながる「薬剤師の価値」の育て方 (狭間 研至) 

<シリーズ>

■えびさんぽ
金銭的なインセンティブで健康状態は改善しますか?
(青島 周一)

■医薬品適正使用・育薬フラッシュニュース
・乾癬の生物学的製剤での真菌感染症リスクの違い
・BZ薬の漸減を伝えないほうが中止の成功率が高い
(佐藤 宏樹 澤田 康文)

■薬剤師40年目の独り言
専従,専任に囚われていると二刀流薬剤師は育たない
(鎧のない薬剤師)

■飲み合わせ研究所 子どもの服薬Tips
〈第35回〉ツムラ補中益気湯エキス顆粒(医療用)
(小嶋  純 米子 真記)

■薬剤師力の型 新たな思考と行動プランを手に入れろ!
〈肆拾漆ノ型〉個別性を深く識る!AYAがん患者の全体像を捉える薬学的視点
(小室 雅人)

■ぐっとよくなる! 漢方処方快訣(かい けつ)ビフォーアフター
〈第23回〉胃腸虚弱の治療を再考する 「温める・補う」ではなく「調える」
(津田 篤太郎)

■薬剤師の1,2,3,4!(ヒフみよ) 大井教授の皮膚×くすり講座
11時限目 貼付剤の貼付により生じる皮膚の問題と対策
(大井 一弥)

■がん研有明病院薬剤部のABCセミナーの楽屋話
・頭頚部がんの薬物療法
・がん治療における医薬品情報
(鈴木  亘 古谷 良太)

■Gebaita?! 薬剤師の語(カタ)ログ
〈第47回〉薬局で幽霊を見た
(髙島 英滋)

■タイパUP!誰も教えてくれなかった臨床業務の段取りお手本ファイル
〈File 08〉添付文書の「使用上の注意改訂」情報の収集~提供と患者適用
(佐村  優)

レポート

■がん治療薬学生エキスパート認定制度
(松尾 宏一)

<巻頭言1>

調剤報酬を「しくみ・制度の視点」から考える

 調剤報酬を点数の視点ではなく,「しくみ・制度の視点から考えてみる」という企画を練っているが,何か思うところを書いてほしい,とお声がけいただいた.これまで長い間,日本薬剤師会の社会保険担当という立場をいただいていて,その後も診療報酬や保険制度と関わる機会に恵まれたため,こうしたお誘いがあったのだろうと受け止めているが,「現役を引退した者が何を」とご指摘を受けることも覚悟のうえで,存念を述べさせていただくことにご容赦いただきたい.
 これまで幾度となく各地域にお邪魔をして,診療報酬改定のたびに調剤報酬や社会保障制度について話をする機会をいただいた.また,本誌をはじめとして,折に触れて社会保障制度,とりわけ医療保険や診療報酬に関する寄稿をさせていただく機会にも恵まれた.ただそのたびに,聴き手や読者の方々と自身との間に微妙な違和感があるように感じていたのだが,それが互いの求めるものの違いだと気づくのにあまり時間はかからなかった.
 報酬改定の説明会に集まる多くの方々が求めているのは,点数算定に関する解釈であり,「いかにその点数が算定できるのか」という点に関心が集まる.この傾向は,説明会や研修会,誌面でも同様であるように思える.したがって,現場の感覚では,手っ取り早く留意事項通知から読み始めて点数の解釈に進み,その後で点数本体,さらにしくみにたどり着く.
 一方,説明する側としては,まず制度のねらいから説明を始めるため,そのタイムラグが双方の不協和音のように感じられていたのかもしれない.しかし,70年も前から国民皆保険のもとで,今流行りの言葉でいえば「UHC(universal health coverage)」が完備されたわが国では,医療を受けるほぼ全数が保険診療で給付されている実態を考えれば,そうした考え方になってしまうことも仕方ないことかもしれない.
 とはいえ,近年ますますこうした傾向が強まっていて,本質的な薬剤師業務そのものでさえも保険調剤という視点で論ずる傾向には,一抹の不安を覚えざるを得ない.曰く「こんなに一所懸命に患者さんに薬剤師として取り組んでいるのに,報酬上の評価がされない」といった話を聞くことがある.同じ薬剤師の情においては,理解できなくもないが,保険制度やしくみの原則とそれに立脚する点数上の評価は,必ずしも医療従事者が提供したすべての行為を報酬対象としていないということも理解しておかなくてはならない.
 一方,医療技術の発展や新薬の登場,あるいは超高齢社会の到来によって,薬剤師の業務も,薬剤師の単独業務から医師をはじめ他の医療職との適切な連携体制のもとで進められることが求められている.そうした際に忘れてはならないことは,「多職種がそれぞれの役割を認めつつ,相互に連携しあう」ことにあろう.徒に,他の専門職(profession)の職分に「土足で踏み込む」ようなことをしては,連携など望むべくもない.ましてそれが職分を越えて,「そのprofessionのもつ根源的な部分」にまで言い及ぶのは,筆者は好きではない.
 医科・歯科・調剤とそれぞれの報酬体系が明確に分離されて規定されていることは,医薬分業そのものを表していると言っても過言ではない.確かに調剤報酬点数の解釈は重要な問題ではあるが,同時に医療に携わる者の心構えとして,「点数」という狭い範囲にとらわれることなく,制度全体を体系的に俯瞰し,報酬全体のもつ,「意味やめざすところ」を理解する姿勢を忘れてはならない.

山本 信夫
日本薬剤師会 顧問

<巻頭言2>

診療報酬制度から考える薬剤師の役割

 医療がますます高度化・多様化するなかで,薬剤師の役割は大きく広がっています.今や薬剤師は,単なる調剤にとどまらず,薬物療法の最適化,チーム医療への参画,地域との連携,そして患者さんの生活の質(QOL)を高める支援まで,幅広く医療に貢献しています.
 特に病院や診療所では,高度急性期から回復期,在宅への移行,さらには慢性期医療に至るまで,それぞれの医療機能に応じた薬学的支援が求められます.例えば,高度急性期や急性期では迅速かつ専門的な薬物治療管理が不可欠であり,一方,慢性期では服薬の継続支援や副作用のチェックなど,患者さんの生活に寄り添う役割が重要になります.患者の状態に応じた適切な薬学的介入を地域全体でシームレスにつなぐことが,医療の質と安全性を支える柱となります.
 しかし現状では,これらの専門的業務の多くは,診療報酬制度において十分に評価されているとは言い難く,評価されていない業務は「見えない貢献」として埋もれがちです.そのため,薬剤師の真の価値が社会に正しく伝わっていないように思います.薬剤師の活動が医療にどう貢献しているのかを,診療報酬制度にきちんと反映することが,職能の社会的認知につながるのではないでしょうか.
 日本病院薬剤師会では2026年度診療報酬改定を見据え,病棟薬剤業務のさらなる評価,薬剤師外来の制度的位置づけ,薬薬連携の強化,そして在宅医療の展開のなかで薬剤師の役割拡充を求めていく予定です.これらは単なる報酬の増減ではなく,医療提供体制の質的向上と持続可能性を左右する重要な制度設計の一環といえるでしょう.
 本特集では,診療報酬制度の内外にある薬剤師業務の価値を多角的に捉え,「何が評価されるべき業務なのか」を報酬という視点からあらためて考える機会となります.現場の薬剤師の声と,制度設計に関わる方々の意見が交わることで,薬剤師職能の未来像がより鮮明に描かれることを期待しています.

武田 泰生
日本病院薬剤師会 会長

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