目次
【特集】
傷あとがキレイに治る!ドレッシング材
-注目の創傷被覆材を用いた難治性皮膚潰瘍・褥瘡の治療-
企画編集/前川武雄
〈特集にあたって〉
創傷治療におけるドレッシング治療の歴史は古く,紀元前の時代から人類は傷を覆うためにさまざまな工夫を凝らしてきました。抗生物質の発見以前は,創傷からの細菌感染により敗血症を引き起こす症例はめずらしくなく,感染の防御が創傷治癒に最も重要とされてきました。感染防御の手段として,傷を消毒してガーゼドレッシングで乾燥させることがほんの十数年前まで標準的な治療として行われてきたのです。近年,滲出液を適正にコントロールし,傷を湿潤環境に保つ「moist wound healing」の概念が確立し,従来の傷を乾燥させて治すという考え方を180 度転換させました。現在では「wound bed preparation」とともに,創傷治癒の基本的な概念として確立されており,その実践的な指針としてTIMEの概念が提唱されています。創傷治療を行ううえで,これらの概念に基づいた製材の選択をしなければ,いかなる外用剤やドレッシング材を用いても,その効果は十分に発揮されません。また,一言で傷といってもその状態は千差万別です。褥瘡,熱傷,糖尿病性潰瘍,膠原病や血管炎による潰瘍など疾患による違い,部位による違い,傷の深さ,滲出液の量,壊死組織の有無など,評価すべき項目はたくさんあります。これらの評価が不十分なままに,局所治療だけにとらわれてしまうと思わぬ落とし穴に落ちてしまうことがあります。たとえば,褥瘡であればポジショニングや栄養管理,糖尿病であれば血糖コントロール,これらが不十分なまま局所治療だけをどれだけ頑張っても傷は治りません。外用剤やドレッシング材の特性を知る前に,まずは正しく傷を評価し,全身的な治療方針を立て,そのうえで局所治療として適切な製材を選択することが重要となります。
一方で,最近のドレッシング材の発展は目覚ましく,毎年のように新しい製品・製材が登場しており,現在その数は数十種類にも及びます。では,すべての傷に万能なドレッシング材というものが開発されたのでしょうか? 残念ながら,まだそのような製品は開発されていません。どのドレッシング材にも利点があれば欠点もあるのです。すなわち,各ドレッシング材の特性を理解したうえで,傷の状態に合わせたコーディネートが必要不可欠であり,そこが看護師(WOCN)の皆様の腕の見せ所となるのです。
本特集号では,創傷治療を専門とする先生方に,創傷の状態に応じたドレッシング材の選択方法をわかりやすく解説いただきました。無数にあるドレッシング材をすべて使えるようになる必要はありませんが,治療の選択肢が増えれば,それだけ診療の幅は大きく広がります。看護師(WOCN)の皆様が創傷治療を行っていくうえで,治療方法に悩む場面は多数あるでしょう。そんなとき,本特集号がドレッシング材をはじめとした治療方針を立てるうえでの一助になれば幸いです。
前川武雄
自治医科大学 皮膚科学講座 講師
〈目次〉
1. 創傷治療におけるTIMEの概念
2. 各ドレッシング材の特性と使い分け
3. 創傷の深さに応じたドレッシング材の使い方
4. 滲出液の量に応じたドレッシング材の使い方
5. 感染制御を目的としたドレッシング材の使い方
6. 壊死組織や不良肉芽に対するドレッシング材の使い方
7. 疼痛の強い創傷に対するドレッシング材の使い方
8. 肛門周囲や関節部位に対するドレッシング材の使い方
9. 脆弱な皮膚に対するドレッシング材の使い方
10. 褥瘡における外用剤とドレッシング材の使い分け
11. 局所陰圧閉鎖療法の理論と実際
12. ドレッシング材による創傷治療のまとめ
傷あとがキレイに治る!ドレッシング材
-注目の創傷被覆材を用いた難治性皮膚潰瘍・褥瘡の治療-
企画編集/前川武雄
〈特集にあたって〉
創傷治療におけるドレッシング治療の歴史は古く,紀元前の時代から人類は傷を覆うためにさまざまな工夫を凝らしてきました。抗生物質の発見以前は,創傷からの細菌感染により敗血症を引き起こす症例はめずらしくなく,感染の防御が創傷治癒に最も重要とされてきました。感染防御の手段として,傷を消毒してガーゼドレッシングで乾燥させることがほんの十数年前まで標準的な治療として行われてきたのです。近年,滲出液を適正にコントロールし,傷を湿潤環境に保つ「moist wound healing」の概念が確立し,従来の傷を乾燥させて治すという考え方を180 度転換させました。現在では「wound bed preparation」とともに,創傷治癒の基本的な概念として確立されており,その実践的な指針としてTIMEの概念が提唱されています。創傷治療を行ううえで,これらの概念に基づいた製材の選択をしなければ,いかなる外用剤やドレッシング材を用いても,その効果は十分に発揮されません。また,一言で傷といってもその状態は千差万別です。褥瘡,熱傷,糖尿病性潰瘍,膠原病や血管炎による潰瘍など疾患による違い,部位による違い,傷の深さ,滲出液の量,壊死組織の有無など,評価すべき項目はたくさんあります。これらの評価が不十分なままに,局所治療だけにとらわれてしまうと思わぬ落とし穴に落ちてしまうことがあります。たとえば,褥瘡であればポジショニングや栄養管理,糖尿病であれば血糖コントロール,これらが不十分なまま局所治療だけをどれだけ頑張っても傷は治りません。外用剤やドレッシング材の特性を知る前に,まずは正しく傷を評価し,全身的な治療方針を立て,そのうえで局所治療として適切な製材を選択することが重要となります。
一方で,最近のドレッシング材の発展は目覚ましく,毎年のように新しい製品・製材が登場しており,現在その数は数十種類にも及びます。では,すべての傷に万能なドレッシング材というものが開発されたのでしょうか? 残念ながら,まだそのような製品は開発されていません。どのドレッシング材にも利点があれば欠点もあるのです。すなわち,各ドレッシング材の特性を理解したうえで,傷の状態に合わせたコーディネートが必要不可欠であり,そこが看護師(WOCN)の皆様の腕の見せ所となるのです。
本特集号では,創傷治療を専門とする先生方に,創傷の状態に応じたドレッシング材の選択方法をわかりやすく解説いただきました。無数にあるドレッシング材をすべて使えるようになる必要はありませんが,治療の選択肢が増えれば,それだけ診療の幅は大きく広がります。看護師(WOCN)の皆様が創傷治療を行っていくうえで,治療方法に悩む場面は多数あるでしょう。そんなとき,本特集号がドレッシング材をはじめとした治療方針を立てるうえでの一助になれば幸いです。
前川武雄
自治医科大学 皮膚科学講座 講師
〈目次〉
1. 創傷治療におけるTIMEの概念
2. 各ドレッシング材の特性と使い分け
3. 創傷の深さに応じたドレッシング材の使い方
4. 滲出液の量に応じたドレッシング材の使い方
5. 感染制御を目的としたドレッシング材の使い方
6. 壊死組織や不良肉芽に対するドレッシング材の使い方
7. 疼痛の強い創傷に対するドレッシング材の使い方
8. 肛門周囲や関節部位に対するドレッシング材の使い方
9. 脆弱な皮膚に対するドレッシング材の使い方
10. 褥瘡における外用剤とドレッシング材の使い分け
11. 局所陰圧閉鎖療法の理論と実際
12. ドレッシング材による創傷治療のまとめ
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