OZmagazinePLUS(オズマガジンプラス)の編集長インタビュー

編集長プロフィール

スターツ出版
「OZplus(オズプラス)」編集長 上妻直美さん

こうづまなおみ 東京生まれ・山口県育ち。短大卒業後スターツ出版に入社。地域情報誌「アエルデ」、「オズウエディング」、「オズマガジン増刊・ムック」を経て、2010年オズプラスの編集長に就任。

編集長写真

第72回 OZplus(オズプラス) 編集長 上妻直美さん

可愛く軽やかに自分らしさ磨きを

―オフィスの引越しでかなり広くなりました。

社の玄関には出版物が綺麗に展示されている
社の玄関には出版物が綺麗に展示されている

ええ、会社もお蔭様で大きくなってきてまして、私が入社した十数年前は60人くらいでしたが、いまでは170人ほどの規模になっています。
私は短大を出てからこの会社に入社して、最初の2年間は総務や経理をやってました。それから「アエルデ」編集部に移って8年ほど地域情報誌をつくりました。それから「オズウエディング」「オズマガジン増刊」をやってこちらにまいりました。

―もともと「オズマガジン増刊」から生まれた雑誌ですね。

そうです。3年前に創刊されました。「オズマガジン」は旅やお出かけのテーマが中心で、「オズプラス」は働く女性のライフスタイルを応援するという内容になっています。仕事、健康、人間関係など実用的な内容で読者をバックアップしています。

―ワンテーマ・マガジンというわけではないですね。

評判のよかった「ひとり時間」、「新習慣」
評判のよかった「ひとり時間」、「新習慣」
人気のテーマは増刊号で
人気のテーマは増刊号で

1号で1つのキーワードを設定して特集を組んでいます。たとえば「新習慣」というテーマなら、そのキーワードをもとに巻頭、第2、第3の3つの特集で展開しています。
「プラス」という言葉に込められた意味は、「オズの新しい雑誌」「プラスアルファ自分らしく輝いて欲しい」ということなんです。

―「女子力」という言葉が散見されますが、これは具体的にはどういう意味なのでしょうか。

「女子力」という言葉には、きちんとした定義はないと思うんです。恋愛面だったり、ビューティなど外見磨きのことだったり、使う人やシーンでそれぞれ解釈されて使われているのが現状かと。私たちの雑誌では、「自分磨き」「自分らしさ磨き」をメッセージとしていますが、それは自分の内面にあるいいものを磨こうということなんです。
今年はそのメッセージを、軽やかでかわいらしさもある「女子力磨き」というキーワードで表現しています。読者の方々はがんばっている人たちが多いので、雑誌ではさらに頑張ることを強いることはしないようにしています。きちんと自分の内面に向き合いながら、まず自分のナチュラルな魅力に気付くこと、そこから気持ちが前向きになり、軽やかに日々を過ごしていってもらえたらいいですね。

―読者層はどのあたりですか。

20代後半~30代前半の女性がメインですね。仕事でもそこそこ経験が積み重なって身に付き始め、さらに前進する途上にある人だと思います。だから、人気があった「35歳までに身につけたい女子力」などといった企画では、「わたしノート」をつけながら自分自身を紐解いてみることを勧めました。そうすると自分自身の得意不得意分野が見えてくる。テーマとしてはそんな風にちょっと重かったもりするのですが、見せ方を可愛くしたり、軽やかなトーンで構成することで、参加しやすく真似しやすくなっているんです。

―編集部は女子ばっかりですか。

ラフ・レイアウトはかなり細かく用意する
ラフ・レイアウトはかなり細かく用意する
会議室は広くゆったりしている
会議室は広くゆったりしている

うちの会社って全体的に女子が多いんですよ(笑)。編集部も私を入れて4人全員が女子です。みんな企画から取材、校了まで、手間隙かけてやってます。そうしないと読者にちゃんと伝わる記事にはならないと思うので。その手間は惜しまないよう普段から自分にも言い聞かせています。

―編集会議はどんな感じなんですか。

大きい会議が1回、これは広告部や販売部も入れてやります。それから柱を決めてそこにどういうゴールをもうけて仕上げていくかは編集部の仕事。編集部だけの会議は4、5回はやっていると思います。企画の担当になれば細かいラフを切って、ADを入れてデザイナーと打ち合わせし、取材はそれからです。取材後にイメージが変わると、ラフの切り直しからやり直すので、やはり手間のかかる作業であることは間違いありませんね。
でも、編集部全員が楽をしようと思ってなくて(笑)、楽しみながらつくっているんですよ。とくに人の取材が多いのでいろんな人に会える喜びもありますしね。そんな楽しい雰囲気が読者の方にも伝わればいいと思っています。

―この世代の読者って、やはり頑張りやさん、という印象ですか。

そう思います。仕事もだんだん難しくなっていきますしね。一生懸命頑張っているんだけど、自信満々にみえるんだけど、でもアンケートを見ると弱い一面が出ていたりする。そんな内面と、この雑誌が向き合えたらと思います。向上心を秘めながらしっかり現実に向かっている女子の内面に、ライトな感覚で寄り添っていって、心の成長を感じてもらえるきっかけになるのが望ましいと思っています。

―オズモールとの関係はどうなっていますか。

お互い相乗効果が出るような形でコラボしています。たとえば今は、「東京Meets」という企画をオズモールと共にやっています。これはイベント連動企画で、誌面でインタビューした方とオズモールのイベントでリアルに会えるというもので、毎回募集人数を大きく上回る応募がある人気企画です。
オズモール自体がたくさんの方々に利用していただいてますから、そこから申し込んでもらうようにすることで、多くの方々にイベントと同時に誌面掲載記事についても知っていただけるといったメリットがあります。
オズモールは雑誌の補完媒体でもないし、また雑誌もオズモールの補完媒体ではありません。双方のパワーを生かした企画を今後も立ち上げていきたいです。

―デジタル雑誌も初めておられます。

ええ、でも雑誌をデジタルで購入するというのは、まだまだ定着していないのが現状だと思っています。ただ、行っている意味合いとしては、デジタル雑誌を活用してユーザーがオズプラスに接触する機会を多くすることがありますね。
私としては、まだまだ紙の媒体のよさを突き詰めたいし、それを許す環境がこの会社にあると思っています。紙に向かい合う時間、より深く考えられる環境が与えられているので、そのぶんしっかりいまの媒体をよりよいものにせねばと思っています。
表現ひとつとったって、紙の質感、写真の表現・・・まだまだ紙でやるべきことはたくさんあると思っているんです。
それと、私、本屋さんが好きなんです。本を読むのも好きですし、本屋さんを覗くのも大好き。街歩きも好きで、歩きながら個性的な本屋さんがあったりすると必ず中に入っちゃいます(笑)。

―編集希望の新人もやはり紙派ですか。

「出版社」に編集希望と言って受験するならば、紙媒体をイメージしている人が多いかもしれません。ただ、「営業希望」も「Web希望」などもいらっしゃるので、職種はどうあれ、何らかの形で好きな媒体に関わる仕事がしたいと考える人が多いのではないでしょうか。
実際、Web編集として活躍している新人もたくさん居ます。

編集長の愛読誌

(2011年10月)

取材後記
私は長く中央公論に勤めていたので、銀座や京橋はいわば庭みたいな感覚があって、このあたりを散策すると、妙に懐かしい気分に包まれます。でも近ごろは京橋界隈ですら新しい建物が出来たりしてずいぶん様子が変わってきているようです。
今回は銀座から京橋まで歩いたのですが、折りしもスティーブ・ジョブズが亡くなった翌日で、銀座のアップルストアの前には多くの花が手向けられていました。それを尻目にスターツ出版のある京橋に向い、「オズプラス」編集部にお邪魔しました。京橋の中央通りに面した編集部は、以前お邪魔したときより広く感じました。
この辺の出版社もやはりアップルストアに象徴されるように、電子化の波にのってデジタル新展開かと思いきや、上妻さんは意外に保守的な紙派でした。同席して下さった広報の方々もどちらかというと昔堅気の出版人で、古きよき出版文化がまだ京橋には残ってるのかとちょっと驚きました。でもそれが妙に私に安心感を与えたのも、この場所で長く過ごしたせいでしょうか。

インタビュアー:小西克博

大学卒業後に渡欧し編集と広告を学ぶ。共同通信社を経て中央公論社で「GQ」日本版の創刊に参画。 「リクウ」、「カイラス」創刊編集長などを歴任し、富士山マガジンサービス顧問・編集長。著書に「遊覧の極地」など。

小西克博写真

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