目次
特集:統合失調症 -抗精神病薬を活用するための基礎と実践
≪特集の目次≫
■特集にあたって(石郷岡 純)
■抗精神病薬の「基礎」を徹底理解
・抗精神病薬開発の歴史的変遷と今後の展望(村崎 光邦)
・抗精神病薬の精神薬理学:最新の知見に基づく主作用・副作用発現機序の理解―受容体結合プロフィールを通して―(宮田 久嗣 ほか)
・抗精神病薬の薬物動態学:剤形や肝・腎臓器障害も加味した体内動態特性の理解(肥田 裕丈 ほか)
・抗精神病薬の薬力学的・薬物動態学的相互作用(吉尾 隆)
■統合失調症の各ステージにおける薬物治療戦略!抗精神病薬の選び方と使い方のポイント
・急性期統合失調症(松井 佑樹 ほか)
・慢性期・維持期統合失調症(嶽北 佳輝 ほか)
・治療抵抗性統合失調症(榎本 哲郎)
■抗精神病薬処方変更の勘所!いつ・どの患者で・どうするか?!
・抗精神病薬の増量(佐藤 創一郎)
・抗精神病薬のスイッチング(宮田 量治)
・抗精神病薬の減量・中止(単剤化)(小澤 千紗 ほか)
■抗精神病薬で副作用発現!統合失調症と副作用それぞれにいかに対応するか!
・錐体外路症状(山本 暢朋 ほか)
・悪性症候群(大坪 天平)
・高プロラクチン血症(押淵 英弘)
・代謝性合併症(高柳 陽一郎)
・心電図異常(有波 浩 ほか)
・無顆粒球症(村尾 朋彦 ほか)
■統合失調症治療における「抗精神病薬以外」の薬剤の考え方と使い方
・ベンゾジアゼピン類(原田 大輔 ほか)
・気分安定化薬(渡邉 博幸)
・抗うつ薬(寺尾 岳 ほか)
■統合失調症薬物治療における患者教育の重要性と実践ポイント(高橋 結花)
≪シリーズ≫
■子どもの皮膚トラブル -薬局・薬店でのアドバイスのコツ-
(山本 一哉)
■「治療」「薬局」合同連載 ポリファーマシー “処方整理力”を鍛える! 第7回
記憶がよくなる薬?
(矢吹 拓)
■医療従事者のギモンや困ったに答える! トラブルに巻き込まれない著作権のキホン
(服部 誠)
■医療マンダラ ~思考と感性のセンスを磨く~
学究生活における研究テーマとの出会い
~生物の特性である「生体リズム」と薬物の投与タイミングについて考える~
(中野 重行)
≪Report≫
■精神領域での薬剤師の専門性を向上させ精神薬学の進歩発展を図る日本精神薬学会が発足
(佐藤 康一)
≪巻頭言≫
初の抗精神病薬であるクロルプロマジンが世に出てから60年余が経過した.精神薬理学という学問が確立したのも,抗精神病薬が出現したことが大きな原動力となっている.それほど,抗精神病薬は精神医療に極めて大きな影響力を与えてきた重要な薬剤である.抗精神病薬の歴史では,薬理学的にはドパミンD2受容体遮断作用の発見,治療学的には非定型化という重大なエポックを経て進展してきた.21世紀を迎えて次のブレークスルーはまだ起きていないものの,すでに膨大な知見が集積されてきている.
昨年,日本神経精神薬理学会は『統合失調症薬物治療ガイドライン』を公表し,統合失調症の各ステージの主要なクリニカルクエスチョンに対して,エビデンスに基づく推奨を掲げている.これも,今日まで蓄積されたエビデンスが多数手に入れられるような時代になったからであり,今後はこうしたガイドラインを参考にしながら治療選択が考えられていくであろう.しかしながら,記載の多くは抗精神病薬に関するものであるものの,ガイドラインではその選択が中心であり,決して治療実践のマニュアルではないのである.また,ガイドラインの記述は平均的な患者像に対する標準的な内容となるので,これをもとに実際の患者に対して薬物療法を行うには,個別性を考慮しながら最も適切な治療となるように,周辺の診療技術を支える知識も多く必要であり,それなくしてはガイドラインも生かされないのである.
本特集では,ガイドラインを適切に使用していくために必要な事項が網羅されている.まず,基本的知識として抗精神病薬の歴史や薬物としての特性が解説されるが,こうした知識の裏付けが診療を豊かなものにするためには欠かせない.次に各ステージの治療戦略が述べられるが,ガイドラインではカバーしきれなかった臨床疑問も現実の治療場面では数多くあるので,大局観が重要である.引き続き,現実の診療に即した「臨床の知恵」に関する解説も述べられ,これで初めて理論と実践が一体のものとなろう.最後に,薬剤の利点を最大限に引き出すための技術として心理教育にも触れられるが,薬物は物質としての特性も重要であるが,その提供のあり方次第で効果が大きく変化するので,これも重要な項目である.ガイドラインと本特集が相互補完的にセットとなって診療の現場で生かされていくことを切に望む.
石郷岡 純
CNS薬理研究所 主幹
≪特集の目次≫
■特集にあたって(石郷岡 純)
■抗精神病薬の「基礎」を徹底理解
・抗精神病薬開発の歴史的変遷と今後の展望(村崎 光邦)
・抗精神病薬の精神薬理学:最新の知見に基づく主作用・副作用発現機序の理解―受容体結合プロフィールを通して―(宮田 久嗣 ほか)
・抗精神病薬の薬物動態学:剤形や肝・腎臓器障害も加味した体内動態特性の理解(肥田 裕丈 ほか)
・抗精神病薬の薬力学的・薬物動態学的相互作用(吉尾 隆)
■統合失調症の各ステージにおける薬物治療戦略!抗精神病薬の選び方と使い方のポイント
・急性期統合失調症(松井 佑樹 ほか)
・慢性期・維持期統合失調症(嶽北 佳輝 ほか)
・治療抵抗性統合失調症(榎本 哲郎)
■抗精神病薬処方変更の勘所!いつ・どの患者で・どうするか?!
・抗精神病薬の増量(佐藤 創一郎)
・抗精神病薬のスイッチング(宮田 量治)
・抗精神病薬の減量・中止(単剤化)(小澤 千紗 ほか)
■抗精神病薬で副作用発現!統合失調症と副作用それぞれにいかに対応するか!
・錐体外路症状(山本 暢朋 ほか)
・悪性症候群(大坪 天平)
・高プロラクチン血症(押淵 英弘)
・代謝性合併症(高柳 陽一郎)
・心電図異常(有波 浩 ほか)
・無顆粒球症(村尾 朋彦 ほか)
■統合失調症治療における「抗精神病薬以外」の薬剤の考え方と使い方
・ベンゾジアゼピン類(原田 大輔 ほか)
・気分安定化薬(渡邉 博幸)
・抗うつ薬(寺尾 岳 ほか)
■統合失調症薬物治療における患者教育の重要性と実践ポイント(高橋 結花)
≪シリーズ≫
■子どもの皮膚トラブル -薬局・薬店でのアドバイスのコツ-
(山本 一哉)
■「治療」「薬局」合同連載 ポリファーマシー “処方整理力”を鍛える! 第7回
記憶がよくなる薬?
(矢吹 拓)
■医療従事者のギモンや困ったに答える! トラブルに巻き込まれない著作権のキホン
(服部 誠)
■医療マンダラ ~思考と感性のセンスを磨く~
学究生活における研究テーマとの出会い
~生物の特性である「生体リズム」と薬物の投与タイミングについて考える~
(中野 重行)
≪Report≫
■精神領域での薬剤師の専門性を向上させ精神薬学の進歩発展を図る日本精神薬学会が発足
(佐藤 康一)
≪巻頭言≫
初の抗精神病薬であるクロルプロマジンが世に出てから60年余が経過した.精神薬理学という学問が確立したのも,抗精神病薬が出現したことが大きな原動力となっている.それほど,抗精神病薬は精神医療に極めて大きな影響力を与えてきた重要な薬剤である.抗精神病薬の歴史では,薬理学的にはドパミンD2受容体遮断作用の発見,治療学的には非定型化という重大なエポックを経て進展してきた.21世紀を迎えて次のブレークスルーはまだ起きていないものの,すでに膨大な知見が集積されてきている.
昨年,日本神経精神薬理学会は『統合失調症薬物治療ガイドライン』を公表し,統合失調症の各ステージの主要なクリニカルクエスチョンに対して,エビデンスに基づく推奨を掲げている.これも,今日まで蓄積されたエビデンスが多数手に入れられるような時代になったからであり,今後はこうしたガイドラインを参考にしながら治療選択が考えられていくであろう.しかしながら,記載の多くは抗精神病薬に関するものであるものの,ガイドラインではその選択が中心であり,決して治療実践のマニュアルではないのである.また,ガイドラインの記述は平均的な患者像に対する標準的な内容となるので,これをもとに実際の患者に対して薬物療法を行うには,個別性を考慮しながら最も適切な治療となるように,周辺の診療技術を支える知識も多く必要であり,それなくしてはガイドラインも生かされないのである.
本特集では,ガイドラインを適切に使用していくために必要な事項が網羅されている.まず,基本的知識として抗精神病薬の歴史や薬物としての特性が解説されるが,こうした知識の裏付けが診療を豊かなものにするためには欠かせない.次に各ステージの治療戦略が述べられるが,ガイドラインではカバーしきれなかった臨床疑問も現実の治療場面では数多くあるので,大局観が重要である.引き続き,現実の診療に即した「臨床の知恵」に関する解説も述べられ,これで初めて理論と実践が一体のものとなろう.最後に,薬剤の利点を最大限に引き出すための技術として心理教育にも触れられるが,薬物は物質としての特性も重要であるが,その提供のあり方次第で効果が大きく変化するので,これも重要な項目である.ガイドラインと本特集が相互補完的にセットとなって診療の現場で生かされていくことを切に望む.
石郷岡 純
CNS薬理研究所 主幹
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