目次
特集:プロバイオティクス -小児領域を中心とした基礎と実践のポイント-
≪特集の目次≫
■特集にあたって(永田 智)
■まずは腸内細菌について徹底理解!
・腸内細菌叢構造の解析(古賀 泰裕)
・腸内細菌叢の機能と疾患との関連性(野本 康二)
■プロバイオティクス製品投与後の体内挙動と作用(森田 英利 ほか)
■小児科領域における腸内細菌叢の重要性とプロバイオティクスの活用!
・腸内細菌からみた新生児・乳児期の母乳栄養の重要性(山城 雄一郎 ほか)
・小児における腸内細菌叢の発達とプロバイオティクス(永田 智)
・腸内細菌叢と小児アレルギー疾患との関連とプロバイオティクスの可能性(鈴木 修一 ほか)
・小児の下痢・便秘に対するプロバイオティクスのエビデンスと治療の位置づけ(佐藤 真教 ほか)
・経腸栄養による腸内細菌叢のdysbiosisとプロバイオティクスの活用(瀧谷 公隆)
・ワクチンとプロバイオティクス(田中 敏博)
■薬剤有害事象をいかにプロバイオティクスで制御するか?!
・抗菌薬が及ぼす腸内細菌叢の変化とその影響(北野 弘之 ほか)
・抗菌薬関連下痢症に対するプロバイオティクスと抗菌薬感受性(神谷 茂)
・がん治療におけるプロバイオティクスの有用性(鶴田 敏久)
・NSAIDs起因性小腸傷害の病態とプロバイオティクスの活用(渡辺 俊雄 ほか)
■プロバイオティクスの“リスク”を考える!
・プロバイオティクス製剤による菌血症(松本 哲哉)
・プロバイオティクス製剤の抗菌薬耐性と耐性遺伝子の伝達性(久代 明)
■薬学的管理を実践する上でのポイント!
・プロバイオティクス製剤の小児用量の考え方(浜田 幸宏 ほか)
・“抗菌薬+プロバイオティクス製剤”投与中の患者で注意したい薬物相互作用(古俵 孝明 ほか)
・プロバイオティクス製剤の調剤・保管上の注意点(岸本 真)
■マイクロバイオーム治療・創薬の最前線!
・糞便移植の有用性と課題(城代 康貴 ほか)
・マイクロバイオーム創薬の現状とわが国のあるべき研究開発戦略(辻 真博)
≪シリーズ≫
■薬立つブレイクスルー! メディカル・レコード書き方講座
吸入指導の指導記録
(寺沢 匡史/片山 智章)
■緩和ケアでの問題解決力を磨く! 薬剤師のための5ステップ実践ガイド
これってせん妄? 患者さんの幻視をどうアセスメントすればいい?
(伊勢 雄也/片山 志郎/鈴木 規仁/岡村 由美子)
■Dr. ヤンデルの言葉のネタ帳 ~“病院ことば”の,じっくり,例えば,結局は~
ぼかしても見えちゃう ~Note 7. 「子宮筋腫」を言い換える~
(市原 真)
■プロフェッショナルEYE 専門薬剤師からみた勘所
妊娠中の抗菌薬の使用は安全といえるのか?
(八鍬 奈穂/中島 研)
■医療マンダラ ~思考と感性のセンスを磨く~
どのようにして「医療コミュニケーション能力」を身につけるか?
~なぜ,模擬患者(SP)が必要になったのか~
(中野 重行)
■医療従事者のギモンや困ったに答える! 特許のキホン
(服部 誠)
≪巻頭言≫
腸内細菌叢とは,文字通り宿主の腸管腔内に棲息する細菌の集合体である.その数は人体を形作る細胞の総数をも上回り,重さにして1kg以上にもなるばかりか,その遺伝子数は実にヒトの100倍以上にも上るといわれる.太古の昔から消化,代謝,免疫など多方面の人体に足りない機能を補ってきた「共生関係」にあり,その大きさ,多彩な機能面から,「一つの臓器」として扱うべきとの意見もある.腸内細菌叢の機能は,栄養素の消化,吸収,代謝,免疫能など人体のホメオスタシス(恒常性)の維持にかかわるものといわれているが,近年,食生活の変化,抗菌薬の乱用などにより,最近50年間でこの共生関係が急激に崩れ始め,それが,現代病といわれている,生活習慣病,がん,アレルギーなどの著増につながっていると説明されれば,大いにうなずけるところもあろう.この因果関係は,まだ完全に証明されているわけではないが,その背景を憂い,開発されたのが,外来性の「善玉の腸内細菌」の製品化である「プロバイオティクス」と言えよう.プロバイオティクスという言葉は,今や医療の世界にとどまらず,広く一般に知れ渡り,その関連の食品や製品がたくさん出回っている.その効能は,従来からよく知られている「整腸作用」のみならず,「感染予防」「アレルギー」「生活習慣病」の予防など実にさまざまなものがうたわれている.一方,医薬品業界においては,プロバイオティクスは古くから「整腸薬」として知られており,歴史こそは古いが,その保険適応は頑固に「整腸作用」だけである.この整腸作用にしても,どれほどエビデンスがあるものか,疑問をもたれた方々も多いであろう.また,上記の多彩な効能がプロバイオティクスに真にあるのであれば,アレルギーや生活習慣病やがんに効能をもつプロバイオティクスの医薬品が上市されることが期待される.
本特集は,腸内細菌叢の基礎からプロバイオティクスの臨床応用まで,幅広く各分野を代表する今を時めくエキスパートの先生方に執筆をお願いした.プロバイオティクスという言葉が独り歩きしている今こそ,腸内細菌とは何であるか,どのようなものをどうしたら人類の役に立ってくれるのか,じっくり考える機会になればと思う.
末筆ながら,ご多忙をおして,玉稿をご執筆いただいた執筆者の先生方に深く感謝と敬意の意を表します.
永田 智
東京女子医科大学 小児科学講座 主任教授
≪特集の目次≫
■特集にあたって(永田 智)
■まずは腸内細菌について徹底理解!
・腸内細菌叢構造の解析(古賀 泰裕)
・腸内細菌叢の機能と疾患との関連性(野本 康二)
■プロバイオティクス製品投与後の体内挙動と作用(森田 英利 ほか)
■小児科領域における腸内細菌叢の重要性とプロバイオティクスの活用!
・腸内細菌からみた新生児・乳児期の母乳栄養の重要性(山城 雄一郎 ほか)
・小児における腸内細菌叢の発達とプロバイオティクス(永田 智)
・腸内細菌叢と小児アレルギー疾患との関連とプロバイオティクスの可能性(鈴木 修一 ほか)
・小児の下痢・便秘に対するプロバイオティクスのエビデンスと治療の位置づけ(佐藤 真教 ほか)
・経腸栄養による腸内細菌叢のdysbiosisとプロバイオティクスの活用(瀧谷 公隆)
・ワクチンとプロバイオティクス(田中 敏博)
■薬剤有害事象をいかにプロバイオティクスで制御するか?!
・抗菌薬が及ぼす腸内細菌叢の変化とその影響(北野 弘之 ほか)
・抗菌薬関連下痢症に対するプロバイオティクスと抗菌薬感受性(神谷 茂)
・がん治療におけるプロバイオティクスの有用性(鶴田 敏久)
・NSAIDs起因性小腸傷害の病態とプロバイオティクスの活用(渡辺 俊雄 ほか)
■プロバイオティクスの“リスク”を考える!
・プロバイオティクス製剤による菌血症(松本 哲哉)
・プロバイオティクス製剤の抗菌薬耐性と耐性遺伝子の伝達性(久代 明)
■薬学的管理を実践する上でのポイント!
・プロバイオティクス製剤の小児用量の考え方(浜田 幸宏 ほか)
・“抗菌薬+プロバイオティクス製剤”投与中の患者で注意したい薬物相互作用(古俵 孝明 ほか)
・プロバイオティクス製剤の調剤・保管上の注意点(岸本 真)
■マイクロバイオーム治療・創薬の最前線!
・糞便移植の有用性と課題(城代 康貴 ほか)
・マイクロバイオーム創薬の現状とわが国のあるべき研究開発戦略(辻 真博)
≪シリーズ≫
■薬立つブレイクスルー! メディカル・レコード書き方講座
吸入指導の指導記録
(寺沢 匡史/片山 智章)
■緩和ケアでの問題解決力を磨く! 薬剤師のための5ステップ実践ガイド
これってせん妄? 患者さんの幻視をどうアセスメントすればいい?
(伊勢 雄也/片山 志郎/鈴木 規仁/岡村 由美子)
■Dr. ヤンデルの言葉のネタ帳 ~“病院ことば”の,じっくり,例えば,結局は~
ぼかしても見えちゃう ~Note 7. 「子宮筋腫」を言い換える~
(市原 真)
■プロフェッショナルEYE 専門薬剤師からみた勘所
妊娠中の抗菌薬の使用は安全といえるのか?
(八鍬 奈穂/中島 研)
■医療マンダラ ~思考と感性のセンスを磨く~
どのようにして「医療コミュニケーション能力」を身につけるか?
~なぜ,模擬患者(SP)が必要になったのか~
(中野 重行)
■医療従事者のギモンや困ったに答える! 特許のキホン
(服部 誠)
≪巻頭言≫
腸内細菌叢とは,文字通り宿主の腸管腔内に棲息する細菌の集合体である.その数は人体を形作る細胞の総数をも上回り,重さにして1kg以上にもなるばかりか,その遺伝子数は実にヒトの100倍以上にも上るといわれる.太古の昔から消化,代謝,免疫など多方面の人体に足りない機能を補ってきた「共生関係」にあり,その大きさ,多彩な機能面から,「一つの臓器」として扱うべきとの意見もある.腸内細菌叢の機能は,栄養素の消化,吸収,代謝,免疫能など人体のホメオスタシス(恒常性)の維持にかかわるものといわれているが,近年,食生活の変化,抗菌薬の乱用などにより,最近50年間でこの共生関係が急激に崩れ始め,それが,現代病といわれている,生活習慣病,がん,アレルギーなどの著増につながっていると説明されれば,大いにうなずけるところもあろう.この因果関係は,まだ完全に証明されているわけではないが,その背景を憂い,開発されたのが,外来性の「善玉の腸内細菌」の製品化である「プロバイオティクス」と言えよう.プロバイオティクスという言葉は,今や医療の世界にとどまらず,広く一般に知れ渡り,その関連の食品や製品がたくさん出回っている.その効能は,従来からよく知られている「整腸作用」のみならず,「感染予防」「アレルギー」「生活習慣病」の予防など実にさまざまなものがうたわれている.一方,医薬品業界においては,プロバイオティクスは古くから「整腸薬」として知られており,歴史こそは古いが,その保険適応は頑固に「整腸作用」だけである.この整腸作用にしても,どれほどエビデンスがあるものか,疑問をもたれた方々も多いであろう.また,上記の多彩な効能がプロバイオティクスに真にあるのであれば,アレルギーや生活習慣病やがんに効能をもつプロバイオティクスの医薬品が上市されることが期待される.
本特集は,腸内細菌叢の基礎からプロバイオティクスの臨床応用まで,幅広く各分野を代表する今を時めくエキスパートの先生方に執筆をお願いした.プロバイオティクスという言葉が独り歩きしている今こそ,腸内細菌とは何であるか,どのようなものをどうしたら人類の役に立ってくれるのか,じっくり考える機会になればと思う.
末筆ながら,ご多忙をおして,玉稿をご執筆いただいた執筆者の先生方に深く感謝と敬意の意を表します.
永田 智
東京女子医科大学 小児科学講座 主任教授
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