目次
特集:表在性皮膚真菌症 -治療薬を活用するための基礎と実践総まとめ-
≪特集の目次≫
■特集にあたって(常深 祐一郎)
■表在性皮膚真菌症の診断と感染経路の解析(竹田 公信)
■表在性皮膚真菌症の診断方法
・直接鏡検・真菌培養(竹中 基)
・遺伝子診断(安澤 数史)
■表在性皮膚真菌症の臨床像とその鑑別
・白癬の臨床像と鑑別(辻 学)
・カンジダ症の臨床像と鑑別(佐藤 友隆)
・マラセチア症の臨床像と鑑別(川上 洋ほか)
■コラム:Trichophyton tonsurans感染症(小川 祐美)
■表在性皮膚真菌症における薬剤選択と患者指導の実践ポイント
・白癬の治療戦略と患者指導(常深 祐一郎)
・カンジダ症の治療戦略と患者指導(石崎 純子)
・マラセチア症の治療戦略と患者指導(下山 陽也)
■外用抗真菌薬による接触皮膚炎の回避と生じた際の対処法(田邉 洋)
■経口抗真菌薬の投与前検査と投与中モニタリング・異常発現時の対応
・テルビナフィン(福田 知雄)
・イトラコナゾール(牛上 敢)
・ホスラブコナゾール(常深 祐一郎)
■表在性皮膚真菌症における経口抗真菌薬の薬物相互作用マネジメント(山口 諒ほか)
■患者背景を考慮した表在性真菌症治療・予防Q&A
・糖尿病患者の足白癬に対してケアと患者教育はどう行えばよい?(竹原 君江)
・免疫抑制状態の患者で真菌感染をどう管理すればよい?(北見 由季)
・小児での経口抗真菌薬の使い時と用量はどう考える?(木村 有太子)
・多病でポリファーマシーの在宅高齢患者の爪白癬が放置されている場合はどうすればよい?(丸山 隆児)
・腎機能低下・透析患者での経口抗真菌薬投与をどう考える?(山本 和宏)
■表在性皮膚真菌症の再発予防指導(西部 明子)
■足白癬を対象とする市販薬の現状と問題点(野口 博光)
■コラム:「どうしても通院できない」場合のOTC薬の考え方(常深 祐一郎)
≪シリーズ≫
■薬剤師ふたばの症例検討奮闘記
症例検討会本番
議論を深めるために
(内田 まやこ,矢野 良一)
■薬剤師にもできる! 将来幸せに働くための投資講座
慌てて損しないための投資哲学あれこれ
(桑原 秀徳)
■「治療」「薬局」合同連載
症例×Q&A 超高齢社会シコウの利尿薬適正使用シコウ
体液過剰状態の高齢うっ血性心不全患者の入院(再入院)が繰り返される現状,なんとかならないのか?
(杉本 俊郎)
≪巻頭言≫
皮膚真菌症は非常に頻度の高い疾患である.皮膚真菌症の有病率は,日本臨床皮膚科医会の足の疾患以外で皮膚科を受診した患者の足の検診結果から,足白癬は21.6%,爪白癬は10.0%と推計されている.皮膚科受診患者の中での内訳は,日本医真菌学会の疫学調査からみると,皮膚科新患患者のうち13.8%が真菌症で,その99.9%が表在性皮膚真菌症であり,白癬が87.1%,皮膚・粘膜カンジダ症が9.7%,マラセチア症が3.2%であった.さらに白癬の各病型の内訳は足白癬63.0%,爪白癬34.0%,体部白癬7.4%,股部白癬4.1%であった.また,日本皮膚科学会の多施設横断的な全国調査で皮膚科を受診した患者を多い順に並べると,その他の湿疹,アトピー性皮膚炎,足白癬,蕁麻疹・血管浮腫,爪白癬となっており,足白癬や爪白癬は皮膚科疾患全体の中でも主要な位置を占めていることがわかる.白癬は俗に「水虫」といわれ,知らない人はいない病気である.このように極めて頻度が高く,診療現場でよく遭遇する皮膚真菌症であるが,その診断や治療が適切に行われているかというと,残念ながら,誤診も多く,治療も不十分なことが少なくない.皮膚真菌症の大部分は正確に診断し,適切な治療薬を選択し,患者に十分な説明をして理解してもらえば,治癒させることができる.昔「水虫を治す薬を発明したらノーベル賞ものだ」などといわれ,今でも水虫は治らないと思っている人は多い.実は,現在,非常に効果の高い薬剤が揃っているのである.そして,細菌と違い薬剤耐性もほぼないと言ってよい.では何がよくないのか? 診断が間違っている,治療薬の選択や使い方が間違っている,患者指導が不十分でドロップアウトが多い,など薬剤以外の問題で治癒に導けていないのである.皮膚真菌症は皮膚科医だけが診ているのではなく,むしろ皮膚科以外の医師が診ている症例の方が多いという話もある.また,患者と第一線で接する看護師による指導は影響が大きいし,薬剤のアドヒアランスに直結する薬剤師の役割も重要である.このように幅広い医療従事者に皮膚真菌症の病態や診断,治療,患者指導について正しく知ってもらい,皮膚真菌症診療能力の底上げを図り,標準化しようというのが本特集の企画意図である.読者のみなさまがそれぞれの立場から皮膚真菌症の治癒に向けて正しい知識を習得していただければ嬉しい限りである.
常深 祐一郎
埼玉医科大学 皮膚科 教授
≪特集の目次≫
■特集にあたって(常深 祐一郎)
■表在性皮膚真菌症の診断と感染経路の解析(竹田 公信)
■表在性皮膚真菌症の診断方法
・直接鏡検・真菌培養(竹中 基)
・遺伝子診断(安澤 数史)
■表在性皮膚真菌症の臨床像とその鑑別
・白癬の臨床像と鑑別(辻 学)
・カンジダ症の臨床像と鑑別(佐藤 友隆)
・マラセチア症の臨床像と鑑別(川上 洋ほか)
■コラム:Trichophyton tonsurans感染症(小川 祐美)
■表在性皮膚真菌症における薬剤選択と患者指導の実践ポイント
・白癬の治療戦略と患者指導(常深 祐一郎)
・カンジダ症の治療戦略と患者指導(石崎 純子)
・マラセチア症の治療戦略と患者指導(下山 陽也)
■外用抗真菌薬による接触皮膚炎の回避と生じた際の対処法(田邉 洋)
■経口抗真菌薬の投与前検査と投与中モニタリング・異常発現時の対応
・テルビナフィン(福田 知雄)
・イトラコナゾール(牛上 敢)
・ホスラブコナゾール(常深 祐一郎)
■表在性皮膚真菌症における経口抗真菌薬の薬物相互作用マネジメント(山口 諒ほか)
■患者背景を考慮した表在性真菌症治療・予防Q&A
・糖尿病患者の足白癬に対してケアと患者教育はどう行えばよい?(竹原 君江)
・免疫抑制状態の患者で真菌感染をどう管理すればよい?(北見 由季)
・小児での経口抗真菌薬の使い時と用量はどう考える?(木村 有太子)
・多病でポリファーマシーの在宅高齢患者の爪白癬が放置されている場合はどうすればよい?(丸山 隆児)
・腎機能低下・透析患者での経口抗真菌薬投与をどう考える?(山本 和宏)
■表在性皮膚真菌症の再発予防指導(西部 明子)
■足白癬を対象とする市販薬の現状と問題点(野口 博光)
■コラム:「どうしても通院できない」場合のOTC薬の考え方(常深 祐一郎)
≪シリーズ≫
■薬剤師ふたばの症例検討奮闘記
症例検討会本番
議論を深めるために
(内田 まやこ,矢野 良一)
■薬剤師にもできる! 将来幸せに働くための投資講座
慌てて損しないための投資哲学あれこれ
(桑原 秀徳)
■「治療」「薬局」合同連載
症例×Q&A 超高齢社会シコウの利尿薬適正使用シコウ
体液過剰状態の高齢うっ血性心不全患者の入院(再入院)が繰り返される現状,なんとかならないのか?
(杉本 俊郎)
≪巻頭言≫
皮膚真菌症は非常に頻度の高い疾患である.皮膚真菌症の有病率は,日本臨床皮膚科医会の足の疾患以外で皮膚科を受診した患者の足の検診結果から,足白癬は21.6%,爪白癬は10.0%と推計されている.皮膚科受診患者の中での内訳は,日本医真菌学会の疫学調査からみると,皮膚科新患患者のうち13.8%が真菌症で,その99.9%が表在性皮膚真菌症であり,白癬が87.1%,皮膚・粘膜カンジダ症が9.7%,マラセチア症が3.2%であった.さらに白癬の各病型の内訳は足白癬63.0%,爪白癬34.0%,体部白癬7.4%,股部白癬4.1%であった.また,日本皮膚科学会の多施設横断的な全国調査で皮膚科を受診した患者を多い順に並べると,その他の湿疹,アトピー性皮膚炎,足白癬,蕁麻疹・血管浮腫,爪白癬となっており,足白癬や爪白癬は皮膚科疾患全体の中でも主要な位置を占めていることがわかる.白癬は俗に「水虫」といわれ,知らない人はいない病気である.このように極めて頻度が高く,診療現場でよく遭遇する皮膚真菌症であるが,その診断や治療が適切に行われているかというと,残念ながら,誤診も多く,治療も不十分なことが少なくない.皮膚真菌症の大部分は正確に診断し,適切な治療薬を選択し,患者に十分な説明をして理解してもらえば,治癒させることができる.昔「水虫を治す薬を発明したらノーベル賞ものだ」などといわれ,今でも水虫は治らないと思っている人は多い.実は,現在,非常に効果の高い薬剤が揃っているのである.そして,細菌と違い薬剤耐性もほぼないと言ってよい.では何がよくないのか? 診断が間違っている,治療薬の選択や使い方が間違っている,患者指導が不十分でドロップアウトが多い,など薬剤以外の問題で治癒に導けていないのである.皮膚真菌症は皮膚科医だけが診ているのではなく,むしろ皮膚科以外の医師が診ている症例の方が多いという話もある.また,患者と第一線で接する看護師による指導は影響が大きいし,薬剤のアドヒアランスに直結する薬剤師の役割も重要である.このように幅広い医療従事者に皮膚真菌症の病態や診断,治療,患者指導について正しく知ってもらい,皮膚真菌症診療能力の底上げを図り,標準化しようというのが本特集の企画意図である.読者のみなさまがそれぞれの立場から皮膚真菌症の治癒に向けて正しい知識を習得していただければ嬉しい限りである.
常深 祐一郎
埼玉医科大学 皮膚科 教授
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