●特集
「設計・解析・シミュレーション」
発展が目覚しい今日の電子機器類、そしてまた、今後重要な開発テーマとして浮上してくる
新技術開発に取り組むにあたっては、様々な要求に応えるだけの確実なソリューションが必要
となります。いずれにしても、各要素を考慮しながらの設計、解析、及び製造ソリューション
は、ますます複雑に、また難しいものになっており、現場の方々も立ちはだかる課題の解決に
取りくまなければなりません。
本特集では、現在の設計・解析・シミュレーションの技術と製品について、それぞれに、ど
のような要求にいかに応えているかをご紹介します。
■3Dプリンタを応用した立体回路基板のための設計環境
株式会社図研/長谷川 清久 氏
■プリント基板のレイアウト設計と製造をシームレスにつなぐインテリジェントなDFMソリューション
メンター・グラフィックス・ジャパン株式会社/吉田 昌広 氏
●トレンドを探る
■ALD(原子層堆積)超薄膜による絶縁コーティング及びウィスカ防止への展開
PICOSUN JAPAN株式会社/八尋 大輔 氏
■電子機器セットメーカーの皆さまへ伝える海外調達プリント基板の勘どころ
有限会社実装彩科/斉藤 和正 氏
■実装技術初心者のための『パスポート』~知のインプット/アウトプットのこつ~
第20回 情報収集のための学会・団体の紹介
特定非営利活動法人 日本環境技術推進機構 横浜支部/青木 正光 氏
●好評連載
■前田真一の最新実装基板あれこれ塾
第100回 運用が始まった5Gの光と陰
●コラム
■「ちょっと途中下車」
297駅目 イベリア半島から伝来した「カステラ」/武井 豊氏
●New Technology Flash
■半導体製品の所在管理システムを開発、他
●Products Guide
■株式会社FUJI/「電子部品実装機」
■株式会社コールトロール/「ディスク型セラミックコンデンサ」
■沖電線株式会社/「フレキシブル基板」、他
●その他
■展示会・イベント案内
■プリント配線板データシート
■Reader’s Square
■編集室から
エレクトロニクス実装技術の内容
- 出版社:Gichoビジネスコミュニケーションズ
- 発行間隔:月刊
- 発売日:[紙版]毎月20日 [デジタル版]毎月23日
国内唯一の実装技術専門誌
1985年の創刊以来、電子回路の設計・製造技術、材料、製造機器の最新情報と企業動向をご紹介している国内唯一の実装技術専門誌です。国内外の最先端技術やイベント情報、そして企業動向にスポットを当て、エレクトロニクス業界に携わる様々なキーパーソンへ価値ある情報を発信しています。
エレクトロニクス実装技術 第35巻7号(2019-06-20発売) の特集を少しご紹介
設計・解析・シミュレーション
3Dプリンタを応用した立体回路基板のための設計環境
P.13~P.23
プリント基板をベースとした部品実装技術は、挿入実装型から表面実装型へ、そして格子端子型(BGA:Ball Grid Array)、3次元積層モジュールへと大きな革命が3度あった。3次元積層技術は、携帯電話やスマートフォンの小型化・薄型化要求と共に発展し、モジュール化の開発が今もさかんである。それらは古くからの技術であるHIC(HybridIC)やMCM(Multi Chip Module)の技術を応用したもので、WLP(Wafer Level Package)、PoP(Package onPackage)、SiP(System in Package)、3D-SiP(3-Dimension-SiP)、FO-WLP(Fan Out-WLP)などとして進化を続けている。また、プリント基板は両面基板から始まり、多層基板、ビルドアップ基板へと進化し、部品内蔵基板など、単に「プリント基板」と呼ぶにはあまりにも複雑なテクノロジを駆使したモジュールへと変わってきている。さらに小型機器への組込みを考えた場合、筐体とプリント基板を一体化して作り込むという考え方からMID(Molded InterconnectDevice, 成形回路部品)という、樹脂成形された筐体表面にめっきなどにより金属で回路形成し、さらに部品を実装して機能モジュール化する技術も話題になっている。
トレンドを探る
ALD(原子層堆積)超薄膜による絶縁コーティング及びウィスカ防止への展開
P.24~P.28
半導体製造工程は実装工程とは異なると一般的に考えられている。たとえば要求されるクリーン度、品質、歩留まりは確かに別世界であり、そのため使われる装置や薬品なども異なるスペックのものが必要となる。しかし回路の微細化・部品の小型化が進展し、またいっぽうではデバイスのモジュール化が進むにつれ、一部ではその境界はかつてほど明瞭ではなくなりつつある。半導体製造工程の技術であるALD(原子層堆積)も、実装工程に近いところでも応用可能なことが知られており、本稿では特に、絶縁性、並びに、ウィスカ防止に焦点を当てて詳述する。
ALD成膜(図2)の特徴については本誌でも何度か述べているが、以下の通り再掲する。
?膜質が化学量論比に近く非常に緻密であり、ピンホールフリー
?素地への密着性が高い
?複雑な3D形状物やナノスケール表面(高ARトレンチ・ナノポアなど)へも均一に成膜できる
?再現性の高いプロセスとして膜厚を厳密にコントロールできる
?比較的低温での成膜が可能で、基板へのダメージを低減できる
前田真一の最新実装技術 あれこれ塾
第100回 運用が始まった5Gの光と陰
P.52~P.55
4月にアメリカと韓国の一部で、5G 通信の実運用が始まりました。アメリカではベライゾン社が4月3日からイリノイ州のシカゴとミネソタ州ミネアポリスの一部でサービスを開始し、韓国で、4月5日からサービスを開始しました。
ベライゾン社は当初、4 月11日からサービスを開始すると発表していましたが、韓国の5日開始に合わせ、急遽3日に開始を早め、世界で最初の5G通信サービス開始の「名」を取りました。
韓国では、ベライゾンの3日発表を受け、一部、芸能人のモニターを対象に3日に5G通信をサポートし、時差の関係で「韓国が世界で最初」だと言い出しました。
しかし、このような「世界最初」争いの結果、両者とも準備不足のまま、5Gの見切りスタートをし、5Gの実用化とはほど遠い状態となっています。
5G のキャッチフレーズは、4Gと比較して、
①4G通信の100~1000倍(最高10Gbps の超高速データ転送スピード)
②1m秒(最悪)の高速レスポンス(超低遅延)
③1平方kmあたり100万台の端末接続(同時多数接続)
です。
ベライゾンでは広報の社員が、実際に使用した結果として、通信速度は762Mbps、レスポンス遅延は10m秒とほぼ期待通りの性能を示したとTwitterで報告しています。
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