東日本大震災後の米穀需給
4月22日までに得られた対策、情報を基に、今後の米穀需給を検証する。結論から言うと、震災の影響は、少なくとも全体需給には及ばないとみられる。ただし、いくつかの不確定要素(推測しようのない数値)が先に待っている模様だ。
平成23年産 全体需給に支障なし
農林水産省は4月22日、福島第一原発の事故に伴い懸案となっていた福島県下の平成23年産「作付制限区域」を決めた。
米については4月7日、放射性セシウムの残留基準値を、①圃場の土壌(乾土)1㎏当り5000ベクレル以上に作付制限、②収穫した玄米1㎏当り500ベクレル以上に出荷制限と定めていたが、調査の結果、この基準値を超過する地域はほとんどなかった。そのため今回決定した作付制限区域は、土壌の残留濃度とは無関係に、官邸サイドが決めた避難区域、計画的避難区域、緊急時避難準備区域でのみ実施することとした。
平成22年産 過剰基調に変化なし
震災直後、消費者の買いだめ行動によって「爆発」した22年産需要だったが、4月以降の「反動」が懸念されている。一時的に売れたからといって、一挙に需要が増えるというものでもない。またPOSデータなどで明らかになってきたのが、震災後の「家庭内備蓄需要」とでも呼ぶべきものの急増だが、それは「米」よりも「日もちする品目」(米も日もちするが、その保管管理はひとえに消費者に任されている)、「食べるまでに手間と動力のかからない品目」のほうが高い。
結果的に1年終わってみれば、需要が減退していた、などということすら想定しておくべきなのだ。
東日本大震災アーカイブ
東日本大震災の余波は4月20日現在でまだ収束していない地域も多く、食品関係では特に、東京電力㈱の福島原子力発電所事故に伴う放射性物質の問題が、思わぬ形で影響を拡大している。米穀の供給は震災後1週間から10日間の比較的短期間の混乱で収まりを見せているが、本紙ではこの間の政府(農林水産省)の動きを速報として時系列ごとにまとめて報告する(※4月18日の公表分まで)。
トップインタビュー
㈱イクタツ 榎本敏章社長
前期は減収も利益確保、外食中心に「もう一つ新商材入れる」努力を
――前期の実績について伺えますか。
榎本社長 2011年3月期は売上に関しては前期を下回ったが、利益は出し、減収増益となった。期末にかけ勢いもあったのだが、地震の影響で実績を一部下方修正している。
増益の要因は、新規開拓はもちろん、既存の客の上乗せ。得意先のシェアを高める営業を積極的にやった。当社で扱っていないもの、あるいは扱っていても売りこんでいないものを提案していった。それがある程度、結果を伴っていった。また、一昨年に比べれば、外食そのものが良くなってきたことも後押しとなったのだろう。
事業の売上比率は特に変わっていない。米プラス米飯で65%、酒・調味料が31~32%、残りが小麦粉やその他食品など。経費の削減は色々と実施しており、一番大きかったのは、配送費。取引先にも協力してもらい、何遍もシミュレーションを行って、配送コースの組み換えを実施した。
千田みずほ㈱ 千田法久社長
3点セット脱却の好機、どうしても影響する東日本大震災
――前期(2010年11月期)の業績、今期になってからここまでの業績はいかがでしたか。
千田社長 売上は数量・金額ベースともに増やした。既存取引先は厳しいが、新規開拓でカバーし、確保できた。利益も伸びている。
この勢いのまま、2月末までは好調に推移していた。例えば恵方巻き。これだけを取り出すと、前年同期を40%上回った勘定だ。
昨年は工場ができたばかりということもあって、実は意図的にセーブしていたのだが、今年は体制が整ったので、可能な限りオーダーに応えていこうと考えた。恵方巻きを製造できる体制を整えている工場は絶対数が足りない。少なくとも年1回のためだけに専用のラインを空けるという業者はまずいない。そのため、やれるところに注文が集中した結果が、この成果と言える。
topics
・近畿大と包括的共同研究契約
サタケ
・木質バイオマス利用でCO2削減
山本製作所
・2放射性物質セットで含有量検査サービス
ビジョンバイオ
・山梨県中央市に月1000tの新精米工場
山田屋本店
・頑張れファイターズ、無洗米新パッケージ
ホクレン
・新社長人事
島根米穀㈱ 経種芳治社長
㈱ほくべい 大川正勝社長
和歌山米穀㈱ 木本雅司社長
連載シリーズ
・「お米マイスター&料理店」
食糧会館に近いお寿司屋さん
お米マイスター:「高坂米店」台東区新御徒町
料理店:「寿司富」日本橋小伝馬町
「シャリ切りの軽い米」追求
一年古米のはえぬきとササ
マイスターと偶然の出会いから
試行錯誤、さらなる高みへ
・「壁耳空耳時事放談」
主食用米の先物取引は許可されぬ
平成22年産米の下落がトラウマに
・「斜めからもの申す」好調の辛口論評
情報は鵜呑みにしない!
・「ライスネットの相場展望」
ライスネットワークの相場展望V.109
震災で急騰のコシ相場、ヤマは端境期
不足ない全体需給、避けるべきは投機
・西やんの“米屋”が進める農商工連携でビジネスモデルの創出を
(米屋の業態革新のすすめ)
第5回 ~実例を踏まえた農商工連携の進め方・考え方・作り方~
・「観測気球」
消費地の販売業者に先立ち生産地の商品並ぶ
・「元気な米屋」
㈱スズノブ
東京都目黒区
・「米売れ筋POSランキング2011年2月」
・「資料」
2009(平成21)年度「大型精米工場の実態調査結果」=精米工
平成23年2月の家計調査
小売物価統計(東京都区部のみ)平成23年2月分
4月のBBN米価
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