薬局 発売日・バックナンバー

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2,200円
特集:統合失調症 -抗精神病薬を活用するための基礎と実践

≪特集の目次≫

■特集にあたって(石郷岡 純)
■抗精神病薬の「基礎」を徹底理解
・抗精神病薬開発の歴史的変遷と今後の展望(村崎 光邦)
・抗精神病薬の精神薬理学:最新の知見に基づく主作用・副作用発現機序の理解―受容体結合プロフィールを通して―(宮田 久嗣 ほか)
・抗精神病薬の薬物動態学:剤形や肝・腎臓器障害も加味した体内動態特性の理解(肥田 裕丈 ほか)
・抗精神病薬の薬力学的・薬物動態学的相互作用(吉尾 隆)
■統合失調症の各ステージにおける薬物治療戦略!抗精神病薬の選び方と使い方のポイント
・急性期統合失調症(松井 佑樹 ほか)
・慢性期・維持期統合失調症(嶽北 佳輝 ほか)
・治療抵抗性統合失調症(榎本 哲郎)
■抗精神病薬処方変更の勘所!いつ・どの患者で・どうするか?!
・抗精神病薬の増量(佐藤 創一郎)
・抗精神病薬のスイッチング(宮田 量治)
・抗精神病薬の減量・中止(単剤化)(小澤 千紗 ほか)
■抗精神病薬で副作用発現!統合失調症と副作用それぞれにいかに対応するか!
・錐体外路症状(山本 暢朋 ほか)
・悪性症候群(大坪 天平)
・高プロラクチン血症(押淵 英弘)
・代謝性合併症(高柳 陽一郎)
・心電図異常(有波 浩 ほか)
・無顆粒球症(村尾 朋彦 ほか)
■統合失調症治療における「抗精神病薬以外」の薬剤の考え方と使い方
・ベンゾジアゼピン類(原田 大輔 ほか)
・気分安定化薬(渡邉 博幸)
・抗うつ薬(寺尾 岳 ほか)
■統合失調症薬物治療における患者教育の重要性と実践ポイント(高橋 結花)

≪シリーズ≫

■子どもの皮膚トラブル -薬局・薬店でのアドバイスのコツ-
(山本 一哉)
■「治療」「薬局」合同連載 ポリファーマシー “処方整理力”を鍛える! 第7回
記憶がよくなる薬?
(矢吹 拓)
■医療従事者のギモンや困ったに答える! トラブルに巻き込まれない著作権のキホン
(服部 誠)
■医療マンダラ ~思考と感性のセンスを磨く~
学究生活における研究テーマとの出会い
~生物の特性である「生体リズム」と薬物の投与タイミングについて考える~
(中野 重行)

≪Report≫

■精神領域での薬剤師の専門性を向上させ精神薬学の進歩発展を図る日本精神薬学会が発足
(佐藤 康一)

≪巻頭言≫

 初の抗精神病薬であるクロルプロマジンが世に出てから60年余が経過した.精神薬理学という学問が確立したのも,抗精神病薬が出現したことが大きな原動力となっている.それほど,抗精神病薬は精神医療に極めて大きな影響力を与えてきた重要な薬剤である.抗精神病薬の歴史では,薬理学的にはドパミンD2受容体遮断作用の発見,治療学的には非定型化という重大なエポックを経て進展してきた.21世紀を迎えて次のブレークスルーはまだ起きていないものの,すでに膨大な知見が集積されてきている.
 昨年,日本神経精神薬理学会は『統合失調症薬物治療ガイドライン』を公表し,統合失調症の各ステージの主要なクリニカルクエスチョンに対して,エビデンスに基づく推奨を掲げている.これも,今日まで蓄積されたエビデンスが多数手に入れられるような時代になったからであり,今後はこうしたガイドラインを参考にしながら治療選択が考えられていくであろう.しかしながら,記載の多くは抗精神病薬に関するものであるものの,ガイドラインではその選択が中心であり,決して治療実践のマニュアルではないのである.また,ガイドラインの記述は平均的な患者像に対する標準的な内容となるので,これをもとに実際の患者に対して薬物療法を行うには,個別性を考慮しながら最も適切な治療となるように,周辺の診療技術を支える知識も多く必要であり,それなくしてはガイドラインも生かされないのである.
 本特集では,ガイドラインを適切に使用していくために必要な事項が網羅されている.まず,基本的知識として抗精神病薬の歴史や薬物としての特性が解説されるが,こうした知識の裏付けが診療を豊かなものにするためには欠かせない.次に各ステージの治療戦略が述べられるが,ガイドラインではカバーしきれなかった臨床疑問も現実の治療場面では数多くあるので,大局観が重要である.引き続き,現実の診療に即した「臨床の知恵」に関する解説も述べられ,これで初めて理論と実践が一体のものとなろう.最後に,薬剤の利点を最大限に引き出すための技術として心理教育にも触れられるが,薬物は物質としての特性も重要であるが,その提供のあり方次第で効果が大きく変化するので,これも重要な項目である.ガイドラインと本特集が相互補完的にセットとなって診療の現場で生かされていくことを切に望む.

石郷岡 純
CNS薬理研究所 主幹
2,200円
特集:前立腺癌 -がん・合併症・有害事象での薬物治療戦略を総まとめ-

≪特集の目次≫

■特集にあたって(鈴木 啓悦)
■前立腺癌の実態と治療の変遷
・前立腺癌の疫学・診断・予後(今本 敬 ほか)
・ステージ別の前立腺癌の治療体系(赤倉 功一郎)
■各ステージにおける薬物治療戦略:コンセンサスとコントラバーシー
・限局性・局所進行前立腺癌(酒井 英樹)
・転移性前立腺癌(神谷 直人 ほか)
・去勢抵抗性前立腺癌(松本 洋明 ほか)
■新たに登場した医薬品のノウハウとピットフォール
・デガレリクス(鈴木 和浩)
・アビラテロン(萩原 正博 ほか)
・エンザルタミド(井川 掌)
・カバジタキセル(大家 基嗣 ほか)
・塩化ラジウム(223Ra)(伊藤 真由子 ほか)
■前立腺癌患者の骨病変と痛みへのアプローチ
・前立腺癌骨転移巣の薬効評価(溝上 敦 ほか)
・前立腺癌有痛性骨転移患者の疼痛緩和におけるオピオイドの匙加減(島田 麻美 ほか)
・前立腺癌骨病変への対応策(高橋 俊二)
■前立腺癌における感染症対策と対応
・前立腺生検後感染(出口 隆)
・外科的手術後感染(田中 一志)
・カテーテル関連尿路感染(清田 浩)
・化学療法による重症感染症(中西 裕佳子 ほか)
■前立腺癌治療により生じた症状への対応
・ホットフラッシュ(青木 裕章 ほか)
・性機能障害(新井 学 ほか)
・排尿障害(道面 尚久 ほか)
■前立腺癌薬物治療における薬学的管理のポイント(吾妻 慧一 ほか)

≪シリーズ≫

■子どもの皮膚トラブル -薬局・薬店でのアドバイスのコツ-
(山本 一哉)
■「治療」「薬局」合同連載 ポリファーマシー “処方整理力”を鍛える! 第7回
血液サラサラって何かいいよね?
(矢吹 拓)
■医療従事者のギモンや困ったに答える! トラブルに巻き込まれない著作権のキホン
(服部 誠)
■医療マンダラ ~思考と感性のセンスを磨く~
医療におけるインフォームドコンセントのあり方 ~医療教育の実習の中に「治験のインフォームドコンセント」を組み込む試みが誕生した物語~
(中野 重行)

≪Report≫

■科学的根拠に基づくレスベラトロールの評価と展望
(赤穗 榮一)

≪巻頭言≫

 わが国における急速な高齢化もあり,前立腺癌罹患数の増加は顕著である.国立がん研究センターの予測では,2015年に前立腺癌罹患数は約10万人で男性の悪性腫瘍の第1位となったとされており,今後の社会的対策が急務である.欧米ではもともと前立腺癌の罹患数が多く,薬物治療を含めて新規治療法の開発も盛んに行われている.
 前立腺自体は,骨盤の奥に位置する小さな臓器であるが,排尿・性機能に関与することから,癌治療によって生活の質の低下が引き起こされやすい特徴をもっている.最近では,手術におけるロボット支援手術の導入,放射線治療における小線源治療・強度変調放射線療法・粒子線治療など先端的な技術革新が進められている.薬物療法に関しても,後のノーベル賞受賞者であるシカゴ大学のHuggins博士が1940年代にホルモン療法の原理を発見した当時から,ホルモン療法の基本的な概念は変わっていないものの,徐放性LH―RH製剤の開発に始まり,多くの薬剤が開発されていた.しかし,前立腺癌治療の最大の障害の一つは,ホルモン療法が効かなくなることであり,こういった状態を「去勢抵抗性前立腺癌」と定義している.2014年に,去勢抵抗性前立腺癌を適応としたより強力なホルモン作用を有する,新規アンドロゲン―アンドロゲン受容体系作用薬である,アビラテロン・エンザルタミドの2剤が発売となった.また,これまでのドセタキセルに続いて,新規タキサン系抗がん薬・カバジタキセルも2014年に発売され,去勢抵抗性前立腺癌の治療体系には大きなパラダイムシフトが起きた.さらには前立腺癌の特徴の一つでもある骨転移に対する薬剤も複数開発され,2016年3月には新たな放射性医薬品ラジウム223が承認された.
 新たな技術や薬剤の開発は,患者に大きな福音をもたらすものの,それぞれの患者に最適な,いわゆるオーダーメイド医療の実現までには至っていない.しかし今後,新たなバイオマーカーや次世代シークエンサーなどの開発などにより,より個別化した癌治療の時代へ移行すると考えられる.また,新規薬剤の中には,強力な作用の反面,有害事象にも注意が必要なものも存在する.各治療法のエビデンスや特徴をよく理解して,最適な治療を心がけていくことが重要である.さらに,前立腺癌のみならず今後の癌治療の方向性として,多職種で一人の患者さんへ携わるチーム医療,また進行癌を中心に複数の治療を適切に組み合わせた集学的治療の重要性が挙げられる.
 そこで今回,本特集では前立腺癌に関して薬物治療を中心に広くスポットを当て,わが国を代表するエキスパートの先生方に網羅的にご解説いただいている.読者のみなさまの日常業務にお役に立てば幸いである.

鈴木 啓悦
東邦大学医療センター佐倉病院 泌尿器科 教授
2,200円
特集:スタチン -明らかにされた有益性とその限界を実地臨床に活かす-

≪特集の目次≫

■特集にあたって(荒井 秀典)
■まずはしっかり押さえておきたいスタチンの基礎知識
・スタチンの誕生 ─世の中の役に立つ科学者を目指して70年─(遠藤 章)
・スタチンの抗動脈硬化作用とその他の多面的作用(矢島 あゆむ ほか)
・薬剤特性によるスタチンの使い分け(山田 穂高 ほか)
・注意すべきスタチンの副作用と薬物相互作用(木村 利美)
■動脈硬化性疾患におけるスタチンの位置づけと課題
・虚血性心疾患(和田 英樹 ほか)
・脳卒中(北川 一夫)
・慢性腎臓病(庄司 哲雄)
・腹部大動脈瘤・末梢動脈疾患(梶本 完)
■この患者ではスタチンをどうするか?! 治療・患者指導の実践ポイント
・小児の家族性高コレステロール血症患者(土橋 一重)
・妊娠を希望する/妊娠した家族性高コレステロール血症患者(川尻 剛照 ほか)
・肝・腎機能障害のある脂質異常症患者(長内 理大 ほか)
・高クレアチンキナーゼ血症を来している脂質異常症患者(清島 満)
・境界型糖尿病(耐糖能異常)の脂質異常症患者(荒井 秀典)
■各種脂質バイオマーカーからみたスタチン治療の残余リスクとその対応策
・LDL-コレステロール(倉林 正彦)
・HDL-コレステロール・トリグリセライド(山下 静也)
■臨床上の有益性はいかに! エビデンスからひも解く多面的作用の可能性
・急性腎障害とスタチン(石川 晴士)
・骨粗鬆症とスタチン(田井 宣之 ほか)
・認知症とスタチン(里 直行)
・癌とスタチン(小林 佑介 ほか)
・COPD・ARDS・肺炎・喘息とスタチン(鈴木 史 ほか)
・多発性硬化症とスタチン(木下 允 ほか)
・感染症とスタチン(高橋 孝)

≪シリーズ≫

■「治療」「薬局」合同連載 ポリファーマシー “処方整理力”を鍛える! 第5回
そもそも薬で解決する問題なのか?
(矢吹 拓)
■医療マンダラ ~思考と感性のセンスを磨く~
これからの薬物治療学に関する教育のあり方を考える ~学生参画体験型学習としての薬害事件を題材にした教育の試み~
(中野 重行)
■医療従事者のギモンや困ったに答える! トラブルに巻き込まれない著作権のキホン
(服部 誠)
Report

2016年紫禁城国際薬剤師フォーラムに参加・発表して
(安富 恒)

≪巻頭言≫

 遠藤章 博士により,コレステロール合成阻害作用を有するスタチンが最初に見いだされ,その後臨床現場に導入されてから,その出現が脳心血管疾患の一次予防,二次予防戦略を大きく変えたことは間違いのない事実である.スタチンの作用により肝細胞内のコレステロール合成量が減るが,これは肝細胞内のSREBP―2の転写レベルを亢進させ,肝細胞表面のLDL受容体の発現が増加することによると考えられている.その結果,血中のLDL―コレステロールが低下する.脳心血管疾患のハイリスク患者の管理においては,数多くの臨床試験によりスタチンによる脳心血管疾患抑制効果と同時にその安全性が実証されていることから,臨床医としては安心してスタチンによる治療を選択することができる.すなわち,最初のランドマーク試験である4Sにより,スタチンは冠動脈疾患の再発予防に有効であるだけでなく,総死亡を30%も減らすことが明らかとなった.その後,多くの試験がスタチンの二次予防における再発予防だけでなく,一次予防におけるイベント予防効果をも示し,スタチンによる脳心血管疾患抑制効果はメタ分析でも揺るぎないものとなった.しかし,一方でスタチンによる副作用として,筋症状があるのはよく知られており,また糖尿病の新規発症についてもメタ分析で結論が出ている.したがって,治療の適応を考える際には十分に慎重に治療対象を選択する必要がある.特に一次予防においては,できるだけ副作用の発現がないような薬剤選択を行うべきであろう.
 現在,プライマリケアの現場から急性期医療の現場まで,スタチンは幅広く使用され,患者の脳心血管疾患予防に貢献している.本特集においては,このような背景をもとにスタチンの開発からの経緯や抗動脈硬化作用を示すメカニズムについて考察するとともに,虚血性心疾患,脳卒中,末梢血管疾患におけるスタチンの有用性に関するエビデンスの整理を行う.また,家族性高コレステロール血症,慢性腎疾患,糖尿病,メタボリックシンドロームなどの病態におけるスタチンの使用方法,スタチン治療後の残余リスク,動脈硬化性疾患へのスタチンの効果に関する知見をまとめることにより,スタチンに関して現在明らかになっていることを整理したいと思う.本特集が実地臨床に役に立つことを願っている.

荒井 秀典
国立長寿医療研究センター 副院長
2,200円
特集:薬物相互作用 -適正なDDIマネジメントを実践するためのポイント-

≪特集の目次≫

■特集にあたって(大野 能之)
■DDIの基本とピットフォール!エキスパートが答えるQ&A
・DDIはどのように起きるのですか?(前田 和哉)
・投与経路(経口・注射)でDDIの強さに違いはありますか? 臨床上問題となるケースはどのようなものでしょうか?(前田 和哉)
・外用剤(吸入剤・点眼剤など)でも臨床上問題となるDDIは起きますか?(大谷 壽一)
・吸収過程のDDIについては,併用のタイミングをずらせば問題ないですか?(大谷 壽一)
・タンパク結合によるDDIが臨床上重要な変化をもたらさないことが多いのはなぜですか?(小川 竜一)
・代謝酵素の基質同士を併用した場合,臨床上DDIは問題になりますか?(工藤 敏之 ほか)
・代謝阻害の相互作用はどれくらい持続しますか?(工藤 敏之 ほか)
・代謝誘導の相互作用はどれくらい持続しますか?(内田 信也)
・添付文書のDDI情報はどのように作られるのですか?(齋藤 充生)
・最新のDDI情報を正確に効率よくキャッチアップするにはどうしたらいいですか?(齋藤 充生)
■臨床現場でのDDIマネジメントの即戦力!PISCSを使いこなす!
・Pharmacokinetic Interaction Significance Classification System(PISCS)による網羅的DDI予測とマネジメント -CYP3A4阻害を例として-(樋坂 章博)
・PISCSの代謝酵素誘導やCYP3A4以外の代謝酵素への適用 -遺伝子多型などさまざまな状況への拡張-(樋坂 章博)
・PISCSによるDDIマネジメントの実践(大野 能之)
■治療域が狭い・副作用が出やすい薬剤におけるDDIマネジメントの実践例!
・抗凝固薬(大野 能之)
・ジギタリス製剤(木村 丈司)
・スルホニル尿素薬・グリニド系薬(谷藤 亜希子)
・トリアゾール系抗真菌薬(見野 靖晃)
・抗てんかん薬(山本 吉章)
・オキシコドン(百 賢二)
・メトトレキサート(土岐 浩介)
・カルシニューリン阻害薬(三浦 昌朋)
・抗悪性腫瘍薬(タモキシフェン,タキサン系)(川上 和宜)
・抗悪性腫瘍薬(ボルテゾミブ,ビンカアルカロイド系)(岩本 卓也)
・抗悪性腫瘍薬(フッ化ピリミジン系)(佐藤 宏樹)

≪シリーズ≫

■「治療」「薬局」合同連載 ポリファーマシー “処方整理力”を鍛える! 第4回
便が出ないと調子が出ない
(矢吹 拓)
■医療マンダラ ~思考と感性のセンスを磨く~
「直感」の力 ~少しの情報を頼りにしてでも,一目で本質を見抜く力を磨く!~
(中野 重行)
■医療従事者のギモンや困ったに答える!トラブルに巻き込まれない著作権のキホン
(服部 誠)

≪巻頭言≫

 医薬品の適正使用には,医師による疾病に対する診断と処方,薬剤師による処方支援,処方監査と正確な調剤ならびに情報提供が不可欠である.1990年代前半に起きた抗ウイルス薬と抗がん薬との薬物相互作用(DDI)により生じたソリブジン事件では,15人もの犠牲者を出し,これを受けて医薬品添付文書の問題点が議論され,DDI記載要領が改定された.2000年代になると,臨床試験がない組み合わせのDDIの強度も予測可能な方法が考案され,2014年に発出された『医薬品開発と適正な情報提供のための薬物相互作用ガイドライン(最終案)』では,DDIの影響の強度に基づいた相互作用薬と被相互作用薬の分類ごとに注意喚起を行う考え方が新たに取り入れられた.このように,DDI情報の考え方と情報提供のあり方については,大きな転換期を迎えている.
 そこで今回,DDIにスポットをあて,DDIの基礎知識ならびにピットフォール,DDIの影響の強度を考慮したDDIマネジメントの基礎と実践,および治療域が狭い・副作用の起きやすい薬剤のDDIマネジメントをいかに実践するか,について,わが国を代表するエキスパートの先生方にご解説いただいた.薬剤師としてDDIのマネジメントに本質的にかかわることで,医療の質が向上することに,本特集が少しでもお役に立てれば幸いである.

大野 能之
東京大学医学部附属病院 薬剤部 助教・副薬剤部長
2,200円
特集:心房細動と抗血栓療法 -エビデンスに裏づけられた臨床現場での実践の極意Q&A-

≪特集の目次≫

■特集にあたって(奥山 裕司)

■心房細動の病態生理と日本人の特徴(山下 武志)

■抗凝固療法の開始! エキスパートは何をどう考え投与設計する?!
・いつ・どの心房細動患者で抗凝固療法を開始する?低リスク群でも治療開始すべき?(臼田 和生)
・NOACとワルファリンのどちらを使う?(庭野 慎一)
・患者・薬剤特性を考慮して,どのNOACをどの用法・用量で始める?(矢坂 正弘)
・抗凝固療法で注意すべき薬物相互作用は?相互作用がある場合はどうする?(篠原 徹二 ほか)

■抗凝固療法開始後のフォローアップのポイント!
・いつ・どのタイミングで何を評価する? 患者への指導のコツは?(小田倉 弘典)
・ワルファリンのオーバー/アンダーユースの評価と投与量の匙加減はどうする?(井手本 明子 ほか)
・NOACの作用をどう評価して薬剤選択・変更する?(味岡 正純)
・抗凝固薬間のスイッチングはどう行う? 注意点は?(鈴木 信也)
・抗凝固療法中に出血/虚血性イベント以外で注意すべき副作用は?(志賀 剛)
・抗凝固療法中に出血イベント発生! 継続・中止・再開をどう考える?(玉井 佳子)
・薬剤師が果たすべき抗凝固療法の薬学的管理のポイントは?(木村 健)

■手術・アブレ-ションを受ける患者における抗凝固療法のマネジメント!
・周術期の抗凝固薬の継続・中止・再開をいかに考え実践する?(井上 耕一)
・抗凝固療法中の患者で緊急の手術が必要になったときはどう対応する?(原田 将英 ほか)

■心房細動症例での抗血小板薬と抗凝固療法! ココがポイント!
・抗血小板薬の使用目的を見極める! 出血リスク増大があっても抗血小板薬が必要なのはどんなとき?!(橋本 洋一郎 ほか)
・虚血性心疾患症例に心房細動を発見! 心房細動症例に冠動脈狭窄を発見! どう治療を実践する?!(樋口 義治)

■併存症のある心房細動症例―この患者の抗凝固療法はどうするか?! ・慢性腎臓病・透析患者(湯澤 ひとみ ほか)
・認知症や転倒リスクの高い患者および独居高齢者(長尾 毅彦)
・担癌患者(向井 幹夫)

≪シリーズ≫
■データで読むクスリ
感染症治療薬 最新の処方動向は?
(浜田 康次)

■薬剤師よ,心電図を読もう!【最終回】
卒業試験
(大八木 秀和)

■「治療」「薬局」合同連載 ポリファーマシー “処方整理力”を鍛える!
痛いものは痛いんです!
(矢吹 拓)

■医療従事者のギモンや困ったに答える! トラブルに巻き込まれない著作権のキホン
(服部 誠)

■医療マンダラ ~思考と感性のセンスを磨く~
心と身体の関係をどのように考えるか? そして,どのように対応するか? ~生物心理社会モデル(biopsychosocial model)が誕生した意義~
(中野 重行)

≪巻頭言≫

 心房細動患者における心原性塞栓症は非常に重篤である.近年の心房細動に関する理解,治療の進歩は目覚ましいものがあり,それらを十分に知って,よりよい治療につなげていくことが医療者全員にとって重要になっている.
 さて,心房細動というものはどのようなものととらえればよいのであろうか? 冠動脈疾患が全身の動脈硬化の一表現型として現れるもので,根治という状態にはならないことに異論はなかろう.当面の虚血解除とともに,さまざまな冠危険因子に十分な介入を行って,少しでも動脈硬化の進展にブレーキをかけ続ける必要がある.心房細動も心房の“老化現象”に近いものを基盤として発生すると理解されるようになってきた.仮に,何らかの魔法で心房細動を消し去ることができても,もともと心房細動を発症していない人に比べて“老化現象”が進んでいるととらえるべきである.冠動脈疾患と同じように,心房細動も総合的な病態としては根治させることはできない.
 アブレーション治療が盛んに行われている.動悸などの不快な症状が抗不整脈薬に比べ高い確率で軽減することは間違いないが,かなりの割合で無症候性の心房細動が残存していることも報告されている.問診,随時心電図・ホルター心電図では心房細動が出ていないかどうかは分からない.ましてや近い将来再発するかどうかは予測できない.動悸が再発すればまたアブレーションなり抗不整脈薬を使用すればよいが,脳梗塞になってしまってはまず取り返しがつかない.つまり抗凝固療法の適応はアブレーション治療をやるかどうかとは関係なく,脳梗塞危険因子に合わせて考えるべきである. 近年相次いで使用できるようになった4つの新規経口抗凝固薬(非ビタミンK阻害経口抗凝固薬)について,どれも同じ性能との考えもあるかもしれない.しかし,対照となったワルファリン治療の質と患者背景を考えに入れれば,性能の良し悪しや向いていない患者像は自ずと浮かび上がってくる.直接比較をしていないから比べられないのであれば,横並びとも言えないはずである.ましてや使い分けというのは比べているから使い分けられるのである.減量基準を守らない不適切な低用量は患者も医療者も危険にさらすだけと考えるべきであろう.前者は心原性塞栓の予防が不十分な状態という危険にさらされ,後者は不適切な治療で患者の信頼を失うとともに訴訟リスクを背負うことになるかもしれない. 本特集がよりよい治療につながり,一人でも心原性塞栓症で不幸な転帰となる患者が減ることに役立てばと思う.

奥山 裕司
国立病院機構大阪南医療センター 循環器疾患センター 部長
2,200円
特集:炎症性腸疾患 -IBDと合併症に対する治療薬の考え方と使い方-

≪特集の目次≫

■特集にあたって(日比 紀文)

■IBDの疾患概念と治療の変遷(岩本 史光 ほか)

■この治療薬はいつ・どの患者に・どう使う? ピットフォールは?
・‌5-アミノサリチル酸製剤(仲瀬 裕志)
・コルチコステロイド(中村 志郎 ほか)
・6-メルカプトプリン/アザチオプリン(久松 理一)
・カルシニューリン阻害薬(松岡 克善 ほか)
・抗TNF-α抗体(別府 孝浩 ほか)

■徹底解説! 抗TNF-α抗体に関するギモンを解決!
・抗TNF-α抗体のトップダウン療法とステップアップ療法の考え方と使い分け(本谷 聡 ほか)
・‌抗TNF-α抗体を「中止する」ときを見極めるポイント(小林 拓 ほか)
・抗TNF-α抗体の効果減弱・二次無効に対する治療戦略(鈴木 康夫)
・インフリキシマブ・バイオシミラーの臨床効果の差異と課題(渡辺 憲治 ほか)

■どう治療する? IBD患者の合併症へのアプローチ
・IBD×肛門病変(二見 喜太郎 ほか)
・IBD×腸管外合併症(遠藤 克哉)
・IBD×感染症(小川 まい子 ほか)
・IBD×過敏性腸症候群(福土 審)

■実践!IBDの治療における薬学的管理のポイント(八木澤 啓司 ほか)

≪シリーズ≫
■「治療」「薬局」合同連載 ポリファーマシー “処方整理力”を鍛える! 第2回
これがないと眠れないんです…
(矢吹 拓)

■薬剤師よ,心電図を読もう!
12誘導心電図特有の知識
(大八木 秀和)

■医療従事者のギモンや困ったに答える!トラブルに巻き込まれない著作権のキホン
(服部 誠)

■医療マンダラ ~思考と感性のセンスを磨く~
治療の本質について考える
「疾患」を診るのか,「病人」を診るのか
(中野 重行)


≪巻頭言≫

 日本における炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease;IBD)研究の歴史は比較的新しい.免疫異常を是正する治療法は日本において1980年代までは重要視されず,クローン病では栄養療法,潰瘍性大腸炎ではペンタサ®・サラゾピリン®と副腎皮質ステロイドだけが用いられていた.メルカプトプリンやアザチオプリンなどチオプリン製剤は,当時の専門家の多くが,効果も明らかでない抗がん薬と考え,一部の施設のみが使用していたにすぎない.以前は,IBDを診断できることが専門家であったが,近年多くの治療薬が開発され,それらをいかに適切に選んで加療し,患者に通常の生活を送っていただけるよう工夫することが専門家に求められている.
 カルシニューリン阻害薬や白血球除去療法など潰瘍性大腸炎の寛解導入への選択肢が増えるとともに,生物学的製剤の臨床応用はIBDの治療に革命をもたらした.2002年からの抗TNF-α抗体製剤のクローン病・関節リウマチへの保険承認以後,急速に抗TNF-α抗体製剤の臨床応用が進み,その目覚ましい治療効果は,慢性炎症性疾患への免疫異常反応是正を目的とした種々の薬剤の開発にもつながった.抗TNF-α抗体製剤のもたらした功績は単に優れた治療効果を有していたことだけではなく,IBDの疾患概念や治療ストラテジーの見直しをもたらしたことである.クローン病は消化管の機能障害(disability)が蓄積する進行性疾患ととらえられているが,生物学的製剤登場以後,従来治療では変えられなかったクローン病の自然史が改善されるのではとの期待も出てきた.一方,抗TNF-α抗体治療が潰瘍性大腸炎にも有効であることが明らかとなり,同様に潰瘍性大腸炎の疾患概念も見直そうという機運がある.
 しかし,抗TNF-α抗体による副作用などで使用できない不耐例,さらには抗TNF-α抗体の無効例すなわち,投与初期より効果のない一次無効例や,徐々に効果が減弱する二次無効例が,投与例全体の20~30%にみられることが問題となってきた.これらに対して,従来治療との組み合わせや工夫がなされているが,新しい薬剤の開発も進んでいる.これからの新薬としては,①サイトカイン産生の制御,②リンパ球など免疫担当細胞のホーミングに関係する接着や浸潤の制御,③腸内細菌の調節などに向けたものが中心となる.今後さらにIBD治療選択肢が豊富となり,新しい薬物療法が加わってくると考えられ,複雑化する薬物治療を適切に行うことがますます重要になってくるのは間違いない.適切な治療にはまずその薬剤の正確な知識と情報が求められ,各患者の病態を十分に把握することが必要となる.IBD診療の基本は,個々で病態が異なる患者にきめ細やかな治療を提供することである.
 今後もIBDの制圧のために基礎,臨床の両面から研究が進められ,根本的な治療法の開発が待たれるが,現状においては炎症をいかに長期に安全に抑制していくかが求められ,薬剤に関する知識を備え,深い経験をもつことが専門家に求められ,偏った情報などでの片手間の治療は絶対避けるべきである.IBD独特の合併症にも有効な薬剤を見極めることも重要であり,治療機序を熟知し,適切な治療を行うことが重要である.
 本特集は,日常臨床の場でいかに適切な治療を行うか,種々の治療薬についてそれぞれの専門家が,使用のノウハウやポイントを解説いただいている.各々の薬剤に関する経験と知識をもとに,多くの患者の日常生活が健常人と近いものとなるよう,治療の工夫をしていただければと存じます.

日比 紀文
北里大学北里研究所病院
炎症性腸疾患先進治療センター センター長
2,200円
特集:妊娠と感染症 -母児のリスクとベネフィットを考慮した薬物治療の実践-


≪特集の目次≫

■特集にあたって(谷口 晴記)

■押さえておきたい妊娠と感染症の勘所
・妊婦における感染症の“Susceptibility”と“Severity”(田中 佳世 ほか)
・妊婦で注意すべきリスク因子と対応のポイント(安岡 稔晃 ほか)

■長期的/間欠的な感染症治療中に妊娠を希望する/妊娠した患者へのアプローチ
・結核(永井 英明)
・ウイルス肝炎(室久 俊光 ほか)
・HIV感染症(喜多 恒和)
・繰り返すクラミジア・トリコモナス・カンジダ感染症(岩破 一博)

■TORCH症候群のインパクトと母児管理の最前線
・サイトメガロウイルス感染症(山田 秀人 ほか)
・トキソプラズマ症(石橋 麻奈美 ほか)
・風疹(奥田 美加)
・単純ヘルペスウイルス感染症(土谷 聡 ほか)
・梅毒(野口 靖之)
・ヒトパルボウイルスB19感染症(三浦 清徳 ほか)

■薬物投与によるリスクを考慮した妊婦感染症治療のポイント
・妊娠女性の感染症における治療の有益性と安全性の考え方(濱田 洋実)
・感染症治療薬の母児への影響と薬学的管理の実践(中島 研)

■エキスパートの実践例! 妊婦の重症感染症治療の道筋
・急性呼吸窮迫症候群(遠藤 周一郎 ほか)
・感染性心内膜炎(岩永 直子 ほか)


≪シリーズ≫

■「治療」「薬局」合同連載 ポリファーマシー“処方整理力”を鍛える! 第1回
その胃薬って必要ですか?
(矢吹 拓)
■医療マンダラ ~思考と感性のセンスを磨く~
信頼できる臨床試験を実施するために必要なもの~コミュニケーションの改善は重要だが,それだけでは解決にはならない!~
(中野 重行)
■薬剤師よ,心電図を読もう!
電気軸とは何か?
(大八木 秀和)
■医療従事者のギモンや困ったに答える! トラブルに巻き込まれない著作権のキホン
(服部 誠)


≪巻頭言≫

 妊娠は,人類にとって欠かせない再生産・存続の仕組みである.正常妊娠は決して病的な状態ではないが,母体は妊娠期間を通じて非妊娠時とは大きく異なる特殊な生理環境下に置かれる.母体にとって半分異物である胎児が成長するために,免疫寛容を主としたさまざまな妊娠維持機構が存在することが明らかにされている.このような特殊な生理環境下において,母児にとっての脅威であるものの一つに感染症が挙げられる.妊娠と感染症の関係性といっても,多種多様で,古くは衛生面の改善や抗菌薬の誕生によって産褥熱が激減したが,現在に続く細菌感染による脅威,児に重篤な症状を来すTORCH症候群などの脅威,HIVなどの新興感染症による母子感染の脅威,結核やウイルス肝炎などの長期的治療中患者の妊娠による児への影響などが挙げられる.また,妊婦の感染症に対し治療が行われた際,薬剤による児への影響も考慮しなければならない.
 今回の特集では,妊娠と感染症の全体像を把握するために,総論的に妊娠によるダイナミックな免疫系の変化や感染症に対する感受性の変化,糖尿病や歯周病,ステロイドや免疫抑制薬使用中の妊娠などのリスク因子に対する対応のポイントなどを解説していただいた.各論的に慢性感染症といっても過言ではなくなってきたHIV感染合併妊娠を含め結核,ウイルス感染,繰り返す膣感染症など,慢性疾患の妊娠希望者に対する治療や指導および妊娠した際の対応のポイント,TORCH症候群の治療,母子感染予
防対策や患者指導のポイント,また,妊娠中の感染症に対する薬物療法の考え方や薬学的な管理の実践について解説していただいた.最後に,妊婦の重傷感染症治療の最前線について実践的な解説をお願いした.
 本特集は妊娠と感染症に関する基礎から臨床まで,さらに薬剤の影響まで子細にわたる企画はほかにはみられない.執筆陣はこの分野におけるトップランナーの先生方である.本特集が日々の診療に役立ち,日本の医療の向上に役立てれば幸甚である.

谷口 晴記
三重県立総合医療センター 副院長・理事
2,200円
特集:ワクチンリテラシー -安心して予防接種を受けてもらうために-

≪特集の目次≫

■特集にあたって(田中 敏博)
■まずはしっかり押さえよう! ワクチンに関する基本事項!
・医療におけるワクチンの重要性-そもそもワクチンとは-(岡部 信彦)
・ワクチン行政の歴史的変遷と問題点(及川 馨)
・国内外で接種可能なワクチンとその位置づけ,これからの課題(齋藤 昭彦)
・ワクチン接種スケジュールと同時接種(中野 貴司)
・国内未承認輸入ワクチンの「今」と「これから」(尾内 一信)
■安心して予防接種を受けてもらうための患者応対のポイントQ&A
・何でワクチンは打たなきゃいけないの?個人の自由でしょ?(成相 昭吉)
・ワクチンを打った後にウイルスに感染したり,人にうつったりしないの?(細矢 光亮)
・ワクチンに含まれる化学物質が体に悪影響を与えたりしないの?-添加物の意味と安全性-(中山 哲夫)
・ワクチン,特にインフルエンザワクチンは効かないの?-「疫学」の視点から答えるために-(福島 若葉ほか)
■有害事象の考え方とリスクコミュニケーション
・因果関係評価は重層的に行われるべきである-有害事象が「副反応」と呼ばれるまでの流れ-(小宮山 靖)
・患者と医療者のココロが及ぼす有害事象への影響とコミュニケーションの重要性(田中 敏博)
■ワクチンによる副反応?きちんと説明するために持っておきたい知識!
・自閉症(桃井 眞里子)
・乳児突然死症候群(多屋 馨子)
・急性散在性脳脊髄炎(宮崎 千明)
■女性のワクチン接種! なぜこのワクチンが重要なのか!
・インフルエンザワクチン(山口 晃史)
・HPVワクチン(笹川 寿之)

≪シリーズ≫

■データで読むクスリ抗精神病薬の最新動向 第一世代vs第二世代(浜田 康次)
■薬剤師よ,心電図を読もう!
脚ブロック
(大八木 秀和)
■医療マンダラ ~思考と感性のセンスを磨く~
患者にとって「温かい質の高い医療」を実現するための
「チーム医療」の育成を!
~縦の糸に,横の糸をわたして,布を織りなすように!~
(中野 重行)
■医療従事者のギモンや困ったに答える! トラブルに巻き込まれない著作権のキホン
(服部 誠)

≪巻頭言≫

 「リテラシー」という言葉は,最近割とよく耳にするような気がするが,もう一つピンと来ない.ずばりの意味を説明し難い感じもまたする.英語で“Literacy”とは,「読み書きの能力」という意で使われている.わが国では現在,いわゆる和製英語としてより広い意味合いで用いることが定着しつつあると考えてよさそうである.リテラシーを付する事象についての「知識や情報の理解,その活用」といったところであろうか.
 今回の特集タイトルは「ワクチンリテラシー」である.ワクチンに関しての正しい知識や情報を得て,それらをよく理解し,実際の予防接種に際して役立てていこうではないか.そんな思いを込めて,特集を企画するに至った. 多くのワクチンの開発,導入,そして普及により,さまざまなvaccine preventable diseaseを制御することが可能な時代となってきている.しかし,薬剤による疾患の治療効果に比べて,ワクチンによる感染症の予防効果は実感しづらく,また接種後に生じるネガティブな事象(前後関係のある有害事象であって,因果関係のある副反応とは限らない)ばかりがクローズアップされる世の中の風潮もあって,その意義が正当に理解・評価されていないと感じられる場面も少なくない.さらに,時として偏りがあると言わざるを得ないようなマスコミ報道や,インターネットに溢れかえる根拠の有無もあいまいな情報に振り回されて,予防接種に対して不安を抱えている方々は,一般市民に限らないであろう.

 本誌の読者は多くが薬剤師であり,実際に予防接種そのものに携わる機会自体は少ないかも知れない.しかし,その専門性からも,医師や看護師からワクチンに関して意見を求められて議論をしたり,処方の際に患者や保護者の皆さんから質問を受けたりということもあろう.そんな時,予防接種に関わる各領域のエキスパートによって提供された正しい知識と情報をまとめた本特集を,少しでもお役に立てていただければと願う次第である.

田中 敏博
JA静岡厚生連 静岡厚生病院 小児科 診療部長
2,200円
特集:『 徹底理解!消毒薬 -医療関連感染対策を有効に実現するために- 』


≪特集の目次≫

■特集にあたって(白石 正)
■押さえておきたい! 消毒薬のキホンとピットフォール
・高水準消毒薬(小阪 直史 ほか)
・中水準消毒薬(添田 博)
・低水準消毒薬(細谷 順 ほか)
■最新エビデンスに基づいた感染症・コンタミネーションへの対応
・人工呼吸器関連肺炎(小林 昌宏 ほか)
・カテーテル関連血流感染(新岡 丈典)
・カテーテル関連尿路感染(山田 和範)
・手術部位感染(高橋 佳子)
・血液培養検体のコンタミネーション(河野 えみ子)
■アウトブレイク発生!? 何の消毒薬をどう使う?!
・メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(丹羽 隆 ほか)
・バンコマイシン耐性腸球菌(豊口 禎子)
・多剤耐性緑膿菌(石原 美佳)
・多剤耐性アシネトバクター(原田 大 ほか)
・カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(中蔵 伊知郎)
■手指衛生の質を上げる「ワザ」と「知恵」
・手指衛生の実際とポイント(白石 正)
・手指衛生モニタリングと遵守率を向上・維持するための方策(本田 仁)
・感染対策と医療経済 -手指衛生を中心に-(本田 順一)



≪シリーズ≫

■薬剤師よ,心電図を読もう!
徐脈性不整脈を極める
(大八木 秀和)
■医療従事者のギモンや困ったに答える! トラブルに巻き込まれない著作権のキホン
(服部 誠)
■医療マンダラ ~思考と感性のセンスを磨く~
医薬品の「副作用」と「薬物有害反応」という用語について考える
(中野 重行)


≪Report≫

■ポリファーマシーなどの重要課題に積極的に取り組む日本老年薬学会が設立
(大井 一弥)


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≪巻頭言≫

 消毒薬はこれまでも医療関連感染防止に大きく貢献してきた.そして,これからもその果たす役割は大きい.しかし,いかに優れた消毒薬が存在しても,それを使用する医療スタッフが適正に使用しなければ十分な効果が期待できない.適正な使用とは原則,添付文書に記載された濃度や適応を守って使用することであるが(一部そぐわない場合もある),実際のその使用を見ていると首をかしげることも多い.希釈倍数の間違いにより高濃度液を使用し接触皮膚炎が発生した例,粘膜禁忌の消毒薬を粘膜に使用し有害事象が発生した例など,数多く挙げられる.本企画は消毒薬を適正に使用するため基礎から実践,最新のトピックスならびに抗菌薬耐性菌に対する消毒薬の有効性,さらに接触感染防止対策を集約したものである.
 まず,水準別消毒薬の基礎的な知識と現場で遭遇する有害事象の発現,間違った消毒薬の使用などについての対処などを解説していただき,次に医療関連感染症,すなわち,人工呼吸器関連肺炎(VAP),カテーテル関連血流感染(CR―BSI),カテーテル関連尿路感染(CAUTI),手術部位感染(SSI)さらに血液培養検体汚染について,消毒薬の選択および使用に加え最新の文献を紹介していただいた.これらのことを踏まえ,抗菌薬に耐性を獲得した病原微生物として代表的かつ医療現場で問題となっているメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA),バンコマイシン耐性腸球菌(VRE),多剤耐性緑膿菌(MDRP),多剤耐性アシネトバクター(MDRA),カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)について,アウトブレイク時の対応として消毒薬の選択および使用を解説していただいた.最後に医療関連感染防止対策の中で,最も重要とされる接触感染防止を推進するため手指衛生を取り上げ,実践するポイント,手荒れ対策,遵守率を向上させる方策,経済的視点の解説をお願いした.
 以上のことから,基礎的知識を取得し,間違った消毒薬の使用を避けることや感染症が発生した場合の消毒薬の選択,さらに接触感染防止を実施するに当たり手指衛生の有効な方法などについて造詣の深い先生方に執筆していただいた.本企画が医療関連感染防止対策の一助になることを願うものである.

白石 正
山形大学医学部附属病院 薬剤部 主任教授・薬剤部長
2,200円
特集:『 Evidence Update 2016 - 最新の薬物治療のエビデンスを付加的に利用する - 』


≪特集の目次≫

■特集にあたって(名郷 直樹)
■エビデンスのアップデート法-薬剤師の新たな取り組み
・エビデンスの定期的なアップデート法(青島 周一)
・ジャーナルクラブの実際(桑原 秀徳)
・ジャーナルクラブで明らかになるエビデンスとその後の展開(山本 雅洋)
■エキスパートが注目する最新エビデンスをアップデート!
・降圧薬(名郷 直樹 ほか)
・抗不整脈薬(梶間 勇樹 ほか)
・虚血性心疾患治療薬(和田 恭一)
・抗血栓薬(柴田 啓智)
・気管支喘息治療薬(坂野 昌志)
・慢性閉塞性肺疾患治療薬(宮崎 雅之)
・消化性潰瘍治療薬(米田 博輝)
・肝炎治療薬 −C型肝炎−(北村 正樹)
・過敏性腸症候群治療薬(田中 由佳里)
・糖尿病治療薬(青島 周一)
・‌脂質異常症治療薬(青島 周一)
・‌高尿酸血症治療薬(渋谷 純輝 ほか)
・‌統合失調症治療薬(桑原 秀徳)
・うつ病・睡眠障害治療薬(桑原 秀徳)
・抗てんかん薬(山本 吉章)
・‌認知症治療薬(福士 元春)
・抗リウマチ薬(村中 清春 ほか)
・骨粗鬆症治療薬(南郷 栄秀)
・抗菌薬(門村 将太)
・‌抗ウイルス薬(矢倉 裕輝)
・抗真菌薬(高橋 佳子)
・ワクチン(福士 元春)
・肺癌治療薬(林 稔展)
・胃癌治療薬(岩井 美奈 ほか)
・大腸癌治療薬(石原 正志 ほか)
・前立腺癌治療薬(川上 和宜)
・膵癌治療薬(藤田 行代志)
・乳癌治療薬(山口 健太郎)
・子宮癌・卵巣癌治療薬(佐藤 淳也)
・悪性リンパ腫治療薬(小井土 啓一 ほか)
・緩和領域で用いる薬剤(伊勢 雄也 ほか)



≪シリーズ≫

■データで読むクスリ
既存便秘症治療薬 vs アミティーザ®最新の処方動向は!?
浜田 康次



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≪巻頭言≫

 薬剤師の間でもEBM実践の動きが普及しつつある.大きな動きではないかもしれないが,その輪は確実に広がっているのを実感する.検査は検査技師に,X線写真は放射線技師に,リハビリは理学療法士にというのと同様,薬物治療の領域では,今後は医師が薬剤師より情報提供を受けながら診療方針をともに決めていくという状況が訪れるかもしれない.そんな日が来ることを夢見ながら,本号を編集した.
 本号の狙いは二つある.一つはこれまでの特集と同様,読者の皆さんにここ1年のエビデンスの動きについて知ってもらい,それを実際の臨床の現場で使ってもらうことである.もう一つは,これまでにない新しい部分であるが,読者自身が自分自身で新たなエビデンスを探し,読み,これまでの報告に追加し,現場で利用できるようになってもらうことである.
 本号では,すでにEBMの実践に積極的に取り組んでいる3人の気鋭の薬剤師にまず登場してもらい,日々のエビデンスのアップデート方法や抄読会でのエビデンスの学び方について解説していただいた.ぜひこれをもとに,読者の一人ひとりがEBMの実践を試みてもらいたい.彼らの情報発信力には目を見張るものがあり,本号で興味を持った方は,彼らのブログやTwitter,さらには実際に行われているジャーナルクラブに参加してみるとよい.衝撃を受けるに違いない.
 そして,それを受けた形で,各領域でのここ1年に登場したエビデンスとそれによる臨床の変化について,これまでよりも,より網羅的な範囲で解説してもらった.コンセプトはこれまでと同様である.新しいエビデンスだけを勉強しても,実際の臨床の行動にはつながらない.これまでのエビデンスを要約し,それに付け加える形で,新しいエビデンスを利用するという,現実的なEBMの実践を本号によって支援しようというわけである.
 新しくなった「Evidence Updates 2016」を手に,新たなEBMの実践へと一歩を踏み出してほしい.本号がその一助になれば幸いである.

名郷 直樹
武蔵国分寺公園クリニック 院長
2,200円
集:『 C型肝炎 -薬物治療の最前線と求められる多角的視点- 』


≪特集の目次≫

■特集にあたって(佐田 通夫)
■C型肝炎の実態と自然経過(八橋 弘)
■C型肝炎治療の変遷と最新の薬物治療戦略
・ゲノタイプ1型C型肝炎(平松 直樹)
・ゲノタイプ2型C型肝炎(朝比奈 靖浩)
■C型肝炎治療における肝庇護薬の位置付け(杉本 和史 ほか)
■C型肝炎患者における合併症・併存疾患と薬物治療のポイント
・C型肝炎と肝外病変(荒瀬 康司)
・糖尿病×C型肝炎(佐田 通夫)
・?気分障害×C型肝炎(野村 秀幸)
・皮膚疾患×C型肝炎(今福 信一)
・口腔疾患×C型肝炎(長尾 由実子)
・慢性腎臓病×C型肝炎(田中 榮司)
・C型肝炎×HIV重複感染とC型肝炎×B型肝炎(池田 裕喜 ほか)
・自己免疫性疾患×C型肝炎(平石 哲也 ほか)
・悪性リンパ腫×C型肝炎(伊藤 敬義)
■押さえておきたい! C型肝炎治療における薬物動態学的視点
・C型肝炎患者の薬物動態能変化(小澤 正吾)
・生体肝移植患者への個別化薬物投与(増田 智先)
■C型肝炎治療での副作用・薬物相互作用管理の実践(有馬 千代子)



≪TOPICS≫

・StageⅢ結腸癌患者に対する最適な術後補助化学療法を求めて
 ―S-1やカペシタビンの可能性―
・発熱性好中球減少症に対するセフェピムの投与量は要検討?!
・心筋梗塞後患者へのPPIの併用は消化管出血リスクを低下させる!
・頭部の冷却でがん化学療法による脱毛を予防できる?



≪シリーズ≫

■子どもの皮膚トラブル -薬局・薬店でのアドバイスのコツ-
(山本 一哉)
■目指せ感染症マスター! 副作用・相互作用マネジメントの超実践アプローチ
抗菌薬治療中に皮疹が発現した患者
(山田 和範/岸田 直樹)
■Pharm.D.を取り巻く医療環境レポート
・データベース駆動型臨床意志決定支援(clinical decision support ;CDS)システムの設計に関する
ASHPガイドライン:薬のデータベースと電子医療記録ベンダーのための戦略的な方向性
木村 利美 ほか
2,200円
特集:『 Bz受容体アゴニス -使いこなすために押さえておきたいポイント- 』


≪特集の目次≫

■特集にあたって(石郷岡 純)
■BzRAsの過去・現在・未来(辻 敬一郎)
■わが国におけるBzRAs処方の実態と臨床的課題(三島 和夫)
■BzRAsのPK-PDとBzRAs間の違いを徹底理解!
・BzRAsのファーマコダイナミックス(大熊 誠太郎 ほか)
・ベンゾジアゼピン系薬剤のファーマコキネティクスと
 薬物相互作用・副作用(百 賢二 ほか)
■BzRAsのエビデンスと実臨床における位置づけ!
・睡眠障害(小曽根 基裕)
・気分障害(寺尾 岳)
・不安症候群,強迫症,BPSD(吉村 知穂 ほか)
・統合失調症(辻野 尚久 ほか)
・てんかん(荒木 保清 ほか)
■BzRAsによる乱用・依存! 考え方・対応のポイント!
・BzRAs依存を見極めるポイント(稲田 健)
・BzRAs依存の治療戦略 -睡眠医療の立場から-(山寺 亘)
・BzRAs依存患者への情報提供(橋爪 祐二)
■BzRAs適正使用に向けた薬剤師の役割(髙橋 結花)



≪TOPICS≫

・発熱性好中球減少症におけるピペラシリンのTDM
・ヘリコバクターピロリ除菌におけるベストなレジメンは?
・心血管疾患と死亡リスクを減らすにはスタチンのアドヒアランスが重要!
・デノスマブは骨粗鬆症とがん患者の骨関連合併症に有用!あらためて重複投与には注意しよう!



≪シリーズ≫

■子どもの皮膚トラブル -薬局・薬店でのアドバイスのコツ-
(山本 一哉)
■「治療」「薬局」合同企画 データで読むクスリ
C型肝炎治療薬の最新動向は?! -IFNベース vs IFNフリー-
(浜田 康次)
■目指せ感染症マスター! 副作用・相互作用マネジメントの超実践アプローチ
めまいを訴える20代の女性患者
(山田 和範/岸田 直樹)
■薬剤師よ,心電図を読もう!
薬剤師こそSicilian Gambit分類を極めよ
(大八木 秀和)
■医療マンダラ ~思考と感性のセンスを磨く~
Placeboの日本語訳として一般に使用されている「偽薬」は誤訳だ!
~創薬育薬領域で使われている日本語訳について考える~
(中野 重行)
■Pharm.D.を取り巻く医療環境レポート
・患者ケアにおける薬剤師の感情面の管理
・抗菌薬療法を施行中目標範囲を上回った血液凝固レベルのリスクを軽減するための失敗様式と影響分析
(木村 利美 ほか)
■医療従事者のギモンや困ったに答える! トラブルに巻き込まれない著作権のキホン
(服部 誠)


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≪特集にあたって≫

 1960年代初頭に登場したクロルジアゼポキシドに始まるベンゾジアゼピン受容体アゴニスト(BzRAs)の歴史は長い.BzRAsはすでにわが国の医療の中で定着し,医師であれば処方したことのない者はいないほど,特定の診療領域を超えて広く使用される薬剤となっている.BzRAsは,それ以前から存在したバルビツレートやメプロバメートより安全性がはるかに高いので,比較的安心して使用できる薬剤ではあるが,重大な問題が表面化しないがために,かえって有効性については過大評価が,有害事象については過小評価がされてきた.その結果,わが国は世界で類を見ないほどのBzRAs使用大国になってしまったという現実が存在する.睡眠薬の多剤併用が保険診療上の減点対象となったことは記憶に新しい.
 そこで,本特集では,あらためて薬剤としてのBzRAsの特性を振り返り,この薬剤の“等身大”の姿を再確認することとした.BzRAsを適正に使用していくためには,その副作用を理解しておくことが重要であるが,わが国の実情ではこの点が不十分のように思われる.特に,依存性に関しては,わが国の医療体制が物質依存に対しては脆弱であることも相まって,医療者の理解が乏しい領域である.しかし,BzRAs依存は医療の場面で生じるものなのであり,非合法薬剤などのそれとは異なる臨床上の重大性があると認識する必要がある.そこで,BzRAs依存に関しては特に誌面を割き,その実態や対応法について詳しくまとめることとした.
 執筆陣はこの領域に造詣の深い方々ばかりで,本特集が多くの医療者にとって有意義なものとなったことを確信している.また,この特集を通じて,日本の医療の向上に少しでもお役に立てれば幸甚である.

石郷岡 純
東京女子医科大学 精神医学講座 教授・講座主任
2,200円
特集:『 急性薬物中毒 -精神疾患を持つ患者の自殺企図へのアプローチ- 』


≪特集の目次≫

■特集にあたって(上條 吉人)
■急性薬物中毒の実態と精神医学的および心理社会的アプローチの重要性
・急性薬物中毒の実態  ―精神科治療薬の過量服薬を中心に―(上條 吉人)
・急性薬物中毒の精神医学的要因とそのアプローチ(伊吹 龍 ほか)
・急性薬物中毒の心理社会的要因と患者へのアプローチ
 ―自殺企図者の実状と再企図防止のための介入研究を中心に―(井上 佳祐 ほか)
■この患者ではどう対応する?エキスパートが教えるココがポイント!
・自殺念慮・希死念慮の強い患者(金井 緑 ほか)
・うつ病治療中で賦活症候群が疑われる患者(木村 敦 ほか)
・ベンゾジアゼピン類やバルビツール酸類などの依存・乱用が疑われる患者(成瀬 暢也)
・ドクターショッピングや複数の医療機関からの処方がある患者(池下 克実)
・自殺未遂を繰り返している患者(髙木 俊輔 ほか)
・酩酊・脱抑制やせん妄による不穏・興奮のある患者(日野 耕介)
・経済的問題や家族問題などが背景にある患者(山田 素朋子)
■自殺に関連する薬剤に要注意!
・副腎皮質ステロイド(鈴木 映二)
・インターフェロン(大坪 天平)
・抗うつ薬・抗精神病薬(宮本 浩司 ほか)
■これは何の中毒!? 中毒起因物質の同定と評価
・臨床症状・検査値とその経時変化による中毒起因物質の推定(北元 健)
・中毒起因物質の分析戦略と薬物動態学的アセスメント(藤田 友嗣)
・尿中薬物簡易スクリーニングキットの位置づけと限界(斉藤 剛)
・中毒起因物質を同定できなかったときの考え方と対処法(堀 寧)
■急性薬物中毒の患者が救急搬送!求められる情報提供内容はコレだ!
・急性薬毒物中毒の診療における薬剤師による情報提供のポイント(森 博美)
・急性薬物中毒治療についての日欧米との違いと今後の展望(近藤 留美子)



≪TOPICS≫

・バンコマイシンのローディングドーズ ―システマティックレビュー―
・ダビガトランの中和薬idarucizumabの第Ⅰ相および第Ⅲ相臨床試験
・フロセミドの吸入は急性気管支喘息発作の症状を緩和する?
・コンパニオン診断薬で治療対象を見極める―遺伝子変異を有する悪性黒色腫に対する新しい選択肢―



≪シリーズ≫

■子どもの皮膚トラブル -薬局・薬店でのアドバイスのコツ-
(山本 一哉)
■医療マンダラ ~思考と感性のセンスを磨く~
「有害事象」という“adverse event”の日本語訳が「有害」なのではないのか?
~創薬育薬医療の領域には,もう少し考えて作った方がよかったのではないかと思われる訳語が多い!~
(中野 重行)
■目指せ感染症マスター! 副作用・相互作用マネジメントの超実践アプローチ
心臓手術後の発熱
(久保 悠/山田 和範/岸田 直樹)
■がん治療への薬学的介入と症例サマリ
腫瘍崩壊症候群の対策を行った乳がん症例への薬学的介入
(黒田 純子/遠山 竜也)
■医療従事者のギモンや困ったに答える! トラブルに巻き込まれない著作権のキホン
(服部 誠)
■Pharm.D.を取り巻く医療環境レポート
ASHPガイドライン:外来治療の薬剤業務のための最低限必要な基準
(木村 利美 ほか)
■薬剤師よ,心電図を読もう!
副伝導路って?
(大八木 秀和)


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≪特集にあたって≫

 バブル経済が破綻したとされる1998年をさかいとして自殺既遂者は急増し,毎年3万人を上回っていた.しかし,さまざまな自殺対策が功を奏したのか,2012年以降はそれを下回っている.それでも,世界的にみると高い水準が続いている.自殺企図者は自殺既遂者の10~20倍存在するとされているが,自殺企図の既往はその後の自殺既遂の最大のリスク因子であることが知られている.したがって,自殺企図者の再企図の予防が自殺対策にとって非常に重要である.自殺企図の手段として最も多いのは,過量服薬による急性薬物中毒である.過量服薬のほとんどは精神科治療薬であることもあって,急性薬物中毒で救急搬送される患者の多くは精神疾患の既往がある.したがって,急性薬物中毒患者の自殺の再企図を減らすためには,背景にある精神疾患へのアプローチが肝要となる.
 薬剤師は,これまで“急性薬物中毒の原因薬物の同定”,および“中毒症状や解毒薬・拮抗薬を含めた治療法などの情報提供”において救急医療現場で重要な役割を担ってきたが,厚生労働省「自殺・うつ病等対策プロジェクトチーム」からは,新たに“過量服薬のリスクの高い患者のゲートキーパー”としての役割も求められている.そこで,今回,急性薬物中毒,自殺企図,精神疾患にスポットを当て,これらの関連性と,急性薬物中毒の予防とケアについて,第一線でご活躍されている先生方にご解説いただいた.

上條 吉人
埼玉医科大学病院 救急科 教授
2,200円
特集:『 ベッドサイドの医療機器 -知っておきたいトラブル回避・対応のポイント- 』


≪特集の目次≫

■特集にあたって(狭間 研至)
■ベッドサイドの医療機器と薬剤師に求められるトラブル時の対応(狭間 研至)
■「頭が真っ白!」にならないためのトラブル回避・対処法
・心電図モニター(笠巻 祐二)
・呼吸補助機器とパルスオキシメーター(小田 未来 ほか)
・輸液・薬剤投与機器(和田 忠志)
・人工透析装置(土屋 陽平 ほか)
■医療機器が関連する医原性有害事象の見極めと対応
・人工呼吸器関連肺炎(徳田 安春)
・カテーテル関連感染症(濱野 公俊 ほか)
・医療関連機器圧迫創傷(塚田 邦夫)
■ピットフォール! 輸液・薬剤投与に影響を及ぼす要因
・投与ルート内の薬物-薬物間相互作用と薬物-医療材料間相互作用(名徳 倫明)
・輸液の投与速度と影響因子(室井 延之)
・輸液ポンプ・チューブや輸液セットの装着手技(梅村 雅之 ほか)



≪TOPICS≫

・バンコマイシンのローディングドーズ
・ホルモン治療後に進行再発した乳癌患者の希望となり得る開発中の新薬Palbociclib
・SSRIとNSAIDsの併用は頭蓋内出血リスクを増加させる!
・オキシブチニン塩酸塩は経皮吸収型製剤にすることで消化器障害を減らせるか?



≪シリーズ≫

■子どもの皮膚トラブル -薬局・薬店でのアドバイスのコツ-
(山本 一哉)
■「治療」「薬局」合同企画 データで読むクスリ
DPP-4阻害薬 vs SGLT2阻害薬 発売1年後の処方シェアの動向は?!
(浜田 康次)
■薬剤師よ,心電図を読もう!
発作性上室頻拍って何?
(大八木 秀和)
■目指せ感染症マスター! 副作用・相互作用マネジメントの超実践アプローチ
手術部位感染治療中のクレアチンキナーゼ上昇
(渡辺 浩彰/山田 和範/岸田 直樹)
■がん治療への薬学的介入と症例サマリ
肝細胞がん化学療法に対する薬学的介入
(松波 奈緒美/児玉 芳尚)
■Pharm.D.を取り巻く医療環境レポート
・非常に重篤な肥満児における一般的な処方に対する投与量の推奨の変化
・退院時の治療移行への薬剤師の関わりの影響
(木村 利美 ほか)
■医療従事者のギモンや困ったに答える! トラブルに巻き込まれない著作権のキホン
(服部 誠)
■医療マンダラ ~思考と感性のセンスを磨く~
治験について広く一般市民の方々に,よりよく理解していただくために
~アニメによる「治験普及啓発ビデオ」が誕生した経緯と意義~
(中野 重行)


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≪特集にあたって≫

 高齢化と少子化が同時に進行するわが国では,新しい医療提供体制のあり方が求められている.特に薬学教育が6年制へと移行した薬剤師を取り巻く環境は激変ともいえる状況をみせつつある.バイタルサインやフィジカルアセスメントを活用した在宅療養支援への主体的参画はその代表的なものであるが,一昔前には現実味がそれほど高くなかった事柄が,いよいよ具現化されようとしはじめている.端的にいえば,薬剤師の仕事は対物業務から対人業務へとその重心をシフトしつつあるということである.これらの変化に伴い,薬剤師の活動の場所は,調剤室の中だけではなく,居宅における患者のベッドサイドにも拡大しつつあるが,同時に,従来あまり想定してこなかった問題にも直面する機会が増えてきた.
 その一つが,今回のテーマであるベッドサイドでの医療機器である.もし,薬剤師が薬の専門家であれば,調剤して居宅にお届けすればよかったが,患者の状態に責任を持つためには,機械化が進む医療現場における種々の医療機器について知識を深めていく必要があろう.今回は,ベッドサイドで日常的に用いられる代表的な医療機器について,その基本的な機能とともに,トラブル回避や対応のためのポイントについて,第一線で活躍する各専門家にコンパクトにまとめていただいた.医療現場で真っ白になり,呆然と立ち尽くさないためにも,本特集を活用していただければ幸いである.

狭間 研至
ファルメディコ株式会社 代表取締役社長
2,200円
特集:『 慢性痛の漢方治療 -困ったときの “次なる一手”を極める- 』


≪特集の目次≫

■特集にあたって(世良田 和幸)
■知っておきたい! 慢性痛のキホン!
・慢性痛の実態と患者に及ぼす影響(新井 健一 ほか)
・慢性痛の発生・維持機構(小川 節郎)
■徹底理解! 慢性痛の漢方治療
・漢方医学的な慢性痛の考え方(世良田 和幸)
・慢性痛の漢方治療“次の一手”(平田 道彦)
■漢方薬を使いこなす! 慢性痛の治療戦略
・変形性脊椎・関節症,椎間板ヘルニア(吉田 祐文)
・慢性頭痛(來村 昌紀)
・舌痛症・三叉神経痛(新美 知子 ほか)
・線維筋痛症・リウマチ性多発筋痛症(藤永 洋)
・複合性局所疼痛症候群(奥田 圭子 ほか)
・帯状疱疹後神経痛(光畑 裕正)
・がん疼痛・がん化学療法に伴う痛み(大木 浩)
■慢性痛に用いる漢方薬の服薬指導(緒方 千秋)
■慢性痛患者の苦しみと向き合う視点:心身医学的見地から(岩城 理恵 ほか)



≪TOPICS≫

・DPP-4阻害薬とプラセボとの非劣性試験-リスクがないのか,効果がないのか-
・抗腫瘍活性を高めるための新たな戦略-抗体薬物複合体「ブレンツキシマブ ベドチン」-
・ダプトマイシンの休薬による無症状のCPK上昇対策
・持続皮下インスリン注入療法は心血管系死亡リスクを低下させる



≪シリーズ≫

■子どもの皮膚トラブル -薬局・薬店でのアドバイスのコツ-
(山本 一哉)
■目指せ感染症マスター! 副作用・相互作用マネジメントの超実践アプローチ
手術後抗菌薬治療中の低血糖症状
(齊藤 雅明/山田 和範/岸田 直樹)
■がん治療への薬学的介入と症例サマリ
分子標的抗がん薬を併用した大腸がん化学療法への薬学的介入
(藤井 宏典/飯原 大稔/髙橋 孝夫)
■薬剤師よ,心電図を読もう!
モニター心電図と12誘導心電図の関係
(大八木 秀和)
■Pharm.D.を取り巻く医療環境レポート
・外来薬剤師の抗血液凝固薬業務を通してのファーマシューティカルケアの広がり
・モバイルデバイスはどのように薬剤業務を変えるか?
(木村 利美 ほか)
■医療マンダラ ~思考と感性のセンスを磨く~
「育薬」という言葉の誕生 ~創薬と育薬,創薬育薬ボランティア~
(中野 重行)
■医療従事者のギモンや困ったに答える! トラブルに巻き込まれない著作権のキホン
(服部 誠)


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≪特集にあたって≫

 痛みは身体の防御反応の一つともいわれているが,防御反応の域を超えてその原因すら分からない不思議な痛みが存在する.その多くは慢性化し,患者たちはさまざまな医療機関を転々としながら,治療を模索し続けている.原因の分からない痛みに対しては,西洋医学は無力なことがしばしばあり,神経ブロック療法や鎮痛薬,オピオイドなども効果は一時的なことが多く,漫然と治療が続けられていると考えられる.
 一方,漢方治療は,体内を循環していると考えられている「気・血・水」の流れを是正することによって,西洋医学では治療が困難であった神経障害性疼痛などの慢性痛に対して疼痛緩和を得ることができる.漢方医学的な診断を行った上で,環境の急激な変化やストレスなどによって生じる「気・血・水」の滞りや不足により発症する痛みに対して,漢方治療はその症状を緩和することができるのである.漢方医学には西洋医学にあるような,いわゆる消炎鎮痛薬と呼ばれる薬はないが,漢方治療は身体のホメオスタシスを整えることで疼痛を緩和し,さらに西洋医学と相補的な治療を行うことで,慢性痛に苦しむ患者の治療の一助になると考えている.
 今回の企画では,慢性痛に対して造詣の深い,愛知医科大学学際的痛みセンターの牛田享宏先生と日本大学総合科学研究所の小川節郎先生に慢性痛についての基本的な事柄を記していただいた.また,九州で開業されており,痛みの漢方治療の第一人者である平田道彦先生に痛みの漢方的診断法を述べていただき,さらに今,漢方を駆使して痛み治療に専念している7名の先生方にそれぞれの疾患の漢方治療に言及していただいた.この企画が,現在慢性痛にかかわっている皆様,これから漢方薬を勉強したい皆様の一助となれば幸いである.

世良田 和幸
昭和大学横浜市北部病院 病院長
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商品情報・内容

  • 出版社:南山堂
  • 発行間隔:月刊
  • 発売日:毎月5日

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臨床現場で活躍する薬剤師の知識やスキルのおさらい&アップデートをサポート する雑誌です。日ごろ疑問に思っているけれど質問できないこと、業務の中で悩 んでいて解決策がみつからないことも、本誌の中にヒントがあるような構成を心 がけています。今の殻を破って飛びだしたい!薬局・病院から飛びだして地域で 連携したい!など、“飛びだしたい薬剤師”を全力で応援します!

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