WOC Nursing(ウォック ナーシング) 発売日・バックナンバー

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2,640円
特集●排泄ケアにおける多職種連携の可能性を考える
企画編集/吉川羊子(小牧市民病院 泌尿器科・排尿ケアセンター 部長)

<特集にあたって>

 本特集号では「排泄ケアにおける多職種連携」の可能性をさまざまな領域のエキスパートに論じていただきました。2016年新設の「排尿自立指導料」において「多職種からなる排尿ケアチーム」の必要性が明記されました。さらに,2020年の「外来排尿自立指導料」創設により,退院後の生活における患者の排尿機能を継続的に支援していく視点が求められています。言うまでもなく,排尿の自立とは,患者がトイレに行って帰ってくるという動作過程だけを支えることではありません。排尿,さらには排便も含めた排泄機能は,人の生活のさまざまな場面と密接なかかわりがあります。退院後の排泄ケアには「生活支援」の視点がより必要でしょう。
 本号では,まず多職種連携の基本である排尿自立支援・指導について,泌尿器科医,在宅医療医,看護師,療法士の立場から経験豊富な先生方に実践の方法を解説いただきました。「常勤の泌尿器科医師がいない」「地域・在宅医療の医師とどう連携?」といった声,さらに「連携をするためのスタッフ間の協力に悩んでいる」「排尿ケアに不慣れな理学療法士,作業療法士にどのような役割を担ってもらう?」といった悩みや疑問は現場で多く聞かれます。これから排尿自立支援・指導を始める方はもちろん,これまで取り組んできたが課題を解決したいといった方へのヒントになれば幸いです。
 また,排泄ケアの実践には栄養管理,薬物療法の介入は欠かせません。とくに,排便コントロールはそれ自体が取り組むべき大きい課題であり,かつ排尿機能にも密接に関連します。適切な栄養や薬剤管理は,フレイル・サルコペニアの予防にもつながります。執筆内容は非常に具体的,実践的で,読者の皆さんが実臨床で活かすこともできますし,できれば施設などの栄養士,薬剤師と連携するための素材として役立ててください。
 入退院外来支援,生活支援における排泄ケアに関しては,ソーシャルワーカーと,福祉機器のエキスパートに解説を依頼しました。退院後の生活を支えるハードとソフトを駆使することがよりよい排泄ケアにつながります。健康状態や生活環境の変化に応じて,継続的にきめ細かい包括的排泄ケア介入をするための道具や資源をいかに活用するか,ぜひ多職種でディスカッションしてください。
 さらに「排泄ケアに参加する多職種」として,「ものづくり」と「仕組みづくり」についても取り上げました。排泄の問題は,もちろん疾患として治療の対象にもなりますが,暮らしの一部であり,さらには社会参加の一環です。排泄の不具合をサポートする新たな機器や文化などを創ることで得られる排泄の自立もあるでしょう。これらは看護・介護の現場で「こんな道具,仕組みがあったら」という声を上げることから始まります。排泄の問題と直結したお仕事に従事されている皮膚・排泄ケア認定看護師の皆さんには,とくに先頭に立って問題提起をしていただくことを期待しています。
 本書が病院,施設はもとより,地域社会全体での多職種連携による排泄ケアを考えるきっかけになれば幸いです。

吉川羊子
小牧市民病院 泌尿器科・排尿ケアセンター 部長


<目次>

1. 総合病院における泌尿器科医の立場から/青木芳隆
2. 多職種連携におけるキーパーソンとしての看護師の役割/永坂和子
3. 排泄機能支援における療法士の関わり/渡邊日香里,山北康介
4. 排泄ケアにおける栄養士の役割~排泄ケアのための栄養管理~/中東真紀
5. 排泄ケアにおける薬剤師の役割/木村 緑
6. 在宅療養患者に対する排尿自立支援のチームアプローチ/土屋邦洋
7. 入退院支援(患者支援)における社会資源と排泄ケア/野田智子
8. 在宅での排泄ケアを支える福祉機器~おむつ・ポータブルトイレ・住宅改修など~/日髙明子
9. ケアテックの概念と排泄ケアに関する技術開発/宇井吉美
10. 社会におけるトイレと排泄ケア/加藤 篤
2,640円
特集●食べるよろこびを伝えるPOTTプログラム~ポジショニングで低栄養・誤嚥・褥瘡予防~
企画編集/迫田綾子(POTTプロジェクト 代表,日本赤十字広島看護大学 名誉教授)

<特集にあたって>

 改めて看護を問い直します。V・ヘンダーソンは,“看護の基本となるもの-飲食を助ける-”の項で「四六時中患者と共にいて,患者の食べたり飲んだりを最もよく力づけることができるのは看護師である」と述べています。現代の看護は,その期待に応えているでしょうか。
 我が国では超高齢化の進行により,食事を起因とした誤嚥性肺炎や窒息,低栄養など命の危機に,多くの看護師が直面しています。安全・安楽であるはずの食事時のポジショニングでは,看護師の習慣的な姿勢調整が散見され,エビデンスに基づいた体系化や教育が遅れてきました。社会の変化に看護が追いついていない観があります。
 筆者らは,13年前より“誤嚥を防ぐ食事時のポジショニング教育プログラム”を摂食・嚥下障害看護認定看護師らと実践研究を始め,POTTプログラムを開発しました。POTTとは,“ポジショニングで(PO)食べるよろこびを(T)伝える(T)”の愛称で,新たな臨床知です。
 基本枠組みは,ヘルスプロモーションのPRECEDE-PROCEEDモデルです。知識や技術,環境を整え行動(実践)します。ヘルスプロモーション介入の目的は,健康関連行動や生活状態の変化・改善による罹病期間の短縮,QOLの向上です。POTTプログラムも最終目標は同様です。自分で選んで食べることは基本的欲求であり,究極のQOLです。そのプロセスでは,口腔ケアやポジショニングは基本の看護ケアとなります。
 食事姿勢は,安全性や安楽に大きく影響し,誤嚥や窒息のリスクは褥瘡リスクになります。共に“Silent Sick”であり,静かに忍び寄ります。適切なポジショニングは,全身状態や摂食嚥下機能や食事姿勢などの理解が基盤となります。それらを理解し,考えつつ行動できることをめざしたのがPOTT基本スキルです。
 POTT基本スキルは,ベッド上および車椅子(座位姿勢)での,アセスメントと食前・中・後のポジショニングで構成しています。効果検証では自力摂取,食事量増加,食事時間短縮,誤嚥性肺炎減少などがあります。なによりも患者の笑顔が戻り,患者も介助者も幸せな時になります。そんな場面を目の当たりにすると「看護っていいな!」と思うのです。
 教育方法は,基礎から体験的に学び次の人へと伝承して,チームで実践します。理論枠組みは,P・ベナーの“包括的徒弟式学習”法です。この学習法は,単にスキルの模倣ではなく,創造的で批判的に思考し疑問を問いただし,さらに革新していきます。新たなスキル獲得は,患者体験から反復練習し内省を経て自らの技術としていきます。こうしてPOTTプログラムは,多くの意志ある人々の手を経て実践し深化を続けています。
 本稿では,POTTプログラムの概要および現場での実践を紹介します。今の今,姿勢を整えれば食べられ,かつ褥瘡をも防げる人たちが待っておられます。看護師の「心と技」は,患者の「食べるよろこび」につながります。WOCナースや食事ケアに関わる方々と共に素敵な看護を実践し,ケアする人も受ける人も共に成長できることを期待しています。

迫田綾子
POTTプロジェクト 代表,日本赤十字広島看護大学 名誉教授


<目次>

1. 食事姿勢のアセスメントと食事形態の選択/竹内富貴
2. POTTポジショニングスキル①ベッド上でのポジショニング(リクライニング位30°,60°)/佐藤幸浩,廣瀬真由美,土井淳詩
3. POTTポジショニングスキル②車椅子のポジショニング/定松ルリ子
4. 適切な食事介助~食べて低栄養予防~/竹市美加
5. 食べるよろこびを取り戻すポジショニングと食事ケア/芳村直美
6. 在宅におけるPOTTプログラムの実践/藤沢武秀
7. 褥瘡予防から食べるよろこびをつなぐ/清水徳子
8. 高齢者に食べるよろこびを拡げる活動~POTT in 種子島~/下江理沙,戸川英子
9. 食事の自立支援~POTTプログラム導入と褥瘡予防~/川端直子
10. 最期まで食べたい願いを支えるPOTTプログラム/藤田裕子
2,640円
特集●褥瘡治療・予防における薬物療法
企画編集/関根祐介(東京医科大学病院 薬剤部 主査)


<特集にあたって>

 褥瘡治療・予防において,全身管理と局所管理の視点での取り組みが重要です。日本褥瘡学会の『褥瘡予防・管理ガイドライン(第5版)』において,褥瘡発生リスクがあり,褥瘡がない場合は,予防ケアのアルゴリズム,発生予防全身管理のアルゴリズムを,褥瘡がある場合は,発生後全身管理のアルゴリズム,創部の管理については,保存的治療のアルゴリズムまたは外科的治療のアルゴリズムを使用し,褥瘡予防・管理計画を立案・実施すること,としています。
 褥瘡予防における全身療法としては,薬剤が起因として発生する褥瘡(薬剤関連褥瘡)への対応があります。薬剤関連褥瘡は不適切な薬物投与(重複投与や過量投与,誤服用など)を受けることで,過鎮静から無動となり外力が発生し褥瘡を発症し,被疑薬の中止により活動性が上昇,外力が取り除かれることが特徴とされています。原因薬物として,催眠鎮静剤・抗不安剤,全身麻酔薬,精神神経用剤,麻薬などが挙げられます。褥瘡治療における全身療法としては,創傷治癒に影響する薬剤や褥瘡が起因とする感染のコントロールなどが挙げられます。褥瘡予防・治療の両者の全身療法として栄養療法があります。褥瘡治療・予防における全身療法においては,薬物療法の適正使用を実施することが重要です。
 褥瘡治療における局所療法としては,褥瘡の病態を把握し,病態を考慮した外用薬の選択を行います。外用薬の大半は基剤で構成されており,直接創面に接する基剤の役割が重要で,主薬より「感染管理」,「壊死組織除去」,「肉芽形成」,「表皮形成」を,基剤より「滲出液」を考慮します。また外用薬の効果を発揮させるためには適正使用が重要で,使用量,使用回数,薬剤滞留障害などに配慮することが重要です。褥瘡予防における局所療法としては,スキンケアなどが挙げられます。
 褥瘡治療・予防における薬物療法を実施していくためには薬剤師との連携が不可欠です。2022年度の診療報酬改定にて,入院基本料の「褥瘡対策の基準」について,必要に応じて,薬剤師と連携して,薬学的管理事項を記載することとなりました。また日本褥瘡学会では,褥瘡・創傷専門薬剤師認定制度が制定され,薬剤師の役割が注目されています。
 本特集では,「褥瘡治療・予防における薬物療法」について編集しました。PART 1では「褥瘡治療・予防における全身療法」として,創傷に影響する薬剤,薬剤関連褥瘡,向精神薬,栄養療法,感染症治療について解説します。PART 2では「褥瘡治療・予防における局所療法」として,外用薬の選択,基剤による滲出液管理,感染管理・壊死組織除去・肉芽形成・表皮形成・スキンケアに用いる外用薬,薬剤滞留を考慮した使用方法について解説します。PART 3では「褥瘡治療・予防における薬剤師の役割」として,病院薬剤師・保険薬局薬剤師の役割を解説します。
 本特集が,褥瘡治療・予防における薬物療法について理解を深め,褥瘡対策の一助となれば幸いです。

関根祐介
東京医科大学病院 薬剤部 主査


<目次>

PART 1 褥瘡治療・予防における全身療法
1. 創傷に影響する薬剤/関根祐介
2. 褥瘡の発生に影響する薬剤(薬剤関連褥瘡)/溝神文博
3. 褥瘡治療・予防における向精神薬の適正使用/定岡摩利,定岡邦夫
4. 褥瘡治療・予防における栄養療法/門脇寛篤
5. 感染褥瘡における全身療法/下平智秀

PART 2 褥瘡治療・予防における局所療法
1. 褥瘡の病態に応じた基剤ファーストによる外用薬の選択~フルタメソッド~/古田勝経
2. 外用薬の基剤による滲出液管理/笹津備尚
3. 感染管理・壊死組織除去に用いる外用薬/生島繁樹
4. 肉芽形成・表皮形成に用いる外用薬/武藤理恵,谷田宗男
5. スキンケアに用いる保湿剤/藤瀬 遥
6. 褥瘡外用療法の適正使用方法~塗布量から薬剤滞留問題まで~/宮川哲也

PART 3 褥瘡治療・予防における薬剤師の役割
1. 病院薬剤師の役割/飯塚雄次
2. 薬局薬剤師の役割/小黒佳代子
2,640円
特集●小児WOCケアのエッセンス
企画編集/鎌田直子(兵庫県立こども病院 看護部,皮膚・排泄ケア認定看護師)

<特集にあたって>

 小児の排泄障害は主に先天性疾患に起因します。成長・発達は小児の重要な特性であり,排泄障害に対するケア内容と,子どもと家族がかかえる葛藤は成長の各時期に変化します。
 小児期のストーマ保有者数は,成人に比べて少なく,最近では,先天性の疾患や悪性腫瘍・外傷などの外科治療が年々進歩して,ストーマを作成せずに根治術を実施する方法が開発され,排便・排尿のための一時的ストーマをもつ小児の数はさらに少しずつ減少しています。一方,長期あるいは半永久的にストーマを必要とする疾患の子どもも少なからず存在します。対象者が少ないため,子どもと家族同士が情報の交換ができ,同じ立場の仲間と交流することでお互いを支援できる患者会は大きな役割を果たしています。
 排泄障害は子どもの自尊心や子どもと家族のQOLを低下させやすいため,医療提供者は成長・発達を見越して問題を提起し,時期や方法など適切に対応することが重要です。排泄管理や指導が適切に行われなければ,社会生活を営むうえでの排泄のマナーが十分に習得されないまま集団生活に入り,アクシデントが起こる危険性が高くなります。
 小児の排泄指導には,子どもと家族,医療従事者すべてが,長期にわたる継続した根気強い関わりが必要です。子どもの積極的な行動やちょっとした効果に対するほめ言葉,賞賛の態度などで喜びを共有し進めます。また排泄の問題は非常にデリケートであり,関わる際には子どもと家族との信頼関係を築き,プライバシーに配慮することが大切です。
 創傷分野では,非常に脆弱な皮膚をもつ低出生体重児のスキンケアや,成人と比較して発生の多い医療関連機器圧迫創傷などは,小児特有の問題として広く認識されています。しかし,小児の褥瘡対策において医療関連機器圧迫創傷を除いた自重関連褥瘡は一般にはそれほど注目されることはありませんが,小児に携わる医療の現場では課題が多くあります。小児における褥瘡ケアの対象は1000 g未満の超低出生体重児から成人同様の体格となる学童期まで幅広く,成長に伴い褥瘡の好発部位が変化するという特徴もあります。褥瘡発生リスクの高い対象者は,低出生体重児,周術期の体位変換制限のある患者,二分脊椎患者,重症心身障害児などさまざまです。そして褥瘡ケアは入院中だけでなく,在宅でも必要となります。小児は褥瘡ケアの対象者数が少ないことから,体圧分散寝具などケア用品が成人のように充実していません。また,在宅で褥瘡予防マットを使用する場合の助成制度も十分であるとはいえません。
 今回,このような小児のWOCケアのエッセンスについて特集しました。まず,小児皮膚科の第一線で活躍されている医師に小児の皮膚の特徴とスキンケアについてご執筆をお願いしました。そして小児に携わる経験豊富なWOCナースに,ストーマケア,排泄ケア,創傷ケアそれぞれにご執筆をお願いしました。
 この特集が読者の皆さまのWOCケアの一助となれば幸いです。そしてWOCケアを必要とする子どもと家族のQOL向上に少しでも寄与できることを願います。

鎌田直子
兵庫県立こども病院 看護部,皮膚・排泄ケア認定看護師


<目次>

1. 小児の皮膚の特徴とスキンケア/吉田和恵
2. 低出生体重児のストーマケア/中村雅恵
3. 一時的にストーマを保有する小児と家族へのケア/齊藤 芳
4. 永久的ストーマを保有する小児と家族へのケア①/松尾規佐
5. 永久的ストーマを保有する小児と家族へのケア②~小児オストメイト患者会の果たす役割~/松尾規佐
6. 小児でよくみられるストーマ合併症とケア/阿部 薫
7. 神経障害のある小児の排泄ケア~二分脊椎患者の排泄(排便・排尿)ケア~/末吉康子
8. 神経障害のない小児の排泄ケア/上條みどり
9. 小児の自重関連褥瘡ケア/長田華世子
10. 小児のMDRPUのケア/奥田裕美
2,640円
特集●排泄物のにおいケア~においの基礎知識と対策~
企画編集/光田 恵(大同大学 工学部 建築学科 かおりデザイン専攻 教授)

<特集にあたって>

 日本は,世界一の高齢社会を迎えており,高齢者介護の問題は避けては通れないものとなっています。そのようななかで,医療・福祉施設環境の質的向上にも目が向けられており,においも施設内環境の質に関係する要素といえます。ところで,人は1日の9割程度を屋内空間で過ごしているといわれますが,室内ではどのようなにおいが感じられているのでしょうか。生活の場である住宅内の主なにおいの発生場所は,台所,トイレ,浴室などの水回り空間,台所,食堂,居間などのように調理や暖を取るために加熱・燃焼機器を取り扱う空間,押し入れやクローゼットのように湿気がこもりやすい空間です。水回り空間では,排水口臭,カビ臭などが,加熱・燃焼のある空間では,調理臭,たばこ臭,燃焼臭などが,湿気がこもりやすい空間ではカビ臭が感じられる傾向にあります。このように空間の特性とその空間で感じられるにおいの種類は関係しています。
 病院といえば,診断・治療をする施設ということから,医薬品のにおいのイメージをもたれがちです。たしかに,外来ではそのように感じられやすいですが,病室・病棟内の臭気対策の対象とされることが多いのは,「排泄物臭」,「体臭」,「処置・治療関連のにおい」などです。とくに多床室では,発生したにおいが病室全体へ拡がると,その病室にいるさまざまな立場の人に影響を及ぼすことになります。とくに超高齢社会のなかで,介護とも関係する「排泄物臭」の対策は,医療・福祉施設において重要です。においの問題は,患者,病院スタッフ,訪問者にとって繊細な問題であるだけに,におい環境を良好に保つためにより細やかな対策を講じていく必要があるのではないでしょうか。
 本特集では,室内の空気環境の一要素として「におい」,とくに「排泄物臭」に焦点をあて,室内環境の質的保全,向上の視点からその対策を考えてみたいと思います。
 まず,においと対策の基礎知識として,第1章で東京大学大学院の平澤佑啓先生,東原和成先生に,においを感じる仕組み,においの感じ方の個人差,悪臭に対するストレス応答を,第2章で大同大学の岩橋尊嗣先生に,室内のにおい対策の考え方,各手法のメカニズムについて解説いただいています。室内のにおいの感じ方,におい環境の質には,温熱環境が影響していることから施設内の環境制御の観点で,第3章では,中部大学の横江 彩先生に,高齢者施設での調査結果をご紹介いただき,施設の温熱・におい環境の相互影響について解説いただいています。第4章では,東京学芸大学の萬羽郁子先生に,病院のにおい環境に関するアンケート調査結果をご紹介いただき,病院のにおいに影響を及ぼす環境要素と設備について解説いただいています。第5章は,獨協医科大学の板倉朋世先生に介護環境のにおいの課題をご紹介いただき,病室内の排泄物臭発生源の1つである尿管用廃液バッグカバーの消臭効果の検討事例をご紹介いただいています。第6章では,排泄物臭の発生場面の1つであるおむつ交換時のにおいについて,板倉先生と共同で取り組んだ調査結果と,日本建築学会環境基準のにおいの基準値,介護環境のにおい対策の考え方を私からご紹介しています。第7章,第8章では,臭気対策の手法である換気と芳香剤の活用を取り上げています。第7章は,日本工業大学の吉野 一先生に,換気方式を解説いただき,おむつ交換時のにおいを対象とした換気システムについてご紹介いただいています。第8章は,大同大学の近藤早紀先生に,芳香剤の方式と室内での芳香剤のにおいの拡がり方について実験結果を基に解説いただいています。第9章~第12章は,高齢者介護環境のにおい対策の実際として,消臭剤・芳香剤(エステー株式会社の三浦健治氏,髙畑美怜氏,小林製薬株式会社の村木 毅氏),空気清浄機(パナソニック株式会社の矢野武志氏),尿とりパッド(ユニ・チャーム株式会社の村井隆将氏,戸田温樹氏)について各メーカーの方にご執筆いただいています。
 本特集が,良質な室内環境の保全と創造のためのにおい対策を展開していくうえでの一助となれば幸いです。

光田 恵
大同大学 工学部 建築学科 かおりデザイン専攻 教授


<目次>

1. においとは?~においを感じる仕組み,悪臭によるストレスを知る~/平澤佑啓,東原和成
2. 室内のにおい対策/岩橋尊嗣
3. 高齢者施設の温熱・におい環境の相互影響/横江 彩
4. 病院のにおいと設備・環境要素の関係/萬羽郁子
5. 介護環境のにおいの課題/板倉朋世
6. おむつ交換時のにおいの拡がりと対策/光田 恵
7. おむつ交換時のにおいの換気システム/吉野 一
8. 臭気対策としての芳香剤のにおいの拡がり方/近藤早紀
9. 介護環境のにおいの改善事例1:消臭剤,芳香剤①/三浦健治,髙畑美怜
10. 介護環境のにおいの改善事例2:消臭剤,芳香剤②/村木 毅
11. 介護環境のにおいの改善事例3:空気清浄デバイス~介護環境のにおいに対する付着臭脱臭効果の検証~/矢野武志
12. 介護環境のにおいの改善事例4:消臭機能付き尿とりパッドによるにおい改善/村井隆将,戸田温樹
2,640円
特集●ここがポイント! 消化管ストーマ関連合併症の予防と管理
企画編集/板橋道朗(東京女子医科大学 本院病院長/外科学講座 炎症性腸疾患分野 教授・基幹分野長)

<特集にあたって>

 消化管ストーマ関連合併症は,日常臨床で遭遇するきわめてクリティカルな問題で,その予防と管理についてはこれまで多くの検討がされてきています。しかしながら,多くのナースや外科医にとって実臨床で即答となるようなコンパクトにまとめられたものは少ないのが現状です。
 本特集にあたっては,消化管ストーマ関連合併症のケアと管理の実際について術前から社会復帰までを網羅する形で特集を組みました。外科医にとってはストーマ合併症を起こさないストーマ造設術とコツがあるはずです。また,消化管ストーマ関連合併症の予防と管理を適切に行うためには重症度の評価方法が一定でなければなりません。ストーマケアについては,必ず押さえておかなければならない基本的事項があると考えています。また,実臨床で遭遇する管理困難なストーマ関連合併症の多くは,術前あるいは術直後のストーマと周囲状況を観察したときから予測されます。そして発症を予測した装具選択が必要となります。一方で社会復帰後にもストーマ関連合併症が発生します。そして,その予防と管理がQOLやメンタルヘルスの保持に大きな役割を果たします。
 本特集では,それぞれの項目に分けてエキスパートにお願いして執筆いただいています。皆さまの実臨床に有益な特集となることを望みます。

板橋道朗
東京女子医科大学 本院病院長/外科学講座 炎症性腸疾患分野 教授・基幹分野長


<目次>

1. ストーマ合併症を起こさないストーマ造設術のコツ/衛藤 謙,小菅 誠,大熊誠尚,江川安紀子
2. 消化管ストーマ関連合併症の予防と管理に必要な重症度の評価/高橋賢一,羽根田 祥,斉藤真澄,舟山裕士
3. 消化管ストーマ関連合併症予防におけるケアの基本/水島史乃
4. 管理困難なストーマ関連合併症の術前予測/山田陽子,三好綾子,永田 淳,鳥越貴行,平田敬治
5. 術直後のストーマ状態から合併症の発症を予測した装具選択/江川安紀子
6. 術後早期におけるストーマ関連合併症を予防するためのケアのコツ/佐藤理子
7. 社会復帰後のストーマ関連合併症の予防と管理/藤丸麻依子
8. 晩期ストーマ関連合併症の予防のためのセルフケア指導と管理/松浦信子
9. QOL保持のための晩期ストーマ関連合併症のケア/平山千登勢
10. QOL保持に必要な晩期ストーマ関連合併症の外科治療/長嶋康雄,船橋公彦
11. 適切なストーマ管理とQOL/山本由利子
2,640円
特集●難治性糖尿病性足潰瘍をどう治す?! 具体的に教えてその治療とケア
企画編集/田中里佳(順天堂大学医学部附属順天堂医院 足の疾患センター センター長/順天堂大学大学院 医学研究科 再生医学 主任教授/順天堂大学 医学部 形成外科学講座 教授)

<特集にあたって>

 日本でも食生活や生活習慣に伴い糖尿病患者が増加の一途を辿っており,それに伴って合併症の1つである足潰瘍・壊疽も増加の傾向を示しています。糖尿病を発症した場合,その患者の生涯において足潰瘍を発症する割合は4~25%と高く,糖尿病性足潰瘍患者においては潰瘍が治癒しない場合,潰瘍発症後約7~20%が最終的に下肢切断となります。また下肢切断に至った場合,糖尿病性足潰瘍患者のQOLは著しく低下し,下肢切断後の5年生存率は約30%と一部の悪性腫瘍より低く,生命予後の悪化が問題となっています。私たち医療従事者は適切な糖尿病性足潰瘍の診断,治療と予防に関する知識を十分に身につけることが,糖尿病患者の救肢につながると考えます。
 糖尿病性足潰瘍の原因は大きく分けて,血行障害に起因する場合と神経障害に起因する場合があります。本特集においては,血行再建が実施され,十分な血流が創傷に認められる神経障害が主な原因の糖尿病性足潰瘍に焦点を当てて構成しています。神経障害に起因する糖尿病性足潰瘍は,虚血や感染がなく,末梢神経障害により足の変形や皮膚の異常により足潰瘍が生じている潰瘍を示します。これらの潰瘍の治療方針を決定するうえで最も必要なのは,足と患者のアセスメントを十分に行うことです。神経障害はハンマートゥ,クロウトゥを生じ,これらの変形から靴ずれなどを起こし,潰瘍を形成しやすいです。また,自律神経障害は皮膚の乾燥や亀裂,シャルコー変形,胼胝などを生じ,病状が悪化すると潰瘍化するため,足変形の知識,足のスキンケアとフットケアとフットウェアによる除圧や免荷などの知識も重要となります。アセスメントを行ったうえで治療方針を決定し,他業種と構築したチーム医療を実践しながら適切な治療を行うことが,足を温存できる治療につながります。また創部に十分な血流が確保できている創傷においては,適切な創傷管理を行うことが重要であるため,本特集においては,創傷管理のUpdate情報と患者とともに行うWound Hygieneについて紹介します。さらに,足部潰瘍では,歩行や荷重などを考慮した足病学(podiatry medicine)を理解したうえで治療を実施しなければ,適切な創傷管理をしても治癒が得られません。これらを知っていただくため,足病学を鑑みた創傷管理の方法であるiTIME-DOを紹介します。そのほか,足部変形の診断と治療,免荷療法とリハビリテーション,そして再発予防のための患者教育など足病学を踏まえた神経障害性糖尿病性足潰瘍を治療するために必要な情報を総合的に紹介し,日々の診療にお役立ていただきたいと考えます。

田中里佳
順天堂大学医学部附属順天堂医院 足の疾患センター センター長/順天堂大学大学院 医学研究科 再生医学 主任教授/順天堂大学 医学部 形成外科学講座 教授


<目次>

1. 糖尿病性足潰瘍のアセスメント/橘 優子,田中里佳
2. 正しくできている? 創傷管理。適切な創傷管理とは?/綾部 忍
3. 患者とともに実践するWound Hygiene/辻 依子,寺師浩人
4. 糖尿病性足潰瘍の新たな治療の型(フレームワーク)「iTIME-DO」/菊池 守
5. 免荷療法とリハビリテーションの実際を教えて~免荷療法とリハビリテーションの良好な相互関係が重要です~/寺部雄太
6. 予防的足変形手術っていつやるの?/菊池恭太,高岡聡美
7. シャルコー足ってなに? 治るの?/早稲田明生
8. 骨髄炎を伴った糖尿病性足潰瘍はどうしたらよい?/藤井美樹
9. 正しい靴の作り方と履き方/上口茂徳
10. 再発予防~患者とともに行う糖尿病足病変管理のコツ~/愛甲美穂
2,640円
特集●特定行為としての陰圧閉鎖療法の実践と課題
企画編集/加瀬昌子(地方独立行政法人 総合病院 国保旭中央病院 看護局 スキンケア相談室 師長,皮膚・排泄ケア特定認定看護師)

<特集にあたって>

 局所陰圧閉鎖療法(negative pressure wound therapy;NPWT)は,1990年代に米国で始まった治療方法であり,日本では2010年より保険適用となりました。NPWTは,創部を密閉し陰圧をかけることで治癒を促進させることを目的として,多くの病院で使用されています。
 NPWTの作用機序には,①創縁を引き寄せて創収縮を促進,②過剰な滲出液を除去することで適切な湿潤環境を保つ,③陰圧による物理的刺激により肉芽形成や血管新生を促進,④吸引による細菌量の減少,⑤陰圧による局所血流量の増加などによって治癒が早まるといわれます。
 NPWTの適応は,静脈性下腿潰瘍,外傷,褥瘡,糖尿病性潰瘍,術後離開創などが挙げられ,エビデンスとして,多くの論文でその有効性が報告されています。とくに糖尿病性潰瘍では十分な根拠があり推奨されています。
 さて,2015年10月,チーム医療を推進し,看護師がその役割をさらに発揮するために,特定行為に係る研修制度が開始されました。特定行為研修を修了した看護師は,急性期から在宅医療などのさまざまな現場で,患者の状態を見きわめて,タイムリーな看護を提供するなどの活躍が期待されています。今回のテーマであるNPWTの実践は特定医行為の1つに含まれます。医師の包括的指示の下で手順書に沿って実践される特定看護師の役割としては,NPWTのフォーム交換のみならず,創傷に見合った機器の選択,必要物品の準備,実践時の疼痛管理やリーク対策,スキントラブルを起こさないためのスキンケア,ADLの向上やアラームへの対応,スタッフ指導,医師とのコミュニケーション,記録,保険請求など幅広い管理が求められます。
 2022年3月時点での創傷管理関連における特定看護師の人数は,1936名となりました。
 本特集では,特定行為としての陰圧閉鎖療法を第一線で実践している方々に「特定行為としての陰圧閉鎖療法の実践と課題」について依頼しました。特定行為研修の内容の紹介から,看護師医行為を行ううえで欠かすことができない臨床での安全管理,NPWTの実践と課題,NPWT実践中のADL確保,在宅での陰圧閉鎖療法の工夫や課題について執筆いただき,日頃の臨床で活用していただけるように解説いただきました。

加瀬昌子
地方独立行政法人 総合病院 国保旭中央病院 看護局 スキンケア相談室 師長,皮膚・排泄ケア特定認定看護師


<目次>

1. 陰圧閉鎖療法の診療報酬の実践運用/高水 勝
2. 局所陰圧閉鎖療法機器の歴史,使用時期の選択と実践の工夫/岡田恭典
3. 特定行為研修における陰圧閉鎖療法の教育の実際/樋口ミキ
4. 特定行為実践にあたっての医療安全体制の整備/間宮直子
5. 陰圧閉鎖療法とスキンケア(皮膚を護る)/谷 明美
6. 手順書に基づいた腹部離開創陰圧閉鎖療法の実際と課題/小島由希菜,松岡美木
7. 手順書に基づいた慢性創傷陰圧閉鎖療法の実際と課題/丹波光子
8. 貼付困難な部位に対しての陰圧閉鎖療法の工夫/竹之内美樹
9. 陰圧閉鎖療法施行中のADL確保:理学療法の留意点/野村良亮
10. 入院外(外来・在宅)における陰圧閉鎖療法の工夫/加瀬昌子
2,640円
特集●身体機能障害・高次脳機能障害に対する排尿動作支援
企画編集/吉田美香子(東北大学大学院 医学系研究科 ウィメンズヘルス・周産期看護学 准教授)

<特集にあたって>

 排尿自立支援加算・外来排尿自立指導料の導入から6年間を経て,排尿ケアの裾野は目覚ましい広がりをみせました。下部尿路機能は,排尿日誌や残尿測定などの情報収集ツールもあり,蓄尿・排尿(尿排出)機能の評価に必要な知識も系統的にまとめられていることから,下部尿路機能の評価や治療に関する看護職の知識・技能の向上は目覚ましいものがあります。しかしながら,排尿動作支援にはまだまだ課題もあるように感じます。排尿動作の自立は,培ってきた文化のなかで,自身が望む場所(便所)や方法(便器に座って排尿し,身繕いをして外に出る)での排尿を可能とすることを意味し,人の尊厳に直結します。にもかかわらず,排尿自立支援加算の対象になった患者のなかに,排尿動作が自立していないものの,下部尿路症状への治療方針が決まったところで支援が終了してしまう事例が少なくありません。
 排尿動作支援の普及が遅れた背景には,排尿動作障害の原因である身体機能障害や高次脳機能障害・認知症は多岐にわたることや,急性期から回復期,生活期までの長期にわたって,居住・トイレ環境の変化や,身体機能障害や高次脳機能障害・認知症の回復に合わせ支援を修正していく必要があり,排尿動作支援が複雑であることがあります。近年,理学療法士・作業療法士から排尿動作支援に関する情報発信が増えたことや,『フレイル高齢者・認知機能低下高齢者の下部尿路機能障害に対する診療ガイドライン2021』が出版されたこともあり,排尿動作支援の知識・技能も系統的にまとまりつつあります。このような背景から,排尿動作支援への意識が高まってきています。
 訓練室でがんばる「できる日常動作(ADL)」と24時間の生活のなかで行う「している日常動作(ADL)」のうち,後者は病棟看護師が大きく関わります。排尿ケアチームの中心的役割を担うWOCナースの皆さまに,病棟看護師をエンカレッジして排尿動作支援を進めていただきたいとの想いから,本特集では,身体機能障害・高次脳機能障害に対する排尿動作支援を企画しました。
 本特集では,身体機能障害・認知機能障害によって生じる下部尿路機能障害や排尿動作障害について解説いただいたのち,泌尿器科医・リハビリテーション科医,薬剤師の立場から,排尿自立支援の視点で,身体機能障害・認知機能障害に対する治療・注意点を概説いただきます。また,身体機能障害と認知症/高次脳機能障害それぞれの排尿動作支援についてご解説いただくのとは別に,自己導尿動作の支援をご紹介いただきます。最後に,病棟での生活におけるリハビリテーションの考え方の解説と,排尿動作障害が問題となる典型的な疾患である脳卒中・整形外科疾患についての排尿自立支援の事例を紹介していただきます。
 この分野で先駆的な実践をされている先生方にご執筆をお願いしました。本特集が読者の皆さまの明日からの臨床にお役立ていただければ幸いです。

吉田美香子
東北大学大学院 医学系研究科 ウィメンズヘルス・周産期看護学 准教授


<目次>

1. 身体機能障害・認知機能障害と下部尿路機能障害の関係/西井久枝,上條駿介,野宮正範,吉田正貴
2. 認知機能障害のレベル(MCI~重症)と生じやすい排尿動作障害の関係/篠原もえ子,小野賢二郎
3. 身体機能障害・認知機能障害がある場合の治療/鈴木基文
4. 排尿コントロールの再獲得に向けた回復期リハビリテーションの実際/池永康規
5. 下部尿路機能障害に対する薬物療法/小川 依
6. 身体機能障害に対する排尿動作支援/松永明子
7. 認知症/ 認知機能低下に対する排尿関連動作支援/神谷正樹,大沢愛子,加賀谷 斉
8. 身体機能障害・認知機能障害がある場合の自己導尿支援/一木愛子
9. 排尿自立支援におけるリハビリテーション看護の役割/正源寺美穂
10. 脳卒中患者への排尿自立支援の実際/堀内景子
11. 整形外科疾患患者への排尿自立支援の実際/帶刀朋代
2,640円
特集●透析患者のスキントラブルとその対策
企画編集/加納智美(地方独立行政法人 桑名市総合医療センター 血液浄化療法部)

<特集にあたって>

 日本の透析患者数は年々増加し,2020年末の調査では累計総透析患者数は34万7671人で,平均年齢は69.40歳と徐々に高齢化も進んでいます。また透析歴が25年以上の患者も1万5484人と増加しており,透析医療の発展は,多くの合併症対策に成果を上げ,透析治療の長期化につながっています。
 皆さんは原疾患や生活背景,年齢など患者の症状や状態にあわせて透析療法の工夫や治療を行っているのではないでしょうか? しかしながら,これだけ透析医療が進歩しましたが,まだまださまざまな特有の合併症を全身に起こします。また高齢化も進み,加齢に伴う身体的変化は合併症を増長させます。
 たとえば,皮膚症状のひとつである「乾燥」は,透析患者の約9割に認められますが,命にかかわることが少ないため,軽視されがちです。しかしながら,その乾燥から引き起こされる「かゆみ」という症状は,不快感やイライラ感,不眠だけでなく,掻いてしまうことで傷ができ,その傷が感染してしまったり,なかなか治らなかったりと臨床では困ることが多くあります。
 また,透析治療を受ける前の腎不全のときから約25%の人に末梢動脈疾患(peripheral arterial disease;PAD)がみられ,その疾患は透析導入後,さらに増加していきます。その疾患になってしまうと,足にできたわずかな傷が徐々に潰瘍となり,その潰瘍は血流がないことで治りにくく,切断に至ってしまう場合もあり,生活の質を大きく下げることになります。
 患者が,いつまでも元気で最期まで歩いていることができるよう,日頃からどうすればいいのでしょうか。透析に関わる看護師として,必要な皮膚の観察,ケアの実際などを内容に構成しました。皮膚の病態などをしっかり理解して,よりよい透析医療が提供できる一助になれば幸いです。

加納智美
地方独立行政法人 桑名市総合医療センター 血液浄化療法部


<目次>

1. 透析患者によくみられる皮膚疾患/長壁美和子
2. 透析患者の皮膚の特徴/市川美代子
3. 透析患者における血流障害と皮膚病変/坂田久美子
4. 透析患者の足病変予防のためのフットケア/愛甲美穂
5. 透析とかゆみ,その対策/安藤恭代
6. 透析患者のスキン-テアのポイント/森 淳一
7. 透析患者と褥瘡ケア/城田朋美
8. 足病変を有する透析患者に適した理学療法/荒川優也
2,640円
特集●事例で学ぶ排泄ケア
企画編集/牧野美奈子(武蔵野市高齢者総合センター 住宅改修・福祉用具総合相談センター 排泄ケア専門相談員,看護師/介護福祉士/介護支援専門員/介護予防主任運動指導員,NPO法人 日本コンチネンス協会 コンチネンスアドバイザー)

<特集にあたって>

 今回「事例で学ぶ排泄ケア」を企画しました。
 排泄障害は臨床のみの障害ではありません。病院や施設だけでなく在宅生活を送っているクライアントにとっても,その人のQOLに大きく関わる障害です。今回の特集においてWOCナースの皆さまが主読者である本誌で,さまざまな場面で多職種の専門家が関わり,多様な視点とそれぞれの価値観のなかで,クライアントのその人らしい改善(生活)を支えるためにどのようなプロセスで関わったのかを事例を通じてお伝えできることを大変光栄に思います。
 ケアの方向性でもある,治療・改善・問題解決の3つをしっかりとらえるためにも,まずは,第一線で直接診療を行っておられる泌尿器科医師の鈴木基文先生と消化器外科医師の神山剛一先生の2名の医師に,現状を含め,よりよいケアとは何か,今後期待する排泄ケアへのご提言・ご意見をいただきます。
 各分野でのケースとして,まず,泌尿器科クリニックで中心的な看護師をされていて,在宅生活を円滑に行えるようにすることを大切に診療に関わっておられる,北廣和江先生に外来でのケースをご提示いただきます。
 次に近年,排便障害に関するガイドラインが直接ケアのうえで積極的に活用されるようになるなかで,排便障害のクライアントが多くみられ,それがスキントラブルだけでなく精神面での混乱に大きく影響してくる精神科病棟で排泄ケアを中心に行っておられる西村友希先生にケースのご提案をお願いしました。
 3つ目のケースはWOC看護師として,全診療科に関わり皮膚・排泄ケアの役割を担っておられる近石昌子先生に,本誌読者の皆さまが一番ご興味がおありかもしれない専門に特化しながら関わったケースをお示しいただきます。
 排泄障害は下部尿路の治療のみで解決できるとは言いきれません。大西安季先生は理学療法士として,排泄リハビリテーションの見地からのアプローチをどのように考え,実践に至っているか,ケースを通しご提案いただきます。
 最後に,生活者の立場に立って介護福祉士であり福祉用具プランナーの高橋勝久先生と私で排泄関連用具により生活に困らないように,どのような用具をプランニングしケアの継続と日常生活を支えるかをご提案します。
 すべてのケースでいえることだと思いますが,医療の場面でも,介護の場面でも,ただ1人でケアを遂行し完結することは不可能です。クライアントとの関わりのなかでキーパーソンとなる人材がそれぞれの視点からプロセスをたどり,結果に導いていったのかを解説できればと思います。
 バックグランドの違う専門職がどのようなケースにどのようなケアを行っているのか,読者の皆さまに知っていただき,今後のケアに少しでもお役立ていただければ望外の喜びです。

牧野美奈子
武蔵野市高齢者総合センター 住宅改修・福祉用具総合相談センター 排泄ケア専門相談員,看護師/介護福祉士/介護支援専門員/介護予防主任運動指導員,NPO法人 日本コンチネンス協会 コンチネンスアドバイザー


<目次>

1. 泌尿器科診療場面における現状と提言/鈴木基文
2. 消化器外科診療場面における現状と提言/神山剛一
3. 泌尿器科クリニックで支える,生活するための排泄ケア/北廣和江
4. 精神科病棟における排便ケア/西村友希
5. WOC看護師の立場における排泄ケア/近石昌子
6. 理学療法士の立場における排泄ケア/大西安季
7. 在宅生活上での用具を切り口にした排泄ケア/高橋勝久,牧野美奈子
2,640円
特集●ストーマ造設から看取りまで:オストメイトを支える多職種連携
企画編集/佐藤文恵(有限会社きちっと 代表/医療法人社団 松愛会 松田病院 ストーマ排便ケア担当)

<特集にあたって>

 30数年前,筆者は海外から帰国したばかりのETナースと出会い,以来,患者会・ピア活動,在宅や施設スタッフへの学習会など,ストーマケアや排泄に関わるさまざまな活動に関わり,最近は【排せつの地域助け合いコンチネンス・サロン】でお助けサポーター活動も行っています。
 2000年に介護保険制度が始まり,「要介護状態となった者の尊厳を保持し,その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう,必要な保健医療・福祉サービスを国民の共同連帯の理念に基づいて行う」(介護保険法第1条)とされ,多くのサロン活動は住民主体のサービスです。2015年版の地域包括ケアシステムの植木鉢は「本人の選択と本人・家族の心構え」へと進化し,2018年には『人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン』(4月),『認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン』(6月)など,さまざまなガイドラインも発出されています。
 日本国憲法で「すべて国民は,健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する(第25条)」,個人として尊重され(第13条),ひとしく教育を受ける権利(第26条),勤労の権利と義務(第27条)も謳われています。しかしながら排泄へのタブー視を世の中から根絶することは簡単ではなく,無力感を感じます。
 新型コロナウイルス感染症は,国民皆保険制度のわが国においても,通常の医療提供が困難な状況をもたらし,30数年の長い付き合いのオストメイトが急逝し寂しさが募ります。自粛と面会制限のなかで改めて日常を振り返り,自らを問い直し,再構築,ニューノーマルへの変革が迫られます。オストメイトをはじめ排泄障害をもつ人たちの生きづらくきびしい社会から,未来へ向けてどう変革ができるのでしょう。
 感染対策によるコミュニケーションの不足,医師の説明に対する理解不十分から治療の拒否,民間療法への心酔など,通常でない医療の長期化が遺した影響は深刻です。排泄障害は虐待・ネグレクト要因となりやすく「生命危機に直結しない」との理由で緊急時訪問看護が機能しない事業所など,地域は問題が山積みです。排泄専門外来で出会った「乳幼児期にストーマで過ごしたことを本人は知らされず,30数年経過し便失禁で相談に来院した例」は排泄のタブーが放置され,尊厳を脅かしたまま,周産期・高度医療の現場は進化・革新し,取り残されたまま現在に至る人々の存在に気づかされ衝撃的でした。
 地域では,在宅医療を希望する終末期ケアマネジメントが急増しています。医療・看護の切れ目のないサポートは,利用者の日常生活と心の安寧に必要不可欠です。
 【だれもがこの世に産まれ,育ち,共に学び,役割を果たし,晩年まで自分らしく過ごし生涯をまっとうする。】個々人のライフステージの全体像を俯瞰して,人生のどの時期・期間,どのような多様なメンバーが多職種連携することが重要か。各々の立ち位置から寄り添い,ACP意思決定支援チームの一員としての役割にも期待します。

佐藤文恵
有限会社きちっと 代表/医療法人社団 松愛会 松田病院 ストーマ排便ケア担当


<目次>
1. “だれにもやさしい”,術前ストーマオリエンテーション/水島史乃
2. 退院後の個々のくらしを見据えた,オストメイトへのセルフケア支援/奈木志津子
3. おとなも子どもも赤ちゃんも。オストメイトに役立つ制度・資源や情報/鈴木友彰
4. 退院後の生活と成長を見据えた小児ストーマケアと家族支援/中村雅恵
5. 外来から在宅へ 切れ目のない看護の連携を考える/竹内涼子
6. 患者会の変遷とこれからの活動における課題/増井 均
7. オストメイト支援における企業の社会的責任と地域貢献のありかた/山本由美子
8. 直腸がんに対する低位前方切除術・ストーマ閉鎖術後の排便機能障害へのアプローチ/新屋善朗
9. 地域のナースをつなぐ学びの場:静岡県西部地区ストーマリハビリテーション講習会の役割/金子早苗,春田純香
10. 尊厳ある生涯を支える連携とは~排せつの地域助け合いサロンの支援から~/佐藤文恵
2,640円
特集●褥瘡の手術療法と周術期ケア
企画編集/田中克己(長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科 展開医療科学講座 形成再建外科学 教授)

<特集にあたって>

 現在,褥瘡に対しては多職種連携のなかで総合的なケアが行われています。その原因は,もとより創部の状態だけではなく,その背景や環境に応じて,DESIGN-Rなどの評価とともに治癒後の再発予防に至るまで,さまざまな取り組みが必要となります。
 一方,局所治療に目を向けると,外用薬や創傷被覆材の進歩,陰圧閉鎖療法の開発,各種の体圧分散用具などの使用により,保存治療が効果的に行われています。そのなかで褥瘡に対する手術療法はどのような立場にあるのでしょうか。どうしても手術そのものだけが目立ち,ともすれば手術術式や手術直後の結果だけが強調されてしまい,周術期ケアを含めた患者の全体像から離れてしまいがちです。
 日本褥瘡学会は2005年に「科学的根拠に基づく褥瘡局所治療ガイドライン」を発表し,その後,「褥瘡予防・管理ガイドライン」となり,今年度には最新,最良のエビデンスに基づいて第5版が公開されました。残念ながら現時点では,褥瘡のトータルケアのなかでの手術療法はエビデンスに基づいた明確な指標を持つ治療法までには至っていませんが,臨床的な高い効果は誰もが疑うことのないものです。
 褥瘡のトータルケアが行われるまでは,褥瘡の手術とは創を閉鎖することが主な目的のことが多く,どのような組織を移植するのがよいか,皮弁と筋皮弁のどちらがよいのか,といった手術方法に議論が集中していました。その後,患者の背景や全身状態に応じて,外科的治療の適応と無理のない治療計画を考えることの重要性が報告されるようになりました。さらに,細やかな周術期管理や再発予防のための患者・家族への指導も大切な内容として行われており,現在に至っています。
 そこで今回の特集号では,「褥瘡の手術療法と周術期ケア」として,褥瘡患者に対する手術療法に着目しました。第一線で活躍中の方々に,褥瘡における手術療法の役割に始まり,手術に向けての栄養管理,手術における全身管理,wound bed preparationを中心とした局所管理,また,各部位における具体的な手術法と術後管理,そして術後のリハビリテーション,スキンケア,社会復帰へのサポートなどについてもわかりやすく解説していただきました。
 褥瘡手術を取りまく環境を正しく理解することは,患者の生活状況を変え,早期の社会復帰へ導くとともに,家族の負担を減らし,また,医療経済的にも有益な状況につながるものと考えられます。

田中克己
長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科 展開医療科学講座 形成再建外科学 教授


<目次>

1. 褥瘡治療における手術療法の役割/大浦紀彦,屋宜佑利香,竹江雄貴,清水 翼,吉村美音,帯刀朋代,木下幹雄
2. 褥瘡手術のためのwound bed preparation/森内由季,田中克己
3. 仙骨部の褥瘡手術と周術期管理/石川昌一
4. 坐骨部の褥瘡手術と周術期管理/安倍吉郎,橋本一郎
5. 大転子部・踵の褥瘡手術と周術期管理/桒水流健二,榊原俊介,里岡由希,沖本友絵,政岡浩輔,辻 依子
6. 褥瘡手術における全身管理/池田佳奈枝,江副京理
7. 褥瘡手術における栄養管理/芳野憲司
8. 周術期褥瘡対策~褥瘡手術の周術期管理~/吉村美音,二ッ橋未来,大浦紀彦
9. 褥瘡手術患者のスキンケア/室岡陽子
10. 当院における褥瘡手術患者のリハビリテーション/森田智之
11. 褥瘡手術後の日常生活復帰/佐藤智也
2,640円
特集●褥瘡・拘縮予防のために知っておきたいポジショニングの正しい知識と技術
企画編集/下元佳子(一般社団法人 ナチュラルハートフルケアネットワーク 代表理事,理学療法士)

<特集にあたって>

 褥瘡や拘縮予防のために姿勢管理が必要であることの理解は,それを専門とする方々だけでなく,現場において広くあたりまえになってきていることを感じています。WOCが存在する病院や事業所では,すべてにおいてポジショニングの必要性は理解され実践しているといっても過言ではないと思います。しかし必要性を理解していることと,実施があたりまえにできていることは異なりますし,対象者を褥瘡や拘縮から守るためには,実践しているだけでなく成果を出す必要があります。「きちんと実践しない人がいる」「ポジショニングしているが拘縮は悪化している人が多い」「難しい」「用具が不足している」そんな声を耳にします。必要性も理解しているし,研修もしている,ケースに合わせてアセスメントしポジショニングのプランも立案してスタッフに伝えている。ではなぜ思うような成果が出ないのでしょうか。
 今回は,ポジショニングの基礎から,チーム・組織・地域づくりまで,成果の出せる取り組みを実践できることを目標に構成を考えました。成果を出せる実践のために必要なことは,職員の基礎教育,リーダーのプランニングの考え方,組織の体制づくりです。そのため,企画として【基礎知識】【24時間トータルケアとしての姿勢管理】【組織の体制づくり】とテーマを3つに分けて考え,さらに現場で実践するための参考に実践報告を組み込みました。
 【基礎知識】としては,まず,身体を支える・動きを出すことを考える姿勢管理を実践するための身体の仕組みから,身体への触れ方や重さを受けるためのクッションの使い方,そしてベッド上でのポジショニングやシーティングの基本の手法について。【24時間トータルケアとしての姿勢管理】では,手法だけを学び,対象者の生活の一場面を切り取り対応するのではなく,課題に対して姿勢や動作を24時間においてトータルケアとして考えることの必要性を。【組織の体制づくり】としては,成果を出すために教育やリスクマネジメントなどの手法の解説。方法論だけを伝達するのではなく,基礎的な内容をチーム全体に教育として落とし込み,組織の体制を整え実践することで成果は上がることを。さらに,地域での取り組み,そして福祉用具の選び方の解説も含み構成しました。
 それぞれの現場で対象者のためによりよいケアの普及に努力されているメンバーに,この特集への執筆をお願いしました。忙しい現場でポジショニングを実践されている皆さまにとって,その実践が成果の上がるものになるために少しでもお役に立てる特集となることを願い,ワンチームで意見交換をしながらまとめあげました。対象者のための褥瘡・拘縮予防の成果が上がることを願っています。

下元佳子
一般社団法人 ナチュラルハートフルケアネットワーク 代表理事,理学療法士


<目次>

1. 褥瘡予防のための姿勢管理に必要な基礎知識~身体の仕組み:重さを受ける場所と動きを出す場所~/安武哲宏
2. ベッド上でのポジショニングの実際/田中久美子
3. シーティングの実際/福島寿道
4. 24時間の姿勢管理/杉本昌子
5. 組織の体制づくり/眞藤英恵
6. 実践①褥瘡予防のための姿勢管理の実践~病院から施設・在宅まで法人での取り組み~/加賀野井博美
7. 実践②褥瘡予防のための姿勢管理の実践~大学病院での取り組み~/藤井香織
8. 姿勢管理と動作のサポートのトータルケアの実践/小松雅代,北村貴裕,松本明子
9. 組織から地域における実践/古謝早苗
10. 褥瘡予防のためのポジショニング実践のために知っておきたい福祉用具/正木健一
特集●Withコロナ時代の在宅褥瘡ケア
企画編集/塚田邦夫(医療法人社団 研医会 高岡駅南クリニック 院長)

<特集にあたって>

 新型コロナウイルス感染によって,私たちの生活は根本から変化してしまいました。病院や施設,在宅での医療者はどのように対応し,また患者・家族はどのように対応されたのか。今後訪れる新たな感染拡大に向けて,現場の声を伝えたいと企画しましたが,第6波に見舞われ頓挫の危険に見舞われました。
 今回の企画は第1線で活躍されている方に執筆をお願いしましたが,現場では忙しい状態が持続し,原稿を書ける状態ではありませんでした。執筆を承諾された方も第6波で,ほとんど不眠不休の状態となり,執筆を断念された方もいらっしゃいます。
 今回お寄せいただいた原稿は,そのような喫緊の状態の中でなんとか時間を作ってお書きいただいた貴重な内容です。
 まずは飯島勝矢様から,コロナ禍があぶり出した高齢者が潜在的に抱えていた栄養と運動習慣の問題が,より強調されたことがデータで示されました。その中で新しい社会とのつながり,コミュニケーションの提案など未来を見据えた内容となっています。
 私 塚田邦夫からは,コロナ感染対策として外出を避け,人との関わりを断った高齢者が,意識は清明で歩くこともでき,栄養状態も悪くない方に「テレビ褥瘡」と名付けた褥瘡が多発したことを示しました。これを早期に発見すればすぐに治せます。しかし,対応が遅れると,重度で難治性の褥瘡になることが予想されます。対策は,このような褥瘡のあることを知ることだと考えます。
 自身がコロナウイルスに感染しただけではなく,夫を失うという辛い体験をされた小野寺有香様には,思い出すだけでも辛くなる内容を自己分析をしながら伝えていただきました。患者の気持ち,患者家族の気持ち,そして医療者としてそれらをできるだけ冷静に見ることで少しずつ乗り越えていった過程をつぶさにお書きくださいました。
 坂口さち子様と髙木 暢様からは,訪問看護ステーションと在宅診療という,在宅の第1戦で激務の中から時間を作り投稿していただきました。現場での対応は,自分自身がコロナ感染しないことが重要と書かれていますが,在宅ではなかなか感染対策が難しい点もあります。参考にしたいと思います。
 間宮直子様,布留川美帆子様,加瀬昌子様からは,病院の皮膚・排泄ケア認定看護師であり病院内の褥瘡・創傷対応をするだけではなく,いかにして在宅へ繋ぎ生活を支えるか,時に在宅訪問も行いながら地域を守る覚悟が力強く書かれています。
その中で共通して書かれているのが,標準予防策による感染対策です。普段から行っていることをより徹底する,それを皆で確認することのようです。なお,標準予防策については,加瀬昌子様が詳しく書いてくださいました。
 皮膚科医として袋 秀平様は,淡々と自分の仕事をお書きくださいました。冷静な対応が現場の医師に必要であり,情報を集め状況判断が大切であることを書いてくださいました。
 以上のように,コロナ感染による社会情勢の変化,それによる褥瘡の持つ新たな側面,そして,コロナ感染が持つ当事者へのインパクトの大きさに気付きました。
 病院や在宅で活躍される方々の心構えが,かなり落ち着いたものであることが示されましたが,現場には独特の緊張感があるのでしょう。今回の貴重な現場の声が,今後の感染対策のお役に立てることを願っています。

塚田邦夫
医療法人社団 研医会 高岡駅南クリニック 院長


<目次>

1. コロナ禍でのフレイルの特徴/飯島勝矢
2. 歩ける人にもできるコロナ禍テレビ褥瘡/塚田邦夫
3. コロナ感染当事者の苦痛/小野寺有香
4. コロナ禍で訪問看護と在宅褥瘡ケアはどのように変化したか/坂田さち子
5. 在宅褥瘡への関わりはコロナ禍でいかに変わったか/間宮直子
6. 急性期病院から在宅生活へ,シームレスな褥瘡・創傷ケアの連携と実践/布留川美帆子,判澤 恵
7. コロナ感染対策として何をしたのか/加瀬昌子
8. コロナ禍における訪問診療の位置づけ/髙木 暢
9. コロナ感染が広がる中での訪問診療/袋 秀平
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