年月号:2023年3月号
巻号:第54巻2号
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■特集
【若年性認知症の人を地域で支える】
わが国では、若年性認知症の人の数は約3万6千人とみられる。国は令和元年6月に「認知症施策推進大綱」を取りまとめ、都道府県ごとに若年性認知症支援コーディネーターを配置するなど支援体制を整えている。「認知症になったら人生終わり」という誤解が根強く残る一方で、当事者からの情報発信も盛んになってきており、地域での認識は変わりつつある。
特集は、若年性認知症の現状と課題を概観するとともに、保健師と当事者の座談会で、当事者や家族を地域で支えるための方策を探る。
◎若年性認知症の現状と課題
鷲見幸彦(社会福祉法人仁至会 認知症介護研究・研修大府センター)
◎【座談会】
若年性認知症の人と共に ―暮らしやすい地域をつくる
(出席者)
・永田久美子さん(社会福祉法人浴風会 認知症介護研究・研修東京センター)=司会
・服部春香さん(御坊市健康福祉課)
・石毛幸子さん(上草柳・中央地域包括支援センター)
・小野寺 朗さん(わすれな草の会〈若年性認知症本人・家族ミーティング〉)
■鼎談1
【児童虐待・高齢者虐待・障害者虐待 に通底するものは何か】
わが国の虐待防止に関する法律は、児童虐待防止法、DV防止法、高齢者虐待防止法、障害者虐待防止法がある。児童虐待防止法の施行から20年以上、最も新しい障害者虐待防止法の施行からは10年以上が経過しているが、悲惨な事件は後を絶たない。根本的な問題はどこにあるのだろうか。
虐待事件の報道は虐待した者の糾弾に偏る傾向がある。児童虐待事件では、虐待した者の異常性に焦点が当てられる。高齢者虐待と障害者虐待事件では、養護者や施設職員などへの支援の視点は弱い。そして、世間一般の認識では、「虐待する者=悪」という構図が主流を占めている。
鼎談では、児童虐待、高齢者虐待、障害者虐待の3つを取り上げ、「虐待する者=悪」の構図にメスを入れる。3つの虐待に通底する問題をあぶり出すとともに、虐待を根本的に防ぐための方策を探る。
(出席者)
◎鷲山拓男さん(とよたまこころの診療所)=司会
◎和田忠志さん(医療法人実幸会いらはら診療所)
◎野澤和弘さん(植草学園大学)
■鼎談2
【こども家庭庁の設置で保健師の活動 はどうなる?】
令和5年度から内閣府の外庁として「こども家庭庁」が発足する。厚生労働省が所管していた母子保健や児童虐待防止対策、障害児支援なども全てこども家庭庁に移管され、地域においては市区町村子ども家庭総合支援拠点と子育て世代包括支援センターが「こども家庭センター」に統合される。新しい組織の下で、保健師業務はどのように変わっていくのか、あるいは変わらないのか。
母子保健、子育て支援において、保健師の活動がどのように影響を受けるのかを鼎談形式で語り合う。出席者は、母子保健に詳しい武蔵野大学看護学部教授の中板育美さん(司会)、子ども家庭総合支援拠点に詳しい日本大学危機管理学部准教授(令和5年4月1日からは日本大学大学院危機管理学研究科教授)の鈴木秀洋さん、厚生労働省子ども家庭局母子保健課長の山本圭子さん。
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◆ひよこ、ホップ、ステップ、ジャンプ!
清原千聖さん 瀬山未奈さん
(呉市保健所地域保健課)
◆ピープル
仁科勝介さん(写真家)
◆活動報告
医師会と二人三脚で歩んだ「健康度測定」事業の取り組み
二宮博文(港区みなと保健所)
◆寄稿1
産学官連携で地域の健康課題の解決を
池田孝行(聖隷福祉事業団)
■寄稿2
わが国の紙巻きたばこ販売本数の動向と社会情勢
安藤絵美子(国立がん研究センター)
■連載
○なな先生のことばの発達教室
第5回 ことばの相談でのアセスメント
寺田奈々
■日本言語聴覚士協会からのお知らせ
言語聴覚士をご活用ください
赤壁省吾(日本?語聴覚士協会)
■連載
〇なな先生のことばの発達教室
第6回 おしゃべりがつっかえる、吃音(きつおん)ってなあに?
○東京保健師ものがたり
第12回 “種”<自殺予防>
和泉慶子
○オンライン市役所だより
第12回 休刊によせて
雑誌『地域保健』で感謝を伝える自主ゼミメンバー 一同
○ESSAY国際保健
第54回 国際保健のよりよい未来に向けて
松田正己
○保健師のための閑話ケア
第105回 贈る言葉
藤本裕明
○中臣さんの環境衛生ウオッチング
第90回 保健師と環境衛生監視員のつながり
③災害時の活動を共にして
中臣昌広
◆情報BOX
BOOK
Information
他
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